(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記水平回動軸は、前記第1連結アーム(101)及び/又は前記第2連結アーム(102)の端部領域(単数又は複数)内に配置されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ(1)。
前記第1及び第2連結アーム(101、102)間のヒンジ結合は、前記第1及び第2連結アーム(101、102)の複数の開口部と、前記複数の開口部に挿入されたピン(103)よって達成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ(1)。
前記コネクタ(1)は、前記第1及び第2連結アーム(101、102)間のヒンジ結合を確保又は切断するように構成されたロック/アンロック機構を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコネクタ(1)。
前記組み合わせクレーン(100)は、前記コネクタ(1)の前記水平回動軸に連結された巻き上げ滑車装置(15)、あるいは前記2台の基本的なクレーンの一方の前記ブーム上端に連結された巻き上げ滑車装置(15)を備え、前記巻き上げ滑車装置(15)は、前記2台の基本的なクレーンの前記ブーム(14)によって規定される角度の内側に位置していることを特徴とする請求項5又は6に記載の組み合わせクレーン(100)。
前記組み合わせクレーン(100)は、一対の前記巻き上げ滑車装置(15)を備え、前記巻き上げ滑車装置(15)のそれぞれは、前記基本的なクレーンの対応する前記ブーム(14)上端にそれぞれ配置され、前記一対の巻き上げ滑車装置(15)は、前記2台の基本的なクレーンの前記ブーム(14)によって規定される角度の内側に位置していることを特徴とする請求項5又は6に記載の組み合わせクレーン(100)。
前記工程b)は、位置決めする前に、前記コネクタ(1)の前記第1連結アーム(101)の自由端を、前記2台の基本的なクレーンの一方の前記ブーム上端に固定して連結し、前記コネクタ(1)の前記第2連結アーム(102)の自由端を、前記2台の基本的なクレーンの他方の前記ブーム上端に固定して連結することを含むことを特徴とする請求項11に記載の連結方法。
【背景技術】
【0002】
クレーンにおいて、荷重を支えるための、クレーンの構成要素の各々は、装置、作業者達及び建物の安全を確保するために、一定の安全性の許容範囲を有する必要がある。したがって、吊り上げられる重量がクレーンの吊り上げ能力を超えた時点で、このようなクレーンを使用して、このような重量を吊り上げることは許されない。一つの選択肢は、単に、より大きなサイズのクレーンの使用を選択することである。しかし、経済的にいえば、吊り上げ作業を達成するためにより大きなクレーンが購入された場合、コストは大幅に増加する。その上、その大きなクレーンのトン数が一定値を超えた場合、クレーンを支える床材の必須要件は更に高くなる。このことは、床材の取り扱いのために非常に高いコストを伴うことを意味している。この問題を経済的な方法で解決するために、複数のクレーンを用いる合同吊り上げ(combine lifting)方法が既に提案されている。
【0003】
合同吊り上げの第1の方法は、複数のクレーンが互いに接続されていない時に吊り上げを実施することである:1)それぞれのクレーンの吊り上げフックは、同じ重量に直接取り付けられる。(
図1(b)参照)しかし、各クレーンで支持される荷重は、不明確である。2)例えば、特許文献1に記載された吊り上げ装備などのバランスビームにて、複数のクレーンが同じ重量を共に吊り上げる。(
図1(a)参照)この技術的な解決方法では、各クレーンの荷重は明確である。上記した両方の場合において、各クレーンの転倒防止能力及び構造的安定性は改善されていない。したがって、吊り上げ作業中に、それらのバランス状態が損なわれる脆弱性がある。
【0004】
合同吊り上げの第2の方法は、物体を吊り上げるための2本のブームを有する1台のクレーンを使用することであり、特許文献2に示される吊り上げ装備が例として挙げられる。例えば、2つの平行なブームが水平な連結部品によって結合している、TEREX−DEMAG CC8800−1Twinや、2つのブームが連結してA字型に結合したブームを形成している、Sarens SGC−120ring−rail craneがそうである。
【0005】
合同吊り上げの第3の方法は、2台のクレーンをそれらブームの各頂部において、短い天秤梁で連結することであり、例えば特許文献3に記載された吊り上げ装備である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記合同吊り上げの3つの方法は、次のような制限を有すると考えられる:1)基本的なクレーンと比較して、組み合わせクレーンは単独の基本的なクレーンのブームの軸方向荷重を低減することができず、また基本的なクレーンの転倒防止能力と構造的安定性を高めることができない。2)構造が比較的複雑である。3)既存の基本的なクレーン自体を、合同吊り上げの必須要件を満たすために大幅に変更する必要があり、その結果、比較的高い投資となる。
【0008】
したがって、本発明は、従来技術の上記問題の一つ以上を解決できる吊り上げ装備を求めることである。
【0009】
本発明の課題は、それぞれの基本的なクレーンの吊り上げ能力を高め、それらの転倒防止能力及び構造的安定性を改善し、それらのブームに支持される軸方向の圧縮力を低減することである。そして、それら既存の基本的なクレーン構造の変化は可能な限り小さいか、あるいはそれら既存のクレーン構造のいかなる変化さえもない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記課題は、下記の技術的特徴を備えるコネクタにより達成される。第1クレーンと第2クレーンを連結するコネクタであって、それぞれのクレーンはブームを有し、コネクタは、第1連結アームと、第2連結アームとを備え、第1連結アームは、第1クレーンのブームの頂部を構築し、第2連結アームは、第2クレーンのブームの頂部を構築し、第1連結アームと第2連結アームは、共通の回動面内において、単一で共通の回動軸周りに共にヒンジ結合され、第1及び第2クレーンのブームは共通のラフィング平面で可動に連結され、ラフィング平面は回動面と同一である。特に、第1連結アームは、少なくとも第1クレーンのブームの一部であるように、第1クレーンのブームの頂部を構築する。あるいは、第1連結アームはまた、第1クレーンのブームの頂部にその延長として固定して連結するように構成される。同様に、第2連結アームは、少なくとも第2クレーンのブームの一部であるか、あるいは第2クレーンのブームの頂部にその延長として固定して連結するように構成されて、第2クレーンのブームの頂部を構築する。第1連結アーム及び第2連結アームは、好ましくは、共に直接ヒンジ結合される。具体的には、共通の回動軸が水平に方向付けられている。したがって、共通の回動面は垂直に方向付けられている。特に、第1クレーン及び第2クレーンの配置は、第1クレーンのブームの中間軸と第2クレーンのブームの中間軸が共通のラフィング平面(luffing plane)内に配置されるようになっている。具体的には、長手方向軸はラフィング平面内で交差する。
【0011】
好ましくは、水平回動軸は、第1連結アーム及び/又は第2連結アームの端部領域(単数又は複数)内に配置されている。この構成により、ヒンジ結合された第1連結アームと第2連結アームがより大きな回動角を有することを可能にし、したがって、長さの非常に異なるブームを有する2台の基本的なクレーンの吊り上げ作業をつなぐことが適用できる。前述した第1連結アーム及び/又は第2連結アームの端部領域は、第1連結アーム及び/又は第2連結アームの連結領域に対向して配置されている。連結領域において、第1連結アーム及び/又は第2連結アームは、好ましくは、第1クレーンのブーム及び/又は第2クレーンのブームと連結されている。具体的に、回動軸は、各クレーンのブームの先端に配置されている。
【0012】
好ましくは、第1及び第2連結アーム間のヒンジ結合は、第1及び第2連結アームの複数の開口部とそれら開口部に挿入されたピンによって実現される。このようなヒンジ式構造のため、製造が簡単かつ容易であり、組み立てし易い。
【0013】
好ましい実施形態では、複数の開口部は第1連結アーム又は第2連結アームにある複数の連結取手に備えられる。それら連結取手は、単一シート形状又は少なくとも2つの平行に延びる分岐取手を有するフォークの様な形状であり、例えば、二分岐形状や三分岐形状などである。
【0014】
好ましくは、第1連結アームの連結取手は単一シート形状であり、第2連結アームの適合する連結取手はフォークの様な形状であり、好ましくは二分岐形状である。
【0015】
好ましくは、第1連結アームの単一シート形状の連結取手は、第2連結アームのフォーク形状である適合する連結取手の2つの分岐突起間に挿入される。したがって、複数の分岐突起は、適合する取手の水平回動軸に沿う移動を実質的に抑制する役割を果たし、ヒンジ結合において、1自由度のみ動きが維持される。
【0016】
好ましくは、断面で見た際に、第1連結アームの複数の開口部は閉じた円周を有し、第2連結アームの複数の開口部は閉じていない円周を有し、第1連結アームの複数の開口部を通過するピンでスナップ結合を形成するように構成されている。このヒンジ結合の構造は、組み立てが単純で容易であり、複数の開口部を整列するための複雑な作業過程を回避でき、複数クレーンのブームの吊り上げ・下げの作業も回避できる。
【0017】
好ましくは、第2連結アームには固定フック(lock hook)が設けられ、その固定フックは、ピンと係合するロック位置と、ピンを解除するアンロック位置の間で移動するように構成されている。固定フックは、より堅固なヒンジ結合を確保するために配置され、その結果、吊り上げ作業中に複数クレーンのブームの揺れによって生じるであろうヒンジ結合の切断を回避する。
【0018】
好ましくは、コネクタは、コネクタの組立時に、第1及び第2連結アームを移動し、所定の位置に位置決めするよう案内するように構成されたガイド機構を備える。したがって、整列作業が簡素化され、組立性が向上する。
【0019】
好ましくは、コネクタは、第1及び第2連結アーム間のヒンジ結合を確保又は解除するように構成されているロック/アンロック機構を含む。コネクタによって形成されたヒンジ結合は、クレーンの吊り上げ作業時の不慮のスリップやスライドを防ぐためのロック/アンロック機構により、更に信頼性が高くなる。また、組み合わせクレーンの分解や基本的なクレーンの元の形状への復旧が必要とされる際には、ヒンジ結合の安全な切り離しのために、ロック/アンロック機構を使用できる。
【0020】
好ましくは、ロック/アンロック機構は、例えば、油圧シリンダといった少なくとも一つの可変長の実行要素を含む。制御システムによる可変長の実行要素の自動制御を用いて、適切な引張力でヒンジ結合を固定できる。
【0021】
本発明の別の態様によれば、コネクタと、ブームを有する2台の基本的なクレーンとを備え、そのコネクタによって連結された組み合わせクレーンが提供されている。
【0022】
好ましくは、複数の基本的なクレーンは、クローラークレーン(crawled cranes)である。
【0023】
好ましくは、複数の基本的なクレーンのブームは、等しい又は等しくない長さを有する。
【0024】
好ましくは、組み合わせクレーンは、コネクタの水平回動軸に連結された巻き上げ滑車装置、あるいは2台の基本的なクレーンの一方のブーム上端に連結された巻き上げ滑車装置を備え、その巻き上げ滑車装置は、2台の基本的なクレーンのブームによって規定される角度の内側に位置している。
【0025】
好ましくは、組み合わせクレーンは、一対の巻き上げ滑車装置を備え、その各々は、対応する基本的なクレーンにブームの上端にそれぞれ配置され、その一対の巻き上げ滑車装置は、2台の基本的なクレーンのブームによって規定される角度の内側に位置している。
【0026】
好ましくは、基本的なクレーンは、ブームが基本的なクレーンの旋回中心周りに旋回動作できるための旋回支持機構を有する。この構成によれば、組み合わせクレーンの吊り上げ作業中に、基本的なクレーンの進行方向(すなわち、前方移動、後方移動、又は曲がること)が旋回支持機構によって調節でき、重量の空間位置が自由に変更できる。
【0027】
好ましくは、組み合わせクレーンは、複数の基本的なクレーンのペンダントバー内の力を監視するための制御システムを備える。このような制御システムを介して、組み合わせクレーンのスリップやスライドの回避や、組み合わせクレーンの安全な作業の保証ができる。
【0028】
本発明の別の態様によれば、ブームを有する2台の基本的なクレーンをコネクタで連結する方法が提供される。それは、以下の工程を備える。
a)2台の基本的なクレーンのブームが、同一のラフィング平面で互いに対向するように前記ブームを操作する工程;
b)第1及び第2連結アームを、所定位置で互いに関連して位置決めする工程;
c)第1及び第2連結アームを共にヒンジ結合し、ヒンジ結合の回動軸を水平に方向合わせする工程。
【0029】
好ましくは、工程b)は、位置決めする前に、コネクタの第1連結アームの自由端を、2台の基本的なクレーンの一方のブーム上端に固定して連結し、コネクタの第2連結アームの自由端を、2台の基本的なクレーンの他方のブーム上端に固定して連結する工程を備える。第1連結アームと第2連結アームが、複数のクレーンのブームとは別個の部品である場合は、このような工程が必須である。このような場合には、2台の基本的なクレーンのブーム間の連結は、それら基本的なクレーンの既存のブームを大きく変更することなく行うことができる。
【0030】
好ましくは、工程b)は、第1及び第2連結アームの相対的な位置決めを達成するために、コネクタに設けられたガイド機構を制御システムによって監視することを含む。
【0031】
好ましくは、この方法は、ヒンジ結合を形成する際に、選択的にヒンジ結合の確保と切断をするために、コネクタに設けられたロック/アンロック機構を制御システムの手段で制御することを備える。
【0032】
本発明のコネクタで2台の基本的なクレーンを連結して形成された組み合わせクレーンに関し、作業時のその定格荷重吊り上げ能力は、2台の基本的なクレーンの能力の和よりも大きい。例えば、2台の基本的なクレーンが別々に作動するとき、それぞれの基本的なクレーンは、100トンの重量を吊り上げることができるとする。一方、本発明のコネクタで2台の基本的なクレーンを連結して形成された組み合わせクレーンは、200トン以上の重量を吊り上げることができる。2台の基本的なクレーンによる合同吊り上げを達成するために、元の基本的な複数のクレーンに対して行われる必要な幾つかの変更は、コネクタの追加と、それに対応する電気・制御システムの調整とを含むだけでよい。
【0033】
好ましくは、組み合わせクレーンの2台の基本的なクレーンは、連結部品である、実質的に水平なコネクタに連結されている。特に、そのコネクタは、水平に方向付けられている。2台の基本的なクレーンの、このような水平な連結は、地面と地面上に配置されている複数の各コーナー間にある水平方向の複数ある力の低下につながる。
【0034】
好ましくは、実質的に水平なコネクタは下部走行体に結合され、特に複数の基本的なクレーンの少なくとも一方のクローラーに結合される。代わりに、実質的に水平なコネクタは、複数の基本的なクレーンの少なくとも一方の上部旋回体に接続可能である。特に、実質的に水平なコネクタが、一方の基本的なクレーンの下部走行体に接続され、他方の基本的なクレーンの上部旋回体に接続されることが可能である。このような場合、コネクタは、水平に対して傾斜している。しかし、そのような傾きは、実質的に水平であると解される。実質的に水平なコネクタは、複数の基本的なクレーンの少なくとも一方のブームに連結されることもまた可能である。好ましくは、実質的に水平なコネクタの長さは、可変に調整できる。このような長さ調節は、ウインチ、滑車システム、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、又はそれらの組み合わせによって提供できる。
【0035】
以下の図面は、本発明の十分な開示と、説明の開示にしたがって当業者が本発明を実施できるように提供されている。そして、本発明の複数の実施形態は、複数の図面を参照して詳細に示されている。複数ある図面と対応する実施形態は、発明を限定するものではなく、単に例示することを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の複数の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図面において、同一の参照符号は可能な限り、同一又は類似の構成要素を示すために使用される。
【0038】
本出願において説明のために、ブームを有するクローラークレーンを例とする。当業者ならば、ブームを有する限り他のタイプのクレーンにも本発明が適用できることを、容易に想定する。
【0039】
図1(a)及び(b)から、既存のクローラークレーン10は、クローラー110を有する下部走行体と、旋回支持機構12によって、下部走行体上に搭載された上部旋回体13と、上部旋回体13に取り付けられたブーム14とを備えることが分かる。巻き上げ滑車装置15と、その巻き上げ滑車装置に吊り下げられている、物体21を留めるための吊り上げフック16は、ブーム14の自由端140に設けられている。油圧モータからの出力は、クローラー110を駆動し、したがってクレーンは、物体の空間位置を変更するように直進又は迂回して移動する。旋回支持機構12は、上部旋回体がその回転軸の周りで旋回運動を行えるように構成され、それによってブーム14と、そのブームに取り付けられた物体21とが、クレーンの旋回中心周りで回転するように駆動する。ブーム14のピッチ角を変更するためのラフィング機構は、マスト18と、ブームホイストワイヤロープ19と、ペンダントバー20とを備えている。ペンダントバー20の一端はブーム14の自由端140に接続され、ペンダントバーの他端は、ブームホイストワイヤロープ19の終端に接続されている。ブームを持ち上げる必要がある場合、油圧モータが圧力信号によって作動され、ラフィングホイストを駆動して、例えば、ワイヤロープを巻き上げたり又は緩めたりして、一定の緊張や緩みとなるようにし、ペンダントバー20が引っ張られたり緩められたりして、ブーム14の自由端を上方又は下方に移動する。(すなわち、ブームのピッチ角は変更され、ブームのラフィング動作は達成される。)クローラークレーンは、更に吊り上げフック16の吊り上げ/下降動作を達成するための巻き上げシステムを備える。巻き上げシステムは、巻き上げモータと、巻き上げロールと、巻き上げワイヤロープと、巻き上げ滑車装置とを備える。吊り上げフック16は、複数の巻き上げ滑車装置の可動滑車装置に接続されている。巻き上げワイヤロープは、所定の倍率でロープ掛けした後、可動滑車装置と固定滑車装置の間に架け渡り、最終的に巻き上げロールの周りに巻き付く。巻き上げモータは、巻き上げロールを駆動して巻き上げたり緩めたりする。そして、吊り上げフックは上昇・下降し、したがって物体の吊り上げ又は下降の要求を満たすように、制御される。
【0040】
ブームのラフィングは、本明細書中、そのピッチング動作を指し(クレーンがある水平面に垂直に投影されたフックの位置から、クレーンの旋回中心線との間の水平距離は、ピッチ角の変化に応じて変化する。)また、ラフィング平面は、ブーム、水平面上のブームの投影及びブーム頂部と水平面間の垂直線によって形成された三角形を通る平面を意味する。
【0041】
明細書中の「上」又は「下」という用語は、
図1(a)及び(b)に示すように、作業状態における水平位置に配置されたクレーンの本体に対して、上側又は下側の方向を指す。上側・下側方向は、本明細書では「垂直方向」ともいい、垂直方向と直交する方向が水平方向である。
【0042】
また、簡単な例示と説明のために、明細書中の「基本的なクレーン」とは、単独で吊り上げを行える単一のクレーンを指す。したがって、クローラークレーンに関して、基本的なクレーンは少なくとも、下部走行体、上部旋回体及びブームを備える。
【0043】
図1(a)及び(b)は、2台のクレーンが共に物体を吊り上げる、実施可能な技術的解決策を示している。
図1(a)では、吊り上げがバランスビーム17を用いて行われ、一方、
図1(b)では、同じ物体が各々のフックにより直接吊られる。前述したように、これら二つの技術的解決策は、これら基本的なクレーンの転倒防止能力や構造的安定性を改善しない。2台の基本的なクレーンの組み合わせ技術の、この状態における吊り上げ能力は、最大で2台の基本的なクレーンの吊り上げ能力の合計である。本発明は、2台の基本的なクレーンの組み合わせの吊り上げ性能を改善し、高めるために、コネクタ1を用いて、2台の基本的なクレーンを単一の組み合わせクレーン100として共に連結することを提案する。
図2を参照して、クレーンAと別のクレーンBは互いに対向し、クレーンAのブームaのラフィング平面がクレーンBのブームbのラフィング平面と重なり合うように配置されている。コネクタ1は、ブームa、bの頂部に固定して連結され、第1連結アーム101と、第2連結アーム102とを備える。コネクタ1とブームa、b間の連結は、溶接、リベット締め、ネジ結合、焼きばめ(interference connection)及びフランジ接続などの従来の手段によって達成される。その連結は、取り外し可能あるいは取り外し不可である。第1連結アーム101と第2連結アーム102は、共に強固にヒンジ結合され、同一の垂直回動面において共通の水平回動軸の周りに互いに回転できる。
図3に示すように、コネクタ1は、ブームa、bからまとめて取り外しが可能である。
【0044】
また、
図4(a)〜(c)に関して、第1連結アーム101は、ブームaの上端(自由端)に堅固に連結される自由端1010を有する。第1連結アーム101とブームa間の連結は、後者に対する前者の回転を無効にする。第2連結アーム102は、ブームbの上端(自由端)に堅固に連結される自由端1020を有する。第2連結アーム102とブームb間の連結は、後者に対する前者の回転を無効にする。第1連結アーム及び第2連結アームがブームa、bに対して別個の構成要素であることが示されているが、第1連結アームが少なくともブームaの一部であり、第2連結アームが少なくともブームbの一部であることは、当業者にとって明らかである。
【0045】
図4(a)〜(c)に示すように、第1連結アームと第2連結アーム間のヒンジ結合の回動軸は、第1連結アーム101及び第2連結アーム102の端部領域に配置されている。当業者ならば、回動軸を第1及び第2連結アームの他の位置、例えば端部領域に近いところに配置することを容易に着想する。
【0046】
図4(a)〜(c)に示す、第1及び第2連結アーム101、102間のヒンジ結合は、第1及び第2連結アームに配置された開口部104と、その開口部に挿入されたピン103とによって達成される。しかし、当業者ならば、ヒンジ結合が他の手段によって達成され得ることを容易に考えつく。例えば、第1連結アームあるいは第2連結アームに配置された軸ピンと、その軸ピンと一致して係合する、第2連結アームあるいは第1連結アームに配置された鉤爪部材である。
【0047】
実施形態では、第1及び/又は第2連結アーム間のヒンジ結合を形成するための、第1及び/又は第2連結アームのヒンジ付き領域(単数又は複数)は、少なくとも1つの連結取手111を含み、その連結取手111には、ピンが通過する開口部104が設けられている。第1及び第2連結アームの複数の連結取手111上にある複数の開口部104が(
図4(a)に示すように)整列されている場合、
図4(b)に示すように、ヒンジ結合が第1及び第2連結アーム間で形成されるように、水平ピンは複数の開口部を通過する。第1及び第2連結アームが共通の垂直面内で水平回動軸周りに回動できるように、ピンがヒンジ結合の回動軸を規定する。第1及び第2連結アーム101、102の他方向への動き、例えばピンの長軸方向など、を制限するため、第1及び第2連結アーム間に回動軸周りの回動自由度が1つだけとなるように、停止装置又はロック装置を配置してもよい。
【0048】
ほとんどのクレーンのブームは梁構造であるため、第1及び第2連結アームは、それに応じて梁構造に設計してよい。もちろん、設計の強度要件を満たす場合には、当業者は、
第1及び第2連結アームを、箱状構造又はブロック構造のような他の構造を有するものとして設計できる。
【0049】
設計の強度要件に応じて、1つ以上の連結取手が第1又は第2連結アームに設けられてもよい。
図4(a)に示すように、第1及び第2連結アーム各々の縁桁(edge beam)の前と後ろに、2つの連結取手が配置されている。(ここで「前」及び「後ろ」という用語は、
図4(b)に示す水平回動軸の延長方向から見た方向を示し、その方向は紙面に垂直である。)これら連結取手は、単一シート形状やフォーク形状(平行に延びる少なくとも2つの分岐した取手を有する、フォーク状の連結取手)といった、異なる形態で構成されてもよい。
図4(c)を参照して、複数の連結アームの一方にある連結取手111は、単一シート形状として設計される一方、適合する連結取手はフォーク形状(例えば、2つの分岐した取手を有する二重の分岐形状)として設計されている。対応する単一シート連結取手は、フォーク状連結取手の2つの分岐取手111a、111b間の隙間に挿入され、この一組の連結取手は、その連結取手にある穴又は開口部を通るピンによって直列に結合されている。当業者は、もちろん、複数の連結取手間の適合形状は、単一シート形状と単シート形状、二分岐形状と三分岐形状、三分岐形状と四分岐形状などでもよいことを想到するであろう。
【0050】
図4(c)に示す実施形態では、連結取手111は、形状において、その適合する連結取手111と異なる。好ましくは、同じ連結アームの連結取手の形状は、互いに異なる。
【0051】
図5(a)及び(b)を参照して、第1連結アーム101の前と後ろの縁桁の端にある連結取手は、互いに異なることが分かる。すなわち、一方は単一シート形状であり、他方はフォークの様な形状である。連結強度の観点から、第2連結アーム102の適合する複数の連結取手は、それぞれフォークの様な形状と単一シート形状であることが好ましい。もちろん、当業者ならば、第1連結アームの連結取手と第2連結アームの適合する連結取手の両方を、フォークの様な形状又は単一シート形状とできることを容易に想到する。
【0052】
また、
図6(a)を参照して、本発明の実施形態に応じて、ブームa、b間の、高速、シンプル及び正確な連結のために、コネクタ1は、第1及び第2連結アーム101、102の動作を案内し、所定の位置へ位置決めするガイド機構106を、更に備えてもよい。具体的には、ガイド機構106は、第1及び第2連結アーム101,102を案内して互いに向けて移動させ、それらをおおまかに同一の垂直面内に配置させる。そして、第1及び第2連結アームの連結取手の開口部を整列させる。
図6(a)に示す実施形態では、ガイド機構106は、第1連結アームに接続された第1ガイド部1061と、第2連結アームに接続された第2ガイド部1062とを含む。凹部1061aと突起部1061bは、第1ガイド部1061に設けられている。第2ガイド部1062には、第1ガイド部に配置された突起部1061bと協働するための凹部1062bと、第1ガイド部の凹部1061aと協働するための突起部1062aとが設けられている。ひとたび第1ガイド部の突起部1061bが第2ガイド部の凹部1062bの底部に接触し、第2ガイド部の突起部1062aが第1ガイド部の凹部1061aの底部に接触すれば、ガイド機構は、第1及び第2連結アームが一直線上に位置合わせられていることを示す信号をクレーンの制御システムに送信する。
【0053】
図6(b)に示す実施形態では、一方の連結アームの複数ある連結取手の開口部は、(断面から見て)閉じていない円周を有し、
図6(b)に示すように、円弧形状である。コネクタ1の組み立て時には、閉じていない円周を有するこれら開口部は、単に、他方の連結アームの複数ある連結取手の開口部に挿入されたピンを留める。そのピンを固定するために、図に示すように、ロックフック107が第2連結アーム102に配置されてもよい。そのロックフックは、ピンと係合するロック位置と、ピンから解除するアンロック位置の間を移動するように構成されている。ロックフック107は、連結アームがピンと非係合となるのを防ぐために、ロック位置においてピンを留め、閉じてない円周を有する複数の開口部と一体となって作動する。本実施形態において、ヒンジ結合の形成を容易にするため、第1及び第2連結アームを上記クランプ結合の準備位置に位置合わせするように、それらの動きを案内するガイド機構が適用されてもよい。
【0054】
図6(b)及び(c)に示す実施形態において、更にコネクタは、第1及び第2連結アーム間のヒンジ結合を確保又は切断するように構成されたロック/アンロック機構108を備える。ロック/アンロック機構108は、少なくとも1つの実行要素(例えば、油圧シリンダや電気プッシュロッド)を含んでもよい。それらは、制御システムからの制御信号を受信し、受信された信号に対応して伸縮できる。
【0055】
連結作業を自動化するために、クレーンシステムは、コネクタの組み立てとブーム間の連結の達成をアシストする制御システムを含んでもよい。例えば、その制御システムは、整列信号を受信すると、ロボットアームに整列した複数の開口部内にピンを挿入するように命令する指示を送るように構成してよい。また、組み合わせクレーンの吊り上げ作業時に、第1及び第2連結アームが、同一平面内で回動動作のみ行うことを保証するために、ロック/アンロック機構がヒンジ結合を確保するように構成してよい。
【0056】
図2及び3に示したコネクタは、吊り上げ作業を実施するために、実質的に同じ長さのブームを有する2台の基本的なクレーンを結合する。この場合、2つのブームは、互いに対向する2台のクレーン間の空間に吊り上げられる物体から等しい負荷を受ける。本発明はまた、
図7に示すように、異なる長さのブームを有する2台の基本的なクレーンを結合することにも適用できる。
図7に示す状況では、吊り上げられる物体から2つのブームに分配される軸方向の力は等しくなく、吊り上げられる物体の移動速度は、吊り上げられる物体から遠く離れていないクレーンの動作速度により近い。また、2台の基本的なクレーンが、吊り上げ作業を実施するために結合され、もし一組の巻き上げ滑車装置の場合は、巻き上げ滑車装置15は、(
図7に示すように)2台の基本的なクレーンの2つのブームによって規定される角度の内側に位置するように、コネクタの水平回動軸に伴って配置しても、2つのブームの一方にある頂部に配置してもよい。もちろん、二組の巻き上げ滑車装置が用いられてもよく(
図2又は3で示すように、追加の巻き上げシステムは必要とされない)、二組の巻き上げ滑車装置が2台の基本的なクレーンのブームで規定される角度の内側に位置するように、巻き上げ滑車装置の各々の組がそれぞれの基本的なクレーンのブームの頂部に配置する。巻き上げ滑車装置(単数又は複数)の取り付け位置やその台数は、各基本的なクレーンの吊り上げ性能や吊り上げられる具体的な重量に応じて、当業者が決定しうるものである。
【0057】
図7(a)に示すような組み合わせクレーン100は、結束要素1003を備える。結束要素1003は、第1クレーンAを直接第2クレーンBに結び付ける。結束要素1003は、第1クレーンAの上部旋回体13と第2クレーンBの上部旋回体に直接取り付けられている。その結束要素1003は、クレーンA、Bのそれぞれに取り外し可能に取り付けられている。その上、可変長及び/又は可変力調整要素1004が設けられている。可変長及び/又は可変力調整要素1004は、クレーンA、B、特にクレーンA、Bのブームa、bにおける反力の非対称な分布の補償を可能にする。
図7(a)の好ましい実施形態によれば、可変長及び/又は可変力調整要素1004は、油圧シリンダである。しかし、可変長及び/又は可変力調整要素1004として空気圧シリンダを使用することも可能である。なおその上に、その要素1004は、ロープウィンチ又はロープウィンチと複数の滑車の組み合わせを備えてもよい。特に、油圧パイプに沿った漏損で引き起こされる非対称な負荷を補償することができる。また、非対称な負荷は複数の巻き上げウインチによって引き起こされ得るが、それら巻き上げウインチはブームa、bをブームホイストワイヤロープ19で結びつけるのに用いられる。
図7に示すように、組み合わせクレーン100の非対称の負荷は、主にクレーンA、Bの異なる長さのブームa、bによって引き起こされる。しかし、ブームホイストワイヤロープ19及び/又は漏損によるブームa、bの非対称の巻き上げもまた、非対称の負荷状態を引き起こす可能性がある。したがって、可変長及び/又は可変力調整要素もまた、
図8又は9に示されているように、クレーンに組み込んでもよい。
【0058】
本発明のコネクタ及び組み合わせクレーンの利点をより明確に理解するために、複数の図面に示されたクローラークレーンは、本発明と組み合わせクレーンの作業過程にしたがって、コネクタの組立方法を説明するための一例とみなされる。
【0059】
本発明のコネクタの組立方法は、空間的な位置に関して以下のとおりに分類できる:
1)地面上での組み立て。2)空中での組み立て。コネクタの組立方法はまた、手動又は自動で行える。したがって、本発明のコネクタは、空中で自動的に、又は地面上で手作業でなどというように組み立てられる。以下は、組立方法の2つの例示的な説明である。
【0060】
地面上での手作業による連結:クレーンA及びBのブームは、実質的に水平に置かれ、同一ラフィング平面内で互いに対向して配置されている;コネクタ1の第1連結アーム101の自由端1010は、クレーンAのブームの自由端に固定して連結され、コネクタの第2連結アーム102の自由端1020は、クレーンBのブームの自由端に固定して連結され、それら各自の開口部104が一列に並ぶように、第1及び第2連結アームを互いの相対位置に合わせられる。ピン103は、整列した複数の開口部に挿入され、停止装置又はロック機構により固定される;クレーンA、Bのブームは、ラフィング機構によって吊り上げられ、クレーンA、Bのクローラーは、必要に応じて、各自の方向に進むように指示される。
【0061】
空中での自動的な連結:クレーンA、Bのブームは、それぞれのピッチ角を有し、それらクレーンは、クレーンA、Bのブームが同一ラフィング平面内で対向して位置するように、制御システムによって制御されて移動又は旋回する;制御システムからの制御信号がロボットアームに指示し、第1及び第2連結アームの自由端をそれぞれクレーンA、Bのブームの自由端と堅固に連結させる;第1連結アーム101と第2連結アーム102は、ガイド機構の導きを介して配置される;位置決め後、ロボットアームは、制御システムからの制御指令の下で、ヒンジ結合を行うために、第1及び第2連結アームのヒンジ領域にある複数の開口部にピンを挿入する;制御システムは、次に、ロック/アンロック機構108に制御コマンドを送信して、ヒンジ結合をロックし、それが分離するのを防ぐ。すべての上記動作は、制御システムの制御下にあるロボットアームによって行われるため、連結は迅速かつ正確な方法で行われる。したがって、2台の基本的なクレーンの組み立てと連結のために、地上から高い所で作業する作業者達に起こる様々な安全事故のリスクを回避できる。
【0062】
通常、複数のブームが空中に立設される際には、それらブームの自由端は一般に、地上5メートル、15メートル又はそれ以上に位置していることに留意すべきであり、作業者達の高所作業に含まれるリスク及びコストの両方は非常に大きい。したがって、連結を遂行する自動手段は著しく有利である。運転室内の作業者は、連結のための個々の信号を送信することのみ必要である:複数のクレーンの移動・複数のブームの下降・僅かな左への旋回・僅かな右への旋回・複数の開口部へのピンの挿入又はピンでの連結アームの固定・ロック/アンロック機構を作動させる信号の送信、など。したがって、自動手段は簡単に実行でき、作業エラーの発生する可能性は低めである。
【0063】
実際のところ、すべての上記連結動作は標準化でき、プログラミングにより自動化できるので、地面上でのコネクタの組立の技術的解決法もまた、制御システムの自動制御の援助で達成できる。
【0064】
確実に組み立てられた組み合わせクレーン100については、まず、それぞれの旋回支持機構のブレーキが制御システムに指示されて開放状態となる。つまり、複数のブレーキが切り替えられて、旋回支持機構の旋回運動に掛けられた制動が解放され、そして各々基本的なクレーンは、自由に旋回動作を行うことができる。吊り上げ作業の間、基本的なクレーンの各々の走行クローラーは、任意の方向へ移動できる。
【0065】
このコネクタで達成されたヒンジ結合は、2台の基本的なクレーンのブームを三角形にほぼ形づくる。(その三角形がある平面は、複数のブームの共通のラフィング平面である。)その2つのブームがなす角度は、2台の基本的なクレーン間の水平距離の変化に応じて変化し、その角度の変化中、2つのブームの動作は常にヒンジ結合のために、互いに関連付けられる。組み合わせクレーンが、2つのブームで定義された角度の内側に位置する重量を扱っているとき、このような組み合わせクレーンの転倒防止能力と構造的安定性は、大幅に向上される。
【0066】
組み合わせクレーン100の吊り上げ作業中、コネクタが力を伝達する中間要素としての役目を果たし、2つのブームに作用する水平方向の反力が相殺されるので、ペンダントバー内の力はブームを支持するのに常に必要でない。言い換えれば、複数のクレーンが移動又は複数のブームがピッチ角を変化しているとき、ペンダントバーは完全に弛んだ状態にできる。ペンダントバーは常時張られていないので、複数のブームに作用する軸方向の力は、大幅に低減され、時には半分程度である。さらに、ペンダントバー、巻き上げワイヤロープ及びマストのような、いくつかの構成部品は、それらが支える力が減少するので、もはや制限要因とは見なされない。このことは、吊り上げの要求を満たすために、高価な部品、例えば比較的大きな径の、ワイヤロープ、滑車又はベアリングを購入する費用が必要とされないことを意味する。
【0067】
組み合わせクレーン100の吊り上げ作業中に、制御システムは、ペンダントバーが支持する力のリアルタイム監視を実施しなければならない。ペンダントバーの力が非常に小さい場合、巻き上げワイヤロープは、ロープの絡まりなどの二次障害を防ぐために、制御システムによって制御されなければならない。また、複数のブームが水平になったときは、2台の基本的なクレーンのペンダントバー内の張力は、それらブームを持ち上げるため、したがってそれらクレーンが地面から滑るのを防ぐために、制御システムによって増加される。
【0068】
上記の描写は、本発明の好ましい実施形態のみを述べたものであり、本発明を限定又は制限すると解釈してはならない。さまざまな変更及び変形は、当業者の行使によって、本発明の範囲から逸脱することなく行えるからである。他の実施形態は、本明細書の開示に基づいて得ることができる。説明及び複数の実施形態は単なる例示とみなされるものとし、本発明の真の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される。また、
図8を参照して、組み合わせクレーン100の更なる実施形態について説明する。
図8に記載の組み合わせクレーン100は、
図2の組み合わせクレーン100と同様である。主な違いは、結束要素1002の使用である。結束要素1002は、それ自体、
図9の結束要素1001と、又は
図7(a)の結束要素1003とあらゆる点で等しいといえる。
図8に示すように、結束要素1002は、第1クレーンAのクローラー110と第2クレーンBのクローラー110に直接固定されている。
図8の組み合わせクレーン100の全体的な安定性は、更に強化される。一方、クレーンA、Bの一方のいずれかの下部走行体11、特にクレーンA、Bのクローラー110に、結束要素1001を取り付けることもまた、可能である。
【0069】
また、
図9を参照して、組み合わせクレーン100の更なる実施形態について説明する。
図9に記載の組み合わせクレーン100は、
図8の組み合わせクレーンと類似である。主な違いは、結束要素1001の位置である。組み合わせクレーン100の安定性を高めるために、結束要素1001が設けられている。結束要素1001は第1クレーンAと、第2クレーンBとを結びつける。
図2の好ましい実施形態に係る結束要素1001は、ロープである。また一方、別の実施形態が可能であり、例えば、連結棒やチェーンである。クレーンの安定性を更に高めるために、2つ以上の結束要素1001を設けることもまた可能である。
図2に示すように、結束要素1001は、第1クレーンAのブームaと第2クレーンBのブームbとに取り外し可能に取り付けられている。結束要素1001のブームa、bへの取り外し可能な取り付けにより、結束要素1001をクレーンA、Bから取り外して搬送できる。結束要素1001は、好ましくは、水平方向に向けられている。しかし、結束要素1001の斜め方向配置は可能である。最大傾斜角度は、多くとも10°であり、特に多くとも5°、特に多くとも1°である。結束要素1001は、力の三角形の閉合(closure)を可能にする。力の三角形は組み合わせクレーンによって吊り上げられる負荷によって与えられ、クレーンA、Bのブームa、bに伝わる。ひとたび、力の三角形3のブームa、bにある負荷が、複数のクローラー110と地面間の摩擦力を超えれば、クレーンA、Bは互いに離れることになる。このようなクレーンA、Bの離間は、結束要素1001により防止される。結束要素1001は、いずれにせよ、吊り上げられる高負荷のための単一の組み合わせクレーン100の安定性を増加させる。