(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施の形態の1つについて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0014】
<1.システムの概要>
図1は、本実施形態に係るアクセス管理システム1の構成の一例を示している。
図1に示すように、アクセス管理システム1は、クラウドシステム20と、アクセス情報提供システム10と、端末装置30と、ウェブサーバ50が、インターネットや専用線等のネットワークNを介して互いに接続されて構成されている。また、ネットワークNには、店舗Sの端末(以下、「店舗端末」ともいう。)40が接続されている。さらに、端末装置30とアクセス情報提供システム10と店舗Sの電話機41とは電話回線によっても接続されている。なお。電話回線はアナログ回線やデジタル回線だけでなく、IP電話機等が接続可能でインターネット網や無線回線を含んでもよい。
【0015】
図1に記載した番号を参照しながらアクセス管理システム1が提供するサービスの概要について説明する。まず、ユーザは端末装置30を操作して、ウェブサーバ50にアクセスし、当該ウェブサーバ50が提供するウェブサイトを閲覧する(矢印(1))。なお、ウェブサーバ50が提供するウェブサイトの種類に限定はないが、この実施例では、賃貸情報を提供するサイトとして説明する。ウェブサーバ50が提供するウェブサイトの例として、他にも、飲食店等の情報サイト、人材サービスのサイト、通販サイト、ECサイト等種々のサイトが挙げられる。
【0016】
端末装置30を用いてサイトに掲載された賃貸情報を閲覧したユーザは、より詳細な情報を得る等のために、不動産会社の店舗Sに電話をかけて直接問合せを行うことが考えられる。このときウェブサーバ50は、クラウドシステム20に対して、ウェブページに掲載される賃貸情報を管理する店舗に問い合わせるための電話番号(識別番号の一例である。以下「発信先電話番号」ともいう。)の発番を依頼し、発番された発信先電話番号をウェブページ上に表示する(矢印(2))。本実施形態では、クラウドシステム20は、発信先電話番号として、業者識別番号と、店舗識別番号と、個別枝番とを組み合わせた番号から構成される電話番号を発番する。なお、業者識別番号と、店舗識別番号と、個別枝番との桁数は任意の値が設定される。
【0017】
ユーザは、例えば端末装置30を用いて、発信先電話番号に架電する(矢印(3))。発信先電話番号に対する架電は、一度アクセス情報提供システム10において取り次がれる。アクセス情報提供システム10では、取り次いだ発信先電話番号に対応する店舗Sの電話機41に、ユーザからの電話を転送する(矢印(4))。このとき、アクセス情報提供システム10は、クラウドシステム20に参照依頼を行うことで、ユーザが架電した際に閲覧していたウェブページの情報(URL)等を含むアクセス情報を取得することができる(矢印(5))。なお、アクセス情報は、ユーザが端末装置30を用いて閲覧したウェブページの情報(URL等)の他、閲覧順や閲覧日時等の履歴、閲覧したウェブページに入力した情報等を含んでもよい。また、ユーザは、端末装置30以外の電話機を用いて架電することも可能である。この場合、端末装置30はアクセス情報提供システム10と電話回線によって接続されていなくてもよい。
【0018】
このようなサービスの提供を実現するアクセス管理システム1の詳細な構成について、以下に説明する。
【0019】
<2.詳細構成>
<2−1.端末装置>
端末装置30は、ネットワークNに接続されたコンピュータである。具体的には、端末装置30は、例えば携帯電話やスマートフォン、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistants)、タブレット、ウェアラブル(Wearable)端末等によって実現される。
【0020】
端末装置30は、少なくともウェブブラウザ等の、ウェブサイトを閲覧するための機能を有している。
【0021】
<2−2.ウェブサーバ>
ウェブサーバ50は、ネットワークNに接続されたPCやサーバ装置等によって実現される。
図2はウェブサーバ50の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、ウェブサーバ50は、提供部501と、ユーザ特定部502と、発番依頼部503と、記憶部530とを有している。
【0022】
記憶部530には、ウェブサイトを構成するためのウェブページ等のデータが記憶されている。さらに、
図2に示すように、記憶部530には、店舗情報テーブル531が記憶されている。
【0023】
図3は店舗情報テーブル531の一例を示す図である。
図3に示すように、店舗情報テーブル531には、店舗のIDと、店舗管理番号(事業者識別番号と店舗識別番号とを組み合わせた番号である。)と、転送先電話番号(実際の店舗の電話番号である。)とが対応付けられて記憶されている。
【0024】
提供部501は、端末装置30からウェブページへのアクセス要求を受けた場合に、対応するURLのウェブページを記憶部530から読み出して、端末装置30へ送信する。さらに提供部501は、端末装置30の閲覧履歴に基づいてアクセス情報を作成することができる。
【0025】
ユーザ特定部502は、端末装置30をネットワークNにおいて一意に特定するユニークIDを発行する。例えばユーザ特定部502は、端末装置30がウェブページにアクセスした際に当該端末装置30のブラウザに発行されるクッキーに一意なIDを対応付けて、この対応づけたIDをユニークIDとしてもよい。また、端末装置30からMACアドレスやIPアドレス等の端末装置30を識別可能な情報を取得し、当該識別可能な情報と対応付けて管理するIDをユニークIDとしてもよい。なお、ユニークIDは端末装置30を識別可能なものであれば、これらに限定されず、任意のものでよい。
【0026】
発番依頼部503は、端末装置30から所定のウェブページへのアクセス要求があった場合に、クラウドシステム20に対して、発信先電話番号の発番について依頼を行う。このとき発番依頼部503は、店舗情報テーブル531を参照してアクセス要求があった当該ウェブページに掲載される住宅を管理する店舗のIDを特定する。発番依頼部503は、生成されたアクセス情報及びユニークIDと、特定された店舗IDに対応する店舗管理番号とをクラウドシステム20に対して通知して、発番依頼を行う。
【0027】
<2−3.クラウドシステム>
クラウドシステム20は、クラウドC上で管理されるシステムであり、インターネットや専用線等のネットワークNに接続されたPCやサーバ装置群等によって実現される。
図4は、クラウドシステム20の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、クラウドシステム20は電話番号発番部203と、参照部204と、記憶部230とを有している。
【0028】
図4に示すように記憶部230には、電話番号テーブル232と、アクセス情報テーブル233と、架電済みテーブル234とが記憶されている。
【0029】
図5Aは、電話番号テーブル232の一例を示す図である。
図5Aに示すように、電話番号テーブル232には、後述する電話番号発番部203が発番した発信先電話番号(業者識別番号+店舗識別番号+個別枝番)に、最終発番日時が対応付けられて記憶されている。
【0030】
図5Bは、アクセス情報テーブル233の一例を示す図である。
図5Bに示すように、アクセス情報テーブル233には、後述する電話番号発番部203が発番した発信先電話番号(業者識別番号+店舗識別番号+個別枝番)に、ユニークIDと、アクセス情報と、発番日時とが対応付けられて記憶されている。ユニークIDはユーザ特定部502によって生成(または取得)された、ネットワークNにおいて一意に端末装置30を識別可能なIDである。
【0031】
また、アクセス情報テーブル233における発番日時は、ユニークIDに対応する端末装置30に対して発信先電話番号が発番された日時である。他方で、上述の電話番号テーブル232における最終発番日時は、その発信先電話番号が最後に発番された日時である。したがって、例えばアクセス情報テーブル233において、複数のユニークIDに対して同一の発信先電話番号が紐づいている場合には、電話番号テーブル232には、最後に発番されたユニークIDに紐づく発番日時が最終発番日時として登録されることになる。
【0032】
図5Cは、架電済みテーブル234の一例を示す図である。
図5Cに示すように、架電済みテーブル234には、発信先電話番号(業者識別番号+店舗識別番号+個別枝番)に、ユニークIDと、アクセス情報と、発番日時と、発信者IDと、初回架電日時とが対応付けられて記憶されている。架電済みテーブル234における発番日時は、アクセス情報テーブル233と同様である。初回架電日時は、発信元電話番号から、発信先電話番号に初めて電話があった日時を示している。
【0033】
発信者IDは、後述する架電受け部101がユーザからの電話を受けた場合に、ユーザの電話番号(以下、「発信元電話番号」ともいう。)と紐づけて管理するためのIDである。クラウドシステム20上では、発信者IDを用いてユーザの電話番号を管理することで、クラウドシステム20上にユーザの電話番号を登録する必要がなくなり、セキュリティレベルを向上させることができる。
【0034】
電話番号発番部203は、ウェブサーバ50から発番依頼があった場合に、発信先電話番号を発番する。
図6を参照して電話番号発番部203の処理について説明する。
図6は、電話番号発番部203の処理フローの一例を示すフローチャートである。
【0035】
電話番号発番部203は、発番依頼を受信すると、次の条件を満たすレコードをアクセス情報テーブル233から検索する(S101)。
(検索条件)
・発番依頼に含まれるユニークIDに一致する。
・現在日時が、発番日時より後の日時であり、発番日時から所定の紐付け期間が経過する前の日時(アクセス可能期限の経過前)である。
なお、猶予期間の詳細については
図7を用いて後述するが、発番した発信先電話番号に対して架電がされない状態で、発信先電話番号とアクセス情報との対応関係を維持する期間である。
【0036】
条件を満たすレコードがアクセス情報テーブル233に登録されている場合(S103:YES)には、対応する発信先電話番号を発番する。電話番号発番部203は発番した発信先電話番号を含むウェブページを提供部501によって端末装置30に送信させる。これによって、一度あるユーザに発信先電話番号を発番した後、所定の期間(紐付け期間)内に再度同じユーザが同じウェブページを訪れた場合には、同一の発信先電話番号を発番することができる。
【0037】
他方、条件を満たすレコードがアクセス情報テーブル233に登録されていない場合(S103:NO)には、電話番号発番部203は、ランダム番号生成処理を行う。この処理において、電話番号発番部203は、ランダム番号を生成した生成回数が所定の試行回数以下である場合(S105:YES)に、まずランダムな番号から個別枝番を生成する(S107)。次に、電話番号発番部203は、生成した個別枝番が利用可能か確認するために、以下の条件を満たすレコードを電話番号テーブル232から検索する(S109)。なお、このとき参照部204は、生成回数をインクリメントする(S111)。
(検索条件)
・発番依頼に含まれる店舗管理番号と、個別枝番とを組み合わせた番号に一致する。
・現在日時が、最終発番日時より後の日時であり、かつ、最終発番日時から有効期限を経過する前の日時である。
【0038】
上記の検索条件を満たすレコードが見つからなかった場合には、電話番号発番部203は、生成した個別枝番が利用可能であると判断する。このS105からS111までの処理を、利用可能な個別枝番が生成される(S113:NO)か、生成回数が試行回数より大きくなる(S105:NO)まで繰り返し実行する。
【0039】
利用可能な個別枝番が生成される(S113:NO)と、電話番号発番部203は、生成した個別枝番を店舗管理番号とを組み合わせて発信先電話番号を発番(S115)する。さらに電話番号発番部203は、発番依頼に含まれるこのユーザのアクセス情報を取得し、電話番号テーブル232とアクセス情報テーブル233にレコードを追加する(S117)。
【0040】
参照部204は、アクセス情報提供システムからの要求(後述する参照要求)があった場合に、架電が行われた日時がどの期間であるかを判定し、判定結果に基づいて発信先電話番号に対応するアクセス情報を返すか否かを決定する。なお、参照要求は、少なくとも発信者IDと発信先電話番号と架電日時を含む。
【0041】
図7を用いて、参照部204が判定する期間の例について説明する。まず、発番日時に所定の紐づけ期間(例えば10分)を加えた日時をアクセス情報期限という。アクセス情報期限までに架電があった場合には、参照部204は架電があった発信先電話番号に対応するアクセス情報をアクセス情報提供システム10に返す。他方で、アクセス情報期限を経過するまでに一度もある発信先電話番号に架電がなかった場合には、その後に当該発信先電話番号に架電があったとしても、参照部204は、架電があった発信先電話番号に対応するアクセス情報は存在しないと判断し、アクセス情報提供システム10には空の値を返す。また、アクセス情報期限までに発信先電話番号に架電がなかった場合には、上述の電話番号発番部203は、発信先電話番号を発番したユーザと同一のユニークIDの端末装置30に対しても異なる発信先電話番号を発番する。
【0042】
次に、発番日時に所定の猶予期間(例えば1時間)を加えた日時を有効期限という。アクセス情報期限を経過するまでに一度もある発信先電話番号に架電がなかった場合には、アクセス情報期限の経過後、有効期限の経過前に当該発信先電話番号に架電があったとしても、参照部204は、架電があった発信先電話番号に対応するアクセス情報は存在しないと判断するのは上述のとおりである。
【0043】
また、初回架電日時から所定のリダイヤル期間(例えば1日)を加えた日時がリダイヤル可能期限である。初回架電のあと、リダイヤル可能期限までに架電があった場合には、参照部204は、リダイヤルであると判定し、架電があった発信先電話番号に対応するアクセス情報を返す。なお、リダイヤル可能期限は有効期限よりも先に到来する期限でもよい。
【0044】
さらに、リダイヤル可能期限から所定の抑止期間(例えば1か月)を加えた日時が再紐づけ抑止期限である。リダイヤル可能期限のあと、再紐づけ抑止期限までに架電があった場合には、参照部204は、架電があった発信先電話番号に対応するアクセス情報は存在しないいと判断し、アクセス情報提供システム10には空の値を返す。
【0045】
図8を用いて参照部204の処理について説明する。
図8は、参照部204の処理フローの一例を示すフローチャートである。
【0046】
参照部204は、アクセス情報提供システム10から参照要求を受信すると、架電済みテーブル234に以下の条件を満たすレコードが登録済みであるか検索を行う(S201)。
(検索条件)
・参照要求に含まれる発信者IDと発信先電話番号との組み合わせが一致する。
・架電日時が、初回架電日時より後の日時であり、かつ、初回架電日時から再紐付け抑止期限を経過する前の日時である。
【0047】
条件を満たすレコードが存在した場合(S203:YES)には、一度架電を行ったユーザがリダイヤルを行ったのだと考えられるため、参照部204はリダイヤル処理を行う。リダイヤル処理として、参照部204は、参照要求に含まれる架電日時が、リダイヤル可能期間内であるかを判定する(S202)。リダイヤル可能期間内である場合(S202:YES)には、参照部204は、S201の処理で検索したレコードに対応するアクセス情報をアクセス情報提供システム10に返す(S204)。他方で、リダイヤル可能期間外である場合(S202:NO)には、参照部204は、空の値をアクセス情報提供システム10に返す(S206)。
【0048】
他方で、S201において、条件を満たすレコードが存在しなかった場合(S203:NO)には、初回の架電であると考えられるため、参照部204は紐づけ処理を行う。紐づけ処理として、参照部204は、まず紐づけ可能なアクセス情報がアクセス情報テーブル233に登録されているかを確認するために、以下の条件を満たすレコードをアクセス情報テーブル233から検索する(S205)。
(検索条件)
・参照要求に含まれる発信先電話番号と一致する。
・架電日時が、発番日時より後の日時であり、かつ、発番日時からアクセス情報期限を経過する前の日時である。
【0049】
条件を満たすレコードが存在しない場合(S207:NO)には、参照部204は空の値をアクセス情報提供システム10に返す(S208)。他方で、条件を満たすレコードが存在する場合(S207:YES)には、参照部204は、検索したアクセス情報がすでに他のユーザに紐づいていないかの確認を行う。具体的には、参照部204は、以下の条件を満たすレコードを架電済みテーブル234から検索する(S209)。
(検索条件)
・検索したアクセス情報に一致する。
【0050】
条件を満たすレコードが存在する場合(S211:YES)、すなわち検索したアクセス情報がすでに他のユーザに紐づいている場合には、参照部204は空の値をアクセス情報提供システム10に返す(S208)。他方で、条件を満たすレコードが存在しない場合(S211:NO)、すなわち検索したアクセス情報が利用可能である場合には、検索したアクセス情報をアクセス情報提供システム10に返す(S213)。さらに、参照部204は、検索したアクセス情報(並びに、対応する発番日時及びユニークID)に、参照要求に含まれる発信先電話番号、発信者ID、架電日時を紐づけ、架電済みテーブル234を更新する(S215)。
【0051】
このように、本実施形態に係る参照部204は、発番日時からの経過期間に応じて、アクセス情報を返すか否かを決定する。これによって、一度発番された発信先電話番号について、ユーザはリダイヤル可能になるとともに、一定期間経過後の架電についてはアクセス情報を対応付けない。したがって、ユーザによる架電と、ユーザがウェブページを閲覧したこととの相関関係をより適切に評価することができる。
【0052】
<2−4.アクセス情報提供システム>
アクセス情報提供システム10は、データセンタDにおいて構築されており、インターネットや専用線等のネットワークNに接続されたPCやサーバ装置群等によって実現される。
図9を参照して、本実施形態に係るクラウドシステムの機能構成について説明する。
図9は、アクセス情報提供システム10の機能ブロック図の一例を示す図である。アクセス情報提供システム10は、架電受け部101と、問合せ部102と、アクセス情報提供部103と、記憶部130とを有している。また、記憶部130には、店舗情報テーブル131と、ユーザ情報テーブル132と、架電履歴テーブル133が記憶されている。なお、店舗情報テーブル131は、
図3に示したものと同様である。
【0053】
図10Aはユーザ情報テーブル132の一例を示す図である。
図10Aに示すように、ユーザ情報テーブル132には、発信者IDと発信元電話番号とが対応付けられて記憶されている。
【0054】
図10Bは架電履歴テーブル133の一例を示す図である。
図10Bに示すように発信者IDに、発信元電話番号、発信先電話番号、架電日時、アクセス情報が対応付けられて記憶されている。
【0055】
架電受け部101は、ユーザが発信先電話番号に架電した際に、店舗情報テーブル131を参照して適切な店舗の転送先電話番号に転送を行う。架電受け部101は、発信先電話番号のうち、店舗管理番号(すなわち個別枝番を除外した番号)に基づいて、転送先を決定する。このとき、架電受け部101は、ユーザ情報テーブル132を参照して、発信元電話番号がすでに登録済みのものであるか検索する。発信元電話番号が未登録のものである場合には、架電受け部101は、新たに発信者IDを発行し、発信元電話番号と対応付けてユーザ情報テーブル132を更新する。
【0056】
さらに架電受け部101は、架電履歴テーブル133に架電履歴を登録する(発信者ID、発信元電話番号、発信先電話番号、架電日時)。
【0057】
問合せ部102は、ユーザから発信先電話番号に架電があった場合に、当該発信先電話番号に紐づけられているアクセス情報があるか、クラウドシステム20に参照依頼を行う。クラウドシステム20から発信先電話番号に紐づけられたアクセス情報が通知された場合には、当該アクセス情報を、架電履歴テーブル133の対応するレコードに登録することができる。
【0058】
アクセス情報提供部103は、ウェブサーバ50に架電履歴テーブル133のデータを送信する。なお、アクセス情報提供部103は、このとき店舗Sにおける店舗端末40にも架電履歴テーブル133のデータを送信することも可能である。
【0059】
このように、本実施形態に係る架電受け部101は個別枝番に関わらず店舗へと電話を転送することができる。これによって、一度発番された発信先電話番号について、ユーザは架電し続けることができる。
【0060】
図11は、
図7で示した各期限において、初回架電前と初回架電後とに行われる処理について整理した表である。
図11の例では、ユーザAがページBにアクセスし、発信先電話番号Xが発番されている例について説明する。
【0061】
まず、ユーザAから発信先電話番号Xへの初回架電がアクセス情報期限の経過前までに行われた場合には、ユーザAのアクセス情報は発信先電話番号Xと対応付けられて架電済みテーブル234に記録される(
図11、1行目参照)。
【0062】
次に、ユーザAから発信先電話番号Xへのリダイヤルはリダイヤル可能期限前まではユーザAのアクセス情報は発信先電話番号Xと対応付けられて架電済みテーブル234に記録される(
図11、3行目参照)。
【0063】
また、ユーザAが再度ページBにアクセスした場合に、同一の発信先電話番号Xが発番されるのは、アクセス情報期限経過前である(
図11、5行目)。他方で、ユーザAとは異なるユーザがページBにアクセスした場合に発信先電話番号Xが発番されることが抑止されるのは、有効期限経過前までである(
図11、6行目参照)。
【0064】
なお、初回架電前後のいずれの場合においても、発信先電話番号Xへ架電があった場合には、発番日時からの経過期限に関わらず対応する店舗への転送処理は行われる。
【0065】
<3.ハードウェア構成>
以下、
図12を参照しながら、上述してきたアクセス情報提供システム10、クラウドシステム20、端末装置30、店舗端末40、ウェブサーバ50をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0066】
図12に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801、メモリ803、記憶装置805、入力I/F部807、データI/F部809、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。
【0067】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、アクセス情報提供システム10の架電受け部101や問合せ部102、アクセス情報提供部103、クラウドシステム20の電話番号発番部203、参照部204、ウェブサーバ50の提供部501やユーザ特定部502、発番依頼部503などは、メモリ803に一時記憶された上で、主にプロセッサ801上で動作するプログラムとして実現可能である。
【0068】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0069】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、店舗情報テーブル531、電話番号テーブル232、アクセス情報テーブル233、架電済みテーブル234、店舗情報テーブル131、ユーザ情報テーブル132、架電履歴テーブル133を記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0070】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0071】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0072】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0073】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0074】
[その他の実施形態]
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。例えば既述の実施形態では、アクセス情報提供システム10とウェブサーバ50とは、別システムとして構築される構成として説明したが、これに限定されず、アクセス情報提供システム10は、クラウドシステム20と同一のシステムとして構築されてもよい。