特許第6496689号(P6496689)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6496689ホルミルペプチド受容体様1(FPRL−1)受容体モジュレーターとしてのN−尿素置換アミノ酸のアミド誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496689
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】ホルミルペプチド受容体様1(FPRL−1)受容体モジュレーターとしてのN−尿素置換アミノ酸のアミド誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07C 275/30 20060101AFI20190325BHJP
   A61K 31/17 20060101ALI20190325BHJP
   A61K 31/197 20060101ALI20190325BHJP
   A61K 31/216 20060101ALI20190325BHJP
   A61K 38/06 20060101ALI20190325BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190325BHJP
   C07K 5/083 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   C07C275/30CSP
   A61K31/17
   A61K31/197
   A61K31/216
   A61K38/06
   A61P29/00
   C07K5/083
【請求項の数】12
【全頁数】118
(21)【出願番号】特願2016-150311(P2016-150311)
(22)【出願日】2016年7月29日
(62)【分割の表示】特願2014-538876(P2014-538876)の分割
【原出願日】2012年10月23日
(65)【公開番号】特開2016-216497(P2016-216497A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2016年8月29日
(31)【優先権主張番号】61/551,772
(32)【優先日】2011年10月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591018268
【氏名又は名称】アラーガン、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100156982
【弁理士】
【氏名又は名称】秋澤 慈
(72)【発明者】
【氏名】ベアード リチャード エル
(72)【発明者】
【氏名】ドゥオン ティエン ティー
(72)【発明者】
【氏名】ドネロ ジョン イー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスワナス ヴィーナ
(72)【発明者】
【氏名】ガースト マイケル イー
【審査官】 前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−516434(JP,A)
【文献】 特許第5982001(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0160215(US,A1)
【文献】 国際公開第2002/068586(WO,A1)
【文献】 特開平06−271600(JP,A)
【文献】 Journal of Medicinal Chemistry,1996年,39(5),p.1013-1015
【文献】 Molecular Pharmacology,2011年,79(1),p.77-90
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 275/00
A61K 31/00
A61K 38/00
C07K 5/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(II)で表される化合物、その鏡像体、ジアステレオマー異性体、互変異性体、水和物、溶媒和化合物またはその薬剤的に許容できる塩:
【化1】
一般式(II)
式中、
aは0かつbは1であり;或いは
aは1かつbは1であり;
1は−OR13であり;
2は炭素数1〜8のアルキル基、またはアリール基で置換された炭素数1〜8のアルキル基であり;
3は水素またはハロゲンであり;
4は水素であり;
5はハロゲンまたは−CF3であり;
6は水素であり;
7は水素またはハロゲンであり;
8は水素であり;
9は水素、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基であり;
10は水素であり;
9aは水素、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基であり;
10aは水素、または炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または炭素数1〜8のアルキル基である。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であり、式中:
aが0、bが1である、化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物であり、式中:
aは0、bは1であり;
1は−OR13であり;
2は炭素数1〜8のアルキル基、またはアリール基で置換された炭素数1〜8のアルキル基であり;
3は水素またはハロゲンであり;
4は水素であり;
5はハロゲンまたは−CF3であり;
6は水素であり;
7は水素またはハロゲンであり;
8は水素であり;
9は水素であり;
10は水素であり;
9aは水素、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基であり;
10aは水素または炭素数1〜8のアルキル基であり;および
13は水素または炭素数1〜8のアルキル基である、化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物であり、式中:
aは0、bは1であり;
1は−OR13であり;
2は炭素数1〜8のアルキル基、またはアリール基で置換された炭素数1〜8のアルキル基であり;
3は水素またはハロゲンであり;
4は水素であり;
5はハロゲンであり;
6は水素であり;
7は水素であり;
8は水素であり;
9は水素であり;
10は水素であり;
9aは水素、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基であり;
10aは水素または炭素数1〜8のアルキル基であり;および
13は水素である、化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物であり、式中:
aが1でbが1である、化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物であり、式中:
aは1、bは1であり;
1は−OR13であり;
2は炭素数1〜8のアルキル基、またはアリール基で置換された炭素数1〜8のアルキル基であり;
3は水素またはハロゲンであり;
4は水素であり;
5はハロゲンまたは−CF3であり;
6は水素であり;
7は水素またはハロゲンであり;
8は水素であり;
9は水素、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基であり;
10は水素であり;
9aは水素、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基であり;
10aは水素または炭素数1〜8のアルキル基であり;および
13は水素または炭素数1〜8のアルキル基である、化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物であり、式中:
aは1、bは1であり;
1は−OR13であり;
2は炭素数1〜8のアルキル基、またはアリール基で置換された炭素数1〜8のアルキル基であり;
3は水素であり;
4は水素であり;
5はハロゲンであり;
6は水素であり;
7は水素であり;
8は水素であり;
9は水素であり;
10は水素であり;
9aは水素であり;
10aは水素であり;および
13は水素または炭素数1〜8のアルキル基である、化合物。
【請求項8】
以下から選択される、請求項1に記載の化合物:
【化4】













【請求項9】
下記一般式(II)で表される化合物、その鏡像体、ジアステレオマー異性体、互変異性体、水和物、溶媒和化合物またはその薬剤的に許容できる塩を含む、N−ホルミルペプチド受容体様1受容体の調節に関わる疾患の治療のための医薬組成物:
【化5】
一般式(II)
式中、
aは0かつbは1であり;或いは
aは1かつbは1であり;
1は−OR13であり;
2は炭素数1〜8のアルキル基、またはアリール基で置換された炭素数1〜8のアルキル基であり;
3は水素またはハロゲンであり;
4は水素であり;
5はハロゲンまたは−CF3であり;
6は水素であり;
7は水素またはハロゲンであり;
8は水素であり;
9は水素、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基であり;
10は水素であり;
9aは水素、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基であり;
10aは水素、または炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または炭素数1〜8のアルキル基であり;
前記ホルミルペプチド受容体様1受容体の調節に関わる疾患が、全身炎症性疾患、痛み、免疫学的疾患、および関節リウマチからなる群から選択される、前記医薬組成物。
【請求項10】
前記N−ホルミルペプチド受容体様1受容体の調節に関わる疾患が、痛みである、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記N−ホルミルペプチド受容体様1受容体の調節に関わる疾患が、関節リウマチである、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項12】
下記一般式(II)で表される化合物、その鏡像体、ジアステレオマー異性体、互変異性体、水和物、溶媒和化合物またはその薬剤的に許容できる塩を含む、N−ホルミルペプチド受容体様1受容体の調節に関わる疾患の治療のための医薬組成物:

一般式(II)
式中、
aは1かつbは0であり;
1は炭素数1〜8のアルキル基、−NR1112、または−OR13であり;
2炭素数1〜8のアルキル基、アリール基で置換された炭素数1〜8のアルキル基、ヘテロ環基で置換された炭素数1〜8のアルキル基、またはアミノ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基であり、前記アルキル基の1つのメチレン(−CH2−)基は、硫黄又はスルホニルに置き換えられていてもよく
3は水素、またはハロゲンであり;
4は水素であり;
5はハロゲンまたは−CF3であり;
6は水素であり;
7は水素であり;
8は水素、または炭素数1〜8のアルキル基であり;
9は水素、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基で置換された炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数6〜10のアリール基であり;
10は水素または炭素数1〜8のアルキル基であり;
11は水素または炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素であり;
13は水素または炭素数1〜8のアルキル基であるか
或いは、式(II)の化合物は、下記化合物

又は
であり、
前記ホルミルペプチド受容体様1受容体の調節に関わる疾患が、全身炎症性疾患、痛み、免疫学的疾患、および関節リウマチからなる群から選択される、前記医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2011年10月26日に出願された米国特許仮出願第61/551,772号の利益を主張するものであり、上記明細書はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、N−尿素置換アミノ酸の新規アミド誘導体、その調製方法、それを含む医薬組成物およびその医薬としての使用(N−ホルミルペプチド受容体様1(FPRL−1)受容体のモジュレーターとして)に関する。本発明は、さらに詳細には、これら化合物およびN−ホルミルペプチド受容体様1(FPRL−1)受容体調節に関わる疾患の治療のための医薬組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
N−ホルミルペプチド受容体様1(FPRL−1)受容体は、単球および好中球といった炎症細胞や、T細胞上で発現するGタンパク質共役型受容体であり、炎症過程における白血球の移動およびヒト病理学において、重要な役割を果たすことが示されてきた。FPRL−1は、並はずれて無差別に結合する受容体であり、血清アミロイドA(SAA)、ケモカインの変異体sCKβ8−1、神経保護ペプチドヒューマン(human)、抗炎症エイコサノイドリポキシンA4(LXA4)およびグルココルチコイド調節タンパク質アネキシンA1を含む、多くの外因性および内因性リガンドに反応する。FPRL−1は多くの体系でLXA4の抗炎症効果を伝達するが、SAAといったペプチドの炎症誘発性シグナル伝達カスケードを仲介することもできる。この受容体の2つの対立した効果をとりもつ能力は、種々のアゴニストが異なる受容体ドメインを使用する結果だと提唱されている(Parmentier,Marc et al. Cytokine&Growth Factor Reviews 17(2006)501-519)。
【0004】
LXA4またはその類似体およびアネキシンIタンパク質によるFPRL−1の活性化は、多形核好中球(PMN)および好酸球の遊走の阻止に関わる炎症の消散を活発的に促進することで抗炎症活性をもたらし、また、単球遊走を刺激し、消炎法で炎症の場所からアポトーシス細胞の除去を可能にすることが示されてきた。さらに、FPRL−1はナチュラルキラー(NK)細胞の細胞障害性を阻止し、また、T細胞の活性化を促進することで、組織を傷つける炎症シグナルの下方調節に寄与するということが示されてきた。FPRL−1/LXA4の相互作用は、虚血再灌流、血管形成、皮膚炎症、化学療法誘発脱毛、エンドトキシン誘発ぶどう膜炎といった眼炎症、角膜の創傷治癒、上皮再形成などの実験モデルで有益であることが示されてきた。このように、FPRL−1は、過剰な炎症反応を示す疾患における新しい治療薬の開発のための、新規の消散促進分子ターゲットの代表例である。
【0005】
JP06172288はフェニルアラニン誘導体の調製の一般式:
【化1】
を開示しており、狭心症、心筋梗塞、一時的な虚血性けいれん、抹消血栓症または抹消閉塞症といった動脈硬化症関連の様々な疾患の治療に有益な、アシル補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ誘導体の抑制物質として、開示している。
【0006】
Journal of Combinatorial Chemistry(2007)、9(3)、370-385は、抗生物質のヌクレオチドペプチドの種類に構造上類似した点とともにチミニジルジペプチド尿素ライブラリーを教示している:
【化2】
【0007】
国際公開第9965932号には、哺乳類のオピオイド受容体に選択的に結合するテトラペプチドもしくはその類似体またはペプチド疑似体が開示されている:
【化3】
【0008】
Helvetica Chimica Acta (1998)、81(7)、1254-1263はイソシアナート曝露の生体モニタリングのために可能な線量計として、アミノ酸との4−クロロフェニルイソシアナート(1−クロロ−4−イソシアナトベンゼン)付加体の合成および分光学的な特徴を提示している:
【化4】
【0009】
EP457195はエンドセリンアンタゴニスト活性を有するペプチドおよびそれらを含む医薬組成物の調製を開示している:
【化5】
【0010】
Yingyong Huaxue(1990)、7(1)、1-9は、ジペプチドおよびトリペプチド甘味剤ならびにL−フェニルアナリン(analine)誘導体の構造−活性の関係を教示している:
【化6】
【0011】
FR2533210はL−フェニルアナリン(analine)誘導体を合成甘味剤として開示している。
【化7】
【0012】
国際公開第2005047899号は、以下のスキャフォールドに表される、FPRL−1受容体を選択的に活性化する化合物を開示している:
【化8】
【発明の概要】
【0013】
効力があり、選択的なFPRL−1モジュレーターである、N−尿素置換アミノ酸のアミド誘導体の一群が発見された。したがって、本明細書に記載される化合物は、FPRL−1受容体の調節に関わる幅広い種の疾患治療において有益である。本明細書で使われる「モジュレーター」という語は、受容体アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト、逆アンタゴニスト、部分アゴニストおよび部分アンタゴニストを含むが、これらに限定されない。
【0014】
本発明は、一般式Iの化合物を記載し、これら化合物はFPRL−1受容体生物活性を有する。したがって、本発明にかかる化合物は、医療において、例えばFPRL−1の調節によって軽減される疾患および症状を抱えたヒトの治療において、有効である。
【0015】
一態様では、本発明は、一般式Iに表される化合物もしくはその個々の幾何異性体、個々の鏡像体、個々のジアステレオマー異性体、個々の互変異性体、個々の双性イオンまたはその薬剤的に許容できる塩を提供し、
【化9】
一般式I
式中、
aは0または1であり;
bは0、1、2、3または4であり;
1は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8シクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10アリール基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基、−NH2、−OH、−O(炭素数1〜8のアルキル基)であり、
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
3はH、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOH、−OH、−NH2、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
4はH、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOH、−OH、−NH2、−NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
5は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOH、−OH、−NH2、−NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
6はH、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOH、−OH、−NH2、−NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
7はH、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOH、−OH、−NH2、−NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
本発明は次の化合物:
【化10】
も提供する。
【0016】
別の態様では、本発明は、一般式IIで表される化合物もしくはその幾何異性体、鏡像体、ジアステレオマー異性体、互変異性体、双性イオン、水和物、クリスラット(cryslat)形、溶媒和化合物またはその薬剤的に許容できる塩を提供し、
【化11】
一般式II
式中、
aは1かつbは0であり;
aは0かつbは1であり;
aは1かつbは1であり;
1は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8シクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10アリール基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基、−NR1112、または−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
3は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
4は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
5はハロゲン、−CF3または−S(O)n14であり;
nは0、1、または2であり;
6は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
7は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
8は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
11は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
14は水素、CF3、または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
15は水素、または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
ただし、
a).aが1でbが0の時:
9は置換されていてもよいベンジル基ではなく;および
11
【化12】
ではなく;ならびに
一般式IIの化合物は次の構造:
【化13】



または
ではなく;ならびに
b).aが0でbが1の時:
1はOR13であり;
一般式IIの化合物は次の構造:
【化14】
ではなく;ならびに
c).aが1でbが1の時:
11
【化15】
ではない。
【0017】
別の態様では、本発明は、一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは1かつbは0であり;
1は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8シクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10アリール基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基、−NR1112、または−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
3は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
4は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
5はハロゲン、−CF3または−S(O)n14であり;
nは0、1、または2であり;
6は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
7は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
8は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
11は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
14は水素、CF3、または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
15は水素、または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
ただし、
9は置換されていてもよいベンジル基ではなく;および
11
【化16】
ではなく;ならびに
一般式IIの化合物は次の構造:
【化17】


または
ではない。
【0018】
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは1かつbは0であり;
1は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8シクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10アリール基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基、−NR1112、または−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
3は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
4は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
5は−S(O)n14であり;
nは0、1、または2であり;
6は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
7は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
8は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
11は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
14は水素、CF3、または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
15は水素、または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
ただし、
9は置換されていてもよいベンジル基ではなく;および
11
【化18】
ではなく;ならびに
一般式IIの化合物は次の構造:
【化19】

ではない。
【0019】
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは1かつbは0であり;
1は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8シクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10アリール基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基、−NR1112、または−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
3は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
4は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
5は−CF3であり;
6は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
7は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
8は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
11は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
15は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
ただし、
9は置換されていてもよいベンジル基ではなく;および
11
【化20】
ではなく;ならびに
一般式IIの化合物は次の化合物は次の構造:
【化21】



または
ではない。
【0020】
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは1かつbは0であり;
1は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8シクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10アリール基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基、−NR1112、または−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
3は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
4は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
5はハロゲンであり;
6は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
7は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
8は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
11は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
15は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
ただし、
9は置換されていてもよいベンジル基ではなく;
および一般式IIの化合物は次の構造:
【化22】


ではなく;ならびに
11は:
【化23】
ではない。
【0021】
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは1かつbは0であり;
1は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、−NR1112、または−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
3は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112であり;
4は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112であり;
5はハロゲン、−CF3、または-S(O)n14であり;
nは0、1または2であり;
6は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112であり;
7は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112であり;
8は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
9は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8であり;
11は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
14は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
15は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
ただし、
9は置換されていてもよいベンジル基ではなく;
および一般式IIの化合物は次の構造:
【化24】

ではなく;ならびに
11は:
【化25】
ではない。
【0022】
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは1かつbは0であり;
1は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、−NR1112、または−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
3は水素またはハロゲンであり;
4は水素であり;
5はハロゲン、−CF3または−S(O)n14であり;
nは0、1、または2であり;
6は水素であり;
7は水素であり;
8は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
9は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
11は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
14は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
ただし、
9は置換されていてもよいベンジル基ではなく;
および一般式IIの化合物は次の構造:
【化26】

ではなく;および
11は:
【化27】
ではない。
【0023】
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは0かつbは1であり;
1は−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
3は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
4は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
5はハロゲン、−CF3または−S(O)n14であり;
nは0、1、または2であり;
6は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
7は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
8は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
11は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
14は水素、CF3、または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
15は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;および
一般式IIの化合物は次の構造:
【化28】
ではない。
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは0かつbは1であり;
1は−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
3は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
4は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
5はハロゲンであり;
6は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
7は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
8は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
11は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
15は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;および
一般式IIの化合物は次の構造:
【化29】
ではない。
【0024】
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは0かつbは1であり;
1は−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
3は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲンであり;
4は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲンであり;
5はハロゲン、−CF3または−S(O)n14であり;
nは0、1または2であり;
6は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲンであり;
7は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲンであり;
8は水素であり;
9は水素であり;
10は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
9aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
10aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;および
14は水素、CF3または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;および
一般式IIの化合物は次の構造:
【化30】
ではない。
【0025】
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは0かつbは1であり;
1は−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
3は水素またはハロゲンであり;
4は水素であり;
5はハロゲンであり;
6は水素であり;
7は水素であり;
8は水素であり;
9は水素であり;
10は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
9aは水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
10aは水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;および
13は水素であり;ならびに
一般式IIの化合物は次の構造:
【化31】
ではない。
【0026】
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは0かつbは1であり;
1は−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
3は水素またはハロゲンであり;
4は水素であり;
5はハロゲンであり;
6は水素であり;
7は水素であり;
8は水素であり;
9は水素であり;
10は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
9aは置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
10aは置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;および
13は水素である。
【0027】
別の様態では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは1かつbは1であり;
1は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8シクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10アリール基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基、−NR1112、または−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
3は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
4は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
5はハロゲン、−CF3または−S(O)n14であり;
nは0、1、または2であり;
6は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
7は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
8は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
11は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
14は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;および
15は水素、または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;ならびに
ただし、
11は:
【化32】
ではない。
【0028】
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは1かつbは1であり;
1は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8シクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10アリール基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基、−NR1112、または−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
3は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
4は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
5はハロゲンであり;
6は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
7は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、−COOR15、−OR13、−NR1112、NO2、置換されていてもよいヘテロ環基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基または置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基であり;
8は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
9aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
10aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
11は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
15は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;および
ただし、
11は:
【化33】
ではない。
【0029】
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは1かつbは1であり;
1は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、−NR1112、または−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
3は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲンであり;
4は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲンであり;
5はハロゲン、−CF3または-S(O)n14であり;
nは0、1または2であり;
6は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲンであり;
7は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲンであり;
8は水素であり;
9は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
10は水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
9aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
10aは水素、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
11は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
12は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;
14は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;および
15は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;ならびに
ただし、
11は:
【化34】
ではない。
【0030】
別の態様では、本発明は一般式IIに表される化合物を提供し、
式中、
aは1かつbは1であり;
1は−OR13であり;
2は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基または置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基であり;
3は水素であり;
4は水素であり;
5はハロゲンであり;
6は水素であり;
7は水素であり;
8は水素であり;
9は水素であり;
10は水素であり;
9aは水素であり;
10aは水素であり;および
13は水素または置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり;ならびに
ただし、
11は:
【化35】
ではない。
【0031】
本明細書で使われる「アルキル」という語は、直線もしくは分岐部分またはその組み合わせを有し、1〜8の炭素原子を含む1価または2価の飽和炭化水素部分を指す。アルキル基であるメチレン(−CH2−)基は、酸素、硫黄、スルホキシド、窒素、カルボニル、カルボキシル、スルホニル、硫酸塩、スルホン酸、アミド、スルホンアミドに、2価の炭素数3〜8のシクロアルキルに、2価のヘテロ環に、または2価のアリール基に置き換えることができる。アルキル基はキラル中心を1つ以上含んでいてよい。アルキル基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シクロアルキル基、アミノ基、ヘテロ環基、アリール基、カルボン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ニトロ基、アミド基、スルホンアミド基で置換されてもよい。
【0032】
本明細書で使われる「シクロアルキル」という語は、飽和環状炭化水素由来で炭素数3〜8の1価基または2価基を指す。シクロアルキル基は単環または多環であってよい。シクロアルキル基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、スルホニルC1-8アルキル基、スルホキシドC1-8アルキル基、スルホンアミド基、ニトロ基、シアノ基、−OC1-8アルキル基、−SC1-8アルキル基、−C1-8アルキル基、−C2-6アルケニル基、−C2-6アルキニル基、ケトン基、アルキルアミノ基、アミノ基、アリール基、C3-8シクロアルキル基またはヒドロキシル基で置換されてもよい。
【0033】
本明細書で使われる「シクロアルケニル」という語は、少なくとも1つの二重結合を有する飽和シクロアルキル由来で炭素数3〜8の1価基または2価基を指す。シクロアルケニル基は単環または多環であってよい。シクロアルケニル基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、スルホニル基、スルホキシド基、ニトロ基、シアノ基、−OC1-6アルキル基、−SC1-6アルキル基、−C1-6アルキル基、−C2-6アルケニル基、−C2-6アルキニル基、ケトン基、アルキルアミノ基、アミノ基、アリール基、C3-8シクロアルキル基またはヒドロキシル基で置換されてもよい。
【0034】
本明細書で使われる「ハロゲン」という語は、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素の原子を指す。
【0035】
本明細書で使われる「アルケニル」という語は、2〜6の炭素原子を持ち、飽和アルキル由来で、少なくとも1つの二重結合を有する、1価または2価の炭化水素基を指す。アルケニルのメチレン(−CH2−)基は、酸素、硫黄、スルホキシド、窒素、カルボニル、カルボキシル、スルホニル、硫酸塩、スルホン酸、アミド、スルホンアミドに、炭素数3〜8で2価のシクロアルキルに、2価のヘテロ環に、または2価のアリール基に置き換えることができる。炭素数2〜6のアルケニル基は、EまたはZ配置にあってよい。アルケニル基は、上で述べた通り、アルキル基で、またはハロゲン原子で置換されてもよい。
【0036】
本明細書で使われる「アルキニル」という語は、2〜6の炭素原子を持ち、飽和アルキル由来で、少なくとも1つの三重結合を有する、1価または2価の炭化水素基を指す。アルキニルのメチレン(−CH2−)基は、酸素、硫黄、スルホキシド、窒素、カルボニル、カルボキシル、スルホニル、硫酸塩、スルホン酸、アミド、スルホンアミドに、炭素数3〜8で2価のシクロアルキルに、2価のヘテロ環に、または2価のアリール基に置き換えることができる。アルキニル基は、上で述べた通り、アルキル基で、またはハロゲン原子で置換されてもよい。
【0037】
本明細書で使われる「ヘテロ環」という語は、3〜10員の環であり、芳香族または非芳香族、飽和または不飽和であってもよく、酸素、窒素、硫黄またはその少なくとも2つの組み合わせから選択されるヘテロ原子を少なくとも1つ含み、炭素環構造を中断する環を指す。ヘテロ環は、C=Oで中断されてもよく、SおよびNヘテロ原子は酸化されてもよい。ヘテロ環は単環または多環であってよい。ヘテロ環部分は、ハロゲン原子、スルホニル基、スルホキシド基、ニトロ基、シアノ基、−OC1-6アルキル基、−SC1-6アルキル基、−C1-8アルキル基、−C2-6アルケニル基、−C2-6アルキニル基、ケトン基、アルキルアミノ基、アミノ基、アリール基、C3-8シクロアルキル基またはヒドロキシル基で置換されてもよい。
【0038】
本明細書で使われる「アリール」という語は、水素原子を1個取り除くことで6〜10の炭素原子を含む環から成る、芳香族炭化水素由来の有機部分を指す。アリール基は、ハロゲン原子、スルホニルC1-6アルキル基、スルホキシドC1-6アルキル基、スルホンアミド基、炭素環式酸基、C1-6アルキルカルボン酸塩(エステル)基、アミド基、ニトロ基、シアノ基、−OC1-6アルキル基、−SC1-6アルキル基、−C1-6アルキル基、−C2-6アルケニル基、−C2-6アルキニル基、ケトン基、アルデヒド、アルキルアミノ基、アミノ基、アリール基、C3-8シクロアルキル基またはヒドロキシル基で置換されてもよい。アリール基は、単環または多環であってよい。
【0039】
本明細書で使われる「ヒドロキシル」という語は、式“−OH”の基を表す。
【0040】
本明細書で使われる「カルボニル」という語は、式“−C(O)−”の基を表す。
【0041】
本明細書で使われる「ケトン」という語は、1個の炭素原子と結合したカルボニル基(例えば−(CO)Rxがあり、式中、Rxは上で述べた通り、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロ環基であってよい)を有する有機化合物を表す。
【0042】
本明細書で使われる「アミン」という語は、式“−NRxy”の基を表し、式中、RxおよびRyは上述した通り、同一または互いに独立してH、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロ環基であってよい。
【0043】
本明細書で使われる「カルボキシル」という語は、式“−C(O)O−”の基を表す。
【0044】
本明細書で使われる「スルホニル」という語は、式“−SO2-”の基を表す。
【0045】
本明細書で使われる「硫酸塩」という語は、式“−O−S(O)2−O−”の基を表す。
【0046】
本明細書で使われる「スルホン酸」という語は、式“−S(O)2−O−”の基を表す。
【0047】
本明細書で使われる「カルボン酸」という語は、式““−C(O)OH”の基を表す。
【0048】
本明細書で使われる「ニトロ」という語は、式-NO2”の基を表す。
【0049】
本明細書で使われる「シアノ」という語は、式“−CN”の基を表す。
【0050】
本明細書で使われる「アミド」という語は、式“−C(O)NRxy”の基を表し、式中、RxおよびRyは上述した通り、同一または互いに独立してH、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロ環基であってよい。
【0051】
本明細書で使われる「スルホンアミド」という語は、式“−S(O)2NRxy”の基を表し、式中、RxおよびRyは上述した通り、同一または互いに独立してH、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロ環基であってよい。
【0052】
本明細書で使われる「スルホキシド」という語は、式“−S(O)−”の基を表す。
【0053】
本明細書で使われる「ホスホン酸」という語は、式“−P(O)(OH)2”の基を表す。
【0054】
本明細書で使われる「リン酸」という語は、式“−OP(O)(OH)2”の基を表す。
【0055】
本明細書で使われる「スルホン酸」という語は、式“−S(O)2OH”の基を表す。
【0056】
本明細書で使われる式“H”は水素原子を表す。
【0057】
本明細書で使われる式“O”は酸素原子を表す。
【0058】
本明細書で使われる式“N”は窒素原子を表す。
【0059】
本明細書で使われる式“S”は硫黄原子を表す。
【0060】
本発明所は、以下の化合物を開示する。
{[2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−(1H−インドール−3−イル)プロパノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−(1H−インドール−3−イル)プロパノイル]アミノ}アセテート;
[(4−アミノ−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−オキソブタノイル)アミノ]酢酸;
tert−ブチル[(4−アミノ−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−オキソブタノイル)アミノ]アセテート;
2−{[(2R)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}−2−メチルプロパン酸;
tert−ブチル2−{[(2R)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}−2−メチルプロパノアート;
{[2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノイル]アミノ}アセテート;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−(メチルスルホニル)ブタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−(メチルスルホニル)ブタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−(メチルスルファニル)ブタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−(メチルスルファニル)ブタノイル]アミノ}アセテート;
2−メチル−2−{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}プロパン酸;
tert−ブチル2−メチル−2−{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}プロパノアート;
{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(メチルスルホニル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(メチルスルホニル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(メチルスルフィニル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(メチルスルフィニル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}−2−メチルプロパン酸;
tert−ブチル2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}−2−メチルプロパノアート;
({(2S)−4−メチル−2−[({4−[(トリフルオロメチル)スルファニル]フェニル}カルバモイル)アミノ]ペンタノイル}アミノ)酢酸;
tert−ブチル({(2S)−4−メチル−2−[({4−[(トリフルオロメチル)スルファニル]フェニル}カルバモイル)アミノ]ペンタノイル}アミノ)アセテート;{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2R)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2R)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2R,3R)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2R,3R)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2R)−2−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−4−メチルペンタンアミド;
[(2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−2−メチルプロパノイル)アミノ]酢酸;
tert−ブチル[(2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−2−メチルプロパノイル)アミノ]アセテート;
[(2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−2−エチルブタノイル)アミノ]酢酸;
tert−ブチル[(2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−2−エチルブタノイル)アミノ]アセテート;
[(2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−2,4−ジメチルペンタノイル)アミノ]酢酸;
tert−ブチル[(2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−2,4−ジメチルペンタノイル)アミノ]アセテート;
(2S)−N−[(1S)−2−アミノ−2−オキソ−1−フェニルエチル]−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}(フェニル)エタン酸;
tert−ブチル(2S)−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}(フェニル)エタノアート;
(2S)−N−[(2S)−1−アミノ−1−オキソペンタン−2−イル]−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}ペンタン酸;
tert−ブチル(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}ペンタノアート;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−[(2R)−1−ヒドロキシプロパン−2−イル]−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−N−[(2S)−1−アミノ−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル]−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}−3−メチルブタン酸;
tert−ブチル(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}−3−メチルブタノアート;
(2S)−N−[(2S)−1−アミノ−1−オキソプロパン−2−イル]−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}プロパン酸;
tert−ブチル(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}プロパノアート;
(2S)−N−[(2S)−1−アミノ−1−オキソプロパン−2−イル]−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}プロパン酸;
tert−ブチル(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}プロパノアート;(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチル−N−(2−オキソプロピル)ペンタンアミド;
(2S)−N−(2−アミノ−2−オキソエチル)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート;
(2S)−N−(2−アミノ−2−オキソエチル)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}ペンタンアミド;
(2S)−N−(2−アミノ−2−オキソエチル)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}ペンタンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチル−N−(2−オキソプロピル)ペンタンアミド;
(2S)−N−(2−アミノ−2−オキソエチル)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルペンタンアミド;
tert−ブチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}ペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}ペンタノイル]アミノ}アセテート;
(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−オキソプロピル)ペンタンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−オキソプロピル)ペンタンアミド;
プロパン−2−イル{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}ペンタノイル]アミノ}アセテート;
エチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}ペンタノイル]アミノ}アセテート;
メチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}ペンタノイル]アミノ}アセテート;
(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−ヒドロキシエチル)ペンタンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−ヒドロキシエチル)ペンタンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−フェニルプロパンアミド;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}ペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}ペンタノイル]アミノ}アセテート;
(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−オキソプロピル)−3−フェニルプロパンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−オキソプロピル)−3−フェニルプロパンアミド;
(2S,3S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルペンタンアミド;
(2S,3S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルペンタンアミド;
(2S,3S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチル−N−(2−オキソプロピル)ペンタンアミド;
(2S,3S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチル−N−(2−オキソプロピル)ペンタンアミド;
(2S,3S)−N−(2−アミノ−2−オキソエチル)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチルペンタンアミド;
(2S,3S)−N−(2−アミノ−2−オキソエチル)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチルペンタンアミド;
{[(2S,3S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S,3S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2S,3S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S,3S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−フェニルプロパンアミド;
3−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−フェニルプロパノイル]アミノ}プロパン酸;
tert−ブチル3−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−フェニルプロパノイル]アミノ}プロパノアート;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−フェニルプロパノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−フェニルプロパノイル]アミノ}アセテート。
【0061】
別の態様では、本発明は次の化合物を開示する:
{[2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノイル]アミノ}アセテート;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−(メチルスルホニル)ブタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−(メチルスルホニル)ブタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−(メチルスルファニル)ブタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−(メチルスルファニル)ブタノイル]アミノ}アセテート;
2−メチル−2−{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}プロパン酸;
tert−ブチル2−メチル−2−{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}プロパノアート;
{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(メチルスルホニル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(メチルスルホニル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(メチルスルフィニル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(メチルスルフィニル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}−2−メチルプロパン酸;
tert−ブチル2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}−2−メチルプロパノアート;
({(2S)−4−メチル−2−[({4−[(トリフルオロメチル)スルファニル]フェニル}カルバモイル)アミノ]ペンタノイル}アミノ)酢酸;
tert−ブチル({(2S)−4−メチル−2−[({4−[(トリフルオロメチル)スルファニル]フェニル}カルバモイル)アミノ]ペンタノイル}アミノ)アセテート;{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2R)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2R)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2R,3R)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2R,3R)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート;
{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−4−メチルペンタンアミド;
[(2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−2−メチルプロパノイル)アミノ]酢酸;
tert−ブチル[(2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−2−メチルプロパノイル)アミノ]アセテート;
[(2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−2−エチルブタノイル)アミノ]酢酸;
tert−ブチル[(2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−2−エチルブタノイル)アミノ]アセテート;
[(2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−2,4−ジメチルペンタノイル)アミノ]酢酸;
tert−ブチル[(2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−2,4−ジメチルペンタノイル)アミノ]アセテート;
(2S)−N−[(1S)−2−アミノ−2−オキソ−1−フェニルエチル]−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}(フェニル)エタン酸;
tert−ブチル(2S)−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}(フェニル)エタノアート;
(2S)−N−[(2S)−1−アミノ−1−オキソペンタン−2−イル]−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}ペンタン酸;
tert−ブチル(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}ペンタノアート;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−[(2R)−1−ヒドロキシプロパン−2−イル]−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−N−[(2S)−1−アミノ−3−メチル−1−オキソブタン−2−イル]−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}−3−メチルブタン酸;
tert−ブチル(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}−3−メチルブタノアート;
(2S)−N−[(2S)−1−アミノ−1−オキソプロパン−2−イル]−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}プロパン酸;
tert−ブチル(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}プロパノアート;
(2S)−N−[(2S)−1−アミノ−1−オキソプロパン−2−イル]−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}プロパン酸;
tert−ブチル(2S)−2−{[(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}プロパノアート;(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルペンタンアミド;
(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチル−N−(2−オキソプロピル)ペンタンアミド;
(2S)−N−(2−アミノ−2−オキソエチル)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタンアミド;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
tert−ブチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート;
tert−ブチル2−{[(2R)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}−2−メチルプロパノアート;
2−{[(2R)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}−2−メチルプロパン酸;
tert−ブチル[(4−アミノ−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−オキソブタノイル)アミノ]アセテート;
[(4−アミノ−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−4−オキソブタノイル)アミノ]酢酸;
tert−ブチル{[2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−(1H−indol−3−イル)プロパノイル]アミノ}アセテート;
{[2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−(1H−indol−3−イル)プロパノイル]アミノ}酢酸。
【0062】
一般式Iおよび一般式IIの化合物およびその中間体の中には、少なくとも1つの不斉中心をその構造に有するものがいくつかある。この不斉中心は、RまたはS配置にあってよく、前記RおよびS表記は、Pure Appli. Chem(1976)、45、11-13で記載された法則に従って使われる。
【0063】
「薬剤的に許容できる塩」という語は、上記で特定された化合物の所望する生物活性を保持し、所望しない毒物学的効果を最小限または一切示さない塩または複合体を指す。本発明における「薬剤的に許容できる塩」は、治療上有効で、非毒性塩基または酸性塩の形態であり、一般式Iおよび一般式IIの化合物から形成できるものである。
【0064】
塩基として遊離形態で生じる、一般式Iおよび一般式IIの化合物の酸付加塩の形成は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など;または有機酸、例えば、酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸、クエン酸、メチルスルフォン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ギ酸など(Handbook of Pharmaceutical Salts、P. Heinrich Stahal&Camille G. Wermuth (Eds)、Verlag Helvetica Chemica Acta- Zurich、2002、329-345)といった適切な酸でその遊離塩基を処理することで得られる。
【0065】
酸型で生じる一般式Iおよび一般式IIの化合物の塩基付加塩の形成は、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアなど;または有機塩基、例えばL−アルギニン、エタノールアミン、ベタイン、ベンザチン、モルホリンなど(Handbook of Pharmaceutical Salts, P.Heinrich Stahal&#38; Camille G. Wermuth (Eds), Verlag Helvetica Chemica Acta- Zurich, 2002, 329-345)といった、適切な塩基でその酸を処理することで得られる。
【0066】
一般式Iおよび一般式IIの化合物およびその塩は、溶媒和化合物の形態であってよく、その溶媒和化合物も本発明の範囲内に含まれる。そのような溶媒和化合物としては、例えば、水和物、アルコラートなどが含まれる。
【0067】
本発明における単複の化合物への言及に関しては、特定の異性体型が具体的に言及されない限り、可能な異性体型およびその混合物のそれぞれにおける化合物を含むことが意図されている。
【0068】
本発明における化合物は異なった多形形態で存在してもよい。上記一般式で明確に示されてはいないが、そのような形態は本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0069】
本発明の化合物は、N−ホルミルペプチド受容体様1受容体に関わる構成要素が存在する可能性が高い症状の治療または予防における使用として開示されている。
【0070】
別の実施形態では、薬剤的に許容できる担体に本発明の化合物を少なくとも1つ含む医薬組成物が提供される。
【0071】
本発明のさらなる実施形態では、N−ホルミルペプチド受容体様1受容体の調節に関わる疾患を治療するための方法が提供される。
【0072】
そのような方法は、本発明の化合物を少なくとも1つ、治療上有効な量で含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することで実施することができる。
【0073】
N−ホルミルペプチド受容体様1受容体モジュレーターの治療的有用性は、滲出型および萎縮型加齢黄斑変性(ARMD)、ぶどう膜炎、ドライアイ、角膜炎、アレルギー性眼疾患ならびに非滲出型加齢黄斑変性、滲出型加齢黄斑変性、脈絡膜血管新生、糖尿病性網膜症(増殖性)、未熟児網膜症(ROP)、急性黄斑視神経網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、嚢胞様黄斑浮腫および糖尿病性黄斑浮腫を含む黄斑症および網膜変性症といった後眼部に影響する症状;急性多病巣性鱗状網膜色素上皮症、ベーチェット病、バードショット脈絡網膜症、伝染性(梅毒、ライム病、結核、トキソプラズマ症)、中間部ぶどう膜炎(扁平部炎)、多病巣性脈絡膜炎、多発性消失性白点症候群(mewds)、眼サルコイドーシス、後強膜炎、匍行性脈絡膜炎、網膜下線維症およびぶどう膜炎症候群、フォークト・小柳・原田症候群といった、伝染性角膜炎、ぶどう膜炎、ヘルペス性角膜炎、角膜血管新生、リンパ脈管新生、ぶどう膜炎、網膜炎ならびに脈絡膜炎;網膜動脈閉塞症、網膜中心静脈閉塞症、嚢胞様黄斑浮腫、血管内凝固症候群、網膜静脈分枝閉塞症、高血圧性眼底変動、眼虚血性症候群、網膜臍動脈瘤、コーツ病傍中心窩毛細血管拡張症、半網膜静脈閉塞症、乳頭血管炎、網膜中心動脈閉塞症、網膜動脈分枝閉塞症、頚動脈疾病(CAD)、樹氷状血管炎、鎌状赤血球網膜症および他の異常血色素症、、網膜色素線条症、家族性滲出性硝子体網膜症ならびにイールズ病といったバスクラ−(vasuclar)疾患や滲出性疾病;交感性眼炎、ブドウ膜網膜疾患、網膜剥離、トラウマ、手術後の角膜創傷治癒、レーザーによって引き起こされた症状、光線力学療法によって引き起こされた症状、光凝固療法、手術中の低灌流、放射線網膜症および骨髄移植網膜症といった外傷的/外科的症状;増殖性硝子体網膜症および網膜上膜ならびに増殖性糖尿病性網膜症のような増殖性疾患;眼ヒストプラズマ症、眼トキソカラ症、推定眼ヒストプラズマ症(POHS)、眼内炎、トキソプラズマ症、HIV感染に伴う網膜疾患、HIV感染に伴う脈絡疾患、HIV感染に伴うぶどう膜疾患、ウイルス性網膜炎、急性網膜壊死、進行性外網膜壊死、菌性網膜疾患、眼梅毒、眼結核、広汎性片眼性亜急性視神経網膜炎および蠅蛆病といった伝染性疾患;色素性網膜炎、網膜ジストロフィー、先天停止性夜盲症、錐体ジストロフィー、シュタルガルト病および眼底黄点症に伴う全身性疾患、ベスト病、網膜の色素上皮のパターンジストロフィー、X連鎖性網膜分離症、ソースビー眼底ジストロフィー、良性同心黄斑変性症、ビエッティ結晶性ジストロフィーおよび弾力線維性仮性黄色腫といった遺伝障害;網膜剥離、黄斑円孔および巨大網膜裂孔のような網膜裂孔/穴;腫瘍に関連した網膜疾患、網膜色素上皮先天性肥大、後部ブドウ膜黒色腫、脈絡膜血管腫、脈絡膜骨腫、脈絡膜転移、網膜および網膜色素上皮の結合過誤腫、網膜芽細胞腫、眼底血管増殖性腫瘍、網膜星状細胞腫ならびに眼内リンパ腫といった腫瘍を含むが、これらに限定されない眼炎症性疾患;ならびに斑状内部脈絡膜症、急性後部多病巣性鱗状網膜色素上皮症、近視性網膜退化および急性網膜色素上皮炎といった眼後部に影響する他の様々な疾患、ストロークのような全身炎症性疾患、冠動脈疾患、閉塞性気道疾患、HIV媒介トロウイルス伝染病、冠動脈疾患、神経炎症、神経疾患、痛みおよび免疫学的疾患を含む心臓血管疾患、、喘息、アレルギー疾患、炎症、全身性エリトマトーデス、乾癬、アルツハイマー病といったCNS疾患、関節炎、敗血症、炎症性腸疾患、カヘキシー、狭心症、手術後の角膜炎症、眼瞼炎、MGD、皮膚創傷治癒、やけど、酒き、アトピー性皮膚炎、ざ瘡、乾癬、脂漏性皮膚炎、日光角化症、ウイルス性疣贅、光老化関節リウマチおよび関連する炎症性疾患、脱毛、緑内障、分岐静脈閉塞症、ベスト卵黄状黄斑変性、色素性網膜炎、増殖性硝子体網膜症(PVR)、ならびに光受容体またはRPEのいずれかの他の変成疾患である(Perretti, Mauro et al.Pharmacology&Therapeutics 127(2010)175-188.)。
【0074】
これらの化合物は、N−ホルミルペプチド受容体様1受容体調節によって軽減されるさまざまな種類の症状および疾患を抱えたヒトを含む哺乳類の治療に役立ち、それは以下を含むがこれらに限定されない:滲出型および萎縮型加齢黄斑変性(ARMD)、糖尿病性網膜症(増殖性)、未熟児網膜症(ROP)、糖尿病性黄斑浮腫、ぶどう膜炎、網膜静脈閉塞症、嚢胞様黄斑浮腫、緑内障、分岐静脈閉塞症、ベスト卵黄状黄斑変性、色素性網膜炎、増殖性硝子体網膜症(PVR)および光受容体またはRPEのいずれかの他の変成疾患の治療。
【0075】
さらに別の本発明の実施形態では、FPRL−1受容体の調節に関わる疾患を治療するための方法を提供する。そのような方法は、例えば、本発明の化合物の少なくとも1つもしくはその組み合わせまたは薬剤的に許容できる塩、水和物、溶媒和化合物、結晶形ならびにその個々の異性体、鏡像異性体およびジアステレオマー異性体を、治療上有効な量でそれを必要とする対象に投与することで実施される。
【0076】
本発明は、一般式Iおよび一般式IIの化合物またはその薬剤的に許容できる塩を、以下の治療のための薬剤製造のために使用することに関する:滲出型および萎縮型加齢黄斑変性(ARMD)、ぶどう膜炎、ドライアイ、角膜炎、アレルギー性眼疾患ならびに非滲出型加齢黄斑変性、滲出型加齢黄斑変性、脈絡膜血管新生、糖尿病性網膜症(増殖性)、未熟児網膜症(ROP)、急性黄斑視神経網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、嚢胞様黄斑浮腫および糖尿病性黄斑浮腫を含む黄斑症および網膜変性症といった後眼部に影響する症状;急性多病巣性鱗状網膜色素上皮症、ベーチェット病、バードショット脈絡網膜症、伝染性(梅毒、ライム病、結核、トキソプラズマ症)、中間部ぶどう膜炎(扁平部炎)、多病巣性脈絡膜炎、多発性消失性白点症候群(mewds)、眼サルコイドーシス、後強膜炎、匍行性脈絡膜炎、網膜下線維症およびぶどう膜炎症候群、フォークト・小柳・原田症候群といった、伝染性角膜炎、ぶどう膜炎、ヘルペス性角膜炎、角膜血管新生、リンパ脈管新生、ぶどう膜炎、網膜炎ならびに脈絡膜炎;網膜動脈閉塞症、網膜中心静脈閉塞症、嚢胞様黄斑浮腫、血管内凝固症候群、網膜静脈分枝閉塞症、高血圧性眼底変動、眼虚血性症候群、網膜臍動脈瘤、コーツ病傍中心窩毛細血管拡張症、半網膜静脈閉塞症、乳頭血管炎、網膜中心動脈閉塞症、網膜動脈分枝閉塞症、頚動脈疾病(CAD)、樹氷状血管炎、鎌状赤血球網膜症および他の異常血色素症、、網膜色素線条症、家族性滲出性硝子体網膜症ならびにイールズ病といったバスクラ−(vasuclar)疾患や滲出性疾病;交感性眼炎、ブドウ膜網膜疾患、網膜剥離、トラウマ、手術後の角膜創傷治癒、レーザーによって引き起こされた症状、光線力学療法によって引き起こされた症状、光凝固療法、手術中の低灌流、放射線網膜症および骨髄移植網膜症といった外傷的/外科的症状;増殖性硝子体網膜症および網膜上膜ならびに増殖性糖尿病性網膜症のような増殖性疾患;眼ヒストプラズマ症、眼トキソカラ症、推定眼ヒストプラズマ症(POHS)、眼内炎、トキソプラズマ症、HIV感染に伴う網膜疾患、HIV感染に伴う脈絡疾患、HIV感染に伴うぶどう膜疾患、ウイルス性網膜炎、急性網膜壊死、進行性外網膜壊死、菌性網膜疾患、眼梅毒、眼結核、広汎性片眼性亜急性視神経網膜炎および蠅蛆病といった伝染性疾患;色素性網膜炎、網膜ジストロフィー、先天停止性夜盲症、錐体ジストロフィー、シュタルガルト病および眼底黄点症に伴う全身性疾患、ベスト病、網膜の色素上皮のパターンジストロフィー、X連鎖性網膜分離症、ソースビー眼底ジストロフィー、良性同心黄斑変性症、ビエッティ結晶性ジストロフィーおよび弾力線維性仮性黄色腫といった遺伝障害;網膜剥離、黄斑円孔および巨大網膜裂孔のような網膜裂孔/穴;腫瘍に関連した網膜疾患、網膜色素上皮先天性肥大、後部ブドウ膜黒色腫、脈絡膜血管腫、脈絡膜骨腫、脈絡膜転移、網膜および網膜色素上皮の結合過誤腫、網膜芽細胞腫、眼底血管増殖性腫瘍、網膜星状細胞腫ならびに眼内リンパ腫といった腫瘍を含むが、これらに限定されない眼炎症性疾患;ならびに斑状内部脈絡膜症、急性後部多病巣性鱗状網膜色素上皮症、近視性網膜退化および急性網膜色素上皮炎といった眼後部に影響する他の様々な疾患、ストロークのような全身炎症性疾患、冠動脈疾患、閉塞性気道疾患、HIV媒介トロウイルス伝染病、冠動脈疾患、神経炎症、神経疾患、痛みおよび免疫学的疾患を含む心臓血管疾患、喘息、アレルギー疾患、炎症、全身性エリトマトーデス、乾癬、アルツハイマー病といったCNS疾患、関節炎、敗血症、炎症性腸疾患、カヘキシー、狭心症、手術後の角膜炎症、眼瞼炎、MGD、皮膚創傷治癒、やけど、酒き、アトピー性皮膚炎、ざ瘡、乾癬、脂漏性皮膚炎、日光角化症、ウイルス性疣贅、光老化関節リウマチおよび関連する炎症性疾患、脱毛、緑内障、分岐静脈閉塞症、ベスト卵黄状黄斑変性、色素性網膜炎、増殖性硝子体網膜症(PVR)、ならびに光受容体またはRPEのいずれかの他の変成疾患。
【0077】
任意の場合に投与される化合物の実際量は、症状の重症度、患者の年齢および体重、患者の一般的な健康状態、症状の原因ならびに投与経路といった関連した状況を考慮する医師によって決められる。
【0078】
患者はその化合物を錠剤、液状、カプセル剤、粉末などといった任意の許容できる形態で経口投与され、または、特に患者が吐き気で苦しむ際は、他の投与経路が望ましいまたは必要であろう。そのような他の経路は、例外なく、経皮、非経口、皮下、鼻内、移植片ステント経由、脊髄内、硝子体内、眼への局所的、後眼部、筋肉内、静脈内および直腸内投与形態が含まれていてよい。さらに、その製剤は、活性化合物の放出をある一定の間遅らせるように、または治療コースの間、所与の時間に放出される薬剤の量を慎重に制御するように、作られてもよい。
【0079】
本発明の別の実施形態では、本発明の化合物の少なくとも1つを、その薬剤的に許容できる担体に含む医薬組成物を提供する。「薬剤的に許容できる」という句は、その担体、希釈剤または賦形剤が、その製剤の成分と相溶しなくてはならず、かつその受容者に有害であってはならないことを意味する。
【0080】
本発明の医薬組成物は、固体、溶液剤、乳剤、分散剤、パッチ、ミセル、リポソームなどの形態で使うことができ、ここで、得られた組成物は、経腸的または非経口的適用に合った有機または無機である担体または賦形剤との混合中に、本発明の化合物を1つ以上有効成分として含む。本発明の化合物は、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、坐剤、溶液剤、乳剤、分散剤および使用に適切な任意の形態のために、例えば、一般的な、非毒性で薬剤的に許容できる担体と組み合わせてよい。使用されてもよい担体は、グルコース、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプン糊、三ケイ酸マグネシウム、滑石、コーンスターチ、ケラチン、コロイダルシリカ、ジャガイモデンプン、尿素、中鎖長トリグリセリド、デキストラン、および、固体、半固体または液体の形態である調剤製造に適切な他の担体を含む。さらに、補助剤、安定剤、濃化剤、着色剤および香料を使用してよい。本発明の化合物は、医薬組成物に、疾患の進行または症状に所望する効果をもたらすのに十分な量で含まれる。
【0081】
本発明の化合物を含む医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ、口内錠、水性油性懸濁剤、分散性粉末剤もしくは顆粒、乳剤、硬カプセルもしくは軟カプセル、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤として、経口使用に適切な形態であってよい。経口使用を意図した組成物は、医薬組成物の製造において当該技術分野で公知の方法に従って調製されてよく、そのような組成物は、薬剤的に洗練され、口に合う調製物を提供するために、スクロース、ラクトースまたはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、冬緑油もしくは桜油といった香料、着色剤および保存剤の群から選択される薬剤を1つ以上含んでよい。非毒性で薬剤的に許容できる賦形剤と混合した、本発明の化合物を含む錠剤は、公知の方法で製造されてもよい。使用される賦形剤は、例えば、(1)炭酸カルシウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;(2)コーンスターチ、ジャガイモデンプンまたはアルギン酸のような造粒剤または崩壊剤;(3)トラガントゴム、コーンスターチ、ゼラチンあるいはアラビアゴムのような結着剤、および(4)ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸あるいは滑石のような潤滑剤であってよい。錠剤は、コーティングされてなくてもよく、または、消化管での崩壊および吸収を遅らせ、それによって、より長い期間安定した活性を提供するために、公知の技術を使ってコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジアステアリン酸グリセリルといった時間遅延物質が使用されてよい。
【0082】
いくつかの例では、経口使用のための製剤は、硬ゼラチンカプセルの形態であってよく、ここで、本発明の化合物は不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムあるいはカオリンと混合されている。該製剤は、柔ゼラチンカプセルの形態であってもよく、ここで、本発明の化合物は水または油媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィンまたはオリーブオイルで混合されている。
【0083】
医薬組成物は、無菌性注射用懸濁液の形態であってよい。この懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使い、公知の方法に従って調製することができる。その無菌性注射用調製物は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液として、非毒性で非経口的に許容できる希釈剤または溶媒中の無菌性注射可能溶液または懸濁液であってもよい。無菌性固定油が、溶媒または懸濁媒体として従来使用されている。この目的においては、合成モノグリセリドまたはジグリセリド、脂肪酸(オレイン酸を含む)、ごま油、やし油、ピーナッツ油、綿実油などのような天然に存在する植物油、またはオレイン酸エチルのような合成脂肪媒体などを含む、任意の無菌固定油が使用されてもよい。緩衝剤、防腐剤、酸化防止剤などを必要に応じて取り入れてもよい。
【0084】
本発明の化合物は、薬剤の直腸内投与のために坐剤形態として投与されてもよい。これらの組成物は、本発明の化合物を、常温では固体であるが、直腸腔では液化、溶解して薬剤を放出するカカオ脂、ポリエチレングリコールの合成グリセリドエステルといった適切な非刺激性賦形剤と混合することで調製できる。
【0085】
個々の対象は、症状の重症度を幅広い範囲で示し得るので、かつそれぞれの薬剤は独特の薬剤的特徴を持っているので、それぞれの対象ごとに使用する正確な投与形態および投与量は、施術者の裁量に任せられる。
【0086】
本明細書で記載される化合物および医薬組成物は、N−ホルミルペプチド受容体様1(FPRL−1)受容体のアゴニストまたは機能的アンタゴニストでの治療に反応を示す病気の治療および/またはN−ホルミルペプチド受容体様1(FPRL−1)受容体のアゴニストまたは機能的アンタゴニストでの治療に反応を示す症状の軽減のために、ヒトを含む哺乳類のための薬剤として有益である。よって、本発明のさらなる実施形態において、N−ホルミルペプチド受容体様1(FPRL−1)受容体の調節に関連した疾患の治療方法を提供する。そのような方法は、例えば、本発明の化合物の少なくとも1つを、治療上有効な量で含む医薬組成物を、それが必要な対象に投与することで、実施することができる。本明細書で使われる、「治療上有効な量」という語は、その医薬組成物を必要とする対象から、研究者、獣医師、医師または臨床医が求めている生物学的反応または医学的反応を引き出す量の医薬組成物を意味する。いくつかの実施形態では、それを必要とする対象は哺乳類である。いくつかの実施形態では、その哺乳類はヒトである。
【0087】
本発明は、一般式Iの化合物の調製プロセスにも関わる。本発明に従う一般式Iの化合物は、合成有機化学における当業者に理解される通りの従来の方法に類似したやり方で調製することができる。以下に示される合成スキーム1は、本発明に従う化合物がどのように作られるかを示す。
【0088】
スキーム1
【化36】
【0089】
スキーム2
【化37】
【0090】
一般式Iの化合物は、スキーム1で示された通り調製した。一般式IIの化合物の化合物は、スキーム2で示された通り調製した。一般的に、アミノ酸のt−ブチルエステル誘導体を置換フェニルイソシアナートと反応させて、フェニル尿素誘導体を得る。そのt−ブチルエステル保護基を、次いで酸性条件下で取り除き、アミノ酸尿素を得る。次いで、アミンの存在下で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)およびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)といった活性化試薬でその化合物を処理することで、または、当業者に公知の方法で、カルボン酸基をアミドに転化する。この段階で、当業者であれば、本発明の範囲に該当する多くの付加的な化合物が、一般的な種々の化学反応を行うことで調製されてもよいということが理解できるであろう。ある特定の化学的変化の詳細は、実施例で提供する。
【0091】
当業者であれば、以下のスキームを常に修正、適合し、一般式Iまたは一般式IIに含まれる本発明のいかなる化合物も合成することができるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0092】
先述した概説および次の詳細な説明は両者とも例示的および説明的なものであるだけであり、クレームされる発明を制限するものではないということが理解されなくてはならない。本明細書において、単数の使用は、具体的に指示のない限り、複数を含む。
【0093】
化合物が鏡像異性およびジアステレオマー異性の形態で存在するように、本発明の化合物のいくつかが1つ以上の不斉中心を含み得るということは当業者には容易に明らかであろう。具体的に指示されない限り、本発明の範囲には、すべての鏡像異性体、ジアステレオマー異性体、ラセミ混合物が含まれる。本発明の化合物の中には、薬剤的に許容できる酸または塩基を含む塩を形成し得るものがいくつかあり、本明細書で記載される化合物のそのような薬剤的に許容できる塩も、本発明の範囲に含まれる。
【0094】
本発明は、すべての薬剤的に許容できる同位体濃縮化合物を含む。本発明のいかなる化合物も、濃縮された同位体原子または水素1H(またはH)の代わりに重水素2H(またはD)もしくは12Cの代わりに13C濃縮物質の使用などといった天然の比率とは違う同位体原子を1つ以上含んでよい。類似した置き換えを、N、OおよびSに対しても行うことができる。同位体の使用は、本発明の分析的およ治療的観点において役立ち得る。例えば、重水素の使用は、本発明の化合物の代謝(速度)を変えることで生体内半減期を高める。これらの化合物は、同位体濃縮試薬の使用によって説明される調製法に従い、調製することができる。
【0095】
次の実施例は、解説を目的とするだけであり、いかなる方法でも、本発明を制限するものとして意図されておらず、かつそう解釈されるべきではない。当業者なら、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、次の実施例の変形および修正が可能であることが理解できるであろう。
【0096】
当業者には明らかである通り、それぞれの異性体形態は、従来の方法で、その混合物を分離することで得ることができる。例えば、ジアステレオマー異性体の場合、クロマトグラフィー分離がなされ得る。化合物名は、ACDバージョン12.5を使用して命名した。概して、化合物の特徴づけは、次の方法に従ってなされる:NMRスペクトルを300または600MHzVarianで記録し、室温で得る。化学シフトは、内部TMSまたは溶媒シグナルのいずれかを参照してppmで表す。
【0097】
その合成が記載されていない試薬、溶媒、触媒は、すべて、シグマアルドリッチ、フルカ、バイオ−ブロック(Bio-Blocks)、コンビ-ブロック、TCI、VWR、ランカスター、オークウッド、トランスワールド・ケミカルズ(Trans World Chemicals)、アルファ、フィッシャー、メイブリッジ(Maybridge)、フロンティア、マトリックス、Ukrorgsynth、トロント、ライアン・サイエンティフィック(Ryan Scientific)、シリサイクル、アナスペック、シン・ケム(Syn Chem)、ケム・インペックス(Chem-Impex)、MIC-サイエンティフィックといった化学薬品販売会社から購入される;しかし、いくつかの公知の中間体は、公開されている方法に従って調製した。
【0098】
別に指示がない限り、通常、本発明の化合物は中圧液体クロマトグラフィーで精製した。実施例の中では、次の略語を使用する:
【表1】
【0099】
以下の合成スキームは、本発明に従った化合物をどのように作ることができるかを説明する。当業者であれば、以下のスキームを常に修正、適合し、一般式IIの範囲に含まれる本発明のいかなる化合物も合成することが可能であろう。
【実施例】
【0100】
実施例1
中間体1
tert−ブチル(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−フェニルプロパノアート
【化38】
【0101】
L‐フェニルアラニンtert‐ブチルエステル塩酸塩(100mg、0.41mmol)および塩化メチレン6mLの25℃の溶液に、4−ブロモ−フェニルイソシアナート
(81mg、0.41mmol)およびトリエチルアミン(62mg、0.62mmol)を加えた。得られた混合物を25℃で30分間撹拌した。混合物を濃縮し、残渣を、酢酸エチル:ヘキサン(20:80)を使用してシリカゲル中圧液体クロマトグラフィーにかけて精製し、中間体1を白色固体として得た。
【0102】
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.20−7.35(m,5H),7.13−7.20(m,2H),7.01−7.10(m,2H),6.79(br.s.,NH),5.52(br.s.,NH),4.70(t,J=6.2Hz,1H),2.91(ddd,J=19.0Hz,J=6.0Hz,2H),1.47(m,9H)。
【0103】
実施例1に記載された中間体1の調製のための手法に類似した方法で、中間体2、3および4を、適切なアミノ酸から出発し、対応するアミノ酸から調製した。結果を以下の表1に示す。
表1
【表2】
【0104】
実施例2
中間体5
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−フェニルプロパン酸
【化39】
【0105】
中間体1(60mg、0.15mmol)および0.5mLのギ酸の溶液を25℃で3時間撹拌した。得られた混合物を水(1mL)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。残渣を塩化メチレン:ヘキサン(1:1)で4回リンスし、中間体5を白色固体として得た。
【0106】
1H NMR(アセトン−d6,300MHz) δ:8.29(s,NH),7.40−7.50(m,2H),7.32−7.40(m,2H),7.18−7.31(m,5H),5.98(d,J=7.9Hz,NH),4.67(m,1H),3.02(ddd,J=19.0Hz,J=6.0Hz,2H)。
【0107】
実施例2に記載された中間体5の調製のための手法に類似した方法で、中間体6、7および8ならびに化合物1〜6を、対応する尿素誘導体から調製した。その結果を下の表2に示す。
表2
【表3】


【0108】
実施例3
化合物7
tert−ブチル{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−フェニルプロパノイル]アミノ}アセテート
【化40】
【0109】
中間体5(80mg、0.22mmol)および2mLの無水DMFの、25℃の溶液に、EDCI(64mg、0.33mmol)、HOBt(45mg、0.33mmol)、グリシンtert−ブチルエステル(44mg、0.33mmol)およびN−メチルモルホリン(44mg、0.44mmol)を加えた。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。混合物を水(1mL)でクエンチし、その生成物を酢酸エチル(20mL)で抽出した。層を分離し、有機層を水、塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた生成物を、酢酸エチル:ヘキサン(40:60)を使用してシリカゲル中圧液体クロマトグラフィーにかけて精製し、化合物7を白色固体として得た。
【0110】
1H NMR(CDCl3,300MHz) δ:7.18−7.35(m,7H),7.03(d,J=8.5Hz,2H),6.85(br.s.,1H),4.69(t,J=7.5Hz,1H),3.74−3.96(m,2H),2.98−3.19(m,2H),1.42(s,9H)。
【0111】
実施例3に記載された化合物7の調製のための手法に類似した方法で、化合物8〜27および中間体9を、対応する尿素誘導体から調製した。結果を以下の表3に示す。
表3
【表4】








【0112】
実施例4
化合物28
(2S,3S)−N−(2−アミノ−2−オキソエチル)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]アミノ}−3−メチルペンタンアミド
【化41】
【0113】
化合物11(50mg、0.13mmol)および5mLの無水テトラヒドロフランの溶液に、−78℃のアルゴン下で、トリエチルアミン(24mg、0.17mmol)およびクロロギ酸エチル(17mg、0.16mmol)を加えた。混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで、アンモニアガスを反応フラスコに1分間バブリングした。得られた混合物を25℃で2時間撹拌した。反応を水(1mL)でクエンチし、残渣を酢酸エチル(20mL)で抽出した。層を分離し、有機層を水、塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。得られた生成物を、メタノール:ジクロロメタン(10:90)の溶離液を使用してシリカゲル中圧液体クロマトグラフィーにかけて精製し、化合物28を白色固体として得た。
【0114】
1H NMR(CD3OD,300MHz) δ:7.33−7.40(m,2H),7.26−7.33(m,2H),4.05(d,J=6.7Hz,1H),3.85(q,J=17.0Hz,2H),1.78−1.91(m,1H),1.54−1.69(m,1H),1.16−1.33(m,1H),0.99(d,J=6.7Hz,3H),0.92−0.98(m,3H)。
【0115】
実施例4に記載された化合物28の調製のための手法に類似した方法で、化合物29〜85および中間体10〜35を、対応する酸誘導体から調製した。
表4
【表5】

































生体データ
【0116】
一般式IIに従った化合物の生物活性を下の表5に示す。FPRL1を安定して発現するCHO−Gα16細胞を培養し(F12、10%FBS、1%PSA、400μg/mlジェネテシンおよび50μg/mlハイグロマイシン)、FPR1を安定して発現するHEK−Gqi5細胞を培養した(DMEM、高グルコース、10%FBS、1%PSA、400μg/mlジェネテシンおよび50μg/mlハイグロマイシン)。概して、実験の前日に、1ウェルあたり18,000個の細胞を、ポリ−d−リシンでコーティングされた384ウェルクリアボトムプレートに播いた。翌日、スクリーニング化合物誘導カルシウム活性をFLIPRTetraで測定した。EP3およびMultiPROBEロボット液体操作装置を使用して、薬剤プレートを384ウェルマイクロプレートに作製した。
化合物を0.61から10,000nMの範囲の濃度で検査した。結果を、EC50(nM)および有効値として示した。
表5
【表6】