(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態が適用されるベーンポンプ1の全体図である。
図2は、
図1に示すII−II線の断面図である。
図3は、
図1に示すIII−III線の断面図である。
図4は、ポンプユニット20の内部を説明するための図である。
【0010】
(ベーンポンプ1の構成・機能の説明)
ベーンポンプ1は、例えば車両の内燃機関の動力により駆動され、例えば油圧式パワーステアリングや油圧式無段変速機などの流体機器に対して、作動油を供給するためのオイルポンプとして用いられる。
図1に示すベーンポンプ1は、固定容量式のものである。本実施形態のベーンポンプ1は、ハウジング11と、ハウジング11の開口を覆うカバープレート12と、ハウジング11およびカバープレート12の内側に収容されるポンプユニット20(
図2参照)とを備えている。
【0011】
ハウジング11は、
図2に示すように、ポンプユニット20を収容する凹部形状の収容部11Aを有している。また、ハウジング11は、装置の外部から作動油を吸い込む吸込口43と、吸込口43から吸い込んだ作動油のハウジング11内における通路を形成する吸込通路42とを備える。また、吸込通路42は、カムリング30の後述する一端側吸込ポート60および他端側吸込ポート80に対向して設けられる(後述の
図3参照)。
さらに、ハウジング11は、
図3に示すように、ハウジング11の収容部11Aの最奥部に、後述するインナサイドプレート31によって区画される高圧力室54を形成する。
【0012】
カバープレート12は、
図2に示すように、ハウジング11の収容部11Aの開口を覆う。カバープレート12とハウジング11とは、複数のボルト14により締結されることで固定される。また、カバープレート12とハウジング11との間にはシールプレート13が挟み込まれる。このシールプレート13は、ハウジング11およびカバープレート12に形成された複数の通路用溝や凹部などを覆って封止する。
カバープレート12およびポンプユニット20は、位置決めピン33A,33Bがそれぞれ貫通して取り付けられ、周方向において各部材の相対的な位置決めがなされている。
【0013】
ポンプユニット20は、回転軸21と、回転軸21に固定されるロータ22と、ロータ22に摺動自在に設けられる複数のベーン24(
図3および
図4参照)と、ロータ22およびベーン24を囲むカムリング30と、回転軸21の軸方向の両側にてロータ22、ベーン24およびカムリング30を挟み込む一対のインナサイドプレート31およびアウタサイドプレート32とを備えている。
【0014】
回転軸21は、ハウジング11に設けられる第1軸受15とカバープレート12に設けられる第2軸受16とによって回転可能に支持される。回転軸21には、不図示のセレーションが形成され、回転軸21はこのセレーションを介してロータ22と固定的に結合される。そして、回転軸21が、例えば内燃機関などのベーンポンプ1の外部の駆動源により駆動を受けることによってロータ22が回転する。
なお、本実施形態では、
図4に示すように、回転軸21(ロータ22)は、
図4中D方向に回転するように構成されている。また、以下の説明においては、回転軸21の軸方向を単に軸方向、回転軸21の径方向を単に径方向、回転軸21の周方向を単に周方向ということがある。
【0015】
ロータ22は、
図4に示すように、概形が円形状をした部材であって、本実施形態では外周面に複数の凹凸が設けられる。また、ロータ22には、周方向における複数の位置にベーン溝23が形成される。ここで、ロータ22の外周面は、周方向のベーン溝23が形成される部分において径方向の外側に向けて突出し、周方向の隣り合う2つのベーン溝23の間において径方向の内側に向けて窪んだ形状である。
【0016】
ベーン溝23は、ロータ22の外周部において周方向に沿って複数設けられる。各ベーン溝23は、放射方向(径方向)に沿って設けられる。また、ベーン溝23は、ロータ22の外周面および両側面に開口する溝である。そして、ベーン溝23は、各ベーン24を収容し、収容したベーン24を径方向に摺動自在に保持する。また、ベーン溝23は、底部(ロータ22の中心側)に周方向の幅が広い底部空間23Aを有している。
【0017】
ベーン24は、板状の部材であって上述のようにロータ22のベーン溝23にそれぞれ取り付けられる。
また、ベーン24は、ベーン溝23の底部空間23Aに導入された高圧吐出油の圧力により、ベーン24の先端をカムリング30の内周面30C(後述)に押し当てて当接される。なお、この高圧吐出油の圧力によりベーン24を内周面30Cに当接させる機構については後に詳しく説明する。
そして、ロータ22の回転にともない、ベーン24はベーン溝23内で径方向に摺動し、ベーン溝23外に押し出される向き、あるいはベーン溝23内に押し込まれる向きで移動することを繰り返す。このとき、ロータ22の1回転において、ベーン24が吐出領域(後述)から吸込領域(後述)に向かう間の回転角度にあるとき、ベーン24はベーン溝23内に最も深く押し込まれる。また、ベーン24が吸込領域から吐出領域に向かう間の回転角度にあるとき、ベーン24はベーン溝23外に最も大きく押し出される。
【0018】
カムリング30は、
図4に示すように、筒形状であり、楕円に近似するカム曲線によりカム面を形成する内周面30Cと、円形の外周面30Sとを有する。このカムリング30は、外周面30Sがハウジング11に形成される吸込通路42に対峙する位置に設けられる。
またカムリング30は、筒状の内部、すなわち内周面30Cに囲まれる領域にロータ22およびベーン24を収容する。そして、内周面30Cとロータ22との間には油室Yが形成される。ここで、カムリング30の内周面30Cは上述のように楕円に近似する面である一方で、ロータ22は概形が円形状をしている。そのため、油室Yは、内周面30Cとロータ22の外周面との径方向の間隔が広い領域および狭い領域を有する。
【0019】
ここで、上述のようにカムリング30、ロータ22およびベーン24は、軸方向の両端側にてインナサイドプレート31およびアウタサイドプレート32によって挟み込まれる。このことにより、インナサイドプレート31、アウタサイドプレート32、カムリング30の内周面30C、ロータ22の外周面、および隣り合う2枚のベーン24によってそれぞれのポンプ室40が形成される。
【0020】
(アウタサイドプレート32について)
図5(a)および(b)は、アウタサイドプレート32を説明する図である。具体的には、
図5(a)は、
図2に示す矢印Vaからみたアウタサイドプレート32を示し、
図5(b)は、
図5(a)における矢印Vbからみたアウタサイドプレート32を示す。
【0021】
サイドプレートの一例であるアウタサイドプレート32は、
図5(a)に示すように、概形が円板形状をした部材であって、中心部に回転軸21(
図4参照)が貫通される軸孔(貫通孔)32Aを備えている。そして、アウタサイドプレート32は、外周部に吸込ポート44と吐出ポート51とを備える。また、アウタサイドプレート32は、軸孔32Aの周囲に背圧溝57を有する。さらに、アウタサイドプレート32は、吐出ポート51に連通する溝部Tを備えている。さらにまた、アウタサイドプレート32は、背圧溝57とは反対側(紙面裏面側)の側部に逃げ溝58を備える。なお、逃げ溝58については後述する。
【0022】
そして、アウタサイドプレート32は、ハウジング11の収容部11A内に設けられるとともに、カムリング30の軸方向におけるインナサイドプレート31とは逆側の側部と対向するように取り付けられる(
図2および
図3参照)。さらに説明をすると、
図2および
図3に示すように、アウタサイドプレート32は、軸方向においてロータ22とシールプレート13との間、言い替えるとロータ22とカバープレート12との間に設けられる。
【0023】
吸込ポート44は、アウタサイドプレート32の外周部において径方向内側に凹んだ開口部として形成される。そして、吸込ポート44は、本実施形態では直径方向に対向する2位置に配置される一対の第1吸込ポート44Aと第2吸込ポート44Bとを備えて構成される。そして、第1吸込ポート44Aおよび第2吸込ポート44Bには、ハウジング11に設けた吸込通路42(
図4参照)を介して、吸込口43(
図4参照)が連通せしめられる。そして、第1吸込ポート44Aおよび第2吸込ポート44Bは、ロータ22が回転した際にポンプ室40(
図4参照)への作動油の経路を形成する。ここで、第1吸込ポート44Aの径方向内側の端部である内側端部44Cと、第2吸込ポート44Bの径方向内側の端部である内側端部44Dとは、円弧状に形成される。
【0024】
さて、吐出ポート51は、アウタサイドプレート32を貫通して形成される開口によって構成される。本実施形態では、吐出ポート51は、第1吐出ポート51Aと第2吐出ポート51Bとを備えて構成される。これら、第1吐出ポート51Aと第2吐出ポート51Bとは、カバープレート12に設けた吐出通路52(
図4参照)を介して、ベーンポンプ1の吐出口53(
図4参照)が連通せしめられている。そして、ロータ22が回転した際に、ポンプ室40(
図4参照)からの作動油の吐出経路を形成する。
【0025】
背圧溝57は、
図5(a)に示すように、環形状を有する溝である。背圧溝57は、ロータ22がいかなる回転位置にあっても、ベーン溝23の底部空間23A(
図4参照)に連通するように設けられている。そして、背圧溝57は、ロータ22の全部のベーン溝23の底部空間23Aに連通する。さらに、背圧溝57は、インナサイドプレート31(
図3参照)の高圧油導入ポート56A(
図3参照)を介して高圧力室54(
図3参照)にも連通する。
【0026】
溝部Tは、
図5(a)に示すように、アウタサイドプレート32に形成された吐出ポート51に連通する溝である。そして、溝部Tは、ロータ22の回転方向において、各吐出ポート51(第1吐出ポート51A,第2吐出ポート51B)よりも手前側(上流側)に位置する。
【0027】
なお、図示のようにアウタサイドプレート32に溝部Tを設けることにより、吐出ポート51に対してポンプ室40(
図4参照)が移動するときに、吐出ポート51への到達に先んじて溝部Tに達する。これにより、図示のベーンポンプ1は、ポンプ室40と吐出ポート51との連通時間が、溝部Tを備えない構成よりも長くなり、ポンプ室40内のサージ圧が緩和され、例えば異音の発生が低減される。
【0028】
(ベーンポンプ1の動作)
以上のように構成されるベーンポンプ1は、
図4に示すように、例えば不図示の内燃機関による駆動を受けて回転軸21が回転することで、ロータ22が回転する。このロータ22の回転にともない、複数のベーン24の先端がカムリング30の内周の内周面30Cに押当てられながら回転する状態になる。
【0029】
ここで、ベーンポンプ1では、吸込口43から供給された作動油が吸込通路42を介しカムリング30の一端側吸込ポート60(
図3参照)および他端側吸込ポート80(
図3参照)に流れ込んだ状態になっている。そして、ロータ22の回転方向の上流側の吸込領域で、ロータ22の回転とともに拡張されるポンプ室40にインナサイドプレート31の吸込ポート41およびアウタサイドプレート32の吸込ポート44からの作動油が吸い込まれる。なお、吸込領域とは、周方向においてインナサイドプレート31の吸込ポート41およびアウタサイドプレート32の吸込ポート44が設けられている領域をいう。
一方で、ロータ22の回転方向の下流側の吐出領域では、ロータ22の回転に伴って圧縮されるポンプ室40からの作動油が吐出ポート51に対して吐出される。吐出ポート51へと吐出された高圧吐出油は、吐出通路52を通って吐出口53から吐出される。なお、吐出領域とは、周方向においてアウタサイドプレート32の吐出ポート51が設けられている領域をいう。
以上のようにして、本実施形態が適用されるベーンポンプ1では、吸込口43にて吸い込まれた作動油が吐出口53から吐出されるというポンプ作用が発揮される。
【0030】
(逃げ溝58について)
図6は、逃げ溝58を説明する図である。より具体的には、
図2において破線で示す領域を拡大した図である。
次に、
図3乃至
図6を参照しながら、アウタサイドプレート32に形成された逃げ溝58について説明をする。
【0031】
まず、逃げ溝58は、
図5(a)に示すように、環形状を有する溝であり、所謂ランドとして形成される。この逃げ溝58は、背圧溝(円環溝)57とは反対側の面で、軸孔32Aの周囲に設けられる凹部である。また、
図5(b)に示すように、この逃げ溝58は、背圧溝57よりも径方向内側に位置する。
【0032】
ここで、図示の逃げ溝58は、径方向において軸孔32Aと連続して設けられる。言い替えると、逃げ溝58は、軸孔32Aの軸方向におけるシールプレート13側を、ロータ22側(カムリング30側)よりも径方向外側に拡張した部分として捉えることができる。なお、逃げ溝58は、凹部、逃げ部および拡径部の一例である。
なお、この逃げ溝58の内周面58Aの径は、シールプレート13(カバープレート12)の内径よりも大きい。言い替えると、逃げ溝58は、アウタサイドプレート32において、シールプレート13の内周側端部13A(他の貫通孔、
図6参照)と対峙する部分(領域)に設けられる。
【0033】
アウタサイドプレート32の厚み方向における逃げ溝58の深さは、例えばアウタサイドプレート32の厚みの50%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。さらに説明をすると、アウタサイドプレート32は、例えば4〜10mmの厚さで形成される。この寸法において、逃げ溝58の深さは、0.05mm〜2mmである。この範囲とすることにより、アウタサイドプレート32における軸孔32Aの周辺の変形が抑制され得る。なお、0.05mmよりも逃げ溝58の深さを深くすることにより、後述するアウタサイドプレート32の焼き付きがより確実に抑制されることが確認された。
【0034】
さて、上記では説明を省略したが、回転軸21を支持する第2軸受16は、カバープレート12に嵌め合わせて(圧入して)固定される。そして、この第2軸受16の圧入にともない、カバープレート12の端面が変形することがある。より具体的には、圧入された部分(圧入部)を中心に、カバープレート12におけるシールプレート13側の端面(圧入端面)12Aが突出(盛り上がり)した変形部12Bが形成されることがある。
【0035】
ここで、本実施の形態とは異なり、アウタサイドプレート32が逃げ溝58を備えない場合を想定する。この場合、カバープレート12に変形部12Bが形成されると、変形部12Bが、シールプレート13を介して、アウタサイドプレート32をロータ22に押し付ける。そして、このロータ22への押し付けに伴い、アウタサイドプレート32に焼き付きが生じ得る。
【0036】
この焼き付きを抑制するためには、例えば、第2軸受16をカバープレート12に圧入した後に、上記変形部12Bを取り除く加工(研磨等)を行なう態様も想定される。しかしながら、変形部12Bに対して切削や研磨などの加工を行うと、切削・研磨粉が発生する。そのため、切削・研磨粉を除去するべく、専用の洗浄工程が必要となる。付言すると、第2軸受16として、例えばニードルブッシュ(針状ころ軸受)や、テフロン(登録商標)ブッシュ(PTFE軸受)などが採用された場合、第2軸受16の圧入後の加工が制限されるため、上記態様を採用できない。
【0037】
あるいは、上記焼き付きを抑制する別の態様としては、第2軸受16の位置(圧入高さ)をカバープレート12の端面より深く設定する態様も想定される。しかしながら、第2軸受16の位置がカバープレート12におけるシールプレート13側の端面12Aを基準として深くなることにより、回転軸21の第2軸受16によって支持される部分も長くなる。その結果、回転軸21の全長が長くなり、例えばレイアウト性が悪くなる。
【0038】
そこで、本実施の形態においては、上述のように逃げ溝58を設けることにより、アウタサイドプレート32とシールプレート13との間に、カバープレート12(シールプレート13)の変形を許容する空間を形成した。このように逃げ溝58が設けられていることにより、逃げ溝58の底部58Bと、シールプレート13とが離間している状態となる。さらに説明をすると、カバープレート12に変形部12Bが発生した場合においても、変形部12B(あるいは変形部12Bによって変形したシールプレート13)が、アウタサイドプレート32をロータ22に押し付けることが回避される。
【0039】
付言すると、上記の構成により、変形部12Bによって干渉されずにアウタサイドプレート32を組み込むことができる。その結果、ポンプユニット20のサイドクリアランスを維持しながら(サイドクリアランスに影響がなく)、焼き付き性の低下が抑制される。
【0040】
また、
図5(b)に示すように、逃げ溝58は、背圧溝57よりも径方向内側に形成されているため、ポンプユニット20内部の高圧力室54によって加えられる圧力によって、アウタサイドプレート32が撓むことが抑制される。なお、このアウタサイドプレート32の撓みを抑制することにより、ポンプユニット20のリーク量の増加が抑制される。
【0041】
<変形例>
図7(a)乃至(c)は、変形例を説明するための図である。
なお、以下の説明においては、上述の
図6に示すアウタサイドプレート32およびシールプレート13を構成する部分と同一の部分には同一の符号をつけ、その詳細な説明は省略する。
【0042】
上述の
図5(a)および(b)においては、逃げ溝58が、アウタサイドプレート32の厚み方向における逃げ溝58の深さが一定である、すなわちアウタサイドプレート32が角部(段)を有することを説明したが、これに限定されない。
【0043】
例えば
図7(a)に示すように、逃げ溝580が、傾斜面を備える構成、すなわち径方向内側から外側に向かうに従い深さが浅くなる向きに傾いたテーパー形状であってもよい。あるいは、
図7(b)に示すように、逃げ溝581が湾曲面により構成される形状であってもよい。
上記のように逃げ溝580、581の傾斜面あるいは湾曲面がシールプレート13の内径側先端を支持することにより、変形部12Bに押し上げられたシールプレート13に生じる応力を分散し得る。
【0044】
また、上述の説明においては、アウタサイドプレート32が逃げ溝58を有することを説明したが、これに限定されない。上述のようにアウタサイドプレート32とシールプレート13との間にカバープレート12の変形を許容する空間が形成されればよく、例えば
図7(c)に示すように、シールプレート130の内周面130Aの径を、アウタサイドプレート322の軸孔32Aの径よりも大きくしてもよい。なお、この例におけるシールプレート130の内周面130Aは、背圧溝57よりも径方向内側に位置する。
【0045】
また、上述の説明においては、逃げ溝58は、背圧溝57よりも径方向内側に形成されていることを説明したが、これに限定されない。例えば、径方向において背圧溝57の内周を通る仮想線(図中破線)に到達してもよい。このように径方向において背圧溝57と重複する位置に逃げ溝58を形成することにより、カバープレート12に変形部12Bが形成された際に、カバープレート12に生じる応力が分散され得る。
【0046】
また、上述の説明においては、背圧溝57を備えるアウタサイドプレート32を説明したが、これに限定されず、アウタサイドプレート32が背圧溝57を備えない構成であってもよい。この構成においては、ロータ22の底部空間23A(
図4参照)の内径側端部が通過する仮想線IL(
図4参照)よりも、径方向内側に逃げ溝58が形成されるとよい。なお、ロータ22の底部空間23Aが通過する領域に、逃げ溝58が届く構成であってもよい。
【0047】
また、上述の説明においては、カバープレート12に第2軸受16が嵌め込まれることを説明したが、これに限定されない。回転軸21を支持する第2軸受16が嵌め込まれる部材であれば、カバープレート12以外の他の部材であってもよく、例えばハウジング11に第2軸受16が嵌め込まれる構成であってもよい。
【0048】
なお、上記では種々の変形例を説明したが、これらの変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。