(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
建物管理システム及びHVACシステム
【0011】
ここで
図1〜4を参照すると、典型的な実施形態に係る、本開示のシステム及び方法が実装され得る典型的な建物管理システム(BMS)及びHVACシステムが示される。特に
図1を参照すると、建物10の斜視図が示される。建物10にはBMSが与えられる。BMSは一般に、建物又は建物領域の中の又はこれらのまわりの設備を制御、監視及び管理するように構成された複数の装置の一システムである。BMSは、例えば、建物の機能若しくは装置、又はこれらの任意の組み合わせを管理することができるHVACシステム、保安システム、照明システム、火災警報システム、任意の他のシステムを含み得る。
【0012】
建物10に供用されるBMSはHVACシステム100を含む。HVACシステム100は、建物10に対して加熱、冷却、換気、又は他のサービスを提供するように構成された複数のHVAC装置(例えば、ヒーター、チラー、空気ハンドリングユニット、ポンプ、ファン、熱エネルギー貯蔵器等)を含み得る。例えば、HVACシステム100は、水側システム120及び空気側システム130を含むように示される。水側システム120は、加熱又は冷却された流体を、空気側システム130の空気ハンドリングユニットに与えることができる。空気側システム130は、加熱又は冷却された流体を使用して、建物10に与えられる空気流を加熱又は冷却することができる。HVACシステム100に使用され得る典型的な水側システム及び空気側システムが、
図2〜3を参照して詳述される。
【0013】
HVACシステム100は、チラー102、ボイラー104、及び屋上空気ハンドリングユニット(AHU)106を含むように示される。水側システム120は、ボイラー104及びチラー102を使用して作動流体(例えば、水、グリコール等)を加熱又は冷却し、当該作動流体をAHU106へと循環させることができる。様々な実施形態において、水側システム120のHVAC装置は、(
図1に示されるように)建物10の中に若しくはそのまわりに、又は中心プラント(例えば、チラープラント、蒸気プラント、熱プラント等)のようなオフサイト場所に配置することができる。作動流体は、建物10において必要とされているのが加熱なのか冷却なのかに応じてボイラー104において加熱され、又はチラー102において冷却される。ボイラー104は、循環されている流体に対し、例えば、可燃性物質(例えば天然ガス)を燃焼させることにより、又は電気加熱要素を使用することにより、熱を加えることができる。チラー102は、循環されている流体を、熱交換器(例えば気化器)において当該循環されている流体から吸熱するべく他の流体(例えば冷媒)との熱交換関係に置くことができる。チラー102及び/又はボイラー104からの作動流体は、配管108を介してAHU106へと輸送することができる。
【0014】
AHU106は、作動流体を(例えば一段以上の冷却コイル及び/又は加熱コイルを介して)AHU106を通過する空気流との熱交換関係に置くことができる。空気流は、例えば、外気、建物10内からの還気、又は双方の組み合わせとしてよい。AHU106は、空気流及び作動流体間で熱を伝達させて当該空気流の加熱又は冷却を行うことができる。例えば、AHU106は、空気流を、作動流体を包含する熱交換器を経由又は通過させるように構成された一以上のファン又はブロワを含み得る。作動流体はその後、配管110を介してチラー102又はボイラー104へと戻ることができる。
【0015】
空気側システム130は、AHU106により供給された空気流(すなわち給気流)を、空気供給ダクト112を介して建物10へと送達し、空気戻りダクト114を介して建物10からAHU106への還気を与えることができる。いくつかの実施形態において、空気側システム130は、多数の可変空気容積(VAV)ユニット116を含む。例えば、空気側システム130は、建物10の各フロア又はゾーンに別個のVAVユニット116を含むように示される。VAVユニット116は、建物10の個別のゾーンへと与えられる給気流の量を制御するべく動作可能なダンパー又は他の流量制御要素を含み得る。他の実施形態において、空気側システム130は、中間のVAVユニット116又は他の流量制御要素を使用することなく、(例えば供給ダクト112を介して)給気流を建物10の一以上のゾーンへと送達する。AHU106は、給気流の属性を測定するように構成された様々なセンサ(例えば温度センサ、圧力センサ等)を含み得る。AHU106は、AHU106内及び/又は建物ゾーン内に配置されたセンサから入力を受信し、AHU106を通る給気流の流速、温度、又は他の属性を調整して建物ゾーンの設定ポイント条件を達成することができる。
【0016】
ここで
図2を参照すると、典型的な実施形態に係る水側システム200のブロック図が示される。様々な実施形態において、水側システム200は、HVACシステム100における水側システム120を補充又は置換することができ、HVACシステム100とは別個に実装することもできる。HVACシステム100に実装される場合、水側システム200は、HVACシステム100におけるHVAC装置のサブセット(例えばボイラー104、チラー102、ポンプ、弁等)を含み、加熱又は冷却された流体をAHU106へと供給するべく動作可能である。水側システム200のHVAC装置は、建物10内に(例えば水側システム120のコンポーネントとして)配置し、又は中心プラントのようなオフサイト場所に配置することができる。
【0017】
図2において、水側システム200は、複数のサブプラント202〜212を有する中心プラントとして示される。サブプラント202〜212は、ヒーターサブプラント202、熱回収チラーサブプラント204、チラーサブプラント206、冷却塔サブプラント208、ホット熱エネルギー貯蔵器(TES)サブプラント210、及びコールド熱エネルギー貯蔵器(TES)サブプラント212を含むように示される。サブプラント202〜212は、建物又はキャンパスの熱エネルギー負荷(例えば熱水、冷水、加熱、冷却等)のサービスを行うべく公共施設からの資源(例えば水、天然ガス、電気等)を消費する。例えば、ヒーターサブプラント202は、ヒーターサブプラント202及び建物10間で熱水を循環させる熱水ループ214において水を加熱するように構成することができる。チラーサブプラント206は、チラーサブプラント206及び建物10間で冷水を循環させる冷水ループ216において水を冷却するように構成することができる。熱回収チラーサブプラント204は、熱水に付加的な加熱を与え、及び冷水に付加的な冷却を与えるべく、冷水ループ216から熱水ループ214へと熱を伝達するように構成することができる。凝縮器水ループ218は、チラーサブプラント206において冷水から吸熱し、吸収された熱を冷却塔サブプラント208において排熱し、又は吸収された熱を熱水ループ214へと伝達する。ホットTESサブプラント210及びコールドTESサブプラント212は、ホット及びコールド熱エネルギーをそれぞれ、その後の使用のために貯蔵することができる。
【0018】
熱水ループ214及び冷水ループ216は、加熱され及び/又は冷却された水を、建物10の屋上に配置された空気ハンドラ(例えばAHU106)に、又は建物10の個別のフロア又はゾーン(例えばVAVユニット116)に送達することができる。空気ハンドラは、空気のための加熱又は冷却を与えるべく水が流れる熱交換器(例えば加熱コイル又は冷却コイル)を通るように空気を押し出す。加熱された又は冷却された空気は、建物10の熱エネルギー負荷のサービスを与えるべく、建物10の個別のゾーンに送達することができる。その後、水は、サブプラント202〜212に戻ってさらなる加熱又は冷却を受ける。
【0019】
サブプラント202〜212が、建物に対する循環のための加熱及び冷却された水として示されかつ記載されるが、熱エネルギー負荷のサービスを与えるべく水の代わりに又は水に加えて、任意の他のタイプの作動流体(例えばグリコール、CO2等)も使用できることが理解される。他の実施形態において、サブプラント202〜212は、中間熱伝達流体を必要とすることなく、加熱及び/又は冷却を建物又はキャンパスに直接与えることができる。これらの及び他の水側システム200のバリエーションは、本発明の教示の範囲内である。
【0020】
サブプラント202〜212はそれぞれが、サブプラントの機能を容易にするように構成された様々な設備を含み得る。例えば、ヒーターサブプラント202は、熱水ループ214の熱水に熱を加えるように構成された複数の加熱要素220(例えばボイラー、電気ヒーター等)を含むように示される。ヒーターサブプラント202はまた、熱水ループ214に熱水を循環させ、及び個別の加熱要素220を通る熱水の流速を制御するように構成されたいくつかのポンプ222及び224を含むように示される。チラーサブプラント206は、冷水ループ216の冷水から熱を除去するように構成された複数のチラー232を含むように示される。チラーサブプラント206はまた、冷水ループ216に冷水を循環させ、及び個別のチラー232を通る冷水の流速を制御するように構成されたいくつかのポンプ234及び236を含むように示される。
【0021】
熱回収チラーサブプラント204は、熱を冷水ループ216から熱水ループ214へと伝達するように構成された複数の熱回収熱交換器226(例えば冷凍回路)を含むように示される。熱回収チラーサブプラント204は、熱回収熱交換器226を通して熱水及び/又は冷水を循環させ、並びに個別の熱回収熱交換器226を通る水の流速を制御するように構成されたいくつかのポンプ228及び230を含むように示される。冷却塔サブプラント208は、凝縮器水ループ218の凝縮器水から熱を除去するように構成された複数の冷却塔238を含むように示される。冷却塔サブプラント208はまた、凝縮器水ループ218に凝縮器水を循環させ、及び個別の冷却塔238を通る凝縮器水の流速を制御するように構成されたいくつかのポンプ240を含むように示される。
【0022】
ホットTESサブプラント210は、後の使用のために熱水を貯蔵するべく構成されたホットTESタンク242を含むように示される。ホットTESサブプラント210はまた、ホットTESタンク242の中に入り又はホットTESタンク242の外へ出る熱水の流速を制御するように構成された一以上のポンプ又は弁を含み得る。コールドTESサブプラント212は、後の使用のために冷水を貯蔵するべく構成されたコールドTESタンク244を含むように示される。コールドTESサブプラント212はまた、コールドTESタンク244の中に入り又はコールドTESタンク244から外へ出る冷水の流速を制御するように構成された一以上のポンプ又は弁を含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、水側システム200における一以上のポンプ(例えばポンプ222、224、228、230、234、236及び/又は240)又は水側システム200におけるパイプラインは、関連する隔離弁を含む。隔離弁は、水側システム200において流体の流れを制御するべく、ポンプと統合し、又はポンプの上流若しくは下流に位置決めすることができる。様々な実施形態において、水側システム200は、水側システム200の特定の構成、及び水側システム200が与える負荷のタイプに基づいて、これと比べて多い、少ない又は異なるタイプの装置及び/又はサブプラントを含み得る。
【0024】
ここで
図3を参照すると、典型的な実施形態に係る空気側システム300のブロック図が示される。様々な実施形態において、空気側システム300は、HVACシステム100における空気側システム130を補充又は置換することができ、HVACシステム100とは別個に実装することもできる。HVACシステム100に実装される場合、空気側システム300は、HVACシステム100におけるHVAC装置のサブセット(例えばAHU106、VAVユニット116、ダクト112〜114、ファン、ダンパー等)を含み、建物10の中に又はまわりに配置することができる。空気側システム300は、水側システム200が与える加熱又は冷却された流体を使用して、建物10に与えられる空気流を加熱又は冷却するように動作することができる。
【0025】
図3において、空気側システム300は、エコノマイザー型空気ハンドリングユニット(AHU)302を含むように示される。エコノマイザー型AHUは、空気ハンドリングユニットが加熱又は冷却を目的として使用する外気及び還気の量を変化させる。例えば、AHU302は、還気ダクト308を介して建物ゾーン306から還気304を受け、給気ダクト312を介して建物ゾーン306へと給気310を送達することができる。いくつかの実施形態において、AHU302は、還気304及び外気314の双方を受けるように建物10の屋根に配置又は位置決めされた屋上ユニット(例えば
図1に示されるAHU106)である。AHU302は、混合して給気310を形成する外気314及び還気304の量を制御するべく、排気ダンパー316、混合ダンパー318及び外気ダンパー320を動作させるように構成することができる。混合ダンパー318を通過しない任意の還気304は、排気ダンパー316を介して排気322としてAHU302から排出される。
【0026】
ダンパー316〜320はそれぞれが、アクチュエータによって動かされ得る。例えば、排気ダンパー316はアクチュエータ324によって動作し、混合ダンパー318はアクチュエータ326によって動作し、外気ダンパー320はアクチュエータ328によって動作し得る。アクチュエータ324〜328は、通信リンク332を介してAHU制御器330と通信することができる。アクチュエータ324〜328は、AHU制御器330から制御信号を受信し、フィードバック信号をAHU制御器330に与えることができる。フィードバック信号は、例えば、現行アクチュエータ若しくはダンパー位置の表示、アクチュエータが及ぼすトルク若しくは力の量、診断情報(例えばアクチュエータ324〜328が行う診断試験結果)、ステータス情報、試運転情報、構成設定、較正データ、及び/又は他のタイプの、アクチュエータ324〜328による収集、記憶若しくは使用が可能な情報若しくはデータを含んでよい。AHU制御器330は、一以上の制御アルゴリズム(例えば、状態ベースのアルゴリズム、極値探索制御(ESC)アルゴリズム、比例積分(PI)制御アルゴリズム、比例積分微分制御(PID)制御アルゴリズム、モデル予測制御(MPC)アルゴリズム、フィードバック制御アルゴリズム等)を使用してアクチュエータ324〜328を制御するように構成されたエコノマイザー制御器とすることができる。
【0027】
なおも
図3を参照すると、AHU302は、給気ダクト312内に位置決めされた冷却コイル334、加熱コイル336及びファン338を含むように示される。ファン338は、冷却コイル334及び/又は加熱コイル336を通るように給気310を強制して給気310を建物ゾーン306へと与えるように構成することができる。AHU制御器330は、給気310の流速を制御するべく、通信リンク340を介してファン338と通信することができる。いくつかの実施形態において、AHU制御器330は、ファン338の速度を変調することにより、給気310へと及ぼされる加熱又は冷却の量を制御する。
【0028】
冷却コイル334は、水側システム200から(例えば冷水ループ216から)配管342を介して、冷却された流体を受けることができ、当該冷却された流体を水側システム200へと配管344を介して戻すことができる。弁346は、冷却された流体が冷却コイル334を通る流速を制御するべく、配管342又は配管344に沿うように位置決めすることができる。いくつかの実施形態において、冷却コイル334は、給気310に及ぼされる冷却の量を変調するべく、(例えばAHU制御器330、BMS制御器366等により)独立してアクティブ及び非アクティブにされ得る多段の冷却コイルを含む。
【0029】
加熱コイル336は、熱流体を水側システム200から(例えば熱水ループ214から)配管348を介して受けることができ、当該熱流体を水側システム200へと配管350を介して戻す。弁352は、熱流体が加熱コイル336を通る流速を制御するべく、配管348又は配管350に沿うように位置決めすることができる。いくつかの実施形態において、加熱コイル336は、給気310に及ぼされる加熱の量を変調するべく、(例えばAHU制御器330、BMS制御器366等により)独立してアクティブ及び非アクティブにされ得る多段の加熱コイルを含む。
【0030】
弁346及び352はそれぞれが、アクチュエータによって制御することができる。例えば、弁346をアクチュエータ354により制御し、弁352をアクチュエータ356により制御することができる。アクチュエータ354〜356は、通信リンク358〜360を介してAHU制御器330と通信することができる。アクチュエータ354〜356は、制御信号をAHU制御器330から受信し、フィードバック信号を制御器330に与えることができる。いくつかの実施形態において、AHU制御器330は、給気ダクト312(例えば冷却コイル334及び/又は加熱コイル336の下流)に位置決めされた温度センサ362から給気温度の測定値を受信することができる。AHU制御器330はまた、建物ゾーン306に配置された温度センサ364から、建物ゾーン306の温度測定値を受信することもできる。
【0031】
いくつかの実施形態において、AHU制御器330は、(例えば給気310のための設定ポイント温度を達成するべく、給気310の温度を設定ポイント温度範囲内に維持するべく)アクチュエータ354〜356を介して弁346及び352を動作させ、給気310に与えられる加熱又は冷却の量を変調する。弁346及び352の位置は、冷却コイル334又は加熱コイル336によって給気310に供給される加熱量又は冷却量に影響を与え、所望給気温度を達成するべく消費されるエネルギー量に相関し得る。AHU制御器330は、コイル334〜336をアクティブ又は非アクティブにすることにより、ファン338の速度を調整することにより、又はその双方の組み合わせにより、給気310及び/又は建物ゾーン306の温度を制御することができる。
【0032】
なおも
図3を参照すると、空気側システム300は、建物管理システム(BMS)制御器366及びクライアント装置368を含むように示される。BMS制御器366は、システムレベル制御器、アプリケーション若しくはデータサーバ、ヘッドノード、又は、建物10に供用される空気側システム300、水側システム200、HVACシステム100及び/若しくは他の制御可能システムのためのマスタ制御器として機能する一以上のコンピュータシステム(例えば、サーバ、監視用制御器、サブシステム制御器等)を含み得る。BMS制御器366は、同じ又は別個のプロトコル(例えばLON、BACnet等)に従う通信リンク370を介して多数の下流側建物システム又はサブシステム(例えばHVACシステム100、保安システム、照明システム、水側システム200等)と通信することができる。様々な実施形態において、AHU制御器330及びBMS制御器366は別個にされ(
図3に示されるように)又は統合されてよい。統合された実装において、AHU制御器330は、BMS制御器366のプロセッサにより実行されるように構成されたソフトウェアモジュールとしてよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、AHU制御器330は、情報をBMS制御器366からを受信し(例えば指令、設定ポイント、動作境界等)、情報をBMS制御器366へと与える(例えば温度測定値、弁又はアクチュエータの位置、動作ステータス、診断値等)。例えば、AHU制御器330は、建物ゾーン306内の可変状態又は条件を監視又は制御するべくBMS制御器366により使用可能な、温度センサ362〜364からの温度測定値、設備オン/オフ状態、設備動作性能、及び/又は任意の他の情報をBMS制御器366に与えることができる。
【0034】
クライアント装置368は、HVACシステム100、そのサブシステム及び/又は装置を制御し、閲覧し、又はこれらと相互作用をするための一以上のヒューマン・マシンインタフェイス、若しくはクライアントインタフェイス(例えばグラフィカルユーザインタフェイス、レポーティングインタフェイス、テキストベースコンピュータインタフェイス、クライアント向けウェブサービス、ウェブクライアントにページを提供するウェブサーバ等)を含み得る。クライアント装置368は、コンピュータワークステーション、クライアント端末、リモート若しくはローカルインタフェイス、又は任意の他のタイプのユーザインタフェイス装置としてよい。クライアント装置368は、静止型又は移動型端末としてよい。例えば、クライアント装置368は、デスクトップコンピュータ、ユーザインタフェイス付きコンピュータサーバ、ノートパソコン、タブレット、スマートフォン、PDA、又は任意の他のタイプの移動型又は非移動型装置としてよい。クライアント装置368は、通信リンク372を介してBMS制御器366及び/又はAHU制御器330と通信することができる。
【0035】
ここで
図4を参照すると、典型的な実施形態に係る建物管理システム(BMS)400のブロック図が示される。BMS400は、様々な建物の機能を自動的に監視及び制御するべく、建物10に実装することができる。BMS400は、BMS制御器366及び複数の建物サブシステム428を含むように示される。建物サブシステム428は、建物電気サブシステム434、情報通信技術(ICT)サブシステム436、保安サブシステム438、HVACサブシステム440、照明サブシステム442、リフト/エスカレータサブシステム432、及び防火サブシステム430を含むように示される。様々な実施形態において、建物サブシステム428は、これよりも少ない、付加的な又は代替的なサブシステムを含み得る。例えば、建物サブシステム428は付加的に又は代替的に、建物10を監視又は制御するべく制御可能設備及び/又はセンサを使用する冷凍サブシステム、広告若しくは標識サブシステム、調理サブシステム、販売サブシステム、プリンタ若しくはコピーサービスサブシステム、又は任意の他のタイプの建物サブシステムを含み得る。いくつかの実施形態において、建物サブシステム428は、
図2〜3を参照して記載された水側システム200及び/又は空気側システム300を含む。
【0036】
建物サブシステム428はそれぞれが、その個別の機能及び制御アクティビティを完了するための任意数の装置、制御器、及び接続部を含み得る。HVACサブシステム440は、
図1〜3を参照して記載されたHVACシステム100と同じコンポーネントの多くを含み得る。例えば、HVACサブシステム440は、建物10内の温度、湿度、空気流又は他の可変条件を制御するためのチラー、ボイラ、任意数の空気ハンドリングユニット、エコノマイザー、フィールド制御器、監視用制御器、アクチュエータ、温度センサ、及び他の装置を含み得る。照明サブシステム442は、建物空間に与えられる照明量を制御可能に調整するように構成された任意数の照明器具、バラスト、照明センサ、調光器又は他の装置を含み得る。保安サブシステム438は、居住者センサ、ビデオ監視カメラ、デジタルビデオレコーダ、ビデオプロセシングサーバ、侵入検出装置、アクセス制御装置(例えばカードアクセス等)及びサーバ、又は他の保安関連装置を含み得る。
【0037】
なおも
図4を参照すると、BMS制御器366は、通信インタフェイス407及びBMSインタフェイス409を含むように示される。インタフェイス407は、BMS制御器366及び/又はサブシステム428に対するユーザの制御、監視及び調整を許容するためのBMS制御器366と外部アプリケーション(例えば、監視及び報告アプリケーション422、企業制御アプリケーション426、リモートシステム及びアプリケーション444、クライアント装置常駐アプリケーション448等)との通信を容易にすることができる。インタフェイス407はまた、BMS制御器366とクライアント装置448との通信を容易にすることができる。BMSインタフェイス409により、BMS制御器366と建物サブシステム428(例えばHVAC、照明保安、リフト、配電、ビジネス等)との通信を容易にすることができる。
【0038】
インタフェイス407、409は、建物サブシステム428又は他の外部システム若しくは装置とのデータ通信を行うための有線又は無線通信インタフェイス(例えばジャック、アンテナ、送信器、受信器、送受信器、配線端子等)であり、又はこれらを含み得る。様々な実施形態において、インタフェイス407、409を介した通信は、直接的であっても(例えばローカルl有線又は無線通信)、通信ネットワーク446を介してもよい(例えばWAN、インターネット、セルラーネットワーク等)。例えば、インタフェイス407、409は、イーサネット(登録商標)ベースの通信リンク又はネットワークを介したデータの送受信を目的とするイーサネットカード及びポートを含み得る。他例において、インタフェイス407、409は、無線通信ネットワークを介した通信を目的とするWi−Fi(登録商標)送受信器を含み得る。他例において、インタフェイス407、409の一方又は双方は、セルラー又は移動型電話通信送受信器を含み得る。一実施形態において、通信インタフェイス407は電力線通信インタフェイスであり、BMSインタフェイス409はイーサネットインタフェイスである。他の実施形態において、通信インタフェイス407及びBMSインタフェイス409は双方ともがイーサネットインタフェイスであり、又は同じイーサネットインタフェイスである。
【0039】
なおも
図4を参照すると、BMS制御器366が、プロセッサ406及びメモリ408を含むプロセシング回路404を含むように示される。プロセシング回路404は、プロセシング回路404及びその様々なコンポーネントがインタフェイス407、409を介してデータを送受信できるように、BMSインタフェイス409及び/又は通信インタフェイス407に通信可能に接続される。プロセッサ406は、汎用若しくは専用のプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、一以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、一群のプロセシングコンポーネント、又は他の適切なプロセシングコンポーネントとして実装することができる。
【0040】
メモリ408(例えばメモリ、メモリユニット、記憶装置等)は、本願に記載の様々なプロセス、層及びモジュールを完成させ又は容易にするデータ及び/又はコンピュータコードを格納する一以上の装置(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスクストレージ等)を含み得る。メモリ408は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリとしてよく、又はこれらを含んでよい。メモリ408は、本願に記載の様々なアクティビティ及び情報構造をサポートするデータベースコンポーネント、オブジェクトコードコンポーネント、スクリプトコンポーネント、又は任意の他のタイプの情報構造を含み得る。典型的な実施形態によれば、メモリ408は、プロセシング回路404を介してプロセッサ406に通信可能に接続され、ここに記載の一以上のプロセスを(例えばプロセシング回路404及び/又はプロセッサ406により)実行するためのコンピュータコードを含む。
【0041】
いくつかの実施形態において、BMS制御器366は、単数のコンピュータ(例えば一つのサーバ、一つのハウジング等)内に実装される。様々な他の実施形態において、BMS制御器366は、(例えば分散された場所に存在し得る)多数のサーバ又はコンピュータにわたって分散されてもよい。さらに、
図4が、アプリケーション422及び426をBMS制御器366の外側に存在するように示すが、いくつかの実施形態において、アプリケーション422及び426は、BMS制御器366内に(例えばメモリ408内に)ホストとして存在してよい。
【0042】
なおも
図4を参照すると、メモリ408は、企業統合層410、自動測定及び検証(AM&V)層412、需要応答(DR)層414、故障検出及び診断(FDD)層416、統合制御層418及び建物サブシステム統合層420を含むように示される。層410〜420は、入力を建物サブシステム428及び他のデータソースから受信し、当該入力に基づいて建物サブシステム428にとって最適な制御アクションを決定し、当該最適な制御アクションに基づく制御信号を生成し、当該生成された制御信号を建物サブシステム428に与えるように構成することができる。以下の段落では、BMS400において層410〜420それぞれが行う一般的な機能のいくつかが記載される。
【0043】
企業統合層410は、クライアント又はローカルアプリケーションに、様々な企業レベルのアプリケーションをサポートする情報及びサービスを与えるように構成することができる。例えば、企業制御アプリケーション426は、サブシステムスパニング制御をグラフィカルユーザインタフェイス(GUI)又は任意数の企業レベルのビジネスアプリケーション(例えば会計システム、ユーザ識別システム等)に与えるように構成することができる。企業制御アプリケーション426は付加的に又は代替的に、BMS制御器366を構成する構成GUIを与えるように構成することができる。さらに他の実施形態において、企業制御アプリケーション426は、インタフェイス407及び/又はBMSインタフェイス409において受信した入力に基づいて建物性能(例えば効率、エネルギー使用量、快適性又は安全性)を最適化するべく層410〜420と協働することができる。
【0044】
建物サブシステム統合層420は、BMS制御器366及び建物サブシステム428間の通信を管理するように構成することができる。例えば、建物サブシステム統合層420は、センサデータ及び入力信号を建物サブシステム428から受信し、出力データ及び制御信号を建物サブシステム428に与えることができる。建物サブシステム統合層420はまた、建物サブシステム428間の通信を管理するように構成することができる。建物サブシステム統合層420は、複数のマルチベンダ/マルチプロトコルシステムにわたって通信(例えばセンサデータ、入力信号、出力信号等)を変換する。
【0045】
需要応答層414は、建物10の需要を満たすことに応答して資源使用(例えば、電気使用量、天然ガス使用量、水使用量等)及び/又は当該資源使用の金銭コストを最適化するように構成することができる。この最適化は、ユーティリティ事業者、分散型エネルギー生成システム424、エネルギー貯蔵器427(例えばホットTES242、コールドTES244等)、又は他のソースから受信した使用時間価格、削減信号、エネルギー供給力又は他のデータに基づいてよい。需要応答層414は、BMS制御器366(例えば建物サブシステム統合層420、統合制御層418等)の他の層からの入力を受信することができる。他の層から受信した入力は、温度、二酸化炭素レベル、相対湿度レベル、空気品質センサ出力、居住者センサ出力、部屋計画等のような環境又はセンサ入力を含み得る。入力はまた、電気使用量(例えばkWhで表現)、熱負荷測定値、価格情報、予測価格、平滑化価格、ユーティリティからの削減信号等のような入力を含み得る。
【0046】
典型的な実施形態によれば、需要応答層414は、受信するデータ及び信号に応答するための制御論理を含む。これらの応答は、統合制御層418における制御アルゴリズムと通信すること、制御ストラテジーを変更すること、設定ポイントを変更すること、又は制御された態様で建物設備若しくはサブシステムをアクティブ/非アクティブにすることを含み得る。需要応答層414はまた、貯蔵されたエネルギーを利用するべき時を決定するように構成された制御論理も含み得る。例えば、需要応答層414は、ピーク使用時間の開始の直前にエネルギー貯蔵器427からエネルギー使用を開始するように決定することができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、需要応答層414は、一以上の入力代表値に基づいて、又は需要(例えば価格、削減信号、需要レベル等)に基づいて、エネルギーコストを最小にする制御アクション(例えば設定ポイントの自動的変更)をアクティブに開始するように構成された制御モジュールを含む。いくつかの実施形態において、需要応答層414は、最適なセットの制御アクションを決定するべく設備モデルを使用する。設備モデルは、例えば、入力、出力、及び/又は様々なセットの建物設備が行う機能を記述する熱力学モデルを含む得る。設備モデルは、建物設備(例えばサブプラント、チラーアレイ等)又は個別の装置(例えば個別のチラー、ヒーター、ポンプ等)の集合を代表し得る。
【0048】
需要応答層414はさらに、一以上の需要応答ポリシー定義(例えばデータベース、XMLファイル等)を含み又は利用することができる。ポリシー定義は、ユーザが(例えばグラフィカルユーザインタフェイスを介して)編集又は調整することにより、需要入力に応答して開始される制御アクションをユーザのアプリケーション、所望の快適性レベル、特定の建物設備に合わせて、又は他の関心事項に基づいてあつらえることができる。例えば、需要応答ポリシー定義は、特定の需要入力に応答してどの設備をオン又はオフにすることができるか、システム又は設備をどれくらいの長さオフにするべきか、どの設定ポイントを変更することができるか、許容可能な設定ポイント調整範囲は何か、通常に計画された設定ポイントに戻る前に高い需要設定ポイントをどれくらいの長さ保持するべきか、容量限界のどれくらい近くまでアプローチするべきか、どの設備モードを利用するべきか、エネルギー貯蔵装置(例えば熱貯蔵タンク、電池バンク等)への及びそこからのエネルギー伝達速度(例えば最大速度、警報速度、他の速度境界情報等)、並びに、(例えば燃料電池、モータ生成器セット等を介した)エネルギーのオンサイト生成をいつ送るべきかを特定することができる。
【0049】
統合制御層418は、制御決定を行うべく、建物サブシステム統合層420及び/又は需要応答層414のデータ入力又は出力を使用するように構成することができる。建物サブシステム統合層420が与えるサブシステム統合ゆえに、統合制御層418は、サブシステム428が単数の統合スーパーシステムとして挙動するようにサブシステム428の制御アクティビティを統合することができる。典型的な実施形態において、統合制御層418は、複数の建物サブシステムからの入力及び出力を、別個のサブシステムが単独で与えることができる快適性及びエネルギー節約と比べて高い快適性及びエネルギー節約を与えるように使用する制御論理を含む。例えば、統合制御層418は、第1サブシステムからの入力を使用して第2サブシステムのためにエネルギー節約制御決定を行うように構成することができる。これらの決定の結果は、建物サブシステム統合層420に戻すように通信することができる。
【0050】
統合制御層418は、需要応答層414の論理的に下層に存在するように示される。統合制御層418は、建物サブシステム428及びその対応制御ループを需要応答層414と協調して制御可能とすることによって需要応答層414の有効性を高めるように構成することができる。この構成により、有利なことに、従来型システムと比べ、破壊的な需要応答挙動を低減することができる。例えば、統合制御層418は、冷却された水の温度(又は直接若しくは間接に温度に影響を及ぼす他のコンポーネント)に対する設定ポイントまでの需要応答駆動の上方調整が、合計建物エネルギー使用量がチラーにおいて節約されたものよりも大きくなるファンエネルギー(又は空間を冷却するべく使用された他のエネルギー)の増加をもたらさないことを確保するように構成することができる。
【0051】
統合制御層418は、需要負荷制限が進行中であっても制約(例えば温度、照明レベル等)が適切に維持されていることを需要応答層414がチェックするべく、フィードバックを需要応答層414に与えるように構成することができる。この制約はまた、安全性、設備動作の制限及び性能、快適性、消防規定、電気規定、エネルギー規定等に関連する設定ポイント又は検知された境界を含み得る。統合制御層418はまた、故障検出及び診断層416及び自動測定及び検証層412よりも論理的に下層にある。統合制御層418は、計算された入力(例えば集計)を、一を超える建物サブシステムからの出力に基づいて、これらの高次レベルに与えるように構成することができる。
【0052】
自動測定及び検証(AM&V)層412は、統合制御層418又は需要応答層414が指令した制御ストラテジーが、(例えばAM&V層412、統合制御層418、建物サブシステム統合層420、FDD層416等が集計したデータを使用して)適切に動作していることを検証するように構成することができる。AM&V層412が行う計算は、個別のBMS装置又はサブシステムのための建物システムエネルギーモデル及び/又は設備モデルに基づいてよい。例えば、AM&V層412は、モデルの精度を決定するべく、モデル予測出力と、建物サブシステム428からの実際の出力とを比較することができる。
【0053】
故障検出及び診断(FDD)層416は、建物サブシステム428、建物サブシステム装置(すなわち建物設備)、並びに需要応答層414及び統合制御層418に使用される制御アルゴリズムのための継続中の故障検出を与えるように構成することができる。FDD層416は、統合制御層418から、一以上の建物サブシステム若しくは装置から直接、又は他のデータソースからデータ入力を受信することができる。FDD層416は、検出された故障を自動的に診断し、それに応答することができる。検出又は診断された故障への応答は、故障を修理しようと試み又は当該故障を回避して動作するように構成された、ユーザへの警報メッセージ、保守スケジューリングシステム又は制御アルゴリズムを与えることを含む。
【0054】
FDD層416は、建物サブシステム統合層420において利用可能な詳細なサブシステム入力を使用して、故障コンポーネント又は故障原因(例えば緩んだダンパーリンケージ)の特定の識別を出力するように構成することができる。他の典型的な実施形態において、FDD層416は、受信した故障事象に応答して制御ストラテジー及びポリシーを実行する統合制御層418に「故障」事象を与えるように構成される。典型的な実施形態によれば、FDD層416(又は統合制御エンジン又はビジネス規則エンジンが実行するポリシー)は、エネルギーの無駄を減らし、設備寿命を延ばし、又は適切な制御応答を確保するべく、システムをシャットダウンし、又は、故障した装置若しくはシステムを回避する制御アクティビティを指示することができる。
【0055】
FDD層416は、様々な異なるシステムデータストア(又は実データのためのデータポイント)を格納し又はこれにアクセスするように構成することができる。FDD層416は、データストアの一部の内容を使用して故障を設備レベル(例えば特定のチラー、特定のAHU、特定の端末ユニット等)で識別し、他の内容を使用して故障をコンポーネント又はサブシステムレベルで識別することができる。例えば、建物サブシステム428は、BMS400及びその様々なコンポーネントの性能を示す時間的(すなわち時系列の)データを生成することができる。建物サブシステム428が生成するデータは、統計的な特性を示す測定又は計算された値であって、対応するシステム又はプロセス(例えば温度制御プロセス、流量制御プロセス等)が、その設定ポイントからの誤差の点でどのようにして挙動しているのかについての情報を与える値を含み得る。これらのプロセスは、システムの性能が劣化し始める時を顕在化させ、ひどくなる前に故障を修理するようにユーザに警報を与えるべく、FDD層416によって検査され得る。
【0057】
上述のように、BMSは、当該BMSに関連付けられたネットワークを介して動作する。いくつかの例において、BMSネットワークとの互換性がないBMSにおいて、他のネットワークも使用することができる。一般に、BMSネットワークと他のネットワークとの一定量のインタフェイスを与えるべく、インタフェイス装置を使用することができる。以下に述べるように、BMSネットワークによる他のネットワークへのアクセス、及び他のネットワークによるBMSネットワークへのアクセスを与えるべく、スマートゲートウェイ装置が、BMSネットワークと他のネットワークとのインタフェイスをなし得る。スマートゲートウェイは、他のネットワーク上の一以上の装置に関連付けられた一以上の仮想化された装置を作り出す。スマートゲートウェイ内の仮想化された装置は、BMS上の制御器又は他の装置が、付加的なプログラミング又は構成を必要とすることなく簡単に仮想装置と相互作用をするように、BMSネットワークに関連付けられた装置として見えるように構成することができる。
【0058】
図5を参照すると、典型的な建物管理システム(「BMS」)500が、BMSネットワーク502及び非BMSネットワーク504を有するように示される。BMSネットワーク502は、複数の装置及び/又はシステムを与え得る。例えば、BMSネットワーク502は、一以上のBMS装置506、建物オートメーションシステム(「BAS」)508及び/又は接続サービス510間の通信を与え得る。一つの実施形態において、BMSネットワーク502は、建物オートメーション制御ネットワーク(「BACnet」)となり得る。BMSネットワーク502はさらに、マスタ・スレーブ・トークン・パッシング(MSTP)BACnetネットワーク、BACnetIPネットワーク、又はこの2つの組み合わせとなり得る。さらなる例において、BMSネットワーク502は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、イーサネット(登録商標)IPネットワーク、又は建物管理システムを制御する任意の他の適用可能ネットワークのような、任意の他の適用可能ネットワークとしてよい。
【0059】
BMS装置506は、上述のBMS装置のいずれか、及び/又はBMS500内で必要とされるいずれかの装置としてよい。装置の例は、AHU、VAV、RTU、制御器、アクチュエータ、チラー、センサ、保安装置等を含み得る。BMS装置506は、BMSネットワーク502と通信することができ、ひいてはBAS508及び/又は接続サービス510とも通信することができる。BASは、中央l制御器又はオペレーティングシステムとなり得る。例えば、BASは、ジョンソンコントロールズ社からのMetasys(登録商標)建物オートメーションシステムであり得る。他の例において、BAS508は、ジョンソンコントロールズ社からのVerasys(登録商標)建物オートメーションシステムである。しかしながら、他のタイプの建物オートメーションシステムも意図される。BAS508は、BMS500全体の知能、制御及び監視を与えることができる。接続サービス510は、BMSネットワーク502を介してアクセス可能な一以上のクラウドに基づくサービスを含み得る。接続サービス510の例は、データ分析プログラム、クラウドに基づく知識ベース、又は他のサービスを含み得る。いくつかの実施形態において、接続サービス510は、ユーザがBAS508及び/又はBMS500に遠隔アクセスし及びインタフェイスをなすことを可能にするサービスを含み得る。
【0060】
非BMSネットワーク504は、一以上の非BMSシステム又は装置間の通信を与えることができる。用語「非BMS」システム又は装置は、ここで使用されるように、BMSネットワーク502を介してBMS500とネイティブな通信をすることがない装置を記載するべく使用される。したがって、非BMS装置及び/又はシステムは、BMSネットワークとのインタフェイスをなす付加的な装置又はソフトウェアを必要とする。一つの例において、非BMSネットワーク504は、外部ネットワーク中央制御器512、一以上の屋外ユニット514、第1サードパーティーシステムサブシステム516、及び第2サードパーティーサブシステム518間の通信を与えることができる。一つの実施形態において、第1サードパーティーサブシステム516及び第2サードパーティーサブシステム518は、冷凍システムである。しかしながら、第1サードパーティーサブシステム516及び第2サードパーティーサブシステム518は、建物管理システムに関連付けられたチラーシステム、HVACシステム、AHU、VAV、保安システム又は他のシステムのような、他のタイプのサブシステムとしてよい。
図5に示されるように、第1サードパーティーサブシステム516は、屋外ユニット520、及び2つの屋内ユニット522、524を含む。屋外ユニットは、屋外冷凍ユニットとしてよい。屋内ユニット522、524は、ブロワ、ファンコイル及び/又は空調ユニットのような屋内冷凍ユニットとしてよい。同様に、第2サードパーティーシステム518は、屋外ユニット526、及び一以上の屋内ユニット528を含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、非BMSネットワーク504は、サードパーティー装置及びシステムに関連付けられた独自仕様のネットワークとしてよい。例えば、計測システム、冷凍システム、防火及び/若しくは抑圧システム、並びに/又は照明システムは、システム内の装置間で通信する独自仕様の又は限られたプロトコルを利用することができる。他の例において、非BMSネットワーク504は、BMSネットワーク502のために使用されるものとは異なった一般に使用される通信プロトコルに関連付けることができる。例えば、非BMSネットワーク504は、KNXプロトコル、Modbusプロトコル、Controlbusプロトコル、CANプロトコル、又は他の適用可能プロトコルを利用することができる。
【0062】
BMS500はさらに、スマートゲートウェイ530を含むように示される。スマートゲートウェイ530は、BMSネットワーク502と非BMSネットワーク504とのインタフェイスを与えるように構成される。例えば、スマートゲートウェイ530は、非BMSネットワーク504を介して送信されるデータを、BMSネットワークとともに使用するためのBACnetのような互換性ネットワークプロトコルに変換することができる。スマートゲートウェイ530は、以下にさらに詳述される。一つの実施形態において、スマートゲートウェイは、BMSネットワーク502及び非BMSネットワーク504の双方に対してデータを読み書きすることができる。いくつかの例において、スマートゲートウェイ500はさらに、移動型装置532一以上のユーザ装置と通信するための無線ラジオを含み得る。いくつかの実施形態において、ユーザは、移動型装置532を介してスマートゲートウェイ530にアクセスすることにより、非BMSネットワーク504及び/又はBMSネットワーク502にアクセスすることが許容される。一つの実施形態において、スマートゲートウェイ530は、Wi−Fi(登録商標)を介して移動型装置と通信する。しかしながら、他の例において、移動型装置532と通信するべくBluetooth(登録商標)、LoRA(登録商標)、セルラー(3G、4G、LTE、CDMA)、Wi−Max(登録商標)、NFC(登録商標)、Zigbee(登録商標)、又は他の適用可能プロトコルのような無線プロトコルを使用することもできる。他の例において、スマートゲートウェイ530は、ユニバーサルシリアルバス(USB)2.0若しくは3.0、RS−232、RS−485、ファイアワイア(登録商標)、又は他の適用可能有線通信プロトコルのような有線通信プロトコルを使用して移動型装置532と通信することもできる。
【0063】
ここで
図6を参照すると、いくつかの実施形態に係る
図5のスマートゲートウェイ530を例示する模式図が示される。スマートゲートウェイ530は、BMSインタフェイス回路600及び外部ネットワークインタフェイス回路602を含む。BMSインタフェイス回路はプロセシング回路604を含む。プロセシング回路604はプロセッサ606及びメモリ608を含む。プロセッサ606は、汎用若しくは専用のプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、一以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、一群のプロセシングコンポーネント、又は他の適切なプロセシングコンポーネントとすることができる。プロセッサ606は、メモリ608に格納され、又は他のコンピュータ読み取り可能媒体(例えばCDROM、ネットワークストレージ、リモートサーバ等)から受信したコンピュータコード又は命令を実行するように構成することができる。
【0064】
メモリ608は、本開示に記載の様々なプロセスを完成させ及び/又は容易にするデータ及び/又はコンピュータコードを格納する一以上の装置(例えばメモリユニット、メモリ装置、記憶装置等)を含み得る。メモリ608は、ソフトウェアオブジェクト及び/若しくはコンピュータ命令を格納するのに適したランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードドライブストレージ、一時的ストレージ、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、光メモリ、又は任意の他のメモリを含み得る。メモリ608は、本開示に記載の様々なアクティビティ及び情報構造をサポートするデータベースコンポーネント、オブジェクトコードコンポーネント、スクリプトコンポーネント、又は任意の他のタイプの情報構造を含み得る。メモリ608は、プロセシング回路604を介してプロセッサ606に通信可能に接続することができ、ここに記載の一以上のプロセスを(例えばプロセッサ606により)実行するためのコンピュータコードを含み得る。
【0065】
メモリ608は、ゲートウェイ実行可能モジュール610、仮想ネットワークシミュレーションモジュール612、及びウェブサーバ614を含むように示される。ゲートウェイ実行可能モジュール610は、スマートゲートウェイ530の非仮想化部分を動作させるのに必要なソフトウェアモジュールを含む。ゲートウェイ実行可能モジュール610は、以下にさらに詳述される。仮想ネットワークシミュレーションモジュール612は、スマートゲートウェイ530の仮想化された部分を動作させるのに必要なソフトウェアモジュールを含み、以下にさらに詳述される。
【0066】
ウェブサーバ614は、ウェブページを処理してユーザに送達するように構成される。一つの実施形態において、ウェブサーバ614はHTTPウェブサーバとしてよい。ウェブサーバ614は、HTMLドキュメントのような画像を、移動型装置532を介してユーザに送達するように構成することができる。ウェブサーバ614は、サーバ側スクリプト、Active Server Pages、又は他のスクリプト言語をサポートすることができる。ウェブサーバ614はさらに、ローカルネットワークにおける装置に対し情報を与え又はウェブページを生成するように構成することができる。例えば、ウェブサーバ614は、スマートゲートウェイ530に直接接続された、無線ラジオ616のような装置にウェブページを与えるように構成することができる。いくつかの実施形態において、ウェブサーバ614は、ユーザがスマートゲートウェイ530にアクセスするためのウェブポータルを与えることができる。いくつかの実施形態において、ユーザは、ウェブサーバ614が生成するウェブポータル(例えばウェブサイト)にアクセスすることにより、移動型装置532を介してスマートゲートウェイ530にアクセスすることができる。いくつかの実施形態において、ウェブポータルは、構成データ、ネットワークデータ、ステータス、エラー等のような、スマートゲートウェイ530に関連付けられた基本的な情報を与える。さらなる実施形態において、ウェブポータルによりユーザは、移動型装置532を介してスマートゲートウェイ530を十分に構成することができる。例えば、ユーザは、ウェブポータルを介して、スマートゲートウェイ530をBMSネットワーク502及び非BMSネットワーク504の双方に接続することができる。なおもさらなる実施形態において、ユーザは、ウェブポータルを介して、非BMSネットワーク504に関連付けられた一以上の装置を構成することができる。これによりユーザは、BMSネットワーク502と非BMSネットワーク504とのインタフェイスを与えるようにスマートゲートウェイ530を迅速かつ容易に構成することができる。
【0067】
一つの実施形態において、BMSインタフェイス回路600は無線ラジオを含む。一つの実施形態において、無線ラジオ616はWi−Fiラジオである。Wi−Fiラジオは、サービスセット識別子(「SSID」)技術を利用するように構成することができる。SSID技術は、スマートゲートウェイ530に関連付けられたSSIDへの特定のアクセスを有する装置のみが、スマートゲートウェイ530に関連付けられたデータに、ウェブサーバ614を介してアクセスすることが許容されるように使用することができる。他の実施形態において、無線ラジオ616は、スマートゲートウェイ530へのアクセスを制限するべく他の保安層を利用するように構成することができる。例えば、無線ラジオ616を介してスマートゲートウェイ530へのアクセスを試みるユーザは、アクセスが許容される前にユーザ名称及びパスワードを与えるように要求される。なおもさらなる例において、ユーザは、無線ラジオ616を介してスマートゲートウェイ530にアクセスするべく使用される移動型装置上の識別子トークンを維持するように要求されるので、ユーザがアクセスを得るには、スマートゲートウェイ530に当該トークンを提示するように要求される。無線ラジオ616はWi−Fiラジオに関して上述したとおりであるが、無線ラジオ616は、Wi−Max、Zigbee、LoRA、Bluetooth、NFC、セルラー(3G、4G、LTE、CDMA)、RF、IR、又は他の適用可能無線通信プロトコルのような他の無線通信プロトコルを利用することができる。
【0068】
BMSインタフェイス回路600はさらに、通信インタフェイス618を含む。通信インタフェイス618は、外部ネットワークインタフェイス回路602上に配置された第2通信インタフェイス620と通信するように構成される。一つの実施形態において、通信インタフェイス618、620は、USBのようなシリアル通信インタフェイスである。他の例において、通信インタフェイス618、620は、RS−232、RS−485又は他の適用可能シリアル通信タイプのような他のタイプのシリアルインタフェイスとしてよい。BMSインタフェイス回路600はさらに、BMSネットワークインタフェイス622を含み得る。BMSネットワークインタフェイス622は、BMSネットワーク502への及びBMSネットワーク502からの通信を与えることができる。例えば、BMSネットワークインタフェイス622は、BACnetインタフェイスとしてよい。しかしながら、BMSネットワークインタフェイス622は、他のタイプのBMSネットワークともインタフェイスをなすように構成することが意図される。
【0069】
外部ネットワークインタフェイス回路602はまた、プロセシング回路624も含む。プロセシング回路は、BMSインタフェイス回路600と通信するべく通信インタフェイス620と通信する。プロセシング回路624はプロセッサ626及びメモリ628を含む。プロセッサ626は、汎用若しくは専用のプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、一以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、一群のプロセシングコンポーネント、又は他の適切なプロセシングコンポーネントとすることができる。プロセッサ626は、メモリ628に格納され、又は他のコンピュータ読み取り可能媒体(例えばCDROM、ネットワークストレージ、リモートサーバ等)から受信したコンピュータコード又は命令を実行するように構成することができる。いくつかの実施形態において、プロセシング回路604及び624は、同じプロセシング回路でよい。
【0070】
メモリ628は、本開示に記載の様々なプロセスを完成させ及び/又は容易にするデータ及び/又はコンピュータコードを格納する一以上の装置(例えばメモリユニット、メモリ装置、記憶装置等)を含み得る。メモリ628は、ソフトウェアオブジェクト及び/若しくはコンピュータ命令を格納するのに適したランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードドライブストレージ、一時的ストレージ、不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、光メモリ、又は任意の他のメモリを含み得る。メモリ628は、本開示に記載の様々なアクティビティ及び情報構造をサポートするデータベースコンポーネント、オブジェクトコードコンポーネント、スクリプトコンポーネント、又は任意の他のタイプの情報構造を含み得る。メモリ628は、プロセシング回路624を介してプロセッサ626に通信可能に接続することができ、ここに記載の一以上のプロセスを(例えばプロセッサ626により)実行するためのコンピュータコードを含み得る。
【0071】
メモリ628は装置データモジュール630を含み得る。装置データモジュール630は、非BMSネットワーク504に関連付けられた装置に関するデータを格納するべく使用することができる。データの例は、データポイント、装置アドレス、装置名称、装置タイプ、装置ステータス、データポイント値等を含み得る。一つの実施形態において、外部ネットワークインタフェイス回路602は、非BMSネットワーク504とのインタフェイスをなすように構成される。外部ネットワークインタフェイス回路602は、非BMSネットワーク通信インタフェイス632を介して非BMSネットワーク504とのインタフェイスをなすように構成される。いくつかの実施形態において、外部ネットワークインタフェイス回路602はさらにレベル変換器634を含み得る。レベル変換器634は、非BMSネットワーク504上の信号レベルがプロセシング回路624と互換しない場合に必要となり得る。いくつかの実施形態において、レベル変換器634は、非BMS通信インタフェイスに統合される。外部ネットワークインタフェイス回路602がレベル変換器634を有する例において、レベル変換器634は、プロセシング回路624と非BMS通信インタフェイス632との間の通信を与える。レベル変換器634が要求されない他の実施形態において、プロセシング回路624は、非BMSネットワーク504にアクセスするべく、非BMS通信インタフェイス632との直接の相互作用をする。
【0072】
ここで
図7を参照すると、いくつかの実施形態に係るBMSインタフェイス回路のゲートウェイ実行可能モジュール610と仮想ネットワークシミュレーションモジュール612との相互作用を示すインタフェイス図が示される。
図7に示されるように、ゲートウェイ実行可能モジュール610は、データアクセスコンポーネント700、BMSアプリケーション層702、ネットワーク層704、IPデータリンク層706及び仮想データリンク層708を含み得る。仮想シミュレーションモジュール612は、第1仮想装置710及び第2仮想装置712を含むように示される。2つのみの仮想装置710、712が示されるが、複数の仮想装置が仮想シミュレーションモジュール612内に配置され得ることが意図される。一つの実施形態において、仮想シミュレーションモジュール612は、200個までの仮想装置を含み得る。しかしながら、他の実施形態において、仮想ネットワークシミュレーションモジュール612は、200個を超える仮想装置又は200個未満の仮想装置を含み得る。仮想ネットワークシミュレーションモジュール612はさらに、BMSアプリケーション層714、ネットワーク層716、外部ネットワークインタフェイス回路統合モジュール718、通信ドライバ720及び仮想データリンク層722を含み得る。
【0073】
ゲートウェイ実行可能モジュール610のデータアクセスコンポーネント700は、仮想ネットワークシミュレーションモジュール612において仮想装置710、712内のデータにアクセスするように構成される。一つの実施形態において、データアクセスコンポーネント700は、要求されたデータを取得するべく仮想装置710、712にポーリングをするように構成された一以上のポールマッパーを格納するように構成される。データアクセスコンポーネント700はさらに、仮想装置710、712からBASアプリケーション層702へとデータを通信するように構成され得る。一つの例において、データアクセスコンポーネント700は、マルチタッチゲートウェイUIデータアクセスコンポーネントである。他の実施形態において、データアクセスコンポーネント700は移動型アクセスポータルである。しかしながら、他のデータアクセスコンポーネントタイプも同様に意図される。いくつかの実施形態において、データアクセスコンポーネントは、一以上の仮想装置710、712とのインタフェイスをなすように構成される。
【0074】
BMSアプリケーション層702は、データアクセスコンポーネント700から受信したデータを、BMSネットワーク502に関連付けられた装置により読み取り可能なデータに変換するように構成することができる。ネットワーク層704は、仮想装置710、712からのデータを、BMSネットワーク502上で使用されるフォーマットに変換することができる。BMSネットワーク502はBACnetネットワークであるが、ネットワーク層704は、仮想装置710、712からのデータを、一以上の装置オブジェクトにBACnet読み取り可能データオブジェクトとしてマッピングすることができる。BACnetデータオブジェクトは、この場合、BMSネットワーク502に関連付けられた装置により読み取り可能及び/又は書き込み可能となるように構成することができる。さらに、ネットワーク層704は、BMSネットワーク502から受信したデータを一以上の仮想装置710、712にマッピングするように構成することができる。一以上の仮想装置710、712にマッピングされたデータは、この場合、関連付けられた非BMS装置へと渡される。
【0075】
ネットワーク層704は、一以上の仮想装置710、712に格納されたデータを、ネットワークを経由して提示されるように修正することができる。一つの実施形態において、ネットワーク層704は、BMSネットワークを経由した送信を目的として、BACnetプロトコルを使用して仮想装置710、712に格納されたデータを修正する。しかしながら、BACnetプロトコル以外の他のネットワークプロトコルもまた意図される。同様に、ネットワーク層704は、ネットワークを介して受信したデータを、一以上の仮想装置710、712にマッピングされ得るデータに変換することができる。IPデータリンク層706は、IPに基づくネットワークにアクセスするように構成される。例えば、BMSネットワーク502がBACnetIPである場合、IPデータリンク層は、BACnetIPネットワークを経由してネットワーク層704が修正したデータをパッケージ化及び送信することができる。他の例において、IPデータリンク層706は、BMSネットワーク502が任意のタイプのIPに基づくネットワークである場合に使用することができる。仮想データリンク層708は、仮想ネットワークシミュレーションモジュール612にデータを送受信するように構成することができる。一つの実施形態において、仮想データリンク層708は、仮想データリンク層722を介して仮想ネットワークシミュレーションモジュール612と通信する。
【0076】
仮想ネットワークシミュレーションモジュール612は、通信ドライバ720を介して非BMSネットワーク504と通信することができる。一つの実施形態において、通信ドライバは、外部ネットワークインタフェイス回路602と通信するUSBドライバである。他の例において、通信ドライバ720は、RS−232、RS−485等のような他のタイプのシリアルデータドライバとしてよい。いくつかの例において、通信ドライバ720は、日立製のH−Link(登録商標)通信ドライバのような独自仕様のシリアル通信ドライバとしてよい。いくつかの実施形態において、通信ドライバ720は、外部ネットワークインタフェイス回路602の通信インタフェイス620と通信するべく、通信インタフェイス618と通信することができる。通信ドライバ720はさらに、外部ネットワークインタフェイス回路統合モジュール718と通信する。外部ネットワークインタフェイス回路統合モジュール718は、仮想ネットワークシミュレーションモジュール612における使用を目的としてするべく、外部ネットワークインタフェイス回路602からのデータを翻訳する。例えば、外部ネットワークインタフェイス回路統合モジュール718は、通信ドライバ720を介して受信したデータを解析して個々のデータポイントにするように構成される。外部ネットワークインタフェイス回路統合モジュール718は、受信したデータを、データタイプ、装置タイプ、装置アドレス等によって解析することができる。外部ネットワークインタフェイス回路統合モジュール718は、この場合、解析されたデータを仮想BMSアプリケーション層714に与えることができる。
【0077】
仮想BMSアプリケーション層714は、仮想ネットワークマネージャ726を含み得る。一つの実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726は、仮想装置710、712の作成及び管理、並びに仮想装置710、712に対する読み書き動作の責任を負う。仮想ネットワークマネージャ726は、外部ネットワークインタフェイス回路統合モジュール718から受信したデータに基づいて仮想ネットワークを作成するように構成することができる。例えば、外部ネットワークインタフェイス回路統合モジュール718が複数の非BMS装置又はシステムからのデータを与える場合、仮想ネットワークマネージャは、受信したデータに関連付けられた仮想装置を作ることができる。例えば、仮想装置710、712は、仮想ネットワークマネージャ726によって作成される。これは、以下にさらに詳述される。仮想BMSアプリケーション層714はさらに、外部ネットワークインタフェイス回路統合モジュール718が与えるデータを取得し、仮想ネットワークマネージャ726と一緒に動作することにより、受信したデータを、BMSネットワーク502との互換性を有するように修正する。例えば、仮想装置710、712にデータオブジェクトを加えることにより、仮想装置710、712は、BMSネットワーク502上のBMS装置と同様に、ネットワーク層704によって個々の装置として読み取り可能となる。仮想装置の例が
図8に示され、以下に詳述される。
【0078】
さらなる実施形態において、仮想BMSアプリケーション層714は、受信したデータを仮想装置テーブル728にマッピングするように構成することができる。一つの実施形態において、仮想装置テーブル728には、仮想装置710、712の一以上に関するデータを加えることができる。一つの実施形態において、仮想装置テーブル728は、仮想BACnetオブジェクトのリストを代表するように構成することができるが、他のデータオブジェクトタイプも意図される。一つの実施形態において、仮想装置テーブル728は、仮想ネットワークマネージャ726が作成した仮想装置710、712のそれぞれに対して修正される。仮想装置テーブル728はさらに、仮想装置710、712と、関連付けられた非BMS装置とのマッピングを与えることができる。
【0079】
一つの実施形態において、仮想ネットワーク層716は、一以上の仮想装置710、712に格納されたデータを修正し、ネットワークを経由して提示されるように構成される。一つの実施形態において、仮想ネットワーク層716は、BACnetプロトコルを使用したBMSネットワーク経由での送信を目的として、仮想データオブジェクト728に格納されたデータを修正する。しかしながら、BACnetプロトコル以外の他のネットワークプロトコルもまた意図される。仮想データリンク層722は、ゲートウェイ実行可能モジュール610に対してデータを送受信するように構成することができる。一つの実施形態において、仮想データリンク層722は、仮想データリンク層722を介してゲートウェイ実行可能モジュール610と通信する。
【0080】
ここで
図8を参照すると、いくつかの実施形態に係る仮想装置800の詳細図が示される。仮想装置800は、上述の仮想装置710、712に類似し得る。仮想装置800は、BMSネットワークに対して非BMS装置をBMS装置として代表するように構成される。一つの実施形態において、仮想装置800は、非BMS装置に関する非BMSネットワーク504を介して受信したデータに基づいて、仮想ネットワークマネージャ726によって生成される。仮想装置800は、一定数のデータポイントを含む。このデータポイントは、非BMS装置又はシステム上の実際のデータポイントに対応する。一つの実施形態において、仮想装置800は、装置タイプのデータポイント802を含む。いくつかの実施形態において、装置タイプのデータポイント802は、仮想装置800が代表している装置のタイプに関する基本的なデータを含み得る。例えば、装置タイプのデータポイント802は、仮想装置800が、屋外ユニット、屋内ユニット、又はこれらのサブシステムを代表することを示し得る。他の実施形態において、装置タイプのデータポイント802は、仮想装置800が他のHVAC又はBMS装置を代表することを示し得る。さらなる実施形態において、装置タイプのデータポイント802は、正確なタイプの装置が代表されていることを示す。例えば、仮想装置800は、屋外冷凍ユニット、屋内冷凍ユニット、RTU、VAV、制御器、又は他の適用可能装置若しくはシステムを代表し得る。
【0081】
仮想装置800はさらに、一定数のデータポイントを含み得る。データポイントは、バイナリ出力データポイント804、バイナリ入力データポイント806、アナログ出力データポイント808、アナログ入力データポイント810、多状態出力812、及び多状態入力814としてよい。上記データポイントタイプは例示にすぎず、付加的なデータポイントタイプが仮想装置に関連付けられることも意図される。バイナリ出力データポイント804は、フィルタ符号リセット816、ラン・ストップ信号818及び禁止RC動作信号820のようなバイナリ出力データポイントを含み得る。バイナリ入力データポイント806は、ラン/ストップ入力822、フィルタ符号824、通信状態826、警報信号828及び禁止動作入力830のようなデータポイントを含み得る。アナログ出力データポイント808は、屋内温度設定ポイント出力832を含み得る。アナログ入力データポイント810は、屋内吸気温度入力834及び屋内温度設定ポイント836を含み得る。多状態出力データポイント812は、動作モード出力838及びファン速度出力840を含み得る。多状態入力データポイント814は、動作モード状態入力842、警報コード844及びファン速度入力846のようなデータポイントを含み得る。理解すべきことだが、上述したデータポイントは例示にすぎず、複数のデータポイントも意図される。
【0082】
仮想装置800はさらに、仮想装置マネージャ848を含み得る。仮想装置マネージャ848は、仮想ネットワークマネージャ726とのインタフェイスをなすように構成される。仮想装置マネージャ848は、仮想ネットワークマネージャ726を介して関連付けられた非BMS装置に関するデータポイント値、装置タイプ情報、装置ステータス情報及び他の情報を受信することができる。いくつかの実施形態において、仮想装置マネージャ848は、データアクセスコンポーネント700を介して受信した値を、仮想ネットワークマネージャインタフェイスを介して仮想ネットワークマネージャ726に通信するように構成される。仮想ネットワークマネージャは、この場合、関連付けられた非BMS装置に新たな値を与えることができる。さらなる実施形態において、仮想装置マネージャ848は、仮想装置テーブル728に挙げられた装置に基づいて複数のネットワーク装置をエミュレートする。例えば、「Who−Is」要求は、一意的な仮想MACアドレスを備えた複数のネットワーク装置から「I Am」によって応答される。「Who−Is」及び「I am」指令は、BACnetプロトコルの標準指令である。さらに、仮想装置マネージャ848は、BACnet/IP装置として仮想装置テーブルに挙げられた装置をエミュレートすることができる。
【0083】
ここで
図9を参照すると、いくつかの実施形態に係るスマートゲートウェイ530を使用して非BMSネットワークとのインタフェイスをなすプロセス900が示される。プロセスブロック900において、外部ネットワークインタフェイス回路602が初期化される。プロセスブロック904において、外部ネットワークインタフェイス回路602は、非BMSネットワーク504上のすべての装置及び/又はサブシステムを発見するべく、非BMSネットワーク504と通信する。一つの例において、外部ネットワークインタフェイス回路602は、非BMS通信インタフェイス632を介して非BMSネットワーク504と通信する。プロセスブロック906において、発見された装置からのデータは、外部ネットワークインタフェイス回路602によってデータ構造にまとめられる。一つの実施形態において、データ構造は、上述したデータ構造629のような一以上のデータテーブルに格納することができる。一つの実施形態において、データテーブルは、装置データモジュール630に格納される。データテーブルは、発見された非BMS装置のそれぞれに対してデータ構造を格納するように構成することができる。データ構造は、発見された装置のそれぞれにとって一意的となり得る。いくつかの実施形態において、データ構造は部分的に、外部ネットワークインタフェイス回路のプロセシング回路624によって構築することができる。例えば、データ構造は部分的に、検出された装置タイプに基づいて構築することができる。装置タイプを受信することにより、データ構造は、装置から受信した通常のメッセージ内容を反映するようにプロセシング回路624によって構築することができる。いくつかの実施形態において、装置データは、非BMS装置が必要とする現行運転状態と任意の構成設定とを特定するメタデータを含み得る。データ構造は、容易な消費を与えるべく、BAS508及び/又はBMS装置506のような、BMSネットワーク502に関連付けられた装置によってフォーマットすることができる。例えば、データ構造は、BMSネットワーク502において使用される標準的な装置及びポイント名称を使用してフォーマットすることができる。付加的な例は、共通の又は標準的なグラフィックス又は他のテンプレートを含み得る。これにより、非BMSネットワーク504に関連付けられた装置及びサブシステムのインストール及び設定に要する時間を低減することができる。さらに、データ構造をBMSネットワーク502と互換性を有するようにフォーマットすることにより、非インテリジェント装置(弁、アクチュエータ等)が共通データモデルを介してBAS508と通信することができる。共通データモデルは、一以上の制御器又は他のBMS装置506が最小限の努力で非BMS装置又はサブシステムを認識又は識別することができるようにする知能を含み得る。
【0084】
プロセスブロック908において、発見された装置は、発見された装置に関連付けられた一以上のデータポイントのための値を取得するようにポーリングがされ得る。一つの実施形態において、外部ネットワークインタフェイス回路602がポーリングを行う。一つの実施形態において、ポーリングは、データ構造がプロセスブロック906において設定された直後に行われてよい。他の実施形態において、ポーリングは、装置データが最新であることを確保するべく、定期的な間隔で行うことができる。発見された装置にひとたびポーリングがされると、装置データ構造は、プロセスブロック910において更新される。プロセスブロック912において、外部ネットワークインタフェイス回路602は、データを、BMSインタフェイス回路に送られるように計画及び解析することができる。
【0085】
ここで
図10を参照すると、いくつかの実施形態に係る一以上の仮想装置を生成するプロセス1000が示される。プロセスブロック1002において、仮想ネットワークマネージャ726には、装置が非BMSネットワーク504上で検出されていることが通知される。一つの実施形態において、通知は、外部ネットワークインタフェイス回路602が行う。一つの例において、通知は、仮想ネットワークマネージャ726に送られるデータパケットの形態としてよい。いくつかの実施形態において、表示は、新たに発見された装置のアドレス及び/又は装置タイプを含み得る。通知がひとたび仮想ネットワークマネージャ726に与えられると、新たな装置に関連付けられたデータが、仮想ネットワークマネージャ726に与えられる。一つの実施形態において、データは、外部ネットワークインタフェイス回路によって与えられる。データは、装置に関連付けられた一意的なMACアドレスを包含し得る。さらに、受信したデータは、装置タイプに関する情報を含み得る。例えば、装置タイプに関する情報は、ユニットが屋内ユニットか又は屋外ユニットかを示すことができる。他の実施形態において、一意的なMACアドレスを、装置のタイプに関連付けることができる。例えば、MACアドレスのプレフィックス又はサフィックスを特定の装置タイプに関連付けることができる。
【0086】
プロセスブロック1006において、仮想ネットワークマネージャ726は、装置が現在のところ仮想装置テーブル728に挙げられているか否かを決定する。一つの実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726は、受信した一意的なMACアドレスが現在のところ仮想装置テーブル728に挙げられているか否かを決定する。しかしながら、他の実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726は、装置が仮想装置テーブル728に挙げられているか否かを決定するための他の基準を評価してよい。装置が現在のところ仮想装置テーブル728に挙げられていない場合、仮想ネットワークマネージャ726は、プロセスブロック1008において新たな仮想装置を生成する。一つの実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726は、装置タイプに関連付けられた装置のタイプに基づいて仮想装置を生成することができる。他の実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726は、装置の一意的なMACアドレスに基づいて仮想装置を生成することができる。いくつかの例において、仮想ネットワークマネージャ726は、異なるデータタイプが与えるデータポイントを有するデータベースへのアクセスを有し得る。仮想ネットワークマネージャ726は、この場合、データベースを利用して、適切なデータポイント及び/又は他のパラメータを有する仮想装置を生成することができる。いくつかの実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726は、仮想装置を「オフライン」装置として初期設定することができる。仮想装置は、付加的なデータが受信されるまでずっとオフライン装置のままとなり得る。
【0087】
プロセスブロック1010において、データ値の変化は、仮想ネットワークマネージャ726が受信することができる。いくつかの実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726は、仮想装置に関連付けられたデータ値を受信することにより、当該仮想装置を「オンライン」に構成するように促される。一つの実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726は、仮想ネットワーク装置に関するデータ値を受信するのを受動的に待つ。他の実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726は、外部ネットワークインタフェイス回路602からの仮想装置に関連付けられた更新されたデータ値を要求するように構成することができる。プロセスブロック1014において、仮想装置データオブジェクトは、受信したデータ値によって更新することができる。
【0088】
ここで
図11を参照すると、いくつかの実施形態に係る外部ネットワークインタフェイス回路602と仮想ネットワークマネージャ726とのインタフェイスプロセス1100が示される。プロセスブロック1102において、新たな装置が、
図10において上述されたように発見される。その後、外部ネットワークインタフェイス回路602は、データパケット1104を仮想ネットワークマネージャ726に送信する。一つの実施形態において、データパケット1104は、TYPEデータメッセージ及びADDRESSデータメッセージを含む。しかしながら、他のデータメッセージも意図される。TYPEデータメッセージは、装置タイプを言及することができる。例えば、TYPEデータメッセージは、検出された発見された装置が屋内ユニットなのか又は屋外ユニットなのかを表示する。他の例において、TYPEデータメッセージは、非BMSネットワーク504上に配置された空調ユニット、ファン、屋上ユニット又は任意の他の装置であるか否かのような、特定の装置タイプに関連し得る。ADDRESSデータメッセージは、発見された装置に関連付けられたアドレスとしてよい。一つの実施形態において、ADDRESSデータメッセージは、外部ネットワークインタフェイス回路602が供給する一意的なMACアドレスである。仮想ネットワークマネージャ726は、この場合、データパケット1104を受信し、プロセスブロック1106において仮想装置を作り出す。一つの実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726は、
図10に関して上述されたように仮想装置を作り出す。
【0089】
プロセスブロック1108において、一以上の非BMS装置に関連付けられた装置値の変化が、外部ネットワークインタフェイス回路602によって検出される。その後、外部ネットワークインタフェイス回路602は、データパケット1110を仮想ネットワークマネージャ726に送信する。一つの実施形態において、データパケット1110は、DEVICE DATAデータメッセージ及びADDRESSデータメッセージを含む。一つの実施形態において、DEVICE DATAデータメッセージは、外部ネットワークインタフェイス回路602によって値が決定されるデータをすべて包含する構造である。したがって、DEVICE DATAデータメッセージは、関連付けられた装置タイプに応じて変化し得る。ADDRESSデータメッセージは、発見された装置に関連付けられたアドレスとしてよい。一つの実施形態において、ADDRESSデータメッセージは、外部ネットワークインタフェイス回路602が供給する一意的なMACアドレスである。仮想ネットワークマネージャ726は、この場合、データパケット1110を受信し、プロセスブロック1112において仮想装置を更新することができる。いくつかの実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726はまた、仮想装置を修正することを示し、当該仮想装置が従前は「オフライン」として示されていた場合、更新されたデータを受信した後に、当該仮想装置が「オンライン」であることを示す。
【0090】
プロセスブロック1114において、装置ステータスの更新が、外部ネットワークインタフェイス回路602によって検出される。その後、外部ネットワークインタフェイス回路602は、データパケット1116を仮想ネットワークマネージャ726に送信する。一つの実施形態において、データパケット1116は、ADDRESSデータメッセージ、並びにOFFLINEデータメッセージ及びERRORデータメッセージを含む。ADDRESSデータメッセージは、ステータス更新を有する装置に関連付けられたアドレスとしてよい。一つの実施形態において、ADDRESSデータメッセージは、外部ネットワークインタフェイス回路602が供給する一意的なMACアドレスである。OFFLINEデータメッセージは、装置がオフラインになったことを示すバイナリ信号としてよい。他の実施形態において、OFFLINEデータメッセージは、装置がオフラインになったことを示す任意の他のタイプの信号でよい。ERRORデータメッセージは、装置上のエラーを示し得る。いくつかの実施形態において、ERRORデータメッセージは、非BMS装置の可能なエラー条件の列挙である。仮想ネットワークマネージャ726は、この場合、データパケット1110を受信し、プロセスブロック1118において仮想装置を更新することができる。いくつかの実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726はまた、仮想装置を修正することを表示して当該仮想装置が「オフライン」であることを示す。さらなる例において、仮想ネットワークマネージャは、エラーが生じたことを示すフラグを生成することができる。
【0091】
プロセスブロック1120において、仮想ネットワークマネージャ726は、仮想装置値の変化要求を開始する。当該値の変化要求は、一以上のBMS装置のパラメータへの所望の修正を示し得る。例えば、仮想ネットワークマネージャ726は、BMSネットワーク502を介して、例えばBAS508を介して、仮想装置の値を変えるようにとの要求を受信し得る。プロセスブロック1120において仮想装置値の変更要求がひとたび開始されると、仮想ネットワークマネージャ726はその後、データパケット1122を外部ネットワークインタフェイス回路602に送信する。一つの実施形態において、データパケット1122は、ADDRESSデータメッセージ及びDEVICE DATAデータメッセージを含む。ADDRESSデータメッセージは、仮想ネットワークマネージャ726が値の変更を要求する仮想装置に関連付けられたアドレスとしてよい。一つの実施形態において、ADDRESSデータメッセージは、外部ネットワークインタフェイス回路602が供給する一意的なMACアドレスである。一つの実施形態において、DEVICE DATAデータメッセージは、外部ネットワークインタフェイス回路602によって値が修正されるデータのすべてを含む構造である。外部ネットワークインタフェイス回路602は、この場合、データパケット1122を受信し、プロセスブロック1124において非BMS装置を更新することができる。
【0092】
ここで
図12を参照すると、いくつかの実施形態に係る仮想装置をBMSネットワークにさらすプロセス1200が示される。プロセスブロック1202において、ゲートウェイ実行可能モジュール610は、一以上の新たな仮想装置が付加されていることを検出する。一つの実施形態において、ゲートウェイ実行可能モジュール610は、アクティブノードテーブルを監視することにより、新たな仮想装置が付加されたことを決定することができる。一つの実施形態において、アクティブノードテーブルは、BMSインタフェイス回路600のメモリ608内に格納することができる。アクティブノードテーブルは、仮想ネットワークマネージャ726を介して新たな仮想装置が仮想ネットワークに付加されたときに変化し得る。いくつかの実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726は、新たな装置が付加されたときにアクティブノードテーブルを更新するように構成される。他の実施形態において、仮想ネットワークマネージャ726は、新たな仮想装置が仮想装置リスト728に付加されたときに信号ゲートウェイ実行可能モジュールを与えることができる。
【0093】
プロセスブロック1204において、残りのデータポイントの発見が計画される。一つの実施形態において、BMSアプリケーション層714は、残りのデータポイントの発見を計画する。残りのデータポイントは、仮想装置に関連付けられたフィールド装置から依然として受信する必要がある仮想装置710、712内の当該データポイントとしてよい。プロセスブロック1206において、ネットワーク層704は、新たな仮想装置710、712を読み取ることができる。ネットワーク層704は、仮想装置710、712が作られたこと又は仮想装置710、712に関連付けられた値が変更されたことを示す信号を受信することができる。最後に、プロセスブロック1208において仮想装置710、712は、ネットワーク層704を介してBMSネットワーク502にさらされる。仮想装置710、712をBMSネットワーク502にさらすことにより、BMSネットワーク502上の装置又はサービスは仮想装置710、712を、BMSネットワーク502に関連付けられたフィールド装置として見ることができる。いくつかの実施形態において、仮想装置710、712は、BMSネットワーク502にとって標準的なBMS装置として現れるように構成される。例えば、仮想装置710、712は、一以上のBACnetオブジェクトが関連付けられているBMS装置のように見える。
【0094】
ここで
図13を参照すると、いくつかの実施形態に係る建物オートメーションシステムの典型的なダッシュボード1300を例示するスクリーンショットが示される。例えば、ダッシュボードは、ジョンソンコントロールズ社からのMetasysのような建物オートメーションシステムに関連付けられたダッシュボードとしてよい。一つの実施形態において、ダッシュボード1300は、非BMSユニット及び空間セクション1302、並びに非BMSデータセクション1304を含み得る。非BMSユニット及び空間セクション1302は、一以上の非BMS装置及びそれが供用される関連空間を包含する。一つの実施形態において、建物オートメーションシステムは、この情報をスマートゲートウェイ520から所得することができる。スマートゲートウェイ520は、上述の方法を使用して、建物オートメーションシステムにとって非BMS装置が、BMSネットワーク上の任意の他のBMS装置と同様に見えるように、非BMS装置を建物オートメーションシステムに提示することができる。同様に、非BMSデータセクション1304は、一以上の挙げられた非BMS装置に関するデータを包含し得る。再びであるが、このデータは、スマートゲートウェイ520を介して建物オートメーションシステムに与えられる。その結果、建物オートメーションシステムにとって、非BMS装置データが、BMSネットワーク上でBMS装置により与えられるBMS装置データと同様に見える。したがって、スマートゲートウェイにより、ユーザには、非BMS装置とのシームレスな相互作用が与えられる。
【0096】
様々な典型的な実施形態に示されるシステム及び方法の構造及び配列は、例示にすぎない。本開示では、ほんのわずかの実施形態が説明されたが、多くの修正が可能である(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び比率のバリエーション、パラメータの値、搭載配列、材料の使用、色、配向等)。例えば、要素の位置は、逆にしたり、他の態様で変更してよく、別個の要素又は位置の性質又は数を改変又は変更してよい。したがって、そのような修正すべてが、本開示の範囲内に含まれることが意図される。いずれのプロセス又は方法ステップの順序又はシーケンスも、代替実施形態により変更又は再配列することができる。典型的な実施形態の設計、動作条件及び配列において、本開示の範囲から逸脱することなく、他の置換、修正、変更及び省略をなすことができる。本開示は、様々な動作を遂行するための方法、システム、及び任意の機械読み取り可能媒体上のプログラム製品を意図する。本開示の実施形態は、既存のコンピュータプロセッサを使用して、又は当該目的若しくは他の目的で組み込まれた若しくはハードワイヤードシステムによる適切なシステムのための専用のコンピュータプロセッサにより、実装可能である。本開示の範囲内にある実施形態は、機械実行可能命令又はデータ構造が担持又は記憶された機械読み取り可能媒体を含むプログラム製品を含む。かかる機械読み取り可能媒体は、汎用又は専用のコンピュータ又は他のプロセッサ付き機械によってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体である。例えば、かかる機械読み取り可能媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は、汎用若しくは専用のコンピュータ若しくはプロセッサ付き機械がアクセス可能な機械実行可能命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを担持若しくは記憶するべく使用可能な任意の他の媒体を含んでよい。上記の組み合わせも、機械読み取り可能媒体の範囲内に含まれる。機械実行可能命令は例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は専用処理機械に所定の一機能又は一群の機能を行わせる命令及びデータを含む。
【0097】
図面は方法ステップの特定の順序を示すが、当該ステップの順序は描かれたものと異なってよい。また、2以上のステップを、同時に又は部分的に同時に行ってもよい。かかるバリエーションは、選択されたソフトウェア及びハードウェアシステムに並びに設計者の選択に依存する。かかるバリエーションはすべて、本開示の範囲内にある。同様に、ソフトウェア実装は、様々な接続ステップ、処理ステップ、比較ステップ及び決定ステップを達成するべく、ルールベースの論理及び他の論理を伴う標準プログラミング法によって達成してよい。