特許第6496575号(P6496575)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496575
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】制御システム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20130101AFI20190325BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20190325BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20190325BHJP
   H05B 37/02 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   G06F3/0488
   H04Q9/00 331A
   F24F11/56
   H05B37/02 B
   H05B37/02 C
   H05B37/02 H
【請求項の数】9
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-47368(P2015-47368)
(22)【出願日】2015年3月10日
(65)【公開番号】特開2016-167224(P2016-167224A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2018年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】忽那 秀治
【審査官】 滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−291068(JP,A)
【文献】 特開平03−038715(JP,A)
【文献】 特開平06−251263(JP,A)
【文献】 特開2007−104567(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/128779(WO,A1)
【文献】 三木光範、廣安知之、秋山寛敏,Webブラウザを使用した照明制御ユーザインターフェース,情報処理学会第71回全国大会講演論文集(4),日本,情報処理学会,2009年 3月10日,4-185,4-186
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0488
F24F 11/56
H04Q 9/00
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の場所を示す図を表示する表示部と、
前記場所用の設備に対して所定の動作を指示する第1操作を入力するとともに、前記図上の任意の範囲を指定する第2操作を入力する入力部と、
前記第1操作に対応する第1情報と、前記第2操作に対応する第2情報とを送信する送信部と
を有する端末と、
前記送信部が送信した前記第1情報及び前記第2情報を受信する受信部と、
前記図上の位置に対応付けて前記場所用の1又は複数の設備の区画を示す情報を記憶するとともに、前記各設備の区画を制御するための情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部を参照して、前記第2情報に対応する1又は複数の前記設備の区画を選択し、当該選択した1又は複数の前記設備の区画の動作を前記第1情報に基づき制御するための制御信号を出力する出力部と
を有する制御装置と
を備えることを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記第2操作が、前記第1操作に続いて行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記入力部の入力面と前記表示部の表示面とが一体的に構成されていて、
前記第1操作が、前記表示部に表示されたアイコンに対して触れる操作であり、
前記第2操作が、前記図上で任意の範囲をなぞる操作である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記入力部の入力面と前記表示部の表示面とが一体的に構成されていて、
前記第1操作が、前記表示部に表示されたアイコンに対して触れる操作であり、
前記第2操作が、前記図上で任意の範囲をなぞって囲む操作である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制御システム。
【請求項5】
前記入力部の入力面と前記表示部の表示面とが一体的に構成されていて、
前記第1操作が、前記表示部に表示されたアイコンに対して触れる操作であり、
前記第2操作が、前記第1操作で触れたアイコンに触れたまま前記図上の任意の位置まで移動して離す操作である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制御システム。
【請求項6】
前記出力部が、複数回の前記第1操作と前記第2操作とに基づいて前記制御信号を出力する
ことを特徴とする請求項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記設備が、前記場所で用いられる電気機器である
ことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の制御システム。
【請求項8】
端末において、
表示部で、所定の場所を示す図を表示するステップと、
入力部で、前記場所用の設備に対して所定の動作を指示する第1操作を入力するとともに、前記図上の任意の範囲を指定する第2操作を入力するステップと、
送信部で、前記第1操作に対応する第1情報と、前記第2操作に対応する第2情報とを送信するステップと、
制御装置において、
前記図上の位置に対応付けて前記場所用の1又は複数の設備の区画を示す情報を記憶するとともに、前記各設備の区画を制御するための情報を記憶する記憶部を用いて、
受信部で、前記送信部が送信した前記第1情報及び前記第2情報を受信するステップと、
出力部で、前記記憶部を参照して、前記第2情報に対応する1又は複数の前記設備の区画を選択し、当該選択した1又は複数の前記設備の区画の動作を前記第1情報に基づき制御するための制御信号を出力するステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項9】
端末のコンピュータに、
表示部で、所定の場所を示す図を表示するステップと、
入力部で、前記場所用の設備に対して所定の動作を指示する第1操作を入力するとともに、前記図上の任意の範囲を指定する第2操作を入力するステップと、
送信部で、前記第1操作に対応する第1情報と、前記第2操作に対応する第2情報とを送信するステップと
を実行させるとともに、
制御装置のコンピュータに、
前記図上の位置に対応付けて前記場所用の1又は複数の設備の区画を示す情報を記憶するとともに、前記各設備の区画を制御するための情報を記憶する記憶部を用いて、
受信部で、前記送信部が送信した前記第1情報及び前記第2情報を受信するステップと、
出力部で、前記記憶部を参照して、前記第2情報に対応する1又は複数の前記設備の区画を選択し、当該選択した1又は複数の前記設備の区画の動作を前記第1情報に基づき制御するための制御信号を出力するステップと
実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物には、空気調和設備(空調設備)、照明設備、など各種設備が複数設けられ、それぞれの設備は、それぞれの設備制御装置により制御されている。このような設備の状態を調整する場合には、操作盤やスイッチなどを操作することにより行われている。ただし、設備そのもの位置や、その設備に対応して設けられている操作盤やスイッチなどの位置がわかりにくい場合には、操作を容易に行えないことがある。このため、操作を容易にする技術が種々提案されている(例えば、特許文献1から3参照)。これらの文献に記載されている構成では、画面上に表示されたアイコン、シンボル等をユーザがタッチすることで、対象とする設備の指定や調整内容の決定が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−38715号公報
【特許文献2】特開平5−3590号公報
【特許文献3】特開平6−269070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、オフィスビル等では、省エネ等のため、空調設備、照明設備等の区画の細分化や運用時における使用区画の限定化が望まれている。また、ユーザに対しては、区画を適切に選択した上で、こまめに設備を調整する操作を行うことが求められる場合がある。しかしながら、特許文献1から3に示されているような、予め決められたアイコン、シンボル等をタッチすることで入力操作を行うユーザインターフェースでは、細分化された区画に対する調整操作において、例えば範囲選択の柔軟性が乏しいなど、操作性が充分ではない場合が生じるという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、操作性の良いユーザインターフェースを備えた制御システム、制御方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、所定の場所を示す図を表示する表示部と、前記場所用の設備に対して所定の動作を指示する第1操作を入力するとともに、前記図上の任意の範囲を指定する第2操作を入力する入力部と、前記第1操作に対応する第1情報と、前記第2操作に対応する第2情報とを送信する送信部とを有する端末と、前記送信部が送信した前記第1情報及び前記第2情報を受信する受信部と、前記図上の位置に対応付けて前記場所用の1又は複数の設備の区画を示す情報を記憶するとともに、前記各設備の区画を制御するための情報を記憶する記憶部と、前記記憶部を参照して、前記第2情報に対応する1又は複数の前記設備の区画を選択し、当該選択した1又は複数の前記設備の区画の動作を前記第1情報に基づき制御するための制御信号を出力する出力部とを有する制御装置とを備えることを特徴とする制御システムである。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の制御システムにおいて、前記第2操作が、前記第1操作に続いて行われることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の制御システムにおいて、前記入力部の入力面と前記表示部の表示面とが一体的に構成されていて、前記第1操作が、前記表示部に表示されたアイコンに対して触れる操作であり、前記第2操作が、前記図上で任意の範囲をなぞる操作であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の制御システムにおいて、前記入力部の入力面と前記表示部の表示面とが一体的に構成されていて、前記第1操作が、前記表示部に表示されたアイコンに対して触れる操作であり、前記第2操作が、前記図上で任意の範囲をなぞって囲む操作であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の制御システムにおいて、前記入力部の入力面と前記表示部の表示面とが一体的に構成されていて、前記第1操作が、前記表示部に表示されたアイコンに対して触れる操作であり、前記第2操作が、前記第1操作で触れたアイコンに触れたまま前記図上の任意の位置まで移動して離す操作であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記の制御システムにおいて、前記出力部が、複数回の前記第1操作と前記第2操作とに基づいて前記制御信号を出力することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記の制御システムにおいて、前記設備が、前記場所で用いられる電気機器であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様は、端末において、表示部で、所定の場所を示す図を表示するステップと、入力部で、前記場所用の設備に対して所定の動作を指示する第1操作を入力するとともに、前記図上の任意の範囲を指定する第2操作を入力するステップと、送信部で、前記第1操作に対応する第1情報と、前記第2操作に対応する第2情報とを送信するステップと、制御装置において、前記図上の位置に対応付けて前記場所用の1又は複数の設備の区画を示す情報を記憶するとともに、前記各設備の区画を制御するための情報を記憶する記憶部を用いて、受信部で、前記送信部が送信した前記第1情報及び前記第2情報を受信するステップと、出力部で、前記記憶部を参照して、前記第2情報に対応する1又は複数の前記設備の区画を選択し、当該選択した1又は複数の前記設備の区画の動作を前記第1情報に基づき制御するための制御信号を出力するステップとを含むことを特徴とする制御方法である。
【0016】
また、本発明の一態様は、端末のコンピュータに、表示部で、所定の場所を示す図を表示するステップと、入力部で、前記場所用の設備に対して所定の動作を指示する第1操作を入力するとともに、前記図上の任意の範囲を指定する第2操作を入力するステップと、送信部で、前記第1操作に対応する第1情報と、前記第2操作に対応する第2情報とを送信するステップとを実行させるとともに、制御装置のコンピュータに、前記図上の位置に対応付けて前記場所用の1又は複数の設備の区画を示す情報を記憶するとともに、前記各設備の区画を制御するための情報を記憶する記憶部を用いて、受信部で、前記送信部が送信した前記第1情報及び前記第2情報を受信するステップと、出力部で、前記記憶部を参照して、前記第2情報に対応する1又は複数の前記設備の区画を選択し、当該選択した1又は複数の前記設備の区画の動作を前記第1情報に基づき制御するための制御信号を出力するステップと実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡単な操作で任意の範囲に対応する適切な設備を選択することができる。よって、操作における煩わしさを低減することができ、ユーザインターフェースの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態による制御システムの構成を説明するための概略ブロック図である。
図2】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図3】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の領域7に表示する図の一例を説明するための説明図である。
図4】本発明の実施形態による端末1の動作例を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図6】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図7】本発明の実施形態による端末1の動作例を説明するための説明図である。
図8】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図9】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図10】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図11】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図12】本発明の実施形態による端末1の動作例を説明するための説明図である。
図13】本発明の実施形態による端末1の動作例を説明するための説明図である。
図14】本発明の実施形態による記憶部21の構成例を説明するための説明図である。
図15】本発明の実施形態による記憶部21の構成例を説明するための説明図である。
図16】本発明の実施形態による制御装置2の動作例を説明するためのフローチャートである。
図17】本発明の実施形態による制御装置2の動作例を説明するための説明図である。
図18】本発明の実施形態による制御装置2の動作例を説明するための説明図である。
図19】本発明の実施形態による制御装置2の動作例を説明するための説明図である。
図20】本発明の実施形態による制御装置2の動作例を説明するための説明図である。
図21】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図22】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図23】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図24】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図25】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図26】本発明の実施形態による表示部11の表示画面の一例を説明するための説明図である。
図27】本発明の実施形態による制御システムの制御対象の一例を説明するための概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態による制御システムの構成を説明するための概略ブロック図である。制御システム100は、端末1と、制御装置2とを備えている。端末1と制御装置2とは、図示していない無線や有線の通信回線を介して接続される。端末1は、ユーザの入力操作に基づき、設備を操作するために用いる第1情報と第2情報とを生成し、制御装置2に対して送信する。第1情報は、設備に対する操作の内容を指示するための情報である。第2情報は、操作対象の設備を特定するための情報である。制御装置2は、図示していない無線や有線の通信回線を介して設備制御装置3と接続され、第1情報と第2情報と基づき設備を制御するための制御信号を生成し、設備制御装置3に対して出力する。設備制御装置3は、制御装置2から受信した制御信号に基づき複数の照明設備4と複数の空調設備5とを制御する。
【0021】
端末1は、インターネット、ローカルエリアネットワーク等における通信回線を介して各種サーバ等と通信可能な携帯型の情報端末(クライアント)であり、スマートフォン、携帯電話、ノート型PC(Personal Computer)、タブレット型PC、携帯型ゲーム機等のスマートデバイスを適用することができる。ここでは、端末1は、スマートフォンであるものとして説明する。なお、この図では1台の端末1を図示しているが、複数のユーザがそれぞれ利用している各端末1が、通信回線を介して制御装置2に接続される。
【0022】
図1の概略ブロック図において、端末1は、表示部11と入力部12とを含むタッチパネル13と、送信部14とを備える。表示部11、入力部12、タッチパネル13及び送信部14は、CPU(中央処理装置)、MPU(超小型演算装置)等のプロセッサ及びその周辺装置と、プロセッサが実行するプログラムとの組み合わせから構成された機能ブロックである。表示部11、入力部12、タッチパネル13又は送信部14を構成するプロセッサやプログラムは、各ブロックにそれぞれ設けられていてもよいし、複数のブロックで共用されていてもよい。
【0023】
タッチパネル13を構成する表示部11の表示面と入力部12の入力面とは重ね合わせて一体として構成されている。表示部11は、画像や文字等の情報を表示する液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を備えている。入力部12は、表示部11の表示面上における接触を検知することにより、ユーザからの操作入力を受け付ける。例えば、入力部12は、静電容量の変化、圧力の変化、電気抵抗の変化などを利用して接触を検出するタッチセンサを備えている。入力部12は、ユーザからの操作入力を受け付けると、受け付けた操作入力に応じた操作入力信号を送信部14に供給する。
【0024】
本実施形態において表示部11は、所定の場所を示す図を表示する。所定の場所とは、例えば1棟の建物、建物の1フロア、建物内の1又は複数の部屋、1フロア又は1部屋内の1又は複数の区域等に対応し、例えば予め1つに決められていたり、複数用意されたもののなかからユーザによって選択されたりしたものである。所定の場所を示す図とは、例えばその場所を示す平面図であって、その場所内の位置関係を示す表示情報を含むものである。位置関係を示す表示情報とは、例えば、方角を表す印であったり、壁、柱、扉、窓、階段、エレベータ、エスカレータ等の建物の構成要素であったり、机、間仕切り等の什器であったり、場所の名称(例えば部屋の名称)、部署名、個人名等を表す文字情報であったり、それらを示すシンボルであったりする。なお、所定の場所は、屋内に限らず、屋外であってもよい。
【0025】
また、表示部11は、表示した図が示す場所用の設備に対して所定の動作を指示する第1操作を入力するための複数のボタンを表示する。また、入力部12は、表示した場所用の設備に対して所定の動作を指示するためのボタンに対する入力操作である第1操作を入力するとともに、表示した図上の任意の範囲を指定する第2操作を入力する。第1操作は、ボタンに対するタッチやタッピング、ボタンをドラッグする際のタッチしたままスライドさせるドラッグ操作を開始するタッチ等とすることができる。第2操作は、表示した図上で任意の範囲を、特定の方向に表示面をなぞる操作、特定の領域をなぞって囲む操作、第1操作でタッチしたボタンをタッチしたまま図上の任意の位置までドラッグしてドロップする操作等である。あるいは、第2操作は、表示した図上で任意の範囲を、水平状又は垂直状になぞる操作であってもよい。その場合、水平状又は垂直状になぞった軌跡から上下又は左右方向に所定の大きさの領域を含む範囲を、任意の範囲とすることができる。あるいは、第2操作は、表示した図上で任意の範囲を、線状に又はユーザの操作により定まる任意の形状になぞる操作であってもよい。その場合、線状に又はユーザの操作により定まる任意の形状になぞった軌跡から上下又は左右方向に所定の大きさの領域を含む範囲を、任意の範囲とすることができる。また、第1操作と第2操作との関連づけは、操作の順序、ドラッグ操作などによるものとする。すなわち、例えば、第1操作とそれに続く第2操作とを互いに関連づけることができる。
【0026】
図2は、表示部11が表示する表示画面の一例を示した図である。図2に示した表示画面11aは、処理を特定するボタン61から64を表示する領域6と、所定の場所を示す図(71)を表示する領域7とを同一の画面に表示する。ここで、括弧内の数字71は図面上の符号である。この例では、領域6は、照明設備をオン(点灯)させる指示を入力するためのボタン61と、照明設備をオフ(消灯)させる指示を入力するためのボタン62と、空調設備の設定温度を上昇させる指示を入力するためのボタン63と、空調設備の設定温度を低下させる指示を入力するためのボタン64とを含む。ボタン61とボタン62とは互いに異なる色で表示されている。また、ボタン63とボタン64とは互いに異なる色で表示されている。なお、本願においては、ボタンはアイコンの一形態であるとする。
【0027】
図(71)は、平面図であり、この例ではあるビル(名称を仮に新大橋ビルとする)の2階フロアの一部の範囲を表示している。すなわち、新大橋ビルの2階フロアの全体図が例えば図3に示した図(73)である場合、図2の図(71)は図(73)上で破線で囲んだ一部の範囲に対応している。図(73)も、図(71)と同様、本実施形態における所定の場所を示す図である。表示部11は、入力部12に対するユーザのタッチ操作に応じて、図2の領域7に表示する図(71)を拡大あるいは縮小したり、スクロールしたりする。
【0028】
ここで、図4から図7を参照して、図2の表示画面11aに対するユーザの入力操作について一例を説明する。図4は、端末1の入力操作に対する動作の一例を説明するためのフローチャートである。図5及び図6は、図2の表示画面11aの表示内容の変化を表示画面11b及び11cとして示した説明図である。そして、図7は、全体図(73)を示す平面図である。ここでは、表示部11が図2に示した表示画面11aを表示した状態で、ユーザが図(71)内の所望の範囲の照明設備をオン(点灯)する操作を行う場合について説明する。
【0029】
ユーザは、例えば所定のアプリケーションプログラムを起動し、場所の選択等を行うことで図2に示した表示画面11aを表示部11に表示する。そして、図2に示した表示画面11aが表示部11に表示された状態で、ユーザはまず領域6内のボタン61にタッチする(図5)。この入力操作が、上述した表示部11が表示した図(71)が示す場所用の設備に対して所定の動作を指示する第1操作である。図5は、表示部11が図2の表示画面11aを表示している状態で、入力部12がボタン61へのタッチを検知した後の表示部11の表示画面11bを示している。なお、図5で吹き出しで示したタッチ(照明/ON)は説明文であり、表示内容には含まれない。
【0030】
ユーザがボタン61にタッチすると、入力部12は、ボタン61がタッチされたことを検知し、次に表示部11がボタン61を図2に示した通常の状態から図5に示した選択された状態のアイコンに切り換えて表示する(図4のステップS11)。
【0031】
次に、ユーザは、照明設備をオンさせる図(71)内の所望の範囲を指定する操作を行う。この入力操作が、上述した表示部11が表示した図(71)上の任意の範囲を指定する第2操作である。例えばユーザが図5に示した図(71)において下段の1行4個の机72が位置する区画に対応した照明設備をオンしようとする場合、ユーザは例えば図6に示したように下段の1行4個の机72を囲む矩形の領域の対角線をおおむねなぞるようにタッチパネル13上で指をドラッグする(スライドさせる)操作を行う。ドラッグの軌跡を軌跡81として示した。
【0032】
ユーザが軌跡81で示したドラッグの入力操作を行った場合、入力部12は、軌跡81上の座標を一定の時間間隔で繰り返し取り込み、軌跡81上の複数の座標を入力することで、図(71)上で任意の範囲を指定する操作を入力する(ステップS12)。その際、表示部11は、入力部12に対する入力操作に応じて、軌跡81を表示してもよいし、表示しなくてもよい。また、表示部11は、軌跡81を対角線とする矩形の範囲の表示色を変更したり、表示色を周期的に変えて点滅しているように表示したりしてもよい。
【0033】
次に、送信部14が、ボタン61の入力操作に対応する情報(例えばボタン61の識別情報)を第1情報として、また、範囲指定の入力操作に対応する例えば軌跡81の始点及び終点を示す座標情報を第2情報として、制御装置2に対して送信する(ステップS13)。例えば図7に示したように、送信部14は、軌跡81の始点A及び終点Bの座標を、全体図(73)の左上隅の座標を原点Oとする所定の直交座標系の座標で表すことができる。なお、第1情報は、第1操作に対応した情報であり、第1操作の内容を表す情報である。また、上述したように、第1情報は、設備に対する操作の内容を指示するための情報として用いられる。また、第2情報は、第2操作に対応した情報であり、第2操作の内容を表す情報である。また、上述したように、第2情報は、操作対象の設備を特定するための情報として用いられる。
【0034】
なお、送信部14は、第1情報と第2情報とを制御装置2に対して送信する際に、例えば、端末1の識別情報、ユーザの識別情報等をあわせて制御装置2に対して送信してもよい。また、端末1の表示部11が表示する全体図(73)は、例えば制御装置2から端末1に対して事前に送信して、端末1内の所定の記憶装置に一時的に記憶することができる。この場合、制御装置2は、端末1で表示している図あるいは場所を、端末1から図(73)の識別情報等の提供を受けることなく、認識することができる。ただし、例えば、端末1が複数の場所の全体図を記憶している場合、ユーザがどの場所の全体図を選択したのかということを、送信部14は、第1情報及び第2情報とともに、制御装置2に対して送信する。
【0035】
また、上述したように、第2操作は、上記の図上で任意の範囲を特定の方向になぞる操作に限らず、特定の領域をなぞって囲む操作、第1操作でタッチしたボタンをタッチしたまま図上の任意の位置までドラッグしてドロップする操作等とすることができる。
【0036】
図8は、第2操作を任意の範囲をなぞって囲む操作とする場合の例を説明するための説明図である。図8に示した表示画面11d上には、ユーザがボタン61にタッチした後、対象とする範囲を囲むようになぞった軌跡82を示している。この場合、軌跡82は閉じていなくてもよい。また、軌跡82は、表示してもよいし、表示しなくてもよい。また、軌跡82で囲まれた範囲あるいはその範囲の周辺を含む範囲の表示色を変更したり、表示色を周期的に変えて点滅しているように表示したりしてもよい。また、送信部14は、ボタン61の入力操作に対応する情報(例えばボタン61の識別情報)を第1情報として、また、例えば、範囲指定の入力操作に対応する軌跡82の座標の横方向(x方向)の最大値及び最小値と縦方向(y方向)の最大値及び最小値とを第2情報として、制御装置2に対して送信することができる。
【0037】
次に、図9及び図10は、第2操作を、第1操作でタッチしたボタンを図上の任意の位置までドラッグしてドロップする操作とする場合の例を説明するための説明図である。図9に示した表示画面11eでは、太線の矢印で示したように、ユーザが第1操作でタッチしたボタン61をタッチしたまま任意の目的とする位置83までドラッグした状態を示している。また、図10に示した表示画面11fでは、ユーザがボタン61を最終の位置83でドロップした状態を示している。表示部11は、ユーザがボタン61を最終の位置83でドロップした後、最終の位置83でボタン61を継続して表示する。この場合、例えば、ボタン61をドロップした最終の位置83の周辺領域84を指定範囲とすることができる。また、周辺領域84はユーザによるピンチイン、ピンチアウト等の操作で縮小したり拡大したりできるようにしてもよい。また、周辺領域84の表示色を変更したり、表示色を周期的に変えて点滅しているように表示したりしてもよい。また、送信部14は、ボタン61の入力操作に対応する情報(例えばボタン61の識別情報)を第1情報として制御装置2に対して送信することができる。また、送信部14は、例えば、周辺領域84が予め決められた大きさである場合にはボタン61の最終の位置83の座標を第2情報として、また、周辺領域84を変更可能とした場合にはボタン61の最終の位置83の座標と、周辺領域84の形状や大きさを表す情報とを第2情報として、制御装置2に対して送信することができる。
【0038】
また、図9及び図10を参照して説明したように、第2操作を第1操作でタッチしたボタンを図上の任意の位置までドラッグしてドロップする操作とする場合、図11に示したように、複数のボタンをドラッグ及びドロップできるようにしてもよい。この場合、ユーザは、第1操作としてボタン61にタッチし、第2操作としてボタン61を図(71)上の位置83までドラッグしてドロップした後、2回目の第1操作としてボタン64にタッチし、2回目の第2操作としてボタン64を図(71)上の位置85までドラッグしてドロップする入力操作を行う。図11に示した表示画面11gでは、図10に示した表示画面11fにおいて、太線の矢印で示したように、ユーザが2回目の第1操作でタッチしたボタン64を第2操作としてタッチしたまま任意の目的とする位置85までドラッグした状態を示している。表示部11は、ユーザがボタン64を最終の位置85でドロップした後、最終の位置85でボタン64を継続して表示することができる。この場合、例えば、1個目のボタン61をドロップした最終の位置83の周辺領域84を指定範囲としたり、2個目のボタン64をドロップした最終の位置85の周辺領域を指定範囲としたり、最終の位置83と最終の位置85との両方に基づいて指定範囲を決定したりすることができる。
【0039】
一方、図1に示した制御装置2は、記憶部21と、出力部22と、受信部23とを備える。制御装置2は、例えばサーバ等のコンピュータとして構成されている。また、記憶部21、出力部22及び受信部23は、CPU、MPU等のプロセッサ及びその周辺装置と、プロセッサが実行するプログラムとの組み合わせから構成された機能ブロックである。記憶部21、出力部22又は受信部23を構成するプロセッサやプログラムは、各ブロックにそれぞれ設けられていてもよいし、複数のブロックで共用されていてもよい。
【0040】
受信部23は、端末1の送信部14が送信した第1情報と第2情報とを受信する。また、受信部23は、さらに、端末1の送信部14が送信した端末1の識別情報やユーザの識別情報、あるいは第1情報と第2情報を作成する際に用いられた場所あるいは全体図についての情報を受信することができる。
【0041】
記憶部21は、所定の場所を示す図上の位置に対応付けて当該所定の場所用の1又は複数の設備の区画を示す情報を記憶するとともに、各設備を制御するための情報を記憶する。
【0042】
図12は、図(73)で示した場所用に設置されている照明設備4の区画を示した説明図である。ここで、本実施形態において設備の区画とは、照明設備、空調設備等の設備の効力が及ぶ範囲あるいは利用可能な範囲を意味する。図12に示した例では、照明設備4は、図(73)で示された場所用に18の区画L11からL63に分けて、区画毎に独立して制御可能(すなわちオン又はオフ可能)となるように設置されている。記憶部21は、例えば、場所の識別情報(あるいは図(73)の識別情報)と設備の識別情報(例えば設備名称)とに対応付けて、図(73)上の各区画L11からL63の範囲を示す座標を、設備の区画を示す情報として記憶する。
【0043】
次に、図13は、図(73)で示した場所用に設置されている空調設備5の区画を示した説明図である。図13に示した例では、空調設備5は、図(73)で示された場所用に9の区画A11からA33に分けて、区画毎に独立して制御可能(すなわち温度調節可能)となるように設置されている。記憶部21は、例えば、場所の識別情報(あるいは図(73)の識別情報)と設備の識別情報(例えば設備名称)とに対応付けて、図(73)上の各区画A11からA33の範囲を示す座標を、設備の区画を示す情報として記憶する。
【0044】
図14は、記憶部21が記憶する設備の区画を示す情報の構成例を示した説明図である。図14に示した例では、記憶部21は、場所の識別情報(すなわち図(73)の識別情報)と、対象設備の識別情報(設備名称)と、各区画の識別情報と、各区画の範囲を示す座標とを対応付けて記憶する。
【0045】
なお、設備の区画は、格子状に配置されたものに限らず、区画間にすきまがあってもよい。また各区画の形状は、矩形に限らず、楕円状等、任意の形状とすることができる。また、各区画の範囲を示す座標は、例えば、図7を参照して説明した全体図(73)の左上隅の座標を原点Oとする所定の直交座標系における2点以上の座標の組で表すことができる。
【0046】
また、記憶部21は、各設備を制御するための情報として次の情報を記憶する。すなわち、記憶部21は、図15に示したように、第1情報の内容に対応づけて、設備の識別情報と設備制御装置3へ送信する制御内容とを複数組記憶する。図15は、記憶部21が記憶する各設備を制御するための情報の構成例を示した説明図である。図15に示した例では、記憶部21は、第1情報の内容としてボタン61から64の識別情報を記憶する。さらに、記憶部21は、ボタン61から64の識別情報に対応付けて、各ボタン61から64に予め対応付けられている、対象設備の識別情報と制御内容とを記憶する。
【0047】
そして、出力部22は、記憶部21を参照して、受信部23が受信した第2情報に対応する1又は複数の設備を選択し、当該選択した1又は複数の設備の動作を受信部23が受信した第1情報に基づき制御するための制御信号を生成し、設備制御装置3に対して出力する。
【0048】
ここで、図16から図20を参照して、図1の制御装置2の動作例について説明する。図16は、端末1から第1情報及び第2情報を受信した場合の制御装置2の動作の一例を説明するためのフローチャートである。図17から図20は、出力部22の動作例を説明するための説明図である。
【0049】
以下の例では、端末1において、第1操作として図5に示したボタン61をタッチするユーザの入力操作が行われ、続いて第2操作として図6に示した軌跡81でなぞる操作が行われたことに応じて、端末1から第1情報及び第2情報を含む所定形式の信号が送信されたものとする。この場合、第1情報は、ボタン61を示す情報を含む。また、第2情報は、図7に示した始点Aの座標と始点Bの座標とを含む。
【0050】
制御装置2では、端末1から第1情報及び第2情報を含む所定形式の信号が送信されると、受信部23はこの信号を受信する(図16のステップS21)。
【0051】
次に、出力部22は、記憶部21を参照し、第2情報に対応する1又は複数の設備の区画を選択する(ステップS22)。この例において、出力部22は、まず、図15に示した各設備を制御するための情報を参照し、第1情報(ボタン61)の対象設備が照明設備であることを認識する。次に、出力部22は、図14に示した設備の区画を示す情報を参照して、第2情報(始点Aの座標と終点Bの座標)に対応する区画として、図17に示した区画L42を選択する。図17は、図12に示した照明設備4の区画を示した全体図(73)に、始点Aの座標と終点Bの座標との間を結ぶ直線81aを追記したものである。
【0052】
次に、出力部22は、ステップS22で選択した1又は複数の設備の区画の動作を第1情報に基づき制御するための制御信号を生成して、設備制御装置3に対して出力する(ステップS23)。この例において、出力部22は、まず、図15に示した各設備を制御するための情報を参照し、第1情報(ボタン61)に対応する制御内容が、オンであること認識する。次に、出力部22は、対象設備(この例では照明設備)と、制御内容(オン)と、ステップS22で選択した区画L42の識別情報とを、所定形式で示す制御信号を生成し、設備制御装置3に対して出力する。
【0053】
設備制御装置3は、制御信号を受信すると、受信した制御信号に基づき区画L42に対応した照明設備4をオンする。
【0054】
一方、第2操作が、図8に示したように図(71)上の任意の範囲を囲むようになぞる操作である場合、ステップS22において、出力部22は、例えば、図18に示したように、軌跡82によってなぞられた範囲をすべて含むように区画L32と区画L42とを選択する。図18は、図12に示した照明設備4の区画を示した全体図(73)に、図8の表示画面11dで入力された軌跡82を縮尺を合わせて追記したものである。
【0055】
また、第2操作が、図9に示したように図(71)上で第1操作でタッチしたボタンを図上の任意の位置までドラッグしてドロップする操作である場合、ステップS22において、出力部22は、例えば、図19に示したように、ボタン61がドロップされた位置83においてボタン61を表す図形の中心点83pを中心とする所定の周辺領域84をすべて含むように、2つの区画L32と区画L42とを選択する。図19は、図12に示した照明設備4の区画を示した全体図(73)に、図10の表示画面11fで示した周辺領域84を追記したものである。
【0056】
また、第2操作が、図11に示したように図(71)上での2組の第1操作及び第2操作で、タッチした2個のボタンを図上の任意の位置までドラッグしてドロップする操作である場合、ステップS22において、出力部22は、例えば、照明設備4について、図19に示したように、ボタン61がドロップされた位置83においてボタン61を表す図形の中心点83pを中心とする所定の周辺領域84をすべて含むように、2つの区画L32と区画L42を選択するとともに、空調設備5について、図20に示したように、周辺領域84をすべて含むように、2つの区画A22を選択する。図20は、図13に示した空調設備5の区画を示した全体図(73)に、図11の表示画面11gで示した周辺領域84を追記したものである。この場合、ステップS23で、出力部22は、照明設備4に対する制御信号と、空調設備5に対する制御信号との両方を送信する。
【0057】
以上のように、本実施形態によれば、簡単な操作で任意の範囲に対応する適切な設備を選択することができる。よって、操作における煩わしさを低減することができ、ユーザインターフェースの操作性を向上させることができる。
【0058】
なお、本発明の実施の形態は、上記のものに限定されない。例えば、ユーザの権限を、操作を行うことができる者と、情報を閲覧することはできるが操作することはできない者とに分けるなど、操作・閲覧を許可する権限を設定してもよい。また、表示部11では、操作により制御内容や範囲を指定する前に表示画面に、設備の位置を表示してもよい。また、表示部11に表示する図(71)は、実空間の位置関係に対応する平面図であってもよいし、図内の位置関係を分かりやすく変形して表示したものであってもよい。また、図(71)は実際に撮像された画像を含むものであってもよい。
【0059】
また、例えば図2に示した処理内容を特定するボタンを表示する領域6では、ユーザがフリック操作すなわち入力面を上下又は左右にはじく操作を入力することで、表示するボタンを切り換えることができるようにしてもよい。また、各ボタンは、オン・オフ、上昇・下降といった1項目の処理内容を対応させることに限らず、例えば朝用、昼用、夜用、夏用、冬用、休憩時間用といった環境条件(シーン)に対応させ、シーンを指定することで、複数の内容、制御量などを調整できるようにしてもよい。
【0060】
ここで、図21から図26を参照して、表示部11が表示する表示画面の他の例について説明する。なお、図21から図26において図2等に示したものと同一の構成には同一の符号を用いている。
【0061】
図21は、表示部11が表示する表示画面の一例を示した図である。図21に示した表示画面11hは、処理を特定するボタンを表示する領域6内にボタン601から604を表示するとともに、所定の場所を示す図を表示する領域7内に図(71a)を表示する。この場合、図(71a)は、会議室A72aと会議室B72bとを表す表示情報を含む。ボタン601は、会議室A72a等の照明設備や空調設備の動作をプロジェクタを使用する利用状況に適した状態に調節する指示を入力するためのボタンである。ボタン602は、会議室A72a等の照明設備や空調設備の動作を講演を実施する利用状況に適した状態に調節する指示を入力するためのボタンである。ボタン603は、会議室A72a等の照明設備や空調設備の動作を会議を実施する利用状況に適した状態に調節する指示を入力するためのボタンである。ボタン604は、会議室A72a等の照明設備や空調設備の動作を休憩室として使用する利用状況に適した状態に調節する指示を入力するためのボタンである。
【0062】
図22は、図21に示した表示画面11hに対する操作例を示した図である。図22に示した表示画面11iは、太線の矢印91で示したように、ユーザが第1操作でタッチしたボタン601をタッチしたまま任意の目的とする位置92までドラッグしてドロップした状態(第2操作)を示している。これらの第1及び第2操作によって、ユーザは、会議室A72aの照明設備や空調設備の動作をプロジェクタを使用する利用状況に適した状態に調節する指示を入力することができる。
【0063】
図23は、表示部11が表示する表示画面の他の例を示した図である。図23に示した表示画面11jは、処理を特定するボタンを表示する領域6内にボタン611から614を表示するとともに、所定の場所を示す図を表示する領域7内に図(71a)を表示する。ボタン611は、会議室A72a等の照明設備や空調設備の動作をスライドを上映する際の利用状況に適した状態に調節する指示を入力するためのボタンである。ボタン612は、会議室A72a等の照明設備や空調設備の動作を質疑応答を行う際の利用状況に適した状態に調節する指示を入力するためのボタンである。ボタン613は、会議室A72a等で予定されている会や行事の開始5分前である旨のアナウンスを当該会議室A72a等において自動で放送させる指示を入力するためのボタンである。ボタン614は、会議室A72a等にVIP(重要人物)が入室中であることを入退室管理装置等の所定の設備に登録させる指示を入力するためのボタンである。
【0064】
図24は、図23に示した表示画面11jに対する操作例を示した図である。図24に示した表示画面11kは、太線の矢印93で示したように、ユーザが第1操作でタッチしたボタン611をタッチしたまま任意の目的とする位置94までドラッグしてドロップした状態(第2操作)を示している。これらの第1及び第2操作によって、ユーザは、会議室A72aの照明設備や空調設備の動作をスライドを上映する利用状況に適した状態に調節する指示を入力することができる。
【0065】
なお、図21又は図22に示したボタン601から604又はボタン611若しくは612は、端末1において、会議室A72a等の空間の利用状況を指示するボタンであるが、それらのボタンが操作された場合に制御装置2では、例えば次のような処理を行うことができる。すなわち、制御装置2は、1つの利用状況の指示に応じて、1又は複数の設備(機器)の制御パラメータを自動算出し、1又は複数の設備を制御するための制御信号を出力する。例えば、「講演」に適した指示を入力するボタン602が操作された場合、制御装置2は、照明設備4に対して客席照明をオフ(OFF)し、空調設備5に対して空調吹き出し弱を指示する制御を行うことができる。また、制御装置2における上記の制御パラメータの計算は現在の建物状況を考慮して実施することができる。例えば、制御装置2は、省エネが必要な場合は、冷房設定温度を上げる、調光率を下げる等の制御パラメータの調節を行うことができる。
【0066】
図25及び図26は、表示部11が表示する表示画面の一例を示した図である。上記の説明において、第1操作は、表示部11が表示する図に示された場所用の設備に対して所定の動作を指示する操作であり、第2操作は、その図上の任意の範囲を指定する操作であるとした。これに対し、図25及び図26に示した表示画面11l及び11mに対する第1操作及び第2操作の内容は次のように異なる。すなわち、図25及び図26に示した例では、第1操作は、所定の場所を示す図上の指定位置に対応付けて通知する事項を指定する操作であり、第2操作は、図上で任意の位置を指定する操作である。この第2操作に応じて指定位置を決定することができる。ここで、指定位置とは、所定の場所が含む空間的又は平面的な広がりを有する複数の領域のうちで、ユーザが指定した領域である。例えば、所定の場所が建物である場合、指定位置は当該建物においてユーザが指定したフロア、部屋、区域又は地点等に対応する。また、例えば、所定の場所がフロアである場合、指定位置は当該フロアにおいてユーザが指定した部屋、区域又は地点等に対応する。
【0067】
図25に示した表示画面11lは、領域6内にボタン621から626を表示するとともに、領域7内に図(71a)を表示する。この場合、図(71a)は、会議室A72aと会議室B72bとを表す表示情報を含む。ボタン621は、指定位置に故障が発生していることを通知するためのボタンである。ボタン622は、指定位置に注意を要する事項が発生していることを通知するためのボタンである。ボタン623は、指定位置に発生している故障の内容が、照明設備に関するものであることを指定するためのボタンである。ボタン624は、指定位置に発生している故障の内容が、空調設備に関するものであることを指定するためのボタンである。ボタン625は、指定位置に発生している注意事項の内容が、作業中であることを指定するためのボタンである。そして、ボタン626は、指定位置が解錠状態であることを通知するためのボタンである。
【0068】
図25に示した表示画面11lは、太線の矢印95で示したように、ユーザが第1操作でタッチしたボタン621をタッチしたまま任意の目的とする位置96までドラッグしてドロップした状態(第2操作)を示している。これらの第1及び第2操作によって、ユーザは、会議室A72a(指定位置)の設備に故障が発生していることを制御装置2に対して通知することができる。
【0069】
また、図26に示した表示画面11mは、領域6内にボタン631から636を表示するとともに、領域7内に図(71a)を表示する。ボタン631は、指定位置に発生した故障が水漏れであることを指定するためのボタンである。ボタン632は、指定位置に発生した故障が電球等の球切れであることを指定するためのボタンである。ボタン633は、指定位置に発生した故障がドアの異常であることを指定するためのボタンである。ボタン635は、指定位置に発生した故障が異音であることを指定するためのボタンである。ボタン634は、指定位置に発生した故障が異音である場合に、異音が空調設備から発生していることを指定するためのボタンである。そして、ボタン636は、指定位置に発生している故障の内容が、電気器械等の器具に関するものであることを指定するか、あるいは、指定位置に発生した故障が異音である場合に、異音が当該指定位置に設置されている電気器械等の器具から発生していることを指定するためのボタンである。
【0070】
図26に示した表示画面11mは、太線の矢印97で示したように、ユーザが第1操作でタッチしたボタン635をタッチしたまま任意の目的とする位置98までドラッグしてドロップした状態(第2操作)を示している。これらの第1及び第2操作によって、ユーザは、会議室A72a(指定位置)の設備に発生している故障の内容が異音であるということを制御装置2に対して通知することができる。
【0071】
なお、図2又は図21から図24に示した表示画面11a又は表示画面11hから11kでは、各ボタン61から64又は601から604若しくは611から614は、場所用の設備に対して所定の動作を指示する入力操作を行うためのボタンである。これに対し、図25及び図26に示した表示画面11l及び11mでは、各ボタン621から626及び631から636は、場所用の設備に関して通知すべき事項を指示する入力操作を行うためのボタンである。
【0072】
また、上述したように本実施形態において、制御内容は、照明設備、空調設備等の機器を直接的に指定して制御する操作に制限されず、下記のように制御するようにしてもよい。例えば、会議室の環境を調整するにあたり、会議室(空間)の利用状況を指定することにより、間接的に当該会議室に対応して設けられている設備を制御することができる。会議室(空間)の利用状況について例示する。例えば、会議室(空間)の利用状況であれば、「プロジェクタ」の利用中か否か、講演中(「講演」)か否か、会議中(「会議」)か否か、休憩時間(「休憩」)か否か等が挙げられる。
【0073】
また、制御装置2が制御対象とする設備は照明設備4や空調設備5に限定されない。制御装置2は、例えば、図27に設備群200として示したような複数の設備を制御対象とすることができる。図27は、図1に示した制御装置2が、端末1から受信した第1情報、第2情報等に基づいて制御対象とする設備の一例を説明するためのブロック図である。なお、図27に示した制御装置2では、図1に示した出力部22を通信部23として示している。通信部23は、図1の出力部22と同一の構成であるが、制御対象の設備との間で双方向で通信を行うことが可能であるということを示すため、名称を変更している。また、図27では、端末1が、図1では不図示とした出力部15を備えている。出力部15は、音や振動を出力する構成であり、例えば端末1が制御装置2から所定の通知を受けた場合に、所定の音や振動を発生する。
【0074】
入退出管理設備201は、例えば建物内の各部屋への従業員等の入退出を管理する装置であり、制御装置2から受信した制御信号に応じて、各部屋のドアロック201を施錠したり、解錠したりする。例えば、入退出管理設備201は、予め登録された従業員の建物内での位置を常に把握し、従業員が不在の部屋のドアロック201を施錠するという制御を行うことができる。この場合に、制御装置2は、図23等に示したボタン614に対するユーザによる第1操作と第2操作とに応じた第1及び第2情報に基づいて、VIPが入出している部屋の情報を入退出管理設備201へ通知することで、当該部屋のドアロックを解錠可能な状態に制御することができる。
【0075】
情報セキュリティ管理装置211は、複数のPC212を遠隔操作してロックする(使用できないようにする)機能を有する。例えば、端末1の表示部11で、PCをロックする指示を入力するためのボタンと、PCの設置位置を示す図とを表示する。端末1においてそのボタンと図に対する第1及び第2操作がなされた場合、制御装置2は、情報セキュリティ管理装置211に対して当該設置位置に対応付けられたPCをロックするよう指示する制御信号を出力することができる。
【0076】
放送設備221は、例えば各部屋に設置されたスピーカ222を用いて、各部屋に所定の音響信号を放送する。制御装置2は、図23等に示したボタン613に対するユーザによる第1操作と第2操作とに応じた第1及び第2情報に基づいて、開始5分前の制御が指示された部屋の情報を放送設備221へ通知することで、当該部屋のスピーカ222を用いて開始5分前を告げる放送を実行することができる。
【0077】
なお、図27において、照明設備4、空調設備5、ドアロック202、PC212及びスピーカ222は、それぞれ、部屋等の所定の場所で用いられる電気機器である。
【0078】
通知システム231は、電子メール、掲示板、ソーシャルネットワーク等を用いて、例えば、所定のメッセージを送信する機能を有する。制御装置2は、図25図26等に示したボタン621等に対するユーザによる第1操作と第2操作とに応じた第1及び第2情報に基づいて、予め決められた送り先等に部屋と故障の内容等を通知するよう指示する制御信号を通知システム231へ出力することができる。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、図1の制御システム100の各装置は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。また、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS等も含むものとする。
【0080】
そして、端末1、制御装置2、設備制御装置3、照明設備4、及び空調設備5における各処理の全部又は一部の処理は、CPU等の中央演算処理装置がROMやRAM等の主記憶装置に上記プログラムを読み出して、情報の加工、演算処理を実行することにより、実現されるものである。勿論、制御システム100を構成する各処理部は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。
【0081】
また、本発明の実施の形態は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0082】
また、図4及び図6に示す手順は、一例を示すものであり、適用するシステムに応じて、同様の手順を複数繰り返し実施したり、一部を追加したり一部を省略したりすることができる。
【0083】
また、制御装置2の全部又は一部の機能を仮想化させて、クラウドサーバとして構成してもよい。また、制御装置2に設備制御装置3の機能を設けて、照明設備4又は空調設備5の一部又は全部を制御装置2で直接制御してもよい。その場合、制御信号は、制御装置2内部の信号となる。
【0084】
また、対象とする範囲を指定する範囲指定操作に基づいて定められる上記の「第2の情報」は、例えば、下記のように定めることができる。
第1の例:端末1の画面(表示画面11a等。以下同じ。)上の「特定の位置」を示す情報
「アイコンがおかれた座標」等のように、ユーザが画面から手を放した位置に応じて定まる位置を示す情報とする。この場合の位置は、ユーザが画面から手を放した位置そのものであってもよく、手を放した位置に基づいて定まる位置であって、手を放した位置近傍の代表位置であってもよい。
【0085】
第2の例:端末1の画面上をなぞった軌跡に応じて定まる「特定の位置の集合体」を示す情報群
例えば、端末1は、ユーザが画面上をなぞった軌跡をもとにして、当該軌跡を、端末1の画面に応じて定めた座標系に存在する点の集合体として扱う。端末1は、集合体として扱う各点の位置の情報を含む第2の情報を制御装置2に送る。制御装置2は、端末1から第2の情報を得て、得られた第2の情報と端末1に表示させていた平面図(図(71)等。以下、同じ。)の範囲を示す情報から、画面上をなぞった軌跡(線)に対応する実空間上の位置(範囲)を得る。
【0086】
第3の例:画面上をなぞった軌跡に応じて定まる「特定の位置の集合体」を示す情報群
例えば、端末1は、ユーザが画面上をなぞった軌跡をもとにして、当該軌跡によって囲まれた範囲を、端末1の画面に応じて定めた座標系における範囲に対応づけて、当該範囲を示す情報に変換する。端末1は、当該範囲の位置を示す情報を第2の情報として制御装置2に送る。制御装置2は、端末1から第2の情報を得て、得られた第2の情報と端末1に表示させていた平面図の範囲を示す情報から、画面上をなぞった軌跡(線)に対応する実空間上の位置(範囲)を得る。
【0087】
以上に示したように、範囲指定操作に対応する第2の情報を規定することができる。
【0088】
なお、対象を指定するために用いるボタン(アイコン)の表示を、下記のように定めることができる。
例えば、屋内の環境を調整する設備を制御する場合、対象とする設備を制御する制御指令をユーザが視覚的な特徴から判読しやすくするように、ボタン(アイコン)の表示を行うようにしてもよい。ボタン(アイコン)の表示における視覚的な特徴は、少なくともボタン(アイコン)の色、形、パタン、デザイン、立体視、動き、シーンの何れかから想到される環境に応じて形成されていてもよい。
【0089】
例えば、端末1の画面には、互いに異なる色になるように色分けされた複数の操作ボタンが配列されている。各操作ボタンには、それぞれの操作ボタンに対応する環境が設定されているとする。ユーザは、各操作ボタンを操作することにより環境を調整できることと、色から容易にイメージされる環境が対応付けられていることが認知できれば、操作ボタンに文字などを表示しなくても、環境を調整するための操作を行えるようになる。
このように色分けされた操作ボタンを操作することにより、周囲の環境が、各操作ボタンの色から容易にイメージされる環境になるように調整することができる。
【0090】
ところで、各色が人の心理に影響することが知られている。例えば、「赤」は、情熱、活動的なイメージをもたらし、「橙」は、陽気、快活なイメージをもたらし、「黄」は、明朗、躍動的なイメージをもたらし、「緑」は、さわやかさや平和的なイメージをもたらし、「紫」は、上品、優雅なイメージをもたらすものという知見がある。
【0091】
そこで、業務を処理する状況に適した環境を、色を用いて指定することにする。例えば、業務を活動的に処理する状況に適した環境を指定する際に選択する色を「赤」にする。業務を快活に処理する状況に適した環境を指定する際に選択する色を「橙」にする。業務を明るい気持ちで処理する状況に適した環境を指定する際に選択する色を「黄」にする。業務を落ち着いた気持ちで処理する状況に適した環境を指定する際に選択する色を「緑」にする。業務を優雅な気持ちで処理する状況に適した環境を指定する際に選択する色を「紫」にする。
さらに、標準的な環境を無彩色で示し、業務を処理する状況に適した環境に標準的な環境からシフトさせる度合いを彩度に応じて定めてもよい。例えば、標準的な環境を「白」で示す。以上の割り付けの例は一例であり、上記以外の定義を行うことを制限するものではない。
上記のような表示を端末1に表示させることにより、制御システム100は、上記のように形成された特徴に対応付けられている環境にするように各設備の制御量を調整するようにしてもよい。
【0092】
なお、上記の説明では、照明装置の制御内容を照明のオン(点灯)・オフ(消灯)等の状態が一意にきまる動作条件を指定する例を示したが、状態が一意にきまる動作条件を指定する代わりに、より「明るく」・より「暗く」などのように、現在の環境に対する相対的な動作条件を指定するようにしてもよい。また、空調設備であれば、より「暖かく」・より「冷たく」などのように、現在の環境に対する相対的な動作条件を指定するようにしてもよい。上記のように、制御指令の結果が具体的なオン状態やオフ状態を示すものに限られず、相対的な動作条件を指定するという抽象的な指示を行えるようにすることができる。
上記のように相対的な動作条件を指定する際に、各設備に与える制御指令の制御パラメータは、現時点の設備の利用状況、又は、将来予測される設備の利用を加味して行うようにしてもよい。例えば、会議室においてプロジェクタを利用して講演を行っている状況であれば、制御システム100は、聴講者側の照明の光量を低減させるように調効率を下げたり、空調設備の風量を低減させたりするように、各設備を制御するための制御パラメータを調整してもよい。
或いは、上記のように相対的な動作条件を指定する際に、各設備に与える制御指令の制御パラメータは、現在の建物の状況、又は、将来予測される建物の状況を加味して行うようにしてもよい。例えば、建物における消費エネルギーを低減させることが必要な状況であれば、空調設備の冷房運転の設定温度を上げたり、照明設備の調光率を下げたりするように、各設備を制御するための制御パラメータを調整してもよい。
【0093】
また、端末1の操作に基づいて、設備の制御や、業務の依頼等の指示を行った場合、制御システムは、その制御や依頼の結果を端末1にフィードバックする。例えば、端末1にフィードバックした結果を出力する方法として、端末1から音を出力させたり、端末1を振動させたりする等の方法が挙げられる。
【0094】
また、端末1に表示する平面図は、端末1の位置、又は、端末1のユーザの位置に基づいて選択された範囲が表示されるようにしてもよい。例えば、建物には、端末1の位置、又は、端末1のユーザの位置を検出する位置検出システムが設けられている。制御システムは、位置検出システムによって検出された端末1の位置、又は、端末1のユーザの位置を位置検出システムから所得する。
制御システムは、取得した位置情報に基づいて定めた範囲の平面図を端末1に表示させるように端末1を制御する。その範囲の平面図を表示させる際に、制御システムは、取得した位置情報による端末1の位置、又は、端末1のユーザの位置が、端末1に表示する平面図の中心になるようにする。
【0095】
また、端末1から指定した範囲の対象を指定できない場合がある。例えば、指定した範囲に、同範囲に対応する設備などのものが存在していないにもかかわらず、ユーザが誤って上記の存在しないものを指定した場合、端末1から指定した範囲の対象を指定できない状況が生じる。このような場合、制御システム100は、端末1からの要求により、指定した範囲の対象を選択(指定)できなかったことを端末1に表示する。例えば、制御システム100は、選択できた場合に表示する線(なぞる操作の軌跡)やドロップしたアイコンの表示を、選択できなかった場合に表示させないようにする。又は、上記の選択できなかった場合に、端末1の画面に警告の表示を行ったり、端末1においてビープ音などのアラーム音を出力したり、端末1を振動させたりするなどの方法で警告を出力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0096】
100 制御システム、
1 端末、11 表示部、12 入力部、13 タッチパネル、14 送信部、
2 制御装置、21 記憶部、22 出力部、23 受信部、
3 設備制御装置、
4 照明設備、
5 空調設備
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