特許第6496795号(P6496795)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6496795ブレードサーバーハウジング及その液体冷却装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496795
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】ブレードサーバーハウジング及その液体冷却装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20190401BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20190401BHJP
【FI】
   G06F1/20 C
   H05K7/20 N
   G06F1/20 A
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-194364(P2017-194364)
(22)【出願日】2017年10月4日
(65)【公開番号】特開2018-190373(P2018-190373A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2017年10月4日
(31)【優先権主張番号】15/581,491
(32)【優先日】2017年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508018934
【氏名又は名称】廣達電腦股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 朝 榮
(72)【発明者】
【氏名】陳 志 明
(72)【発明者】
【氏名】陳 逸 傑
【審査官】 境 周一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/069226(WO,A1)
【文献】 特開2010−114121(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/040129(WO,A1)
【文献】 特開2004−363308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16−1/20
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレードサーバーのハウジングに使用される液体冷却装置であって、
前記ハウジングは、ブレードサーバーを収容するスロットを備え、
前記ブレードサーバーは、熱を生じるプロセッサーおよびその熱を前記プロセッサーから発散する伝熱ブロックを備え、
前記ブレードサーバーが前記ハウジング内に配置される場合、前記伝熱ブロックは、前記ハウジングの伝熱ゾーンに位置決めされ、
前記液体冷却装置は、マニホールドと、第1導管と、第2導管と、を備え、
前記マニホールドは、前記伝熱ゾーンに延出する冷却表面を支持するように前記ハウジングに設置され、
前記冷却表面は、冷却液注入口および熱液排出口を備えて前記伝熱ブロックを通過する冷却液導管を備え、
前記伝熱ゾーンにある冷却表面は、前記伝熱ブロックと接触し、
前記第1導管は、冷却液供給器を前記冷却液注入口に連通させ、
前記第2導管は、前記熱液排出口を前記伝熱ゾーンから離れた位置と連通させ
前記マニホールドと前記冷却液導管の間にバルブを有し、前記ブレードサーバーが前記スロットに挿入される場合、前記バルブは前記冷液を前記冷却液導管に提供するように開放することを特徴とする、液体冷却装置。
【請求項2】
記ハウジング内の前記スロットは、第1数量で第1方向に沿って互いに間隔を置いて配置され、かつ、
前記マニホールドは、前記第1方向に沿って互いに間隔を置いて配置される第2数量の冷却表面を備え、かつ、
前記第2数量は、前記第1数量より大きいまたは等しいことを特徴とする、請求項1に記載の液体冷却装置。
【請求項3】
前記第1導管および前記第2導管は、前記第1方向に沿って延出し、かつ、
前記第2数量の冷却表面は、前記第1方向に略垂直な第2方向に沿って延出していることを特徴とする、請求項2に記載の液体冷却装置。
【請求項4】
前記冷却表面は、略円形の断面寸法を有し、かつ、
前記伝熱ブロックは、前記冷却表面と接触する凹溝を備えることを特徴とする、請求項1に記載の液体冷却装置。
【請求項5】
前記マニホールドは、チャネルを定義する周壁を備え、かつ、
前記冷却表面は、前記チャネル内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の液体冷却装置。
【請求項6】
ハウジングと、スロットと、マニホールドと、第1導管と、第2導管と、を備えるブレードサーバーハウジングであって、
前記スロットは、ブレードサーバーを収容するように前記ハウジング内に配置され、
前記ブレードサーバーは、熱を生じるプロセッサーおよびその熱を前記プロセッサーから発散する伝熱ブロックを備え、
前記マニホールドは、前記伝熱ゾーンに延出する冷却表面を支持するように前記ハウジングに設置され、
前記冷却表面は、冷却液注入口および熱液排出口を備えて前記伝熱ブロックを通過する冷却液導管を備え、
前記伝熱ゾーンに位置決めされる冷却表面は、前記伝熱ブロックと接触し、
前記第1導管は、冷却液供給器を前記冷却液注入口と連通させ、
前記第2導管は、前記熱液排出口を前記伝熱ゾーンから離れるように連通させ、
前記マニホールドと前記冷却液導管の間にバルブを有し、前記ブレードサーバーが前記スロットに挿入される場合、前記バルブは前記冷液を前記冷却液導管に提供するように開放することを特徴とする、ブレードサーバーハウジング。
【請求項7】
前記ブレードサーバーハウジングは、前記ハウジングから熱を排出するように前記ハウジングに設置されるファンを、さらに備えることを特徴とする、請求項6に記載のブレードサーバーハウジング。
【請求項8】
前記マニホールドは、前記ハウジングの前記ファンに相対する内側に配置されることを特徴とする、請求項7に記載のブレードサーバーハウジング。
【請求項9】
前記マニホールドは、チャネルを定義する周壁を備え、かつ、
前記冷却表面は、前記チャネル内に配置されることを特徴とする、請求項6に記載のブレードサーバーハウジング。
【請求項10】
前記冷却液注入口は、前記周壁の孔に挿通されることを特徴とする、請求項9に記載のブレードサーバーハウジング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一種のオンボードの高性能プロセッサーを備えるブレードサーバー用のハイブリッド冷却式ハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
ブレードサーバー用のハウジングは、通常、互いに間隔を置いて垂直に配置される複数のブレードサーバーを収容する。このタイプのハウジングは、典型的に1つまたは複数のブレードサーバーに搭載されたプロセッサーで生じる熱空気を排出するように、1つまたは複数のファンを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
プロセッサー速度の上昇につれて、プロセッサーを駆動するために必要な電流が増加し、プロセッサーで生じる熱も増加する。ファンが不十分な場合に、ハウジングは、プロセッサーを損壊するほどの温度に達する。そのため、プロセッサーの処理速度を強制的に低下させて、高温による損傷を避けている。
【0004】
よって、ブレードサーバーハウジングにおいて、追加的な冷却方法が必要である。本発明は、ブレードサーバーハウジングに搭載する液体冷却表面を備える装置を提供し、より好ましくは、ハウジング内の各ブレードサーバー専用の液体冷却表面を備える装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ブレードサーバーハウジングに使用される液体冷却装置を提供する。ハウジングは、ブレードサーバーを収容するスロットを有し、ブレードサーバーは、熱を生じるプロセッサーおよびその熱をプロセッサーから発散する伝熱ブロックを有する。ブレードサーバーがハウジング内に配置される場合、伝熱ブロックは、ハウジングの伝熱ゾーンに位置決めされる。液体冷却装置は、スロットと平行である平面に延出し伝熱ゾーンに延出する冷却表面を支持するように、ハウジングに設置されるマニホールドを、有する。冷却表面は、冷却液注入口および熱液排出口を有する伝熱ブロックを通過する冷却液導管を、有する。ブレードサーバーがハウジングのスロットに位置決めされる場合、冷却表面は、伝熱ゾーンに位置決めされ、伝熱ブロックと接触するついでに、プロセッサーが生成した熱を排出する。第1導管は、冷却液供給器を前記冷却液注入口と連通し、かつ、第2導管は、熱液排出口を伝熱ゾーンから離れている位置と連通させる。
【0006】
ハウジングは、第1方向に沿って互いに間隔を置いて配置される第1数量のスロットを有し、かつ、マニホールドは、第1方向に沿って互いに間隔を置いて配置される第2数量の冷却表面を有し、そのうち、第2数量は、第1数量より大きいまたは等しい。第1導管および第2導管は、第1方向に沿って延出し、かつ、第2数量の冷却表面は、第1方向に略垂直な第2方向に沿って延出している。冷却表面は、略円形の断面寸法(cross−sectional dimension)を有し、かつ、伝熱ブロックは、冷却表面と接触する凹溝(concave channel)を有する。マニホールドは、チャネルを定義する周壁を有し、かつ、冷却表面は、チャネル内に配置される。
【0007】
本発明は、ブレードサーバーハウジングをさらに提供する。ハウジングは、熱を生じるプロセッサーを収容するブレードサーバーと、プロセッサーからの熱を排出するようにハウジングの伝熱ゾーンにある伝熱ブロックと、を有する。マニホールドは、スロットと平行である平面に延出し伝熱ゾーンに延出する冷却表面を支持するように、ハウジングに設置される。冷却表面は、冷却液注入口および熱液排出口を有する伝熱ブロックを通過する冷却液導管を有する。冷却表面は、伝熱ブロックと接触するように伝熱ゾーン内に位置決めされる。ハウジングは、冷却液供給器と冷却液注入口とを連通する第1導管と、熱液排出口を伝熱ゾーンから離れるように連通する第2導管と、をさらに有する。
【0008】
ブレードサーバーハウジングは、熱をハウジングから排出するようにハウジングに設置されるファンを、さらに有する。マニホールドは、ハウジングのファンに相対する内側に配置される。ハウジングは、第1方向に沿って互いに間隔を置いて配置される第1数量のスロットを有し、かつ、マニホールドは、第1方向に沿って互いに間隔を置いて配置される第2数量の冷却表面を有し、そのうち、第2数量は、第1数量より大きいまたは等しい。第1導管および第2導管は、第1方向に沿って延出し、かつ、第2数量の冷却表面は、第1方向に略垂直な第2方向に沿って延出している。冷却表面は、略円形の断面寸法を有し、かつ、伝熱ブロックは、冷却表面と接触する凹溝を有する。マニホールドは、チャネルを定義する周壁を有し、かつ、冷却表面は、チャネル内に配置される。
【0009】
本発明は、一種のハイブリッド冷却式ブレードサーバーハウジングをさらに提供し、ハウジングは、熱を生じるプロセッサーを収容するブレードサーバーと、プロセッサーからの熱を排出するようにハウジングの伝熱ゾーンに位置する伝熱ブロックと、を有する。マニホールドは、スロットと平行である平面に延出し伝熱ゾーンに延出する冷却表面を支持するように、ハウジングに設置される。冷却表面は、冷却液注入口および熱液排出口を有する伝熱ブロックを通過する冷却液導管を有する。冷却表面は、伝熱ブロックと接触するように、伝熱ゾーン内に位置決めされる。ハウジングは、熱をハウジングから排出するようにハウジング内に設置されるファンを、さらに有する。ファンは、ハウジングのマニホールドに相対する外側に位置決めされる。
【0010】
ハイブリッド冷却式ブレードサーバーハウジングは、第1方向に沿って互いに間隔を置いて配置される第1数量のスロットを有し、かつ、マニホールドは、第1方向に沿って互いに間隔を置いて配置される第2数量の冷却表面を有し、そのうち、第2数量は、第1数量より大きいまたは等しい。第1導管および第2導管は、第1方向に沿って延出し、かつ、第2数量の冷却表面は、第1方向に略垂直な第2方向に沿って延出している。冷却表面は、略円形の断面寸法を有し、かつ、伝熱ブロックは、冷却表面と接触する凹溝を有する。マニホールドは、チャネルを定義する周壁を有し、かつ、冷却表面は、チャネル内に配置され、かつ、周壁は、略C字形である。冷却液注入口は、周壁の孔に挿通される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】液体冷却式ブレードサーバーハウジングの斜視図である。
図2】ブレードサーバーがハウジング内に設置されている場合の液体冷却式ブレードサーバーハウジングの斜視図である。
図3】ブレードサーバーが完全にハウジング内に設置され、かつ、ブレードサーバーの伝熱ブロックが装置の冷却表面と接触している場合の液体冷却式ブレードサーバーハウジングの斜視図である。
図4】伝熱ブロックが装置の冷却表面と接触している状態でのブレードサーバーの平面図である。
図5】伝熱ブロックが装置の冷却表面から分離された状態でのブレードサーバーの平面図である。
図6】ブレードサーバーの斜視図である。
図7】ハウジングの伝熱ゾーンの拡大図である。
図8図4の線8−8に沿った断面部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を理解するために、添付の図面および添付書類を参照し、一例として以下に実施形態を説明する。図1は、液体冷却式ブレードサーバーハウジングの斜視図である。図2は、ブレードサーバーがハウジング内に設置されている場合の液体冷却式ブレードサーバーハウジングの斜視図である。図3は、ブレードサーバーが完全にハウジング内に設置され、かつ、ブレードサーバーの伝熱ブロックが装置の冷却表面と接触している場合の液体冷却式ブレードサーバーハウジングの斜視図である。図4は、ブレードサーバーの伝熱ブロックが装置の冷却表面と接触している状態のブレードサーバー平面図である。図5は、ブレードサーバーの伝熱ブロックが装置の冷却表面から分離された状態のブレードサーバー平面図である。図6は、ブレードサーバーの斜視図である。図7は、ハウジングの伝熱ゾーンの拡大図である。図8は、図4の線8−8に沿った断面部分の拡大図である。
【0013】
本発明は、異なる形態で実施することが可能であるが、本明細書に添付図面を参照しながら好ましい実施形態を、詳細に説明する。本開示の内容は、本発明の原理を説明する例示的な実施形態であり、本発明の範囲を制限する意図はない。
【0014】
図1図3に示されるのは、ハイブリッド冷却式ブレードサーバーハウジング10である。ハイブリッド冷却式ブレードサーバーハウジング10は、ブレードサーバー14を支持するようにハウジング内に設置されるスロット12または他のタイプの支持体を備える。説明のために、単一のブレードサーバー14が示されているが、ハウジングは、複数のブレードサーバーを収容することが可能である。ブレードサーバーは、第1方向に沿って互いに間隔を置いて配置される複数のスロット12に支持され、かつ、各ブレードサーバーは、互いに並行する複数の平面に延出する。例示的な実施形態において、複数のスロット12は、垂直方向に沿って互いに間隔を置いて配置される。だが、理解されるべきは、複数のスロット12は、水平方向に沿って互いに間隔を置いて配置することも可能であり、また、他の複数の平行である平面に沿って設置することも可能であることである。
【0015】
図4図8に示されたブレードサーバー14は、熱を生じるプロセッサー16およびその熱をプロセッサー16から排出する伝熱ブロック18または熱交換ブロックを備える。図面に示されているのは単一の伝熱ブロック18であるが、本発明の範囲から逸脱することなく、複数の伝熱ブロック18、例えば2〜10個の伝熱ブロック18を、各ブレードサーバーに設置することも可能であると理解されるべきであろう。伝熱ブロックは、銅、アルミニウム、黄銅、鉄、鋼などの熱を発散する材料で製造されるべきである。伝熱ブロック18の表面19(図5を参照)は、以下に説明される液体冷却表面(liquid−cooled surface)に接触するように構成されている。表面19は、熱交換能力を最大にするため、これらの熱交換表面の係合面積を最大にするための、冷却表面の形状に相補する形状を有することが可能である。適切な形状は、円形、楕円形、または、多角形の一部に相補する形状が含まれる。適切な多角形は、三角形、四角形、正方形、五角形などを含む3〜12個の頂点を有する多角形を含む。さらに、伝熱ブロックは、複数の冷却表面と接触するように配置することが可能である。
【0016】
伝熱ブロック18は、ブレードサーバーに直接または剛性連結を介して取り付けることが可能である。また、伝熱ブロック18は、軸を中心にして枢動可能に取り付けられ、ばね力によって付勢され、伝熱ブロック18が冷却表面42に連続的に押し付けられるようにすることも考えられる。伝熱ブロックの表面は、不規則または艶消し仕上げの表面を形成するように、加工することも可能である。
【0017】
ハウジングに「ハイブリッド冷却式」と名付けている理由は、ハウジングにおいて、冷却表面42をブレードサーバー14の伝熱ブロック18と接触するように位置決めすることと、ファンによって循環する冷気との冷却効果と、を結合しているためである。ブレードサーバーが完全にハウジングに挿入される場合、伝熱ブロック18の寸法は、冷却表面42と接触するように構成される。この位置において、伝熱ブロック18は、ブレードサーバーの伝熱ゾーン20において冷却表面42と接触する。伝熱ゾーン20は、プロセッサー16を囲む空間と、その空間から後方に延出するハウジングのファン領域72およびブレードサーバーの他の電子部品、放熱フィンまたは他の特徴を備える後方領域と、を含む。このようなハイブリッド冷却方法は、ブレードサーバーに使用される高速かつ高発熱のプロセッサーに適した環境を、提供する。
【0018】
本発明の一実施形態において、冷却表面42は、一般的に平坦で矩形であり、上端、下端および相対する側辺を備える。その表面は、連続材料ウエブ(web)であり、そのウエブの一側は、冷却表面42であってもよく、かつ、他側は、冷却液供給器からの冷却液に直接または間接的に接触しても良い。本発明の一実施形態において、冷却表面42は、矩形チューブの1つの面であり、冷却液は、そのチューブ内の管腔を通過して長さ方向に沿って流れる。単一の冷却表面42は、ハウジング内に収容された各ブレードサーバーまたはブレードサーバーのサブセットを、冷却することが可能である。
【0019】
冷却表面42は、複数の表面を備えることが可能である。それぞれの冷却表面の1つ以上の表面は、ハウジング内の伝熱ブロック18が設置され得る位置に対応する。例えば、5つのブレードサーバーを収容できるハウジングは、5つの冷却表面を備える。それぞれのブレードサーバーが対応する冷却表面は、1つ以上であっても良く、例えば、それぞれのブレードサーバーが2〜5個の冷却表面に対応する。また、1つの冷却表面が複数の伝熱ブロックに接触することも可能である。
【0020】
具体的な一実施形態において、冷却表面42は、実際、冷却液導管(chilled fluid conduit)であっても良く、熱を排出するように冷却液導管の表面を伝熱ブロック18と接触させる。
【0021】
図1〜3および図7に示されるように、垂直方向に間隔を置いて配置される複数の冷却表面42は、マニホールド30内に設置される。複数の冷却表面42は、それぞれブレードサーバー14の伝熱ブロック18と接触する。マニホールド30は、垂直チャネル34を定義する壁32を備える。壁32は、略矩形であるバックボーン(backbone)36を備える。バックボーン36は、バックボーン36と同じ方向に延出しかつバックボーン36から離れる末端フランジ(terminal flange)38を備える。末端フランジ38は、垂直方向に間隔を置いて配置される複数の貫通孔40を備える。末端フランジ38上の1つ貫通孔40は、末端フランジ38の向こう側にある貫通孔40と対応する。複数の冷却液導管42は、チャネル34を通って一方の末端フランジ38から対向する末端フランジ38まで延在し、かつ、その中の少なくとも1つは、伝熱ブロック18と係合している。複数の冷却液導管42は、一端44で冷却液を受け取り、伝熱ブロック18の熱を除去するために相対する末端46から、熱液を排出する。
【0022】
冷却液供給導管48は、末端フランジ38に沿って垂直に延出し、複数の分岐供給導管50に冷却液を圧力下で供給するための管腔49を備える。分岐供給導管50は、垂直方向に間隔を置いて配置され、かつ、冷却液供給導管48から略垂直に延出する(図5および図6を参照)。それぞれの分岐供給導管50は、それぞれの冷却液導管42の末端44と連通する。
【0023】
図5および図6に示されるように、熱液排出導管52は、末端フランジ38と相対して垂直に延出し、複数の分岐排出導管56からの熱液を、圧力下で排出する管腔54を備える。分岐排出導管56のそれぞれは、冷却液導管42のそれぞれの末端46と一対一的に連通する。図1に示されるように、熱液の流れは、下方向58に沿っており、冷却液の流れは、上方向60に沿っている。この配置は単なる例示であり、液体の流れが冷却表面(または複数の冷却表面)を提供できる限り、液体の流れの向きが変更されても良い。
【0024】
複数の冷却液導管42は、伝熱ゾーン20に設置される。冷却液導管42のそれぞれは、ハウジング10に液体冷却を提供するように、ブレードサーバー14のそれぞれの伝熱ブロック18と一対一的に係合する。ハウジング10は、ファン70をさらに備え、または、図4および図5に示されるように、ハウジング10から熱を排出するように設置される2つのファンを備える。図1図3に示されるのは、ファン70が取り外されたファン領域72である。ファン領域72は、冷却された空気が伝熱ゾーン20内に循環できるように、サーバー室と連通する通気口または開放壁を備える環境を有する。ファン70は、マニホールド30からハウジング10の外側に位置する。逆に言うと、マニホールド30は、ファン70またはファン領域72からハウジング10の内側に位置する。
【0025】
それぞれの冷却液導管42は、略円形の断面寸法を有するが、本発明の範囲を離脱しない限り、楕円形、多角形のような他の形も使用可能である。適切な多角形の形状は、三角形、四角形、正方形、五角形などを含む3〜12の頂点を有する多角形を含む。図7に示されるように、伝熱ブロック18は、それに相似または相補する溝74を備え、例えば、図面に示されるような波状、または、冷却液導管の形状と相補する任意の形状であっても良い。
【0026】
冷却液源から冷却表面への冷却液の流れを制御し、冷却表面から離れる熱液の流れを制御するバルブおよびポンプを設置することが考えられる。例えば、バルブを使用して、冷却液の流れを個別かつ独立に制御し、現有のブレードサーバーに対応する冷却表面だけに冷却液を提供することが可能である。つまり、現有のブレードサーバーに対応していないアイドル冷却表面には冷却液を提供しないようにする。最も好ましい冷却液は、液体水であるが、他の液体、気体、超臨界流体、例えば二酸化炭素(ドライアイス)および液体窒素であっても良い。
【0027】
図6に示されるのは、プロセッサー16を備えるブレードサーバー14である。ブレードサーバー14は、複数の熱交換管80を備える。一組の熱交換管は、プロセッサー16を伝熱ブロック18と連結し、もう一組の熱交換管80は、伝熱ブロック18を放熱フィン82と連結する。
【0028】
以上、本発明の様々な実施形態について説明したが、本発明の実施態様を限定するものではなく、例示として提示されたものであることを理解されたい。開示された実施形態に対する多数の変更が、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本明細書の開示に沿って行うことが可能である。したがって、本発明の範囲及び範囲は、上記いずれかの実施形態によって限定されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその同等の範囲によって定義されるべきである。
【0029】
本発明は、1つ又は複数の実施態様について説明されているが、本明細書及び添付の図面を理解した上で、当業者は同等の変更及び修正がなされるであろう。さらに、本発明の特定の特徴は、いくつかの実施態様の1つだけに開示されているかもしれないが、このような特徴は、所要又は特定の用途に対応するように、他の実施形態に記載された1つ又は複数の他の特徴と組み合わせることも可能である。
【0030】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」及び「前記(the)」は、文脈に明示されていない限り、複数形も含むことが意図している。さらに、「備える(including)」、「備える(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、又は、それらの変形が、詳細な説明及び/又は特許請求の範囲において使用される限り、そのような用語は、「備える(comprising)」という用語と同様、包括的であることを意図する。
【0031】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されることはないと理解されるであろう。
【符号の説明】
【0032】
10 ハウジング、
12 スロット、
14 ブレードサーバー、
16 プロセッサー、
18 伝熱ブロック、
19 表面、
20 伝熱ゾーン、
30 マニホールド、
32 C字形壁、
34 溝、
74 チャネル、
36 バックボーン、
38 末端フランジ、
40 貫通孔、
42 冷却表面(冷却液導管)、
44、46 末端、
48 冷却液供給導管、
49、54 管腔、
50 分岐供給導管、
52 熱液排出導管、
56 分岐排出導管、
58 下方向、
60 上方向、
70 ファン、
72 ファン領域、
80 熱交換管、
82 放熱フィン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8