特許第6496623号(P6496623)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496623
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】改質ユニット及び燃料電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/06 20160101AFI20190325BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALI20190325BHJP
   C01B 3/38 20060101ALI20190325BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20190325BHJP
【FI】
   H01M8/06
   H01M8/0606
   C01B3/38
   !H01M8/12
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-138177(P2015-138177)
(22)【出願日】2015年7月9日
(65)【公開番号】特開2017-21969(P2017-21969A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2018年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100145229
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 雅則
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 久人
【審査官】 今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−238444(JP,A)
【文献】 特開昭62−270403(JP,A)
【文献】 特開2013−55012(JP,A)
【文献】 特開2015−113239(JP,A)
【文献】 特開2012−221659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00−8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された水を水蒸気に変化させ、前記水蒸気と原料ガスとの混合ガスを送出する蒸発部と、前記蒸発部から送出された前記混合ガスを、水素ガスを含むガスに改質する改質部と、前記改質部に改質されたガスと外部から供給された酸化剤ガスとを電気化学反応させる燃料電池スタックから送出された未反応ガスを燃焼させ、排ガスとして送出口から送出する燃焼部と、前記蒸発部と前記改質部の間に設けられ、前記燃焼部の前記送出口から送出された前記排ガスを外部へ排出する排ガス流路とを備え、
前記蒸発部には、底部を有し、その底部に供給された水を集水して水を溜める凹部が設けられ、前記凹部の前記底部が前記送出口と対向することを特徴とする改質ユニット。
【請求項2】
前記蒸発部に水を供給する供給管を備え、前記供給管が有する水供給口と前記底部とが対向し、前記水供給口が複数である場合、一つの前記水供給口に対して一つの前記底部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の改質ユニット。
【請求項3】
前記蒸発部には、前記凹部を補強するビードが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の改質ユニット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の改質ユニットと、前記改質ユニットによって生成された水素ガスを含むガスと、外部から供給された酸化剤ガスと、を電気化学反応させることによって発電する燃料電池スタックとを備えることを特徴とする燃料電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改質ユニット及び燃料電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池モジュールのうちには、燃料電池スタックから排出される排ガスの熱を利用して改質用水蒸気を生成する蒸発部を備えるものがある。例えば、特許文献1には、燃料電池スタックを収容する容器の側壁部に蒸発部を設けた燃料電池モジュールが開示されている。蒸発部は薄い扁平な箱体から構成され、その箱体の側面部が容器の側壁部に接している。また、蒸発部の箱体の底部には傾斜面が設けられ、伝熱性のセラミックビーズが載置されている。蒸発部に供給された水はその傾斜面の低い部分へ溜まり、セラミックビーズに触れて蒸発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009/028169号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された燃料電池モジュールでは、燃料電池スタックの熱が容器の側壁部に伝導し、さらに蒸発部の箱体の側面部を介して箱体の底部へ伝導する。その結果、セラミックビーズが加熱され水が蒸発する。この燃料電池モジュールでは、水が溜まった底部が直接加熱されず、熱が伝導する距離が長い。そのため、箱体の底部に溜まった水を効率よく加熱することができない。
【0005】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたもので、蒸発部に供給される水を効率よく加熱することができる改質ユニット及び燃料電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明に係る改質ユニットは、供給された水を水蒸気に変化させ、前記水蒸気と原料ガスとの混合ガスを送出する蒸発部と、前記蒸発部から送出された前記混合ガスを、水素ガスを含むガスに改質する改質部と、前記改質部に改質されたガスと外部から供給された酸化剤ガスとを電気化学反応させる燃料電池スタックから送出された未反応ガスを燃焼させ、排ガスとして送出口から送出する燃焼部と、前記蒸発部と前記改質部の間に設けられ、前記燃焼部の前記送出口から送出された前記排ガスを外部へ排出する排ガス流路とを備え、前記蒸発部には、底部を有し、その底部に供給された水を集水して水を溜める凹部が設けられ、前記凹部の前記底部が前記送出口と対向することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る燃料電池モジュールでは、蒸発部に、供給された水を底部へ集水して水を溜める凹部が設けられ、凹部では、底部が燃焼部の排ガスを排ガス流路へ送出する送出口と対向している。送出口は、排ガス流路よりも燃焼部に近いので、送出口近傍の排ガスは、排ガス流路内で相対的に温度が高い。このため、凹部では底部が効率よく加熱される。一方、底部には水が安定して溜まる。このため、加熱された底部から水が効率よく蒸発する。本発明によれば、蒸発部に供給される水を効率よく加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る燃料電池モジュールの断面図である。
図2】燃料電池モジュールが備える改質ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る改質ユニット100及び燃料電池モジュール10について、図1,2を用いて説明する。
【0010】
燃料電池モジュール10は、家庭用の設備機器や車載機器の発電を目的とした燃料電池を用いた発電機である。燃料電池モジュール10は、水と、炭化水素化合物で構成された原料ガスと、空気等の酸化剤ガスとが供給されることにより発電する。燃料電池モジュール10は、図1に示すように、燃料電池スタック20と、燃料電池スタック20の上面側に配置された改質ユニット100と、これらを収納するモジュール筐体70を備える。
【0011】
モジュール筐体70は図中上下方向を長手方向とする略円柱状に形成されている。モジュール筐体70の上面部には、原料ガス供給管11及び水供給管12が設けられている。原料ガス供給管11及び水供給管12は、モジュール筐体70内の改質ユニット100に原料ガス及び水を供給する。
【0012】
一方、モジュール筐体70の側壁部には、酸化剤ガス供給管13及び排ガス排出管14が設けられている。酸化剤ガス供給管13は、モジュール筐体70内の燃料電池スタック20に酸化剤ガスを供給する。排ガス排出管14は、モジュール筐体70の内周部に形成された排ガス排出流路71を通じて、改質ユニット100から送出される排ガスを外部に排出する。
【0013】
燃料電池スタック20は、改質ガス流路41によって改質ユニット100と接続されている。改質ユニット100は、上述した原料ガス及び水を改質することによって水素を含むガス(以下、改質ガスと呼ぶ)を生成する。燃料電池スタック20には、改質ユニット100が生成した改質ガスが供給される。
【0014】
燃料電池スタック20は、複数積層された板状の燃料電池セルで構成されている。燃料電池セルは、セラミックス等から形成されている燃料極(アノード)と空気極(カソード)とからなる一対の電極と、燃料極と空気極との間に介在する電解質とを含んで構成されている。燃料電池スタック20は、改質ユニット100が生成する改質ガスと酸化剤ガス供給管13から供給される酸化剤ガスとを電気化学反応させて発電する。改質ガス及び酸化剤ガスは、後述する燃焼部30や第1熱交換部80等によって加熱される。これにより、燃料電池スタック20は例えば、700℃程度の高温度域で発電する。一方、燃料電池スタック20では、電気化学反応に対して未反応のガス(以下、未反応ガスと呼ぶ)が発生する。燃料電池スタック20には、燃焼部30に通じた未反応ガス流路21が形成されている。燃料電池スタック20は、未反応ガス流路21を介して未反応ガスを燃焼部30に送出する。
【0015】
改質ユニット100は、図2に示すように、燃焼部30と、改質部40と、排ガス流路50と、蒸発部60とを備える。燃料電池スタック20,燃焼部30,改質部40,排ガス流路50,及び蒸発部60は、下から順に積層されている。
【0016】
燃焼部30は、図1に示すように、燃料電池スタック20の上側に設けられている。燃焼部30は、未反応ガス流路21から供給された未反応ガスを燃焼させる。燃焼部30は、接続管42を介して排ガス流路50と通じている。燃焼部30は、改質ガスが燃焼して生じる排ガスを排ガス流路50に送出する。一方、燃焼部30の上側には改質部40が設けられている。燃焼部30は、改質ガスの燃焼によって改質部40を加熱する。
【0017】
改質部40は、混合ガス流路61を介して蒸発部60に接続されている。蒸発部60では、後述するように原料ガスと水蒸気(HO)とが混合した混合ガスを生成する。改質部40には、蒸発部60から混合ガスが供給される。一方、改質部40の内部には、水蒸気改質触媒が充填されている。改質部40は、水蒸気改質触媒によって、混合ガスを水蒸気改質(以下、改質と呼ぶ)することにより、水素(H)を含むガス(改質ガス)を生成する。例えば、原料ガスの主原料がメタン(CH)である場合、改質部40は、下記式(1)に示すように、メタン(CH)と水蒸気(HO)とから、水素(H)と一酸化炭素(CO)を生成する。改質部40は、燃焼部30によって加熱され、例えば、600℃程度の高温度域に加熱されて改質反応する。改質部40は、生成した改質ガスを、改質部40の側面と燃料電池スタック20の下面とを接続する改質ガス流路41を介して、燃料電池スタック20に送出する。
CH+HO(g)→3H+CO (1)
【0018】
改質部40には、接続管42が、図中上下方向に貫通して形成されている。一方、改質部40の上側には、改質部40の上面と離間して蒸発部60が設けられている。改質部40と蒸発部60とを離間する空間は略円筒形の排ガス流路50を形成する。接続管42は、排ガス流路50と燃焼部30とを接続する。接続管42は、燃焼部30で生じた排ガスを排ガス流路50の送出口31へ送出する。
【0019】
排ガス流路50の外周面には、排ガスが通過する孔51が形成されている。孔51は、例えば、排ガス流路50の外周面に一箇所以上形成される。孔51は、改質ユニット100とモジュール筐体70の内周部との間に形成された空間を介して排ガス排出流路71とつながっている。排ガス流路50では、高温の排ガスが送出口31から孔51へ流れ、排ガスは排ガス排出流路71を介して外部へ排出される。このとき、排ガスは改質部40を改質反応に適する温度に加熱する。また、蒸発部60を加熱する。
【0020】
蒸発部60は、モジュール筐体70内の上部近傍に設けられている。蒸発部60の上面部には、原料ガス供給管11及び水供給管12が接続されている。蒸発部60には、矢印A1及びA2に示されるように、燃料電池モジュール10の外部から原料ガス及び水が供給される。
【0021】
蒸発部60の下面部には、図2に示すように、下面全体にわたって形成された凹部62が設けられている。凹部62は、底部63と、蒸発部60の内周壁から底部63へ向かって徐々に低くなる斜面部64とを有している。
【0022】
底部63は平面かつ略円形状に形状されている。一方、斜面部64は、内面側が下へ凹んだ半球の底を平面で切断した形状に形成されている。その切断部に底部63が配置され、斜面部64は底部63を取り囲んでいる。斜面部64は、水供給管12から供給された水を伝わらせ、その水を底部63へ集水する。底部63とその近傍には集水された水が溜まる。
【0023】
底部63は、接続管42の送出口31の上側に設けられ、送出口31と対向している。底部63の中心は、接続管42の送出口31の中心軸と同軸である。このため、底部63には、矢印A3に示されるように、接続管42から送出される排ガスが吹き付けられる。排ガスが高温であるため、底部63はこの排ガスによって加熱される。底部63は、例えば、300℃程度の低温度域まで加熱される。底部63に溜まった水は蒸発し、この温度領域の水蒸気へ変化する。
【0024】
一方、底部63には、複数のアルミナボール65が配置され、アルミナボール65は凹部62の熱伝導性及び熱容量を高める。アルミナボール65は底部63に溜まった水の突沸を防止する。
【0025】
蒸発部60は、底部63で発生した水蒸気と、原料ガス供給管11から供給された原料ガスとが混合した混合ガスを生成する。蒸発部60の側壁部には、図1に示すように、混合ガス流路61が接続されている。混合ガス流路61は改質部40と通じている。蒸発部60は、生成した混合ガスを改質部40へ送出する。上述したように、混合ガスは改質部40で改質された後、燃料電池スタック20へ送出される。
【0026】
一方、燃料電池モジュール10は、上述した燃料電池スタック20や改質ユニット100に加えて、第1熱交換部80及び第2熱交換部90を備える。
【0027】
第1熱交換部80は、図1に示すように、酸化剤ガスGを供給する酸化剤ガス供給管13に接続されている。また、第1熱交換部80は、モジュール筐体70の外周部に設けられている。一方、モジュール筐体70の内周部には高温の排ガスGEが流れる排ガス排出流路71が形成されている。第1熱交換部80は、排ガス排出流路71の排ガスGEと熱交換し、酸化剤ガス供給管13から供給された酸化剤ガスGを加熱する。第1熱交換部80は、第2熱交換部90と通じる第1酸化剤ガス流路81に接続されている。第1熱交換部80は、加熱した酸化剤ガスGを、第1酸化剤ガス流路81を介して第2熱交換部90に送出する。
【0028】
第2熱交換部90は、燃料電池スタック20の外周部に設けられている。燃料電池スタック20は改質ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応によって高温となる。第2熱交換部90は、高温になった燃料電池スタック20の輻射熱によって、第1熱交換部80から供給された酸化剤ガスGをさらに加熱する。第2熱交換部90は、第2酸化剤ガス流路91を介して燃料電池スタック20に接続されている。第2熱交換部90は、加熱した酸化剤ガスGを燃料電池スタック20に送出する。燃料電池スタック20には、上述した高温度域の酸化剤ガスGが供給される。
【0029】
以上、説明したように、本発明に係る実施形態では、蒸発部60に、供給された水を底部63へ集水して水を溜める凹部62が設けられている。蒸発部60の下面部が水平面状に形成された場合、供給された水が溜まる位置が一定とならず、水の蒸発する位置が一定とならないことがある。このため、蒸発部60の温度バランスが悪化することがある。これに対して、本発明に係る実施形態では、供給された水が凹部62の底部63に集水されて溜められ、底部63から安定して水が蒸発する。このため、蒸発部60の温度バランスを一定の状態に保つことができる。本発明に係る実施形態によれば、改質ユニット100の耐久性を高めることができる。また、蒸発部60に供給される水を効率よく加熱することができる。
【0030】
本実施形態では、蒸発部60と改質部40との間に排ガス流路50が設けられている。蒸発部60が排ガス流路50によって加熱されることで、蒸発部60が効率的に昇温する。また、蒸発部60に形成された凹部62が燃焼部30と排ガス流路50とを接続する接続管42の送出口31と対向している。排ガス流路50では、接続管42の送出口31近傍の排ガスが最も温度が高い。このため、蒸発部60の凹部62が効率よく加熱される。結果として、凹部62に溜まる水がより蒸発しやすい。本実施形態によれば、蒸発部60の水を効率よく蒸発させることができる。
【0031】
凹部62の底部63の中心は、接続管42の送出口31と同軸に設けられている。このため、底部63の中心が凹部62のなかで最も加熱される。水は底部63を中心とする領域に溜まるため、結果として水を効率よく蒸発させることができる。
【0032】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。
【0033】
例えば、上記の実施形態では、蒸発部60の凹部62が有する斜面部64が、内面側が下へ凹んだ半球の底を平面で切断した形状に形成されている。しかしながら、本発明は、これに限られない。凹部62は、供給された水を底に向かって集水し、その底に水を溜める形状であれば、上記の形状と異なる形状であってもよい。例えば、斜面部64が楕円体の一部の曲面で形成されてもよいし、逆円錐台側面や逆角錐側面と同様の形状であってもよい。また、凹部62が平面かつ円形状の底部63を有さない形状であってもよい。例えば、凹部62全体が、内面側が下へ凹んだ半球状の形状であってもよい。
【0034】
また、凹部62に補強部材が設けられてもよい。例えば、凹部62を補強するビードが形成されてもよい。ビードは剛性を高めるため凹凸状であってもよい。この場合、ビードは凹部62の底部63を取り囲む形状であるとよい。例えば、凹部62の斜面部64が、内面側が下へ凹んだ半球の底を平面で切断した形状である場合、ビードは、円形状の底部63の中心と同心の円を描くうね状に形成されてもよい。このようなビードが形成されることにより、熱応力を緩和して、改質ユニット100の耐久性を高めることができる。また、蒸発部60の下面部が水平面状である場合と比較して蒸発部60の表面積が増加する。排ガス流路50と熱交換がされやすくなり、結果として蒸発部60に十分な熱が供給される。
【0035】
上記の実施形態では、1つの接続管42が改質部40を上下方向に貫通している。そして、その1つの接続管42の上に1つの底部63が対向して設けられている。さらに、その1つの底部63の上に、1つの水供給管12の水供給口が対向して設けられている。しかしながら、接続管42の排ガス排出口と底部63とが対向する限り、接続管42、水供給管12、及び底部63の数は任意である。例えば、接続管42が複数設けられてもよい。その場合、蒸発部60の下面部には、接続管42と同数の底部63が形成されるとよい。その場合、底部63それぞれは、接続管42の排ガス排出口それぞれに対向するとよい。底部63中心それぞれが接続管42の排ガス排出口それぞれと同軸であるとよい。また、水供給管12の水供給口が複数設けられてもよい。その場合、底部63も複数設けられ、水供給管12の水供給口それぞれから給水された水が凹部62の斜面部64に集水されて底部63それぞれに溜まってもよい。また、水供給口の中心が底部63中心又は排ガス排出口の中心と同軸であってもよい。
【0036】
上記の実施形態では、底部63の中心が、接続管42の排ガス排出口と同軸に設けられている。しかしながら、本発明はこれに限られない。底部63は、接続管42の送出口31と対向していればよい。底部63が十分加熱され、その結果、溜まった水が十分加熱される。
【0037】
上記の実施形態では、凹部62の底部63にアルミナボール65が配置されている。しかしながら、本発明ではアルミナボール65の有無は任意である。アルミナボール65を有する場合、アルミナボール65は、熱伝導性部材であれば、その部材と置き換えられてもよい。例えば、ワイヤーメッシュと置き換えられてもよい。
【0038】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0039】
10 燃料電池モジュール、11 原料ガス供給管、12 水供給管、13 酸化剤ガス供給管、14 排ガス排出管、20 燃料電池スタック、21 未反応ガス流路、30 燃焼部、31 送出口、40 改質部、41 改質ガス流路、42 接続管、50 排ガス流路、51 孔、60 蒸発部、61 混合ガス流路、62 凹部、63 底部、64 斜面部、65 アルミナボール、70 モジュール筐体、71 排ガス排出流路、80 第1熱交換部、81 第1酸化剤ガス流路、90 第2熱交換部、91 第2酸化剤ガス流路、100 改質ユニット
図1
図2