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特許6496679端末、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496679
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】端末、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20190325BHJP
   H04M 1/73 20060101ALI20190325BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   H04M1/00 U
   H04M1/73
   H04M11/00 302
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-63411(P2016-63411)
(22)【出願日】2016年3月28日
(65)【公開番号】特開2017-183780(P2017-183780A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 高弘
【審査官】 石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/127056(WO,A2)
【文献】 国際公開第2014/062714(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/132549(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00−25/04
H03J 9/00−9/06
H04M 1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04Q 9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに携帯される端末であって、
前記ユーザに携帯される他の端末の有する機能及びリソースの残容量を、前記他の端末から取得する取得部と、
前記端末と前記他の端末とで共通する共通機能を特定する特定部と、
前記端末及び前記他の端末の各々のリソースの残容量を基に、前記端末及び前記他の端末の中から、前記共通機能を起動させる第1の端末を選択し、選択された前記第1の端末の該共通機能を起動させる起動制御部と、を有し、
前記起動制御部は、
前記選択の前から前記共通機能を起動している第2の端末と、前記選択された前記第1の端末とが異なる場合に、前記共通機能の処理結果の通知を所定の期間以内に前記第2の端末から受け付けたときは、該処理結果の通知を受け付けた後に前記第2の端末の前記共通機能を停止させる一方で、前記共通機能の処理結果の通知を所定の期間以内に前記第2の端末から受け付けなかったときは、前記第2の端末の前記共通機能の処理を継続させる、端末。
【請求項2】
前記起動制御部は、前記リソースの残容量が大きい端末を選択し、前記共通機能を起動させる、請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記取得部は、前記他の端末の有する前記共通機能の性能を、前記他の端末から取得し、前記起動制御部は、所定の性能以上の前記共通機能を有する端末の中から、前記共通機能を起動させる端末を選択する、請求項1又は2に記載の端末。
【請求項4】
前記起動制御部は、前記共通機能が起動されてから所定の期間経過後に、前記共通機能を起動する端末を変更するか否かを判断する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の端末。
【請求項5】
前記起動制御部は、前記共通機能を起動している端末のリソースの残容量が所定の閾値を下回る場合に、前記共通機能を起動する端末を変更するか否かを判断する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の端末。
【請求項6】
前記共通機能を停止している端末のリソースの残容量が、前記共通機能を起動している前記第1の端末のリソースの残容量よりも所定の値以上、大きい場合、前記起動制御部は、前共通機能を起動する端末を、前記第の端末から前記共通機能を停止している端末に変更する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の端末。
【請求項7】
前記共通機能は、端末の位置を特定する機能を含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の端末。
【請求項8】
前記リソースの残容量は、電池の残容量、プロセッサの残容量、メモリの残容量、又はこれらの組み合わせである、請求項1乃至のいずれか一項に記載の端末。
【請求項9】
ユーザに携帯される端末と、前記ユーザに携帯される他の端末とを有する情報処理システムであって、
前記端末は、
前記他の端末の有する機能及びリソースの残容量を、前記他の端末から取得する取得部と、
前記端末と前記他の端末とで共通する共通機能を特定する特定部と、
前記端末及び前記他の端末の各々のリソースの残容量を基に、前記端末及び前記他の端末の中から、前記共通機能を起動させる第1の端末を選択し、選択された前記第1の端末の該共通機能を起動させる起動制御部と、を有し、
前記起動制御部は、
前記選択の前から前記共通機能を起動している第2の端末と、前記選択された前記第1の端末とが異なる場合に、前記共通機能の処理結果の通知を所定の期間以内に前記第2の端末から受け付けたときは、該処理結果の通知を受け付けた後に前記第2の端末の前記共通機能を停止させる一方で、前記共通機能の処理結果の通知を所定の期間以内に前記第2の端末から受け付けなかったときは、前記第2の端末の前記共通機能の処理を継続させ、
前記他の端末は、
前記他の端末の有する機能及びリソースの残容量を、前記端末に通知する通知部と、
前記起動制御部が、前記共通機能を起動させる端末として、前記他の端末を選択した場合、前記共通機能を起動する共通機能実行部と、を有する、情報処理システム。
【請求項10】
ユーザに携帯される端末と、前記ユーザに携帯される他の端末との間で実行される情報処理方法であって、
前記端末が、前記他の端末の有する機能及びリソースの残容量を、前記他の端末から取得するステップと、
前記端末が、前記端末と前記他の端末とで共通する共通機能を特定するステップと、
前記端末が、前記端末及び前記他の端末の各々のリソースの残容量を基に、前記端末及び前記他の端末の中から、前記共通機能を起動させる第1の端末を選択するステップと、
前記端末が、前記共通機能を起動させる端末として、前記他の端末を選択した場合、前記端末が、該共通機能を、前記他の端末に起動させるステップと、を有し、
前記選択するステップは、
前記選択の前から前記共通機能を起動している第2の端末と、前記選択された前記第1の端末とが異なる場合に、前記共通機能の処理結果の通知を所定の期間以内に前記第2の端末から受け付けたときは、該処理結果の通知を受け付けた後に前記第2の端末の前記共通機能を停止させる一方で、前記共通機能の処理結果の通知を所定の期間以内に前記第2の端末から受け付けなかったときは、前記第2の端末の前記共通機能の処理を継続させる、情報処理方法。
【請求項11】
ユーザに携帯される端末のプログラムであって、
前記ユーザに携帯される他の端末の有する機能及びリソースの残容量を、前記他の端末から取得するステップと、
前記端末と前記他の端末とで共通する共通機能を特定するステップと、
前記端末及び前記他の端末の各々のリソースの残容量を基に、前記端末及び前記他の端末の中から、前記共通機能を起動させる第1の端末を選択するステップと、
選択された端末の該共通機能を起動させるステップと、を端末に実行させ
前記選択するステップは、
前記選択の前から前記共通機能を起動している第2の端末と、前記選択された前記第1の端末とが異なる場合に、前記共通機能の処理結果の通知を所定の期間以内に前記第2の端末から受け付けたときは、該処理結果の通知を受け付けた後に前記第2の端末の前記共通機能を停止させる一方で、前記共通機能の処理結果の通知を所定の期間以内に前記第2の端末から受け付けなかったときは、前記第2の端末の前記共通機能の処理を継続させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがスマートフォン等の端末に、該端末の自己位置測位を実行させ、測位結果を地図アプリケーション等に使用させることが広く行われている。この場合、自己位置測位は、端末のGPS機能等を用いて実行される。端末が、頻繁に自己位置測位を実行すると、端末の電池を消費するため、端末の電池の消費量を抑える各種提案がされている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、ユーザに携帯されるメガネ型や時計型の端末(いわゆる、ウエアラブル端末)が、普及しつつあり、ユーザが、これらの端末に、GPS機能等による自己位置測位を実行させることも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−25810号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来提案されている方法では、ユーザが一つの端末を携帯する場合において、電池の消費量を抑えることを前提としており、ユーザがスマートフォンやウエアラブル端末等の自己位置測位機能を有する複数の端末を、携帯するケースについては想定されていなかった。
【0006】
同一のユーザに携帯されるスマートフォンやウエアラブル端末は、近距離無線通信等により連携することが一般的であり、各々の端末が重複する処理を実行することにより、無駄に電池等のリソースを消費するおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてされたものであって、ユーザに携帯される複数の端末のリソースの使用量を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの態様では、ユーザに携帯される端末であって、前記ユーザに携帯される他の端末の有する機能及びリソースの残容量を、前記他の端末から取得する取得部と、前記端末と前記他の端末とで共通する共通機能を特定する特定部と、前記端末及び前記他の端末の各々のリソースの残容量を基に、前記端末及び前記他の端末の中から、前記共通機能を起動させる端末を選択し、選択された端末の該共通機能を起動させる起動制御部と、を有する、端末、が提供される。
【発明の効果】
【0009】
ユーザに携帯される複数の端末のリソースの使用量を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る端末のハードウエア構成の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る携帯端末の機能構成の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る性能管理テーブルの一例を示す図である。
図6】本実施形態に係るリソース管理テーブルの一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る条件設定テーブルの一例を示す図である。
図8】本実施形態に係るオフセット設定テーブルの一例を示す図である。
図9】本実施形態に係るウエアラブル端末の機能構成の一例を示す図である。
図10】本実施形態に係る動作フローの一例を示す図(その1)である。
図11】本実施形態に係る動作フローの一例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<システム構成>
図1を用いて、本実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成について説明する。図1は本実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す図である。情報処理システム1は、携帯端末20、ウエアラブル端末30(30A、30B)、携帯電話基地局50(以下、基地局50)、無線LANアクセスポイント40(以下、AP40)、及びGPS衛星60を有する。
【0012】
携帯端末20は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末。又はノートPC等により実現される。携帯端末20は、GPS信号65等を受信して自己位置を特定する、自己位置特定機能を有する。また、携帯端末20は、加速度センサを有し、携帯端末20の移動の開始、及び携帯端末20の移動の停止等を検出する。携帯端末20は、基地局50、又はAP40と接続してインターネット等に接続する機能を有する。
【0013】
携帯端末20には、各種アプリケーションがインストールされている。携帯端末20は、ユーザからの指示を受けて地図アプリケーションを起動する。端末20は、地図アプリケーションを動作させるのに必要な、自己位置の特定や、加速度の測定に関する処理を実行する。
【0014】
ウエアラブル端末30は、ユーザに装着される端末である。図1では、時計型のウエアラブル端末30Aと、メガネ型のウエアラブル端末30Bとが、ユーザに装着される様子を示している。ウエアラブル端末30は、GPS信号65等を受信して自己位置を特定する、自己位置特定機能を有する。また、ウエアラブル端末30は、加速度センサを有し、ウエアラブル端末30の移動の開始、及びウエアラブル端末30の移動の停止等を検出する。
【0015】
ウエアラブル端末30には、各種アプリケーションがインストールされている。ウエアラブル端末30のアプリケーションは、携帯端末20からの指示に応じて動作するように設定されてもよい。例えば、ウエアラブル端末30の地図アプリケーションは、携帯端末20からの指示を受けて、自己位置の特定や、加速度の測定に関する処理を実行してもよい。
【0016】
ウエアラブル端末30は、基地局50、又はAP40と接続してインターネット等に接続する機能を有してもよいし、携帯端末20を介してインターネット等に接続してもよい。
【0017】
携帯端末20と、ウエアラブル端末30とは、近距離無線75を用いて信号の送受信を行う。例えば、携帯端末20と、ウエアラブル端末30とは、Bluetooth(登録商標)、又はBluetooth Low Energy等の近距離無線75を用いて信号の送受信を行う。
【0018】
GPS衛星60は、GPS信号65を送信する。携帯端末20及びウエアラブル端末30は、GPS信号65を受信し、自己位置を特定するために用いる。
【0019】
基地局50は、携帯電話用の信号55を送信する。携帯端末20及びウエアラブル端末30は、携帯電話用の信号55を、自己位置を特定するために用いてもよい。
【0020】
AP40は、WLAN用の信号45を送信する。携帯端末20及びウエアラブル端末30は、WLAN用の信号45を、自己位置を特定するために用いてもよい。
【0021】
携帯端末20やウエアラブル端末30がGPS信号65に加えて、携帯電話用の信号55及びWLAN用の信号45を用いて自己位置の特定をする場合、GPS信号65のみから自己位置を特定する場合に比べて、特定される位置の精度は高くなる。
【0022】
以下の説明において、携帯端末20とウエアラブル端末30の両方を指す場合には、単に端末と記載する。
【0023】
<動作シーケンス>
次に、本実施形態に係る動作シーケンスについて説明する。本実施形態に係る携帯端末20及びウエアラブル端末30は、自己位置を特定する機能等の共通する機能を有する。電池等のリソースの使用量を抑えるために、携帯端末20は、携帯端末20及びウエアラブル端末30の一部に共通する機能を実行させることを特徴としている。
【0024】
図2は、携帯端末20がユーザから地図アプリケーションの起動指示を受けた時の動作手順の一例を示す図である。
【0025】
携帯端末20のユーザは、携帯端末20を携帯し、2台のウエアラブル端末30(30A、30B)を装着し、携帯端末20、ウエアラブル端末30A、及びウエアラブル端末30Bとの間で近距離無線を用いて信号の送受信を可能な状態にあるものとする。
【0026】
ステップS201で、携帯端末20は、ユーザからの地図アプリケーションの起動指示を受け付け、携帯端末20の画面上に地図アプリケーションを表示する。
【0027】
ステップS202で、携帯端末20は、ウエアラブル端末30Aの有する機能及びリソースの使用状況を、ウエアラブル端末30Aに問い合わせる。
【0028】
ステップS203で、携帯端末20は、ウエアラブル端末30Bの有する機能及びリソースの使用状況を、ウエアラブル端末30Bに問い合わせる。
【0029】
携帯端末20は、地図アプリケーションの実行に係る機能である、自己位置特定機能の有無、加速度測定機能の有無、及びこれらの性能を、ウエアラブル端末30に問い合わせてもよい。また、携帯端末20は、リソースの使用状況として、電池の残量、プロセッサの使用率、及びメモリの使用率等を、ウエアラブル端末30に問い合わせてもよい。電池の残量は、端末の動作可能時間等で表されてもよい。
【0030】
ステップS204で、ウエアラブル端末30Aは、ウエアラブル端末30Aの有する機能及びリソースの使用状況を、携帯端末20に応答する。
【0031】
ステップS205で、ウエアラブル端末30Bは、ウエアラブル端末30Bの有する機能及びリソースの使用状況を、携帯端末20に応答する。
【0032】
ステップS206で、携帯端末20は、端末間で共通する機能(共通機能)を特定する。そして、携帯端末20は、各端末の共通機能の起動又は停止を判断する。判断には、携帯端末20、ウエアラブル端末30A、及びウエアラブル端末30Bのリソースの使用状況を用いる。
【0033】
例えば、携帯端末20は、携帯端末20、ウエアラブル端末30A、及びウエアラブル端末30Bの中の少なくとも一つの端末の自己位置特定機能を起動させ、他の端末の自己位置特定機能を停止させてもよい。例えば、携帯端末20は、携帯端末20、ウエアラブル端末30A、及びウエアラブル端末30Bの少なくとも一つの端末の加速度測定機能を起動させ、他の端末の加速度測定機能を停止させてもよい。
【0034】
携帯端末20は、各々の端末のリソースの使用状況を参照して共通機能の起動、及び停止の判断を行う。携帯端末20は、リソースに余力のある端末、つまり、リソースの残容量が大きい端末で機能を動作させることを判断する。
【0035】
リソースの残容量は、例えば、「100%−リソースの使用率」で表される。携帯端末20は、電池の使用率が低いこと、プロセッサの使用率が低いこと、メモリの使用率が低いこと、又はこれらの組み合わせから、リソースの残容量が大きいと判断してもよい。
【0036】
携帯端末20は、端末の各々が有する自己位置特定機能や加速度測定機能の性能から、機能の起動又は停止の判断を実行してもよい。
【0037】
なお、上述した動作手順では、携帯端末20は、地図アプリケーションを起動後に、ウエアラブル端末30の有する機能を、ウエアラブル端末30に問い合わせているが、携帯端末20は、近距離無線の信号を、ウエアラブル端末30と送受信可能な状態となったときに、ウエアラブル端末30の機能を取得してもよい。
【0038】
ここでは、ステップS206において、携帯端末20は、ウエアラブル端末30Aの自己位置特定機能と加速度測定機能とを起動する判断をし、携帯端末20及びウエアラブル端末30Bの自己位置特定機能と加速度測定機能とを停止する判断をしたものとして説明を進める。
【0039】
ステップS207で、携帯端末20は、ウエアラブル端末30Aに、自己位置特定機能及び加速度測定機能の起動指示を送信する。
【0040】
ステップS208で、ウエアラブル端末30Aは、指示に従って、自己位置特定機能及び加速度測定機能を起動し、処理を実行する。
【0041】
ステップS209で、携帯端末20は、ウエアラブル端末30Aから、自己位置特定処理及び加速度測定処理の結果を受信する。
【0042】
ステップS210で、携帯端末20は、受信した処理の結果を地図アプリケーション上に表示させる。
【0043】
地図アプリケーションの起動に応じて、端末の各々の機能の起動及び停止の判断をする動作手順について説明したが、携帯端末20は、任意のタイミングで機能の起動及び停止の判断をすることが可能である。
【0044】
例えば、携帯端末20は、ステップS206の判断をしてから所定の期間経過後に、再度、各々の端末のリソースの使用状況を取得し、機能の起動及び停止に関する判断を実行してもよい。
【0045】
例えば、携帯端末20は、自己位置の特定処理等の結果を、所定の期間、取得できない場合に、再度、各々の端末のリソースの使用状況を取得し、機能の起動及び停止に関する判断を実行してもよい。
【0046】
例えば、携帯端末20は、端末の各々のリソースの使用状況が変化したことに応じて、機能の起動及び停止に関する判断を実行してもよい。ここで、ウエアラブル端末30は、リソースの使用状況が所定の範囲以上、変化したことを検知した場合、例えば電池の使用率が所定の値以上変化した場合や、電池の残容量が所定の値を下回った場合、使用状況が変化した旨の通知を、携帯端末20に送信し、携帯端末20は、通知を受けたことに応じて、再度、判断を実行してもよい。
【0047】
なお、携帯端末20は、一の端末のみの共通機能を起動し、他の端末の共通機能を停止する判断をしてもよいし、複数の端末において同一の共通機能を起動する判断をしてもよい。消費電力の削減の観点からは、一のみの端末の機能を起動し、他の端末の機能を停止することが好ましいが、複数の端末で共通機能を起動させることが好ましい場合も存在する。例えば、複数の端末に、自己位置の特定処理を実行させ、携帯端末20は、複数の端末により特定された位置の情報を用いて、自己位置の精度を向上させてもよいし、一の端末により特定された位置の情報に異常値を含むと判断された場合、他の端末により特定された位置の情報を用いてもよい。
【0048】
<ハードウエア構成>
次に、本実施形態に係る携帯端末20のハードウエア構成について説明する。
【0049】
図3は、本実施形態における携帯端末20のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0050】
携帯端末20は、CPU201、ROM202、RAM203、記憶装置204、入出力装置205、ディスプレイ206、通信I/F207、加速度センサ208、自己位置特定装置209、及び近距離無線通信装置210を備える。なお、携帯端末20のハードウエアの各構成要素は、バスBを介して相互に接続される。
【0051】
CPU201は、記憶装置204に記憶された各種プログラムを実行するコンピュータである。
【0052】
ROM202は不揮発性メモリである。ROM202は、記憶装置204に記憶された各種プログラムをCPU201が実行するために必要な各種プログラムやデータ等を記憶する。
【0053】
RAM203は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の主記憶装置である。RAM203は、各種プログラムがCPU201によって実行される際に展開される作業領域として機能する。
【0054】
記憶装置204は各種プログラムを記憶する。
【0055】
入出力装置205は、携帯端末20に対する各種指示を入力する入力装置、及び携帯端末20で処理された処理結果を出力する出力装置の機能を含む。
【0056】
ディスプレイ206は、入出力装置205から受信した情報を表示する。ディスプレイ206と入出力装置205は、タッチパネルにより実現されてもよい。
【0057】
通信I/F207は、基地局50及びAP40を介して、インターネット等の外部ネットワークとの通信を行う。
【0058】
加速度センサ208は、携帯端末20に加わっている加速度の大きさと加速度の向きを検知する。
【0059】
自己位置特定装置209は、GPS受信機等によって実現される。自己位置特定装置209は、GPS信号を受信し、携帯端末20の位置を特定する。携帯端末20の位置を特定する際に、通信I/F206を介して、AP40及び基地局50の情報を取得し、自己位置の特定処理に用いてもよい。
【0060】
近距離無線通信装置210は、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(登録商標)等を用いて、ウエアラブル端末30との間で近距離無線通信を行う。
【0061】
CPU201が、記憶装置204等に格納されているプログラムを実行することにより、携帯端末20の各機能を実現することができる。
【0062】
ウエアラブル端末30も、携帯端末20と同様のハードウエア構成を有する。ウエアラブル端末30に用いられる装置は、ウエアラブル端末30の性質に応じて、調整される。例えば、メガネ型のウエアラブル端末30の場合、ヘッドマウントディスプレイが用いられてもよい。また、ウエアラブル端末30には、タッチパネルに代えて、音声入力に対応した入力装置が用いられてもよい。
【0063】
<機能構成>
(1)携帯端末
図4を用いて携帯端末20の機能構成について説明する。図4は携帯端末20の機能構成の一例を示す図である。
【0064】
携帯端末20は、送受信部220、自己位置特定部230、加速度測定部240、情報取得部250、起動制御部260、入出力制御部270、情報記憶部280、及びアプリケーション制御部290を有する。情報記憶部280は、性能管理テーブル281、リソース管理テーブル282、条件設定テーブル283、オフセット設定テーブル284、及び状態記憶テーブル285を有する。
【0065】
送受信部220は、近距離無線を用いて、ウエアラブル端末30との間でデータの送受信を行う。また、送受信部220は、基地局50、又はAP40を介して、インターネット等に接続し、データの送受信を行う。
【0066】
自己位置特定部230は、起動制御部260からの指示を受けて携帯端末20の在圏している位置を特定する。具体的には、自己位置特定部230は、GPS衛星60からGPS信号65を受信し、携帯端末20の在圏している位置を特定する。自己位置特定部230は、GPS信号65に加えて、基地局50からの信号55、及び/又はAP40からの信号45を用いて、携帯端末20の位置を特定してもよい。
【0067】
加速度測定部240は、起動制御部260からの指示を受けて携帯端末20に加わる加速度と加速度の加わる方向を測定し、携帯端末20の移動の開始、及び携帯端末20の移動の停止を検出する。
【0068】
情報取得部250は、ウエアラブル端末30の有する機能及びリソースの使用状況を取得する。情報取得部250は、所定のタイミングで、携帯端末20のリソースの使用状況を取得する。ウエアラブル端末30のリソースの使用率が所定の範囲以上、変化した場合や、ウエアラブル端末30のリソースの残容量が所定の閾値を下回る場合に、情報取得部250は、ウエアラブル端末30からリソースの使用状況を受信する。情報取得部250は、取得した情報を情報記憶部280に記憶させる。
【0069】
情報取得部250は、自己位置特定部230又はウエアラブル端末30により特定された位置の情報を取得し、携帯端末20の位置として、情報記憶部280に記憶させる。
【0070】
情報取得部250は、加速度測定部240又はウエアラブル端末30により測定された加速度の情報を取得し、携帯端末20の加速度として、情報記憶部280に記憶させる。
【0071】
起動制御部260は、端末で共通する機能を特定し、特定された機能を起動する端末と、特定された機能を停止する端末とを選択する。選択の際に、起動制御部260は、情報記憶部280の各テーブルに記憶されている情報を用いる。起動制御部260は、選択の結果に基づいて、ウエアラブル端末30の機能の起動又は停止の指示を、ウエアラブル端末30に送信する。起動制御部260は、自己位置特定部230、及び加速度測定部240等に起動又は停止を指示する。
【0072】
起動制御部260は、端末のリソースの使用状況の変化に合わせて、機能を起動する端末を変更するか否かを判断する。
【0073】
例えば、起動制御部260は、選択から所定の期間が経過した場合に、機能を起動する端末を変更するか否かの判断を行ってもよい。
【0074】
例えば、起動制御部260は、情報取得部250から携帯端末20又はウエアラブル端末30のリソースの使用状況が変化した旨の通知を受けた場合に、機能を起動する端末を変更するか否かの判断をしてもよい。この場合、起動制御部260は、ウエアラブル端末30がリソースの使用状況を通知する条件(通知条件)を、情報取得部250を介して、ウエアラブル端末30に通知する。通知条件には、例えば、電池の残容量が所定の閾値を下回る等の条件が設定される。また、起動制御部260は、後述する維持リソース条件を、通知条件として通知してもよい。
【0075】
なお、機能を起動する端末を変更する場合、起動制御部260は、変更後の端末から処理の結果の通知を受けた後に、変更前の端末の機能を停止する指示を送信してもよい。これにより、処理の結果の連続性を保つことができる。また、起動制御部260が変更後の端末に起動の指示を送信してから所定の期間を経過しても、情報取得部250が変更後の端末から処理の結果の通知を受けない場合、起動制御部260は、変更前の端末の機能を継続して起動させてもよい。所定の期間は、切り替えられる機能で実行される処理毎に設けられてもよい。例えば、自己位置を特定する処理の場合、建物内やトンネル内等を移動しているときには、GPS信号を取得するのに時間を要することがある。このため、所定の期間経過後に、起動制御部260が、変更後の端末で正常に機能が動作していることの確認を行った後に、変更前の端末の機能を停止することが好ましい。
【0076】
入出力制御部270は、携帯端末20のユーザから各種指示を受け付けると共に、各種情報を携帯端末20の画面に表示する。入出力制御部270は、ユーザからのアプリケーションに対する起動及び各種機能の実行指示を受け付ける。入出力制御部270は、画面上にアプリケーションの実行状況を表示する。例えば、地図アプリケーションが実行される場合、入出力制御部270は、画面に地図と、端末の地図上の位置を示す情報とを表示する。
【0077】
入出力制御部270は、起動制御部260の判断結果を画面に表示する。入出力制御部270が、ユーザから了承する旨の指示を受け付けたことに応じて、起動制御部260は、機能の起動、及び停止の処理を実行してもよい。
【0078】
情報記憶部280は、携帯端末20の制御に用いる情報を格納する。起動制御部260、及びアプリケーション制御部290等は、情報記憶部280に格納されているテーブルを参照して、制御を実行する。各テーブルに記憶されている情報については、後述する。
【0079】
アプリケーション制御部290は、ユーザからの指示に基づいて、アプリケーションを起動し、アプリケーションに関する各種処理を実行する。アプリケーションの実行時に、端末の位置、及び移動状況が必要な場合、アプリケーション制御部290は、自己位置の特定処理及び加速度の測定処理の実行を、起動制御部260に指示する。指示を受けた起動制御部260は、自己位置の特定処理及び加速度の測定処理の実行を行う端末を選択する。アプリケーション制御部290は、状態記憶テーブル285を参照し、端末の位置及び、加速度を特定する。アプリケーション制御部290は、地図アプリケーションを実行するときに、特定された端末の位置及び加速度(移動中、停止中)を地図上に表示させ、ユーザに現在の位置と移動状況を認識させてもよい。
【0080】
また、アプリケーション実行時に、インターネット接続機能が必要な場合、アプリケーション制御部290は、インターネット接続処理の実行を、起動制御部260に指示する。指示を受けた起動制御部260は、インターネット接続を行う端末を選択する。この場合、選択された端末を介してインターネット接続が実行される。
【0081】
(2)情報記憶部の各テーブルに記憶される情報
次に、情報記憶部280に記憶される情報について説明する。
【0082】
図5は、性能管理テーブル281の一例を示す図である。性能管理テーブル281には、情報取得部250が取得した端末の有する機能及び性能が、端末の識別子と対応付けられて記憶されている。
【0083】
図5では、各端末の自己位置特定機能、加速度測定機能、及びインターネット接続機能が記憶されている例を示しているが、記憶される機能はこれに限定されない。また、図5の例では、性能として、「高」、「中」、又は「低」が設定されているが、具体的な性能が記憶されてもよい。例えば、自己位置特定機能の場合、測定処理時間や測定誤差が記憶されてもよい。例えば、加速度測定機能の場合、具体的な加速度を検知可能な範囲等が記憶されてもよい。例えば、インターネット接続機能の場合、通信速度や使用可能な無線アクセスシステムが記憶されてもよい。
【0084】
図6は、リソース管理テーブル282の一例を示す図である。リソース管理テーブル282には、情報取得部250が取得した端末のリソースの使用状況が記憶される。図6の例では、電池使用率、プロセッサ使用率、及びメモリ使用率がリソース管理テーブル282に記憶されているが、記憶されるリソースの使用状況はこれに限定されない。例えば、端末の動作可能時間が記憶されてもよい。なお、動作可能時間は、情報取得部250が端末から取得して記憶してもよいし、電池使用率から推定される動作可能時間を記憶してもよい。
【0085】
図7は、条件設定テーブル283の一例を示す図である。起動制御部260は、条件設定テーブル283を参照して、機能を起動させる端末、及び機能を停止させる端末を選択する。また、起動制御部260は、条件設定テーブル283を参照して、機能を起動させる端末、及び機能を停止させる端末を変更する。
【0086】
条件設定テーブル283には、各々の端末で起動又は停止の対象となる機能毎に性能条件、リソース条件、選択条件、及び切り替え条件が記憶される。
【0087】
性能条件には、地図アプリケーション等で機能を実行する場合に要求される性能の条件が設定される。図7の例では、「中」以上の「自己位置特定機能」の性能を有する、端末が、「自己位置特定機能」を起動する対象となる。
【0088】
維持リソース条件には、機能を実行する場合に、必要となるリソースの残容量が設定される。図7の例では、維持リソース条件に、端末の電池に所定の残容量を有することが設定される。維持リソース条件は、機能を起動することにより端末のリソースを消費し、端末を動作させることができない事態に陥るのを回避するために設けられる。図7の例では、維持リソース条件に、電池の残容量が設定されているが、他のリソースの状態が設定されてもよいことは勿論である。また、図7の例のように、維持リソース条件は、携帯端末20と、ウエアラブル端末30とで別々に設定されてもよいし、各々の端末に設定されてもよい。図7の例では、携帯端末20の維持リソース条件を、ウエアラブル端末30の維持リソース条件よりも高く設定し、携帯端末20のリソースの消費を抑えるように設定している。
【0089】
選択条件には、起動制御部260が、機能を起動する端末を選択する条件が設定される。図7の例では、起動制御部260は、リソース管理テーブル282を参照して、「電池の残容量が最も大きい」端末を選択する。この場合、起動制御部260は、選択された端末以外の端末の機能を停止させる。なお、起動制御部260は、性能条件及びリソース条件を満たす端末の中から、選択条件を満たす端末を選択する。
【0090】
切り替え条件には、起動制御部260が、機能を起動する端末を変更する条件が設定される。図7の例では、切り替え条件に「『選択中の端末の電池の残容量(%)+オフセット値≦変更先候補の端末の電池の残容量(%)』(条件1)であって『変更先候補の端末のうち電池の残容量が最も大きい』(条件2)」と設定されている。オフセット値は、機能を起動する端末の変更が頻繁に発生するのを回避するために設けられている値である。オフセット値は、オフセット設定テーブル284に記憶される。ここで、条件1は、変更先候補の端末のリソースの残容量が、選択中の端末の電池の残容量よりも所定の値以上大きいことを表している。
【0091】
起動制御部260は、リソース管理テーブル282を参照して、切り替え条件を満たす端末に変更するか否かの判断を行う。起動制御部260は、性能条件及びリソース条件を満たす端末の中から、選択条件を満たす端末を選択する。
【0092】
例えば、携帯端末20、ウエアラブル端末30A、及びウエアラブル端末30Bが性能条件とリソース条件とを満たす場合において、携帯端末20の電池の残容量が50%、ウエアラブル端末30Aの電池の残容量が80%、及びウエアラブル端末30Bの電池の残容量が70%であり、オフセット値が10%に設定されている場合の変更の判断について説明する。
【0093】
この場合、起動制御部260は、ウエアラブル端末30Aとウエアラブル端末30Bが条件1を満たすと判断し、さらに、ウエアラブル端末30Aの電池の残容量がウエアラブル端末30Bの電池の残容量より大きいため、ウエアラブル端末30Aの機能を起動し、携帯端末20及びウエアラブル端末30Bの機能を停止する判断を行う。
【0094】
図8の(A)は、オフセット設定テーブル284の一例を示す図である。起動制御部260が、切り替え条件を満たすか否かの判断の際に用いるオフセット値が記憶される。図8の(A)の例ではオフセット値に10%が設定されているが、その他の値が設定されてもよい。また、判断される機能毎にオフセット値が設けられてもよい。なお、オフセット値には、パーセント以外の単位の値が設定される場合もある。例えば、切り替えの条件が、「動作可能時間」に基づいて設定されている場合、オフセット値には時間が設定される。
【0095】
図8の(B)は、状態記憶テーブル285の一例を示す図である。情報取得部250が、取得した位置情報、加速度情報が記憶される。図8の例では、位置情報は、緯度、経度で表され、加速度情報は、方向(°)と大きさ(m/s)で表される。
【0096】
(3)ウエアラブル端末
次に、ウエアラブル端末30の機能構成について説明する。図9を用いて、ウエアラブル端末30の機能構成の一例を示す図である。
【0097】
ウエアラブル端末30は、送受信部320、自己位置特定部330、加速度測定部340、情報取得部350、起動制御部360、入出力制御部370、及び情報記憶部380を有する。また、情報記憶部380は、通知条件設定テーブル381を有する。
【0098】
送受信部320は、近距離無線を用いて、携帯端末20や他のウエアラブル端末30との間でデータの送受信を行う。また、送受信部320は、基地局50、又はAP40を介して、インターネット等に接続し、データの送受信を行ってもよい。
【0099】
自己位置特定部330は、起動制御部360からの指示を受けて、ウエアラブル端末30の位置を特定する。位置の特定方法については、携帯端末20の自己位置特定部230と同様である。
【0100】
加速度測定部340は、起動制御部360からの指示を受けて、ウエアラブル端末30に加わる加速度の大きさと、加速度の加わる方向を測定する。
【0101】
情報取得部350は、ウエアラブル端末30の有する機能及びリソースの使用状況を取得し、携帯端末20からの要求に応じて、取得した情報を、携帯端末20に通知する。
【0102】
情報取得部350は、リソースの使用状況が、所定の範囲以上、変化した場合やリソースの残容量が所定の閾値を下回る場合に、情報取得部350は、リソースの使用状況を、携帯端末20に送信する。
【0103】
情報取得部350は、自己位置特定部330により特定された位置の情報を取得し、情報記憶部380に記憶させる。また、情報取得部350は、特定された位置の情報を、携帯端末20に送信する。
【0104】
情報取得部350は、加速度測定部340により測定された加速度の情報を取得し、情報記憶部380に記憶させる。また、情報取得部350は、測定された加速度の情報を、携帯端末20に送信する。
【0105】
情報取得部350は、携帯端末20から取得した通知条件を、情報記憶部380の通知条件設定テーブル381に記憶する。情報取得部350は、通知条件を満たす場合に、リソースの使用状況を、携帯端末20に通知する。
【0106】
起動制御部360は、携帯端末20からの指示を受けて、自己位置特定部330、及び加速度測定部340等の機能の起動、及び停止させる。
【0107】
入出力制御部370は、ウエアラブル端末30のユーザから各種指示を受け付けると共に、各種情報をウエアラブル端末30の画面に表示する。
【0108】
情報記憶部380は、ウエアラブル端末30の制御に用いる情報を格納する。情報記憶部380は、情報取得部350が取得した情報を記憶する。通知条件設定テーブル381には、携帯端末20から受信した通知条件が記憶される。
【0109】
<動作フロー>
図10及び図11を用いて、本実施形態に係る携帯端末20の動作フローについて説明する。
【0110】
(1)端末の選択
図10は、携帯端末20により機能を起動する端末の選択を行うときの動作フローの一例を示す図である。ここでは、携帯端末20は、ウエアラブル端末30A及びウエアラブル端末30Bと近距離無線でデータの送受信を可能な状態にあるものとする。
【0111】
以下では、自己位置の特定処理を起動する端末を選択する場合について、説明するが、他の機能を選択する場合についても同様の手順を適用できることは勿論である。
【0112】
ステップS1001で、携帯端末20の入出力制御部270は、ユーザからアプリケーションの起動処理を受け付ける。入出力制御部270がアプリケーションの起動処理を受け付けたことに応じて、アプリケーション制御部290は、アプリケーションを動作させるために携帯端末20の自己位置の特定が必要であると認識し、起動制御部260に自己位置の特定処理を行う端末の選択を指示する。
【0113】
ステップS1002で、起動制御部260は、携帯端末20のリソース使用状況の取得を、情報取得部250に指示する。起動制御部260は、ウエアラブル端末30A及びウエアラブル端末30Bの自己位置特定機能の有無と性能を確認することを指示する。また、起動制御部260は、ウエアラブル端末30A及びウエアラブル端末30Bのリソースの使用状況の取得を、情報取得部250に指示する。
【0114】
ステップS1003で、起動制御部260は、情報取得部250が取得した情報を基に、自己位置の特定処理を行う端末を選択する。起動制御部260は、条件設定テーブル283を参照して、端末の選択を行う。例えば、図7の条件設定テーブル283が用いられる場合、起動制御部260は、性能条件及びリソース条件を満たす端末の中で、電池の残容量が最も大きい端末を選択する。ここでは、起動制御部260が、ウエアラブル端末30Aを選択したものとして説明を進める。
【0115】
ステップ1004で、起動制御部260は、自己位置の特定処理を開始することをウエアラブル端末30Aに指示する。
【0116】
(2)端末の変更
図11は、携帯端末20により機能を起動する端末の変更を行うときの動作フローの一例を示す図である。図10の場合と同様に携帯端末20は、ウエアラブル端末30A、及びウエアラブル端末30Bと近距離無線で通信可能な状態にあるものとする。
【0117】
以下では、自己位置の特定処理を起動する端末を変更する場合について、説明するが、他の機能を選択する場合についても同様の手順を適用できることは勿論である。
【0118】
ステップS1101で、携帯端末20の情報取得部250は、自己位置の特定処理の結果を、ウエアラブル端末30Aから取得し、状態記憶テーブル285に記憶する。
【0119】
ステップS1102で、起動制御部260は、自己位置の特定処理を起動する端末の変更処理の要否を判断する。所定の条件を満たす場合(ステップS1102 Yes)、ステップS1103に進み、端末の変更処理を開始する。所定の条件を満たさない場合(ステップS1102 No)、処理を終了する。
【0120】
例えば、起動制御部260は、ウエアラブル端末30Aを選択してから所定の期間が経過した場合に、所定の条件を満たすと判断してもよい。各々の端末のリソースの使用状況が変化している可能性が高いためである。
【0121】
例えば、起動制御部260は、選択中のウエアラブル端末30Aから所定の期間、自己位置の特定処理の結果を受信していない場合に、所定の条件を満たすと判断してもよい。選択中の端末が処理を中断している可能性が高いためである。
【0122】
例えば、起動制御部260は、リソースの使用状態が変化し維持リソースの条件を満たさない旨の通知を、選択中のウエアラブル端末30Aから受信した場合に、所定の条件を満たすと判断してもよい。選択中のウエアラブル端末30Aがリソースの不足のため処理を継続できないおそれがあるためである。なお、ウエアラブル端末30Aが通知を送信する条件は、携帯端末20から予め通知条件として通知される。
【0123】
ステップS1103で、起動制御部260からの指示を受けて、情報取得部250は、ウエアラブル端末30A及びウエアラブル端末30Bからリソースの使用状況を取得する。また、情報取得部250は、携帯端末20のリソースの使用状況を取得する。
【0124】
ステップS1104で、起動制御部260は、条件設定テーブル283を参照して、切り替え条件を満たす端末が存在するか否かを判断する。切り替え条件を満たす端末が存在する場合(ステップS1104 Yes)、ステップS1105に進む。一方、切り替え条件を満たす端末が存在しない場合(ステップS1104 No)、処理を終了する。
【0125】
具体的には、起動制御部260は、維持リソース条件を満たす端末を特定する。維持リソース条件を満たさない端末は変更先の候補から除外される。次に、起動制御部260は、変更先の候補として特定された端末のリソースの使用状況と、選択中の端末のリソースの使用状況を比較し、切り替え条件を満たすか否かを判断する。
【0126】
例えば、図7に記載の切り替え条件が適用される場合、まず、起動制御部260は、条件1を満たすか否かを判断する。具体的には、起動制御部260は、選択中のウエアラブル端末30Aの電池の残容量+オフセット値が、変更先の候補の携帯端末20の電池の残容量、又はウエアラブル端末30Bの電池の容量より小さいか否かを判断する。次に、起動制御部260は、条件2の判断をする。具体的には、起動制御部260は、条件1を満たすと判断された端末のうち、電池の残容量が大きい端末を変更先の端末として選択する。
【0127】
ステップS1105で、起動制御部260は、変更先として選択された端末に、自己位置の特定の処理の起動を指示する。ウエアラブル端末30Bが変更先として選択された場合、起動制御部260は、自己位置特定機能の起動を、ウエアラブル端末30Bに指示する。携帯端末20が変更先として選択された場合、起動制御部260は、自己位置特定部230に、機能の起動を指示する。
【0128】
ステップS1106で、起動制御部260は、ステップS1105の起動の指示から所定の期間内に、情報取得部250が、自己位置の特定の処理の結果を、変更先として選択された端末から取得したか否かを判断する。処理の結果を取得できた場合(ステップS1106 Yes)、ステップS1107に進む。一方、処理の結果を取得できなかった場合(ステップS1106 No)、処理を終了する。この場合、変更前の端末であるウエアラブル端末30Aで、自己位置の特定の処理が継続される。
【0129】
ステップS1107で、起動制御部260は、変更前の端末に自己位置特定機能の停止を指示する。
【0130】
なお、端末がトンネル内や建物内に存在する場合、端末は自己位置の特定の処理に用いるGPS信号を受信できないことがある。このため、起動指示からの所定期間は、2−3分程度に設定されることが好ましい。
【0131】
[その他]
情報取得部250は、取得部の一例である。起動制御部260は、特定部及び起動制御部の一例である。情報取得部350は、通知部の一例である。自己位置特定部330及び加速度測定部340は、共通機能実行部の一例である。
【0132】
上述した実施形態では、携帯端末20が、機能を起動する端末の選択と変更の処理を実行していたが、これらの処理は、ウエアラブル端末30で実行されてもよい。
【0133】
上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、携帯端末20及びウエアラブル端末30に供給してもよい。そして、携帯端末20及びウエアラブル端末30が、記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、上述の実施形態が、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体には、上述した制御方法を、携帯端末20及びウエアラブル端末30に実行させるプログラムが記憶される。
【0134】
そして、これらの記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになる。
【0135】
また、コンピュータ装置が読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に従って、コンピュータ装置上で動作しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部または全部を行ってもよい。さらに、その処理によって前述した実施形態の機能が実現されてもよいことは言うまでもない。
【0136】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0137】
1 情報処理システム
20 携帯端末
30 ウエアラブル端末
40 アクセスポイント(AP)
50 携帯電話基地局(基地局)
220 送受信部 (携帯端末)
230 自己位置特定部 (携帯端末)
240 加速度測定部 (携帯端末)
250 情報取得部 (携帯端末)
260 起動制御部 (携帯端末)
270 入出力制御部 (携帯端末)
280 情報記憶部 (携帯端末)
281 性能管理テーブル
282 リソース管理テーブル
283 条件設定テーブル
284 オフセット設定テーブル
285 状態記憶テーブル
290 アプリケーション制御部
320 送受信部 (ウエアラブル端末)
330 自己位置特定部 (ウエアラブル端末)
340 加速度測定部 (ウエアラブル端末)
350 情報取得部 (ウエアラブル端末)
360 起動制御部 (ウエアラブル端末)
370 入出力制御部 (ウエアラブル端末)
380 情報記憶部 (ウエアラブル端末)
381 通知条件設定テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11