特許第6496416号(P6496416)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6496416純粋な染料計器を正常化する方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496416
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】純粋な染料計器を正常化する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20190325BHJP
   C12M 1/00 20060101ALN20190325BHJP
【FI】
   G01N21/64 Z
   G01N21/64 F
   !C12M1/00 A
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-541321(P2017-541321)
(86)(22)【出願日】2016年2月5日
(65)【公表番号】特表2018-509607(P2018-509607A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】US2016016832
(87)【国際公開番号】WO2016127090
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2019年2月1日
(31)【優先権主張番号】62/112,964
(32)【優先日】2015年2月6日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502221282
【氏名又は名称】ライフ テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】マークス, ジェフリー
【審査官】 嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−505691(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0100569(US,A1)
【文献】 特表2013−537635(JP,A)
【文献】 特表2004−535198(JP,A)
【文献】 特表2008−536092(JP,A)
【文献】 特表2013−533523(JP,A)
【文献】 特表2011−505004(JP,A)
【文献】 特表2003−508064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00−21/958
G01N 27/00−27/92
G01N 30/00−30/96
G01N 33/00−33/98
G01N 35/00−35/10
G01N 37/00
G01J 1/00− 1/60
G01J 3/00− 3/52
C12M 1/00− 1/42
C12M 3/00− 3/10
C12Q 1/00− 1/70
C12Q 3/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
純粋な染料を用いて実験用計器を正常化するための方法であって、前記方法は、
少なくとも1つの基準計器と、テスト計器とを提供することであって、各計器、対で構成されている、少なくとも1つの励起フィルタと、少なくとも1つの発光フィルタとを含む、ことと、
複数の純粋な染料を提供することであって、各染料、蛍光成分を含み、複数のウェルを含む純粋な染料プレート内に含まれている、ことと、
複数のフィルタ組合せに渡る複数の純粋な染料に関して、前記基準計器および前記テスト計器から蛍光スペクトルを生成することと、
前記基準計器に関する純粋な染料のマトリクスMref、および前記テスト計器に関する純粋な染料のマトリクスを作成することと、
ィルタの対ごとに補正係数を計算し、前記補正係数を前記純粋な染料スペクトルで乗算することと、
前記補正され純粋な染料のスペクトルを正常化することと、
多成分データを生成することと
を含む方法。
【請求項2】
前記テスト計器および前記基準計器からの前記蛍光スペクトル、それぞれ1の最大値に正常化される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各純粋な染料のマトリクスは、複数のウェルに渡って平均を出される正常化されたスペクトルを含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
染料のマトリクスM、一連の調整係数で乗算され、染料のマトリクスMrefと比較される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
マトリクスMとマトリクスMrefの間の差が最小になるまで、前記調整係数は、繰り返し修正される、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記調整係数、0と1の間で繰り返し修正される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
フィルタの対ごとの前記補正係数、発光フィルタ係数と励起フィルタ係数の積である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記補正され純粋な染料のスペクトル、1の最大値に正常化される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記多成分のデータは、蛍光データと染料のマトリクスMの擬似逆の積である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
純粋な染料を用いて実験用計器を正常化するためのシステムであって、前記システムは、
純粋な染料基準マトリクスMrefと、
複数の計器であって、それぞれ
複数のフィルタの対と、
少なくとも1つの純粋な染料プレート
備える、複数の計器と、
前記複数の計器と通信するコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは
少なくとも1つのプロセッサと、
前記プロセッサによって実行可能である純粋な染料の正常化ための命令を含む少なくとも1つのコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、
フィルタの対ごとに補正係数を計算することと、
前記補正係数を純粋な染料スペクトルで乗算することと、
前記補正された純粋な染料のスペクトルを正常化することと
を含む処理を行う、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体と
を備える、コンピュータシステムと
を備える、システム。
【請求項11】
前記フィルタの対、それぞれ励起フィルタおよび発光フィルタを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記純粋な染料プレートは、複数のサンプルウェルを含むサンプルプレート内に含まれる少なくとも1つの蛍光性の純粋な染料を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサによって実行可能である純粋な染料の正常化のための前記命令は、テストスペクトルのマトリクスMを生成するよう設計され命令を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
マトリクスMrefとマトリクスM、正常化され、かつ平均を出されるスペクトルを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサによって実行可能である純粋な染料の正常化のための前記命令は、マトリクスMとマトリクスMrefの間の差が最小になるまでマトリクスMを繰り返し調整するよう設計され命令をさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサによって実行可能である純粋な染料の正常化のための前記命令は、フィルタの対ごとの補正係数に基づいてマトリクスMを修正するよう設計され命令をさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
推定30,000人のヒトの遺伝子の解析を行うゲノム解析は、現在、基礎生化学および応用生化学ならびに薬剤研究の分野で大きな注目の的となっている。このような解析により、多種多様な疾患に対する診断技術、薬剤、および治療法の開発が促進されている。しかし、通常ヒトゲノムは複雑で遺伝子の機能は互に絡み合うため、この作業が難しいものとなっている。直面する問題の一つは、複数の計器で行われる実験の結果を研究者が容易に比較できないことである。例えば、光源、光学要素、および蛍光検出器などの構成部品のパラメータの物理的な変動により、同一の生体サンプルで行われる解析の結果がばらついてしまう恐れがある。したがって、構成部品のばらつき最小限に抑え易い方法および装置が永続的に必要である。本教示では、そのような方法の一つを説明する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本教示は、複数の計器全部のスペクトルを正常化する方法およびシステムに関する。本発明の実施形態では、この方法は少なくとも1つの基準計器とテスト計器に関連する。各計器は、対で構成される、少なくとも1つの励起フィルタと少なくとも1つの発光フィルタを含む。各計器は、複数のウェルを含む純粋な染料のプレートをさらに含む。各ウェルは複数の染料を含み、各染料には蛍光成分が含まれる。染料ごとに各計器から複数のフィルタの組合せ全体から蛍光スペクトルが得られ、これらの蛍光スペクトルが基準計器のための純粋な染料のマトリクスMrefおよびテスト計器のための純粋な染料のマトリクスMの一角を担う。次いで、純粋な染料のスペクトルを、フィルタの対ごとの補正係数で乗算して、補正された純粋な染料のスペクトルを算出することができ、次いで、この値を正常化し、多成分データを抽出することができる。
【0003】
他の実施形態では、基準計器とテスト計器から得られる蛍光スペクトルを、最初、正常化し、次いで、複数のウェル全体の平均を出し、純粋な染料のマトリクスを形成する。
【0004】
他の実施形態では、染料のマトリクスMを繰り返し修正してマトリクスMとマトリクスMrefの差を最小にした一連の調整係数で乗算する。
【0005】
他の実施形態では、この調整係数は0と1の間で修正される。
【0006】
他の実施形態では、補正係数は、発光フィルタ係数と励起フィルタ係数の積である。
【0007】
他の実施形態では、修正された純粋な染料のスペクトルは、1つの値に正常化される。
【0008】
他の実施形態では、蛍光データと擬似逆染料のマトリクスMの積から多成分データが算出される。
【0009】
種々の実施形態に従うと、純粋な染料で実験用計器を正常化するシステムが提示される。このシステムは、純粋な染料の基準マトリクスMrefを含み得る。このシステムは、テスト計器をさらに含み得る。このテスト計器は、複数のフィルタの対、および少なくとも1つの純粋な染料のプレートを含み得る。このシステムは、テスト計器と通信するコンピュータシステムをさらに含み得、このコンピュータシステムが、少なくとも1つのプロセッサ、および純粋な染料を正常化するための、プロセッサにより実行される命令を含む少なくとも1つのコンピュータ可読媒体を含む。
【0010】
他の実施形態では、フィルタの対には、励起フィルタと発光フィルタが含まれる。
【0011】
他の実施形態では、複数のサンプルのウェルを含むサンプルプレートに含まれる純粋な染料のプレートには、少なくとも1つの蛍光性の純粋な染料が含まれる。
【0012】
他の実施形態では、プロセッサが、テスト用のスペクトルのマトリクスMを生成するよう設計された命令を実行する。
【0013】
他の実施形態では、マトリクスMrefおよびマトリクスMには、正常化され平均を出さされたスペクトルが含まれる。
【0014】
他の実施形態では、マトリクスMとマトリクスMrefの差が最小になるまでマトリクスMを繰り返し調整するよう設計された命令をこのプロセッサがさらに実行する。
【0015】
他の実施形態では、フィルタの対ごとの補正係数に基づいてマトリクスMを修正するよう設計された命令をこのプロセッサがさらに実行する。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
純粋な染料を用いて実験用計器を正常化する方法であって、
少なくとも1つの基準計器と、テスト計器とを提供するステップであって、各計器が、対で構成される、少なくとも1つの励起フィルタと、少なくとも1つの発光フィルタとを含む、ステップと、
複数の純粋な染料を提供するステップであって、各染料が、蛍光成分を含み、複数のウェルを含む純粋な染料のプレート内に含まれる、ステップと、
複数のフィルタ組合せに渡る複数の純粋な染料に関して、前記基準計器および前記テスト計器から蛍光スペクトルを生成するステップと、
前記基準計器に関する純粋な染料のマトリクスMref、および前記テスト計器に関する純粋な染料のマトリクスMを作成するステップと、
前記調整係数のフィルタの対ごとに補正係数を計算し、前記補正係数を前記純粋な染料スペクトルで乗算するステップと、
前記補正される純粋な染料のスペクトルを正常化するステップと、
多成分データを生成するステップと、を含む方法。
(項目2)
前記テスト計器および前記基準計器からの前記蛍光スペクトルが、それぞれ1の最大値に正常化される、項目1に記載の方法。
(項目3)
各純粋な染料のマトリクスには、複数のウェルに渡って平均を出される正常化されたスペクトルが含まれる、項目1および2に記載の方法。
(項目4)
染料のマトリクスMが、一連の調整係数で乗算され、染料のマトリクスMrefと比較される、項目1に記載の方法。
(項目5)
マトリクスMとマトリクスMrefの間の差が最小になるまで、前記調整係数が繰り返し修正される、項目1および4に記載の方法。
(項目6)
前記調整係数が、0と1の間で繰り返し修正される、項目1および4に記載の方法。
(項目7)
フィルタの対ごとの前記補正係数が、発光フィルタ係数と励起フィルタ係数の積である、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記補正される純粋な染料のスペクトルが、1の最大値に正常化される、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記多成分のデータが、前記蛍光データと染料のマトリクスMの擬似逆の積である、項目1に記載の方法。
(項目10)
純粋な染料を用いて実験用計器を正常化するシステムであって、
純粋な染料基準マトリクスMrefと、
テスト計器であって、それぞれが、
複数のフィルタの対と、
少なくとも1つの純粋な染料プレートと、を含むテスト計器と、
少なくとも1つのプロセッサを含む前記テスト計器と通信するコンピュータシステムと、
前記プロセッサにより実行される純粋な染料の正常化を行うための命令を含む少なくとも1つのコンピュータ可読媒体と、を含むシステム。
(項目11)
前記フィルタの対が、それぞれ励起フィルタおよび発光フィルタを含む、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記純粋な染料プレートには、複数のサンプルウェルを含むサンプルプレート内に含まれる少なくとも1つの蛍光性の純粋な染料が含まれる、項目10に記載のシステム。
(項目13)
前記プロセッサが、テストスペクトルのマトリクスMを生成するよう設計される命令を実行する、項目10に記載のシステム。
(項目14)
マトリクスMrefとマトリクスMには、正常化され、平均を出されるスペクトルが含まれる、項目10および13に記載のシステム。
(項目15)
マトリクスMとマトリクスMrefの間の差が最小になるまで、前記プロセッサがマトリクスMを繰り返し調整するよう設計される命令をさらに実行する、項目10および13に記載のシステム。
(項目16)
前記プロセッサが、フィルタの対ごとの補正係数に基づいて、マトリクスMを修正するよう設計される命令をさらに実行する、項目15に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書に記載される図面は説明のみを目的としていることは、当業者なら理解されよう。これらの図面は、本教示の範囲を多少なりとも制限することを意図していない。
図1】本教示の実施形態を実施可能なコンピュータシステムを示す図である。
図2】本教示の実施形態を実施可能な実験用計器を示す図である。
図3】本教示の実施形態に従った、実際の正常化係数と推定される正常化係数を示すグラフである。
図4A】本教示の種々の実施形態で使用される染料の混合物を示す表である。
図4B】本教示の種々の実施形態に関する純粋な染料とメインチャネルのフィルタとの組合せを示す表である。
図5】本教示の種々の実施形態に従った、正常化を行う前の染料混合物のパーセント偏差を示すグラフである。
図6】本教示の種々の実施形態に従った、正常化を行った後の染料混合物のパーセント偏差を示すグラフである。
図7】本教示の種々の実施形態に従った、正常化を行った後の染料混合物のパーセント偏差の近づいて見たグラフである。
図8】本教示の種々の実施形態に従った、正常化処理を示すフローチャートである。
図9】本教示の種々の実施形態に従った、正常化前後のテスト計器と基準計器の間の相互関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の種々の実施形態の説明は、本来、例示のみを目的とし、本教示、用途、または使用を制限することを全く意図しない。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などのポリヌクレチド増幅に関連して本教示を議論しているが、そのような議論により、本教示をそれらの用途のみに限定されると見なされることがないものとする。
【0018】
図1は、本教示の実施形態を実施能なコンピュータシステム100を示すブロック図である。このコンピュータシステム100は、情報を通信するためのバス102またはその他の通信装置、およびこのバス102に連結した、情報を処理ためのプロセッサ104を含む。このコンピュータシステム100は、バス102に連結するメモリ106(ランダム・アクセス・メモリ(RAM)またはその他の動的記憶装置でよい)、およびプロセッサ104により実行される命令も含む。また、プロセッサ104により実行される方法および本教示に対応する命令を実行中の一時的な変数、またはその他の中間情報を格納するためにメモリ106を用いてもよい。コンピュータシステム100は、静的な情報およびプロセッサ104のための命令を格納する、バス102に連結するリード・オンリ・メモリ(ROM)108またはその他の静的記憶装置をさらに含む。情報および命令を格納するために、固体ディスク、磁気ディスク、または光ディスクなどの記憶装置110も提供され、バス102に連結するが、これらには限定されない。
【0019】
コンピュータシステム100は、例えば、情報をコンピュータのユーザに表示するブラウン管(CRT)や液晶ディスプレイ(LCD)などディスプレイ112にバス102を介して連結することができるが、これらには限定されない。情報およびコマンド選択をプロセッサ104に通信するために、英数字キーやその他のキーを含む入力装置114がバス102に連結する。その他の種類のユーザ入力装置として、例えば、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ104に通信し、ディスプレイ112上でカーソルの動きを制御するマウス、トラックボール、またはカーソル方向キーなどのカーソル制御装置116が挙げられるが、これらには限定されない。この入力装置は、通常、2つの軸(第1の軸(例えば、x)と第2の軸(例えば、y))に2つの自由度を有し、これにより入力装置が平面内の位置を規定することができる。
【0020】
メモリ106に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するプロセッサ104に応じて、実験用計器の設定と較正も、本教示の特定の実施形態と併せて、コンピュータシステム100により実行可能である。そのような命令も、例えば、記憶装置110などの別のコンピュータ可読媒体からメモリ106に読み込むことができる。メモリ106に含まれる命令のシーケンスを実行することにより、プロセッサ104は、本明細書に記載される処理を実行する。あるいは、本教示を実施するソフトウェア命令の代わりに(あるいは、それと組合せて)配線に組み込まれた回路を用いることも可能である。したがって、本教示の実装形態は、ハードウェア回路とソフトウェアの任意の特定の組合せには限定されない。
【0021】
本明細書で使用される用語「コンピュータ可読媒体」とは、実行するためのプロセッサ104への命令の供給に関与する全ての媒体のことを指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体などの様々な形態をとり得るが、これらには限定されない。不揮発性媒体の例として、例えば、記憶装置110などの光ディスクまたは磁気ディスクなどが挙げられるが、これらには限定されない。揮発性媒体の例として、メモリ106などの動的メモリが挙げられるが、これらには限定されない。伝送媒体の例として、バス102を含む配線などの同軸ケーブル、銅線、および光ファイバーなどが挙げられるが、これらには限定されない。伝送媒体は、電波データと赤外線データの通信中に生成される、音響波や光波の形態もとることができる。
【0022】
コンピュータ可読媒体の一般的な形態として、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、またはその他の全ての磁気媒体、CDROM、その他の全ての光媒体、パンチカード、紙テープ、その他の全ての穴のパターンを有する物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、USBドライブ、ジャンプドライブまたはその他の全てのメモリチップまたはカートリッジ、搬送波、または、コンピュータが読み取り可能なその他の全ての媒体を挙げることができるが、これらには限定されない。
【0023】
1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するプロセッサ104に搬送するには、様々な形態のコンピュータ可読媒体が関与し得る。例えば、最初、命令は遠隔コンピュータの磁気ディスクに格納されている。遠隔コンピュータが命令をそのコンピュータの動的メモリ内にロードし、例えば、モデムを用いる電話回線や無線ネットワーク上でその命令を送信する。コンピュータシステム100内のモデムが、電話回線上のデータを受け取り、赤外線送信機を用いてデータを赤外線信号に変換することができる。バス102に連結する赤外線検出器が、赤外線信号内のデータを取り出し、そのデータをバス102に載せることができる。バス102により、データはメモリ106まで搬送され、このメモリでプロセッサ104が命令を検索し実行する。メモリ106に受け取られた命令は、プロセッサ104に実行される前に、あるいは、実行された後に、随意的に記憶装置110に格納される。
【0024】
リアルタイムポリマレーゼ連鎖反応(RT−PCR)の計器を参照して本教示を説明する。具体的には、本教示の実施形態は、ウェルプレートの光学画像形成を用いるRT−PCR計器に対して実施される。これらの計器は、解析目的で複数のサンプルまたはスポットからの信号を同時に、あるいは、続けて測定することができ、較正を頻繁に行わなければならず、この較正には、ROI(対象の領域)を特定する工程と、バックグランド信号を決定する工程と、多成分の解析のために均一で純粋な染料のスペクトルを較正する工程と、が含まれるがこれらには限定されない。結果が予想される、既知のサンプルプレートを用いたRT−PCR確認反応も較正に関与し得る。RT−PCRの計器に関する例を用いて本教示を説明するが、結果の精度および/または最適性を保証するために較正および確認を必要とし得るその他の形態の実験用計器の使用にも本教示の趣旨を広く適用可能であることは当業者には理解されよう。
【0025】
本教示は、RT−PCRの計器システに適用可能である。このRT−PCR計器は当業者には周知である。例えば、Biosystems Sequence Detection System 7500/7900/VUA7およびQuant Studio system、Roche Applied Science LightCycler(商標)2.0 PCR増幅および検出システム、Bio−Rad MyiQ Single−ColorリアルタイムPCR検出システム、またはStratagene Mx3000P(商標)リアルタイムPCRシステムなどの計器に本教示は適用可能あるが、これらには限定されない。これらの計器は、一般に画像形成システムのうちのいくつかの形態を用いる。CCD(電荷結合検知器)画像形成システムに関連して本教示を議論するが、本教示は全ての形態の画像形成システムに容易に適用可能である。
【0026】
CCD画像形成システムを有するシステムでは、CCDカメラにより、PCRが動作中に選択された様々な染料の蛍発光波長で、サンプルプレート(一般には、96ウェルプレートであるが、別のナンバーのウェルのプレートも使用可能であり、個々のチューブを含むサンプルブロックも使用可能である)の画像が撮られる。そのような計器では、これらのウェルは、一般に、各染料に適した波長の励起光により照らされる。RT−PCRシステムを用いて、ウェル発光強度を用いたPCR増幅を正確に監視するためには、 各染料の発光に対してこのシステムを較正しなければならない。
【0027】
図2は、本発明の実装形態に従った、蛍光性の信号の検出に使用されるシステムの概略図である。検出システム200は、RT−PCRデータを収集し、本発明の様態と併せて処理するために使用されるスペクトル検出システムの一例である。図示されている通り、検出システム200は、励起光源202、ターレット204で示されている少なくとも1つのフィルタ・ターレット、検出器208、マイクロウェルトレイ210、およびウェル光学系212.を含む。ターレット204は、特定の染料に関して対になる複数の励起フィルタもしくは複数の発光フィルタまたは複数の励起光フィルタおよび発光フィルタを含み得る。図示されている通り、ターレット204はフィルタ立方体206を含む。第1のフィルタ立方体206Aは、励起フィルタ214A、ビームスプリッタ216A、および一連の検出されるスペクトル的に区別可能な種類から選択される1つのスペクトル種類に対応する発光フィルタ218Aを含み得る。第2のフィルタ立方体206Bは、励起フィルタ214B、ビームスプリッタ216B、および一連の検出されるスペクトル的に区別可能な種類から選択される異なるスペクトル種類に対応する発光フィルタ218Bを含み得る。
【0028】
励起光源202は、例えば、レーザ、広いスペクトル光源、LEDまたはシステム200に検出されるスペクトル種類と相互作用するスペクトル光を発光可能なその他のタイプの励起光源でよいが、これらには限定されない。この図示されている例では、光源202は、広いスペクトルの光を発光し、この光が励起フィルタ214Aまたは励起フィルタ214Bのどちらかによりフィルタリングされ、ビームスプリッタ216Aまたはビームスプリッタ216Bを通過し、マイクロウェルトレイ210に到達し、この光は1つ以上のスペクトル種類を含む。
【0029】
光源202から発光される光は、励起フィルタ214A、励起フィルタ214B、または1つ以上のスペクトル種類に密接に対応するその他のフィルタによりフィルタリングされ得る。例えば、 FAM、SYBR Green、VIC、JOE、TAMRA、NED CY−3、Texas Red、CY−5、Mustang Purple、ROX (passive reference)、または検知可能な信号の光を発光するその他の全ての蛍光色素などののうちの1つ以上の複数のスペクトル的に区別可能な染料を用いて本教示を使用することができるが、これらには限定されない。選択された励起フィルタに関する対象のスペクトル種類により、最大の信号応答が供給され、フィルタの帯域通過領域で弱い信号強度を有するその他のスペクトル種類により弱い信号応答しか供給されない。複数の蛍光色素は、このように重なり合った励起スペクトルと発光スペクトルを有するため、純粋な染料のマトリクスを適用して、少ない量の「混信」(複数のフィルタセットで検出される1つの染料からの信号)に対して補正を行えると都合がよい。通常、この処理を多成分解析(multicomponenting)と呼ぶ。
【0030】
RT−PCRでは、大抵の場合、増幅曲線が同じ溶液でレポーター染料の信号をpassive reference染料に正常化することにより決定される。レポーター染料の例として、FAM、SYBR Green、VIC、JOE、TAMRA、NED CY−3、Texas Red、CY−5などを挙げることができるが、これらには限定されない。passive referenceの例としてROXを挙げることができるが、これらには限定されない。この正常化は、「Rn」とレベル付けされる正常化蛍光値としてレポートされ得る。passive referenceを正常化することにより、全体の信号レベルが液体容積や全体の照度により影響を受けたとしても均一なRn値が可能になる。しかし、計器間の照明のスペクトルの違いなど、レポーター染料と基準染料との間の信号の割合が変化すると、passive referenceの正常化は適切に機能することができない。これらの違いに対する調整を行うために、正常化溶液を作成してレポーターとpassive referenceの割合を正常化することができる。そのような正常化の例としての溶液は、FAMとROXの50:50の混合物でよく、これが「FAM/ROX」正常化溶液と呼ばれ得る。
【0031】
この現在の計器の正常化の方法では、染料混合物から蛍光を読み取り、「正常化係数」を算出してRn値調整するため、付加的なコストがかかってしまう。一般に、正常化溶液および正常化プレートの作成と、付加的な較正を行うための付加的な時間が必要となる。さらに、この方法は、標準の一対のフィルタセットを用いて構成した染料混合物にのみ有効である。一対のフィルタセットとは、励起フィルタと発光フィルタの組合せでよい。付加的な染料を用いるということは、異なる正常化溶液および較正処理が必要となり得ることは当業者なら理解されよう。
【0032】
正常化溶液を作成するための製造工程は、染料の反応のばらつきにも寄与する。絶対的な蛍光標準がないため、染料の濃度の制御が難しいことは分かっている。これらの誤差やばらつきを最小限に抑えるために、製造工程から溶液の染料割合を所望の混合の+/−15%以内、または所望の混合の+/−10%以内を目標にすると都合がよい。製造工程は、通常、染料の50:50混合物を混合し、それらの規定を満たすよう十分にうまく制御できないため、蛍光計を用いて染料混合物を調整するための付加的なステップが処理中に必要である。
【0033】
上記に開示された許容可能なパーセントのばらつきは、染料混合物のばらつきとCtのばらつきの間の関係を研究して決定された。Ctとは「閾値サイクル(threshold cycle)」の一般的な略語である。RT−PCR(定量PCRすなわちqPCRとしても知られている)により、標的配列またはサンプル内で提示される遺伝子の量を決定する方法を提供することができる。PCRの実行中、生体サンプルは、例えば、35から40の一連の温度サイクルに晒され得る。サイクルには複数の温度が存在する。温度サイクルごとに、標的配列の量は理論上2倍になり、複数の係数に依存するが、この係数は本明細書では提示されない。標的配列には蛍光性の染料が含まれるため、標的配列の量は増加する、すなわち、35から40のサイクルに渡って増幅し、サンプル溶液の蛍光は各温度サイクルが終了するごとにどんどん明るくなる。蛍光検出器が測定するのに必要な蛍光の量は、一般的に「閾値」と呼ばれ、蛍光が検出されるサイクルの数字は「閾値サイクル」またはCtと呼ばれる。したがって、増幅がいかに効率的かということとCtを知ることにより、原本サンプルにおける標的配列の量を決定することができる。
【0034】
上記の許容可能なパーセントのばらつきは、計器内のCtシフトの標準偏差にも関連し得る。染料混合物の+/−15%のばらつきにより、2つの標準偏差となり得る0.2Ctの標準偏差が生じ得ることが判定されている。
【0035】
上記に提示した通り、複数の計器からの実験結果を確実に比較する能力が所望され、計器と計器の間のばらつきが、一般的に問題となっている。このばらつきは2つの原因に基づき得る。例えば、ランプやフィルタなどの計器内の構成要素のばらつき、および、例えば、ランプやフィルタの経年劣化などのばらつきが挙げられるが、これらには限定されない。複数の計器からの実験結果を確実、簡単、かつ安価に比較する処理を実施できれば都合がよい。本明細書に記載される本教示では、そのような処理が開示されている。
【0036】
光学システム内のサンプルの蛍光信号の量は、いくつかの係数に依存し得る。これらの係数のうちのいくつかには、蛍光波長、その蛍光波長での検出器の効率、発光フィルタの効率、励起フィルタの効率、および染料の効率が含まれ得るが、これらには限定されない。これらの計器の物理的光学要素を正常化することができれば、計器と計器のばらつきを最小限に抑えることができることを本教示は提案している。
【0037】
ある実施形態では、染料混合物のスペクトルからでなく純粋な染料のスペクトルから正常化係数を得易い。濃度が正確である必要がなく、1種類の蛍光成分しか存在しないため、純粋な染料の方が染料混合物よりも簡単に作成することができる。10種類の純粋な染料を用いて、計器内の2つのフィルタセットを正常化し、その結果を染料混合物に用いることにより得られる正常化と比較することにより、この考えをテストした。励起フィルタと発光フィルタごとに補正係数を決定することにより、正常化を実施した。異なる計器からでも、この結果で得られた補正係数を用いて、全ての染料の組合せを正常化することができる。図3には、そのような比較の結果が示されている。純粋な染料に関して推定される正常化係数は赤で表され、混合染料のプレートから測定された正常化係数は青で表される。これらの2つのデータセット間の差は、先に提案された+/−15%以内のばらつきであることが所望されることは当業者には理解されよう。
【0038】
他の実施形態では、上記に教示された正常化を複数の計器の様々な種類に適用した。8種類の染料混合物溶液と10種類の純粋な染料溶液を作成した。3枚の96ウェルプレートの8枚のウェル上に各溶液をピペットで落とした。その他の全てのウェルにもピペットで溶液を落とすことにより、潜在的な空間的混信を最小限に抑えた。図4Aには、使用された染料混合物が示され、図4Bには、使用された純粋な染料が示されている。さらに、使用された計器には、6セットのフィルタが含まれる。図4Bでは、純粋な染料ごとのメイン光学チャネルに関するフィルタの対もさらに明らかにされている。励起フィルタは「X」で示され、発光フィルタは「M」で示されている。
【0039】
正常化処理の効率を何とか定量化しようと、正常化の前後で染料割合を測定した。図5には、17種類のテストされた計器の平均の割合から得た染料混合物のパーセント偏差が示されている。計器はX軸上で表示され、パーセント偏差はY軸上で表示されている。計器全般の偏差が先に議論された所望の+/−15%より、一般に大きくなることを当業者なら気が付くであろう。したがって、現在の教示などの、向上した正常化処理が必要であることがこのデータにより明らかとなる。
【0040】
17種類の全ての計器に現在の教示を適用した。この正常化する方法では、染料の割合ごとではなく個々のフィルタごとに補正係数を決定する。6種類の励起フィルタと6種類の発光フィルタが計器により提供されるため、12種類の係数が決定される。この処理が、図8およびフローチャート800に示されている。ステップ805では、複数のフィルタの組合せに渡る複数の染料に関して較正スペクトルを生成する。正常化される計器に関して、10種類の純粋な染料と21種類のフィルタの組合せが存在する。ステップ810では、スペクトルを正常化したため、最大信号は1となった。ステップ815では、複数のウェルに渡って染料スペクトルの平均を出す。このように平均を出すことにより、染料ごとに1つのスペクトルを作成することができる。これらの染料スペクトルをひとまとめにして、染料とフィルタの組合せを含む染料マトリクス「M」と呼び得る。この時点で、基準計器が特定される。基準計器とは、テスト計器がその基準計器に正常化される計器または計器のグループである。テスト計器内で使用される同じセットの染料スペクトルを基準計器(複数可)から得ることができる。いくつかの実施形態では、この基準は計器のグループでよい。そのような実施形態では、染料ごとのスペクトルのグループに渡る平均が出される。このステップがフローチャート800のステップ820で示されている。例として、基準スペクトルをマトリクス「Mref」と呼び得る。
【0041】
ステップ825では、最初に12個のフィルタのそれぞれの調整係数を1に設定する。マトリクス「M」とマトリクス「Mref」の間の差が最小になるまで、ステップ830に示されるように調整係数を0と1の間、好ましくは、0.04と1の間で繰り返し修正しながら、マトリクス「M」を調整係数で乗算することが望ましい。ステップ835では、フィルタの対ごとに補正係数を計算する。フィルタの対ごとの補正係数は、発光フィルタ係数と励起フィルタ係数を乗算した積である。図4Bには、メインチャネルのフィルタの対が示されている。フィルタの対ごとの補正係数を決定した後、各フィルタの対の係数にテスト計器に関する蛍光データおよび純粋な染料のスペクトルに関する蛍光データを乗算する。ステップ845に示される通り、補正された純粋な染料のスペクトルを1の最大値に再度正常化することができる。この処理の最終ステップであるステップ850で、多成分データを生成する。蛍光データと染料マトリクスの擬似逆の積への多成分解析の手順は当業者なら理解されよう。データはフィルタレベルで正常化されているため、多成分の値は既に正常化されており、染料に特定な補正を行う必要はない。
【0042】
正常化が完了した後、平均の割合からの染料混合物のパーセント偏差を17種類の全ての計器に渡って計算する。図6には、これらの結果が示されている。これらの結果は、図5に示される正常化前のデータと比較すると、著しく向上されている。図6 からの正常化データを近づいて見た図が図7に示されており、この図では正常化後の偏差が+/−8%に抑えられ、先に示された+/−15%の目標を十分に下回っている。
【0043】
図9は、オリジナルのマトリクス「M」と、基準マトリクス「Mref」を用いて正常化された後の補正されたマトリクス「M」との比較を示すグラフである。等価の線により、両方のマトリクスに関するデータが基本的に同じであり、正常化処理が効果的であることが示されている。
【0044】
本明細書、および添付の請求項の目的のため、別段の指示がない限り、要素の数量、材料のパーセンテージすなわち比率、反応状態、および本明細書および請求項で用いられるその他の数値を表す全ての数字は、いかなる場合でも、用語「約」により緩和されていると理解されたい。したがって、それとは反対の指示がない限り、本明細書および添付の請求項に記載される数字のパラメータは、本発明により得られようとする所望の特性により変化し得る概算である。少なくとも、および請求項の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするものでなく、各数字パラメータは、報告された著しい桁の数字を考慮し、普通の丸め技法を適用することにより少なくとも解釈されるものとする。
【0045】
本発明の広い範囲を記述する数値範囲および数値パラメータは概算であるが、特定の例を記述する数値は可能な限り正確に報告されている。しかし、全ての数値は、本来、個々のテスト測定で見られる標準偏差に必ずしも基づかない特定の誤差を含み得る。さらに、本明細書で開示される全ての範囲は、その中の任意の、かつ全ての部分範囲を包含すると理解されたい。例えば、「1から10まで」範囲には、1の最小値から10の最大値まで(1と10を含む)の任意のかつ全ての部分範囲が含まれる。つまり、任意のかつ全ての部分範囲には1以上の最小値と10以下の最大値が含まれる(例えば、5.5から10までなど)。
【0046】
本明細書および付随の請求項で使用される単数形「ある(a)」、「ある(an)」、および「その(the)」には、文脈により明らかに示されている場合を除き、複数への言及も含まれる。
【0047】
本明細書に記載される種々の実施形態に対する種々の修正、変更、および最適化を、本教示の趣旨または範囲から逸脱することなく実施可能であることは当業者には明らかである。したがって、本明細書に記載される種々の実施形態が、添付の請求項およびそれらの等価物の範囲内のその他の修正、変更、および最適化にも及ぶことが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9