特許第6496720号(P6496720)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6496720伸長ロッドにより制御された圧力プロフィールを印加することにより、容器を形成するための方法及びステーション、並びに、当該ステーションを備える機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496720
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】伸長ロッドにより制御された圧力プロフィールを印加することにより、容器を形成するための方法及びステーション、並びに、当該ステーションを備える機械
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/46 20060101AFI20190325BHJP
   B29C 49/12 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   B29C49/46
   B29C49/12
【請求項の数】30
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-522442(P2016-522442)
(86)(22)【出願日】2014年6月24日
(65)【公表番号】特表2016-526497(P2016-526497A)
(43)【公表日】2016年9月5日
(86)【国際出願番号】EP2014063269
(87)【国際公開番号】WO2014206978
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2017年5月24日
(31)【優先権主張番号】13305862.8
(32)【優先日】2013年6月24日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514318149
【氏名又は名称】ディスクマ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】DISCMA AG
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ドゥステー,リュク
【審査官】 祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/145511(WO,A1)
【文献】 特表2009−533290(JP,A)
【文献】 特表2011−506130(JP,A)
【文献】 特開2014−069441(JP,A)
【文献】 特表2013−541441(JP,A)
【文献】 特開2013−154617(JP,A)
【文献】 特開2008−254244(JP,A)
【文献】 特表2007−530314(JP,A)
【文献】 特開昭63−134221(JP,A)
【文献】 特開昭53−132064(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0157723(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0122136(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0031659(US,A1)
【文献】 米国特許第06796780(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部容積(10)を有する予備形成物(2)から、流体が充填された容器(1)を製造するための方法であり、出口(18)を含み、前記流体の源(22)に接続された射出装置(4)を用いる方法であって、
前記出口(18)を前記予備形成物(2)に、緊密に流体的に連通させる連通工程と、
前記流体を、前記源(22)から前記予備形成物(2)の内部容積(10)内に前記出口(18)を通じて射出する射出工程と、
前記内部容積(10)と前記流体源(22)との間の封止障壁(57、82)を、閉鎖する閉鎖工程であって、
前記閉鎖された封止障壁は液密に閉鎖された容積(58)を形成し、
当該閉鎖された容積は前記内部容積(10)を少なくとも含み、
前記封止障壁の当該閉鎖工程は、前記閉鎖された容積(58)が流体で満たされるとすぐに、開始される当該閉鎖工程と、
ピストン部材(40、70)を当該閉鎖された容積内に置く工程と、
前記閉鎖された容積(58)内の流体圧力が増えるように、前記封止障壁が閉鎖されるときに、当該ピストン部材を駆動する駆動工程と、を含み、
前記ピストン部材の作動中、前記ピストン部材は、前記予備形成物の前記内部容積の内側に少なくとも部分的に入ることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記射出装置(4)はさらに、
当該流体源(22)に流体的に連通する入口(16)と、
前記入口(16)と前記出口(18)との間に広がるチャンバ(20)と、
前記チャンバ(20)内に広がる封止環(34)を備える中空制御ロッド(32)であって、前記ピストン部材(40、70)が前記中空制御ロッド(32)の内側に伸びる当該中空制御ロッド(32)と、
前記ピストン部材と封止環(34)との間を流体が流れることを防止するために、前記ピストン部材(40、70)と封止環(34)との間に設けられた封止手段(43)と、を備え、
前記封止障壁(57、82)の当該閉鎖工程は、射出位置から封止位置へ、前記中空制御ロッド(32)を動かすことにより、行われ、
前記射出位置において、前記出口(18)は前記入口(16)に、前記チャンバ(20)を介して流体的に連通しており、
前記封止位置において、前記封止障壁(57、82)が前記閉鎖された容積(58)を前記チャンバ(20)の残余から隔離するように、前記封止環(34)は、前記チャンバ(20)を閉鎖することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ピストン部材は、前記予備形成物(2)の変形をさせるために、前記予備形成物(2)の内部容積(10)の内側に動かされる伸長ロッド(40)であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記流体の前記射出工程中に、
前記予備形成物の底へ軸方向を規定し、製造される前記容器の軸に対応する軸Aに沿って、前記伸長ロッド(40)を並進運動させる工程と、
前記予備形成物を軸方向に変形するために、伸長ロッドを押す工程と、
前記封止障壁(57、82)の前記閉鎖工程前に、前記内部容積(10)から前記伸長ロッド(40)の少なくとも一部を後退させる工程と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、さらに、型(6)内に前記予備形成物(2)を置く工程であって、当該型(6)は、製造される前記容器(1)の形状を有する形成キャビティ(42)を形成し、前記型内に置かれた前記予備形成物は、熱可塑性材料製であり、前記予備形成物内の前記流体射出工程に先立って、前記予備形成物材料のガラス転移温度より高い温度へ加熱される工程を含むことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記流体の前記射出工程は、変形工程であり、当該流体は、前記予備形成物(2)の変形させるように設定された第1圧力(P1)で、前記形成キャビティ(42)の壁に向かって射出され、前記封止障壁の前記閉鎖工程は、当該変形された予備形成物(2)が中間形状(56)を獲得したときに開始されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1圧力(P1)は、前記流体源(22)から前記射出装置(4)へ流体を移送するために適合された射出手段(24)により、前記流体に印加され、
前記封止障壁(57、82)は、当該射出手段(24)と前記射出装置(4)の前記出口(18)との間に伸びていることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
当該ピストン部材(40、70)の作動は、前記閉鎖された容積(58)の内側の前記ピストン部材の容積を増やすことにより行われ、
当該閉鎖された容積(58)の限界範囲を定めるその他のパーツは、前記予備形成物自体及び前記予備形成物に対して固定された剛性パーツであることを特徴とする請求項またはに記載の方法。
【請求項9】
前記ピストン部材(40、70)の作動は、前記内部容積(10)の内側に第2圧力(P2)を印加し、
当該第2圧力は、その中間形状(56)から、充填及び形成された容器が獲得するような、前記形成キャビティ(42)の形状へ、前記予備形成物(2)をさらに変形するように設定されることを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1圧力(P1)は、前記中間形状(56)が製造される容器(1)の前記容積の95%と98%との間に対応する容積を示すまで、印加され、
前記第2圧力(P2)は、形成された容器(1)を得るために、前記中間形状(56)の前記容積がさらに2%から5%増えるように、印加されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2圧力(P2)は、前記変形された予備形成物(2)の前記閉鎖及び充填された容積(10)の内側に前記ピストン部材(40、70)を動かすことと、形成キャビティ(42)の容積を減少させることと、両方により印加されることを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記型(6)は、少なくとも1つのパーツと1つの底パーツ(52)とを含み、当該パーツは一緒に、形成キャビティ(42)を規定し、前記形成キャビティ(42)の前記容積の前記減少は、前記型(6)の前記パーツに対して前記底パーツ(52)を動かすことによりえられることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、形成キャビティ(42)の前記容積をさらに減らすことにより、前記容器の少なくとも一部を形作る工程を含み、この工程中に前記変形された予備形成物(2)へ印加される圧力は、前記形成キャビティ(42)の前記容積の減少による圧力の増加を補償するように、前記内部容積(10)から前記ピストン部材(40、70)を後退させることにより、一定レベルに維持されることを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1圧力は、4バールと15バールとの間に含れることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2圧力は、20バールと80バールとの間に含まれることを特徴とする請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2圧力は、25バールと45バールとの間に含まれることを特徴とする請求項13から15の何れか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2圧力は、40バールであることを特徴とする請求項13から16の何れか1項に記載の方法。
【請求項18】
保持工程を含み、
当該保持工程中に、
前記変形された予備形成物の形状は、前記形成キャビティ(42)の形状に持ち上げられ、
前記ピストン部材(40、70)に印加される力は、前記閉鎖された容積内の流体に印加される圧力が、所定圧力プロフィール(P3)をなぞるように、制御されることを特徴とする請求項から17の何れか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記所定圧力プロフィールの圧力は、4バールと20バールとの間に含まれることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記出口(18)及び前記ピストン部材(40)が前記形成された容器から後退される直前の、前記形成された容器の内側の前記ピストン部材(40、70)の位置は、前記閉鎖された容積の内側の流体の容積が、前記製造される容器の内側の流体の必要レベル以下である流体の容積と、同等であるような位置であることを特徴とする請求項1から19の何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
内部容積(10)を有する予備形成物(2)から、流体が充填された容器(1)を製造するための方法であり、出口(18)を含み、前記流体の源(22)に接続された射出装置(4)を用いる方法であって、
前記出口(18)を前記予備形成物(2)に、緊密に流体的に連通させる連通工程と、
前記流体を、前記源(22)から前記予備形成物(2)の内部容積(10)内に前記出口(18)を通じて射出する射出工程と、
前記内部容積(10)と前記流体源(22)との間の剛性の封止障壁(57、82)を閉鎖する閉鎖工程であって、
当該封止障壁(57、82)は、前記封止障壁(57、82)を通るピストン部材(40、70)の液密な運動を可能にするポートを含み、
当該剛性の封止障壁(57、82)及び当該ピストン部材(40、70)は液密に閉鎖された容積(58)を形成し、
当該閉鎖された容積は前記内部容積(10)を少なくとも含み、
前記封止障壁(57、82)の当該閉鎖工程は、前記閉鎖された容積(58)が流体で満たされるとすぐに、開始される当該閉鎖工程と、
前記閉鎖された容積(58)内の前記流体の圧力を、前記封止障壁(57、82)が閉鎖されているときに、前記閉鎖された容積(58)内の前記封止障壁(57、82)を通って前記ピストン部材(40、70)を動かすことにより、増やす増圧工程と、を含み、
前記ピストン部材(57、82)の作動中、前記ピストン部材(40、70)は、前記予備形成物の前記内部容積の内側に少なくとも部分的に入ることを特徴とする方法。
【請求項22】
内部容積(10)を有する予備形成物(2)から、容器(1)を形成し、当該容器に流体を充填するためのステーションであって、
流体の源(22)に流体的に連通する出口(18)を含む射出装置(4)と、
前記予備形成物(2)に緊密に流体的に連通する前記出口(18)と接続するように設けられた射出装置作動装置と、
前記流体源(22)から流体を取り込み、前記出口(18)と通って前記予備形成物(2)の前記内部容積(10)内に当該流体を射出するように、設けられた射出手段(24)と、
前記内部容積(10)と前記流体源(22)との間に伸びる閉鎖可能な封止障壁(57、82)であって、前記射出装置作動装置が作動されるときに前記封止障壁を閉鎖し、前記内部容積を少なくとも含む閉鎖された容積を形成する当該封止障壁と、
前記液密に閉鎖された容積(58)に置かれたピストン部材(40、70)と、
前記射出手段(24)を連続的に駆動するように適合された制御ユニットであって、形成される容積(58)が流体で満たされているときに、前記封止障壁(57、82)を閉鎖し、そして、前記閉鎖された容積(58)内の流体圧力を増やすためにピストン部材(40、70)を駆動する当該制御ユニットと、を含み、
前記ピストン部材(40、70)の作動中、前記ピストン部材は、前記予備形成物の前記内部容積の内側に少なくとも部分的にあることを特徴とするステーション。
【請求項23】
前記射出装置(4)はさらに、
当該流体源(22)に流体的に連通する入口(16)と、
前記入口(16)と前記出口(18)との間に広がるチャンバ(20)と、
前記チャンバ(20)内に広がる封止環(34)を備える中空制御ロッド(32)であって、前記ピストン部材(40、70)が前記中空制御ロッド(32)の内側に伸びる当該中空制御ロッド(32)と、
前記ピストン部材と封止環(34)との間を流体が流れることを防止するために、前記ピストン部材(40、70)と封止環(34)との間に設けられた封止手段(43)と、を備え、
前記封止障壁(57、82)は、前記封止障壁(57、82)が前記閉鎖された容積(58)を前記チャンバ(20)の残余から隔離するように、前記封止環(34)、前記封止手段(43)、及び前記ピストン部材(40、70)を含むことを特徴とする請求項22に記載のステーション。
【請求項24】
さらに、前記流体源(22)から前記出口(16)を通り前記チャンバ(20)へ来る流体を射出するように、第1圧力(P1)で前記出口(18)を通って流体を射出するように、適合された射出手段(24)を含むことを特徴とする請求項23に記載のステーション。
【請求項25】
前記ピストン部材は、前記予備形成物を縦方向に伸長するように適合された伸長ロッド(40)により形成されるか、又は、
前記ステーションが伸長ロッド(72)を含み、前記ピストン部材は、前記伸長ロッド(72)から別個である要素(70)により形成され、前記ステーションはさらに、前記ピストン部材を作動させるピストン部材作動装置(74)と、前記ピストン部材作動装置(74)から異なる前記伸長ロッド(72)を作動させる伸長ロッド作動装置を含むことを特徴とする請求項22から24の何れか1項に記載のステーション。
【請求項26】
前記ステーションは、形成キャビティ(42)を有する型(6)と、前記形成キャビティ(42)内に前記予備形成物(8)を置くように適合されたプレーシング(placing)装置と、を含むことを特徴とする請求項22から25の何れか1項に記載のステーション。
【請求項27】
前記ピストン部材(40、70)は、前記形成キャビティ(42)の形状まで、前記予備形成物を拡げるように適合された圧力レベルまで、流体圧力を増やすように適合されていることを特徴とする請求項26に記載のステーション。
【請求項28】
前記ピストン部材(40、70)及び前記封止障壁は、前記ピストン部材が、前記封止障壁(57、82)を壊すことなく、前記液密に閉鎖された容積(58)の内側で、前記ピストン部材により生成される流体圧力の範囲全域にわたり、運動可能なように、設けられていることを特徴とする請求項22から27の何れか1項に記載のステーション。
【請求項29】
内部容積を有する予備形成物から、容器を形成し、当該容器に流体を充填するためのステーションであって、
流体の源(22)に流体的に連通する出口(18)を含む射出装置(4)と、
前記予備形成物(2)に緊密に流体的に連通する前記出口(18)と接続するように設けられた射出装置作動装置と、
前記流体源(22)から流体を取り込み、前記出口(18)と通って前記予備形成物(2)の前記内部容積(10)内に当該流体を射出するように、設けられた射出手段(24)と、
記内部容積(10)と前記射出手段(24)との間に伸びる閉鎖可能な剛性の封止障壁(57、82)であって、ポートを含む当該閉鎖可能な剛性の封止障壁(57、82)と、
前記ポートを通って液密に運動可能なピストン部材(40、70)であって、前記射出装置作動装置が作動されているとき、前記剛性の封止障壁(57、82)及び前記ピストン部材(40、70)は、前記内部容積(10)を少なくとも含む液密に閉鎖された容積(58)を形成する当該ピストン部材と、
前記射出手段(24)を連続的に駆動するように適合された制御ユニットであって、形成される容積が流体で満たされているときに、前記封止障壁(57、82)を閉鎖し、そして、前記閉鎖された容積(58)内の流体圧力を増やすために、前記閉鎖された容積内へ前記封止障壁(57、82)を通るピストン部材(40、70)を駆動する当該制御ユニットと、を含み、
前記ピストン部材(40、70)の作動中、前記ピストン部材(40、70)は、前記予備形成物の前記内部容積の内側に少なくとも部分的にあることを特徴とするステーション。
【請求項30】
複数の容器を形成し、当該複数の容器に流体を充填するための機械であって、
閉鎖ループ回転台に沿って分散された請求項22から29の何れか1項に記載のステーションを複数備え、
前記機械は、所定圧力(P1)で流体を供給するためのポンプを少なくとも1つ備え、
当該ポンプは、当該ステーションの各射出装置に流体的に連通されていることを特徴とする機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予備形成物(preform)から容器を形成するための方法、及び当該容器に流体を充填するための方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、容器を形成及び充填するためのステーション、並びに、そのようなステーションを用いる複数の容器を形成及び充填するための機械に関する。
【0003】
本発明は、液圧形成として知られる、予備形成物を変形するために非圧縮性流体を用いる予備形成物から容器を形成する分野に関する。
【0004】
本出願において、“流体”は物理的な意味を有する。それは非圧縮性であり、流動する任意の媒体である。流体は、低い粘性であっても(水やアルコール等)、中程度の粘性であっても(食用油やスープ等)、高い粘性であっても(ヨーグルトやクリーム状の製品等)よい。流体は均質であっても、均質でなくても(果物の果肉や食料品の欠片を備える)よい。食料品に限らず、非圧縮性流体は、例えば、水や、その他の飲料や、ボディケア製品や、家および庭のケア製品や、医療用液や、燃料や、作動液等であってもよい。
【背景技術】
【0005】
液圧形成の分野において、製造されるように、予備形成物が変形され、形成用キャビティ及び容器の形状を獲得するように、形成用キャビティの壁に対して予備形成物の壁を押し付けるのに適合した圧力で、加熱された可塑性(plastic)材料製の予備形成物内に、非圧縮性流体を射出することが知られている。
【0006】
しかしながら、この圧力レベルは、予備形成物を容器へ完全に形作るには十分でないことも知られている。すなわち、予備形成物に印加される圧力で、予備形成物か獲得する形状は、厳密には形成用キャビティの形状でなく、追加の変形が、形成用キャビティの壁に対して予備形成物を観戦に押し付けるために必要とされる。特に、浮き出た文字またはロゴが容器の壁の外面に複製されるときや、壁に畝があるときは、そうである。極めて小さな曲率半径を局所的に有する形状は、達成が極めて困難である。
【0007】
このために、第1圧力での流体の射出の後、第1圧力より高い第2圧力が、容器の内側で圧力ピークを形成する目的で短期間、予備形成物に印加される。圧力ピークは、容器への予備形成物を形作ることを仕上げるように、設けられている。
【0008】
幾つかの解決策が、予備形成物へ第2圧力を印加されるために提案されてきている。FR−2978371は、流体源と射出装置の出口との間に圧縮手段を含む射出装置を開示している。この圧縮手段は、射出の出口を通じ、射出される流体の圧力を一時的に増やすように設けられている。結果として、圧縮手段が用いられないとき、流体は第1圧力で射出され、圧縮手段が作動されているとき、容器の形成を仕上げに必要とされる圧力ピークを提供するように、流体の圧力は増える。そのような流体形成方法の欠点は、作動装置に2つの封止機械が、一方は圧縮手段と流体ポンプとの間に、他方は供給ダクト(duct)と予備形成物の首との間に、必要とされることである。
【0009】
US−2011/0135778も、容器内に射出される流体の圧力を一時的に変更することにより、圧力ピークを印加することを開示する。この射出装置において、伸長ロッドは、容器の軸方向の膨張を補助するように設けられ、予備形成物の内側容積を大気と流体的に連通させる空気孔を備える。そのような射出装置は、伸長ロッドの空気孔に圧力損失があるので、予備形成物の内側の圧力を変形中に精密には制御できない。
【0010】
US−2013/0122136は、当該容器を形成するために、容器の首へ空気及び流体を射出するための装置を開示する。流体は管により供給される。封止機械は管と首との間に広がる。封止機械が管と首との間の隙間を閉鎖するとすぐに、容器は、管を通じて流体源と流体的に連絡し、容器へのパイプの運動はない。
【0011】
別の解決策によれば、WO−2012/037054は、第1容積を有する形成用キャビティ内に置かれた予備形成物内に第1圧力で射出される流体の方法を開示する。圧力ピークが印加されているとき、予備形成物に印加される圧力を増やすために、型の部分を動かすことにより、形成用キャビティの容積は減らされる。これらの解決策は、申し分ないが、第1圧力から第2圧力へ圧力を増やす工程を実行するために、射出装置の変更、並びに/或いは、型及び型保持具の変更を要する。したがって、容器を製造するための機械はより複雑になり、既存の機械にこれらの解決策を施すこと、または新規の機械を調達することは、お金と時間とがかかる。
【0012】
本発明の狙いの1つは、単純な方法で第2圧力を印加及び制御できる、容器を製造するための方法を提案することにより、これらの欠点を克服することである。
【発明の概要】
【0013】
このため、本発明に係る方法は、内部容積を有する予備形成物から、流体を充填された容器を製造するための方法であり、出口を含み、前記流体の源に接続された射出装置を用いる方法であって、前記出口を前記予備形成物に、緊密に流体的に連通させる連通工程と、前記流体を、前記源から前記予備形成物の内部容積内に前記出口を通じて射出する射出工程と、前記内部容積と前記流体源との間の封止障壁を、閉鎖する閉鎖工程であって、前記閉鎖された封止障壁は液密に閉鎖された容積を形成し、当該閉鎖された容積は前記内部容積を少なくとも含み、前記封止障壁の当該閉鎖工程は、前記閉鎖された容積が流体で満たされるとすぐに、開始される当該閉鎖工程と、ピストン部材を当該閉鎖された容積内に置く工程と、前記閉鎖された容積内の流体圧力が増えるように、前記封止障壁が閉鎖されるときに、当該ピストン部材を駆動する駆動工程と、を含み、前記ピストン部材の作動中、前記ピストン部材は、前記予備形成物の前記内部容積の内側に少なくとも部分的に入る。
【0014】
本発明の封止障壁は、非圧縮性流体に満たされる閉鎖された容積の限界範囲を定める。この結果、ピストン部材を作動させることにより、閉鎖された容積内のピストン部材の一部の表面は、閉鎖された容積内の流体に力を印加できる。その力は、流体の圧力を増やし、予備形成物を変形することに貢献する。ピストン部材は、予備形成物の内部容積の内側に少なくとも一部入る。これにより、予備形成物の開口にかなり近い当該封止障壁を備えることができる。これにより、封止障壁は追加的な機能を備える。実際、本発明の封止障壁は、成型された容器内に充填される流体の容積の限界範囲を定めることができる。出口が予備形成物から離脱するとき、内部容積の外側にある流体の分量は、封止障壁により制限される。したがって、予備形成物の開口の近くに封止障壁を置くことにより、射出装置が離脱している間の流体の流出を減少、又は抑止することができる。
【0015】
本発明と対照的に、US−2013/0122136に記載の装置及び方法は、容器の内側の圧力を増やすようなピストン部材を用いていない。
【0016】
換言すると、本発明に係る方法は、内部容積を有する予備形成物から、流体が充填された容器を製造するための方法であり、出口を含み、流体の源に接続された射出装置を用いる方法であって、前記出口を前記予備形成物に、緊密に流体的に連通させる連通工程と、前記流体を、前記源から前記予備形成物の内部容積内に前記出口を通じて射出する射出工程と、前記内部容積と前記流体源との間の前記射出装置の前記出口近傍の剛性の封止障壁を、に閉鎖する閉鎖工程であって、当該封止障壁は、前記封止障壁を通るピストン部材の液密な運動を可能にするポートを含み、当該剛性の封止障壁及び当該ピストン部材は液密に閉鎖された容積を形成し、当該閉鎖された容積は前記内部容積を少なくとも含み、前記封止障壁の当該閉鎖工程は、前記閉鎖された容積が流体で満たされるとすぐに、開始される当該閉鎖工程と、前記閉鎖された容積内の前記流体の前記圧力を、前記封止障壁が閉鎖されているときに、前記閉鎖された容積内の前記封止障壁を通って前記ピストン部材を動かすことにより、増やす増圧工程と、を含み、前記ピストン部材の作動中、前記ピストン部材は、前記予備形成物の前記内部容積の内側に少なくとも部分的に入る。
【0017】
剛性の閉鎖された封止障壁を備えることは、閉鎖された容積内でピストン部材を動かすことにより、圧力が増える間に、圧力損失が起きないことを担保する。
【0018】
本発明に係る方法の他の特徴によれば、前記射出装置はさらに、当該流体源に流体的に連通する入口と、前記入口と前記出口との間に広がるチャンバと、前記チャンバ内に広がる封止環を備える中空制御ロッドであって、前記ピストン部材が前記中空制御ロッドの内側に伸びる当該中空制御ロッドと、前記ピストン部材と封止環との間を流体が流れることを防止するために、前記ピストン部材と封止環との間に設けられた封止手段と、を備え、前記封止障壁の当該閉鎖工程は、射出位置から封止位置へ、前記中空制御ロッドを動かすことにより、行われ、前記射出位置において、前記出口は前記入口に、前記チャンバを介して流体的に連通しており、前記封止位置において、前記封止障壁が前記閉鎖された容積を前記チャンバの残余から隔離するように、前記封止環は、前記チャンバを閉鎖する。
【0019】
US−2011/0135778に開示の装置と対照的に、本発明の封止障壁は、流体がピストン部材(例えば、ストレッチロッドにより形成される)と封止環との間を流れることを防止する。これにより、変形中、予備形成物の内側の圧力を精密に制御することができる。
【0020】
本発明に係る方法の他の特徴によれば、前記ピストン部材は、前記予備形成物の変形をさせるために、前記予備形成物の内部容積の内側に動かされる伸長ロッドである。前記伸長ロッドは、実際、前記閉鎖された容積の内側の前記流体の前記圧力を増やすために用いることができる、剛性の中空でないロッドである。
【0021】
これにより、例えば、形成サイクルの開始において、予備形成物の縦方向の拡張のために、伸長ロッドを用いることができ、形成サイクルの別の期間中、ピストン部材として同じ伸長ロッドを用いつことができる。これにより、形成ステーションを設けられる。というのは、伸長ロッドの同じ作動装置は、まず縦方向の機械的な拡張と、そして流体の拡張との両方の機能のために用いることができるからである。この結果、射出装置または容器を形成するための機械に要素を加える必要がない。故に、本方法は、容器を形成を補助する伸長ロッドを用いる射出装置が搭載されている任意の機械に用いられることがかのうである。
【0022】
さらに、形成用キャビティの内側の圧力を制御する伸長ロッドを用いることにより、当該圧力の良好な調整が可能になり、必要ならば予備形成物に特有の圧力プロフィールを単純な方法で印加することが可能になる。
【0023】
本発明に係る方法の他の特徴によれば、前記方法は、前記流体の前記射出工程中に、前記予備形成物の底へ軸方向を規定する軸Aに沿って、前記伸長ロッドを並進運動させる工程と、前記予備形成物を軸方向に変形するために、伸長ロッドを押す工程と、前記封止障壁の前記閉鎖工程前に、前記内部容積から前記伸長ロッドの少なくとも一部を後退させる工程と、を含む。
【0024】
伸長ロッドを後退させることは、流体の圧量を変更し予備成型物を拡張するために、内部容積内に再び入ることが可能な位置に、伸長を持っていく。
【0025】
本発明に係る方法の他の特徴によれば、前記方法は、さらに、型内に前記予備形成物を置く工程であって、当該型は、製造される前記容器の前記形状を有する形成キャビティを形成し、前記型内に置かれた前記予備形成物は、熱可塑性材料製であり、前記予備形成物内の前記流体射出工程に先立って、前記予備形成物材料のガラス転移温度より高い温度へ加熱される工程を含み、前記流体の前記射出工程は、主要な変形工程であり、当該流体は、前記予備形成物の変形させるように設定された第1圧力で、前記形成キャビティの前記壁に向かって射出され、前記封止障壁の前記閉鎖工程は、当該変形された予備形成物が中間形状を獲得したときに開始され、前記第1圧力は、前記流体源から前記射出装置の入口へ流体を移送するために適合された射出手段により、前記流体に印加され、前記封止障壁は、当該射出手段と前記射出装置の前記出口との間に伸びており、当該ピストン部材の作動は、前記閉鎖された容積の内側の前記ピストン部材の容積を増やすことにより行われ、当該閉鎖された容積の限界範囲を定めるその他のパーツは、前記予備形成物自体及び前記予備形成物に対して固定された略剛性パーツであり、前記ピストン部材の作動は、前記内部容積の内側に第2圧力を印加し、当該圧力は、その中間形状から、充填及び形成された容器が獲得するような、前記形成用キャビティの前記形状へ、前記予備形成物をさらに変形するように設定される。
【0026】
第2圧力は、予備形成物の内側の圧力を増やすように、ピストン部材を用いることにより印加され、ピストン部材は、伸長ロッドであってもよい。
【0027】
本発明に係る方法の他の特徴によれば、前記第1圧力は、前記中間形状が製造される容器の前記容積の95%と98%との間に対応する容積を示すまで、印加され、前記第2圧力は、形成された容器を得るために、前記中間形状の前記容積がさらに2%から5%増えるように、印加され、前記方法は、保持工程を含み、当該保持工程中に、前記変形された予備形成物の形状は、前記形成キャビティの前記形状に持ち上げられ、前記ピストン部材に印加される力は、前記閉鎖された容積内の流体に印加される圧力が、所定圧力プロフィールをなぞるように、制御される。
【0028】
本発明に係る方法の他の特徴によれば、前記第2圧力は、前記変形された予備形成物の前記閉鎖及び充填された容積の内側に前記ピストン部材を動かすことと、形成用キャビティの容積を減らすことと、両方により印加される。
【0029】
この特徴によれば、第2圧力は、ピストン部材を用いることと形成用キャビティの容積を減らすことと両方により、印加されることができる。これは、印加できる第2圧力の比率を増やすことができ、これにより、本発明に係る方法を実施する機会の処理能力を高めることができる。
【0030】
本発明に係る方法の他の特徴によれば、前記型は、少なくとも1つの主要パーツと1つの底パーツとを含み、当該パーツは一緒に、成型用キャビティを規定し、前記形成用キャビティの前記容積の前記減少は、前記型の前記主要パーツに対して前記底パーツを動かすことによりえられ、前記方法は、形成用キャビティの前記容積をさらに減らすことにより、前記容器の少なくとも一部を形作る工程を含み、この工程中に前記変形された予備形成物へ印加される圧力は、前記形成用キャビティの前記容積の減少による圧力の増加を補償するように、前記内部容積から前記ピストン部材を後退させることにより、一定レベルに維持される。
【0031】
上述のように、ピストン部材は、予備成型物に特有の圧力プロフィールを印加するように用いられてもよく、例えば、特有に形作る工程のための圧力の増加を補償するため、又は、容器を水圧形成する最後に時折必要とされる保持圧力を印加するために、用いられてもよい。
【0032】
本発明に係る方法の他の特徴によれば、前記第1圧力は、4バールと15バールとの間に略含まれ、前記第2圧力は、20バールと80バールとの間に、好ましくは25バールと45バールとの間に、特に約40バールに略含まれ、前記所定の圧力プロフィールの圧力は、4バールと20バールとの間に実質的に含まれ、前記出口(18)及び前記ピストン部材(40)が前記形成された容器から後退される直前の、前記形成された容器の内側の前記ピストン部材(40、70)の位置は、前記閉鎖された容積の内側の流体の容積が、前記製造される容器の内側の流体の必要レベル以下である流体の容積と、同等であるような位置である。
【0033】
内部容積を有する予備形成物から、容器を形成し、当該容器に流体を充填するためのステーションであって、流体の源に流体的に連通する出口を含む射出装置と、前記予備形成物に緊密に流体的に連通する前記出口と接続するように設けられた射出装置作動装置と、前記流体源から流体を取り込み、前記出口と通って前記予備形成物の前記内部容積内に当該流体を射出するように、設けられた射出手段と、前記内部容積と前記流体源との間に伸びる閉鎖可能な封止障壁であって、前記射出装置作動装置が作動されるときに前記封止障壁を閉鎖し、前記内部容積を少なくとも含む閉鎖された容積を形成する当該封止障壁と、前記液密に閉鎖された容積に置かれたピストン部材と、前記射出手段を連続的に駆動するように適合された制御ユニットであって、形成される容積が流体で満たされているときに、前記封止障壁を閉鎖し、そして、前記閉鎖された容積内の流体圧力を増やすためにピストン部材を駆動する当該制御ユニットと、を含み、前記ピストン部材の作動中、前記ピストン部材は、前記予備形成物の前記内部容積の内側に少なくとも部分的にある。
【0034】
本発明に係るステーションの他の特徴によれば、前記射出装置(4)はさらに、当該流体源に流体的に連通する入口と、前記入口と前記出口との間に広がるチャンバと、前記チャンバ内に広がる封止環を備える中空制御ロッドであって、前記ピストン部材(40、70)が前記中空制御ロッドの内側に伸びる当該中空制御ロッドと、前記ピストン部材と封止環との間を流体が流れることを防止するために、前記ピストン部材と封止環との間に設けられた封止手段と、を備え、前記封止障壁は、前記封止障壁が前記閉鎖された容積を前記チャンバの残余から隔離するように、前記封止環、前記封止手段、及び前記ピストン部材を含み、前記ステーションはさらに、前記流体源から前記出口を通り前記チャンバへ来る流体を射出するように、第1圧力で前記出口を通って流体を射出するように、適合された射出手段を含む。
【0035】
換言すると、本発明に係るステーションは、内部容積を有する予備形成物から、容器を形成し、当該容器に流体を充填するためのステーションであって、流体の源に流体的に連通する出口を含む射出装置と、前記予備形成物に緊密に流体的に連通する前記出口と接続するように設けられた射出装置作動装置と、前記流体源から流体を取り込み、前記出口と通って前記予備形成物の前記内部容積内に当該流体を射出するように、設けられた射出手段と、前記出口近傍に、前記内部容積と前記射出手段との間に伸びる閉鎖可能な剛性の封止障壁であって、ポートを含む当該閉鎖可能な剛性の封止障壁と、前記ポートを通って液密に運動可能なピストン部材であって、前記射出装置作動装置が作動されているとき、前記剛性の封止障壁及び前記ピストン部材は、前記内部容積を少なくとも含む液密に閉鎖された容積を形成する当該ピストン部材と、前記射出手段を連続的に駆動するように適合された制御ユニットであって、形成される容積が流体で満たされているときに、前記封止障壁を閉鎖し、そして、前記閉鎖された容積内の流体圧力を増やすために、前記閉鎖された容積内へ前記封止障壁を通るピストン部材を駆動する当該制御ユニットと、を含み、前記ピストン部材の作動中、前記ピストン部材は、前記予備形成物の前記内部容積の内側に少なくとも部分的にある。
【0036】
本発明に係るステーションの他の特徴によれば、前記ピストン部材は、前記予備形成物を縦方向に伸長するように適合された伸長ロッドにより、又は、前記伸長ロッドから別個である要素により形成され、この場合、前記ステーションはさらに、前記ピストン部材作動装置から異なる伸長ロッド作動装置を含み、前記ステーションは、形成キャビティを有する型と、前記成型キャビティ内に前記予備形成物を置くように適合されたプレーシング装置と、を含み、及び/または、前記ピストン部材は、前記形成キャビティの形状まで、前記予備形成物を拡げるように適合された圧力レベルまで、流体圧力を増やすように適合され、及び/または、前記ピストン部材及び前記封止障壁は、前記ピストン部材が、前記封止障壁を壊すことなく、前記液密に閉鎖された容積の内側で、前記ピストン部材により生成される流体圧力の範囲全域にわたり、運動可能なように、設けられている。
【0037】
変形において、前記ピストン部材と前記射出装置の前記筐体とは、前記射出装置又は前記ピストン部材の可動パーツに取り付けられてもよい。前記ピストン部材は、前記閉鎖された容積に含まれるピストン部材が増える間、前記封止に沿ってスライドしてもよい。他の変形において、前記封止は、前記ピストン部材に取り付けられ、当該閉鎖された容積の容積を減らすように前記射出の表面に沿ってスライドしてもよい。両方の変形において、予備形成物は、当該閉鎖された容積の内側に、非圧縮性流体を一定容積を維持するために膨張する。加えて、圧力下で前記封止が前記ピストン部材に耐えることを確実にすることにより、前記閉鎖された容積内の流体が漏れない。閉鎖された容積の内側の圧力を制御するように、当該ピストン部材を用いることが可能になる。
【0038】
他の態様によれば、本発明に係る機械は、複数の容器を形成し、当該複数の容器に流体を充填するための機械であって、閉鎖ループ回転台に沿って分散された上述のようなステーションを複数備え、前記機械は、所定圧力で流体を供給するためのポンプを少なくとも1つ備え、当該ポンプは、当該ステーションの各射出装置に流体的に連通されている。
【0039】
圧力は、ピストン部材により簡単に制御されるため、流体を射出するために用いられてきた効果で扱いにくい通常のピストンを、第1圧力で流体を射出するように設定された単純なポンプにより置き換えることができる。このため、射出装置は、単純化されることができ、射出装置、したがって、射出装置を含むステーションおよびステーションを含む機械を据え付けるために必要なスペースを減らすことができる。
【0040】
本発明の他の態様および利点は、下記説明を読めば明らかになる。下記説明は、例示として与えられ、添付図面を参照するものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1-7】本発明の第1実施形態に係る方法の様々な工程での、射出装置と予備形成物を扱っている型との概略断面図である。
図8-10】本発明の第2実施形態に係る方法の様々な工程での、射出装置と特有の型との概略断面図である。
図11】予備形成物の変形と予備形成物に印加される圧力プロフィールとの間の関係を示す線図である。
図12】本発明の第3実施形態に係る射出装置の概略断面図であり、ピストン部材が伸長ロッドから区別されている。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下の説明において、『上』及び『下』という用語は、軸Aについて規定される。軸Aは、製造される容器の軸に対応し、容器が底で置かれたときに略鉛直に伸びる。
【0043】
本発明は、ボトルのような容器1を形成する技術分野に関連する。例えば、容器1は、殺菌すなわち無菌化されて、水や炭酸飲料が入っているボトルである。
【0044】
より具体的に、本発明は、後述するように、型6内に置かれた予備形成物2内に非圧縮性流体を射出するように設けられた射出装置4を含むステーションを用いて予備形成物2から容器1を製造するための方法に関し、非圧縮性流体は容器1内へ予備形成物を形作ることと容器1に充填することとが可能である。そのような方法は、液圧形成として知られており、液圧形成機械を用いる。液圧形成装置は、それ自体知られており、本発明に係る方法を実行するために必要とされる部分を除き、本明細書では詳細には記載しない。
【0045】
予備形成物2は、内部容積10を規定する中空胴体8と、開口14を備える首12とを備え、開口14を通って内部容積10に接続可能(accessible)である。予備形成物の形状は、下端で閉鎖されており、上端で開口14を備える首12を備える試験管の形状に類似していてもよい。首12は、製造される容器1の首12の最終形状である。予備形成物2は、図1に非制限例により示されるように、首12の軸と一致する軸Aに沿って伸びる円筒状胴体8を備える。予備形成物は、任意の適した可塑性材料から形成されてよく、例えば、ポリエステルでもよく、例えば、ポリエチレン・テレフタラート(PET)、ポリエチレン・ナフタレート(PEN)、ポリエチレン・イミン(PEI)、ポリトリメチレン・テレフタラート(PTT)、ポリ乳酸(PLA)、ポリフロ酸エチレン(PEF)、あるいはポリオレフィンでもよく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)または高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、あるいはポリスチレン(PS)またはアクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)等のポリマーのようなスチレンベース材料でもよく、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)でもよい。予備形成物2は、射出形成工程により一様に延ばされ、容器を形成するための機械が設置される処から異なる処で形成される。
【0046】
或いは、予備形成物は、幾らかの金属を含んでもよく、特に、予備形成物は、合金鋼またはアルミ合金のような金属合金製であってもよい。例えば、予備形成物は、蓋が加締められる缶の大部分であってもよい。本発明に係る流体形成工程は、蓋を加締める前に、缶に充填するのと合わせて、缶の壁に詳細な形状を提供するために用いられてもよい。
【0047】
射出装置4により予備形成物内に射出される非圧縮性流体は、例えば、容器1がエンドユーザ(end user)により用いられるとき、容器1に充填されるための流体である。
【0048】
図1を参照して、予備形成物2内に非圧縮性流体を射出するための射出装置4を説明する。本明細書中に説明され図中に示される射出装置4は、液圧形成方法のために用いられてもよい射出装置の例示である。本発明に係る方法は、他のいかなる射出装置に用いられてもよいと理解されるものである。
【0049】
射出装置4は、入口16と、出口18と、入口16と出口18との間に広がり入口116を出口18と流体的に連通させるチャンバ20とを備える。
【0050】
入口16は、流体源22から入口16へ流体を移送するために適合された射出手段24、及び入口16と射出手段24と流体源との間に伸びる適切な管を経て、非圧縮性流体源22(例えば、貯水池)と流体的に連通させられている。
【0051】
好ましい実施形態によれば、後述されるように、射出手段24はポンプにより成る。しかしながら、射出手段は、従来のピストン、または他の適切な手段により成ってもよい。
【0052】
出口18は、予備形成物2の首12により形成される開口14と、従って、予備形成物2の内部容積10と、液密(liquid tight)に流体的に連通させられるのに適合されている。すなわち、液密に流体的な連通により、出口18が予備形成物2の内部容積と流体的に連通しているとき、流体は、予備形成物2の内部容積10内のみに流れ、予備形成物2の外側に流れない。
【0053】
出口18は例えば、射出ノズル26の開口により成る。出口18はチャンバ20と流体的に連通している。射出ノズル26は、射出装置4の筐体25の内側で、後退位置(図1図10)と動作位置(図2から図9図12)との間で軸Aに沿って、並進運動可能である。後退位置において、図1に示されるように、射出ノズル26は、射出26の下に予備形成物2を置く余裕を射出装置1の下に残す。動作位置において、射出ノズル26は、射出ノズル26と予備形成物2の首12との液密な連絡を伴って、予備形成物2の首12に対して押し付けられており、射出ノズル26の出口18が予備形成物2の内部容積10と流体的に連通するようになる。射出ノズル26のチャンバ20は例えば、直円筒状部と、直円筒状部と射出ノズルの出口18との間に広がる円錐台または角錐状部と、を含む中空空間を備える。チャンバ20の直径は、直円筒状部の直径から円錐状部における開口の直径まで、徐々に減る。
【0054】
チャンバ20は、射出ノズル26の側方開口27を経て、及び筐体25の横断ダクトを経て、入口16と流体的に連通している。
【0055】
筐体25はさらに、射出ノズル26を動かすための作動手段30を受けるように設けられた第1上区画室28を備える。作動手段は、例えば空気圧作動装置であり、例えばピストンを備えてもよい。該ピストンは、射出ノズル26に取り付けられ、各々に空気を充填できる上部と下部とに第1上区画室28を密閉に(hermetically)分離する。後退位置と作動位置との間で射出ノズル28を動かすために、当該上部内の圧力を増やして、上部の容積が増えると同時に下部の容積が減るようにピストン30を動かすために、第1上区画室28の上部内に空気は射出される。逆に、作動位置と後退位置との間で射出ノズル28を動かすために、当該下部内の圧力を増やして、下部の容積が増えると同時に上部の容積が減るようにピストン30を動かすために、第1上区画室28の下部内に空気は射出される。チャンバ20の内部容積は、適切な封止手段31により、第1上区画室28から密閉に隔離されている。
【0056】
射出装置4はさらに、軸Aに沿ってチャンバ20内を伸びる中空制御ロッド32を備える。中空制御ロッド32は、下端に、チャンバ20内に広がる封止環34を備える。封止環34は、射出ノズル26の円錐状部の部分形状の相補形状であり、円錐状部の壁に対して封止環34が押し付けられたとき、封止環34は、チャンバ20を密閉に閉鎖し、出口18を通じて流体が流れないようになる。中空制御ロッドは、射出位置と封止位置との間でチャンバ20内の軸Aに沿って並進運動可能である。射出位置において、図3から図5に示されるように、封止環34は射出ノズルの角錐台部の壁から間隔を置き、出口18はチャンバ20を経て入口16と流体的に連通している。封止位置において、図1図2図6から図10とに示されるように、封止環34は射出ノズル26の円錐状部の壁に対して押し当てられ、チャンバ20を密閉に封止する。
【0057】
筐体25はさらに、制御ロッド32を動かすための作動手段を受けるように設けられた第2上区画室36を備える。作動手段は、例えば空気圧作動装置であり、例えばピストン38を備えてもよい。該ピストンは、制御ロッド32に取り付けられ、各々に空気を充填できる上部と下部とに第2上区画室36を密閉に分離する。射出位置と封止位置との間で制御ロッド32を動かすために、当該上部内の圧力を増やして、上部の容積が増えると同時に下部の容積が減るようにピストン38を動かすために、第2上区画室36の上部内に空気は射出される。逆に、封止位置と射出位置との間で射出ノズル28を動かすために、当該下部内の圧力を増やして、下部の容積が増えると同時に上部の容積が減るようにピストン38を動かすために、第2上区画室36の下部内に空気は射出される。第1上区画室28は、適切な封止手段により、第2上区画室36から密閉に隔離されている。
【0058】
伸長ロッド40は、それ自体知られているように、中空制御ロッド32の内側に伸び、出口18を通り抜け、容器内への予備形成物2の変形を補助するように予備形成物2内に伸びる。伸長ロッドは、剛性の中空でないロッドにより成り、すなわち、流体は伸長ロッドを通って流れることができない。伸長ロッド40は、軸Aに沿って中空制御ロッド32内で並進運動可能であり、適切な作動手段41(例えば、サーボモータまたは磁気作動手段)により作動される。伸長ロッド40の機能の説明を、本発明に係る方法の説明と共に説明する。封止手段43は、伸長ロッドと封止環34との間に流体が流れないようにするために、伸長ロッド40と封止ピンとの間に設けられている。
【0059】
従って、封止環近傍において、中空制御ロッド32は、伸長ロッド40の周りに広がるポート(port)を規定し、該ポートを通って伸長ロッド40は、封止手段43のおかげで、液密に運動可能である。
【0060】
予備形成物2を受けるための型6は、製造される容器1の形状を備える形成キャビティを備える。型は例えば、開放位置と閉鎖位置との間で、互いに対して運動可能な少なくとも2つのパーツを備える。2つのパーツは、例えば一緒に蝶番で動いてもよく、予備形成物の軸Aに略平行な軸の周りを互いに対して回転運動可能であってもよい。型6の各パーツは、形成される半ボトルの形状を有する中空凹部を備える胴体を備える。非制限例によれば、一方のパーツの中空凹部は、半円筒状部を備える。該半円筒状部は、下端で、半円の形状を備える底面により閉鎖されており、上端で、先細りにされて、予備形成物2の胴体8の半分の形状の略相補形状である半円筒状襟で、終端されている。型の他方のパーツの中空凹部は、上記中空凹部と左右対称である。開放位置において、型のパーツは、2つのパーツの間に予備形成物を導入できるように、互いから分離される。閉鎖位置において、中空凹部が互いに対向し、形成される容器1の形状を備える形成キャビティを共に規定するように、2つのパーツは、互いに対して押し付けられて、主要パーツを形成する。故に、形成キャビティは、円筒状部44を含み、該円筒状部44は、軸Aに従って伸び、容器1の胴体を形成するための凹部の半円筒状部により規定され、容器の底を形成するための凹部の底面により形成された円形状底面46により下端で閉鎖され、予備形成物2の胴体のパーツに略相補する襟48により上端で終端される。型が閉鎖されているとき、予備形成物2は、形成キャビティの襟48により形成キャビティ内に保持されている。襟は、予備形成物の首12の直下で予備形成物を保持し、首12は、当該キャビティの外側で形成キャビティの襟48の上に伸びる。成型キャビティは、形成キャビティの内側に伸びる予備形成物2により、密閉に閉鎖されている。
【0061】
図8及び図9に示される実施形態によれば、型6はさらに、底パーツ50を含む。底パーツ50は、非動作位置(図8)と動作位置(図9)との間で軸Aに沿って主要パーツに対して並進運動可能である。非動作位置において、底パーツ50は、主要パーツの下に伸び、第1容積を有する形成キャビティを主要パーツと共に規定する。動作位置において、底パーツ50は、主要部内に伸び、第1容積より小さい第2容積を有する形成キャビティを主要部と共に規定する。底パーツ50は、特有に形作る面52を備えてもよい。面52は、図10に示されるように、特有に形作られた底54を形成するために容器の底に与えるためであり、『ストーク・ベース(stoke base)』として知られる。
【0062】
上述の射出装置4及び型6を用いる予備形成物から容器1を製造するための方法を、まず、図1から図7及び図11を参照して第1実施形態に従って、それから、図8から図10を参照して第2実施形態に従って、説明する。
【0063】
図11の線図において、実線は、流体の圧力(『P』縦軸)を時間(横軸)にわたって示す。太破線は、伸長ロッドの運動(『x』縦軸)を時間にわたって示す。一点鎖線は、時間にわたる変形された予備形成物の容積(『V』縦軸)を時間にわたって示す。太実線は、封止ピン34の運動(『x』)を時間にわたって示す。
【0064】
第1工程において、予備形成物2は、その次の予備形成物の容器への変形に適した温度まで、例えば炉(図示せず)内で、予備加熱される。予備形成物は、予備形成物材料のガラス転移温度より高い温度へ加熱されるためである。そのような炉及び加熱工程は、容器を製造するための方法及び機会において通常であり、本明細書においてあまり詳細には説明しない。
【0065】
そして、予備形成物2は、図1に示されるように、型6内へ取り込まれ、射出装置4の下に置かれる。この段階で、射出ノズル26は、図11の太実線の第1区分により示されるように、制御ロッドが封止位置にある間、後退位置にある。伸長ロッド40も、図1に示されるように、型6内へ取り込まれた予備形成物2を置くため余裕を、射出装置の下に残すために、後退位置にあり、出口18から僅かに突出しているか、制御ロッド32内に完全に後退されている。チャンバ20の内部容積は、流体源22から来て射出手段24により入口16を通じて射出される非圧縮性流体により、既に充填されている。射出手段24は、第1圧力P(例えば、製造される容器の寸法及び容積に応じて、4バールと15バールとの間に含まれる。)で流体を射出するように設定される。
【0066】
次に、図2に示されるように、射出ノズル26は、出口18が首12に対して隣接させられる動作位置へ動かされる。伸長ロッド40は、図2に示されるように、予備形成物2の底に到達するまで、軸Aに沿って並進運動させられる。この工程において、制御ロッド32は、依然として封止位置にある。この工程おいて、伸長ロッド40は予備形成物の底に対して当てられ、予備形成物の変形は始められておらず、この工程は、液圧形成方法の『0点』として知られている。0点は、図11の時間軸において参照点0により指定されている。
【0067】
そして、図3に示されるように、制御ロッド32は、射出位置に動かされ、図11における参照点I及び太実線の第2区分により示されるように、これにより、入口16を出口18と、従って予備形成物の内部容積10と、流体的に連通させる。そして、予備形成物2は、第1圧力Pで出口18を通って射出される流体により充填される。予備形成物2内の流体の射出は、予備形成物2を変形させ、胴体8の壁は形成キャビティの壁へ広がり、図11の一点鎖線により示されるように、変形された予備形成物の容積は徐々に増える。この変形は、図3及び図4に示されるように、予備形成物2を軸方向に変形させるために、型6の底に向かって軸Aに沿って並進運動させられ続ける伸長ロッド40により補助される。圧力における小さな変更は、図11に示される実線により参照点Iの後に示されるように、予備形成物の容積が増えて部分的に形成された容器になるときに、生じてもよい。
【0068】
伸長ロッドが型6の底に到達するとき(図4)、伸長ロッドの運動は停止され、変形された予備形成物2から伸長ロッド40のパーツを回収するために、逆運動が開始される(図5)。伸長ロッド40が型6の底に到達して停止される工程は、液圧形成方法の「10点」として知られている。10点は、図11の時間軸において参照点10として指定されており、10点で、予備形成物2は例えば、容器の最終形状の50%超に変形されており、すなわち、変形された予備形成物2の容積は、製造される容器1の容積の50%超に到達している。
【0069】
流体が予定された限界まで変形された予備形成物2に充填されたとき、かつ、伸長ロッドの一部が変形された予備形成物2の底から回収されたとき、図6に示されるように、予備形成物は、製造される容器の形状に完全にはなっていない中間形状56を獲得している。制御ロッド32は、図6に示されるように、図11における参照点S及び太実線の第3区分により示されるように、変形された予備形成物2の内側への流体の射出を停止する封止位置に動かされる。中間形状56の体積は、製造される容器1の体積の95%と99%との間に実質的に含まれる。すなわち、変形されて予備形成物は、体積が達成される容器に向けて1%から5%増えるように、さらに変形されなければならない。
【0070】
制御ロッド32が封止位置に動かされるまで、流体は変形された予備形成物の容積10内に連続的に充填され、チャンバ20に充填され、射出手段24まで充填される。制御ロッドが封止位置にあるとき、封止障壁57は、流体の閉鎖された容積58をチャンバ20の残余から隔離する。封止障壁57は、封止環34とチャンバ20の円錐状部との間の封止、及び封止環34と伸長ロッド40との間の封止手段43による封止、及び中空制御ロッド32により規定されるポートを閉鎖する制御ロッド58自体の断面による封止に、存在する。閉鎖された容積58は、閉鎖された容積58の内側にある伸長ロッドの容積が増えるとき、予備形成物の壁に印加される流体の圧力及び力も増えるように、射出装置の略剛性のスペアパーツにより、限界範囲が定められている。予期形成物材料の機械的抵抗は、前記スペアパーツよりはるかに小さいため、予備形成物の壁は変形される。封止障壁57は、出口18と、第1圧力Pで流体に加圧するように設けられた射出手段24との間に広がる。
【0071】
換言すると、封止障壁57は、封止環34とチャンバ20の円錐状部との間の封止、及び封止環34と伸長ロッド40との間の封止手段43により形成され、伸長ロッドが液密に運動可能に通るポートを含む。閉鎖された容積58は、封止障壁57とポートを通って伸びる伸長ロッド40とにより閉鎖される。
【0072】
伸長ロッド40は、封止障壁57を、すなわち、封止環34近傍において中空制御ロッド32により規定されるポートを通り抜ける。伸長ロッド40は、封止障壁57を密閉に超えて運動する。すなわち伸長ロッド40は、封止障壁57を壊すことなく、閉鎖された容積58内に動くことができる。これは、封止ピン34と伸長ロッド40との間に適切な封止手段43を設けることにより成し遂げられる。特に、封止手段43は、閉鎖された容積から流体が当該閉鎖された容積を去ることができず、閉鎖された容積内で伸長ロッド40が下向きにも上向きにも運動可能にするように、適合されている。伸長ロッド40の一部は、閉鎖された容積の内側にあり、閉鎖された容積の小部を占める。閉鎖された容積の残存部は、全体的に流体が充填されている。封止障壁は、射出ノズル26内側に設けられ、変形された予備形成物の内部容積の上の首12の開口14に広がる。
【0073】
この段階で(図7に示される)、伸長ロッドは、変形された予備形成物2の内部容積内へ戻される。したがって、閉鎖された容積内の伸長ロッド40の容積は、増え、流体を押す。閉鎖された容積内側の圧力は増える。図11における参照点P及びPに示されるように、予備形成物の内側に第2圧力Pが印加されるまで、圧力の増加は極めて急速である。第1圧力Pと第2圧力Pとの間の圧力域の効果、及び第2圧力Pの効果は、図7に示されるように、変形された予備形成物の壁が形成用キャビティの壁に対して完全に押し当てられているとき、中間形状から製造される容器の形状へ変形された予備形成物を更に変形するものである。第2圧力Pは例えば、20バールと80バールとの間に含まれる。予備形成物の材料がPETのとき、第2圧力Pは、20バールと50バールとの間に含まれてもよく、特に、35バールと40バールとの間に含まれてもよい。予備形成物の材料が金属性のとき、第2圧力Pは、40バールより高くてもよい。
【0074】
閉鎖された容積が閉鎖されている間に、変形された予備形成物2の内側に挿入される伸長ロッド40の容積は、最終的に形成される容器1と中間形状56との間の容積の差に対応する。第2圧力Pの値は、閉鎖された容積が緊密に閉鎖されたままである間に、型6の底に向けて伸長ロッド40に印加される力を制御することにより、有利に制御される。容器が形成キャビティ42に対して、ほぼ全体的に押し付けられているとき、第2圧力Pが顕著に増えることができる間に、前記内部容積の内側の伸長ロッドの容積の変化量は、ほとんどなくてよい。容器がそれ以上広がれなくなったとき、伸長ロッドは、動けない。
【0075】
伸長ロッドに印加される力を制御は、印加される圧力の制御を単純にする。ステーションは、ピストン手段により印加される力に対応する時間プロフィールデータを格納するメモリーを備える制御ユニット(図示せず)を含んでもよい。あるいは、制御ユニットは、印加される力の時間プロフィールのような決定手段を備えてもよい。ステーションはさらに、ピストン手段により現実に印加される力に相関する技術的媒介変数を感知するセンサを備えてもよい。センサは、流体圧力センサ、またはピストン手段のドライバに供給される電流の電流センサであってもよい。制御ユニットは、1つまたは幾つかのこれらのセンサに接続する、1つまたは幾つかの調整ループを備えてもよい。
【0076】
制御手段は、射出手段24を連続的に駆動し、形成される容積58が流体で満たされているときに封止障壁を閉鎖し、そして、閉鎖された容積58内の流体圧力を増やすためにピストン手段40を駆動するように、適合されている。制御ユニットは、適切なセンサまたは決定手段に接続されることにより、上記3要素を連続的に駆動するように適合されていてもよい。該センサまたは決定手段は、これらの要素(射出手段、封止障壁、またはピストン手段)の1つから予期される状態は、今、完了されている(形成される容積は、今、流体に満たされている。または封止障壁は、今、閉鎖されている)という情報、及び、制御ユニットは、今、次の要素を駆動することができるという情報、と制御ユニットに供給する。制御ユニットは、適切なソフトウェアなどを備えることにより、そのように適合されてもよい。
【0077】
そして、保存工程が有利に開始されてもよい(図11の時間軸の点M)。予備形成物の材料は、容器1の最終形状にかなり迅速に到達しているので(例えば0.2秒未満)、その素材の温度は、まだ熱過ぎることがあり、まだかなりの粘性があり、形状を安定させていないかもしれない。予備形成物の材料がほぼ結晶化された状態に冷める間、圧力は、継続的に印加される必要がある。「保存工程」は、「保持工程」または「容器形状維持工程」と呼ばれてもよい。容器の形状を維持するために印加される圧力は、保持圧力、すなわち第3圧力Pと呼ばれてよい。保持工程は、材料が押し付けられる型が環境温度であるとしても、形成される容器に充填される流体が冷たく、例えば約10℃であるとしても、たいてい必要である。保持工程は、例えば無菌化のために、形成する媒体が熱いとき、なおさら必要である。
【0078】
保存工程中に印加される保持圧力は、ピーク圧力Pより低くてもよい。というのは、圧力が増えるとき、圧力膨張は、多少のヒステリシス現象を示すからである。熱可塑性材料の形成キャビティに対する摩擦は、低い保存圧力によっても、容器をその場に維持する。
【0079】
予備形成物が製造される容器1の最終形状を獲得するとすぐに、及び容器の材料の温度が、結晶化が起きるように下げられるとすぐに、伸長ロッド40に印加される力は停止されてもよい。流体の圧力は、大気圧へ落ちる。容器は、今、開放される準備ができている。伸長ロッド40は、内部容積から回収されており、射出ノズル26は、後退位置に戻されている。型6は、射出装置の下から動かされ、充填された容器は、型6から取り外されてもよい。流体の相対圧力が実質的に0になる間、内部容積内へ残存する伸長ロッドの長さは、開放され充填された容器1(図10)内への、封止障壁57と流体の所望される自由レベルとの間に広がる流体の容積に対応する。
【0080】
本発明の別の利点は、封止ピン34を閉鎖するために必要な強度が最小化されることである。というのは、第2圧力Pまでの圧力の増加前に、第1圧力P1が印加されているときのみに、封止ピン34は閉鎖されるからである。したがって、封止ピン閉鎖シーケンスの応答時間は、著しく改善される。封止ピン34が閉鎖されるとすぐに、圧力増加シーケンスは始まってよく、その間、圧力増加と平行して、ロック機構の作動は、封止ピン34を閉鎖位置に保持してもよい。
【0081】
本発明の第2実施形態によれば、第2圧力Pは、変形された予備形成物の内側に伸長ロッドを挿入することと、形成用キャビティの容積を減らすことと、の両方により印加されてもよく、例えば、WO−2012/037054に開示されているように型の底パーツを動かすことによる。これにより、第2圧力を印加するための伸長ロッドと型の底パーツ両方の運動の振幅を、伸長ロッドのみまたは型の容積減少のみにより第2圧力が印加される方法と比較して、減らすことができる。例えば、形成用キャビティの容積は、変形された予備形成物に印加される圧力を増やすために、0.1%から5%減らされてもよく、第2圧力Pに到達するために必要な残余は、変形された予備形成物の内側に伸長ロッドを動かすことにより得られる。
【0082】
図8から図10に示されるように、特有の底54、すなわちストーク・ベースが形成される間、伸長ロッド40は、容器の内側の圧力を制御するために用いられてもよい。図9に示されるように、特有の底を形成するために、型6の底パーツ52は形成用キャビティ42の内側に動かされて、容器の底に底パーツ52の形状を映す。この運動は、形成用キャビティ42の容積を減らし、故に、容器に印加される圧力を増やす。従って、圧力のこの増加は、図9に示されるように、伸長ロッド40が対応して後退することにより、補償される。その結果、図10のように、ストーク・ベースを有する容器は、容易に得られることができる。
【0083】
ストーク・ベースを形成するための底パーツ52の運動は、サーボモータにより有利に作動されてもよい。これにより、底パーツにより印加される力を制御すること、または、運動振幅を制御すること、又はそれらの組み合わせを制御することが、可能になる。伸長ロッドの運動の制御に関しては、運動を制御するために用いられる好適な媒介変数は、方法のシーケンスに沿って変遷してもよい。
【0084】
この特有の特徴は、容器の胴体の任意のパーツに特有の形状を映すために、例えば、胴体の周囲にグリップを形成するために、用いられてよいと理解されるべきである。特有の形状を映すことによる印加される圧力の任意の増加は、伸長ロッド40の対応する運動により、補償されてもよい。
【0085】
上述の実施形態において、伸長ロッド40は、閉鎖された容積内に導入されて当該容積内の圧力を増やすピストン部材として用いられている。しかしながら、第3実施形態によれば、図12に示されるように、ピストン部材と伸長パーツとは、別個のパーツであってもよい。以下にこれを説明する。
【0086】
図12に示されるように、第3実施形態は、互いに別個であり、ピストン作動装置74と伸長作動装置76とによりそれぞれ作動されるピストン部材70と伸長ロッド72とを備える事実とにより、第1実施形態から異なる。示されるように、ピストン部材70は、伸長ロッド72が剛性の中空でないロッドのままである、すなわち、流体は伸長ロッド72を通って流れることができないが、伸長ロッド72と同軸である管であってもよい。第3実施形態は、ピストン部材70と封止環34の間の隙間を封止する封止要素78を備える。したがって、中空制御ロッド32により規定されるポートは、ピストン部材70の周りに広がる。第3実施形態は、ピストン部材70と伸長ロッド72との間を封止する封止要素80も備える。したがって、封止環34が射出ノズル26に押し当てられたとき、これは封止障壁82を閉鎖する。封止障壁82は、封止環34、封止要素78、ピストン部材79の一部、封止要素80、及び伸長ロッド72の一部から構成される。したがって、ピストン部材70と伸長ロッド72と両方は、中空制御ロッドにより規定されるポートを通ることにより、内部容積10に向かって封止障壁82を密封に通る。
【0087】
換言すると、封止障壁82は、封止環34と封止要素78とから構成され、ピストン部材70と伸長ロッド72とが液密に運動可能に通るポートを備える。閉鎖された容積58は、封止障壁82により、及びピストン部材70と封止要素80と伸長ロッド72とにより、閉鎖されている。
【0088】
変形において、ピストン部材70は、形成及び充填される容器の開口に合う任意の形状を備えてもよい。当該形状は、閉鎖された容積が封止障壁82により形成されるときに、封止障壁82を維持するために適合されている。
【0089】
別の変形において、形成及び充填するステーションは、内部伸長ロッドを一切備えない縦方向の伸長手段を備えてもよい。したがって、ピストン部材70は、予備充填及び変形された予備形成物(またはほぼ完全な容器)において、流体の圧力を増やすまたは制御するためだけに動作されてもよい。この工程中、ピストン部材70は、変形された予備形成物内へ入るが、予備形成物の底が型のベース45に触れるまで、予備形成物の底には触れない。
【0090】
第3実施形態も、運動可能な底パーツ52と接続するピストン部材70を用いることにより、ピストン部材第2実施形態と組み合わせられてもよいと理解されるものである。
【0091】
第3実施形態及びその変形の利点は、伸長ロッド72または任意の対応する伸長手段が予備形成物を縦方向に伸長させ続けている間、ピストン部材70が後退位置に置かれてもよいことである。これにより、軸方向の伸長の終了に対して、圧力の増加をより同期させることができる。幾つかの応用において、圧力の増加は、軸方向の伸長の終了前に、開始したとしてもよい。別の応用において、本方法は、軸方向の伸長の終了後及びピストン部材70の作用による圧力の最後の増加前に起きる形状発展工程を含んでもよい。形状発展工程中に、充填された容積は、第1圧力Pで押し付けられる予備形成物材料の自然な膨張により、増える。
【0092】
上述のステーションは、例えば、複数の容器を形成、及び複数の容器に流体を充填するための機械内に用いられてもよい。そのような機械は、閉鎖ループ回転台(carousel)に沿って分散された複数のステーションを備える。ステーションは、単一のポンプへ接続される単一流体源から流体を供給されてもよく。ポンプは、各ステーションの射出装置へ接続される。そのような機械は、据え付けるために必要なスペースが少ない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12