特許第6496490号(P6496490)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6496490アルミニウム合金軟質箔およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496490
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】アルミニウム合金軟質箔およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C22C 21/00 20060101AFI20190325BHJP
   C22F 1/04 20060101ALI20190325BHJP
   C22F 1/00 20060101ALN20190325BHJP
【FI】
   C22C21/00 M
   C22F1/04 F
   !C22F1/00 604
   !C22F1/00 622
   !C22F1/00 630A
   !C22F1/00 630K
   !C22F1/00 661C
   !C22F1/00 673
   !C22F1/00 675
   !C22F1/00 683
   !C22F1/00 685Z
   !C22F1/00 686Z
   !C22F1/00 691A
   !C22F1/00 691B
   !C22F1/00 691C
   !C22F1/00 692A
   !C22F1/00 694A
   !C22F1/00 694B
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-84844(P2014-84844)
(22)【出願日】2014年4月16日
(65)【公開番号】特開2015-203154(P2015-203154A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2017年3月28日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000176707
【氏名又は名称】三菱アルミニウム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091926
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 幸喜
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴史
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 昌也
【審査官】 河野 一夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−047372(JP,A)
【文献】 特開平01−279725(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/021170(WO,A1)
【文献】 特開2005−163077(JP,A)
【文献】 特開2014−047367(JP,A)
【文献】 米国特許第04483719(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22C 21/00 − 21/18
C22F 1/00 − 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量%で、Fe:1.4%以上2.0%以下、Si:0.15%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、平均結晶粒径が5μm以下であり、且つ最大結晶粒径/平均結晶粒径比が3.5以下である軟質箔であって、圧延方向に対して0、45、90°の各方向の伸びが20%以上であることを特徴とするアルミニウム合金軟質箔。
【請求項2】
板厚が15〜100μmである請求項1記載のアルミニウム合金軟質箔。
【請求項3】
質量%で、Fe:1.4%以上2.0%以下、Si:0.15%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、平均結晶粒径が5μm以下であり、且つ最大結晶粒径/平均結晶粒径比が3.5以下である軟質箔であって、圧延方向に対して0、45、90°の各方向の伸びが20%以上であるアルミニウム合金軟質箔の製造方法であって、
前記組成を有するアルミニウム合金を溶製した後、温度430〜530℃の範囲で3〜7時間加熱する均質化処理を行い、前記アルミニウム合金を冷間圧延し、かつ冷間圧延の途中で連続焼鈍によって、昇温速度:10〜250℃/秒、加熱温度:400℃〜550℃、保持時間なしまたは保持時間:5秒以下、冷却速度:20〜200℃/秒で中間焼鈍を行うことを特徴とするアルミニウム合金軟質箔の製造方法。
【請求項4】
アルミニウム合金軟質箔の板厚が15〜100μmである請求項3記載のアルミニウム合金軟質箔の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、薬品や食品、電池の包材などとして用いられるアルミニウム合金軟質箔およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品やリチウムイオン二次電池等の電池用の包材に用いられるアルミニウム合金箔は、プレス成型等により大きな変形が加えられる。そのため、従来から伸びが大きい材料が求められており、かつ近年では電池包材分野を初めとして箔の薄肉化が進んでいる。
伸びについては、アルミニウム合金箔を一方向に変形させるわけではなく、いわゆる張出成形が行われることが多いため、一般的に材料の伸び値として用いられる圧延方向に対して平行な方向だけでなく、45°や90°といった各方向の伸びも高いことが求められている。
【0003】
包材用のアルミニウム合金軟質箔には、上述のように、従来、高伸び化と薄肉化とが求められている。
従来、高伸び化のために、冷間圧延の途中で中間焼鈍を行うものが提案されており(特許文献1、2、3参照)、製造効率の観点から冷間圧延途中の中間焼鈍を省略したものも知られている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2012/036181号公報
【特許文献2】特開2012−52158号公報
【特許文献3】特開2003−239052号公報
【特許文献4】特開2002−224710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、中間焼鈍を行わない場合、箔の結晶粒サイズの均一化と微細化は達成できるものの、伸びの異方性が表れ、特定方向の伸びだけが向上、他の方向はむしろ低下するという現象が生じる。一方、中間焼鈍を行うものでは、長時間加熱によって結晶粒サイズが粗大且つ不均一となり伸びの低下が生じてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に基づいてなされたものであり、伸びの異方性を低減しつつ結晶粒サイズの均一化および微細化を実現することで、高い伸びを有するアルミニウム合金軟質箔およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明のアルミニウム合金軟質箔のうち、第1の本発明は、質量%で、Fe:1.4%以上2.0%以下、Si:0.15%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、平均結晶粒径が5μm以下であり、且つ最大結晶粒径/平均結晶粒径比が3.5以下である軟質箔であって、圧延方向に対して0、45、90°の各方向の伸びが20%以上であることを特徴とする。
【0009】
第2の本発明のアルミニウム合金軟質箔は、前記形態の本発明において、板厚が15〜100μmである。
第3の本発明のアルミニウム合金軟質箔の製造方法は、質量%で、Fe:1.4%以上2.0%以下、Si:0.15%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有し、平均結晶粒径が5μm以下であり、且つ最大結晶粒径/平均結晶粒径比が3.5以下である軟質箔であって、圧延方向に対して0、45、90°の各方向の伸びが20%以上であるアルミニウム合金軟質箔の製造方法であって、
前記組成を有するアルミニウム合金を溶製した後、温度430〜530℃の範囲で3〜7時間加熱する均質化処理を行い、前記アルミニウム合金を冷間圧延し、かつ冷間圧延の途中で連続焼鈍によって、昇温速度:10〜250℃/秒、加熱温度:400℃〜550℃、保持時間なしまたは保持時間:5秒以下、冷却速度:20〜200℃/秒で中間焼鈍を行うことを特徴とする。
第4の本発明のアルミニウム合金軟質箔の製造方法は、前記形態の本発明において、アルミニウム合金軟質箔の板厚が15〜100μmである。
【0012】
以下に、本発明における組成、製造条件について説明する。なお、以下の成分含有量は、いずれも質量%で示される。
【0013】
Fe:1.4%以上2.0%以下
Feは、鋳造時にAl−Fe系金属間化合物として晶出し、それが核となって結晶粒を微細化する効果がある。1.4%未満では、その微細化の効果が低く、さらに連続焼鈍ラインによる中間焼鈍と組み合わせた際に粗大な結晶粒が不均一に生成し伸びが低下する。一方、2.0%超では、結晶粒微細化の効果が飽和もしくは低下し、さらに鋳造時に生成されるAl−Fe系化合物のサイズが大きくなり、箔の伸びと圧延性が低下する。そこで、Feの含有量は、1.4%以上2.0%以下とする。なお、同様の理由により、Fe含有量は、1.5%以上が望ましく、1.8質量%以下が望ましい。
【0014】
Si:0.15%以下
Siは、微量であれば箔の強度を高める目的で添加されることもあるが、本発明においては0.15%を超えると、鋳造時に生成されるAl−Fe−Si系化合物のサイズが大きくなり、箔の伸びが低下し、箔厚みが薄い場合、化合物を起点とした破断が生じ圧延性が低下する。このため、Siの含有量は、0.15%以下に制限する。なお、同様の理由によりSi含有量は0.10%以下であるのが望ましい。
なお、Siは、上記のように含有量が所定値以下に制限されるものであり、意図的に含有されていても含有されていなくてもよい。
【0015】
アルミニウム合金軟質箔を構成するアルミニウム合金は、上記のように、Feを含有するとともにSiの含有量が制限されるほか、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するものであるが、その他の成分を有するものであってもよい。
その他成分、例えばCuやMg等を添加する場合は合計で0.15%以下に制限する。0.15%を超えると材料が硬化し、伸びの低下も生じる懸念がある。
【0016】
平均結晶粒径が5μm以下であり、且つ最大結晶粒径/平均結晶粒径比が3.5以下
最終焼鈍後の平均結晶粒径を5μm以下に微細化する事で、成形時に箔が均一に変形し伸びが向上する。しかしその微細な結晶粒組織中に平均粒径の3.5倍を超える粗大な粒が存在する場合、その粒周辺での変形が不均一となり伸びが低下する。
【0017】
次に、本発明のアルミニウム合金軟質箔の製造方法について説明する。
上記製造に際し、溶製されたアルミニウム合金に対し、均質化処理を行うことができる。均質化処理の条件は、特に限定されるものではないが、例えば、温度を430〜550℃とし、保持時間を3〜7時間とすることができる。均質化処理により、Al−Fe系の析出物がマトリクス中に微細に分散し、中間焼鈍や最終焼鈍時に微細な再結晶粒が得られ、伸びの向上を図ることができる。さらに、均質化処理の温度を430〜530℃とすることにより、伸びの向上を一層図ることができる。
【0018】
中間焼鈍
冷間圧延の途中には、連続焼鈍により中間焼鈍を行う。
中間焼鈍は、一般には主に材料のひずみを除去し圧延性を回復させるために行われる。
高圧下率の冷間圧延を行うと材料の圧延集合組織が発達し、箔の伸び異方性が顕著になってしまう。しかし、冷間圧延途中に中間焼鈍を行うことで、再結晶組織を発達させ、箔の伸び異方性を改善することができる。中間焼鈍の方式としては、一般的に、コイルを炉に投入し一定時間保持するバッチ焼鈍(Bach Annealing、BACH)と、連続焼鈍ライン(Continuous Annealing Line、CAL)により材料を急加熱・急冷する焼鈍との2種類の方式が知られている。いずれの方式も、伸び異方性の改善への効果はある。しかし、バッチ焼鈍は、連続焼鈍による焼鈍に比べ結晶粒サイズが大きくなる傾向にあり、特に、FeやSiの含有量制限の効果が著しく低下する。FeとSiを制限した上で、連続焼鈍により中間焼鈍を実施することにより、結晶粒サイズの均一化と微細化との両立を達成することができ、従来にない効果が得られる。
【0019】
中間焼鈍の条件は、例えば、昇温速度:10〜250℃/秒、加熱温度:400℃〜550℃、保持時間なしまたは保持時間:5秒以下、冷却速度:20〜200℃/秒とすることができる。
昇温速度が10℃/秒より遅い場合、昇温過程で冷間圧延時に導入された蓄積エネルギーが解放されるため、再結晶核生成率が低下して焼鈍後の結晶粒径が大きくなり、最終焼鈍後の箔の伸びが低下してしまう。一方、昇温速度を250℃/秒より速くしても、それ以上の効果はほとんど得られず、却って高価な加熱設備が必要となってアルミニウム合金板の生産コストが増加する。このため、昇温速度は、10〜250℃/秒とするのが望ましい。同様の理由により、下限を20℃/秒、上限を200℃/秒とするのが一層望ましい。
【0020】
また、加熱温度が400℃未満であると再結晶が終了するまでの時間が長くなるため、結晶粒の粗大化が懸念され、かつアルミニウム合金板の製造効率が低下してしまう。一方、加熱温度が550℃を超えると、焼鈍中に、材料に局部溶融が起き、圧延性や材料特性の低下が生じるおそれがある。このため、加熱温度は、400℃〜550℃とするのが望ましい。同様の理由により、下限を420℃とし、上限を520℃とするのが一層望ましい。
また、保持時間は特に設ける必要はないが、保持時間が5秒を超えると再結晶粒の粗大化が懸念される。このため、保持時間なしまたは保持時間:5秒以下とすることが望ましい。同様の理由により、上限を3秒以下とするのが一層望ましい。連続焼鈍ラインは入側から投入された材料を急加熱し、目標温度に到達した後にすぐ冷却を開始するため、保持時間と呼べるものがないこともある(保持時間0秒)。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、伸びの異方性を低減しつつ結晶粒サイズの均一化と微細化を実現したアルミニウム合金軟質箔が得られ、高い伸び特性を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
アルミニウム合金軟質箔の材料となるアルミニウム合金は、本発明の成分範囲となる、Fe:1.4%以上2.0%以下、Si含有量:0.15%以下を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成が得られるように、例えば半連続鋳造法などの常法により鋳造して溶製することができる。
【0023】
アルミニウム合金の鋳塊に対しては、例えば、温度430〜550℃、保持時間3〜7時間の条件で均質化処理を実施する。
【0024】
均質化処理後のアルミニウム合金の鋳塊に対し熱間圧延を実施してアルミニウム合金熱延材を得る。
また、熱間圧延では、仕上がり温度を上記アルミニウム合金の再結晶温度以下である280℃以下とするのが望ましい。再結晶温度以下で仕上げることにより、熱間圧延後の結晶粒組織が均一かつ微細なファイバー組織となり、最終冷間圧延の安定性が向上し、最終製品である箔の伸びのばらつきが抑制される。
ただし、本発明としては熱間圧延における各条件は、特に限定されるものではない。
【0025】
熱間圧延材に対し冷間圧延を実施する。冷間圧延においては、仕上げ板厚として例えば0.4〜1.0mmになるまで圧延を行う。
冷間圧延における仕上げ圧延では、仕上げ板厚としたアルミニウム合金板を重ねて圧延をし、最終板厚として例えば、15〜100μmとする。
なお、後述する中間焼鈍後に行う最終冷間圧延(仕上げ圧延を含む)では、後述する最終焼鈍後の結晶粒組織微細化を図るため、圧延率は80%以上とするのが望ましい。
【0026】
上記冷間圧延の途中(通常は仕上げ圧延前の冷間圧延途中)には、アルミニウム合金板材に対して、連続焼鈍による中間焼鈍を実施する。中間焼鈍の条件は、例えば、昇温速度:10〜250℃/秒、加熱温度:400℃〜550℃、保持時間なしまたは保持時間:5秒以下、冷却速度:20〜200℃/秒とする。中間焼鈍は、2回以上行うことも可能である。
【0027】
上記中間焼鈍を実施した後、最終冷間圧延を実施する。最終焼鈍の条件は材料が完全に再結晶する温度で行い、例えば、270〜400℃で4時間以上圧延油を完全に除去する場合は10時間以上が好ましい。
最終焼鈍は、バッチ焼鈍により行うことができる。
【0028】
本発明のアルミニウム合金軟質箔では、結晶粒サイズの均一化および微細化がなされており、伸びの異方性が低減されており、好適には、厚み40μmにおいて圧延方向に対して0°、45°、および90°の各方向の伸びが20%以上となる。
【実施例1】
【0029】
表1に示す組成(残部がAlおよび不可避的不純物)からなるアルミニウム合金を、常法により半連続鋳造法により溶製し、得られたアルミニウム合金鋳塊に対して、温度490℃、保持時間4時間の均質化処理を実施した。その後、熱間圧延にて4.0mmのアルミニウム合金熱延板を製造し、アルミニウム合金熱延板を冷間圧延により板厚0.7mmとした状態で後述する条件で中間焼鈍を実施した。さらに冷間圧延である程度まで薄くした後、材料を2枚重ねて冷間圧延の一部工程である仕上げ圧延を実施し、厚さ40μmの箔とした。その後、後述する条件で最終焼鈍を行い、軟質箔を作製した。
【0030】
なお、中間焼鈍については、比較例8を除きすべて連続焼鈍ライン(CAL)において、昇温速度:40℃/秒、加熱温度:520℃、保持時間:1秒、冷却速度:40℃/秒の条件で実施し、比較例8では360℃、3時間の条件でバッチ焼鈍(BACH)を実施した。また、比較例9では、中間焼鈍を実施しなかった(表1中「NON」)。中間焼鈍をバッチ焼鈍で行った材料では、高温の最終焼鈍を実施すると結晶粒が極端に粗大化するため比較的低温の条件とした。
最終焼鈍は、比較例8を除き350℃、5時間の条件でバッチ焼鈍を実施し、比較例8では300℃×5時間の条件でバッチ焼鈍を実施して供試材を得た。
【0031】
供試材に対し引張試験を実施して伸びの評価を行った。引張試験はJIS Z2241に準拠し、箔の圧延方向を0°として、0°、45°、90°の3方向のJIS5号試験片を試料から採取し、万能引張試験機(島津製作所製)で引張り速度2mm/sにて試験を行った。
【0032】
平均結晶粒径及び最大結晶粒径については以下のように測定した。試料のアルミニウム合金箔を20%過塩素酸+80%エタノール混合溶液にて電解研磨を行った後、SEM(走査電子顕微鏡)にて観察倍率を×500倍とし、EBSD(Effect Back Scatter Diffraction)解析により方位マッピング像を得、そこから結晶粒の粒径分布を解析した。平均結晶粒径の計算方法は測定面積を測定範囲内にある結晶粒数で除し、結晶粒一個当たりの面積を求めた後、結晶粒の形状を円と仮定し、測定範囲面積から粒の半径を算出、その値から平均結晶粒径を求めた。尚、一つの試料につき3視野の観察を行っており、平均結晶粒径は3視野の平均、最大結晶粒径は3視野の中の最大のものを測定した。
【0033】
【表1】
【0034】
表1から明らかなように、実施例No.1〜4は、比較例No.5〜10と比較して、伸びの異方性が低減されているとともに、各方向において高い伸びを有している。