(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドを製造するためのプロセスであって、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートが、0.1〜20重量%の炭酸セシウムおよび/またはセシウムアルコキシドから選択される塩基性セシウム塩の存在下、160℃〜220℃の間の温度でカルボジイミド化されることを特徴とする、プロセス。
少なくとも90重量%の、ビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドを含み、複素環式リン化合物を1ppm以下しか含まない安定剤を製造するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセスを含む、プロセス。
【背景技術】
【0002】
カルボジイミドは、多くの用途、たとえば熱可塑性プラスチック、ポリオール、ポリウレタン、トリグリセリドおよび潤滑油などのための加水分解防止剤として有用であることが分かっている。
【0003】
従来技術においては、カルボジイミドの合成は、イソシアネートから出発し、それを塩基性または複素環式の触媒下でCO
2を脱離させてカルボジイミド化する。このことによって、一官能または多官能のイソシアネートを変換させて、モノマー性またはポリマー性のカルボジイミドとすることが可能となる。
【0004】
典型的に使用される触媒は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物およびリンを含む複素環式化合物であるが、これについては(非特許文献1)および(非特許文献2)を参照されたい。
【0005】
ビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドを製造することは困難であるが、その理由は、最終製品が低収率でしか得られないことが多いからであり、(特許文献1)を参照されたいが、そこでは、触媒として複素環式リン化合物の1−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド(MPO)を使用した3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートからのビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドの合成が記載されているが、わずか37%の収率しか達成されていない。
【0006】
さらに、一般的に使用されるリン含有触媒を完全に除去することも困難である。カルボジイミドは、ポリウレタンの製造において好適に採用されているが、たとえトレース量であったとしても、リンが存在していると非常に悪影響を及ぼすので、そのため存在しないようにしなければならない。
【0007】
したがって、従来技術の合成法は経済性がなく、そのためビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドを商業的に供給してポリエステルおよびエステルベースのPU系の加水分解防止に採用することはできない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明におけるプロセスの好ましい実施形態においては、カルボジイミド化反応の後で、塩基性セシウム塩が濾過除去される。
【0015】
本発明におけるプロセスのさらに好ましい実施形態においては、カルボジイミド化反応が溶媒中で実施される。
【0016】
好ましい溶媒は、モノ−、ジ−、トリ−もしくはポリ−アルキル置換された、好ましくはジアルキル置換されたベンゼンおよび/またはジベンゼンであるが、ここでアルキル=C
1〜C
3である。特に好ましいアルキルベンゼンはキシレンである。
【0017】
本発明はさらに、本発明におけるプロセスによって得ることが可能なビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドも提供するが、そのものは、好ましくは、複素環式リン化合物、具体的には1−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド(MPO)の比率が1ppm未満であり、特に好ましくは、複素環式リン化合物をまったく含まない。
【0018】
したがって、本発明はさらに、少なくとも90重量%の、本発明におけるプロセスによって製造されたビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドを含み、そして1ppm以下の複素環式リン化合物しか含まない安定剤も提供する。
【0019】
ビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドは、次式に合致する。
【化1】
【0020】
さらには、本発明はさらに、ポリウレタン(PU)、好ましくは熱可塑性ポリウレタンを製造するためのプロセスも提供するが、ここで、ポリオール、好ましくはポリエステルポリオールとジイソシアネートとの反応を、本発明によるビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドの存在下、場合によっては触媒の存在下、そして場合によってはさらなる助剤および添加剤物質の存在下に実施する。
【0021】
ポリウレタンの製造は、安定剤として本発明によるビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドを使用して、国際公開第2005/111136A1号パンフレットに記載されている方法で実施するのが好ましい。ポリイソシアネートと多価アルコール、すなわちポリオールとの重付加反応では、事実上定量的にポリウレタンが生成する。一つの分子のイソシアネート基(−N=C=O)が別な分子のヒドロキシル基(−OH)と反応してウレタン基(−NH−CO−O−)が生成することによって結合が生じる。
【0022】
熱可塑性ポリウレタンとは、熱を加えることによって成形することが可能なポリウレタンである。
【0023】
ジイソシアネートとポリオールとの間の反応の進行は、それらの成分のモル比に依存する。所望の平均分子量と所望の末端基を有する中間体は、容易に得ることが可能である。次いでそれらの中間体を、後の工程で(at a later juncture)ジオールまたはジアミンと反応させて(鎖延長させて)、所望のポリウレタンまたはポリウレタン−ポリウレア混成物を形成させることができる。それらの中間体は一般に、プレポリマーと呼ばれている。
【0024】
ジイソシアネート対ポリオールのモル比が、(1:2)から(10:1)までの間であるのが好ましい。プレポリマーを製造するのに好適なポリオールは、ポリアルキレングリコールエーテル、末端ヒドロキシル基を有するポリエーテルエステルまたはポリエステル(ポリエステルポリオール)である。
【0025】
本発明の文脈においてポリオールとは、好ましくは2000まで、好ましくは500〜2000の範囲、特に好ましくは500〜1000の範囲の分子量(単位:g/mol)を有する化合物である。
【0026】
本発明の文脈において「ポリオール」という用語には、ジオールおよびトリオール、さらには、1分子あたり4個以上のヒドロキシル基を有する化合物が包含される。トリオールを使用するのが特に好ましい。
【0027】
好ましいポリオールは、ポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルエステルポリオールである。
【0028】
そのポリオールが、200まで、好ましくは20〜150の間、特に好ましくは50〜115の間のOH価を有していれば好都合である。
【0029】
特に好適なのは、各種のポリオールと芳香族または脂肪族ジカルボン酸との反応生成物および/またはラクトンのポリマーである、ポリエステルポリオールである。
【0030】
ここで好ましいのは、芳香族ジカルボン酸であって、それらは、好適なポリエステルポリオールを形成させるのに使用することができる。ここで特に好ましいのは、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、およびベンゼン環を有する置換されたジカルボン酸化合物である。
【0031】
好ましい脂肪族ジカルボン酸は、好適なポリエステルポリオールを生成させるために使用できるもの、特に好ましくはセバシン酸、アジピン酸およびグルタル酸である。
【0032】
ラクトンの好ましいポリマーは、好適なポリエステルポリオールを生成させるために使用できるもの、特に好ましくはポリカプロラクトンである。
【0033】
ジカルボン酸、ラクトンのポリマーのいずれもが、汎用化学製品である。
【0034】
特に好ましいのは、好適なポリエステルポリオールを形成させるために使用できるポリオール、極めて特に好ましくは、エチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、およびシクロヘキサンジメタノールである。
【0035】
本発明のさらに好ましい実施形態においては、そのポリオールがポリエーテルエステルポリオールである。
【0036】
したがって、好ましいのは、上述の各種のポリオールと芳香族または脂肪族のジカルボン酸との反応生成物および/またはラクトンのポリマー、好ましくはポリカプロラクトンである。
【0037】
本発明の文脈において採用されるポリオールは、Bayer MaterialScience AGからBaycoll(登録商標)およびDesmophen(登録商標)の商品名で得ることが可能な汎用化学製品である。
【0038】
好ましいジイソシアネートは、芳香族および脂肪族ジイソシアネートである。特に好ましいのは、トルエン2,4−ジイソシアネート、トルエン2,6−ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルイソシアネート)、ナフタレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチレン1,4−ジイソシアネートおよび/またはヘキサメチレン1,6−ジイソシアネートであり、極めて特に好ましいのは、トルエン2,4−ジイソシアネートおよびトルエン2,6−ジイソシアネートである。
【0039】
本発明の文脈において採用されるジイソシアネートは、Bayer MaterialScience AGからDesmodur(登録商標)の商品名で入手可能な汎用化学製品である。
【0040】
本発明のさらなる実施形態においては、その組成物にさらに、少なくとも1種のジアミンおよび/またはジオールが含まれている。
【0041】
鎖延伸に採用される好ましいジアミンは以下のものである:2−メチルプロピル3,5−ジアミノ−4−クロロベンゾエート、ビス(4,4’−アミノ−3−クロロフェニル)メタン、3,5−ジメチルチオ−2,4−トリレンジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,4−トリレンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−トリレンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トリレンジアミン、4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、および1,3−プロパンジオールビス(4−アミノベンゾエート)。
【0042】
好ましいジオールは、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールおよび/またはシクロヘキサンジメタノールである。
【0043】
本発明の文脈において鎖延伸のために採用されるジアミンまたはジオールは、Rheinchemie Rheinau GmbHからAddolink(登録商標)の商品名で入手可能な汎用化学製品である。
【0044】
ジアミンおよび/またはジオールの比率は、全混合物を規準にして、好ましくは1〜20重量%である。
【0045】
本明細書における「全混合物」という用語は、ポリウレタンを製造するための混合物の構成成分を合計したものを意味していると理解するべきである。
【0046】
採用される触媒は、好ましくはジプロピレングリコール中のジブチルスズジラウレートまたはトリエチレンジアミンである。
【0047】
本発明の文脈において採用される触媒は、Rheinchemie Rheinau GmbHからAddocat(登録商標)の商品名で入手可能な汎用化学製品である。
【0048】
触媒の比率は、好ましくは、全混合物を規準にして0.1〜5重量%である。
【0049】
本発明のさらに好ましい実施形態においては、さらなる助剤および添加物質たとえば、好ましくは離型剤、難燃剤、UV安定剤、および可塑剤が使用される。
【0050】
本発明の特に好ましい実施形態においては、ビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドが、全混合物を規準にして、0.1〜2重量%、好ましくは0.5〜1重量%の量で採用される。
【0051】
本発明のさらなる好ましい実施形態においては、ビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドが、液状(液状の物質相)の形態で、好ましくは20〜50℃、特に好ましくは25〜35℃の温度で採用される。
【0052】
本発明によるビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドの計量添加は、ポリウレタンの製造中に実施してもよいし、そうでなければ、その後に混合装置を用いてポリウレタンに計量添加してもよい。
【0053】
本発明におけるプロセスにおける液体状態での計量添加は、バッチ式または連続式操作、好ましくは連続式操作の加工機械で実施するが、そのような機械としてはたとえば以下のものが挙げられる:1軸、2軸、または多軸スクリューエクストルーダー、連続式操作のコニーダー(Bussタイプ)および/またはバッチ式操作のニーダー、たとえばBanburyタイプ、またはその他のポリマー産業において慣用されている装置。前記計量仕込みは、エステル基含有ポリマー製造の開始時または途中で実施するか、または、たとえばモノフィラメントまたはポリマーペレットを得るための加工の開始時または途中で実施することができる。
【0054】
本発明の文脈においては、「液体状態での計量添加(liquid−state metered)」という用語は、本発明によるカルボジイミドが、液体の形態で(液状の物質相で)、重力的手段または容量的手段で、連続式操作またはバッチ式操作の加工機械の中に計量添加されるということを意味していると理解するべきである。これを可能とするためには、本発明によるカルボジイミドが、ポリマー加工では通例となっているように、特に周囲温度で、液体でかつ計量の際には低粘度でなければならない。加工操作における液体状態での計量添加では、熱可塑性プラスチックのコンパウンディング技術では慣用されている連続式操作の計量仕込み装置を使用する。それらは、加熱可能であってもよい。それらが、加熱可能でないのが好ましい。
【0055】
さらに、本発明はさらに、ポリウレタンを安定化させるための本発明によるビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドの使用も提供する。
【0056】
本発明はさらに、前もって製造されているポリウレタンの中に、好ましくは20〜50℃、特に好ましくは25〜35℃の温度で、液体状態での計量添加の手段による、ポリウレタンを安定化させるための本発明によるビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドの使用も提供する。
【0057】
このプロセスで製造されたポリウレタン(PU)ベースの系は、加水分解に対する安定性の向上を特徴としている。
【0058】
本発明の範囲には、これ迄およびこれ以後において記載される、一般的または好ましい定義、基、指数のパラメーターおよびそれら自体の説明、すなわち、それぞれの範囲および好ましい範囲を各種所望により組み合わせて包含される。
【0059】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであるが、限定的効果を有している訳ではない。
【実施例】
【0060】
例示の実施形態:
例1:イソシアネートの3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートをベースとし、炭酸セシウムを用いた、ビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドの製造(本発明実施例)。
例2〜6:イソシアネートの3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートをベースとし、他の触媒を用いた、ビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドの製造(比較例)。
【0061】
例1〜5のための一般的製造手順:
30gの3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートを、内部温度計、還流冷却器および保護ガス入口を取り付けた100mLの3口フラスコの中に秤込み、次いで、0.6g(2重量%)の、表1に記載のそれぞれの触媒を添加した。アルゴン保護ガスの気流を加熱相中の蒸気相の上に通した。CO
2の発生が開始されたら、保護ガスは停止した。その混合物を、195℃で3.5時間激しく撹拌し(例1〜5)、次いで約100℃までそれが冷却されたら直ちにその反応混合物濾過した。収率は、
1H NMR分光光度法(400MHz、CDCl
3)により求めた。
【0062】
例6は、国際公開第A2005/111136号パンフレットの例1に相当する。
【0063】
【表1】
【0064】
表1からも明らかなように、リチウムおよびカリウムのアルカリ金属ならびにカルシウムおよびストロンチウムのアルカリ土類金属の炭酸塩は、3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートをビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドとするカルボジイミド化反応のための触媒としての使用に関しては、完全に無効であることが明らかになった。
【0065】
驚くべきことには、それとは対照的に、炭酸セシウムは、カルボジイミド化反応に対する高い触媒活性を示し、90%を超える収率が得られるので、ホスホレンオキシドを使用した合成よりも顕著に良好である。
【0066】
それに加えて、本発明による触媒は、濾過によって簡単に除去できるが、それに対して触媒としてのホスホレンオキシドでは、高コストで不便な真空蒸留を実施しなければならず、そのためその収率はこの試験よりもさらに低下する。
【0067】
TPUにおける加水分解の防止
この目的のために、1.0重量%/1.5重量%の本発明によるカルボジイミド(CDI inv)および市販のカルボジイミド:
CDI 1=アルキル基で置換されたモノマー性芳香族カルボジイミド
CDI 2=ポリマー性芳香族カルボジイミド
を、市販のポリエステルベースの熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU/Desmopan(登録商標)2587A)の中に、2軸スクリューエクストルーダーを使用した押出し加工によって組み入れた。
【0068】
射出成形プロセスを用いて、それらから試験片を作成し、80℃で16時間、後加熱した。次いで、前記試験片を80℃の水の中に保存し、一定間隔でその引張強度を測定した。
【0069】
表2に、第0日を100%として開始して、パーセントで表した相対的な引張強度を示す。
【0070】
【表2】
【0071】
表2の結果は、本発明におけるプロセスにより製造されたビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミドが、熱可塑性PU(TPU)において、例外的に良好な加水分解防止性を示し、従来技術のカルボジイミドよりは優れていることを示している。
【0072】
エステルベースのPUホットメルトの製造および着色安定性
例7:
Evonik AGから入手可能な一級ヒドロキシル官能基を有し、3500g/molの平均分子量を有する直鎖状のコポリエステルのDynacoll(登録商標)7360をベースとするホットメルトを製造し、以下のものを添加した:
(A)2重量%の、本発明におけるプロセスによって製造されたビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミド、
(B)2重量%の、国際公開第A2005/111136号パンフレット記載のプロセスによって製造したビス[3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジル]カルボジイミド。
【0073】
記載の量はすべて重量%である。
【0074】
ホットメルトは以下のようにして製造する。
【0075】
コポリエステルのDynacoll(登録商標)7360を、最初に120℃で30分かけて真空処理する。次いで全配合物を規準にして11.67重量%のジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を加え、その混合物を、120℃で60分かけて反応させる。
【0076】
次いで、そのホットメルトの中に添加剤を組み入れて、1時間の添加剤への曝露時間を確保した。
【0077】
そのようにして製造し、添加剤を加えたホットメルトを、カートリッジの中で130℃で48時間の加熱エージングにかけた。ホットメルトは、(光および湿分遮断の)アルミニウムカートリッジの中に充填し、循環空気オーブンの中で、130℃で48時間かけてエージングさせた。
【0078】
エージングが終わったら、それらの試料の色および発泡挙動を目視により評価した。
【0079】
その測定結果を表3にまとめた。
【0080】
【表3】
【0081】
まとめ:
これらの試験から、本発明によるカルボジイミドを使用しても、着色や発泡に関しては、目立った不都合な副次的作用はまったく生じないということが分かる。それとは対照的に、ホスホレンオキシドを用いた触媒作用での合成で製造し、トレース量の有機リン化合物まだ含んでいるカルボジイミドは、報告されたような着色および発泡の欠点を示している。