【実施例】
【0019】
まず、本実施例に係る任命表の生成について説明する。
図1は、実施例に係る任命表の生成についての説明図である。
図1に示す管理装置10は、事務規定データベース20、従業員データベース30、出納機110、両替機120、重要物管理装置130等と接続されている。
【0020】
事務規定データベース20は、業務に係る規定である事務規定を格納したデータベースである。従業員データベース30は、従業員に関する情報である従業員データを格納したデータベースである。従業員データの具体例については後述するが、従業員を識別する従業員識別情報である従業員IDと、各従業員のスキルや資格等の属性とを対応付けたデータである。
【0021】
出納機110、両替機120、重要物管理装置130等は、所定の業務に使用する機器類である。具体的には、出納機110は、現金を保管して在高を管理する機器である。両替機120は、現金の両替を行なう機器である。重要物管理装置130は、従業員が使用する印鑑等の重要物を保管する装置である。
【0022】
管理装置10は、従業員データベース30から従業員データを取得し、従業員データに基づいて任命表を生成する。この任命表の生成は、従業員データに示された従業員の属性に応じて従業員を業務に割り当てることで行なう。具体的には、管理装置10が自律的に割当を行ったのち、役席者の承認を取得する形で任命表を生成してもよいし、従業員データを所定の表示部に表示制御し、役席者が従業員データを確認しながら入力した割当によって任命表を生成してもよい。
【0023】
任命表の生成後、管理装置10は、事務規定データベース20から事務規定を取得し、任命表と比較して整合性の判定を行なう。このように、任命表と事務規定との整合性を管理装置10が判定することにより、任命表の生成に要する労力を軽減することができ、ミスの発生を防止することができる。
【0024】
また、管理装置10は、生成した任命表から機器使用者管理データを生成する。機器使用者管理データは、各機器について使用する権限が付与された従業員を示すものであり、任命表から機器の使用を伴う業務と、当該業務に割り当てられた従業員とを抽出することで生成可能である。任命表から機器使用者管理データを生成することにより、任命表と機器使用者管理データとの間で不整合は発生しない。また、事務規定と任命表との整合性が確認済であるので、事務規定と機器使用者管理データとの間にも整合性が確保されることとなる。
【0025】
さらに、管理装置10は、機器使用者管理データに基づいて、出納機110、両替機120、重要物管理装置130等の機器に対して使用者の登録を行なう。このため、各機器を個別に設定することなく使用者の管理を適正に行なうことができる。
【0026】
次に、本実施例におけるシステム構成を説明する。
図2は、実施例におけるシステム構成を示す図である。
図2に示すように、管理装置10は、事務規定データベース20、従業員データベース30、出納機110、両替機120、重要物管理装置130、鍵管理装置140、窓口案内装置150、従業員端末40a〜40hと接続される。また、窓口案内装置150には、窓口端末151a〜151gが接続される。
【0027】
鍵管理装置140は、現金自動預払機(ATM:automated teller machine)等の鍵を管理する装置である。窓口案内装置150は、銀行を訪れた顧客を順次適切な窓口に案内するための装置である。窓口端末151a〜151gは、銀行の各窓口に設けられた端末であり、窓口を担当する従業員により操作される。窓口案内装置150は、窓口端末151a〜151gと通信して窓口の開き状態を取得し、空き状態の窓口に顧客を案内する。
【0028】
従業員端末40a〜40hは、従業員により操作される端末である。これらの端末のうち一部は、役席者により役席端末として使用される。役席者による任命表の承認や、従業員データの確認、割当の入力は、役席端末を用いて行なうことができる。
【0029】
次に、管理装置10の内部構成について説明する。
図3は、管理装置10の内部構成を示す内部構成図である。
図3に示すように、管理装置10は、入力部11、表示部12、通信部13、印字部14、記憶部15及び制御部16を有する。
【0030】
入力部11は、キーボードやマウス等である。表示部12は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。通信部13は、事務規定データベース20、従業員データベース30、出納機110、両替機120、重要物管理装置130、鍵管理装置140、窓口案内装置150、従業員端末40a〜40h等と通信回線を介してデータ通信するためのインタフェース部である。印字部14は、任命表や機器管理台帳等の印字に用いられる。印字部14は、任命表を印字する場合には、任命表データ15aに基づいて印字を行なう。また、機器管理台帳を印字する場合には、機器使用者管理データ15bに基づいて印字を行なう。なお、任命表データ15aや機器使用者管理データ15bに示された従業員IDについては、従業員データを参照し、対応する氏名等を併せて印字することが好適である。
【0031】
記憶部15は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、任命表データ15a、機器使用者管理データ15b、機器動作管理データ15c及び窓口担当管理データ15dを記憶する。
【0032】
任命表データ15aは、業務に対して従業員を割り当てて任命表を生成した場合に、記憶部15に格納される。機器使用者管理データ15bは、機器管理台帳に対応するデータであり、任命表データ15aから生成され、記憶部15に格納される。
【0033】
機器動作管理データ15cは、管理装置10が機器の動作を補助するか否かを示すデータであり、その詳細については後述する。窓口担当管理データ15dは、窓口端末151a〜151gの動作を制御するためのデータであり、その詳細については後述する。
【0034】
制御部16は、管理装置10を全体制御する制御部であり、任命表生成部16a、機器使用者管理データ生成部16b、整合性判定部16c、機器使用者登録部16d、機器動作管理部16e及び窓口担当管理部16fを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、任命表生成部16a、機器使用者管理データ生成部16b、整合性判定部16c、機器使用者登録部16d、機器動作管理部16e及び窓口担当管理部16fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0035】
任命表生成部16aは、従業員データベース30から従業員データを取得し、従業員データに基づいて任命表を生成する処理部である。生成した任命表は、任命表データ15aとして記憶部15に格納する。
【0036】
任命表生成部16aによる任命表の生成は、役席者が生成を指示する入力を行なった場合に開始される。また、人事異動などで従業員データや事務規定が更新された場合には、自動的に任命表の生成を開始することが望ましい。
【0037】
機器使用者管理データ生成部16bは、任命表データ15aから機器の使用を伴う業務と、当該業務に割り当てられた従業員とを抽出することで機器使用者管理データ15bを生成する処理部である。
【0038】
整合性判定部16cは、事務規定データベース20から事務規定を取得し、任命表データ15aと比較して整合性の判定を行なう処理部である。整合性の判定結果は、表示部12への表示制御や役席端末への送信によって報知される。また、不整合であるとの判定結果である場合には、任命表の再生成を行なうことになる。
【0039】
機器使用者登録部16dは、機器使用者管理データ15bに基づいて、出納機110、両替機120、重要物管理装置130、鍵管理装置140等の機器に対して使用者の登録を行なう処理部である。
【0040】
機器動作管理部16eは、出納機110、両替機120、重要物管理装置130、鍵管理装置140等の動作を補助する処理部である。これらの機器は、それぞれパスワードによる認証で使用者の認証を行なう認証機能を有する。しかし、パスワードの桁数や期限管理の有無など、機器によって認証機能には差がある。認証機能に差がある複数の機器をそのまま使用すると、従業員は機器毎に異なる操作を要求されることとなり、操作負担が増大し、ミスの原因ともなる。
【0041】
機器動作管理部16eは、各機器の認証機能を代行することにより、いずれの機器を用いる場合であっても同様の認証機能を使用できるようにする。機器動作管理部16eは、パスワード拡張、パスワード期限管理、パスワード世代管理、パスワードロックアウトを認証機能として提供可能である。
【0042】
パスワード拡張は、パスワードによる認証自体を管理装置10が行なう機能である。例えば、機器自体の認証機能が数字4桁のパスワードしか対応できない場合であっても、当該機器がパスワードを管理装置10に送信し、機器動作管理部16eによって認証を行なえば、英数字任意桁数のパスワードを用いた認証が可能となる。
【0043】
パスワード期限管理は、パスワードの有効期限の管理を管理装置10が行なう機能である。機器自体の認証機能ではパスワードの有効期限を設定できない場合であっても、当該機器がパスワードを管理装置10に送信し、機器動作管理部16eによって有効期限の確認を行なうことで、パスワードに有効期限を設けることができる。
【0044】
パスワード世代管理は、以前に使用されたパスワードを保持しておき、以前と同一のパスワードは使用不可とする機能である。機器自体の認証機能ではパスワードの世代管理を行えない場合であっても、当該機器がパスワードを管理装置10に送信し、機器動作管理部16eによって以前使用されたパスワードと比較を行なうことで、パスワードの世代管理が実現できる。
【0045】
パスワードロックアウトは、認証失敗時に当該機器を使用不可能とする機能である。例えば、機器自体の認証機能では、何度認証に失敗しても認証を試行可能である場合であっても、当該機器がパスワードを管理装置10に送信し、機器動作管理部16eが所定回数の認証失敗を検知した場合に機器の動作を停止させることで、不正な認証を防止できる。
【0046】
なお、機器動作管理部16eは、認証機能に限定されず、他の機能についても代行可能である。例えば、機器の動作履歴を示すジャーナルデータを作成する機能を、管理装置10に行なわせることもできる。この場合には、機器は動作の都度、管理装置10に通知を行い、この通知を元に機器動作管理部16eが当該機器のジャーナルデータを生成することになる。
【0047】
各機器は、自装置で実行可能な機能については必ずしも管理装置10に行なわせる必要がない。そこで、機器動作管理部16eは、各機器に対し、補助を行なう機能を対応付け、機器動作管理データ15cとして記憶部15に格納している。
【0048】
窓口担当管理部16fは、窓口案内装置150及び窓口端末151a〜151gの動作を制御する処理部である。出納機110等の機器は、任命表データ15a及び機器使用者管理データ15bにより、使用者権限を有する従業員が規定されている。
【0049】
一方で、窓口端末151a〜151gは、当該窓口を担当する従業員によって取扱い可能な業務が定まる。そのため、事前に窓口端末151a〜151gに対して使用者権限を設定するのではなく、従業員が担当する窓口を開く開局時に従業員の認証を行い、適切な業務のみを行なうように規制する。
【0050】
窓口担当管理部16fは、任命表データ15aに基づいて、従業員と当該従業員が担当可能な窓口業務とを対応付けた窓口担当管理データ15dを生成し、記憶部15に格納する。そして、窓口を開く際に、当該窓口で取り扱う業務と、従業員IDとを取得し、開局可否を判定する。
【0051】
次に、各種データの具体例について説明する。
図4及び
図5は、各種データの具体例を示す図である。
図4(a)に示すように、従業員データベース30が記憶する従業員データは、従業員を識別する従業員IDに対し、氏名、社内認定レベル、保有資格、勤務年数を対応付けている。社内認定レベルは、当該従業員の社内(銀行内)での職位や、社内で認定されたスキルを示すものである。保有資格は、ファイナンシャルプランナー(FP)1級など、当該従業員が所持している資格を示すものである。これらの他、勤務年数等、従業員に関する任意の情報を従業員データとして登録することができる。
【0052】
図4(a)に示した例では、従業員ID「A0101」に対し、氏名「A B」、社内認定レベル「L1」、保有資格なし、勤務年数「1」を対応付けている。また、従業員ID「A0102」に対し、氏名「C D」、社内認定レベル「L3」、保有資格「FP1級」、勤務年数「10」を対応付けている。また、従業員ID「A0103」に対し、氏名「E F」、社内認定レベル「L2」、保有資格「FP2級」、勤務年数「5」を対応付けている。
【0053】
図4(b)に示すように、事務規定データベース20が記憶する事務規定は、業務に対し、当該業務に割り当てる従業員についての条件である割当条件を対応付けている。割当条件には、人数下限、人数上限、要求認定レベル、要求資格、使用機器が含まれる。人数下限は、当該業務に割り当てるべき最小の人数を示し、人数上限は当該業務に割り当てることのできる人数の上限を示す。また、割り当てる従業員は、要求認定レベルを満たし、要求資格を保有している必要がある。使用機器は、当該業務で使用する機器である。
【0054】
図4(b)に示した例では、業務「出納」について、2人以上5人以下の従業員を割り当てること、各従業員は社内認定レベル「L3」を満たすこと、業務には出納機を使用することが示されている。また、業務「フロア案内」について、3人以上の従業員を割り当てることが示されている。また、業務「窓口(投信)」について、3人以上の従業員を割り当てること、各従業員はFP1級を保有していることが示されている。
【0055】
図4(c)に示すように、任命表データ15aは、業務と、当該業務に割り当てられた従業員の従業員IDとを対応付けている。
図4(c)に示した例では、業務「出納」に従業員ID「A0102、A0144」が対応付けられている。また、業務「フロア案内」に従業員ID「A0101、A0103・・・」が対応付けられている。そして、業務「窓口(投信)」に従業員ID「A0102・・・」が対応付けられている。
【0056】
図4(d)に示すように、機器使用者管理データ15bは、機器を識別する機器識別情報と、当該機器の使用権限が付与された従業員の従業員IDとを対応付けている。
図4(c)に示した例では、機器識別情報「出納機」に従業員ID「A0102、A0144」が対応付けられている。なお、ここでは説明を簡明にするため機器識別情報として機器名を示したが、営業店内で機器を一意に識別する機器IDなどを用いてもよい。
【0057】
図5(a)に示すように、機器動作管理データ15cは、機器を識別する機器識別情報と、当該機器について管理装置10が補助する動作とを対応付けたデータである。具体的には、パスワード拡張、パスワード期限管理、パスワード世代管理、パスワードロックアウト、ジャーナル拡張のそれぞれについて、管理装置10が補助を行なうか否かを示している。
【0058】
図5(a)に示した例では、機器識別情報「出納機」について、パスワード拡張、パスワード期限管理、パスワード世代管理、パスワードロックアウトが「有効」であり、ジャーナル拡張は行なわないことが示されている。また、機器識別情報「重要物管理装置」については、パスワード拡張、パスワード期限管理、パスワード世代管理、パスワードロックアウト、ジャーナル拡張のいずれも行なわないことが示されている。そして、機器識別情報「鍵管理装置」については、パスワード世代管理とジャーナル拡張が「有効」であり、パスワード拡張、パスワード期限管理、パスワードロックアウトは行なわないことが示されている。
【0059】
図5(b)に示すように、窓口担当管理データ15dは、従業員IDと当該従業員が担当可能な窓口業務とを対応付けている。具体的には、預金、為替、融資、ローン、投信、保険、相続及び届出の窓口業務について、担当可能であれば「可」、担当不可であれば「−」を対応付ける。
【0060】
図5(b)に示した例では、従業員ID「A0101」の従業員は、預金と為替を担当可能であることが示されている。また、従業員ID「A0102」の従業員は、預金、為替、投信、保険、相続、届出を担当可能であることが示されている。そして、従業員ID「A0103」の従業員は、預金、為替、融資、ローンを担当可能であることが示されている。
【0061】
次に、機器動作管理部16eによる機器の補助について説明する。
図6は、機器動作管理部16eによる認証機能の補助についての説明図である。
図6(a)に示すように、重要物管理装置130は、自装置で登録パスワードを管理している。そして、従業員からパスワードの入力を受け付けたならば、入力されたパスワードと自装置が管理する登録パスワードとを比較することで、認証処理を行なう。その結果、認証に成功した場合に、以降の操作の受付を開始する。
【0062】
一方、
図6(b)に示すように、出納機110は、管理装置10のパスワード拡張を使用する。そのため、管理装置10が登録パスワードを管理している。そして、出納機110は、従業員からパスワードの入力を受け付けたならば、入力されたパスワードを管理装置10に送信して認証依頼を行なう。管理装置10は、出納機110から受信したパスワードと自装置が管理する登録パスワードとを比較することで、認証処理を行なって、認証結果を出納機110に送信する。出納機110は、認証成功の通知を管理装置10から受信した場合に、以降の操作の受付を開始する。
【0063】
図7は、機器動作管理部16eによるジャーナル拡張についての説明図である。
図7(a)に示すように、重要物管理装置130は、自装置でジャーナルデータを生成して管理している。具体的には、従業員から操作入力を受け付けて処理を実行する度に、自装置が管理するジャーナルデータを更新している。
【0064】
一方、
図7(b)に示すように、鍵管理装置140は、管理装置10のジャーナル拡張を使用する。鍵管理装置140は、従業員から操作入力を受け付けて処理を実行する度に、管理装置10に処理通知を送信する。管理装置10は、鍵管理装置140から受信した処理通知を自装置が管理するジャーナルデータに追加して更新する。
【0065】
次に、窓口担当管理部16fによる開局制御について説明する。
図8は、窓口担当管理部16fによる開局制御についての説明図である。まず、従業員が自身の従業員IDと窓口で取り扱う業務である取扱業務とを窓口端末151aに入力する(1)。
【0066】
窓口端末151aは、入力された従業員ID及び取扱業務を管理装置10に送信し、問い合わせを行なう(2)。窓口担当管理部16fは、窓口担当管理データ15dを参照し、開局可否を判定する(3)。このとき、窓口担当管理部16fは、受信した取扱業務が全て担当可能な業務である場合に開局許可と判定し、担当不能な取扱業務が含まれていれば開局不可と判定する。窓口担当管理部16fは、窓口端末151aに開局可否の判定結果を送信する(4)。窓口端末151aは、開局許可の判定を受信したことを条件に、業務可能な状態となる。
【0067】
次に、任命表の生成にかかる処理手順について説明する。
図9は、任命表の生成にかかる処理手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、任命表生成部16aは、まず、従業員データベース30から従業員データを取得し(ステップS101)、従業員データに基づいて任命表を生成する(ステップS102)。
【0068】
整合性判定部16cは、生成された任命表と事務規定データベース20から取得した事務規定とを比較して整合性の判定を行なう(ステップS103)。その結果、任命表が事務規定と不整合であったならば(ステップS104;No)、不整合があった旨を役席者に通知し、任命表の生成をやりなおす(ステップS102)。
【0069】
任命表が事務規定と整合していれば(ステップS104;Yes)、機器使用者管理データ生成部16bは、任命表から機器使用者管理データ15bを生成する(ステップS105)。そして、機器使用者登録部16dは、機器使用者管理データ15bに基づいて、各機器に対して使用者の登録を行なって(ステップS106)、処理を終了する。
【0070】
次に、パスワード認証にかかる処理手順について説明する。
図10は、機器におけるパスワード認証の処理手順を示すフローチャートである。出納機110等の機器は、従業員からパスワードの入力を受け付けると(ステップS201)、パスワード拡張が有効であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0071】
パスワード拡張が有効となっていれば(ステップS202;Yes)、機器は、管理装置10にパスワードを送信することで、管理装置10に認証を行なわせる(ステップS203)。一方、パスワード拡張が有効でなければ(ステップS202;No)、機器は自装置で管理している登録パスワードと入力されたパスワードとを比較することで認証を行なう(ステップS209)。
【0072】
ステップS203又はステップS209による認証の結果が認証失敗であったならば(ステップS204;No)、機器は、パスワードロックアウトが有効であるか否かを判定する(ステップS210)。パスワードロックアウトが有効でなければ(ステップS210;No)、機器は、自装置で動作を制限して(ステップS214)、処理を終了する。一方、パスワードロックアウトが有効であるならば(ステップS210;Yes)、管理装置10からの制御に従って動作制限を行なって(ステップS211)、処理を終了する。
【0073】
ステップS203又はステップS209による認証の結果が認証成功であったならば(ステップS204;Yes)、機器は、パスワード期限管理が有効であるか否かを判定する(ステップS205)。パスワード期限管理が有効となっていれば(ステップS205;Yes)、機器は、管理装置10に問い合わせてパスワードの有効期限を確認する(ステップS206)。一方、パスワード期限管理が有効でなければ(ステップS205;No)、機器は自装置でパスワードの有効期限を確認する(ステップS212)。
【0074】
ステップS206又はステップS212による確認の結果、パスワードが期限内でなければ(ステップS207;No)、機器は、パスワードの期限切れを報知する(ステップS213)。パスワードが期限内である場合(ステップS207;Yes)、若しくはステップS213の後、機器は、操作の受付を開始して(ステップS208)、処理を終了する。
【0075】
次に、パスワードの登録にかかる処理手順について説明する。
図11は、機器におけるパスワード登録の処理手順を示すフローチャートである。出納機110等の機器は、従業員から登録用パスワードの入力を受け付けると(ステップS301)、パスワード世代管理が有効であるか否かを判定する(ステップS302)。
【0076】
パスワード世代管理が有効となっていれば(ステップS302;Yes)、機器は、管理装置10にパスワードを送信することで、過去に使用済のパスワードであるか否かを管理装置10に確認させる(ステップS303)。一方、パスワード世代管理が有効でなければ(ステップS302;No)、機器は自装置で管理している過去の登録パスワードと入力されたパスワードとを比較することで過去に使用済のパスワードであるか否かを確認する(ステップS307)。
【0077】
ステップS303又はステップS307による確認の結果、過去に使用済のパスワードであり、登録不能であるならば(ステップS304;No)、過去に使用済のパスワードである旨を報知し、ステップS301に移行して新たな登録用パスワードの入力を受け付ける。
【0078】
ステップS303又はステップS307による確認の結果、過去に使用済のパスワードではなく、登録可能であるならば(ステップS304;Yes)、機器は、パスワード拡張が有効であるか否かを判定する(ステップS305)。
【0079】
パスワード拡張が有効となっていれば(ステップS305;Yes)、機器は、管理装置10にパスワードを送信することで、管理装置10にパスワードの登録を要求し(ステップS306)、処理を終了する。一方、パスワード拡張が有効でなければ(ステップS305;No)、機器は自装置でパスワードを登録し(ステップS308)、処理を終了する。
【0080】
次に、開局制御にかかる処理手順について説明する。
図12は、窓口端末における開局制御にかかる処理手順を示すフローチャートである。ここでは、窓口端末151aを例として説明を行なうが、他の窓口端末151b〜151gも同様の開局制御を行なう。
【0081】
窓口端末151aは、まず、従業員ID及び取扱業務の入力を受け付ける(ステップS401)。窓口端末151aは、入力された従業員ID及び取扱業務を管理装置10に送信し、問い合わせを行なう(ステップS402)。その後、管理装置10から開局許可の判定結果を受信したならば(ステップS403;Yes)、窓口端末151aは開局を行なって(ステップS404)、処理を終了する。一方、開局不可の判定結果を受信したならば(ステップS403;No)、開局不可を従業員に報知し(ステップS405)、処理を終了する。
【0082】
次に、任命表の生成の変形例について説明を行なう。
図13は、任命表の生成の変形例についての説明図である。
図13に示す管理装置210は、
図1に示した管理装置10と同様に、事務規定データベース20、従業員データベース30、出納機110、両替機120、重要物管理装置130等と接続されている。
【0083】
管理装置210は、任命表の生成に先立って、事務規定データベース20の事務規定から、各業務の割当条件を取得する。そして、従業員データベース30から従業員データを取得し、各業務の割当条件に該当する従業員のリストを当該業務の候補者リストとして生成する。管理装置210は、この候補者リストから当該業務に割り当てる従業員を選択することで任命表を生成する。このとき、候補者リストを役席者に提示し、役席者が候補者リストから選択した従業員を業務に割り当てることとしてもよい。その他の構成及び動作は
図1に示した任命表の生成と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0084】
上述してきたように、本実施例では、管理装置10、210が従業員データベース30から従業員データを取得し、従業員データに基づいて任命表を生成し、任命表と事務規定とを比較して整合性の判定を行なう。このため、任命表の生成に要する労力を軽減することができ、ミスの発生を防止することができる。
【0085】
また、管理装置10、210は、生成した任命表から機器使用者管理データを生成するので、事務規定との不整合を生じることなく機器使用者管理データを自動的に生成することができる。さらに、管理装置10は、機器使用者管理データに基づいて、出納機110、両替機120、重要物管理装置130等の機器に対して使用者の登録を行なう。このため、各機器を個別に設定することなく使用者の管理を適正に行なうことができる。
【0086】
なお、上述の実施例は、あくまで一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。