特許第6496148号(P6496148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6496148リード加工機構、部品供給装置、部品実装装置およびリード加工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496148
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】リード加工機構、部品供給装置、部品実装装置およびリード加工方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20190325BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   H05K13/04 F
   H05K13/02 B
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-9532(P2015-9532)
(22)【出願日】2015年1月21日
(65)【公開番号】特開2015-211214(P2015-211214A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2017年12月20日
(31)【優先権主張番号】1-2014-01428
(32)【優先日】2014年4月29日
(33)【優先権主張国】VN
(73)【特許権者】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グエン ソン バン
【審査官】 小金井 匠
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/136600(WO,A1)
【文献】 特開昭63−175455(JP,A)
【文献】 特開平03−218099(JP,A)
【文献】 特開昭63−283198(JP,A)
【文献】 特開平06−063887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品本体から複数本のリードが並列に延びるラジアルリード形の複数の部品と、
これらの複数の部品の前記リードが固定されて前記複数の部品を一定間隔で保持するテープ本体と、
前記部品の前記リードをクランプするクランプ部と、
前記クランプ部でクランプされた前記部品の前記部品本体、または、前記部品本体と前記クランプ部によるクランプ箇所との間に配置された前記リードのいずれかを、前記リードの配列方向と直交する方向へ押圧して前記リードを直角に屈曲させるリード屈曲部と、
前記テープ本体を案内する案内溝を備える筺体と、
前記案内溝に案内された前記テープ本体を搬送して、前記部品の受渡場所に前記部品を順次移動させるフィードユニットと、
前記部品の側部を吸着可能な吸着ノズルと、
前記吸着ノズルを有するヘッドと、
前記ヘッドを移動させるヘッド移動機構と、
を備え
前記ヘッドは、前記ヘッド移動機構によって鉛直軸線を中心として回動可能であり、
前記ヘッド移動機構は、前記受渡場所で、前記部品本体が横倒しされて且つ前記リード屈曲部で前記リードが直角に屈曲された状態で、前記ヘッドの回動中心を、前記リードの配列の中央位置に一致させて、前記吸着ノズルが前記部品本体を吸着することを特徴とする部品実装装置
【請求項2】
前記クランプ部による前記リードのクランプ箇所と前記テープ本体との間における前記リードを切断して前記テープ本体から前記部品を分離させる切断部、
を備えることを特徴とする請求項に記載の部品実装装置
【請求項3】
前記クランプ部は、
前記リードをクランプするクランプブロックと、
前記クランプブロックを付勢するバネと、
前記クランプブロックを一方向に沿って移動可能に支持する支持部材と、を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の部品実装装置
【請求項4】
前記リード屈曲部と前記切断部を駆動させる駆動部材を備えていることを特徴とする請求項に記載の部品実装装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リード加工機構、部品供給装置、部品実装装置およびリード加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品を回路基板へ実装する部品実装装置と、この部品実装装置へ電子部品を供給する部品供給装置は良く知られている。その部品供給装置の一例として、電子部品がテープ本体に一定間隔で保持された電子部品保持テープをフィードユニットで搬送し、部品実装装置の吸着ノズルによる吸着領域に移動された電子部品のリードをカットユニットで切断して分離するタイプの装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−65802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばごく狭い、スペースに配設される回路基板では、回路基板に実装する電子部品の高さを極力小さくすることが要求される。ゆえに、このような回路基板に対して、部品本体から複数本のリードが、下方に向けて並列に延びるラジアルリード形の電子部品を実装する場合、電子部品を回路基板へ実装した後に、そのリードを直角に屈曲させて電子部品を横倒しにすることで、回路基板から突出する電子部品の高さをより小さくしている。
【0005】
しかしながら、例えば特許文献1に開示された部品供給装置と部品実装装置では、上記のようなラジアルリード形の電子部品を回路基板へ横倒しして実装することが困難であった。したがって、ラジアルリード形の電子部品を回路基板へ横倒しして実装する際には、作業者がリードを屈曲させて基板のスルーホールへリードを挿し込んでおり、作業者に多大な手間および負担がかかっていた。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためのリード加工機構、部品供給装置、部品実装装置およびリード加工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のリード加工機構は、
部品本体から複数本のリードが並列に延びるラジアルリード形の部品のリードを屈曲させるリード加工機構であって、
前記部品のリードをクランプするクランプ部と、
前記クランプ部でクランプされた前記部品の前記部品本体、または、前記リードのいずれかを、前記リードの配列方向と直交する方向へ押圧して前記リードを直角に屈曲させるリード屈曲部と、を備えることを特徴とする。
また、上記リードの加工機構は、
部品本体から複数本のリードが並列に延びるラジアルリード形の複数の部品と、これらの複数の部品の前記リードが固定されて前記複数の部品を一定間隔で保持するテープ本体を備え、前記部品の前記リードを屈曲させるリード加工機構であって、
前記部品の前記リードをクランプするクランプ部と、
前記クランプ部でクランプされた前記部品の前記部品本体、または、前記部品本体と前記クランプ部によるクランプ箇所との間に配置された前記リードのいずれかを、前記リードの配列方向と直交する方向へ押圧して前記リードを直角に屈曲させるリード屈曲部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
これらのリード加工機構によれば、
ラジアルリード形の部品を、横倒し状態にしてリードを屈曲する。このため、横倒し状態を維持しつつ、部品を速やかに基板への実装工程に移行することができる。
【0009】
本発明のリード加工機構において、前記クランプ部による前記リードのクランプ箇所と前記テープ本体との間における前記リードを切断して前記テープ本体から前記部品を分離させる切断部、
を備えることが好ましい。
【0010】
この構成のリード加工機構によれば、切断部がリードのクランプ箇所とテープ本体との間を切断するので、リードを屈曲加工した部品をテープ本体から容易に分離させることができる。
【0011】
また、本発明のリード加工機構は、
前記クランプ部が、前記部品のリードをクランプするクランプブロックと、
前記クランプブロックを付勢するバネと、前記クランプブロックを一方向に沿って移動可能に支持する支持部材と、を備えていると好ましい。
また、本発明のリード加工機構は、前記リード屈曲部と前記切断部を駆動させる駆動部材を備えていると好ましい。
【0012】
本発明の部品供給装置は、前記テープ本体を案内する案内溝を備える筺体と、
前記案内溝に案内された前記テープ本体を搬送して、前記部品の受渡場所に前記部品を順次移動させるフィードユニットと、
を備え、
前記受渡場所に、上記のリード加工機構が設けられていることを特徴とする。
【0013】
この構成の部品供給装置によれば、フィードユニットによって筺体の案内溝に沿って搬送される部品保持テープの部品を、受渡場所でリードが直角に屈曲されてテープ本体から分離された状態で吸着ノズルへ円滑に受け渡すことができる。
【0014】
本発明の部品実装装置は、上記の部品供給装置と、
前記電子部品の側部を吸着可能な吸着ノズルと、
前記吸着ノズルを有するヘッドと、
前記ヘッドを移動させるヘッド移動機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成の部品実装装置によれば、作業者の手作業によらずに、ラジアルリード形の部品を容易に基板へ横倒しした状態で実装することができる。これにより、横倒しで部品を基板へ実装させる際の作業者の負担を大幅に軽減させることができる。
【0016】
本発明の部品実装装置において、前記ヘッドは、前記ヘッド移動機構によって鉛直軸線を中心として回動可能であり、
前記ヘッド移動機構は、前記受渡場所で前記吸着ノズルに前記部品が受け渡される際に、前記ヘッドの回動中心を、前記部品の前記リードの配列の中央位置に一致させることが好ましい。
【0017】
この構成の部品実装装置によれば、吸着ノズルを備えたヘッドの回動中心を、部品のリードの配列の中央位置に一致させるので、基板のスルーホールへリードを円滑に挿入することができる。特に、レーザ認識方式でリードの位置を検出する場合にも、リードの位置を高精度に検出することができる。
【0018】
本発明のリード加工方法は、部品本体から複数本のリードが並列に延びるラジアルリード形の部品のリードを屈曲させるリード加工方法であって、
前記部品の前記リードをクランプし、クランプされた前記部品の前記部品本体、または前記リードのいずれかを、前記リードの配列方向と直交する方向へ押圧して前記リードを直角に屈曲させることを特徴とする。
本発明のリード加工方法は、部品本体から複数本のリードが並列に延びるラジアルリード形の複数の部品と、これらの複数の部品の前記リードが固定されて前記部品を一定間隔で保持するテープ本体とからなる部品保持テープにおける前記部品のリードを屈曲させるリード加工方法であって、
前記テープ本体に固定された前記部品の前記複数本のリードをクランプし、
クランプされた前記部品の前記部品本体または前記部品本体とクランプ箇所との間における前記リードのいずれかを、前記リードの配列方向と直交する方向へ押圧して前記リードを直角に屈曲させることを特徴とする。
【0019】
これらのリード加工方法によれば、ラジアルリード形の部品を、横倒し状態にしてリードを屈曲する。このため、横倒し状態を維持しつつ、部品を速やかに基板への実装工程に移行することができる。なお、実装工程は手作業でも、部品実装装置を用いても良い。
【0020】
本発明のリード加工方法において、前記リードのクランプ箇所と前記テープ本体との間における前記リードを切断して前記テープ本体から前記部品を分離させることが好ましい。
【0021】
このリード加工方法によれば、リードのクランプ箇所とテープ本体との間を切断するので、リードを屈曲加工した部品をテープ本体から容易に分離させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ラジアルリード形の部品を基板へ横倒しして実装させる際に用いて好適なリード加工機構、部品供給装置、部品実装装置およびリード加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態に係る部品実装装置の斜視図である。
図2】部品実装装置の部品供給ユニットの概略構成を示す概略平面図である。
図3】吸着ノズルで基板に部品を実装するヘッドの一部を断面視した側面図である。
図4】部品保持テープの概略構成を示す側面図である。
図5】本実施形態に係る部品供給装置の斜視図である。
図6】部品供給装置の一部の斜視図である。
図7】本実施形態に係るリード加工機構の斜視図である。
図8】本実施形態に係るリード加工機構の斜視図である。
図9】本実施形態に係るリード加工機構の斜視図である。
図10】本実施形態に係るリード加工機構の一部を断面視した側面図である。
図11】本実施形態に係るリード加工機構の一部を断面視した側面図である。
図12】変形例に係るリード加工機構の斜視図である。
図13】変形例に係るリード加工機構の斜視図である。
図14】変形例に係るリード加工機構の一部を断面視した側面図である。
図15】変形例に係るリード加工機構の一部を断面視した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るリード加工機構、部品供給装置、部品実装装置およびリード加工方法の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る部品実装装置の斜視図である。図2は、部品実装装置の部品供給ユニットの概略構成を示す概略平面図である。図3は、吸着ノズルで基板に部品を実装するヘッドの一部を断面視した側面図である。図4は、部品保持テープの概略構成を示す側面図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る部品実装装置10は、基板11の上に後述する電子部品(部品)31を搭載する装置である。部品実装装置10は、基板搬送部12と、部品供給ユニット14と、ヘッド15と、XY移動機構(ヘッド移動機構)16と、昇降機構(ヘッド移動機構)17とを備えている。
【0026】
基板11は、板状部材であり、表面に配線パターンが設けられている。基板11に設けられた配線パターンの表面には、リフローによって板状部材の配線パターンと電子部品とを接合する接合部材であるはんだが付着している。また、基板11には、電子部品のリードが挿入されるスルーホールも形成されている。
【0027】
基板搬送部12は、基板11を図1中X軸方向に搬送する搬送機構である。基板搬送部12は、X軸方向に延在するレール12aに沿って基板11を移動させる。基板搬送部12は、基板11の搭載対象面がヘッド15と対面する向きで、基板11をレール12aに沿って移動させることで基板11をX軸方向に搬送する。基板搬送部12は、部品実装装置10に供給する機器から供給された基板11を、レール12a上の所定位置まで搬送する。基板搬送部12は、所定位置まで搬送した基板11上に電子部品31が搭載されたら、基板11を、次の工程を行う装置に搬送する。
【0028】
部品供給ユニット14は、基板11上に搭載する電子部品31を多数保持し、ヘッド15に供給する。図2に示すように、部品供給ユニット14は、複数の部品供給装置21を備えており、これらの部品供給装置21は、支持台22に支持されている。部品供給ユニット14は、部品実装装置10の装置本体に対して着脱可能な構成とすることが好ましい。
【0029】
図3に示すように、電子部品31は、部品本体32と、この部品本体32の下端から並列に延びる一対のリード33とを有するラジアルリード形の部品である。本例では、円柱状に形成された部品本体32の下端から一対のリード33が平行に延在する、例えば、コンデンサー等の電子部品である。電子部品31は、そのリード33が、配列方向と直交する方向へ直角に屈曲されている。
【0030】
ヘッド15は、吸着ノズル41を備えている。ヘッド15は、XY移動機構16によって水平方向(X,Y方向)に移動されるとともに、昇降機構17によって上下方向(Z方向)へ昇降される。また、ヘッド15は、回動機構(図示略)によって鉛直方向の回動中心(鉛直軸線)Oを中心として回動可能とされている。吸着ノズル41は、下面側に、断面視円弧状に凹む保持溝42を有している。この保持溝42の断面形状は、電子部品31の部品本体32の曲率半径と略同一の曲率半径の円弧状とされている。このため、吸着ノズル41は、電子部品の円筒部を吸着可能である。なお、電子部品が円柱状でなく立方体状の場合、上面と、リードが出ている底面を除く、正面や側面を平坦な吸着ノズルで吸着できる。電子部品の円柱状の円筒部や、立方体状の正面や側面を総称して部品の側部とする。
【0031】
部品実装装置10において、電子部品31を基板11へ実装する場合は、まず、部品供給ユニット14の部品供給装置21の受渡場所において、電子部品31の横向きにされた部品本体32に対してヘッド15を移動させて吸着ノズル41を上方側から当接させ、吸着ノズル41の保持溝42に部品本体32を配置させる。この状態で、保持溝42に連通する吸引流路(図示略)から吸引することで、吸着ノズル41に部品本体32を吸着させて保持させる。そして、ヘッド15を移動させて吸着ノズル41に保持させた電子部品31を基板搬送部12に配置されている基板11の上方へ移動させ、ヘッド15を下降させて電子部品31のリード33をスルーホールに挿入させる。その後、吸引を解除することで、吸着ノズル41による部品本体32の保持を解除し、次の部品の実装を行う。
【0032】
図4に示すように、基板11に実装される電子部品31は、部品保持テープ30の状態で部品供給ユニット14の部品供給装置21にセットされる。部品保持テープ30は、複数の電子部品31と、これらの複数の電子部品31のリード33が固定されて電子部品31を一定間隔で保持するテープ本体34とから構成されている。テープ本体34には、延在方向に一定間隔で送り穴としての穴35が形成されている。
【0033】
図5は、本実施形態に係る部品供給装置の斜視図である。図6は、部品供給装置の一部の斜視図である。
図5および図6に示すように、部品供給装置21は、筺体51と、フィードユニット54と、リード加工機構55とを備えている。
【0034】
筺体51は、支持台22と連結される固定部52と、部品保持テープ30のテープ本体34を案内する案内溝53とを備えている。
【0035】
フィードユニット54は、案内溝53に案内されたテープ本体34を搬送して、受渡場所Uに電子部品31を順次移動させる。この受渡場所Uで、ヘッド15の吸着ノズル41が電子部品31を吸着する。
【0036】
リード加工機構55は、ヘッド15の吸着ノズル41に電子部品31が受け渡される受渡場所Uに設けられている。リード加工機構55は、電子部品31のリード33を部品本体32に対してリード33の配列方向と直交する方向へ直角に屈曲させるとともに、リード33を切断してテープ本体34から分離させる。
【0037】
図7は、本実施形態に係るリード加工機構の斜視図である。図8は、本実施形態に係るリード加工機構の斜視図である。図9は、本実施形態に係るリード加工機構の斜視図である。図10は、本実施形態に係るリード加工機構の一部を断面視した側面図である。図11は、本実施形態に係るリード加工機構の一部を断面視した側面図である。
【0038】
図7から図11に示すように、リード加工機構55は、クランプ部61と、リード屈曲部62とを備えている。
【0039】
リード加工機構55は、支持部材70を有している。この支持部材70は、部品供給装置21の筺体51に固定されている。支持部材70は、ベース板部71と、このベース板部71の一端側に立設された端面板部72と、ベース板部71の一側部と端面板部72の一側部とに連結された側板部73とを有している。
【0040】
支持部材70には、駆動機構74が設けられている。駆動機構74は、駆動シリンダ75を有している。駆動シリンダ75は、支持部材70の端面板部72に固定されている。駆動シリンダ75は、ロッド76を有しており、ロッド76は、ベース板部71の上方側に配置されている。駆動シリンダ75は、案内溝53に沿う方向にロッド76を進退させる。ロッド76の端部には、ブラケット77が固定されている。
【0041】
このブラケット77は、ロッド76が進退されることで、端面板部72の上方側で往復移動される。具体的には、ブラケット77は、ロッド76が突出されることで、図7中矢印A方向へ移動し、ロッド76が引き込まれることで、図7中矢印B方向へ移動する。このブラケット77には、その上部に、押圧板78が固定されている。この押圧板78には、駆動シリンダ75と反対側の端部である先端側の角部に、テーパ部79が形成されている。
【0042】
リード加工機構55は、支持ブロック81を有している。この支持ブロック81は、部品供給装置21の筺体51に固定されている。支持ブロック81には、一側面に、リンク部材82が設けられている。このリンク部材82は、その中間部を部材9により回動可能に支持されている。このため、リンク部材82は、案内溝53に沿う水平軸線を中心に回動可能に支持されている。リンク部材82の下端には、水平に延びる固定片83が設けられており、この固定片83には、その下方側に、ローラ84が設けられている。このローラ84は、リンク部材82の回動軸と直交する軸線を中心に回動可能に固定片83に支持されている。また、リンク部材82の上端には、上方へ突出する係止片85が形成されている。
【0043】
リンク部材82に設けられたローラ84は、駆動機構74の押圧板78の前方側に配置されている。これにより、駆動機構74のロッド76が突出されてブラケット77とともに押圧板78が図7中矢印A方向へ移動すると、押圧板78のテーパ部79がローラ84に接触する。すると、ローラ84は、回動しながら押圧板78の前方から外れる位置へ押し出される。これにより、リンク部材82が図10中矢印C方向へ回動され(図7では反時計方向に回転する)、リンク部材82の係止片85が受渡場所Uへ向かって図10中矢印D方向へ移動する。
【0044】
支持ブロック81は、上方側が開放された案内スリット86を有している。この案内スリット86は、筺体51の案内溝53と連通されている。これにより、案内スリット86に、案内溝53に沿って搬送される部品保持テープ30のテープ本体34が挿通される。支持ブロック81の上部は、案内スリット86を挟んだ一方側が押圧部87とされ、他方側が受け部88とされている。
【0045】
支持ブロック81の押圧部87には、その上方側を覆うように、支持ブラケット91が設けられている。この支持ブラケット91は、支持ブロック81および筺体51に固定されている。支持ブラケット91の両側には、下方へ延出して互いに対向するピン支持片92が形成されており、互いに対向するピン支持片92には、それぞれガイドピン93が掛け渡されて固定されている。これらのガイドピン93は、案内溝53と直交する方向に平行に配置されている。
【0046】
また、支持ブロック81の押圧部87と支持ブラケット91との間には、クランプベースブロック95が設けられている。このクランプベースブロック95には、一対の挿通孔96が形成されており、これらの挿通孔96に、ガイドピン93が挿通されている。これにより、クランプベースブロック95は、案内溝53と直交する方向へ移動可能に支持されている。ガイドピン93におけるクランプベースブロック95と案内溝53側のピン支持片92との間には、コイルバネ97が設けられている。これにより、クランプベースブロック95は、コイルバネ97によって常に受渡場所Uと反対側へ付勢されている。
【0047】
クランプベースブロック95には、その下面に、リード板101が固定されている。このリード板101には、下方へ突出する係止板部102が形成されている。この係止板部102には、リンク部材82の係止片85が係止可能とされている。また、クランプベースブロック95には、その上面に、側面視L字状の押圧ベース板103が固定されている。この押圧ベース板103には、受渡場所U側に、固定部104が形成されており、この固定部104には、押圧ブロック105が固定されている。押圧ブロック105には、受渡場所U側へ突出する押圧凸部106が形成されている。この押圧凸部106がリード屈曲部62を構成している。押圧凸部106は、クランプ部61でクランプされた電子部品31の部品本体32に当接して、電子部品31を横倒し状態にしつつ、リード33を屈曲する。
【0048】
クランプベースブロック95には、受渡場所U側に、凹部107が形成されており、この凹部107には、クランプブロック111が配置されている。クランプブロック111には、受渡場所Uと反対側に穴部112が形成されており、この穴部112には、サポートピン113が挿し込まれている。このサポートピン113は、固定ピン114によってクランプブロック111に固定されている。サポートピン113は、クランプベースブロック95に形成されたスライド孔108に挿通されており、クランプベースブロック95における受渡場所Uと反対側に突出されている。スライド孔108は、クランプブロック111側が大径に形成されており、この大径に形成された部分には、コイルバネ116が設けられている。これにより、クランプブロック111は、コイルバネ(バネ)116によってクランプベースブロック95に対して受渡場所U側へ付勢されている。サポートピン113には、クランプベースブロック95から突出された端部に、スライド孔108からの抜け止めのための係止リング115が固定されている。クランプブロック111は、押圧ブロック105よりも、案内溝53側へ突出されている。上記のように、クランプ部61は、電子部品31のリード33をクランプするクランプブロック111と、クランプブロック111を付勢するバネ116と、クランプブロック111を水平一方向に沿って移動可能に支持する支持部材を備えている。なお、支持部材はサポートピン113とスライド孔108から構成されている。
【0049】
支持ブロック81の受け部88の上部には、側面視L字状に形成されたリード受け板121が固定されている。このリード受け板121には、案内溝53側に、受け板部122が形成されている。受け板部122は、クランプブロック111の対向位置に配置されている。また、リード受け板121の上部には、部品受けブロック123が固定されている。この部品受けブロック123は、V溝部124を有しており、このV溝部124には、電子部品31の部品本体32が配置可能とされている。そして、この部品受けブロック123の上方位置は、部品供給装置21から吸着ノズル41へ電子部品31が受け渡される受渡位置Uとされている。
【0050】
上記構造のリード加工機構55は、切断部63を備えている。切断部63は、カッタ131を有しており、このカッタ131は、カッタ支持部132によって支持部材70に支持されている。カッタ支持部132は、支持部材70のベース板部71に立設された支柱133を有している。支柱133の上端には、回動板134が回動可能に支持されている。この回動板134には、一端側に当接ローラ135が設けられている。この当接ローラ135には、ブラケット77が当接可能とされている。また、回動板134には、係止ピン136が設けられており、この係止ピン136には、一端がブラケット77に係止された引っ張りバネ137の他端が係止されている。回動板134の他端には、長孔138が形成されており、この長孔138には、連結柱141が上方側から挿入されている。連結柱141の上端には、連結部材142の一端が固定されている。カッタ131は、棒状に形成されており、その下端に、連結部材142の他端が連結されている。カッタ131は、支持ブロック81に対して軸線を中心として回動可能に支持されている。カッタ131の上端には、切断刃131aが設けられている。
【0051】
切断部63では、駆動機構74のロッド76が突出されてブラケット77が図7中矢印A方向へ移動すると、当接ローラ135にブラケット77が当接し、ブラケット77によって当接ローラ135が押圧される。すると、回動板134が支柱133における支持箇所を中心として回動する。したがって、回動板134の長孔138に挿入された連結柱141が長孔138内を移動しながらブラケット77と反対側へ移動する。これにより、連結部材142によって連結柱141に連結されたカッタ131が軸線を中心として回動する。また、ロッド76が引き込まれてブラケット77が図7中矢印B方向へ移動すると、回動板134が引っ張りバネ137によって引っ張られ、よって、カッタ131が逆方向へ回動し、初期位置に戻される。
上記の通り、駆動シリンダ75は、リード屈曲部62と切断部63を連動して、駆動させる一個の駆動部材である。
【0052】
次に、上記のリード加工機構55、部品供給装置21および部品実装装置10の動作について説明する。
フィードユニット54によって部品保持テープ30のテープ本体34が搬送されて電子部品31が受渡場所Uに配置されると、リード加工機構55の駆動シリンダ75が駆動されてロッド76が突出される。すると、ブラケット77とともに押圧板78が図7中矢印A方向へ移動し、押圧板78のテーパ部79がローラ84に接触する。これにより、ローラ84が回動しながら押圧板78の前方から外れる位置へ押し出され、リンク部材82が図10中矢印C方向へ回動される(図7では反時計方向に回転する)。これにより、リンク部材82の係止片85が受渡場所Uへ向かって図10中矢印D方向へ移動する。
【0053】
係止片85が図10中矢印D方向へ移動すると、係止片85が係止された係止板部102を有するリード板101が受渡場所Uへ向かって移動する。これにより、クランプベースブロック95がコイルバネ97の付勢力に抗してリード板101とともに受渡場所Uへ向かってスライドする。
【0054】
クランプベースブロック95が受渡場所Uへ向かってスライドすると、まず、クランプブロック111が受渡場所Uに配置されている電子部品31のリード33に当接する。これにより、電子部品31のリード33は、クランプブロック111とリード受け板121の受け板部122とで挟持されてクランプされた状態となる。この時点で、クランプブロック111は、受渡場所Uへの移動が規制される。これにより、その後は、コイルバネ116が圧縮されてクランプベースブロック95だけが受渡場所Uへ向かって移動することとなる。
【0055】
クランプベースブロック95がさらに受渡場所Uへ向かってスライドすると、押圧ブロック105の押圧凸部106が電子部品31の部品本体32の下端における側部に当接する。
【0056】
クランプベースブロック95がさらに受渡場所Uへ向かってスライドすると、押圧ブロック105の押圧凸部106によって部品本体32の下端が受渡場所Uへ向かって押圧される。これにより、電子部品31は、部品本体32が横倒しされて部品受けブロック123のV溝部124上に配置され、リード33が配列方向と直交する方向へ直角に屈曲される。
【0057】
この状態で、ヘッド15が受渡場所Uへ移動されて吸着ノズル41が部品本体32に上方側から当接され、吸着ノズル41の保持溝42に部品本体32が配置され、吸着ノズル41に部品本体32が吸着されて保持される。このとき、ヘッド15は、その回動中心Oが電子部品31のリード33の配列の中央位置と一致する。
【0058】
電子部品31の部品本体32が吸着ノズル41に吸着されて保持された状態で、切断部63のカッタ131の切断刃131aによってリード33が切断されてテープ本体34から分離される。具体的には、駆動機構74のロッド76が突出されてブラケット77が図7中矢印A方向へ移動し、ブラケット77によって当接ローラ135が押圧されることで、回動板134が回動し、連結柱141が長孔138内を移動しながらブラケット77と反対側へ移動する。これにより、連結部材142によって連結柱141に連結されたカッタ131が軸線を中心として回動し、切断刃131aがリード33に接触し、リード33を切断する。
【0059】
リード33が切断されて電子部品31がテープ本体34から分離されると、ヘッド15が移動されて吸着ノズル41に保持させた電子部品31が基板11に実装される。
【0060】
ここで、部品実装装置10では、レーザ認識方式によって電子部品31の形状およびリード33の位置を検出する。レーザ認識方式では、光源と受光素子との間に電子部品31を配置させた状態で光源からレーザ光を出力するとともにヘッド15を回動させる。そして、このときに受光素子で到達したレーザ光を検出することで、光源と受光素子との間に配置されている電子部品31の形状およびリード33の位置を検出する。これにより、ヘッド15の吸着ノズル41に吸着させた電子部品31のリード33を基板11のスルーホールへ高精度に挿し込むことができる。このとき、ヘッド15の回動中心Oが電子部品31のリード33の配列の中央位置に一致されているので、レーザ認識方式によるリード33の位置を高精度に認識することができる。
【0061】
ヘッド15によって受渡場所Uから電子部品31が搬送されると、駆動シリンダ75にロッド76が引き込まれることで、ブラケット77が図7中B方向へ移動する。これにより、切断部63では、回動板134が引っ張りバネ137によって引っ張られ、カッタ131が逆方向へ回動されて切断刃131aが初期位置に戻される。また、ブラケット77の図7中B方向への移動によって、ローラ84への押圧板78の接触が解除され、コイルバネ97の付勢力によってクランプベースブロック95が受渡場所Uと反対側へスライドされる。これにより、押圧ブロック105が受渡場所Uと反対側へ引き込まれるとともに、クランプブロック111によるリード33のクランプが解除される。
【0062】
その後、フィードユニット54によって部品保持テープ30のテープ本体34が搬送され、次の電子部品31が受渡場所Uに配置される。
【0063】
以上、説明したように、本実施形態に係るリード加工機構およびリード加工方法よれば、テープ本体34に固定された電子部品31の複数本のリード33をクランプした状態で、部品本体32をリード33の配列方向と直交する方向へ押圧してリード33を直角に屈曲させる。したがって、部品本体32からリード33が並列に延びるラジアルリード形の電子部品31を、横倒しで基板11へ実装可能な状態に容易に加工することができる。
【0064】
また、切断部63のカッタ131がリード33のクランプ箇所とテープ本体34との間を切断するので、リード33を屈曲加工した電子部品31をテープ本体34から容易に分離させることができる。
【0065】
そして、このリード加工機構55を備えた部品供給装置21によれば、フィードユニット54によって筺体51の案内溝53に沿って搬送される電子部品保持テープ30の電子部品31を、受渡場所Uでリード33が直角に屈曲されてテープ本体34から分離された状態で吸着ノズル41へ円滑に受け渡すことができる。
【0066】
また、部品供給装置21を備えた部品実装装置10によれば、リード33が直角に屈曲されて横倒しされた電子部品31を、吸着して保持した吸着ノズル41を備えたヘッド15をXY移動機構16および昇降機構17によって移動させて基板11へ円滑に実装することができる。これにより、作業者の手作業によらずに、ラジアルリード形の電子部品31を、容易に基板11へ横倒しした状態で実装することができる。これにより、横倒しで電子部品31を基板11へ実装させる際の作業者の負担を大幅に軽減させることができる。
【0067】
また、吸着ノズル41を備えたヘッド15の回動中心Oを、電子部品31のリード33の配列の中央位置に一致させるので、基板11のスルーホールへリード33を円滑に挿入することができる。特に、レーザ認識方式でリード33の位置を検出する場合にも、リード33の位置を高精度に検出することができる。
【0068】
次に、リード加工機構55の変形例について説明する。
なお、上記実施形態と同一構造部分は、同一符号を付して説明を省略する。
図12は、変形例に係るリード加工機構の斜視図である。図13は、変形例に係るリード加工機構の斜視図である。図14は、変形例に係るリード加工機構の一部を断面視した側面図である。図15は、変形例に係るリード加工機構の一部を断面視した側面図である。
【0069】
図12から図15に示すように、変形例に係るリード加工機構55では、上記実施形態とは異なる形状の押圧凸部106Aを有する押圧ブロック105Aを備えている。この押圧ブロック105Aの押圧凸部106Aは、受渡場所Uへ向かって上面側が次第に下方へ傾斜した形状とされている。これにより、押圧凸部106Aは、その先端部が薄肉とされている。
【0070】
この変形例に係るリード加工機構55では、駆動シリンダ75が駆動されてロッド76が突出されることで、ブラケット77とともに押圧板78が図12中矢印A方向へ移動し、押圧板78のテーパ部79がローラ84に接触する。これにより、ローラ84が回動しながら押圧板78の前方から外れる位置へ押し出され、リンク部材82が図14中矢印C方向へ回動される。これにより、リンク部材82の係止片85が受渡場所Uへ向かって図14中矢印D方向へ移動する。
【0071】
係止片85が図14中矢印D方向へ移動すると、係止片85が係止された係止板部102を有するリード板101が受渡場所Uへ向かって移動する。これにより、クランプベースブロック95がコイルバネ97の付勢力に抗してリード板101とともに受渡場所Uへ向かってスライドする。クランプベースブロック95が受渡場所Uへ向かってスライドすると、まず、クランプブロック111が受渡場所Uに配置されている電子部品31のリード33に当接する。これにより、電子部品31のリード33は、クランプブロック111とリード受け板121の受け板部122とで挟持されてクランプされた状態となる。
【0072】
クランプベースブロック95がさらに受渡場所Uへ向かってスライドすると、押圧ブロック105Aの押圧凸部106Aが電子部品31の部品本体32と、クランプブロック111とリード受け板121の受け板部122とによるクランプ箇所との間におけるリード33に当接する。
【0073】
クランプベースブロック95がさらに受渡場所Uへ向かってスライドすると、押圧ブロック105Aの押圧凸部106Aによってリード33が受渡場所Uへ向かって押圧される。これにより、リード33が配列方向と直交する方向へ直角に屈曲され、電子部品31は、部品本体32が横倒しされて部品受けブロック123のV溝部124上に配置される。
【0074】
この状態で、ヘッド15が受渡場所Uへ移動されて吸着ノズル41が部品本体32に上方側から当接され、吸着ノズル41の保持溝42に部品本体32が配置され、吸着ノズル41に部品本体32が吸着されて保持される。このときも、ヘッド15は、その回動中心Oが電子部品31のリード33の配列の中央位置に一致される。
【0075】
電子部品31の部品本体32が吸着ノズル41に吸着されて保持されると、切断部63のカッタ131の切断刃131aによってリード33が切断されてテープ本体34から分離される。これにより、ヘッド15による基板11への電子部品31の実装が可能とされる。
【0076】
ヘッド15によって受渡場所Uから電子部品31が搬送されると、駆動シリンダ75にロッド76が引き込まれることで、ブラケット77が図12中B方向へ移動する。これにより、切断部63では、回動板134が引っ張りバネ137によって引っ張られ、カッタ131が逆方向へ回動されて切断刃131aが初期位置に戻される。また、ブラケット77の図12中B方向への移動によって、ローラ84への押圧板78の接触が解除され、コイルバネ97の付勢力によってクランプベースブロック95が受渡場所Uと反対側へスライドされる。これにより、押圧ブロック105Aが受渡場所Uと反対側へ引き込まれるとともに、クランプブロック111によるリード33のクランプが解除される。
【0077】
その後、フィードユニット54によって部品保持テープ30のテープ本体34が搬送され、次の電子部品31が受渡場所Uに配置される。
【0078】
このように、この変形例の場合も、テープ本体34に固定された電子部品31の複数本のリード33をクランプした状態で、リード33をリード33の配列方向と直交する方向へ押圧して直角に屈曲させる。したがって、部品本体32からリード33が並列に延びるラジアルリード形の電子部品31を、横倒しで基板11へ実装可能な状態に容易に加工することができる。
【0079】
特に、変形例に係るリード加工機構55では、リード33を直接押圧してリード33を屈曲させる。したがって、部品本体32とリード33との根元部分への外力の付与を極力抑えることができ、電子部品31の信頼性の低下を抑制できる。
【0080】
なお、上記実施形態では、二本のリード33を有する電子部品31を加工する場合を例にとって説明したが、本発明は、ラジアルリード形であれば、三本以上のリード33が並列に延びる電子部品31にも適用可能である。
また、上記実施形態は、電子部品31のリード33を固定し電子部品31を一定間隔で保持するテープ本体34を備える、ラジアルリード形の電子部品31を対象としていた。これに対して、テープ本体に保持されない部品を、手動または自動で供給し、リードをクランプして、リードを直角に屈曲させることも容易に考えられる。
また、上記実施形態においては、フィードユニット54として、テープ本体の穴35に係合してピッチ送りするものが記載されているが、孔部によらずに、振動により部品を送ることも容易に考えられる。
【符号の説明】
【0081】
10:部品実装装置
11:基板
15:ヘッド
16:XY移動機構(ヘッド移動機構)
17:昇降機構(ヘッド移動機構)
21:部品供給装置
30:部品保持テープ
31:部品(電子部品)
32:部品本体
33:リード
34:テープ本体
41:吸着ノズル
51:筺体
53:案内溝
54:フィードユニット
55:リード加工機構
61:クランプ部
62:リード屈曲部
63:切断部
O:回動中心
U:受渡場所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15