特許第6496736号(P6496736)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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▶ ヌオーヴォ ピニォーネ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496736
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月3日
(54)【発明の名称】マルチセクション遠心圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04D 17/12 20060101AFI20190325BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20190325BHJP
   F04D 29/10 20060101ALI20190325BHJP
   F04D 29/056 20060101ALI20190325BHJP
【FI】
   F04D17/12
   F04D29/42 H
   F04D29/10 A
   F04D29/056 A
【請求項の数】16
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-540029(P2016-540029)
(86)(22)【出願日】2014年12月16日
(65)【公表番号】特表2016-540928(P2016-540928A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】EP2014077893
(87)【国際公開番号】WO2015091435
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年11月29日
(31)【優先権主張番号】CO2013A000069
(32)【優先日】2013年12月18日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】513243790
【氏名又は名称】ヌオーヴォ ピニォーネ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】NUOVO PIGNONE S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】サーリ,フランコ
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−041191(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0179961(US,A1)
【文献】 特開2010−031777(JP,A)
【文献】 特開2011−074888(JP,A)
【文献】 特開2011−074785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 17/12
F04D 29/42
F04D 29/10
F04D 29/056
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のセクション(2)および第2のセクション(3)を備えるマルチセクション遠心圧縮機(1)であって、各セクション(2、3)が、回転軸(A)を有する少なくとも1つのインペラ(4)を備え、各セクション(2、3)が、中央区域(2a、3a)および外周区域(2b、3b)も有し、各セクション(2、3)が、前記外周区域(2b、3b)に配置された入口ダクト(7、8)および吐出ダクト(9、10)を有し、前記第1のセクション(2)の前記吐出ダクト(9)が、前記第2のセクション(3)の前記入口ダクト(8)と流体連通して配置され、前記第2のセクション(3)が、前記第1のセクション(2)によって圧縮された流体を圧縮するように構成され、前記第2のセクション(3)の前記吐出ダクト(10)が、前記第1のセクション(2)の前記入口ダクト(7)に隣接する、マルチセクション遠心圧縮機(1)。
【請求項2】
前記第1のセクション(2)の前記吐出ダクト(9)が、前記圧縮機の端部に配置される、請求項1に記載の圧縮機(1)。
【請求項3】
前記第2のセクション(3)の前記吐出ダクト(10)および前記第1のセクション(2)の前記入口ダクト(7)を少なくとも部分的に画定する共通壁(13)も備える請求項1または2に記載の圧縮機(1)。
【請求項4】
前記第1のセクション(2)の前記吐出ダクト(9)と前記第2のセクション(3)の前記入口ダクト(8)が、前記共通壁(13)に関して反対側の端部に配置される、請求項3に記載の圧縮機(1)。
【請求項5】
前記第2のセクション(3)の前記吐出ダクト(10)と前記第1のセクション(2)の前記入口ダクト(7)との間に中間シール(14)も備える、請求項1乃至のいずれか1項に記載の圧縮機(1)。
【請求項6】
前記中間シール(14)が前記共通壁(13)の内側に配置される、請求項5に記載の圧縮機(1)。
【請求項7】
各インペラ(4)が、作動流体を入口(11)から引き込み、前記作動流体をディフューザ(12)内に吐出するように構成され、前記第2のセクション(3)のディフューザ(12)が、前記中間シール(14)を通して前記第1のセクション(2)の入口(11)と流体連通して配置される、請求項5または6に記載の圧縮機(1)。
【請求項8】
前記ディフューザ(12)がまた、前記中間シール(14)を通して前記第1のセクション(2)の前記吐出ダクト(9)と流体連通する、請求項7に記載の圧縮機(1)。
【請求項9】
前記中間シール(14)が、前記第1のセクション(2)に隣接する第1の部分(14a)、および前記第2のセクション(3)に隣接する第2の部分(14b)を備える、請求項8に記載の圧縮機(1)。
【請求項10】
前記第1の部分(14a)が、前記第1のセクション(2)の前記入口ダクト(7)に隣接する、請求項9に記載の圧縮機(1)。
【請求項11】
前記中間シール(14)の前記第2の部分(14b)が、前記第2のセクション(3)の前記吐出ダクト(10)に隣接する、請求項9または10に記載の圧縮機(1)。
【請求項12】
前記第1のセクション(2)の前記吐出ダクト(9)と外部環境との間にさらなるシール(17)も備え、第1の吐出スクロール(18)が前記第1の吐出ダクト(9)と流体連通し、前記さらなるシール(17)が、前記回転軸(A)と前記第1の吐出スクロール(18)との間に配置される、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の圧縮機(1)。
【請求項13】
前記第2の吐出ダクト(10)と流体連通する第2の吐出スクロール(19)も備え、前記第2の吐出スクロール(19)が、前記第2のセクション(3)の少なくとも1つのインペラ(4)に対して周方向に配置された、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の圧縮機(1)。
【請求項14】
前記第1のセクション(2)および前記第2のセクション(3)を少なくとも部分的に覆うケーシング(20)も備え、前記ケーシング(20)の内径が、前記第2の吐出スクロール(19)の外径に実質的に等しい、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の圧縮機(1)。
【請求項15】
前記第1のセクション(2)の前記吐出ダクト(9)の隣にスラスト軸受け(23)も備える、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の圧縮機(1)。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか1項に記載の2セクション圧縮機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチセクション遠心圧縮機に関する。このような圧縮機は、気体または蒸気状態の作動流体を処理するために使用される。例えば、このような圧縮機は、二酸化炭素を圧縮するために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
マルチセクション圧縮機は当技術分野で知られている。このような圧縮機は、第1のセクションおよび第2のセクションを備えていることがある。これらのセクションは直列に動作し、第2のセクションが第1のセクションの出力を処理する。
【0003】
両方のセクションは共通の軸上を回転し、各セクションは、それぞれが複数のブレードを有する複数のインペラを備える。各セクションのインペラは直列に配置される。したがって、作動流体は、開始圧力から最終圧力まで各インペラによって順番に圧縮される。
【0004】
各セクションは、中央区域および外周区域も有する。実際、各セクションは、外周区域に配置された入口ダクトおよび吐出ダクトを有する。第1のセクションの吐出ダクトは一般に、第2のセクションの入口ダクトと流体連通して配置される。言い換えれば、第2のセクションは、作動流体が第1のセクションで処理された後、作動流体を圧縮する。
【0005】
さらに、圧縮機は第1および第2の吐出スクロールを有し、それらは、作動流体を吐出ノズルへ運ぶために、第1および第2のセクションの最終インペラからそれぞれ作動流体を集める。ロータダイナミックの制約により、ロータ軸受けの間隔をできるだけ短く保つために、片方または両方の吐出スクロールは、上記の第1および第2のセクションのダイアフラムバンドルの戻り流路のUベンドの周方向外側に配置される。
【0006】
従来技術では、第1および第2のセクションは、「背中合わせ」または「直列」構成のどちらかで配置することができる。「背中合わせ」構成では、第1および第2のセクションの吐出スクロールは、圧縮機本体の中央に並べて配置される。「直列」配置では、第1のセクションの吐出スクロールは、これも圧縮機の中央に配置されるが、第2のセクションの入口に隣接する。また、第2段の吐出部は第1のセクションの入口の反対側に配置される。しかしながら、圧縮機のロータダイナミック挙動を許容できるようにするためにロータの軸受け間隔を短縮する必要のあるときは常に、第1のセクションの吐出スクロールは、「背中合わせ」および「直列」配置ともに、戻り流路のUベンドの外側に配置される。都合の悪いことに、吐出スクロールのサイズには、空気力学性能の要件が課せられるので、その結果として、圧縮機の外側ケーシングの直径は大きくなり、それは、圧縮機全体の重量、コスト、取り回し性に悪い影響を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0990798号明細書
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明の第1の実施形態は、少なくとも第1および第2のセクションを備えるマルチセクション遠心圧縮機である。各セクションは、複数のブレードを有する少なくとも1つのインペラを備える。各セクションは回転軸も有する。さらに、各セクションは、中央区域および外周区域を有する。各セクションは、外周区域に配置された入口ダクトおよび吐出ダクトを有する。第1のセクションの吐出ダクトは、第2のセクションの入口ダクトと流体連通して配置され、その結果、第2のセクションは、流体が第1のセクションによって圧縮された後、それを圧縮するように構成される。さらに、第1のセクションの吐出ダクトは、圧縮機の端部に配置される。第2のセクションの吐出ダクトは、第1のセクションの入口ダクトに隣接する。
【0009】
都合の良いことに、これによって、第1の吐出スクロールを圧縮機の軸方向末端に配置することができる。これによってまた、軸受け間隔を延ばすことなく、外側ケーシングの直径をかなり小さくすることができる。
【0010】
さらなる詳細および特定の実施形態は以下の添付図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態によるマルチセクション遠心圧縮機の側面断面図である。
図1a】本発明の第2の実施形態によるマルチセクション遠心圧縮機の側面断面の詳細図である。
図2図1のマルチセクション遠心圧縮機の概略図である。
図3図1aの実施形態によるマルチセクション遠心圧縮機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態を添付の図面を参照して以下で説明する。異なる図面における同じ参照符号は、同じまたは同様の要素とみなす。以下の詳細な説明は本発明を限定するものではない。その代わり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0013】
本明細書を通して「1つの実施形態」または「実施形態」として言及することは、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本開示の主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な箇所で「1つの実施形態では」または「実施形態では」という表現が現れるが、これらは、必ずしも同じ実施形態について言及している訳ではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な様態で組み合わせることができる。
【0014】
したがって、図において符号1で示すマルチセクション遠心圧縮機を添付の図を参照して説明する。このような遠心圧縮機1は、作動流体を開始圧力から最終圧力まで圧縮する機能を有する。これら2つの圧力の正確な値は、特定の用途に応じて変わり得る。しかしながら、開始圧力は、大気圧より低い圧力から数百バールまでの範囲になり得る。最終圧力は例えば800バールになり得る。
【0015】
詳細には、圧縮機1は、少なくとも第1のセクション2および第2のセクション3を備える。各セクション2、3は、中央区域2a、3aおよび外周区域2b、3bを有する。第1のセクション2は、作動流体を開始圧力から中間圧力まで圧縮する機能を有する。第2のセクション3は、作動流体を中間圧力から最終圧力まで圧縮する機能を有する。例えば、開始圧力が10バールで、最終圧力が100バールの場合、中間圧力は、例えば、35バールとすることができる。また、各セクション2、3は、入口ダクト7、8、および吐出ダクト9、10を有する。これらのダクト7、8、9、10は、各セクションの外周区域2b、3bに配置される。ダクト7、8、9、10についてのさらなる詳細を本開示の以下の部分で説明する。
【0016】
より詳細には、各セクション2、3は、複数のブレード5を有する少なくとも1つのインペラ4を備える。図1に示す本発明の実施形態によれば、各セクション2、3は複数のインペラ4を備える。各セクション2、3のインペラ4は直列に配置され、その結果、各インペラ4によって圧縮された作動流体は次のインペラ4に供給されてさらに圧縮される。各インペラは、インペラ4の中心近くにある入口11から作動流体を引き込み、ディフューザ12に吐出する。具体的には、各インペラ4のディフューザ12は、次のインペラ4の入口11と直接流体連通して配置される。各セクション2、3の最初のインペラ4の入口11は、各入口ダクト7、8と直接流体連通して配置される。最終インペラ4のディフューザ12は、各セクション2、3の吐出ダクト9、10と流体連通して配置される。
【0017】
さらに、圧縮機1は、第1のセクション2の吐出ダクト9と流体連通する第1の吐出スクロール18も備える。第1の吐出スクロール18は、第1のセクション2に対してオーバーハングして外周に配置されるのが好ましい。圧縮機1は、第2のセクション3の吐出ダクト10と流体連通する第2の吐出スクロール19も備える。各セクション2、3の最終インペラ4のディフューザ12は、各吐出スクロール18、19と直接流体連通して配置されるのが好ましい。さらに詳細には、吐出スクロール18、19は、各セクション2、3の最終インペラ4のディフューザ12から来る流体を集める可変セクションを有する実質的に円形の流路である。実際、吐出スクロール18、19はまた、作動流体を各セクション2、3の吐出ダクト9、10へ運ぶことができるように配置される。図1の実施形態によれば、第2の吐出スクロール19は、第2のセクション3に対して外側に配置される。吐出スクロール18、19は、それ自体、遠心圧縮機の分野では知られており、したがって、本開示ではさらに詳細に説明することはしない。
【0018】
圧縮機1は、第1のセクション2および第2のセクション3の両方に接続されたシャフト6を備える。シャフトはモータ(図面には示されていない)に接続され、モータは、シャフト6に、したがって、第1のセクション2および第2のセクション3の両方のインペラ4に動力を与える。具体的には、シャフト6は、その回転軸である中心軸「A」を有する。
【0019】
各セクション2、3は、図示の実施形態では、シャフト6の中心軸「A」と同一である回転軸を有する。言い換えれば、セクション2、3は同軸である。
【0020】
第1のセクション2の吐出ダクト9は、第2のセクション3の入口ダクト8と流体連通して配置される。言い換えれば、第2のセクション3は、第1のセクション2によって圧縮された流体を圧縮するように構成される。したがって、第2のセクション3は、圧縮過程の観点からは、第1のセクション2に対して下流に配置される。また、熱交換器15は、第1のセクション2の吐出ダクト9と第2のセクション3の入口ダクト8との間に配置される。したがって、作動流体は、第1のセクション2と第2のセクション3との間で冷却される。
【0021】
図1に示す実施形態によれば、第2のセクション3の吐出ダクト10は、第1のセクション2の入口ダクト7に隣接する。さらに詳細には、圧縮機1は、第2のセクション3の吐出ダクト10を少なくとも部分的に画定する壁13を備える。実際、壁13は中間ダイアフラムとして働いて、第1のセクション2の入口ダクト7と第2のセクション3の吐出ダクト10との間の圧力差による軸方向の荷重に耐えることが課せられる。壁13は、第1のセクション2の入口ダクト7および第2のセクション3の吐出ダクト10の両方を受け入れながら、圧縮機の軸受け間隔を長くする影響を最小限にするような形状でもある。壁13の傾斜した形状はまた、その厚さを薄くしながら軸方向の部分的なたわみを最小限にすることを意味している。
【0022】
本発明の実施形態によれば、圧縮機1は、第2のセクション3の吐出ダクト10と第1のセクション2の入口ダクト7との間に中間シール14を備える。言い換えれば、中間シール14は、上記の開始圧力と最終圧力との間で動作する。さらに詳細には、中間シール14は、壁13の内側に取り付けられる。中間シール14はラビリンスシールが好ましいが、任意の適切な種類の知られたシールも使用することができる。
【0023】
さらに詳細には、第2のセクション3の最終段は、第1のセクション2の入口ダクト7と中間シール14を通じて流体連通して配置される。言い換えれば、作動流体は、第2のセクション3の最終インペラ4から第1のセクション2の入口ダクト7に戻って流れることができ、これは、第2のセクション3の吐出ダクト10の最終圧力と第1のセクション2の入口ダクト7の開始圧力との間の圧力差によって駆動される。
【0024】
このような配置での効率の損失を抑えるために、中間シール14の代替の実施形態が図1aおよび3に示される。具体的には、例えば、図3に示すように、第2のセクション3の最終インペラ4のディフューザ12も、中間シール14を通して第1のセクション2の吐出ダクト9と流体連通して配置することができる。この構成では、中間シール14は、第1の部分14aおよび第2の部分14bを備える。中間シール14の第1の部分14aは第1のセクション2に隣接する、具体的には、第1のセクション2の入口ダクト7に隣接する。中間シール14の第2の部分14bは第2のセクション3に隣接する、具体的には、第2のセクション3の吐出ダクト10に隣接する。
【0025】
さらに詳細には、追加のシールガスライン16が設けられる。ライン16は、中間シール14の部分14a、14bの間のチャンバ22と流体連通して、かつ第1のセクション2の吐出ダクト9と、好ましくは、熱交換器15の上流で流体連通して配置される。
【0026】
このようにして、中間シール14の高圧側、すなわち第2の部分14bから来る高温の漏れは、同様に高温の第1のセクションの吐出部から来るガスと混合される。この混合は熱交換器15の上流で生じて、前記漏れおよび第1のセクション2から来る吐出ガスの両方を冷却する。
【0027】
上記のように、第1のセクション2の吐出ダクト9とチャンバ22との間を流体接続することによって、吐出ダクト9がチャンバ22に対してより大きな寸法のため、チャンバ22内の圧力を中間の圧力と同様の圧力にすることができる。このようにして、チャンバ22と第1のセクション2の入口との間の圧力差が小さくなり、その結果、これらの2つ区域の間の漏れも軽減される。
【0028】
この特定の実施形態では、圧縮機1は、2つのさらなるシールシステム17も備える。第1のさらなるシールシステム17は、第1のセクション2の最終段と外部環境との間に配置される。実際、さらなるシールシステム17は、中心軸「A」と第1の吐出スクロール18との間に配置される。第2のさらなるシ−ルシステム17は、第2のセクション3の入口ダクト8に隣接する。
【0029】
圧縮機1は、説明した本発明の実施形態による第1のセクション2の吐出ダクト9の隣に配置されたスラスト軸受け23も備える。このようなスラスト軸受け23はそれ自体当業者には知られており、したがって、さらに詳細に説明することはしない。
【0030】
実際、この実施形態では、圧縮機の2つの端部でのガス圧はほぼ同じ値である。この状態では、2つの圧縮機の端部の間のシールバランシングラインを必要としないので、圧縮機効率が向上することの他に、追加のシャフト端部のラビリンスシールを取り付けたり、バランスピストンを取り付けたりすることを必要としないので、圧縮機の軸受け間隔をさらに短くすることができる。
【0031】
圧縮機1は、第1のセクション2および第2のセクション3を少なくとも部分的に覆うケーシング20も備える。ケーシング20は、第1のセクション2および第2のセクション3の両方を含むことが好ましい。ケーシング20の内径は、第2の吐出スクロール19の外径と実質的に等しい。実際、セクション2、3の相互配置により、ケーシング20のサイズを、従来技術に対して実質的に小さくすることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 マルチセクション遠心圧縮機
2 第1のセクション
2a 中央区域
2b 外周区域
3 第2のセクション
3a 中央区域
3b 外周区域
4 インペラ
5 ブレード
6 シャフト
7 入口ダクト
8 入口ダクト
9 吐出ダクト
10 吐出ダクト
11 入口
12 ディフューザ
13 共通壁
14 中間シール
14a 中間シール第1の部分
14b 中間シールの第2の部分
15 熱交換器
16 シールガスライン
17 シール
18 第1の吐出スクロール
19 第2の吐出スクロール
20 ケーシング
22 チャンバ
23 スラスト軸受け
A 中心軸
図1
図1a
図2
図3