特許第6496728号(P6496728)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6496728ホルミルペプチド受容体の調節因子としてのカルバミン酸フェニル誘導体
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  • 特許6496728-ホルミルペプチド受容体の調節因子としてのカルバミン酸フェニル誘導体 図000048
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496728
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】ホルミルペプチド受容体の調節因子としてのカルバミン酸フェニル誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07C 271/28 20060101AFI20190325BHJP
   C07C 305/06 20060101ALI20190325BHJP
   C07C 307/06 20060101ALI20190325BHJP
   C07C 309/15 20060101ALI20190325BHJP
   C07D 257/04 20060101ALI20190325BHJP
   C07F 9/40 20060101ALI20190325BHJP
   A61K 31/27 20060101ALI20190325BHJP
   A61K 31/41 20060101ALI20190325BHJP
   A61K 33/42 20060101ALI20190325BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20190325BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20190325BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20190325BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20190325BHJP
   A61P 17/08 20060101ALI20190325BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20190325BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20190325BHJP
   A61P 27/04 20060101ALI20190325BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190325BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   C07C271/28CSP
   C07C305/06
   C07C307/06
   C07C309/15
   C07D257/04 C
   C07F9/40 C
   A61K31/27
   A61K31/41
   A61K33/42
   A61P17/00
   A61P17/02
   A61P17/04
   A61P17/06
   A61P17/08
   A61P17/14
   A61P27/02
   A61P27/04
   A61P35/00
   A61P43/00 111
【請求項の数】14
【全頁数】58
(21)【出願番号】特願2016-533153(P2016-533153)
(86)(22)【出願日】2014年11月20日
(65)【公表番号】特表2017-501978(P2017-501978A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】US2014066608
(87)【国際公開番号】WO2015077451
(87)【国際公開日】20150528
【審査請求日】2017年10月10日
(31)【優先権主張番号】61/907,320
(32)【優先日】2013年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591018268
【氏名又は名称】アラーガン、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100156982
【弁理士】
【氏名又は名称】秋澤 慈
(72)【発明者】
【氏名】ビアード リチャード エル
(72)【発明者】
【氏名】ドゥオン ティエン ティー
(72)【発明者】
【氏名】ガースト マイケル イー
【審査官】 神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−508379(JP,A)
【文献】 特開平05−163221(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0274230(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0109866(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
によって表される化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学上許容可能な塩
(式中、
1は、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリール、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13、−C(O)R14または−OR15であり;
2は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13−C(O)R14または−OR15であり;
3は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13−C(O)R14または−OR15であり;
4は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13−C(O)R14または−OR15であり;
5は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13−C(O)R14または−OR15であり;
6は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換された複素環、−(CH2pCOOH、−(CH2p−NH2、−(CH2p−OH、−(CH2p−SH、−(CH2p−CONH2、−(CH2p−CONH2、−CH(OH)CH3、−(CH2pSCH3、−(CH2pNH−C(=NH)(NH2)または−CH26-10アリ−ルであり、その際、前記−C6-10アリ−ル任意で置換され;
6aは、Hまたは任意で置換されたC1-8アルキルであり;
7は、Hまたは任意で置換されたC1-8アルキルであり;
8はHであり;
9は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ルまたは任意で置換されたC3-8シクロアルケニルであり;
10は、−(CH2nOR16、−(CH2nS(O)2OH、−(CH2nC(O)R17、−(CH2nOS(O)2OH、−(CH2nNR1819、−(CH2nP(O)(OC1-6アルキル)2、−(CH2nP(O)(OC1-6アルキル)OH、−(CH2n−P(O)(OH)2または任意で置換された複素環であり;
11は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ルまたは任意で置換されたC3-8シクロアルケニルであり;
12は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ルまたは任意で置換されたC3-8シクロアルケニルであり;
13は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、OHまたは任意で置換されたC3-8シクロアルケニルであり;
14は、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニルまたは−OR15であり;
15は、Hまたは任意で置換されたC1-8アルキルであり;
16は、H、−C(O)(C1-8アルキル)または任意で置換されたC1-8アルキルであり;
17は、OH、−OC1-8アルキルまたはC1-8アルキルであり;
18は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、−C(O)R17及び−S(O)2N(C1-8アルキル)2から成る群から選択され;
19は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、または任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、−C(O)R17及び−S(O)2N(C1-8アルキル)2から成る群から選択され;
pは1、2または3であり;
nは0、1、2、3、4、5、6、7または8であり; 及び
mは0、1または2であり;
その際、
各C1-8アルキル置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-8アルキル、C3-8シクロアルキル、アミノ、複素環、C6-10アリ−ル、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、リン酸、ニトロ、アミド、スルホンアミド、−C(O)OR20及び−C(O)R21から成る群から選択され; 各C3-8シクロアルキル置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、スルホニルC1-8アルキル、スルホキシドC1-8アルキル、スルホンアミド、ニトロ、−OC1-8アルキル、−SC1-8アルキル基、−C1-8アルキル、−C(O)R21、アルキルアミノ、アミノ、C6-10アリ−ル及びC3-8シクロアルキルから成る群から選択され;
各複素環置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-8アルキル、スルホニルC1-8アルキル、スルホキシドC1-8アルキル、ニトロ、−SC1-8アルキル、−C1-8アルキル、−C(O)R21、アルキルアミノ、アミノ、C6-10アリ−ル及びC3-8シクロアルキルから成る群から選択され;
各C6-10アリ−ル置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、スルホニルC1-8アルキル、スルホキシドC1-8アルキル、スルホンアミド、カルボン酸、−C(O)OC1-8 アルキル、アミド、ニトロ、−OC1-6アルキル、−SC1-8アルキル、−C1-8アルキル、−C(O)R21、アルキルアミノ、アミノ及びC3-8シクロアルキルから成る群から選択され;
各C3-8シクロアルケニル置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、スルホニルC1-8アルキル、スルホキシドC1-8アルキル、ニトロ、−OC1-6アルキル、−SC1-6アルキル、−C1-6アルキル、−C(O)R21、アルキルアミノ、アミノ、C6-10アリ−ル及びC3-8シクロアルキルから成る群から選択され、
20及びR21は独立してアルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル又は複素環である)。
【請求項2】
1がハロゲン、フッ素化されたC1-8アルキル及び過フッ素化されたC1-8アルキルから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2、R3、R4及びR5のそれぞれがHである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
6が、H、任意で置換されたC1-8アルキルまたは−CH26-10アリールであり、前記C6-10アリールが任意で置換され;
6aがHであり;
7が、H、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルまたはt−ブチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
nが0または1であり;
9がHであり;
10が−(CH2nOR16、−(CH2nC(O)R17、−(CH2nS(O)2OH、−(CH2nNR1819、−(CH2n−P(O)(OC1-6アルキル)2、−(CH2n−P(O)(OC1-6アルキル)OH、−(CH2n−P(O)(OH)2または任意で置換された複素環であり;
16がHまたは−C(O)(C1-8アルキル)であり;
17がOHまたは−OC1-8アルキルであり;
18がHであり;且つ
19が、H、−C(O)R17及び−S(O)2N(C1-8アルキル)2から成る群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
1がハロゲン、フッ素化されたC1-8アルキル及び過フッ素化されたC1-8アルキルから選択され;
2、R3、R4及びR5のそれぞれがHであり;
6が、H、任意で置換されたC1-8アルキルまたは−CH26-10アリールであり、前記C6-10アリールは任意で置換され;
6aがHであり;
9がHであり;
10が−(CH2nOR16、−(CH2nC(O)R17、−(CH2n-S(O)2OH、−(CH2nNR1819、−(CH2n−P(O)(OC1-6アルキル)2、−(CH2n−P(O)(OC1-6アルキル)OH、−(CH2n−P(O)(OH)2または任意で置換された複素環であり;
16がHまたは−C(O)(C1-8アルキル)であり;
17がOHまたは−OC1-8アルキルであり;
18がHであり;且つ
19が、H、−C(O)R17及び−S(O)2N(C1-8アルキル)2から成る群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
各C1-8アルキルが独立してメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びt−ブチルから選択され;
7がH、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルまたはt−ブチルである請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート;
tert−ブチル {[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](メチル)アミノ}アセテート;
(2S)−1−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
ジエチル ({[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}メチル)ホスホネート;
(2S)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル [4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート;
(2S)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
ジエチル ({[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}メチル)ホスホネート;
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロピル)アミノ}アセテート;
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロパン−2−イル)アミノ}アセテート;
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](エチル)アミノ}アセテート;
tert−ブチル {メチル[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
tert−ブチル {エチル[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
(2S)−4−メチル−1−オキソ−1−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]ペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
(2S)−4−メチル−1−オキソ−1−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]ペンタン−2−イル [4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート;
(2S)−4−メチル−1−[メチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]−1−オキソペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
(2S)−4−メチル−1−[メチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]−1−オキソペンタン−2−イル [4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート;
2−{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}エチル アセテート;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](メチル)アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロピル)アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロパン−2−イル)アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](エチル)アミノ}酢酸;
{メチル[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
{エチル[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
(2S)−4−メチル−1−{メチル[2−(スルホオキシ)エチル]アミノ}−1−オキソペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
({(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}アミノ)メタンスルホン酸;
tert−ブチル [{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}(プロピル)アミノ]アセテート;
tert−ブチル (イソプロピル{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}アミノ)アセテート;
(1S)−1−{[エチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
(1S)−1−{[エチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル [4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート;
(1S)−1−[({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}アミノ)カルボニル]−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
tert−ブチル {[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル]アミノ}アセテート;
(1S)−1−ベンジル−2−オキソ−2−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]エチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
tert−ブチル {[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル](メチル)アミノ}アセテート;
[{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}(プロピル)アミノ]酢酸;
(イソプロピル{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}アミノ)酢酸;
(1S)−1−{[(2−アミノエチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
{[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル]アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル](メチル)アミノ}酢酸;及び
(1S)−1−{[(2−{[(ジメチルアミノ)スルホニル]アミノ}エチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート
から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
(S)−tert−ブチル 2−(((4−ブロモフェニル)カルバモイル)オキシ)−4−メチルペンタノエート;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタン酸;
tert−ブチル (2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノエート;
(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタン酸;
tert−ブチル (2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニル プロパノエート;及び
(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパン酸;
及びそれらのエナンチオマー、ジアステレオマー及び互変異性体;
及び前述の塩から成る群から選択される化合物。
【請求項10】
有効成分としての治療上有効な量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物と任意に薬学上許容可能な補助剤、希釈剤またはキャリアとを含む医薬組成物。
【請求項11】
眼の炎症性の疾患または状態の治療の為の請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
眼の炎症性の疾患または状態が、ブドウ膜炎、ドライアイ、角膜炎、アレルギー性眼疾患、感染性角膜炎、ヘルペス角膜炎、角膜血管新生、リンパ管形成、網膜炎、脈絡膜炎、急性多発性小板状色素上皮症、ベーチェット病、術後角膜創傷治癒、白内障手術後の炎症、湿性及び乾性の加齢黄斑変性症(ARMD)から選択される請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
皮膚の炎症または皮膚疾患の治療の為の請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項14】
皮膚の炎症または皮膚疾患が、皮膚創傷治癒、肥厚性瘢痕、ケロイド、火傷、酒さ、アトピー性皮膚炎、ざ瘡、乾癬、脂漏性皮膚炎、光線角化症、基底細胞癌、有棘細胞癌、黒色腫、ウイルス性イボ、紫外線による老化、光損傷、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、色素沈着の障害、及び脱毛症(瘢痕性及び非瘢痕性の形態)から選択される請求項13に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、その内容全体がこの特定の参照によって本明細書に組み入れられる2013年11月21日に出願されたUS61/907,320の利益を主張する。
【0002】
本発明は、N−ホルミルペプチド2受容体(FPR2)の調節因子としてのカルバミン酸N−フェニル誘導体、その調製方法、それを含有する医薬組成物、及び医薬剤としてのその使用に関する。本発明は特に、FPR2の調節に関連する疾病を治療するためのこれらの化合物及び医薬組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ホルミルペプチド受容体(FPR)ファミリーは7回膜貫通ドメインGタンパク質共役受容体(GPCR)ファミリーに属する。このファミリーにはヒトでは3つのメンバーが含まれ、このファミリーのメンバーの1つであるFPR2(FPRL−1、ALXA4としても知られる)はT細胞と同様に、たとえば、単球や好中球のような炎症性細胞にて主として発現され、炎症及びヒトでの病態にて白血球輸送に重要な役割を担うことが示されている(Chiang,N.Serhan,CN.Dahlen,S.Drazen,JM.Hay,DWP.Rovati,E.Shimizu,T.Yokomizo,T.Brink,C.The lipoxin receptor ALX:Potent ligand−specific and stereoselective actions in vivo.Pharmacological Reviews,2006;58:463−519)。FPR2は、血清アミロイドA(SAA)、ケモカイン変異体sCKβ8−1、神経保護ペプチドヒューマニン、抗炎症性エイコサノイドリポキシンA4(LXA4)及びグルココルチコイド調節性タンパク質アネキシンA1を含む、いろいろな構造的に多様な外来性及び内在性のリガンドに応答する並外れて無差別な受容体である(Chiang,N.Serhan,CN.Dahlen,S.Drazen,JM.Hay,DWP.Rovati,E.Shimizu,T.Yokomizo,T.Brink,C.The lipoxin receptor ALX: Potent ligand−specific and stereoselective actions in vivo.Pharmacological Reviews,2006;58:463−519)。FPR2は、多数の系にてアラキドン酸が導出するリポキシンA4(LXA4)の抗炎症効果を伝達することが示され、炎症の解消に重要な役割を担うことが示されている(Dufton,N.Perretti,M.Therapeutic anti−inflammatory potential of formyl peptide receptor agonists.Pharamcology & Therapeutics,2010;127:175−188)。FPR2ノックアウトマウスは、その受容体の生物学的な役割によって期待されるように病的状態にて過剰な炎症を示す(Dufton,N.Hannon,R.Brancaleone,V.Dalli,J.Patel,HB.Gray,M.D’Aquisto,F.Buckingham,JC.Perretti,M.Flower,RJ.Anti−inflammatory role of the murine formyl−peptide receptor 2:Ligand−specific effects on leukocyte responses and experimental inflammation.Journal of Immunology,2010;184:2611−2619.Gavins,FNE.Hughes,EL.Buss,NAPS.Holloway,PM.Getting,SJ.Buckingham,JC.Leukocyte recruitment in the brain in sepsis:involvement of the annexin1 FPR2/ALX anti−inflammatory system.FASEB,2012;26:1−13)。
【0004】
リポキシンA4またはその類似体による及びアネキシンIタンパク質によるFPR2の活性化は、多形核好中球(PMN)及び好酸球の移動の阻害が関与する炎症の積極的な解消を促進することによって、また炎症の部位からのアポトーシス細胞のクリアランスを非炎症性に可能にする単球の移動を刺激することによって抗炎症活性を生じることが示されている(Gavins,FNE.Hughes,EL.Buss,NAPS.Holloway,PM.Getting,SJ.Buckingham,JC.Leukocyte recruitment in the brain in sepsis:involvement of the annexin1 FPR2/ALX anti−inflammatory system.FASEB,2012;26:1−13,Maderna,P.Cottell,DC.Toivonen,T.Dufton,N.Dalli,J.Perretti,M.Godson,C.FPR2/ALX receptor expression and internalization are critical for lipoxin A4 and annexin−derived peptide−stimulated phagocytosis.FASEB,2010;24:4240−4249)。加えて、FPR2は、ナチュラルキラー(NK)の細胞傷害性を阻害し、組織を損傷する炎症性シグナルの下方調節にさらに寄与するT細胞の活性化を促進することが示されている。
【0005】
LXA4及びアネキシンとのFPR2の相互作用は、皮膚の炎症、血管新生、上皮移動、浮腫、脱毛症、虚血再潅流、及び、たとえば、内毒素が誘導するブドウ膜炎や角膜の創傷治癒のような眼の炎症の実験モデルにて有益であることが示されている(Reville,K.Cream,JK.Vivers,S.Dransfield,I.Godson,C.Lipoxin A4 redistributes Mysoin IIA and Cdc42 in macrophages:Implications for phagocytosis of apoptotic leukocytes.Journal of Immunology,2006;176:1878−1888;Serhan,C.Resolution phase of inflammation:Novel endogenous anti−inflammatory and proresolving lipid mediators and pathways.Annual reviews of Immunology,2007;25:101−137.;Medeiros,R.Rodrigues,GB.Figueiredo,CP.Rodrigues,EB.Grumman,A.Jr.Menezes−de−Lima,O.Jr,Passos,GF.Calixto,JB.Molecular mechanisms of topical anti−inflammatory effects of lipoxin A(4) in endotoxin−induced uveitis.Molecular Pharmacology,2008;74:154−161;Gronert,K.Maheshwari,N.Khan,N.Hassan,IR.Dunn,M.Schwartzmann,ML.A role for the mouse 12/15−lipoxygenase pathways in promoting epithelial wound healing and host defense.Journal of Biological Chemistry,2005;280:15267−15278;Gronert,K.Lipoxins in the eye and their role in wound healing.Prostaglandins,Leukotrienes and Essential fatty Acids.2005;73:221−229);Takano,T.Fiore,S.Maddox,JF.Brady,HR.Petasis,NA.Serhan,CN.Asprin−triggered 15−epi−lipoxin A4 and LXA4 stable analogues are potent inhibitors of acute inflammation:evidence for anti−inflammatory receptors.Journal of Experimental Medicine,1997;185: 1693−1704.;Leoni,G.Alam,A.Neumann,PA.Lambeth,JD.Cheng,G.McCoy,J.Hilgarth,RS.Kundu,K.Murthy,N.Kusters,D.Reutelingsperger,C.Perretti,M.Parkos,CA.Neish,AS.Nusrat,A.Annexin A1,formyl peptide receptor,and NOX1 orchestrate epithelial repair.Journal of Clinical Investigation.2013;123:443−54;Leedom,A.Sullivan,AB.Dong,B.Lau,D.Gronert,K.Endogenous LXA4 circuits are determinants of pathological angiogenesis in response to chronic injury. American Journal of Pathology,2010;176:74−84;Tsuruki,T.Takahata,K.Yoshikawa,M.Mechanism of the protective effect of intraperitoneally administered agonists for formyl peptide receptors against chemotherapy−induced alopecia.Biosci.Biotechnology Biochemistry.2007;71:1198−202)。
【0006】
リポキシンA4及びその類似体の医薬上の有用性は、天然ポリオレフィンの天然産物の独特の物理化学的特性によって妨害されている。従って、FPR2の小分子抗炎症性のアゴニストは、眼における炎症性疾患を含む炎症性疾患において多種多様な治療上の利益を有することになる。選択的にFPR2を標的とすることは、眼における高いIOPや創傷治癒の遅延といった有意な副作用を有するステロイドまたはNSAIDのようなさらに広く作用する抗炎症剤に比べて副作用の低下といった利益も有することになる。FPR2はまた、眼組織に移動する炎症性細胞に加えて、角膜及び眼の後部における眼組織でも発現される。
【0007】
選択的にFPR2を標的とすることはまた、その強力な抗炎症性で且つプロ上皮修復の役割を与えられた皮膚の創傷治癒でも利益を有することになる。加えて、一部の皮膚疾患は、FPR2の天然のリガンドであることが示されている炎症促進性のカテリシジンであるLL37の異常な発現を有することが示されている。慢性の炎症性疾患である酒さでは、LL37が高度に発現され、病態形成にて重要な役割を担っていると考えられる(Yamasaki,K.DiNardo,A.Bardan,A.Murakami,M.Ohtake,T.Coda,A.Dorschner,RA.Bonnart,C.Descargues,P.Hovnanian,A.Morhenn,VB.Gallo,RL.Increased serine protease activity and cathelicidin promotes skin inflammation in rosacea.Nature Medicine.2007;13:975−80)。
【0008】
従って、FPR2は、過剰な炎症性応答を伴う疾患または状態における新しい治療剤の開発のための重要な新規の革新促進性の分子標的を表す。
【発明の概要】
【0009】
強力な且つ選択性のFPR2調節因子であるカルバミン酸N−フェニル誘導体の群が発見されている。そのようなものとして、本明細書で記載される化合物は、FPR2受容体の調節に関連する多種多様な疾病を治療することにおいて有用である。用語「調節因子」には本明細書で使用されるとき、受容体のアゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト、逆アンタゴニスト、部分アゴニスト及び部分アンタゴニストが挙げられるが、これらに限定されない。
【0010】
本発明はFPR2受容体の生物活性を有する式Iの化合物を記載する。従って、本発明に係る化合物は、医療、たとえば、FPR2の調節によって緩和される疾患及び状態を伴うヒトの治療で役立つ。
【0011】
態様の1つでは、本発明は式I:
【0012】
【化1】
【0013】
によって表される化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学上許容可能な塩を提供し;
式中、
1は、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリール、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13、−C(O)R14または−OR15であり;
2は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13−C(O)R14または−OR15であり;
3は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13−C(O)R14または−OR15であり;
4は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13−C(O)R14または−OR15であり;
5は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13−C(O)R14または−OR15であり;
6は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換された複素環、−(CH2pCOOH、−(CH2p−NH2、−(CH2p−OH、−(CH2p−SH、−(CH2p−CONH2、−(CH2p−CONH2、−CH(OH)CH3、−(CH2pSCH3、−(CH2pNH−C(=NH)(NH2)または−CH26-10アリ−ルであり、その際、前記−C6-10アリ−ルは任意で置換され;
6aは、Hまたは任意で置換されたC1-8アルキルであり;
7は、Hまたは任意で置換されたC1-8アルキルであり;
8はHであり;
9は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ルまたは任意で置換されたC3-8シクロアルケニルであり;
10は、−(CH2nOR16、−(CH2nS(O)2OH、−(CH2nC(O)R17、−(CH2nOS(O)2OH、−(CH2nNR1819、−(CH2nP(O)(OC1-6アルキル)2、−(CH2nP(O)(OC1-6アルキル)OH、−(CH2n−P(O)(OH)2または任意で置換された複素環であり;
11は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ルまたは任意で置換されたC3-8シクロアルケニルであり;
12は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ルまたは任意で置換されたC3-8シクロアルケニルであり;
13は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、OHまたは任意で置換されたC3-8シクロアルケニルであり;
14は、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニルまたは−OR15であり;
15は、Hまたは任意で置換されたC1-8アルキルであり;
16は、H、−C(O)(C1-8アルキル)または任意で置換されたC1-8アルキルであり;
17は、OH、−OC1-8アルキルまたはC1-8アルキルであり;
18は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、−C(O)R17及び−S(O)2N(C1-8アルキル)2から成る群から選択され;
19は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、または任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、−C(O)R17及び−S(O)2N(C1-8アルキル)2から成る群から選択され;
pは1、2または3であり;
nは0、1、2、3、4、5、6、7または8であり;
mは0、1または2であり;
その際、
各C1-8アルキル置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-8アルキル、C3-8シクロアルキル、アミノ、複素環、C6-10アリ−ル、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、リン酸、ニトロ、アミド、スルホンアミド、カルボン酸エステル及びケトンから成る群から選択され;
各C3-8シクロアルキル置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、スルホニルC1-8アルキル、スルホキシドC1-8アルキル、スルホンアミド、ニトロ、−OC1-8アルキル、−SC1-8アルキル基、−C1-8アルキル、ケトン、アルキルアミノ、アミノ、C6-10アリ−ル及びC3-8シクロアルキルから成る群から選択され;
各複素環置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-8アルキル、スルホニルC1-8アルキル、スルホキシドC1-8アルキル、ニトロ、−SC1-8アルキル、−C1-8アルキル、ケトン、アルキルアミノ、アミノ、C6-10アリ−ル及びC3-8シクロアルキルから成る群から選択され;
各C6-10アリ−ル置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、スルホニルC1-8アルキル、スルホキシドC1-8アルキル、スルホンアミド、カルボン酸、C1-8アルキルカルボン酸(エステル)、アミド、ニトロ、−OC1-6アルキル、−SC1-8アルキル、−C1-8アルキル、ケトン、アルキルアミノ、アミノ及びC3-8シクロアルキルから成る群から選択され;
各C3-8シクロアルケニル置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、スルホニルC1-8アルキル、スルホキシドC1-8アルキル、ニトロ、−OC1-6アルキル、−SC1-6アルキル、−C1-6アルキル、ケトン、アルキルアミノ、アミノ、C6-10アリ−ル及びC3-8シクロアルキルから成る群から選択される。
【0014】
本発明はさらに、
【0015】
【化2】
【0016】
から成る群から選択される化合物を提供する。
【0017】
用語「アルキル」は本明細書で使用されるとき、直鎖部分または分枝鎖部分またはそれらの組み合わせを有し、且つ1〜8の炭素原子を含有する飽和した一価または二価の炭化水素部分を指し;アルキル基のメチレン(−CH2−)基の1つは、酸素、イオウ、スルホキシド、−N(Rx)−(式中、RxはH、OH、または任意で置換されたC1-8アルキルである)、カルボニル、カルボキシル、スルホニル、サルフェート、スルホネート、アミド、スルホンアミドによって、二価のC3-8シクロアルキルによって、二価の複素環によって、または二価のアリール基によって置き換えることができる。アルキル基は1以上のキラル中心を有することができる。アルキル基は独立して1以上のハロゲン原子、ヒドロキシル基、−OC1-8アルキル基、シクロアルキル基、アミノ基、複素環基、アリール基、カルボン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ニトロ基、アミド基、スルホンアミド基、エステル基及び/またはケトン基で置換することができる。
【0018】
用語「シクロアルキル」は本明細書で使用されるとき、飽和環状炭化水素に由来する3〜8の炭素原子の一価の基または二価の基を指す。シクロアルキル基は単環式または多環式であることができる。シクロアルキルは独立して1以上のハロゲン原子、スルホニルC1-8アルキル基、スルホキシドC1-8アルキル基、スルホンアミド基、ニトロ基、−OC1-8アルキル基、−SC1-8アルキル基、−C1-8アルキル基、ケトン基、アルキルアミノ基、アミノ基、アリール基、C3-8シクロアルキル基及び/またはヒドロキシル基で置換することができる。
【0019】
用語「シクロアルケニル」は本明細書で使用されるとき、少なくとも1つの二重結合を有する飽和シクロアルキルに由来する3〜8の炭素原子の一価の基または二価の基を指す。シクロアルケニル基は単環式または多環式であることができる。シクロアルケニル基は独立して1以上のハロゲン原子、スルホニル基、スルホキシド基、ニトロ基、−OC1-6アルキル基、−SC1-6アルキル基、−C1-6アルキル基、ケトン基、アルキルアミノ基、アミノ基、アリール基、C3-8シクロアルキル基及び/またはヒドロキシル基で置換することができる。
【0020】
用語「ハロゲン」は本明細書で使用されるとき、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子を指す。
【0021】
用語「複素環」は本明細書で使用されるとき、炭素環状の環構造に割り込む酸素、窒素、イオウから選択される少なくとも1つのヘテロ原子またはその少なくとも2つの組み合わせを含有する、芳香族または非芳香族であることができ、飽和または不飽和であることができる3〜10員環の環を指す。複素環の環はC=Oによって中断することができ;S及びNのヘテロ原子を酸化することができる。複素環は単環式または多環式であることができる。複素環の環部分は、1以上のハロゲン原子、スルホニル基、スルホキシド基、ニトロ基、−OC1-8アルキル基、−SC1-8アルキル基、−C1-8アルキル基、ケトン基、アルキルアミノ基、アミノ基、アリール基、C3-8シクロアルキル基及び/またはヒドロキシル基で置換することができる。
【0022】
用語「アリール」は本明細書で使用されるとき、水素原子1つの取り外しによる、6〜10の炭素原子を含有する環から成る芳香族炭化水素に由来する有機部分を指す。アリールは、1以上のハロゲン原子、スルホニルC1-8アルキル基、スルホキシドC1-8アルキル基、スルホンアミド基、カルボン酸基、C1-8アルキルカルボン酸(エステル)基、アミド基、ニトロ基、−OC1-6アルキル基、−SC1-8アルキル基、−C1-8アルキル基、ケトン基、アルキルアミノ基、アミノ基、C3-8シクロアルキル基及び/またはヒドロキシル基で置換することができる。アリールは単環式または多環式であることができる。
【0023】
用語「ヒドロキシル」は本明細書で使用されるとき、式「−OH」の基を表す。
【0024】
用語「カルボニル」は本明細書で使用されるとき、式「−C(O)−」の基を表す。
【0025】
用語「ケトン」は本明細書で使用されるとき、たとえば、−C(O)Rxのような炭素原子に連結されたカルボニル基を有する有機化合物を表し、その際、Rxは、上記で定義されたようなアルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、または複素環であることができる。
【0026】
用語「エステル」は本明細書で使用されるとき、たとえば、−C(O)ORxのような炭素原子に連結されたカルボニル基を有する有機化合物を表し、その際、Rxは、上記で定義されたようなアルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、または複素環であることができる。
【0027】
用語「アミン」は本明細書で使用されるとき、式「−NRxy」の基を表し、その際、Rx及びRyは同一であってもよくまたは独立して上記で定義されたようなH、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、または複素環であることができる。
【0028】
用語「カルボキシル」は本明細書で使用されるとき、式「−C(O)O−」の基を表す。
【0029】
用語「スルホニル」は本明細書で使用されるとき、式「−SO2−」の基を表す。
【0030】
用語「サルフェート」は本明細書で使用されるとき、式「−OS(O)2O−」の基を表す。
【0031】
用語「スルホネート」は本明細書で使用されるとき、式「−S(O)2O−」の基を表す。
【0032】
用語「カルボン酸」は本明細書で使用されるとき、式「−C(O)OH」の基を表す。
【0033】
用語「ニトロ」は本明細書で使用されるとき、式「−NO2」の基を表す。
【0034】
用語「アミド」は本明細書で使用されるとき、式「−C(O)NRxy」の基を表し、式中、Rx及びRyは同一であってもよく、または独立して上記で定義されたようなH、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、または複素環であってもよい。
【0035】
用語「スルホンアミド」は本明細書で使用されるとき、式「−S(O)2NRxy」の基を表し、式中、Rx及びRyは同一であってもよく、または独立して上記で定義されたようなH、アルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、または複素環であってもよい。
【0036】
用語「スルホキシド」は本明細書で使用されるとき、式「−S(O)−」の基を表す。
【0037】
用語「ホスホン酸」は本明細書で使用されるとき、式「−P(O)(OH)2」の基を表す。
【0038】
用語「リン酸」は本明細書で使用されるとき、式「−OP(O)(OH)2」の基を表す。
【0039】
用語「スルホン酸」は本明細書で使用されるとき、式「−S(O)2OH」の基を表す。
【0040】
式「H」は本明細書で使用されるとき、水素原子を表す。
【0041】
式「O」は本明細書で使用されるとき、酸素原子を表す。
【0042】
式「N」は本明細書で使用されるとき、窒素原子を表す。
【0043】
式「S」は本明細書で使用されるとき、イオウ原子を表す。
【0044】
本発明の一部の化合物は、
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート;
tert−ブチル {[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](メチル)アミノ}アセテート
(2S)−1−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
ジエチル ({[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル] カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}メチル)ホスホネート;
(2S)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル [4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート;
(2S)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
ジエチル ({[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}メチル)ホスホネート;
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロピル)アミノ}アセテート;
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロパン−2−イル)アミノ}アセテート;
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](エチル)アミノ}アセテート;
tert−ブチル {メチル[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
tert−ブチル {エチル[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
(2S)−4−メチル−1−オキソ−1−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]ペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
(2S)−4−メチル−1−オキソ−1−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]ペンタン−2−イル [4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート;
(2S)−4−メチル−1−[メチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]−1−オキソペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
(2S)−4−メチル−1−[メチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]−1−オキソペンタン−2−イル [4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート;
2−{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}エチル アセテート;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](メチル)アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロピル)アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロパン−2−イル)アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](エチル)アミノ}酢酸;
{メチル[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
{エチル[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
(2S)−4−メチル−1−{メチル[2−(スルホオキシ)エチル]アミノ}−1−オキソペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
({(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}アミノ)メタンスルホン酸;
tert−ブチル [{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}(プロピル)アミノ]アセテート;
tert−ブチル (イソプロピル{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}アミノ)アセテート;
(1S)−1−{[エチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
(1S)−1−{[エチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル [4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート;
(1S)−1−[({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}アミノ)カルボニル]−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
tert−ブチル {[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル]アミノ}アセテート;
(1S)−1−ベンジル−2−オキソ−2−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]エチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
tert−ブチル {[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル](メチル)アミノ}アセテート;
[{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}(プロピル)アミノ]酢酸;
(イソプロピル{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}アミノ)酢酸;
(1S)−1−{[(2−アミノエチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
{[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル]アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル] (メチル)アミノ}酢酸;及び
(1S)−1−{[(2−{[(ジメチルアミノ)スルホニル]アミノ}エチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメートである。
【0045】
本発明の追加の化合物は:
(S)−tert−ブチル 2−(((4−ブロモフェニル)カルバモイル)オキシ)−4−メチルペンタノエート;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタン酸;
tert−ブチル (2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノエート;
(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタン酸;
tert−ブチル (2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノエート;及び
(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパン酸である。
【0046】
式Iの一部の化合物及びそれらの中間体の一部は、その構造に少なくとも1つの不斉中心を有する。不斉中心はR配置またはS配置で存在してもよく、前記R及びSの表記はPure Appl.Chem.(1976),45,11−13にて記載された規則と関連して使用される。
【0047】
用語「薬学上許容可能な塩」は、上記で特定された化合物の所望の生物活性を保持し、且つ最少限の毒性効果を示すまたは望ましくない毒性効果を示さない塩または錯体を指す。本発明に係る「薬学上許容可能な塩」には、式Iの化合物が形成することができる治療上活性のある、非毒性の塩基または酸の形態が含まれる。
【0048】
塩基としてのその遊離の形態で存在する式Iの化合物の酸付加塩の形態は、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸;またはたとえば、酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸、クエン酸、メチルスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ギ酸等のような有機酸のような適当な酸によって遊離の塩基を処理することによって得ることができる(Handbook of Pharmaceutical Salts,P.Heinrich Stahl及びCamilleG.Wermuth(Eds),Verlag Helvetica Chimica Acta− Zurich,2002,329−345)。
【0049】
酸の形態で存在する式Iの化合物の塩基付加塩の形態は、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等のような無機塩基、または、たとえば、L−アルギニン、エタノールアミン、ベタイン、ベンザチン、モルフォリン等のような有機塩基のような適当な塩基で酸を処理することによって得ることができる(Handbook of Pharmaceutical Salts,P.Heinrich,Stahl及びCamille,G.Wermuth,(Eds),Verlag Helvetica Chimica Acta−Zurich,2002,329−345)。
【0050】
本発明の化合物は、N−ホルミルペプチド受容体2を含む成分があり得る状態を治療するまたは予防することにおける使用に適応される。
【0051】
別の実施形態では、薬学上許容可能なキャリアにて少なくとも1つの本発明の化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0052】
本発明のさらなる実施形態では、N−ホルミルペプチド2受容体の調節に関連する疾病を治療する方法が提供される。
【0053】
そのような方法は、たとえば、それを必要とする対象に、治療上有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物を含有する医薬組成物を投与することによって実施することができる。
【0054】
N−ホルミルペプチド2受容体の調節因子が治療上役に立つのは、湿性及び乾性の加齢黄斑変性(ARMD)、ブドウ膜炎、ドライアイ、角膜炎、アレルギー性眼疾患及び眼の後部を冒される状態、たとえば、非滲出性加齢黄斑変性、滲出性加齢黄斑変性、脈絡膜血管新生、糖尿病性網膜症(増殖性)、未熟児網膜症(ROP)、急性黄斑視神経網膜症、中心漿液性脈絡網膜症、嚢胞様黄斑浮腫、及び糖尿病性黄斑浮腫を含む黄斑症及び網膜変性;感染性角膜炎、ヘルペス角膜炎、角膜血管新生、リンパ管形成、網膜炎、脈絡膜炎、たとえば、急性多発性小板状色素上皮症、ベーチェット病、バードショット網膜脈絡膜症、感染性(梅毒、ライム、結核、トキソプラズマ症)、中間部ブドウ膜炎(扁平部炎)、多巣性脈絡膜炎、多発消失性白点症候群(MEWDS)、眼サルコイドーシス、後部強膜炎、匍行状脈絡膜炎、網膜下の線維症及びブドウ膜炎症候群、Vogt−Koyanagi−及びHarada症候群;血管性疾患/滲出性疾患、たとえば、網膜動脈閉塞性疾患、中央網膜静脈閉塞症、嚢胞様黄斑浮腫、播種性血管内凝固障害、網膜静脈分岐閉塞症、高血圧性眼底変化、眼虚血症候群、網膜動脈微細動脈瘤、Coat’s病、傍中心窩毛細血管拡張症、ヘミ網膜静脈閉塞症、乳頭血管炎、中心網膜動脈閉塞症、網膜動脈分岐閉塞症、頸動脈疾患(CAD)、樹氷状血管炎、鎌形血球網膜症及び他の異常ヘモグロビン血症、網膜色素線条、家族性滲出性硝子体網膜症、及びEales病;外傷性/外科的状態、たとえば、交感性眼炎、ブドウ膜網膜疾患、網膜剥離、外傷、術後角膜創傷治癒、白内障手術後の炎症、レーザーが原因で生じた状態、光療法、光凝固、手術中の潅流低下が原因で生じた状態、放射線網膜症、及び骨髄移植網膜症;増殖性障害、たとえば、増殖性硝子体網膜症及び網膜上膜、及び増殖性糖尿病性網膜症;感染性障害、たとえば、眼ヒストプラズマ症、眼トキソカラ症、推定眼ヒストプラズマ症候群(POHS)、眼内炎、トキソプラズマ症、HIV感染に関連した網膜疾患、HIV感染に関連した脈絡膜疾患、HIV感染に関連したブドウ膜疾患、ウイルス性網膜炎、急性網膜壊死、進行性外部網膜壊死、真菌性網膜疾患、眼梅毒、眼結核、びまん性片側性亜急性神経網膜炎、及びハエウジ症;遺伝的障害、たとえば、網膜色素変性症、網膜ジストロフィに関連した全身性疾患、先天性停止性夜盲症、錐体ジストロフィ、Stargardt’s病及び黄色斑眼底、Best’s病、網膜色素上皮のパターンジストロフィ、X−連鎖網膜分離症、Sorsbyの眼底ジストロフィ、良性同心性黄斑症、Biettiの結晶性ジストロフィ、及び弾性線維性仮性黄色腫;網膜裂傷/円孔、たとえば、網膜剥離、黄斑円孔、及び巨大網膜裂傷;腫瘍、たとえば、腫瘍に関連した網膜疾患、網膜色素上皮の先天性肥厚、後部ブドウ膜黒色腫、脈絡膜血管腫、脈絡膜骨腫、脈絡膜転移、網膜及び網膜色素上皮の合併過誤腫、網膜芽細胞腫、眼底の血管増殖性腫瘍、網膜星状細胞腫、及び眼内リンパ系腫瘍;及び眼の後部を冒すその他の疾患、たとえば、点状脈絡膜内層症、急性後部多発性小板状色素上皮症、近視網膜変性、及び急性網膜色素上皮炎を含むが、これらに限定されない眼の炎症性の疾患及び状態、全身性の炎症性疾患、たとえば、卒中、冠状動脈疾患、閉塞性気道疾患、HIV−が介在するレトロウイルス感染、冠状動脈疾患を含む循環器疾患、神経炎症、神経学的障害、疼痛及び免疫性疾患、喘息、アレルギー性疾患、炎症、全身性エリテマトーデス、乾癬、CNS疾患、たとえば、アルツハイマー病、関節炎、敗血症、炎症性大腸疾患、悪液質、狭心症、術後角膜炎症、眼瞼炎、マイボーム腺機能不全;皮膚創傷治癒、肥厚性瘢痕、ケロイド、火傷、酒さ、アトピー性皮膚炎、ざ瘡、乾癬、脂漏性皮膚炎、光線角化症、基底細胞癌、有棘細胞癌、黒色腫、ウイルス性イボ、紫外線による老化、光損傷、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、色素沈着の障害、脱毛症、瘢痕性及び非瘢痕性の形態を含むが、これらに限定されない皮膚炎症及び皮膚疾患;ウイルス性イボ、光老化性関節リウマチ及び関連する炎症性疾患、脱毛症、緑内障、静脈分岐閉塞症、Bestの卵黄形態黄斑変性、網膜色素変性、増殖性硝子体網膜症(PVR)、及び光受容体またはRPEのいずれかの他の変性疾患である(Perretti,Mauroら.Pharmacology & Therapeutics,127(2010)175−188)。
【0055】
本発明の化合物は、湿性及び乾性の加齢黄斑変性(ARMD)、ドライアイ、角膜炎、アレルギー性眼疾患、感染性角膜炎、ヘルペス角膜炎、角膜血管新生、リンパ管形成、網膜炎、脈絡膜炎、たとえば、急性多発性小板状色素上皮症、ベーチェット病、術後角膜創傷治癒、白内障手術後の炎症、ブドウ膜炎、糖尿病性網膜症(増殖性)、未熟児網膜症(ROP)、糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、嚢胞様黄斑浮腫、静脈分岐閉塞症、Bestの卵黄形態黄斑変性、網膜色素変性、増殖性硝子体網膜症(PVR)、及び光受容体またはRPEのいずれかの他の変性疾患;また、皮膚創傷治癒、肥厚性瘢痕、ケロイド、火傷、酒さ、アトピー性皮膚炎、ざ瘡、乾癬、脂漏性皮膚炎、光線角化症、基底細胞癌、有棘細胞癌、黒色腫、ウイルス性イボ、紫外線による老化、光損傷、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、色素沈着の障害、脱毛症、瘢痕性及び非瘢痕性の形態を含むが、これらに限定されない皮膚炎症及び皮膚疾患の治療を含むが、これらの限定されない、N−ホルミルペプチド2受容体の調節によって緩和される様々な状態及び疾患を持つヒトを含む哺乳類の治療に有用である。
【0056】
本発明のさらに別の実施形態では、FPR2受容体の調節に関連する疾病を治療する方法が提供される。そのような方法は、たとえば、それを必要とする対象に、治療上有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物、またはその組み合わせ、または薬学上許容可能な塩、個々のエナンチオマー及び/またはそのジアステレオマーを投与することによって実施することができる。
【0057】
本発明は、湿性及び乾性の加齢黄斑変性(ARMD)、ブドウ膜炎、ドライアイ、角膜炎、アレルギー性眼疾患及び眼の後部を冒される状態、たとえば、非滲出性加齢黄斑変性、滲出性加齢黄斑変性、脈絡膜血管新生、糖尿病性網膜症(増殖性)、未熟児網膜症(ROP)、急性黄斑視神経網膜症、中心漿液性脈絡網膜症、嚢胞様黄斑浮腫、及び糖尿病性黄斑浮腫を含む黄斑症及び網膜変性;感染性角膜炎、ヘルペス角膜炎、角膜血管新生、リンパ管形成、ブドウ膜炎、網膜炎、脈絡膜炎、たとえば、急性多発性小板状色素上皮症、ベーチェット病、バードショット網膜脈絡膜症、感染性(梅毒、ライム、結核、トキソプラズマ症)、中間部ブドウ膜炎(扁平部炎)、多巣性脈絡膜炎、多発消失性白点症候群(MEWDS)、眼サルコイドーシス、後部強膜炎、匍行状脈絡膜炎、網膜下の線維症及びブドウ膜炎症候群、Vogt−Koyanagi−及びHarada症候群;血管性疾患/滲出性疾患、たとえば、網膜動脈閉塞性疾患、中央網膜静脈閉塞症、嚢胞様黄斑浮腫、播種性血管内凝固障害、網膜静脈分岐閉塞症、高血圧性眼底変化、眼虚血症候群、網膜動脈微細動脈瘤、Coat’s病、傍中心窩毛細血管拡張症、ヘミ網膜静脈閉塞症、乳頭血管炎、中心網膜動脈閉塞症、網膜動脈分岐閉塞症、頸動脈疾患(CAD)、樹氷状血管炎、鎌形血球網膜症及び他の異常ヘモグロビン血症、網膜色素線条、家族性滲出性硝子体網膜症、及びEales病;外傷性/外科的状態、たとえば、交感性眼炎、ブドウ膜網膜疾患、網膜剥離、外傷、術後角膜創傷治癒、白内障手術後の炎症、湿性及び乾性の加齢黄斑変性(ARMD)、レーザーが原因で生じた状態、光療法、光凝固、手術中の潅流低下が原因で生じた状態、放射線網膜症、及び骨髄移植網膜症;増殖性障害、たとえば、増殖性硝子体網膜症及び網膜上膜、及び増殖性糖尿病性網膜症;感染性障害、たとえば、眼ヒストプラズマ症、眼トキソカラ症、推定眼ヒストプラズマ症候群(POHS)、眼内炎、トキソプラズマ症、HIV感染に関連した網膜疾患、HIV感染に関連した脈絡膜疾患、HIV感染に関連したブドウ膜疾患、ウイルス性網膜炎、急性網膜壊死、進行性外部網膜壊死、真菌性網膜疾患、眼梅毒、眼結核、びまん性片側性亜急性神経網膜炎、及びハエウジ症;遺伝的障害、たとえば、網膜色素変性症、網膜ジストロフィに関連した全身性疾患、先天性停止性夜盲症、錐体ジストロフィ、Stargardt’s病及び黄色斑眼底、Best’s病、網膜色素上皮のパターンジストロフィ、X−連鎖網膜分離症、Sorsbyの眼底ジストロフィ、良性同心性黄斑症、Biettiの結晶性ジストロフィ、及び弾性線維性仮性黄色腫;網膜裂傷/円孔、たとえば、網膜剥離、黄斑円孔、及び巨大網膜裂傷;腫瘍、たとえば、腫瘍に関連した網膜疾患、網膜色素上皮の先天性肥厚、後部ブドウ膜黒色腫、脈絡膜血管腫、脈絡膜骨腫、脈絡膜転移、網膜及び網膜色素上皮の合併過誤腫、網膜芽細胞腫、眼底の血管増殖性腫瘍、網膜星状細胞腫、及び眼内リンパ系腫瘍;及び眼の後部を冒すその他の疾患、たとえば、点状脈絡膜内層症、急性後部多発性小板状色素上皮症、近視網膜変性、及び急性網膜色素上皮炎を含むが、これらに限定されない眼の炎症性疾患、全身性の炎症性疾患、たとえば、卒中、冠状動脈疾患、閉塞性気道疾患、HIV−が介在するレトロウイルス感染、冠状動脈疾患を含む循環器疾患、神経炎症、神経学的障害、疼痛及び免疫性疾患、喘息、アレルギー性疾患、炎症、全身性エリテマトーデス、アルツハイマー病のようなCNS疾病、関節炎、敗血症、炎症性大腸疾患、悪液質、狭心症、術後角膜炎症、眼瞼炎、マイボーム腺機能不全、ウイルス性イボ、紫外線による老化、関節リウマチ及び関連する炎症性疾病、脱毛症、緑内障、静脈分岐閉塞症、Bestの卵黄形態黄斑変性、網膜色素変性、増殖性硝子体網膜症(PVR)、及び光受容体またはRPEのいずれかの他の変性疾患;皮膚創傷治癒、肥厚性瘢痕、ケロイド、火傷、酒さ、アトピー性皮膚炎、ざ瘡、乾癬、脂漏性皮膚炎、光線角化症、基底細胞癌、有棘細胞癌、黒色腫、ウイルス性イボ、紫外線による老化、光損傷、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、色素沈着の障害、脱毛症、瘢痕性及び非瘢痕性の形態を含むが、これらに限定されない皮膚炎症及び皮膚疾患の治療のために薬物を製造するための式Iの化合物または薬学上許容可能なその塩の使用に関する。
【0058】
所与の症例で投与される化合物の実際の量は、たとえば、状態の重症度、患者の年齢及び体重、患者の一般的な身体状態、状態の原因及び投与の経路のような関連する状況を考慮に入れる内科医によって決定されるであろう。
【0059】
患者は、たとえば、錠剤、液剤、カプセル、粉剤等のような許容可能な形態にて経口で化合物を投与され、または特に患者が吐き気に苦しむのであれば、他の経路が望ましくてもよくまたは必要であってもよい。そのような他の経路には、例外なく、送達の経皮、非経口、皮下、鼻内の方法、埋め込みステントを介した方法、クモ膜下、硝子体内の方法、眼に局所の方法、眼に戻す方法、筋肉内、静脈内、及び直腸内の方法が挙げられ得る。さらに、製剤は、所与の時間にわたって活性化合物の放出を遅らせるように、または治療の経過の間の所与の時間にて放出される薬剤の量を慎重に制御するように設計され得る。
【0060】
本発明の別の実施形態では、薬学上許容可能なそのキャリアにて本発明の少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物が提供される。語句「薬学上許容可能な」は、キャリア、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分と相溶性でなければならず、そのレシピエントに対して有害であってはならないことを意味する。
【0061】
本発明の医薬組成物は、固形物、溶液、エマルジョン、分散液、貼付剤、ミセル、リポソーム等の形態で使用することができ、その際、得られる組成物は、経腸または非経口の適用に好適な有機または無機のキャリアまたは賦形剤との混合で本発明の1以上の化合物を含有する。本発明の化合物は、たとえば、錠剤、丸薬、カプセル、坐薬、溶液、エマルジョン、懸濁液及び使用に好適な他の形態のための普通非毒性で薬学上許容可能なキャリアと共に配合されてもよい。使用することができるキャリアには、グルコース、ラクトース、アカシアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンペースト、三ケイ酸マグネシウム、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ、ジャガイモデンプン、尿素、中鎖長トリグリセリド、デキストラン、及び固形、半固形または液体の形態での製剤を製造することで使用するのに好適な他のキャリアが挙げられる。加えて、補助剤、安定剤、増粘剤及び着色剤及び芳香剤を使用してもよい。本発明の化合物は、方法または病的状態に対して所望の効果を生じるのに十分な量で医薬組成物に含まれる。
【0062】
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、たとえば、錠剤、トローチ剤、のど飴、水性または油性の懸濁剤、分散性の粉剤または顆粒剤、エマルジョン、硬質または軟質のカプセル剤、またはシロップまたはエリキシルのような経口用途に好適な形態であってもよい。経口用途が意図される組成物は医薬組成物の製造の当該技術で既知の任意の方法に従って調製されてもよく、そのような組成物は薬学上洗練され、口当たりの良い製剤を提供するために、たとえば、スクロース、ラクトースまたはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、冬緑油またはサクランボ油のような風味剤、着色剤及び保存剤から成る群から選択される1以上の剤を含有してもよい。非毒性で薬学上許容可能な賦形剤との混合で本発明の化合物を含有する錠剤も既知の方法によって製造されてもよい。使用される賦形剤は、たとえば、(1)たとえば、炭酸カルシウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;(2)たとえば、コーンスターチ、ジャガイモデンプンまたはアルギン酸のような造粒剤及び崩壊剤;(3)たとえば、トラガカントゴム、コーンスターチ、ゼラチンまたはアカシアゴムのような結合剤;及び(4)たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクのような潤滑剤であってもよい。錠剤は被覆されなくてもよく、またはそれらは既知の技法によって被覆されて消化管での崩壊及び吸収を遅延させ、それによって長い時間にわたる持続した作用を提供してもよい。たとえば、一ステアリン酸グリセリルまたは二ステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質が採用されてもよい。
【0063】
場合によっては、経口用途のための製剤は、本発明の化合物が、たとえば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンのような不活性固形希釈剤と混合される硬質ゼラチンカプセル剤の形態であってもよい。それらはまた、本発明の化合物が、たとえば、ピーナッツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油のような水性または油性の媒体と混合される軟質ゼラチンカプセル剤の形態であってもよい。
【0064】
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、たとえば、油性懸濁液のような、水性液体または非水性液体における溶液または懸濁液のような、または水中油または油中水のエマルジョンのような、局所用途に好適な形態であってもよい。医薬組成物は、有効成分としての治療上有効な量の本発明に係る少なくとも1つの化合物または薬学上許容可能なその塩を従来眼科的に許容可能な医薬賦形剤と組み合わせることによって、及び局所的な眼での使用に好適な単位投与量の調製によって調製されてもよい。治療上有効な量は通常、液体製剤の約0.0001〜約5%(w/v)、好ましくは約0.001〜約2.0%(w/v)の間である。
【0065】
眼科適用については、好ましくは溶液は主なビヒクルとして生理的生理食塩水溶液を用いて調製される。そのような眼科溶液のpHは好ましくは適当な緩衝液系によって4.5〜8.0の間で維持されるべきであり、中性のpHが好まれるが、必須ではない。製剤はまた従来の薬学上許容可能な保存剤、安定剤及び界面活性剤も含有してもよい。本発明の医薬組成物で使用されてもよい好まれる保存剤には、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀及び硝酸フェニル水銀が挙げられるが、これらに限定されない。好まれる界面活性剤は、たとえば、Tween80である。同様に、種々の好まれるビヒクルが本発明の眼科製剤で使用されてもよい。これらのビヒクルには、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、シクロデキストリン及び精製水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
等張性調整剤は必要に応じてまたは都合によって添加されてもよい。それらには、塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール及びグリセリン、または他の好適な眼科的に許容可能な等張性調整剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
得られる製剤が眼科的に許容可能である限り、種々の緩衝液及びpHを調整する手段が使用されてもよい。従って、緩衝液には、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液及びホウ酸緩衝液が挙げられる。必要に応じて酸または塩基を用いてこれら製剤のpHを調整してもよい。
【0068】
類似の方法では、本発明で使用するための眼科的に許容可能な抗酸化剤には、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール及びブチル化ヒドロキシトルエンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
眼科製剤に含まれ得る他の賦形剤成分はキレート剤である。他のキレート剤もそれの代わりにまたはそれと併せて使用されてもよいが、好まれるキレート剤はエデンテート二ナトリウムである。
【0070】
成分は普通以下の量で使用される:
成分 量(%w/v)
有効成分 約0.001〜5
保存剤 0〜0.10
ビヒクル 0〜40
浸透圧調整剤 0〜10
緩衝液 0.01〜10
pH調整剤 適量pH4.5〜7.8
抗酸化剤 必要に応じて
界面活性剤 必要に応じて
精製水 100%にする
【0071】
本発明の活性化合物の実際の用量は特定の化合物及び治療される状態に左右され;適当な用量の選択は十分に、技量のある熟練者の知識の範囲内である。
【0072】
本発明の眼科製剤は、たとえば、点眼器を備えた容器のような測る適用に好適な形態に好都合に包装されて眼への適用を円滑にする。一滴ずつの適用に好適な容器は普通、好適な不活性で非毒性のプラスチック材で構成され、一般に約0.5〜約15mLの間の溶液を含有する。包装1つが1以上の単位用量を含有してもよい。特に、保存剤を含まない溶液は約10まで、好ましくは約5までの単位用量を含有する非放出性容器にて製剤化されることが多く、その際、典型的な単位用量は1〜約8滴、好ましくは1〜約3滴である。1滴の容積は普通、約20〜35μLである。
【0073】
医薬組成物は無菌の注射用懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁剤を用いて既知の方法に従って製剤化されてもよい。無菌の注射用製剤は、たとえば、1,3−ブタンジオールにおける溶液のような非毒性の非経口で許容可能な希釈剤または溶媒における無菌の注射用の溶液または懸濁液であってもよい。無菌の固定油は溶媒または懸濁媒として従来採用されている。この目的で、合成のモノグリセリドまたはジグリセリド、脂肪酸(オレイン酸を含む)、ゴマ油、ココナッツ油、ピーナッツ油、綿実油等のような天然に存在する植物油、またはオレイン酸エチル等のような合成の脂肪ビヒクルを含む、任意の銘柄の固定油が採用されてもよい。緩衝液、保存剤、抗酸化剤等は必要に応じて組み入れることができる。
【0074】
本発明の化合物は、薬剤の直腸投与用の坐薬の形態でも投与され得る。これらの組成物は、たとえば、ココアバター、ポリエチレングリコールの合成グリセリドエステルのような好適な非刺激性の賦形剤と本発明の化合物を混合することによって調製されてもよく、それは普段の温度では固体であるが、直腸腔では液化し、及び/または溶解して薬剤を放出する。
【0075】
個々の対象は症状の重症度で広い変動を提示し得るし、各薬剤は独特の治療特性を有するので、各対象について採用される投与及び投与量の正確な様式は医師の裁量に委ねられる。
【0076】
本明細書で記載される化合物及び医薬組成物は、N−ホルミルペプチド2受容体のアゴニストまたは機能的なアンタゴニストによる治療に応答性である疾患の治療及び/または状態の緩和のために、ヒトを含む哺乳類にて薬物として有用である。従って、本発明のさらなる実施形態では、N−ホルミルペプチド2受容体の調節に関連する疾病を治療する方法が提供される。そのような方法は、たとえば、それを必要とする対象に治療上有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物を含有する医薬組成物を投与することによって実施することができる。本明細書で使用されるとき、用語「治療上有効な量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床家によって求められているそれを必要とする対象の生物応答または医学応答を引き出す医薬組成物の量を意味する。一部の実施形態では、それを必要とする対象は哺乳類である。一部の実施形態では、哺乳類はヒトである。
【0077】
本発明は式Iの化合物を調製する方法にも関する。本発明に係る式Iの化合物は、合成有機化学の当業者によって理解されているような従来の方法に類似して調製することができる。
【0078】
以下に示す合成スキーム1は本発明に係る化合物をどのように作製することができるかを説明している。当業者は、以下のスキームを日常的に改変し及び/または適合させて、式Iによって取り上げられた本発明の化合物またはその合成前駆体を合成することができるであろう。
【0079】
【化3】
【0080】
式Iの化合物はスキーム1にて描かれたように調製された。一般に、α−ヒドロキシカルボン酸のt−ブチルエステル誘導体は置換されたフェニルイソシアネートと反応してフェニルカルバメート誘導体を生じる。次いで酸性条件下でt−ブチルエステル保護基を外してフェニルカルバメート酢酸誘導体を得る。次いで、アミンの存在下で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)のような活性化剤で化合物を処理することによって、または当業者に既知の他の方法によってカルボン酸基をアミドに変換する。
【0081】
一般的なスキーム及び実施例にて以下の略記が使用される:
Et3N: トリエチルアミン
CD3OD: 重水素化メタノール
Na2SO4: 硫酸ナトリウム
DMF: N,Nジメチルホルムアミド
EDCI/EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
HOBt: ヒドロキシベンゾトリアゾール
THF: テトラヒドロフラン
TMS: テトラメチルシラン
EtOAc: 酢酸エチル
HCO2H: ギ酸
DMAP: 4−ジメチルアミノピリジン
DCC: N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
HATU: 1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム 3−オキシド ヘキサフルオロホスフェート
DIEPA: N,N−ジイソプロピルエチルアミン
HCl: 塩酸
【0082】
この段階で、当業者は種々の一般的な化学反応を実施することによって本発明の範囲に入る多数の追加の化合物が調製され得ることを十分に理解するであろう。特定の具体的な化学変換の詳細が実施例にて提供される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1】式Iの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0084】
前述の一般的な記載及び以下の詳細な記載は双方とも例示のため、及び説明するためのみのものであって請求される本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。本明細書で使用されるとき、単数の使用には特に言及されない限り、複数が含まれる。
【0085】
本発明の化合物の一部は1以上の不斉中心を含有し得るので、化合物はジアステレオマーの形態と同様にエナンチオマーの形態で存在し得ることが当業者に容易に明らかであろう。それが特に言及されない限り、本発明の範囲はすべてのエナンチオマー、ジアステレオマー及びラセミ混合物を包含する。本発明の化合物の一部は薬学上許容可能な酸または塩基と塩を形成してもよく、本明細書で記載される化合物のそのような薬学上許容可能な塩も本発明の範囲内にある。
【0086】
本発明は薬学上許容可能な同位元素として濃縮された化合物すべてを包含する。本発明の任意の化合物は、たとえば、水素1H(またはH)の代わりに重水素2H(またはD)のような、または12Cの代わりに13Cを濃縮した物質の使用のような、濃縮された、または天然の比率とは異なる1以上の同位元素の原子を含有してもよい。N、O及びSについては類似の置換基を採用することができる。同位元素の使用は本発明の治療態様と同様に分析態様にて役立ち得る。たとえば、重水素の使用は本発明の化合物の代謝(速度)を変えることによって生体内での半減期を増やし得る。これらの化合物は、同位元素が濃縮された試薬の使用によって記載された調製に従って調製することができる。
【0087】
以下の実施例は、説明目的のみのためのものであって、どんな方法でも本発明を限定すると解釈するように意図されることはなく、または解釈されるべきではない。当業者は、以下の実施例の変化及び改変が本発明の精神または範囲を超えることなく行われ得ることを十分に理解するであろう。
【0088】
実施形態(1)では、式I:
【0089】
【化4】
【0090】
で表される化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは互変異性体;または前述のいずれかの薬学上許容可能な塩が提供され;
式中、
1は、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリール、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13、−C(O)R14または−OR15であり;
2は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13−C(O)R14または−OR15であり;
3は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13−C(O)R14または−OR15であり;
4は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13−C(O)R14または−OR15であり;
5は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、ハロゲン、NR1112、フッ素化されたC1-8アルキル、過フッ素化されたC1-8アルキル、−S(O)m13−C(O)R14または−OR15であり;
6は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換された複素環、−(CH2pCOOH、−(CH2p−NH2、−(CH2p−OH、−(CH2p−SH、−(CH2p−CONH2、−(CH2p−CONH2、−CH(OH)CH3、−(CH2pSCH3、−(CH2pNH−C(=NH)(NH2)または−CH26-10アリ−ルであり、その際、前記−C6-10アリ−ル任意で置換され;
6aは、Hまたは任意で置換されたC1-8アルキルであり;
7は、Hまたは任意で置換されたC1-8アルキルであり;
8はHであり;
9は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ルまたは任意で置換されたC3-8シクロアルケニルであり;
10は、−(CH2nOR16、−(CH2nS(O)2OH、−(CH2nC(O)R17、−(CH2nOS(O)2OH、−(CH2nNR1819、−(CH2nP(O)(OC1-6アルキル)2、−(CH2nP(O)(OC1-6アルキル)OH、−(CH2n−P(O)(OH)2または任意で置換された複素環であり;
11は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ルまたは任意で置換されたC3-8シクロアルケニルであり;
12は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ルまたは任意で置換されたC3-8シクロアルケニルであり;
13は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、OHまたは任意で置換されたC3-8シクロアルケニルであり;
14は、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニルまたは−OR15であり;
15は、Hまたは任意で置換されたC1-8アルキルであり;
16は、H、−C(O)(C1-8アルキル)または任意で置換されたC1-8アルキルであり;
17は、OH、−OC1-8アルキルまたはC1-8アルキルであり;
18は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、−C(O)R17及び−S(O)2N(C1-8アルキル)2から成る群から選択され;
19は、H、任意で置換されたC1-8アルキル、任意で置換されたC3-8シクロアルキル、任意で置換された複素環、任意で置換されたC6-10アリ−ル、または任意で置換されたC3-8シクロアルケニル、−C(O)R17及び−S(O)2N(C1-8アルキル)2から成る群から選択され;
pは1、2または3であり;
nは0、1、2、3、4、5、6、7または8であり;
mは0、1または2であり;
その際、
各C1-8アルキル置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-8アルキル、C3-8シクロアルキル、アミノ、複素環、C6-10アリ−ル、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、リン酸、ニトロ、アミド、スルホンアミド、カルボン酸エステル及びケトンから成る群から選択され;
各C3-8シクロアルキル置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、スルホニルC1-8アルキル、スルホキシドC1-8アルキル、スルホンアミド、ニトロ、−OC1-8アルキル、−SC1-8アルキル基、−C1-8アルキル、ケトン、アルキルアミノ、アミノ、C6-10アリ−ル及びC3-8シクロアルキルから成る群から選択され;
各複素環置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、−OC1-8アルキル、スルホニルC1-8アルキル、スルホキシドC1-8アルキル、ニトロ、−SC1-8アルキル、−C1-8アルキル、ケトン、アルキルアミノ、アミノ、C6-10アリ−ル及びC3-8シクロアルキルから成る群から選択され;
各C6-10アリ−ル置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、スルホニルC1-8アルキル、スルホキシドC1-8アルキル、スルホンアミド、カルボン酸、C1-8アルキルカルボン酸(エステル)、アミド、ニトロ、−OC1-6アルキル、−SC1-8アルキル、−C1-8アルキル、ケトン、アルキルアミノ、アミノ及びC3-8シクロアルキルから成る群から選択され;
各C3-8シクロアルケニル置換基は独立してハロゲン、ヒドロキシル、スルホニルC1-8アルキル、スルホキシドC1-8アルキル、ニトロ、−OC1-6アルキル、−SC1-6アルキル、−C1-6アルキル、ケトン、アルキルアミノ、アミノ、C6-10アリ−ル及びC3-8シクロアルキルから成る群から選択される。
【0091】
実施形態(2)では、実施形態(1)に従って化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは互変異性体;または前述のいずれかの薬学上許容可能な塩が提供され、式中、
nは0または1であり;
10は−(CH2nOR16、−(CH2nC(O)R17、−(CH2nS(O)2OH、−(CH2nNR1819、−(CH2n−P(O)(OC1-6アルキル)2、−(CH2n−P(O)(OC1-6アルキル)OH、−(CH2n−P(O)(OH)2または任意で置換された複素環であり;
16はHまたは−C(O)(C1-8アルキル)であり;
17はOHまたは−OC1-8アルキルであり;
18はHであり;且つ
19は、H、−C(O)R17及び−S(O)2N(C1-8アルキル)2から成る群から選択される。
【0092】
実施形態(3)では、実施形態(1)または(2)のいずれか1つに従って化合物が提供され、式中、R9はHである。
【0093】
実施形態(4)では、実施形態(1)〜(3)のいずれか1つに従って化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは互変異性体;または前述のいずれかの薬学上許容可能な塩が提供され、式中、
6はH、任意で置換されたC1-8アルキルまたは−CH2−C6-10アリールであり、その際、前記C1-6アリールは任意で置換され;且つ
6aはHである。
【0094】
実施形態(5)では、実施形態(1)〜(4)のいずれか1つに従って化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは互変異性体;または前述のいずれかの薬学上許容可能な塩が提供され、式中、
7はH、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルまたはt−ブチルである。
【0095】
実施形態(6)では、実施形態(1)〜(5)のいずれか1つに従って化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは互変異性体;または前述のいずれかの薬学上許容可能な塩が提供され、式中、R1はハロゲン、フッ素化されたC1-8アルキル及び過フッ素化されたC1-8アルキルから選択される。
【0096】
実施形態(7)では、実施形態(1)〜(6)のいずれか1つに従って化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは互変異性体;または前述のいずれかの薬学上許容可能な塩が提供され、式中、R2、R3、R4及びR5のそれぞれはHである。
【0097】
実施形態(8)では、実施形態(1)〜(7)のいずれか1つに従って化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは互変異性体;または前述のいずれかの薬学上許容可能な塩が提供され、式中、R10は任意で置換された複素環であり、該複素環は、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール及びチアゾールから選択される。
【0098】
実施形態(9)では、実施形態(1)〜(8)のいずれか1つに従って化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは互変異性体;または前述のいずれかの薬学上許容可能な塩が提供され、式中、
nは0または1であり;
1はハロゲン、フッ素化されたC1-8アルキル及び過フッ素化されたC1-8アルキルから選択され;
2、R3、R4及びR5のそれぞれはHであり;
6はH、任意で置換されたC1-8アルキルまたは−CH26-10アリールであり、前記C6-10アリールは任意で置換され;
6aはHであり;
9はHであり;
10は−(CH2nOR16、−(CH2nC(O)R17 、−(CH2n-S(O)2OH、−(CH2nNR1819、−(CH2nC(O−P(O)(OC1-6 アルキル)2、−(CH2n−P(O)(OC1-6アルキル)OH、−(CH2n−P(O)(OH)2または任意で置換された複素環であり;
16はHまたは−C(O)(C1-8アルキル)であり;
17はOHまたは−OC1-8アルキルであり;
18はHであり;且つ
19は、H、−C(O)R17及び−S(O)2N(C1-8アルキル)2から成る群から選択される。
【0099】
実施形態(10)では、実施形態(1)〜(9)のいずれか1つに従って化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは互変異性体;または前述のいずれかの薬学上許容可能な塩が提供され、式中、−CH2−C6-10アリールは任意で置換されたベンジルである。
【0100】
実施形態(11)では、実施形態(1)〜(10)のいずれか1つに従って化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー若しくは互変異性体;または前述のいずれかの薬学上許容可能な塩が提供され、式中、C1-8アルキルは独立してメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びt−ブチルから選択され、R7はH、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルまたはt−ブチルである。
【0101】
実施形態(12)では、
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート;
tert−ブチル {[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](メチル)アミノ}アセテート;
(2S)−1−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
ジエチル ({[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}メチル)ホスホネート;
(2S)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート;
(2S)−1−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−4−メチル−1−オキソペンタン−2−イル(4−ブロモフェニル)カルバメート;
ジエチル ({[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}メチル)ホスホネート;
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロピル)アミノ}アセテート;
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロパン−2−イル)アミノ}アセテート;
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](エチル)アミノ}アセテート;
tert−ブチル {メチル[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル] カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
tert−ブチル {エチル[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}アセテート;
(2S)−4−メチル−1−オキソ−1−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]ペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
(2S)−4−メチル−1−オキソ−1−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]ペンタン−2−イル [4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート;
(2S)−4−メチル−1−[メチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]−1−オキソペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
(2S)−4−メチル−1−[メチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]−1−オキソペンタン−2−イル [4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート;
2−{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}エチルアセテート;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸;
{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](メチル)アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロピル)アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロパン−2−イル)アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](エチル)アミノ}酢酸;
{メチル[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
{エチル[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}酢酸;
(2S)−4−メチル−1−{メチル[2−(スルホオキシ)エチル]アミノ}−1−オキソペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
({(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}アミノ)メタンスルホン酸;
tert−ブチル [{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}(プロピル)アミノ]アセテート;
tert−ブチル (イソプロピル{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}アミノ)アセテート;
(1S)−1−{[エチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
(1S)−1−{[エチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル [4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート;
(1S)−1−[({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}アミノ)カルボニル]−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
tert−ブチル {[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル]アミノ}アセテート;
(1S)−1−ベンジル−2−オキソ−2−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]エチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
tert−ブチル {[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル](メチル)アミノ}アセテート;
[{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}(プロピル)アミノ]酢酸;
(イソプロピル{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}アミノ)酢酸;
(1S)−1−{[(2−アミノエチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
{[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル]アミノ}酢酸;
{[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル](メチル)アミノ}酢酸;及び
(1S)−1−{[(2−{[(ジメチルアミノ)スルホニル]アミノ}エチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート;
及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー及び互変異性体;及び前述のいずれかの薬学上許容可能な塩から成る群から選択される化合物が提供される。
【0102】
実施形態(13)では、
(S)−tert−ブチル 2−(((4−ブロモフェニル)カルバモイル)オキシ)−4−メチルペンタノエート;
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタン酸;
tert−ブチル (2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノエート;
(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタン酸;
tert−ブチル (2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノエート;及び
(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパン酸
及びそのエナンチオマー、ジアステレオマー及び互変異性体;及び前述の塩から成る群から選択される化合物が提供される。
【0103】
実施形態(14)では、有効成分としての実施形態(1)〜(13)のいずれか1つに係る、治療上有効な量の化合物と薬学上許容可能な補助剤、希釈剤またはキャリアとを含む医薬組成物が提供される。
【0104】
実施形態(15)では、そのような治療を必要とする対象にて眼の炎症性の疾患または状態を治療する方法が提供され、該方法は実施形態(1)〜(13)のいずれか1つに係る、治療上有効な量の化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0105】
実施形態(16)では、実施形態(15)に係る方法が提供され、眼の炎症性の疾患または状態が、ブドウ膜炎、ドライアイ、角膜炎、アレルギー性眼疾患、感染性角膜炎、ヘルペス角膜炎、角膜血管新生、リンパ管形成、網膜炎、脈絡膜炎、急性多発性小板状色素上皮症、ベーチェット病、術後角膜創傷治癒、白内障手術後の炎症、湿性及び乾性の加齢黄斑変性症(ARMD)から選択される。
【0106】
実施形態(17)では、そのような治療を必要とする対象にて皮膚の炎症または皮膚疾患を治療する方法が提供され、該方法は実施形態(1)〜(13)のいずれか1つに係る、治療上有効な量の化合物を含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0107】
実施形態(18)では、実施形態(17)に係る方法が提供され、皮膚の炎症または皮膚疾患は、皮膚創傷治癒、肥厚性瘢痕、ケロイド、火傷、酒さ、アトピー性皮膚炎、ざ瘡、乾癬、脂漏性皮膚炎、光線角化症、基底細胞癌、有棘細胞癌、黒色腫、ウイルス性イボ、紫外線による老化、光損傷、黒皮症、炎症後色素沈着過剰、色素沈着の障害、及び脱毛症(瘢痕性及び非瘢痕性の形態)から選択される。
【0108】
当業者に明らかであるように、個々のジアステレオ異性体形態は従来の方法でその混合物を分離することによって得ることができ;クロマトグラフィ分離が採用され得る。
【0109】
化合物の名称はACDLabsバージョン12.5によって生成された。実施例で使用された中間体及び試薬の名称の一部は、たとえば、Chem Bio Draw Ultraバージョン12.0またはMDL ISIS Draw2.5SP1からのAuto Nom2000のようなソフトウエアによって生成された。
【0110】
一般に、化合物の性状分析は以下の方法に従って実施される。300または600MHzのVarianNMR分光計でNMRスペクトルを記録し、室温で取得する。化学シフトは内部TMSまたは溶媒のシグナルのいずれかを参照したppmで得られる。式Iの化合物のほとんどは回転異性体として得られた。
【0111】
合成が記載されていない試薬、溶媒、触媒はすべて、たとえば、Sigma Aldrich、Fluka、Bio−Blocks、Combi−blocks、TCI、VWR、Lancaster、Oakwood、Trans World Chemical、Alfa、Fisher、Maybridge、Frontier、Matrix、Ukrorgsynth、Toronto、Ryan Scientific、SiliCycle、Anaspec、Syn Chem、 Chem−Impex、MIC−scientific、Ltdのような化学物質の販売会社から購入するが、一部の既知の中間体は公開された手順に従って調製した。
【0112】
特に言及されない限り、普通、本発明の化合物は中圧液体クロマトグラフィによって精製した。
【0113】
実施例1
中間体1
(S)−tert−ブチル 2−(((4−ブロモフェニル)カルバモイル)オキシ)−4−メチルペンタノエート
【0114】
【化5】
【0115】
(2S)−2−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン酸と1,1−ジメチルエチルエステル(1.10g,5.85ミリモル)と25mLの塩化メチレンの溶液に25℃にてイソシアン酸4−ブロモフェニル(1.15g,5.85ミリモル)とトリエチルアミン(1.22mL,8.78ミリモル)を加えた。得られた混合物を25℃で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン(8:92)用いたシリカゲル上での中圧液体クロマトグラフィによって精製して粘性の油として中間体1を得た。
1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.33−7.47(m,4H),4.87(m,1H),1.56−1.91(m,1H),1.47(s,9H),0.93−1.04(m,6H)
【0116】
中間体2
tert−ブチル (2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ]ペンタノエート
【0117】
【化6】
中間体2は中間体1について実施例1で記載された手順に類似する方法にて相当するα−ヒドロキシカルボン酸エステルから調製した。中間体2は白色固形物として得られた。1H NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.52−7.67(m,4H),4.89(m,1H),1.71−1.92(m,2H),1.58−1.70(m,1H),1.47(s,9H),0.98(t,J=6.2Hz,6H)
【0118】
実施例2
中間体3
(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタン酸
【0119】
【化7】
【0120】
中間体1の溶液(1.53g,3.98ミリモル)と20mLのギ酸を25℃で5時間撹拌した。得られた混合物の反応を水(20mL)で止め、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。残留物を塩化メチレン:ヘキサン(1:9)で4回すすぎ、白色固形物として中間体3を得た。1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.33−7.45(m,4H),4.94−5.04(m,1H),1.73−1.95(m,2H),1.63−1.73(m,1H),0.98(dd,J=6.6,3.7Hz,6H)
【0121】
中間体4
(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ]ペンタン酸
【0122】
【化8】
【0123】
中間体4は中間体3について実施例2で記載された手順に類似する方法にて相当するカルバミン酸誘導体から調製した。中間体4は白色固形物として得られた。1HNMR(CD3OD,300MHz)δ:7.60−7.66(m,2H),7.53−7.59(m,2H),5.02(dd,J=9.2,3.7Hz,1H),1.76−1.91(m,2H),1.66−1.75(m,1H),0.99(dd,J=6.3,3.4Hz,6H)
【0124】
実施例3
化合物1
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}アセテート
【0125】
【化9】
【0126】
中間体3(300mg,0.911ミリモル)と12mLの無水DMFの溶液に25℃にてEDCI(262mg,1.37ミリモル)とHOBt(185mg,1.37ミリモル)とグリシンtert−ブチルエステル(179mg,1.37ミリモル)とN−メチルモルフォリン(184mg,1.82ミリモル)を加えた。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。混合物の反応を水(5mL)で止め、生成物を酢酸エチル(40mL)で抽出した。層を分離し、有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。得られた生成物を酢酸エチル:ヘキサン(1:4)を用いたシリカゲル上での中圧液体クロマトグラフィによって精製し、白色固形物として化合物1を得た。1HNMR(CD3OD,300MHz)δ:7.34−7.46(m,4H),5.10(dd,J=9.5,4.0Hz,1H),3.75−3.94(m,2H),1.73−1.92(m,2H),1.60−1.72(m,1H),1.45(s,9H),0.99(s,3H),0.97(s,3H)
【0127】
化合物2、3、4、5、6、7及び8は化合物1について実施例3で記載された手順に類似する方法にて相当するカルバミン酸誘導体から調製した。特に化合物3、4、7及び8は中間体3から調製し、化合物2、5及び6は中間体4から調製した。化合物2、3、4、5、6、7及び8は白色固形物として得られたが、その特徴を表1にて以下に記載する。
【表1】

【0128】
実施例4
化合物9
tert−ブチル {[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル](プロピル)アミノ}アセテート
【0129】
【化10】
【0130】
中間体3(170mg,0.52ミリモル)とDCC(106mg,0.52ミリモル)と14mLの無水ジクロロメタンの溶液を25℃で12時間撹拌した。混合物を濾過した。10%HCl(5mL)で濾液の反応を止め、生成物を酢酸エチル(20mL)で抽出した。層を分離し、有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。得られた生成物を酢酸エチル:ヘキサン(15:85)を用いたシリカゲル上での中圧液体クロマトグラフィによって精製し、白色固形物として化合物9を得た。1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.30−7.47(m,4H),5.39(d,J=11.1Hz,1H),4.19(d,J=17.0Hz,1H),3.75(d,J=17.0Hz,1H),3.38(t,J=7.5Hz,2H),1.66−1.95(m,3H),1.52−1.64(m,2H),1.44(s,9H),0.91−1.07(m,9H)
【0131】
化合物10、11、12、13、14、15、16及び17は化合物9について実施例4で記載された手順に類似する方法にて相当するカルバミン酸誘導体から調製した。特に化合物10、11、14及び16は中間体3から調製し、化合物12、13、15及び17は中間体4から調製した。化合物10、11、12、13、14、15、16及び17はそれぞれ白色固形物として得られたが、それらの特徴を表2にて以下で記載する。
【表2】

【0132】
実施例5
化合物18
2−{[(2S)−4−メチル−2−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ペンタノイル]アミノ}エチル アセテート
【0133】
【化11】
【0134】
化合物6(50mg,0.14ミリモル)と4mLの無水THFと無水酢酸(0.014mL,0.15ミリモル)の溶液を25℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、得られた生成物を酢酸エチル:ヘキサン(4:6)を用いたシリカゲル上での中圧液体クロマトグラフィによって精製し、透明な油として化合物18を得た。1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.51−7.70(m,4H),5.04(dd,J=9.1,3.3Hz,1H),4.05−4.21(m,2H),3.47(m,2H),1.99(s,3H),1.71−1.90(m,2H),1.63(m,1H),0.99(s,3H),0.97(s,3H)
【0135】
実施例6
化合物19
{[(2S)−2−{[(4−ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}−4−メチルペンタノイル]アミノ}酢酸
【0136】
【化12】
【0137】
化合物1(368mg,0.83ミリモル)と8mLのギ酸の溶液を25℃で12時間撹拌した。得られた反応物の反応を水(10mL)で止め、生成物をEtOAcで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をアセトン:ヘキサン(1:99)で4回すすぎ、白色固形物として化合物19を得た。1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:8.26(s,1H),7.33−7.45(m,4H),5.06−5.17(m,1H),3.84−4.04(m,2H),1.74−1.90(m,2H),1.63−1.74(m,1H),0.99(s,3H),0.97(s,3H).
【0138】
化合物20、21、22、23、24、25及び26は化合物19について実施例6で記載された手順に類似する方法にて相当するエステル誘導体から調製した。特に化合物20は化合物2から調製し、化合物21は化合物3から調製し、化合物22は化合物9から調製し、化合物23は化合物10から調製し、化合物24は化合物11から調製し、化合物25は化合物12から調製し、化合物26は化合物13から調製した。化合物20、21、22、23、24、25及び26は白色固形物として得られ;それらの特徴を表3にて以下で記載する。
【表3】

【0139】
実施例7
化合物27
(2S)−4−メチル−1−{メチル[2−(スルホオキシ)エチル]アミノ}−1−オキソペンタン−2−イル (4−ブロモフェニル)カルバメート
【0140】
【化13】
【0141】
化合物4(166mg,0.42ミリモル)と8mLの無水THFの溶液に25℃にてアルゴンのもとでEt3N(0.12mL,0.84ミリモル)とDMAP(56mg,0.42ミリモル)とクロロ硫酸2,2,2−トリクロロエチル(205mg,0.84ミリモル)とを加えた。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した。混合物の反応を10%HCl(2mL)で止め、生成物を酢酸エチル(20mL)で抽出した。層を分離し、有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。得られた生成物をメタノール:ジクロロメタン(15:85)を用いたシリカゲル上での中圧液体クロマトグラフィによって精製し、オフホワイトの固形物として化合物27を得た。1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.38(s,4H),5.32−5.44(m,1H),4.08−4.28(m,2H),3.39−3.67(m,2H),3.25(s,3H),1.71−1.96(m,2H),1.50−1.70(m,1H),1.00(d,J=5.0Hz,6H)
【0142】
実施例8
化合物28
({(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}アミノ)メタンスルホン酸
【0143】
【化14】
【0144】
中間体4(750mg,2.35ミリモル)と10mLのDMFの溶液に25℃にてアミノメタンスルホン酸(260mg,2.35ミリモル)とHATU(983mg,2.58ミリモル)とジイソプロピルエチルアミン(0.49mL,2.82ミリモル)とを加えた。得られた混合物を100℃で12時間撹拌した。混合物を濃縮し、反応を水(4mL)で止め、生成物を酢酸エチル(20mL)で抽出した。層を分離し、有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。残留物をメタノール:ジクロロメタン(15:85)を用いたシリカゲル上での中圧液体クロマトグラフィによって精製し、白色固形物として化合物28を得た。1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.51−7.69(m,4H),5.18(dd,J=9.2,3.7Hz,1H),4.22−4.48(m,2H),1.68−1.91(m,3H),0.99(s,3H),0.98(s,3H)
【0145】
実施例9
中間体2a
tert−ブチル (2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノエート
【0146】
【化15】
【0147】
中間体2aは中間体1について実施例1で記載された手順に類似した方法にて相当するアミノ酸から調製された。中間体2aは透明な油として得られた。[α]D=−13.7,(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.16−7.45(m,8H),5.07(dd,J=7.3,5.6Hz,1H),3.09−3.17(m,2H),1.35−1.42(m,9H)
【0148】
中間体4a
(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパン酸
【0149】
【化16】
【0150】
中間体4aは中間体3について実施例2で記載された手順に類似した方法にて相当するカルバミン酸誘導体から調製された。中間体4aは白色固形物として得られた。[α]D=−13.3,c=1.00,MeOH;1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.15−7.42(m,8H),5.20(s,1H),3.19−3.30(m,1H),3.05−3.17(m,1H)
【0151】
化合物29、30、31、32、33、34、35及び36は化合物9について実施例4で記載された手順に類似する方法にて相当するカルバミン酸誘導体から調製した。特に化合物29、30及び32は中間体4から得られ;化合物31及び33は中間体3から得られ;化合物34、35及び36は中間体4aから得られた。そのように得られた化合物の特徴を以下で記載する。
【0152】
化合物29
tert−ブチル [{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}(プロピル)アミノ]アセテート
【0153】
【化17】
【0154】
白色固形物;[α]D=−18.6(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.49−7.69(m,4H),5.41(d,J=10.3Hz,1H),4.20(d,J=17.3Hz,1H),3.76(d,J=16.7Hz,1H),3.36−3.45(m,1H),1.83(m,3H),1.56(m,2H),1.45(s,9H),0.88−1.09(m,9H);1H−NMRスペクトルは回転異性体の存在を示した。
【0155】
化合物30
tert−ブチル (イソプロピル{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}アミノ)アセテート
【0156】
【化18】
【0157】
白色固形物;[α]D=−22.3(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.51−7.67(m,4H),5.49(d,J=10.0Hz,1H),4.20−4.35(m,1H),3.89−4.05(m,1H),3.69−3.80(m,1H),1.77−1.98(m,2H),1.54−1.68(m,1H),1.44(s,9H),1.21−1.35(m,6H),0.91−1.06(m,6H);1H−NMRスペクトルは回転異性体の存在を示した。
【0158】
化合物31
(1S)−1−{[エチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート
【0159】
【化19】
【0160】
白色固形物;[α]D=−12.6(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.27−7.47(m,4H),5.34(m,1H),5.00(d,J=15.8Hz,1H),4.70(d,J=15.8Hz,1H),3.54−3.71(m,2H),1.72−1.96(m,2H),1.54(m,1H),1.35(t,J=7.2Hz,3H),0.90−1.07(m,6H);1HNMRスペクトルは回転異性体の存在を示した。
【0161】
化合物32
(1S)−1−{[エチル(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル [4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバメート
【0162】
【化20】
【0163】
白色固形物;[α]D=−9.1(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.51−7.69(m,4H),7.43(s,NH),5.28−5.44(m,1H),5.08(d,J=14.9Hz,1H),4.56−4.69(m,1H),3.48−3.64(m,1H),1.70−1.98(m,2H),1.58(m,1H),1.23−1.42(m,3H),0.93−1.07(m,6H);1H−NMRスペクトルは回転異性体の存在を示した。
【0164】
化合物33
(1S)−1−[({2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}アミノ)カルボニル]−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート
【0165】
【化21】
【0166】
白色固形物;[α]D=−12.4(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.40(s,4H),4.94−5.06(m,1H),3.24−3.31(m,2H),3.17(m,2H),1.79(m,2H),1.55−1.69(m,2H),1.40(s,9H),0.97(d,J=6.4Hz,6H)
【0167】
化合物34
tert−ブチル {[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル]アミノ}アセテート
【0168】
【化22】
【0169】
白色固形物;[α]D=−23.0(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.15−7.43(m,8H),5.27(s,1H),3.84(d,J=7.6Hz,2H),3.02−3.29(m,2H),1.46(s,9H)
【0170】
化合物35
(1S)−1−ベンジル−2−オキソ−2−[(1H−テトラゾール−5−イルメチル)アミノ]エチル (4−ブロモフェニル)カルバメート
【0171】
【化23】
【0172】
オフホワイトの固形物;1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.18−7.41(m,9H),5.22(m.,1H),4.66−4.85(m,2H),3.15−3.26(m,2H)
【0173】
化合物36
tert−ブチル {[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル](メチル)アミノ}アセテート
【0174】
【化24】
【0175】
白色固形物;[α]D=−18.3(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.20−7.45(m,9H),5.57(dd,J=8.4,5.4Hz,1H),4.02−4.15(m,2H),3.18(m,2H),3.16(S,3H),1.40−1.53(m,9H)
【0176】
化合物37、38、39、40及び41は化合物19について実施例6で記載された手順に類似する方法にて相当するエステル誘導体から調製した。特に化合物37は化合物29から得られ;化合物38は化合物30から得られ;化合物39は化合物33から得られ;化合物40は化合物34から得られ;化合物41は化合物36から得られた。そのように得られた化合物の特徴を以下で記載する。
【0177】
化合物37
[{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}(プロピル)アミノ]酢酸
【0178】
【化25】
【0179】
白色固形物;[α]D=−10.3(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.49−7.68(m,4H),5.42(d,J=10.8Hz,1H),4.34(d,J=17.3Hz,1H),3.81(d,J=17.3Hz,1H),3.36−3.57(m,1H),1.62−1.98(m,3H),1.61−1.48(m,2H),0.81−1.08(m,9H);1H−NMRスペクトルは回転異性体の存在を示した。
【0180】
化合物38
(イソプロピル{(2S)−4−メチル−2−[({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)オキシ]ペンタノイル}アミノ)酢酸
【0181】
【化26】
【0182】
白色固形物;[α]D=−9.5(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.47−7.68(m,4H),5.50(d,J=9.7Hz,1H),4.20−4.41(m,1H),3.96−4.17(m,1H),3.82(d,J=17.3Hz,1H),1.73−2.03(m,2H),1.61(m,1H),1.29(m,6H),0.83−1.16(m,6H);1H−NMRスペクトルは回転異性体の存在を示した。
【0183】
化合物39
(1S)−1−{[(2−アミノエチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート
【0184】
【化27】
【0185】
白色固形物;[α]D=−9.8(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.32−7.47(m,4H),4.94−5.03(m,1H),3.48(m,2H),2.99−3.10(m,2H),1.54−1.90(m,3H),0.94−1.02(m,6H)
【0186】
化合物40
{[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル]アミノ}酢酸
【0187】
【化28】
【0188】
白色固形物;[α]D=−13.1(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.15−7.43(m,8H),5.30(dd,J=8.6,4.2Hz,1H),3.84−4.02(m,2H),3.01−3.29(m,2H)
【0189】
化合物41
{[(2S)−2−({[(4−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}オキシ)−3−フェニルプロパノイル](メチル)アミノ}酢酸
【0190】
【化29】
【0191】
白色固形物;[α]D=−16.1(c=1.00,MeOH);1H−NMR(CD3OD,300MHz)δ:7.21−7.40(m,9H),5.58(dd,J=8.5,5.3Hz,1H),4.28(d,J=17.3Hz,1H),3.91(d,J=17.3Hz,1H),3.03−3.21(m,5H)
【0192】
化合物42
(1S)−1−{[(2−{[(ジメチルアミノ)スルホニル]アミノ}エチル)アミノ]カルボニル}−3−メチルブチル (4−ブロモフェニル)カルバメート
【0193】
【化30】
【0194】
14mLの無水THFとN,N−ジメチル塩化スルファモイル(33mg,0.23ミリモル)とEt3N(48mg,0.48ミリモル)14mLにおける化合物39(78mg,0.19ミリモル)の溶液を25℃で12時間撹拌した。混合物の反応を水(2mL)で止め、酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濾液を濃縮した。得られた生成物を酢酸エチル:ヘキサン(8:2)を用いたシリカゲル上での中圧液体クロマトグラフィによって精製し、白色固形物として化合物42を得た。1H−NMR(CD3OD,600MHz)δ:7.32−7.47(m,4H),4.97−5.07(m,1H),3.32(m,2H),3.07−3.19(m,2H),1.73−1.89(m,2H),1.64(m,1H),0.97(d,J=6.2Hz,6H).
【0195】
【化31】
【0196】
生物学的データ
式Iに係る化合物の生物活性を以下の表4で示す。安定してFPR2を発現しているCHO−Gα16細胞を(F12、10%FBS、1%PSA、400μg/mLのジェネティシン及び50μg/mLのハイグロマイシン)にて培養し、安定してFPR1を発現しているHEK−Gqi5細胞を(DMEM高グルコース、10%FBS、1%PSA、400μg/mLのジェネティシン及び50μg/mLのハイグロマイシン)にて培養した。一般に、実験の前日に18,000個の細胞/ウェルの細胞を384穴の透明底でポリ−D−リジンを被覆したプレートに播いた。翌日、スクリーニングする化合物が誘導するカルシウム活性をFLIPRTetra上でアッセイした。EP3及びMultiPROBEのロボット液体取り扱いシステムを用いて384穴マイクロプレートにて薬剤プレートを調製した。0.61〜10,000nMの範囲での濃度にて化合物を調べた。結果をEC50(nM)及び%効力値として表す。
【表4】







図1