(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記モデル仮設足場表示部は、前記モデル足場ユニットの中で指定した特定モデル足場ユニットを表示するモデル足場ユニット表示手段を有することを特徴とする仮設足場計画支援システム。
請求項2記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記モデル足場ユニット表示手段は、前記特定モデル足場ユニットに対して、該特定モデル足場ユニットを構成する前記モデル構成部材毎に表示又は非表示を指定する表示選択器を有していることを特徴とする仮設足場計画支援システム。
請求項1〜3のいずれか1項に記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記モデル仮設足場保存部から前記モデル仮設足場データを取得し、指定したモデル足場ユニットSを表示させて、該モデル足場ユニットSに対して、該モデル足場ユニットSを形成している特定のモデル構成部材Pの該モデル足場ユニットS内の別の場所への移動、該モデル構成部材Pと同一種類の別のモデル構成部材Qの指定した位置への配置、該モデル構成部材Pの削除、及び該モデル構成部材Pと異なる種類のモデル構成部材Rの指定した位置への配置のいずれか1又は2以上の組み合わせからなる修正を行ってその結果を前記モデル仮設足場データとして前記モデル仮設足場保存部に入力すると共に表示させるモデル足場ユニット修正部を有することを特徴とする仮設足場計画支援システム。
請求項1〜3のいずれか1項に記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記モデル仮設足場保存部から前記モデル仮設足場データを取得し、指定したモデル足場ユニットAを表示させ、該モデル足場ユニットAに使用されている前記モデル構成部材毎に組み立て手順を指定すると共に、該指定した組み立て手順に沿って該モデル構成部材を順次付加しながら該モデル足場ユニットAの形成される過程を足場施工手順データとして前記モデル仮設足場保存部に入力すると共に表示させる足場施工手順設定部を有することを特徴とする仮設足場計画支援システム。
請求項1〜5のいずれか1項に記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記モデル仮設足場保存部から前記モデル仮設足場データを取得し、前記モデル仮設足場に使用された前記モデル構成部材を規格毎に集計して数量を求め、部材集計表を作成して保存する仮設足場部材集計部を有することを特徴とする仮設足場計画支援システム。
請求項6記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記仮設足場部材集計部で求めた前記部材集計表のデータと、別途取得した前記モデル構成部材毎の単価を用いて見積り予算を算出して保存する仮設足場見積り作成部を有することを特徴とする仮設足場計画支援システム。
請求項1〜7のいずれか1項に記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記三次元モデル形成部は、前記二次元画像の入力により起動し、該二次元画像の中から前記構造物の前記特徴点が共通して存在する二次元画像を選定画像として複数選択し表示する画像選択手段と、
前記選定画像毎に、該選定画像の輪郭線上に前記特徴点にそれぞれ対応する画像特徴点を設定し、該画像特徴点の前記選定画像内における二次元座標をそれぞれ求める二次元座標算出手段と、
異なる前記選定画像内に存在する前記画像特徴点のそれぞれの二次元座標から、該画像特徴点に対応する前記特徴点の三次元座標を求める三次元座標算出手段と、
3個以上の前記特徴点で三次元空間内に形成される前記モデル外表面を組み合わせて前記三次元モデルを作成するモデル作成手段と、
前記三次元モデルを記憶するモデル保存手段とを有することを特徴とする仮設足場計画支援システム。
請求項8記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記画像選択手段には、前記二次元画像を形成する原データが写真又は図面のいずれであるかが設定される画像データ設定器が設けられ、
前記三次元座標算出手段には、前記原データとして前記写真が設定されたことを受けて、前記選定画像が前記構造物の中心投影により形成されていることに基いて、前記構造物に対する前記視点の三次元位置を求めて前記特徴点の三次元座標を算出する写真用三次元座標演算器群と、
前記原データとして前記図面が設定されたことを受けて、前記選定画像が前記構造物の平行投影により形成されていることに基いて、前記構造物に対する前記視点の三次元位置を求めて前記特徴点の三次元座標を算出する図面用三次元座標演算器群とが設けられていることを特徴とする仮設足場計画支援システム。
請求項9記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記モデル作成手段には、前記原データとして前記写真が設定されたことを受けて起動し、形成された前記モデル外表面の尺度を一定値に調節する第1の尺度調節器が、
前記画像選択手段には、前記原データとして前記図面が設定されたことを受けて起動し、前記選定画像間の尺度を一定値に調節する第2の尺度調節器がそれぞれ設けられていることを特徴とする仮設足場計画支援システム。
請求項9又は10記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記図面用三次元座標演算器群には、前記画像特徴点を順に結んで形成される前記選定画像中の輪郭が、該輪郭が存在する平面に直交する特定方向に対して一定又は相似変化する際に、前記特定方向に存在する前記画像特徴点の前記二次元座標から前記特徴点の該特定方向における存在範囲を求め、前記輪郭を前記特定方向に沿って前記存在範囲内で平行移動させたときの前記輪郭上に存在する前記画像特徴点の軌跡から前記特徴点の三次元座標を求める第1の簡易座標演算器が設けられていることを特徴とする仮設足場計画支援システム。
請求項9又は10記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記図面用三次元座標演算器群には、前記構造物が回転対称となる際は、前記画像特徴点の一部を順に結んで形成され、前記回転対称の回転軸を一辺として含む前記選定画像の部分輪郭を、前記回転軸の回りに回転させたときの前記部分輪郭上に存在する前記画像特徴点の軌跡から前記特徴点の三次元座標を求める第2の簡易座標演算器が設けられていることを特徴とする仮設足場計画支援システム。
請求項9〜12のいずれか1項に記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記画像選択手段は、前記選定画像の輪郭の一部にそれぞれ沿った輪郭直線及び該輪郭直線に平行な補足輪郭直線を有する補助線を、前記選定画像に重ね合わせて表示する補助線作成器を有することを特徴とする仮設足場計画支援システム。
請求項1〜7のいずれか1項に記載の仮設足場計画支援システムにおいて、前記三次元モデル形成部は、前記構造物形状データの入力により起動し、前記特徴点の三次元座標を求める三次元座標算出手段と、
3個以上の前記特徴点で形成される前記モデル外表面を組み合わせて前記三次元モデルを作成するモデル作成手段と、
前記三次元モデルを記憶するモデル保存手段とを有することを特徴とする仮設足場計画支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示す本発明の一実施の形態に係る仮設足場計画支援システム10は、
図2に示すように、例えば、建築物11(構造物の一例)の補修を行う際に、建築物11の周囲に組み上げられた足場ユニット12から形成される仮設足場13の設計を支援するものであって、建築物11を異なる視点から見た二次元画像が入力された際に、建築物11の外表面をそれぞれ規定する特徴点の三次元座標を求めて、外表面に対応するモデル外表面を作成し、モデル外表面を組み合わせて建築物11の三次元モデルを作成し、三次元モデルデータとして保存する三次元モデル形成部14を有している。
ここで、特徴点とは、建築物11の角部と壁面のそれぞれの存在範囲を示す空間的広がり情報及び角部と壁面のそれぞれの形状を示す形状特定情報を与える点である。例えば、直線状の角部では角部の両端部に対応する点、折れ曲った角部では各屈折部位に対応する点、湾曲状の角部では湾曲部に対応する複数の点列であり、壁面の特徴点は、閉じた連接する角部のそれぞれの特徴点の集合である。
【0010】
更に、仮設足場計画支援システム10は、三次元モデル形成部14から取得した三次元モデルデータに基づいてモデル平面図を作成し、建築物11に対する仮設足場13の配置領域に対応してモデル平面図にモデル足場配置領域を指定すると共に、足場ユニット12の形成に使用する構成部材、足場ユニット12から仮設足場13を形成する際の組み上げ条件、建築物11に対する仮設足場13の設置基準位置、及び建築物11に対する仮設足場13の組み上げ高さ位置を有する仮設足場設計条件を設定する設計条件入力部15を有している。更に、仮設足場計画支援システム10は、設計条件入力部15からモデル足場配置領域及び仮設足場設計条件を取得し、構成部材に対するモデル構成部材を作成して足場ユニット12に対応するモデル足場ユニットを形成して、モデル足場配置領域内に設置基準位置から組み上げ高さ位置までの高さ範囲にモデル足場ユニットを割り付けてモデル仮設足場を形成するモデル仮設足場形成部16と、モデル仮設足場のモデル仮設足場データを保存するモデル仮設足場保存部17と、モデル仮設足場保存部17からモデル仮設足場データを取得し、設定された表示条件に基づいてモデル仮設足場を表示するモデル仮設足場表示部18とを有している。以下、詳細に説明する。
【0011】
図3に示すように、三次元モデル形成部14は、二次元画像の入力により起動し、二次元画像の中から建築物11の特徴点が共通して存在する二次元画像を選定画像として複数選択し表示する画像選択手段19と、選定画像毎に、選定画像の輪郭線上に特徴点にそれぞれ対応する画像特徴点を設定し、画像特徴点の選定画像内における二次元座標をそれぞれ求める二次元座標算出手段20と、異なる選定画像内に存在する画像特徴点のそれぞれの二次元座標から、画像特徴点に対応する特徴点の三次元座標を求める三次元座標算出手段21と、3個以上の特徴点で形成され、しかも、共通の特徴点を介して連接する外表面に対応するモデル外表面を作成して組み合わせることにより、建築物11の三次元モデルを作成するモデル作成手段22と、三次元モデル(三次元モデルデータ)を記憶するモデル保存手段23と、モデル保存手段23に記憶されている別の三次元モデルを、三次元モデルと同一尺度に変換して三次元モデルと組み合せるモデル統合手段24とを有している。
【0012】
図4に示すように、画像選択手段19は、二次元画像を形成する原データが写真又は図面のいずれであるかを設定する(いずれであるかの情報を入力する)画像データ設定器25と、画像データ設定器25で設定された二次元画像を読込んで一時保存する画像保存器26と、画像保存器26に保存された二次元画像の中から、建築物11の表面を構成している角部及び壁面が共通して存在する二次元画像を選定画像として複数選択し、表示器27を介して表示する選択表示器28とを有している。更に、画像選択手段19は、原データとして図面が設定されたことを受けて起動し、選定画像として表示器27に表示される際に、選定画像間の尺度を一定値に調節する第2の尺度調節器29と、表示器27に表示された選定画像の輪郭の一部、例えば角部にそれぞれ沿った輪郭直線及び輪郭直線に平行な補足輪郭直線を有する補助線を、選定画像に重ね合わせて表示する補助線作成器30とを有している。
【0013】
ここで、画像データ設定器25は二次元画像の原データが写真又は図面のいずれであるかの設定を行う機能を、画像保存器26は、画像データ設定器25で設定された二次元画像を、例えば、スキャナ等を用いて読込んで一時保存する機能を、選択表示器28は、画像保存器26に保存された二次元画像の中から、建築物11の表面を構成している角部及び壁面が共通して存在する二次元画像を選定画像として複数選択させて、表示器27に表示する機能をそれぞれ備えたプログラムをコンピュータ(マイクロコンピュータ又は汎用のパーソナルコンピュータ)に搭載することにより構成することができる。また、第2の尺度調節器29は、原データとして図面が設定されたことを受けて起動し、選択表示器28で選定された各選定画像を表示器27に表示する際に、選定画像間の尺度を一定値に調節する機能を、補助線作成器30は、表示器27に表示された選定画像上で補助線を選定画像に重ね合わせて表示する機能をそれぞれ備えたプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができる。また、表示器27には、コンピュータに接続して、コンピュータ内の情報をコンピュータを介して表示するディスプレイ装置を用いることができる。
【0014】
図4に示すように、二次元座標算出手段20は、表示器27に表示された選定画像を用いて、選定画像間において、共通する角部及び壁面をそれぞれ構成している輪郭線を指定させると共に、この輪郭線上に共通の画像特徴点を、予め定められた規則に従って複数設定させる機能を備えた画像特徴点設定器31と、指定させた画像特徴点の選定画像内における二次元座標を、選定画像中に設定した原点に対して求める機能を備えた二次元座標算出器32とを有している。ここで、画像特徴点を設定する際の規則とは、例えば、各輪郭線上で設定する画像特徴点の順序(画像特徴点の指定順番)を同一にすることである。なお、二次元座標算出手段20は、画像特徴点設定器31の機能と、二次元座標算出器32の機能をそれぞれ備えたプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができる。
【0015】
三次元座標算出手段21は、画像選択手段19を介して、原データとして写真が設定されたことを受けて、選定画像が建築物11の中心投影により形成されていることに基いて、建築物11に対する視点の三次元位置を求めて特徴点の三次元座標を算出する写真用三次元座標演算器群33と、原データとして図面が設定されたことを受けて、選定画像が建築物11の平行投影により形成されていることに基いて、建築物11に対する視点(カメラ)の三次元位置を求めて特徴点の三次元座標を算出する図面用三次元座標演算器群34を有している。
【0016】
図5に示すように、写真用三次元座標演算器群33は、2つの選定画像(写真)において共通の特徴点の選定画像上の二次元座標を用いて建築物11に対する視点の三次元位置(視点の位置及び姿勢(方向))を求める機能を備えた写真用の視点位置算出器35と、視点の三次元位置及び特徴点の選定画像上の二次元座標から、三角測量の原理に基づいて視点位置に対する特徴点の三次元座標を求める機能を備えた写真用の特徴点座標算出器36と、2つの選定画像毎に求まった共通の特徴点の三次元座標が一致するように座標変換を行って(特異値分解を用いて)得られる三次元座標を特徴点の三次元座標とする機能を備えた写真用の特徴点座標算出器37とを有している。そして、写真用三次元座標演算器群33は、視点位置算出器35の機能と、特徴点座標算出器36の機能と、特徴点座標算出器37の機能をそれぞれ備えたプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができる。
【0017】
ここで、視点の三次元位置は、2つの選定画像のいずれか一方における視点の位置を座標原点とし、選定画像を正面視して、選定画像の奥行き方向をZ軸方向、選定画像の右方向をX軸方向、下方向をY軸方向としている。2つの選定画像において共通の画像特徴点が3点以上存在する場合は、エピポーラ幾何により視点の三次元位置を求める。一方、2つの選定画像において共通の画像特徴点の個数が2以下の場合は、選定画像毎に視点の三次元位置と画像特徴点に対応する特徴点の三次元座標をそれぞれ仮定し、特徴点の選定画像上に形成される擬似画像特徴点の二次元座標を求めて、選定画像上における画像特徴点と擬似画像特徴点との誤差を最小とする条件(バンドル調整法)から視点の三次元位置を求めている。更に、特徴点の二次元座標は誤差を含むため、求めた視点の三次元位置も誤差を含む。従って、各選定画像における視点の三次元位置の誤差を最小とする条件(ニュートン法)から視点の三次元位置を最適化する。
【0018】
図4、
図5に示すように、図面用三次元座標演算器群34は、原データとして図面が設定された際に、二次元座標算出器32で得られた画像特徴点の二次元座標から、画像特徴点を順に結んで形成される選定画像中の輪郭が、輪郭が存在する平面に直交する特定方向に対して一定又は相似変化するか(条件1が成立するか)、建築物11が回転対称となるか(条件2が成立するか)、条件1及び2以外の場合であるかを判定し、条件1の場合に簡易処理信号1を、条件2の場合に簡易処理信号2を、条件1及び2以外の場合に非簡易処理信号をそれぞれ出力する機能を備えた処理別信号発生器38を備え、各選定画像(図面)において共通して存在する画像特徴点の選定画像上の二次元座標を用いて、建築物11に対する視点の三次元位置(選定画像を正面視して、選定画像の奥行き方向をZ軸方向、選定画像の右方向をX軸方向、下方向をY軸方向とする)を求めて、画像特徴点に対応する建築物11の外表面上の特徴点の三次元座標を求めている。
【0019】
図面用三次元座標演算器群34には、処理別信号発生器38において簡易処理信号1が出力された際に処理別信号発生器38を介して二次元座標算出器32で算出された特定方向に存在する画像特徴点の二次元座標から特徴点の特定方向における存在範囲を求め、輪郭を特定方向に沿って存在範囲内で平行移動させたときの輪郭上に存在する画像特徴点の軌跡から特徴点の三次元座標を求める機能を備えた第1の簡易座標演算器39と、処理別信号発生器38において簡易処理信号2が出力された際に処理別信号発生器38を介して二次元座標算出器32で算出された画像特徴点の二次元座標から、画像特徴点の一部を順に結んで形成され、回転対称の回転軸を一辺として含む選定画像の部分輪郭を形成し、回転軸の回りに回転させたときの部分輪郭上に存在する画像特徴点の軌跡から特徴点の三次元座標を求める機能を備えた第2の簡易座標演算器40を有している。
【0020】
更に、図面用三次元座標演算器群34には、処理別信号発生器38において非簡易処理信号が出力された際に、二次元座標算出器32で二次元座標が算出された画像特徴点の中から、3枚以上の選定画像全てに存在している画像特徴点の二次元座標を用いて、建築物11上の特徴点の三次元位置を求める機能を備えた図面用の特徴点座標算出器41が設けられている。なお、視点の三次元位置の算出誤差を考慮すると、画像特徴点の個数は10個以上が好ましい。ここで、特徴点座標算出器41では、選定画像毎に画像特徴点の二次元座標の重心座標が、選定画像の座標原点となる座標系を用いて、画像特徴点の二次元座標を再計算する。また、選定画像の枚数をm枚、建築物11上の特徴点の個数をn個とした場合、全選定画像上の画像特徴点の位置情報は「2m行n列」の行列で、全視点の位置情報は「3行n列」の行列で、建築物11上の特徴点の位置情報(三次元座標)は「2m行3列」の行列でそれぞれ標記できる。このため、全選定画像上の画像特徴点の位置情報を示す「2m行n列」の行列を、特異値分解を使用して「2m行3列」の行列と「3行n列」の行列の積で表すと、視点の三次元座標(位置)と建築物11上の特徴点の三次元座標(位置)がそれぞれ得られる。なお、特異値分解を行う際、視点の位置情報を示す行列は、X方向とY方向は直交し、しかも、X方向とY方向の倍率(尺度)は等しいという付帯条件を用いる。
【0021】
図面用三次元座標演算器群34は、処理別信号発生器38の機能と、特徴点座標算出器41の機能と、第1の簡易座標演算器39の機能と、第2の簡易座標演算器40の機能とを備えたプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができる。なお、選定画像上に設定される画像特徴点が10個未満の場合は、選定画像毎に視点の三次元位置と画像特徴点に対応する特徴点の三次元座標をそれぞれ仮定し、画像特徴点の選定画像上に形成される擬似画像特徴点の二次元座標を求めて、選定画像上における画像特徴点と擬似画像特徴点との誤差を最小とする条件(バンドル調整法)から視点の三次元位置を求めている。また、画像特徴点の二次元座標は誤差を含むため、求めた視点の三次元位置も誤差を含むので、各選定画像における視点の三次元位置の誤差を最小とする条件(ニュートン法)から視点の三次元位置を最適化する。
【0022】
図4に示すように、モデル作成手段22は、三次元座標算出手段21で三次元座標が得られた3個以上の特徴点で三次元空間内にモデル外表面を作成する機能を備えたモデル外表面作成器42と、共通の特徴点を有するモデル外表面を選定し、共通の特徴点から共通の角部を構成してモデル外表面を連接させて、建築物11の三次元モデルを作成する機能を備えた三次元モデル作成器43を有している。また、モデル作成手段22には、原データとして写真が設定されたことを受けて起動し、共通の特徴点を有するモデル外表面を選定した際に、モデル外表面の尺度(倍率)を一定値に調節する第1の尺度調節器44が設けられている。更に、モデル作成手段22は、三次元モデルを構成しているモデル外表面にそれぞれ相当する選定画像中の面に表示されている図案を抽出し、モデル外表面の三次元空間内での位置に応じて抽出した図案を変形させた後に、三次元モデルのモデル外表面上に重ねて表示する機能を備えた図案表示器45を有している。そして、三次元モデル作成器43からの出力(三次元モデルのデータ又は三次元モデルと三次元モデルのモデル外表面上に重ねて表示する図案の組み合わせデータ)は、表示器27に表示させることができると共に、モデル保存手段23に保存することができる。
【0023】
そして、モデル作成手段22は、モデル外表面作成器42の機能と、三次元モデル作成器43の機能と、第1の尺度調節器44の機能と、図案表示器45の機能とを備えたプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができる。また、モデル保存手段23には、コンピュータに接続されてデータの入出力を行う記憶装置(例えば、ハードディスク等の磁気記憶装置、半導体記憶装置、光磁気記憶装置等)を使用することができる。
【0024】
図4に示すように、モデル統合手段24は、モデル保存手段23に記憶されている別の三次元モデルを呼び出し、作成した三次元モデルと同一尺度に変換する機能を備えた尺度(倍率)調節器46と、作成した三次元モデル及び尺度調節された別の三次元モデルを読込んで、作成した三次元モデルと別の三次元モデルの三次元空間内でのそれぞれの位置を調節しながら、三次元モデルの所定の位置に別の三次元モデルを組み合せて、一体化した新たな三次元モデルを作成して、表示器27に表示させると共にモデル保存手段23に保存する機能を備えたモデル組み合わせ器47とを有している。ここで、モデル統合手段24は、尺度調節器46の機能とモデル組み合わせ器47の機能を備えたプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができる。なお、作成した三次元モデルには、三次元モデル作成器43で作成が終了した段階の三次元モデルの他に、モデル保存手段23に記憶されている更に別の三次元モデルを含む。
【0025】
次に、モデル作成手段22による建築物11の三次元モデルの作成について、二次元画像を形成する原データが写真である場合と図面である場合についてそれぞれ説明する。二次元画像を形成する原データが写真の場合、画像選択手段19の画像データ設定器25を用いて、二次元画像を形成する原データが写真であることの設定を行い、画像保存器26に一時保存すると共に、表示器27に表示させる。次いで、表示器27に表示された二次元画像の中から、建築物11の表面を構成している角部及び壁面が共通して存在する二次元画像を選定画像として複数選択する。なお、
図6に示すように、選択された複数の選定画像48は、選択表示器28を用いて表示器27の表示画面49に表示させることができ、選定画像の確認を行うことができる。なお、各選定画像48に対して、補助線作成器30を用いて、表示画面49に表示された選定画像48の輪郭の一部、例えば角部にそれぞれ沿った輪郭直線(及び輪郭直線に平行な補足輪郭直線)を有する補助線を選定画像48に重ね合わせて表示することができる。
【0026】
次いで、
図7に示すように、表示画面49に表示された各選定画像48に対して、二次元座標算出手段20の画像特徴点設定器31を用いて、選定画像48間において、共通する角部及び面をそれぞれ構成している輪郭線50を指定させると共に、この輪郭線50上に存在する複数の共通の画像特徴点51、52を、予め設定した同一の指定順番に従って設定する。
図8に、輪郭線50上に画像特徴点51、52が、輪郭線50a上に画像特徴点51a、52aが、輪郭線50b上に画像特徴点51b、52bが、輪郭線50c上に画像特徴点51c、52cがそれぞれ設定された状態を示す。建築物11において、共通する角部及び面をそれぞれ構成している全ての輪郭線の指定と、各輪郭線上に存在する共通の画像特徴点が全て設定されると、二次元座標算出器32により、指定された各画像特徴点の選定画像内における二次元座標が算出される。
【0027】
指定した全ての画像特徴点51、52、51a、52a、51b、52b、51c、52c(以下、51〜52cと示す)の二次元座標が求められると、三次元座標算出手段21の写真用三次元座標演算器群33により、各選定画像48毎に、選定画像48が撮影された際の視点(カメラ)の建築物11に対する三次元位置を求める。続いて、視点の三次元位置及び画像特徴点51〜52cの選定画像48上の二次元座標から、三角測量の原理に基づいて視点位置に対する画像特徴点51〜52cの三次元座標を求め、選定画像48毎に求まった共通の画像特徴点51〜52cの三次元座標が一致するように座標変換を行って、得られた三次元座標を画像特徴点51〜52cが対応する建築物11上の特徴点の三次元座標とする。
【0028】
特徴点の三次元座標が特定されると、モデル作成手段22の三次元モデル作成器43を用いて、閉じた輪郭線上に存在する3個以上の特徴点に対応する3個以上の特徴点で三次元空間内にモデル外表面を作成する。そして、2以上の共通の特徴点を有するモデル外表面を選定し、共通の特徴点から共通の角部を構成してモデル外表面を連接させて、
図9(A)に示すように、建築物11の三次元モデル55を作成し、その結果は表示画面49に表示される。なお、共通の特徴点を有するモデル外表面を選定した際に、第1の尺度調節器44により、モデル外表面の尺度(倍率)が一定値に統一される。そして、三次元モデル55のデータは、モデル保存手段23に保存される。
【0029】
更に、図案表示器45を用いて、三次元モデル55を構成しているモデル外表面にそれぞれ相当する選定画像48中の各面に表示されている付属部材(例えば、壁面から突出して設けられた部材)を抽出し、モデル外表面の三次元空間内での位置に応じて変形させた後に三次元モデル55のモデル外表面上に組み込むことができ、
図9(B)に示すように、テクスチャー付き三次元モデル56として表示画面49に表示することができる。そして、テクスチャー付き三次元モデル56のデータは、モデル保存手段23に保存される。
【0030】
ここで、三次元モデル55(テクスチャー付き三次元モデル56の場合も同様)が作成された場合、モデル統合手段24を用いて、モデル保存手段23に記憶されている別の三次元モデルを呼び出し、三次元モデル55と同一尺度に変換し、例えば、表示器27の表示画面49上で三次元モデル55と別の三次元モデルの三次元空間内でのそれぞれの位置を調節しながら、三次元モデル55の所定の位置に別の三次元モデルを組み合せて、一体化した新たな三次元モデル(統合三次元モデル)を作成することができる。なお、統合三次元モデルは、表示画面49に表示させることができると共に、モデル保存手段23に保存することができる。
【0031】
次いで、二次元画像を形成する原データが図面である場合について説明する。
先ず、二次元画像を形成する原データが図面であることを、画像選択手段19の画像データ設定器25を用いて設定する。そして、画像保存器26に一時保存された二次元画像から複数の選定画像が選択される際、第2の尺度調節器29により、選定画像間の尺度が一定値に調節(統一)される。なお、選定画像の選択、選定画像上への補助線の重ね合わせ表示、選定画像上への輪郭線の指定、各輪郭線上における特徴点の設定、各特徴点の選定画像内における二次元座標の算出は、二次元画像を形成する原データが写真の場合と同様に行うことができるので、説明は省略する。
【0032】
選定画像上で指定した全ての画像特徴点の二次元座標が求められると、三次元座標算出手段21の図面用三次元座標演算器群34を用いて、各選定画像において共通して存在する画像特徴点の選定画像上の二次元座標を用いて、建築物11に対する視点の三次元位置(例えば、選定画像を正面視して、選定画像の奥行き方向をZ軸方向、選定画像の右方向をX軸方向、下方向をY軸方向とする)を求め、画像特徴点に対応する建築物11表面上の特徴点の三次元座標を求める。ここで、処理別信号発生器38では、各画像特徴点の二次元座標から、画像特徴点を順に結んで形成される選定画像中の輪郭が、輪郭が存在する平面に直交する特定方向に対して一定又は相似変化する条件1が成立するか否かが判定され、条件1が成立する場合は簡易処理信号1が出力される。更に、処理別信号発生器38では、条件1に該当しない場合、建築物11が回転対称である条件2が成立するか否かが判定され、条件2が成立する場合は簡易処理信号2が出力され、条件2が成立しない場合は非簡易処理信号が出力される。
【0033】
処理別信号発生器38において非簡易処理信号が出力されると、m枚の選定画像上でそれぞれ指定されたn個の画像特徴点の二次元座標を、画像特徴点の重心位置に座標原点を設定した座標系に変換する。次いで、座標変換後の全ての画像特徴点の二次元座標を、行列形式(2m行n列の行列)で表記し、更に、2m行3列の行列(全画像特徴点の位置情報(三次元座標)を示す)と3行n列の行列(全視点の位置情報(三次元座標)を示す)の積の形式に変形する。このとき、視点の位置情報を示す3行n列の行列は、X方向とY方向は直交し、しかも、X方向とY方向の倍率(尺度)は等しいという付帯条件(即ち、二次元画像を形成する原データが図面であることの条件)を満足するように補正することにより視点の三次元座標を求め、視点の三次元位置及び画像特徴点の選定画像上の二次元座標から画像特徴点の三次元座標を求めて特徴点の三次元座標とする。
【0034】
処理別信号発生器38において簡易処理信号1が出力されると、第1の簡易座標演算器39により、二次元座標算出器32で算出された画像特徴点の二次元座標から特徴点の特定方向における存在範囲を求め、輪郭を特定方向に沿って存在範囲内で平行移動させたときの輪郭上に存在する画像特徴点の軌跡から特徴点の三次元座標を求める。また、処理別信号発生器38において簡易処理信号2が出力されると、第2の簡易座標演算器40により、二次元座標算出器32で算出された画像特徴点の二次元座標から、画像特徴点の一部を順に結んで形成され、回転対称の回転軸を一辺として含む選定画像の部分輪郭を形成し、回転軸の回りに回転させたときの部分輪郭上に存在する画像特徴点の軌跡から特徴点の三次元座標を求める。
【0035】
なお、三次元座標が特定された特徴点からモデル外表面を作成し、共通の特徴点から共通の角部を構成してモデル外表面を連接させて三次元モデルを作成すること、三次元モデルのデータをモデル保存手段23に保存すること、三次元モデルからテクスチャー付き三次元モデルを形成することは、二次元画像を形成する原データが写真の場合と同様に行うことができるので、説明は省略する。また、三次元モデルに対して、モデル保存手段23に記憶されている別の三次元モデルを組み合せて統合三次元モデルを作成することも、二次元画像を形成する原データが写真の場合と同様に行うことができるので、説明は省略する。
【0036】
続いて、本発明の仮設足場計画支援システム10の設計条件入力部15について説明する。
設計条件入力部15は、モデル保存手段23に保存されている建築物11の三次元モデルデータを取得して、
図10(A)に示すように、三次元モデルデータからモデル平面
図57を作成し、モデル平面
図57の各辺の始点58、59、60、61と終点59a、60a、61a、58aに関する情報を取得する機能を有している。これにより、建築物11の壁面に対する仮設足場13の配置領域に対応するモデル足場配置領域64、65、66、67をモデル平面
図57に形成することができる。更に、設計条件入力部15は、(1)足場ユニット12の形成に使用する構成部材、(2)足場ユニット12から仮設足場13を形成する際の組み上げ条件、(3)三次元モデルデータから建築物11の壁面にそれぞれ対応するモデル立面
図70を作成して、
図10(B)に示す建築物11に対する仮設足場13の設置基準位置BL及び建築物11に対する仮設足場13の組み上げ高さ位置ULに関する情報に基づいて、仮設足場設計条件を設定する機能を有している。ここで、設計条件入力部15は、上記の機能を備えたプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができる。
【0037】
仮設足場設計条件を設定する際、仮設足場13の種類(例えば、枠組足場、単管足場、吊り足場、吊り枠足場)を決定する必要がある。これによって、足場ユニット12の構成が決まるので、足場ユニット12の形成に使用する構成部材が決定される。
また、
図10(B)に示すように、建築物11に対する仮設足場13の設置基準位置BLは、地面GLに対して設定される水平面の高さ位置として設定される。設置基準位置BLを設けることで、仮設足場13と地面GLの間に配置するジャッキ等の高さ調整部材71の仕様を決めることができ、建築物11が建っている地面GLに凹凸や傾斜が存在していても、仮設足場13を安定して構築することができる。また、組み上げ高さ位置ULは、設置基準位置BLに対して設定される。これによって、足場ユニット12の高さを設定することができる。
組み上げ条件は、例えば、隣り合うモデル足場配置領域64、65、66、67間の足場ユニット12の接続方法、モデル足場配置領域64、65、66、67の端部に配置される足場ユニット12の開口部の処理方法(手摺の配置等)、足場ユニット12に設ける幅木、根がらみ、養生部材、ブラケット、壁繋ぎ、及び階段等の仕様である。これによって、足場ユニット12の組み上げ方法、使用する構成部材の種類を決定することができる。
【0038】
モデル仮設足場形成部16は、例えば、作業面積や耐荷重等の使用条件を満たすモデル足場ユニット72を先ず形成して、
図11(A)に示すように、モデル平面
図57に指定したモデル足場配置領域64、65に対して水平方向にモデル足場ユニット72を割り付けていく機能を有している。このとき、隣り合うモデル足場配置領域64、65間に設計条件として設定した接続条件が満足されるように、別途準備しておいた長さの異なるモデル足場ユニット73を組み合わせる。また、モデル仮設足場形成部16は、
図11(B)に示すように、モデル立面
図70に設定した設置基準位置BLと組み上げ高さ位置ULの間に、設置基準位置BLを基準としてモデル足場ユニット72、73を上下方向に割り付けていく機能を有している。更に、モデル仮設足場形成部16は、モデル平面
図57とモデル立面
図70にそれぞれ割り付けたモデル足場ユニット72、73から、建築物11のテクスチャー付き三次元モデル56に対するモデル仮設足場を形成し、モデル仮設足場データとして出力する機能を有している。そして、出力されたモデル仮設足場データは、モデル仮設足場保存部17に保存される。ここで、モデル仮設足場形成部16は、上記の機能を備えたプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができ、モデル仮設足場保存部17には、コンピュータに接続されてデータの入出力を行う記憶装置を使用することができる。
【0039】
モデル仮設足場表示部18は、モデル仮設足場保存部17からモデル仮設足場データを取得し、設定された表示条件に基づいて表示器27に表示する機能を有している。また、モデル仮設足場表示部18は、モデル足場ユニット72、73の中で指定した特定モデル足場ユニットを表示する機能を備えたモデル足場ユニット表示手段74を有している。これによって、形成されたモデル仮設足場を形成しているモデル足場ユニット72、73の中で、特定部位に配置された特定モデル足場ユニットの組み上げ状態を確認することができる。更に、モデル足場ユニット表示手段74には、特定モデル足場ユニットに対して、特定モデル足場ユニットを構成するモデル構成部材毎に表示又は非表示を指定する機能を備えた表示選択器75を有している。これによって、特定モデル足場ユニットの組み上げ状態を更に詳細に確認することができる。ここで、モデル仮設足場表示部18、モデル足場ユニット表示手段74、及び表示選択器75は、上記の各機能を備えたプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができる。
【0040】
モデル足場ユニット修正部76は、モデル仮設足場保存部17からモデル仮設足場データを取得し、指定したモデル足場ユニットSを表示させて、モデル足場ユニットSを形成している特定のモデル構成部材Pのモデル足場ユニットS内の別の場所への移動、モデル構成部材Pと同一種類の別のモデル構成部材Qの指定した位置への配置、モデル構成部材Pの削除、及びモデル構成部材Pと異なる種類のモデル構成部材Rの指定した位置への配置のいずれか1又は2以上の組み合わせからなる修正を行う機能と、その結果をモデル仮設足場データとしてモデル仮設足場保存部17に入力すると共に表示器27に表示させる機構を有している。これによって、建築物11と干渉しているモデル構成部材を適切な位置に再配置したり、作業性に合わせてモデル構成部材を追加配置したり削除をしたりすることができる。ここで、モデル足場ユニット修正部76は、上記の各機能を備えたプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができる。
【0041】
足場施工手順設定部77は、モデル仮設足場保存部17からモデル仮設足場データを取得し、指定したモデル足場ユニットAを表示させて、モデル足場ユニットAに使用されているモデル構成部材毎に組み立て手順を指定すると共に、指定した組み立て手順に沿ってモデル構成部材を順次付加しながらモデル足場ユニットAの形成される過程を足場施工手順データとしてモデル仮設足場保存部17に入力すると共に表示器27に表示する機能を有している。これによって、足場ユニット12を用いて仮設足場13を構築する際の手順を事前に検討することができ、仮設足場13を効率的に構築することが可能になる。ここで、足場施工手順設定部77は、上記の機能を備えたプログラムをコンピュータに搭載することにより構成することができる。
【0042】
仮設足場部材集計部78は、モデル仮設足場保存部17からモデル仮設足場データを取得し、モデル仮設足場に使用されたモデル構成部材を規格毎に集計して数量を求め、部材集計表を作成して保存する機能を有している。これによって、仮設足場13の構築に必要な構成部材の種類と数量を正確に把握することができ、仮設足場13を予め計画された工程に沿って構築することが可能になる。ここで、仮設足場部材集計部78は、上記の機能を備えたプログラムが搭載されたコンピュータと、コンピュータに接続されてデータの入出力を行う記憶装置とを用いて構成することができる。
【0043】
仮設足場見積り作成部79は、仮設足場部材集計部78で求めた部材集計表のデータと、別途取得したモデル構成部材毎の単価を用いて見積り予算を算出して保存する機能を有している。これによって、仮設足場13の設置に必要な資材関連の費用を正確に把握することができ、使用期間、資材の損耗量、仮設足場13の組み上げ工数等を組み合わせることにより、精度の高い仮設足場13の見積書を作成することが可能になる。ここで、仮設足場見積り作成部79は、上記の機能を備えたプログラムが搭載されたコンピュータと、コンピュータに接続されてデータの入出力を行う記憶装置とを用いて構成することができる。
【0044】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、構造物が四角柱、三角柱、円柱、又は球形等の単純形状である場合、構造物の正確な三次元モデルがなくてもモデル仮設足場の形成が可能である。このため、三次元モデル形成部を、構造物の概略形状と外形寸法とを有する構造物形状データ(例えば、構造物の外形状の指定と、外形状を定量的に規定する特定部位の寸法)の入力により起動し、構造物の外表面をそれぞれ規定する特徴点の三次元座標を求める三次元座標算出手段と、3個以上の特徴点で形成されるモデル外表面をそれぞれ形成し、構造物の外形状に基づいてモデル外表面を組み合わせることにより構造物の三次元モデルを作成し、三次元モデルデータを出力するモデル作成手段と、モデル作成手段から出力された三次元モデルデータを記憶するモデル保存手段とを有する構成とすることができる。これによって、構造物が単純形状の場合、三次元モデルを容易に形成することが可能になる。