(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496306
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】自動車の車内照明システム
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/85 20170101AFI20190325BHJP
B60Q 3/18 20170101ALI20190325BHJP
B60Q 3/74 20170101ALI20190325BHJP
【FI】
B60Q3/85
B60Q3/18
B60Q3/74
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-515577(P2016-515577)
(86)(22)【出願日】2014年5月2日
(65)【公表番号】特表2016-520478(P2016-520478A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】CA2014000402
(87)【国際公開番号】WO2014190410
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2017年4月21日
(31)【優先権主張番号】13/904,674
(32)【優先日】2013年5月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515314188
【氏名又は名称】パスダー,モハマド ビー.
【氏名又は名称原語表記】PASDAR,Mohammad B.
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パスダー,モハマド ビー.
【審査官】
杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06575607(US,B1)
【文献】
特表2004−524650(JP,A)
【文献】
実開平01−181195(JP,U)
【文献】
実開平05−025696(JP,U)
【文献】
特開平10−059066(JP,A)
【文献】
特開2003−072463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/85
B60Q 3/18
B60Q 3/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともひとつの自動車計器照明装置と、
少なくともひとつの自動車インジケータ装置と、
少なくともひとつの自動車車内照明装置と、
前記少なくともひとつの自動車計器照明装置、前記少なくともひとつの自動車インジケータ装置、および、前記少なくともひとつの自動車車内照明装置の色および強度を選択的に制御するように構成されたコントローラと、
前記コントローラへユーザ調節可能な色入力を印加するように構成された色コントロールと、
前記コントローラへユーザ調節可能な強度入力を印加するように構成された強度コントロールと、
前記コントローラへユーザ調節可能なセレクタ入力を印加するように構成されたセレクタコントロールと、
を備え、
前記セレクタ入力は、色および強度を調節するための、前記少なくともひとつの計器照明装置、前記少なくともひとつのインジケータ照明装置、および前記少なくともひとつの車内照明装置の一つ以上の組を選択し、
前記コントローラは、当該コントローラに印加された前記色入力および前記強度入力に基づいて、前記セレクタ入力によって選択された組のすべての照明の色および強度を同時に制御する、
ことを特徴とする自動車の車内照明システム。
【請求項2】
前記少なくともひとつの自動車計器照明装置、前記少なくともひとつの自動車インジケータ照明装置、および、前記少なくともひとつの自動車車内照明装置は、それぞれ発光ダイオードを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記発光ダイオードは、三色発光ダイオードを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記色コントロールは、ポテンショメーターである、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記強度コントロールは、ポテンショメーターである、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記強度入力をデジタル化するためのアナログ・デジタルコンバータを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記セレクタコントロールは、複数位置スイッチを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数位置スイッチは、5つのポジションを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数位置スイッチが第1のポジションにあるとき、前記少なくともひとつの計器照明装置、前記少なくともひとつのインジケータ照明装置、および、前記少なくともひとつの車内照明装置がオフである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数位置スイッチが第2のポジションにあるとき、前記コントローラは、前記少なくともひとつの計器照明装置の前記強度および前記色を設定する、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数位置スイッチが第3のポジションにあるとき、前記コントローラは、前記少なくともひとつのインジケータ照明装置の前記強度および前記色を設定する、請求項8から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数位置スイッチが第4のポジションにあるとき、前記コントローラは、前記少なくともひとつの車内照明装置の前記強度および前記色を設定する、請求項8から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数位置スイッチが第5のポジションにあるとき、前記コントローラは、前記少なくともひとつの計器照明装置、前記少なくともひとつのインジケータ照明装置、および、前記少なくともひとつの車内照明装置の前記強度および前記色を設定する、請求項8から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくともひとつの計器照明装置をオンおよびオフするための第1制御装置と、
前記少なくともひとつのインジケータ照明装置をオンおよびオフするための第2制御装置と、
前記少なくともひとつの車内照明装置をオンおよびオフするための第3制御装置と
をさらに備える請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記コントローラは、マイクロコントローラを有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記マイクロコントローラは、オペレーティング・プログラムを受信するためのプログラミング入力ポートを有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記マイクロコントローラは、フラッシュ・プログラマブル・マイクロコントローラを含む、請求項15または16に記載のシステム。
【請求項18】
外部電力を選択的に印加するための自動車運転制御装置をさらに備える、請求項1から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラは、前記色コントロールおよび前記強度コントロールの抵抗値を収集する、ことを特徴とする請求項1から18に記載のシステム。
【請求項20】
計器照明装置を有する計器クラスタと、
インジケータ照明装置を有するインジケータのアレイと、
複数の車内照明装置と、
前記計器照明装置、前記インジケータ照明装置、および前記車内照明装置の色および強度を選択的に制御するように構成された制御装置と、
前記制御装置へユーザ調節可能な色入力を印加するように構成された色調節ポテンショメーターと、
前記制御装置へユーザ調節可能な強度入力を印加するように構成された強度調節ポテンショメーターと、
前記制御装置へユーザ調節可能なセレクタ入力を印加するように構成された複数位置セレクタコントロールと、
を備え、
前記セレクタ入力は、色および強度を調節するための、前記計器照明装置、前記インジケータ照明装置、および、前記車内照明装置の一つ以上の組を選択し、
前記制御装置は、当該制御装置に印加された前記色入力および前記強度入力に基づいて、前記セレクタ入力によって選択された組のすべての照明の色および強度を同時に制御する、
ことを特徴とする自動車の車内照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2013年5月29日に出願された米国特許出願第13/904,674号の優先権主張を伴うものである。本願発明は、概して、自動車の車内照明システムに関し、特に、光の強度および色が調節可能な車内照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの自動車運転席には、頭上にドーム形状のライト、運転手が見るためのマップライト、安全に乗り降りするためのドアライト、バックライト型の操作およびコントロールパネル、照明付き化粧ミラーおよびグローブボックスが備えられている。従来、車内照明は、主に機能的側面で考えられてきた。例えば、運転席の室内の選択領域を照射するためにある光量が必要とされ、夜間に車の操作パネルをバックライトによって照らすために、所定の光量が必要とされる。ほとんどの照明および白色光は、白熱バルブによって与えられてきた。また、ある操作バックライトを除いて、ほとんどの車内照明は光の強度調節が不可能である。
【0003】
車内照明のスキームは有用であり、その機能的目的に対して有効であるが、達成される光学的効果は、ほとんど魅力的なものではない。過去数年間にわたって、LED(発光ダイオード)は、自家用車の照明システムに有意な進出を果たした。初期には、新しいLED照明はヘッドライトおよびテールライトに制限されたが、LEDは徐々に車内照明にも使用されるようになった。現在の新しい車は、車内照明、装置照明および警告灯用として広く使用されている。
【0004】
典型的に、LEDの寿命はそれが設置されている車より長い。したがって、バルブの交換は、過去のこととなっている。加えて、LEDは消費電力が少なく、それにより、より小さくかつ安価な配線が可能になる。より少ない消費電力は、他の装置への利用可能な電力の再分配を可能にし、今日のほとんどの車で増加しつつあるアプリケーションを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、多くの人は、LEDの光が明るすぎ、強すぎて、かつ、魅力的ではないと考えている。LEDの明るい光は、特に夜間に問題となる。夜間の運転中に、搭乗者または運転手により明るい室内灯が使用されると、ウインドシールドから運転手の目へ光が反射するため、運転手にとって不快であり、夜間の視界が悪くなる。これは、特に緊急時において危険な状況をもたらす。
【0006】
したがって、上述したような欠点のない、車内照明に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者は、上記固有の問題および従来の欠点を認識し、美的に改良された車内照明に対する必要性が存在するということを発見した。特に有用なLEDの車内照明は、強度および色の両方が調節可能なものである。理想的に、このようなLEDの車内照明は、変更可能な照明スキームを可能にし、夜間運転中に光の過剰な反射を減少させることによって、運転手の安全性を改良する。
【0008】
開示した車内照明システムの原理は、美的に改良された車内照明を与える。その原理は特に、強度および色の両方を調節可能にするLED車内照明を与える。このLED車内照明は、比較的低コストかつ運転手が簡単に調節可能な美的に魅力的な照明システムを可能にする。LED車内照明システムは多くの色を与え、光強度の構成自由度が高い。
【0009】
ひとつの態様において、開示した車内照明システムは、コントローラ、該コントローラへのユーザ調節可能なセレクタ入力を印加するセレクタコントロール、該コントローラへのユーザ調節可能な色入力を印加する色コントロール、該コントローラへのユーザ調節可能な強度入力を印加する強度コントロール、および、色および強度を含む光を照射する複数の照明装置を有する。コントローラは、色入力に基づいて照明装置の色を制御する。コントローラは、強度入力に基づいて照明装置の強度を制御する。
【0010】
他の態様において、開示した車内照明システムは、制御装置、該制御装置へのユーザ調節可能なセレクタ入力を印加する複数位置セレクタコントロール、該制御装置へのユーザ調節可能な色入力を印加する色調節ポテンショメーター、該制御装置へのユーザ調節可能な強度入力を印加する強度調節ポテンショメーター、色および強度を有する光を照射する照明装置を有する計器クラスタ、色および強度を有するインジケータ照明装置を有するインジケータのアレイを有する。制御装置は、色入力に基づいて計器照明装置の色を制御する。制御装置は、色入力に基づいてインジケータ照明装置の色を制御する。制御装置は、強度入力に基づいて、計器照明装置の強度を制御する。制御装置は、強度入力に基づいてインジケータ照明装置の強度を制御する。
【0011】
ひとつの例において、第1のポジションにあるとき、計器照明装置、インジケータ照明装置、および、車内照明装置はオフである。第2のポジションにあるとき、コントローラは、計器照明装置の色および強度を設定する。第3のポジションにあるとき、コントローラはインジケータ照明装置の強度および色を設定する。第4のポジションにあるとき、コントローラは、車内照明装置の強度および色を設定する。第5のポジションにあるとき、コントローラは、計器照明装置、インジケータ照明装置、および車内照明装置の強度および色を、一定に設定する。
他の態様において、コントローラは、マイクロコントローラであり、車内照明システムは、オペレーティング・プログラムを受信するためのプログラミング入力ポートを有する。マイクロコントローラは、フラッシュ・プログラマブル・マイクロコントローラである。さらに他の態様において、開示した車内照明システムは、計器照明装置のオン/オフを切り替えるための第1制御装置、インジケータ照明装置のオン/オフを切り替えるための第2制御装置、車内照明装置のオン/オフを切り替えるための第3制御装置を有する。車内照明システムは、車内照明システムに外部電力を選択的に印加するための車運転制御装置を含む。
【0012】
したがって、ひとつの態様において、本願発明は、自動車の車内照明システムに組み込まれる。当該システムは、少なくともひとつの自動車計器照明装置と、少なくともひとつの自動車インジケータ装置と、少なくともひとつの自動車車内照明装置と、少なくともひとつの自動車計器照明装置、少なくともひとつの自動車インジケータ装置、および、少なくともひとつの自動車車内照明装置の色および強度を選択的に制御するように構成されたコントローラと、コントローラへユーザ調節可能な色入力を印加するように構成された色コントロールと、コントローラへユーザ調節可能な強度入力を印加するように構成された強度コントロールと、コントローラへユーザ調節可能なセレクタを印加するように構成されたセレクタコントロールとを有し、セレクタ入力は、色および強度を調節するための、少なくともひとつの計器照明装置、少なくともひとつのインジケータ照明装置、および少なくともひとつの車内照明装置の一つ以上の組を選択し、コントローラは、色入力に基づいて選択した組の色を制御し、コントローラは、強度入力に基づいて選択した組の強度を制御する。
【0013】
他の態様において、本願発明は、自動車の車内照明システムに組み込まれる。当該システムは、計器照明装置を有する計器クラスタと、インジケータ照明装置を有するインジケータのアレイと、複数の車内照明装置と、計器照明装置、インジケータ照明装置、および車内照明装置の色および強度を選択的に制御するように構成された制御装置と、制御装置へユーザ調節可能な色入力を印加するように構成された色調節ポテンショメーターと、制御装置へユーザ調節可能な強度入力を印加するように構成された強度調節ポテンショメーターと、制御装置へユーザ調節可能なセレクタ入力を印加するように構成された複数位置セレクタコントロールとを有し、セレクタ入力は、色および強度を調節するための、計器照明装置、インジケータ照明装置、および車内照明装置の一つ以上の組を選択し、コントローラは、色入力に基づいて選択した組の色を制御し、コントローラは、強度入力に基づいて選択した組の強度を制御する。
【0014】
また、車内照明システムの開示した特徴および利点は、本開示に基づいて当業者によってさまざまに組み合わせることが可能である。開示は、任意の特定の実施形態において開示した特徴および利点の一つ以上を有することなく実行可能である。
【0015】
本開示のさらなる利点は、図面を参照した以下の詳細な説明より明らかになる。
【0016】
本願発明の利点および特徴は、以下の図面を参照した詳細な説明および特許請求の範囲によってより良く理解可能となる。図面において、同じ手段は同じ符号で示している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本願発明に従う、自動車の車内に設置された車内照明システムの一つの実施形態の等尺図である。
【
図2】
図2は、
図1の車内照明システムの主要部品を示す電気的ブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1および2の車内照明システムの主要部品の電気配線図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1から
図3に示すのは、ここに開示した実施形態によって与えられる本願発明を実行するための好適実施形態である。本願発明の基本的概念から離れることなく本願発明の他の多くの実施形態が可能であることは、当業者の知るところである。それらの実施形態は、本願発明の範囲に属する。本願発明の他の形式および構成は本願発明の教示に容易に組み込み可能であり、説明を明確にするために、ひとつの特定の構成のみが示され図示されているが、開示は発明の範囲を限定するものではないことが想定されている。
【0019】
さまざまなエレメントを説明するのに、第1、第2等の用語が使用されているが、これらのエレメントは、これらの用語に限定されるものではない。これらの用語は、ひとつのエレメントを他のエレメントから区別するためにのみ使用されている。したがって、以下に説明する第1エレメントは、本願発明の態様から離れることなく、第2エレメントと呼ぶことも可能である。加えて、特に断らない限り、ここで使用される単数形で示す用語は、複数形も含むものである。ここで使用される、“含む”または“有する”の用語は、オープンエンドであり、一つ以上の記載しないエレメント、ステップ、または機能を除外することなく、一つ以上のエレメント、ステップまたは機能を含む。“フロント”“リア”“左”“右”“トップ”“ボトム”“下”“上”“上方”“下方”“水平”“垂直”のような比較語は、ひとつのエレメント、特徴または領域を、図面に示す他のエレメント、特徴または領域との関係を説明するために使用されている。これらの用語は、図面で示す方向に加えて、装置の異なる方向を包含することを意図している。ひとつのエレメントが他のエレメントと接続されているという記載は、他のエレメントに直接接続されるかまたは仲介エレメントに接続されることを意味する。対照的に、エレメントが、他のエレメントに直接接続されていると記載した場合には、仲介エレメントは存在しないことを意味する。図示したエレメントのサイズおよび相対的な方向はスケーリングのために示されていない。ある例において、それは説明の都合上、誇張されている。
【0020】
図1から
図3を参照して、車内照明システム10が示されている。ここで、同様の部品には同じ符号が付されている。システム10は、概して、可変(例えば、複数)強度設定および可変(例えば、複数)色設定、およびそれらの組み合わせを有する自動車用の照明システムを含む。
【0021】
図1を参照して、システム10は、自動車の客室10内に設置されている。客室15は、運転手の座席20、ハンドル25、計器クラスタ30、および、アクセルおよびブレーキなどの自動車制御装置35などの周知の装置を有する。
【0022】
計器クラスタ30は、複数の照明装置40、複数のLEDインジケータ照明45、および、複数の車内照明50を有する。例えば、計器クラスタ30は、夜間運転中に自動車の車内で典型的に見ることができるすべての照明を含む。システム10は、運転手および/または乗客に、計器クラスタ照明装置40、LEDインジケータ照明装置45、および/または車内照明装置50の色および/または強度レベルを、同時に(例えば、それらがすべて同時に変化する)、または、独立に(例えば、照明のひとつのグループのみが調節される)制御することを可能とする。
【0023】
その目的のために、システム10は。複数位置のセレクタコントロールスイッチ55、色調節ポテンショメーター60、および、強度調節ポテンショメーター65を含む。それらすべては、自動車客室15のダッシュボード70上に配置されている。複数位置セレクタコントロールスイッチ55、色調節ポテンショメーター60、および、強度調節ポテンショメーター65の動作は、以下で詳細に説明される。
【0024】
図2を参照して、システム10用の電力が自動車電気システム75(例えば、自動車バッテリー)によって与えられる。システム10は、一つ以上のヒューズなどの過剰電流保護装置80によって保護されている。例えば、過剰電流保護装置80(例えば、ヒューズ)を通過する電力は、イグニッション回路またはリレーなどの自動車制御装置85によって切り替えられる。切り替えられた電力は、メイン制御モジュール90、第1複数色LED駆動回路95、第2複数色LED駆動回路100、および、第3複数色LED駆動回路105に印加される。
【0025】
メイン制御モジュール90は、複数位置セレクタコントロールスイッチ55、色調節ポテンショメーター60、および、強度調節ポテンショメーター65の位置を検知する。複数位置セレクタコントロールスイッチ55は5つのポジションを有する。例えば、第1のポジションは、OFFのポジションである。第2のポジションは、第1複数色LED駆動回路95を選択し、それは色および強度を調節するべく計器クラスタ照明装置40に対して照明を与える。第3のポジションは、第2複数色LED駆動回路100を選択し、それは、色および強度を調節するべく、LEDインジケータ照明装置45に対して照明を与える。第4のポジションは、第3複数色LED駆動回路105を選択し、それは色および強度を調節するべく、車内照明装置50に対して照明を与える。第5のポジションは、同時に色および強度を調節するべく、すべての複数色LED駆動回路(例えば、駆動回路95、100,105)を選択する。例えば、第5のポジションは、複数色LED駆動回路95、100、105を個別に4つのうちの2つのポジションに制御しつつ、複数色LED駆動回路95、100、105のすべてを同時に制御する。
【0026】
本例において、複数位置セレクタコントロールスイッチ55の5つのうちの2つのポジションにおいて、色調節ポテンショメーター60および強度調節ポテンショメーター65のそれぞれの抵抗値が観測されるか、および/または、メイン制御モジュール90によって収集される。メイン制御モジュール90は選択的に(例えば、複数位置セレクタ制御スイッチ55の位置に基づいて)、第1複数色LED駆動回路95用の抵抗を表す信号を、第2複数色LED駆動回路100、および/または、第3複数色LED駆動回路105に印加する。
【0027】
他の例において、信号は、マイクロコントローラ140によって決定されてもよい。マイクロコントローラ140は、メイン制御モジュール90内に集積されている。しかし、応用可能なロジックは、例えば、離散的ロジック、RAMまたはEPROM、プログラマブル・ロジック・コントローラ等の他のタイプの任意の数の装置によって与えられてもよい。これらはすべて周知技術である。
【0028】
本例の構成において、第1複数色LED駆動回路95の出力は、ひとつ以上のレジスタ115を通じて、一つ以上の三色(例えば、RGB)LED110に印加される。
図2は、3つの三色LED110および3つの第1レジスタを示すが、
図2に示す並列接続スキームを連続させることによってより多くの数(例えば、100個以上)を実現することが可能であることを当業者の知るところである。よって、第1複数色LED駆動回路95に関連する三色LED100およびレジスタ115の実際の数は、本開示を限定する要因ではなく、異なるアプリケーションが異なる数を使用することができる。
【0029】
第1複数色LED駆動回路95に関連する三色110の照明制御は、第1制御装置120によって与えられる。例えば、第1制御装置10は、論理回路、リレーコンタクト等であってよい。オープン位置にあるとき、第1制御装置120はそれに接続された三色LED110を非アクティブ化する。したがって、計器クラスタ照明装置40は消灯する。例えば、日中の運転中、ヘッドライトが消灯されたときなどである。夜間において、クローズ位置にあるとき、第1制御装置120に接続された三色LED100は点灯する。
【0030】
同様に、第2複数色LED駆動回路100の出力は、レジスタ115を通じて三色(例えば、RGB)LED110に印加される。
図2は第2複数色LED駆動回路100に関連する3つの三色LED100のみを示しているが、
図2に示すように並列接続スキームを続けることによって、より多くの実際数(例えば、100以上)を実現可能である。よって、第2複数色LED駆動回路100に関連する三色LED100およびレジスタ115の実際数は、本開示を制限する要因とはならない。異なる応用として異なる数を使用してよい。
【0031】
第2複数色駆動回路100に関連する三色LED110の照明制御は、第2制御装置125(例えば、論理回路、リレーコンタクト等)によって与えられる。オープン位置にあるとき、第2制御装置125は、それに接続された三色LED110を非アクティブ化し、それによって、LEDインジケータ照明45またはスイッチライトを消灯させる。これは、日中の運転中、または、ヘッドライトがオフにされたときに生じる。第2複数色LED駆動回路100は、例えば、ラジオのオン/オフスイッチ、ラジオ/CDスイッチ、車の霧よけスイッチ、ドアロックおよびアンロックスイッチ、ドアハンドル照明、グローブボックスのリリースレバーライト、ウインドウスイッチ、A/Cスイッチ、max/minスイッチ、および、その他の関連するスイッチ、ハンドル、またはリリースレバーなどのLEDインジケータ照明装置45の色および/または明るさを制御する。
【0032】
同様に、第3複数色LED駆動回路105の出力がレジスタ115を介して三色(例えばRGB)LED110に送信される。
図2には、第3複数色LED駆動回路105に関連する3つの三色LED110のみが示されているが、
図2に示すような並列接続スキームを連続することでより多くの実際数(例えば、100個以上)とすることが可能である。よって、第3複数色LED駆動回路105に関連する三色LED110およびレジスタ115の実際数は、本開示を制限する要因とはならない。異なるアプリケーションとして異なる数を使用してよい。
【0033】
第3複数色LED駆動回路105に関連する三色LED110の照明制御は、第3制御装置130によって与えられる。例えば、第3の制御装置130はドアピンスイッチ、トランクピンスイッチ、ダッシュマウント・コントロール・スイッチ等であってもよい。これは、車内照明装置50の自動および手動制御を可能にする。それは自動車の車内のさまざまな位置に配置されてよい。例えば、第3複数色LED駆動回路105に関連する三色LED110は、乗車または降車を助け、車内15の内壁面の照明をシンプルにする。したがって、第3複数色LED駆動回路105の出力は、車内照明装置50の色および/または明るさを制御する。
【0034】
図3は、第1複数色LED駆動回路95、第2複数色LED駆動回路100、および/または第3複数色LED駆動回路105の主要コンポーネントの電気的接続を示す。本例において、三色LED110の実際数を除き、第1複数色LED駆動回路95、第2複数色LED駆動回路100、第3複数色LED駆動回路105の構成、特徴および動作は実質的に同一である。したがって、複数色LED駆動回路95、100および105の各々は、類似の駆動回路135を有する。
【0035】
駆動回路135は、システム10の主要制御コンポーネントとしてマイクロコントローラ140を組み込む。例えば、マイクロコントローラ140は、40ピンパッケージ内のCMOS・FLASHベースの8ビットのマイクロコントローラであってよい。具体的に、例えば、マイクロコントローラ140はPIC16F887または同等のコンポーネントであってよい。
【0036】
本例の構成において、マイクロコントローラ140は、256バイトのEEPROMデータメモリ、2つのコンパレータ、14個の10ビットのアナログ・デジタル(A/D)コンバータ、同期シリアルポート、および、エンハンスドユニバーサル非同期送受信機(EUSART)を有してよい。
【0037】
他の多くのタイプのマイクロコントローラが使用されてもよく、マイクロコントローラ140の特定の例は本開示を限定するものではないことは、当業者の知るところである。しかし、PIC16F887は広く入手可能であり、使用され、低コストで、製造者によってサポートされている。それはオペレーションコードが少ないため、プログラミングが比較的単純である。
【0038】
実施例において、マイクロコントローラ140のタイミングは、クォーツオシレータ145によって駆動回路135に印加される。電力は、電圧レギュレータ150によって供給されてよい。レジスタ155は必要な電流レベルを制御するために含まれている。マイクロコントローラ140は、カスタム化されたプログラムに従って実行され、それは、例えば、Cプログラミング言語で記述されている。
【0039】
例えば、カスタム化されたプログラムは、256の異なる色の組み合わせに応じて、三色LED110の色を変化させるようにマイクロコントローラ140を制御する。プログラミングはインターフェースコネクタ160を使ってマイクロコントローラ140にダウンロードされてもよい。直列の出力トランジスタ165が4本の出力コネクション170を作成する。それは、三色LED110と接続される。
【0040】
調節ポテンショメーター65によって強度が制御されつつ、色調節ポテンショメーターによって色が管理される。その目的のため、色調節ポテンショメーター60および調節ポテンショメーター65の抵抗値は、ビルトインA/Dコンバータを使用することによってデジタル化される。デジタル化された結果は、4配線出力結合170を通じて、三色LED110へ印加される。
【0041】
開示したシステム10と異なる他の構成が本開示の教示に容易に組み込まれること、および、説明を明確にするためにある構成が示されたこと、および、それが発明の範囲を限定するものではないことは、当業者の知るところである。
【0042】
開示したシステム10の実施形態は、トレーニングなしで、単純で、苦労せずに使うことが可能である。開示したシステム10は概して
図2および3に従って構成され、概して
図1に従って設置可能である。
【0043】
本開示は、開示したシステム10が新しい自動車に標準で、または、オプションとして適応されることを認識しかつ考慮に入れている。しかし、開示したシステム10は既存の自動車用の後付キットに適合することもできる。
【0044】
本開示を通じて、システム10は、自動車に接続されおよび/または利用されるような特定の非限定的な例によって説明されてきた。開示したシステム10は、自動車、トラック、バン、SUV、バス、ボート、バイク、および飛行機を含む任意のタイプの自動車車両に接続されおよび/または利用可能であることは、当業者の知るところである。
【0045】
図1から
図3にしたがって設置した後に、開示したシステム10は動作準備が整う。車内照明の方法の例において、自動車の客室内にいるユーザ(例えば、運転手)は、計器クラスタ照明装置40、LEDインジケータ照明装置45、および、車内照明装置50を、独立または同時に、所望の色および/または強度にプログラムすることができる。
【0046】
例えば、個別にプログラムするべく、運転手は計器クラスタ照明装置40用の照明を調節するべく、複数位置セレクタ制御スイッチ55を第2のポジションに置いてもよい。これにより、運転手は、計器クラスタ照明装置40に対する所望のレベルに色調節ポテンショメーター60および強度調節ポテンショメーター65を調節することが可能になる。
【0047】
次に、運転手は、複数位置セレクタコントロールスイッチ55を第3のポジションに置いて、LEDインジケータ照明装置45用に照明を調節する。これにより、運転手は、LEDインジケータ照明45用の所望レベルに、色調節ポテンショメーター60および強度調節ポテンショメーター65を調節することが可能になる。
【0048】
次に、運転手は、複数位置セレクタコントロールスイッチ55を第4のポジションに置いて、車内照明装置50用に照明を調節する。これにより、運転手は、車内照明装置50用の所望のレベルに、色調節ポテンショメーター60および強度調節ポテンショメーター65を調節することが可能になる。
【0049】
上記により、計器クラスタ照明装置40、LEDインジケータ照明装置45および車内照明装置50用の個々の光および照明レベルが調節可能となる。
【0050】
すべての照明回路に対して、同じ色および/または強度が所望される場合、運転手は複数位置セレクタコントロールスイッチ55を第5のポジションに置く。これにより、すべての照明回路に対して色調節ポテンショメーター60および強度調節ポテンショメーター65の一回の調節が可能となる。
【0051】
開示したシステム10を取り付けた自動車の運転中に、計器クラスタ照明装置40、LEDインジケータ照明装置45、および、車内照明装置50の動作は、第1制御装置120、第2制御装置125および第3制御装置130によって指示された自動的かつ透明な方法で続く。任意の照明回路の動作が所望されまたは生じた場合、運転手は彼の所望の強度および好きな色の照明を取得できる。
【0052】
本開示の教示は、これに限定しないが、複数色のフラッシュ光、複数色のスタンド光、または、高いランプスタンド、複数モードステータスインジケータ、街頭照明システム等のような複数の構成に組み込むことが可能であることは、当業者の知るところである。
【0053】
開示した自動車の車内照明システムの実施形態を説明してきた。これらは、本開示および/または方法の使用および/または開示された実施形態を限定するものではない。本開示の教示に他の形式、構成、修正および変更が組み込み可能であり、説明された実施形態は明確性のためのものに過ぎず、本願発明の範囲を限定するものではないことは、当業者の知るところである。自動車の車内照明システムの原理および特定の応用例を最適に説明するために実施形態が説明されかつ選択された。したがって、当業者は、本願発明を最適に利用し、かつ、さまざまな修正を加えることにより、特定の使用に供するようにすることが可能である。均等物のさまざまな省略および置換が状況に応じて便宜的に提案または提供可能である。本願はこのような修正を含み、特許請求の範囲に記載の発明の範囲によってのみ制限されるものである。