(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6496799
(24)【登録日】2019年3月15日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】サンダル
(51)【国際特許分類】
A43B 3/12 20060101AFI20190401BHJP
【FI】
A43B3/12 J
A43B3/12 C
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-218769(P2017-218769)
(22)【出願日】2017年11月14日
【審査請求日】2017年11月14日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)展示日 平成29年10月18日 (2)展示会名、開催場所 パンジー春物総合展示会 神戸商工会議所3階神商ホールA(神戸市中央区港島中町6丁目1番地) (3)公開者 株式会社パンジー (4)出品した物の内容 株式会社パンジーが、畑中章男が発明したサンダルを展示した。
(73)【特許権者】
【識別番号】591131349
【氏名又は名称】株式会社パンジー
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】畑中 章男
【審査官】
大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−264258(JP,A)
【文献】
米国特許第04369589(US,A)
【文献】
米国特許第05802738(US,A)
【文献】
実開平07−005402(JP,U)
【文献】
米国特許第02526940(US,A)
【文献】
特開平09−056415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソールと、
ソールに固定される甲バンドと、を備えるサンダルであって、
前記ソールは、ソール本体と甲バンド取付部材とを有し、
前記甲バンド取付部材は、外側側に外側壁、内側側に内側壁並びに前記外側壁および内側壁の接地面側端部を連結する底壁を有し、
前記ソール本体は、外側面に前記外側壁を収納固定する外側壁収容凹部を、内側面に前記内側壁を収納固定する内側壁収容凹部を、接地面に前記底壁を収納固定する底壁収容凹部を有し、
前記甲バンドの外端部が前記外側壁に、前記甲バンドの内端部が前記内側壁に、少なくとも縫い合わせにより固定されているサンダル。
【請求項2】
前記ソール本体と甲バンド取付部材とが、異なる材質で構成されている請求項1に記載のサンダル。
【請求項3】
前記内側壁の内側側の側面および前記外側壁の外側側の側面に前記甲バンドを収納して取り付ける甲バンド取付凹部を有する請求項1または2に記載のサンダル。
【請求項4】
前記内側壁の前記外側壁に向かう側面と前記内側壁収容凹部の前記内側壁に向かう側面との間に前記甲バンドの内端部を収容する空間が形成され、前記外側壁の前記内側壁に向かう側面と前記外側壁収容凹部の前記外側壁に向かう側面との間に前記甲バンドの外端部を収容する空間が形成されている請求項1または2に記載のサンダル。
【請求項5】
前記底壁の前方に向かう側面と前記底壁収容凹部の後方に向かう側面とが離間して接地面の横方向に溝が形成され、前記底壁の後方に向かう側面と前記底壁収容凹部の前方に向かう側面とが離間して接地面の横方向に溝が形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のサンダル。
【請求項6】
前記ソール本体の色と前記甲バンド取付部材の色とが異なっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のサンダル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンダルに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレと風呂が同一の部屋で使用されるシャワーサンダルと呼ばれるサンダルが、スポーツにおけるウォームアップ時や練習・試合の後などに履くサンダルとして用いられるようになった。耐水性のある素材を使っているので、履いたままシャワーを浴びることも可能である。最近は、もともとの用途であるスポーツの前後やシャワー時だけではなく、日常生活において普段履く履物としても用いられている。
【0003】
従来の典型的なシャワーサンダルは、地面と接する底と呼ばれる部材と、足裏に接し、足裏の形状と合うように作られている中底と呼ばれる部材とが一体成形で作られている。そして、一体成形で作られる底と中底とは、一般的にソールと呼ばれる。このソールと足の甲の上にかかる甲バンドとを固定する方法としては、中底の側壁部分に甲バンドを納める凹部を形成し、この凹部に接着剤を塗り、中底と甲バンドとを接着固定をするのが一般的である。
【0004】
一体成形をされる底部材と中底部材との材質を異なるものとし、足裏と接する中底部材にはクッション性の良いものを使い、底部材の材料には中底部材の材料よりも少し硬い材料が良く使われる。ソールと甲バンドとを固定するその他の方法として、ソールの前後方向の中央部付近において底部材から上方に突出した板状の部分を形成し、この板状の部分に甲バンドを接着剤で接着固定する方法がある。この方法でソールと甲バンドを接着固定すると、甲バンドが固定される部分の材料の強度が高いので、甲バンドとソールとの固定強度が増す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のソールと甲バンドとを接着により固定する方法では、接着剤の接着強度に限界があるため、使用中に甲バンドがソールから外れるという問題がある。接着による固定以外のミシン掛けをして固定強度を上げようとしても、ソール側にミシン針を通して上糸をループ状にするための空間がないのでミシン掛けを行うことはできない。
【0006】
本発明は、ソールと甲バンドとを備えるサンダルにおいて、ソールと甲バンドの固定を少なくとも縫い合わせにより容易に固定することができるサンダルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明(1)は、ソールと、ソールに固定される甲バンドと、を備えるサンダルであって、前記ソールは、ソール本体と甲バンド取付部材とを有し、前記甲バンド取付部材は、外側側に外側壁、内側側に内側壁並びに前記外側壁および内側壁の接地面側端部を連結する底壁を有し、前記ソール本体は、外側面に前記外側壁を収納固定する外側壁収容凹部を、内側面に前記内側壁を収納固定する内側壁収容凹部を、接地面に前記底壁を収納固定する底壁収容凹部を有し、前記甲バンドの外端部が前記外側壁に、前記甲バンドの内端部が前記内側壁に、少なくとも縫い合わせにより固定されているサンダルである。
【0008】
本発明(1)の特徴は、ソールをソール本体と甲バンド取付部材の2つに分離したことにある。2つに分離することによって、甲バンド取付部材に設けられた外側壁に甲バンドの外端部を縫い合わせによって縫着固定し、甲バンド取付部材に設けられた内側壁に甲バンドの内端部を縫い合わせによって縫着固定できる。なお、「外側側(がいそくがわ)」という用語は、体の中心軸から離れたほうを意味し、「内側側(ないそくがわ)」という用語は、体の中心軸に近いほうを意味する。
【0009】
予め、甲バンド取付部材に甲バンドを縫い合わせにより固定しておき、その後、甲バンド取付部材の外側壁、内側壁および底壁をそれぞれ収容するソール本体の凹部とを接着などの方法によって固定することによって、ソールと甲バンドとが少なくとも縫い合わせにより固定されているサンダルを容易に製造することができる。
【0010】
本発明(2)は、前記ソール本体と甲バンド取付部材とが、異なる材質で構成されている本発明(1)に記載のサンダルである。
【0011】
甲バンド取付部材はサンダルの前後方向における中ほどにある部材であり、その下面は地面等と接触する。サンダルの底面は、スリップ等を防ぐために部分的に材質を変えたい場合があり、例えば、すべり抵抗を大きくするために甲バンド取付部材を摩擦係数が大きな熱可塑性樹脂とすることによって、使用用途に応じた機能を持たせることができる。
【0012】
本発明(3)は、前記内側壁の内側側の側面および前記外側壁の外側側の側面に前記甲バンドを収納して取り付ける甲バンド取付凹部を有する本発明(1)または(2)に記載のサンダルである。
【0013】
甲バンドの外側壁の外側側の側面および内側壁の内側側の側面に前記甲バンドを収納して取り付ける甲バンド取付凹部を有しているので、甲バンドの外端部を外側壁の外側側に、甲バンドの内端部を内側壁の内側側に取り付けたとしても、甲バンドが外側壁や内側壁から突出しないので見栄えをよくすることができる。
【0014】
本発明(4)は、前記内側壁の前記外側壁に向かう側面と前記内側壁収容凹部の前記内側壁に向かう側面との間に前記甲バンドの内端部を収容する空間が形成され、前記外側壁の前記内側壁に向かう側面と前記外側壁収容凹部の前記外側壁に向かう側面との間に前記甲バンドの外端部を収容する空間が形成されている本発明(1)または(2)に記載のサンダルである。
【0015】
本発明(4)は、本発明(3)と違い、甲バンドの外端部が外側壁の内側側に、甲バンドの内端部が内側壁の外側側に固定されるサンダルである。甲バンドが、足と接する側に配置され、甲バンドの材料は柔らかい素材を一般に用いるので、サンダルに足を入れる際に足入れ性が良く、足部分が感じる感触も良くなる。
【0016】
本発明(5)は、前記底壁の前方に向かう側面と前記底壁収容凹部の後方に向かう側面とが離間して接地面の横方向に溝が形成され、前記底壁の後方に向かう側面と前記底壁収容凹部の前方に向かう側面とが離間して接地面の横方向に溝が形成されている本発明(1)〜(4)のいずれかに記載のサンダルである。
【0017】
サンダル等の履物の接地面には転倒を防止する目的で、摩擦を上げるために溝が一般に形成される。本発明(5)によるサンダルでは、底壁の前方に向かう側面と底壁収容凹部の後方に向かう側面とが離間しているので、この2つのパーツの境界に溝が形成され、底壁の後方に向かう側面と底壁収容凹部の前方に向かう側面とが離間しているので、この2つのパーツの境界に溝が形成される。よって、わざわざ溝を形成することなしに、ソール本体と甲バンド取付部材を組み立てるだけで、サンダルの接地面側に2本の横向きの溝が形成される。
【0018】
本発明(6)は、前記ソール本体の色と前記甲バンド取付部材の色とが異なっていることを特徴とする本発明(1)〜(5)のいずれかに記載のサンダルである。
【0019】
ソール本体の色と甲バンド取付部材の色とが異なっていることで、サンダルの意匠の選択肢が拡がり、ソール本体の色と甲バンド取付部材の色とが同一のサンダルと比べて、サンダルをよりファッショナブルにすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上述のように構成され、ソールと甲バンドを少なくとも縫い合わせで容易に固定をすることができるので、従来のサンダルと比べてソールと甲バンドの固定がより強固となり、その固定も容易なサンダルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明によるサンダル(実施例1)の左足側の接足面側から見た斜視図である。
【
図2】本発明によるサンダル(実施例1)の左足側のソール本体の接足面側から見た斜視図である。
【
図3】本発明によるサンダル(実施例1)の左足側のソール本体の接地面側から見た斜視図である。
【
図4】本発明によるサンダル(実施例1)の左足側の甲ベルト取付部材の接足面側から見た斜視図である。
【
図5】本発明によるサンダルの左足側の実施例1の横断面図である。
【
図6】本発明によるサンダルの左足側の実施例2の横断面図である。
【
図7】本発明によるサンダルの左足側の実施例1の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。また、便宜的に図面上での方向によって部材等の方向を上下左右と指称することがあるが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0023】
図1は、本願発明の実施例1(左足用のサンダル)を内側側上面後方から見たときの斜視図である。本サンダル1は、ソール本体10と甲バンド取付部材20および甲バンド30とから構成されている。なお、ソール本体10および甲バンド取付部材20とを組み立てたものがソールと呼ばれるものである。
【0024】
ソール本体10は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA、Ethylene vinyl acetate)材料(以下、「EVA材」ともよぶ)を用いて製作する。接足側の中底部11と接地側の底部12とをプレス一体成形したものであり、1次成形したEVA材の平板を2次プレス成型でソール本体10の形状をつくる時に、下面側の底部12の硬さを上面側の中底部11の硬さよりも固くすることによって2層構造としている。
【0025】
ソール本体10の底部12の接地面側に、横方向に横溝16aが形成され、横溝16aは前側に1本、後ろ側に3本ある。この横溝16aは、床や地面等とサンダル1との間の摩擦を大きくして滑り止めの役目を果たす。
【0026】
底部12の前よりの接地面側に甲バンド取付部材20が固定されている。甲バンド取付部材20の材質は、用途に応じて種々の材料を用いることができる。また、ソール本体11と異なった色の材料を甲バンド取付部材20に用いて、甲バンド取付部材20の部分の色を変えることによって、サンダルの色彩のデザインの選択肢が拡がり、ソール本体11と甲バンド取付部材20の色が同一のサンダルに比べて、よりファッショナブルなサンダルとすることができる。
【0027】
実施例1のサンダルでは、甲バンド取付部材20の材料として、耐摩耗性向上、強度向上およびすべり抵抗を大きくする目的から熱可塑性樹脂のうち、スチレンと1,3-ブタジエンとの共重合体であるスチレン・ブタジエンゴム(SBR)を用いている。
【0028】
甲バンド取付部材の接地面側の横方向に横溝25が形成されている。この横溝25は、横溝16aと同じ役割を果たすものである。
【0029】
甲バンド取付部材20の両端部に、甲バンド30が取り付けられている。
図1では、甲バンド30の外端部31が左側に、内端部32が右側にあらわれている。
【0030】
甲バンド30の材質は、足の甲部分に直接接触するので、足あたり性がよい材料であればよい。また、伸縮性やクッション性があればより好ましい。一般的に、甲バンド30は合成ゴムあるいは合成樹脂の発泡体あるいはその両面に足あたりのよいソフトな基布を貼り合わせた伸縮性の構造のものが好ましい。また、スパンボンド(ポリウレタン系)などの伸縮性を有する編物、織物やクッション性を有する不織布、伸縮性のある基布を使ったストレッチ製合成皮革、皮革または合成皮革の中にゴムを挿入して縮めた形で固定させ伸縮性を持たせた素材なども使用できる。
【0031】
縫い合わせ糸33は、甲バンド30と甲バンド取付部材20とを固定するために用いる糸であり、
図1では、甲バンド30の内端部32に水平に走っており、縫い合わせ糸33による縫着は、ミシン掛けにより行われている。
【0032】
図2は、本願発明の実施例1(左足用のサンダル)のソール本体10を内側側上面後方から見たときの斜視図である。甲バンド取付部材20を収納固定する凹部13,14が形成されている。
【0033】
ソール本体10の中底部11の図中の右側側面には、内側壁収納凹部14が形成され、左側側面には外側壁収納凹部13が形成されている。また、中底部11の接地面側には底壁収納凹部15が形成されている。内側壁収納凹部14と外側壁収納凹部13と底壁収納凹部15とは連なって形成されている。
【0034】
図3は、本願発明の実施例1(左足用のサンダル)のソール本体10を外側側下面前方から見たときの斜視図である。
【0035】
内側壁収納凹部14が右側に、外側壁収納凹部13が左側に、底壁収納凹部15が上側に連なって形成されている。
【0036】
図4は、本願発明の実施例1(左足用のサンダル)の甲バンド取付部材20を内側側上面後方から見たときの斜視図である。
【0037】
甲バンド取付部材20は、図中の左側である外側側に外側壁21が上方に立設し、図中の右側である内側側に内側壁22が上方に立設し、外側壁21と内側壁22の接地面側端部を連結する底壁23を有している。底壁23の接地面側には横溝25が形成されている。
【0038】
内側壁22の内側側の側面と、底壁23の内側側の側面とは面一ではなく、内側壁22の内側側の側面は外側側に少しシフトしており、このシフトした部分が甲バンド30を取り付ける甲バンド収納凹部24となっている。甲バンド収納凹部24は、外側壁21の外側側にも設けられている。甲バンド収納凹部24がこのような構造をしているので、外側壁21と内側壁22に、甲バンド30の外端部31と内端部32をそれぞれ容易にミシン掛け等によって縫着することができる。甲バンド取付部材20と甲バンド30とを縫着後に、ソール本体10と甲バンド取付部材20とは接着等によって固定される。甲バンド取付部材20と甲バンド30とを予め接着剤で固定しておいた後にミシン掛け等によって縫着しても良い。このように、甲バンド取付部材20と甲バンド30とを予め接着剤等で固定しておくと、ミシン掛け等の縫い合わせ作業がより容易となり、縫着後のソールと甲バンド30との固定強度は、縫着固定だけのものよりもさらに高くなる。
【0039】
甲バンド収納凹部24を設けることによって、甲バンド30が内側壁22と外側壁21とを覆い隠すので、美観的に従来のサンダルと同様の意匠をほどこすことができる。
【0040】
図4に示す甲バンド取付部材20において、底壁23の前後方向の長さと、内側壁22および外側壁21の前後方向の長さとは同じ長さとなっているが、必ずしも同じ長さとする必要はない。例えば、耐摩耗性向上、強度向上およびすべり抵抗を大きくする目的から甲バンド取付部材20の底壁23の接地面側の面積を広くしたい場合は、底壁23の前後方向の長さを内側壁22および外側壁21の前後方向の長さよりも長くすることができる。逆に、底壁23の接地面側の面積を小さくしたい場合は、底壁23の前後方向の長さを内側壁22および外側壁21の前後方向の長さよりも短くすることができる。
【0041】
図5は、本願発明の実施例1(左足用のサンダル)の
図1におけるX−X’断面(横断面)を示す。横断面には、ソール本体10の中底部11と、甲バンド取付部材20と甲バンド30が示され、甲バンド取付部材20の断面においては、外側壁21と内側壁22と底壁23が示されている。外側壁21と内側壁22には甲バンド収納凹部24が設けられている。
【0042】
実施例1では、甲バンド30の外端部31が外側壁21の外側側に固定され、内端部32が内側壁22の内側側に固定されているので、外側壁21と内側壁22は、甲バンド30に隠れて外部から見ることができないようになっている。
【0043】
図6は、本願発明の実施例2(左足用のサンダル)の
図1におけるX−X’断面(横断面)を示す。横断面には、ソール本体10の中底部11と、甲バンド取付部材20と甲バンド30が示され、甲バンド取付部材20の断面においては、外側壁21と内側壁22と底壁23が示されている。
【0044】
実施例2においては、外側壁21と内側壁22は、甲バンド収納凹部24を有しておらず、外側壁21の外側側側面と内側壁22の内側側側面は、底壁23の側面とそれぞれ一致している。この構造によって、甲バンド30は、外端部31がソール本体11と外側壁21との間に、内端部32がソール本体11と内側壁22との間に潜り込んで固定されている。
【0045】
図6に示すような構造とすることによって、ソール本体11が体重によって凹んだときにも、外側壁21および内側壁22が足裏にあたらない構造になっているので足入れ性が良く、使用中も外側壁21と内側壁22の上端部が足裏を刺激することがないので使用感が良い。
【0046】
図7は、本願発明の実施例1(左足用のサンダル)の
図1におけるY−Y’断面(縦断面)を示す。
図7の左側がつま先側で、右側が踵部側である。
【0047】
ソール本体10と甲バンド取付部材20と甲バンド30の全ての断面が示されている。
【0048】
ソール本体10は、接足面側の中底部11と接地面側の底部12の2層構造になっており、底部12の接地面側のつま先側には1本の横溝16aが、踵部側には3本の横溝16aが形成されている。
【0049】
甲バンド取付部材20の接地面側にも2本の横溝25が形成されている。底部12のつま先側の後方端部には面17fと面18fが形成され、甲バンド取付部材20のつま先側端部には面26fが形成されているので、つま先側の底部12と甲バンド取付部材20との境界には、横溝16b(
図1参照)が形成されている。また、底部12の踵部側の前方端部には面17bと面18bが形成され、甲バンド取付部材20の踵部側端部には面26bが形成されているので、踵部側の底部12と甲バンド取付部材20との境界には、横溝16bが形成されている。
【0050】
このように、底部12と甲バンド取付部材20との間に両部材を組み立てることによって横溝16bが形成され、サンダル1の底面に、横溝16aと横溝16bとが規則正しく並び、審美性も高く、スリップ防止という機能性も持たせることができる。
【符号の説明】
【0051】
1:サンダル
10:ソール本体
11:中底部
12:底部
13:外側壁収納凹部
14:内側壁収納凹部
15:底壁収納凹部
16a,16b:横溝
17f,17b:面
18f,18b:面
20:甲バンド取付部材
21:外側壁
22:内側壁
23:底壁
24:甲バンド収納凹部
25:横溝
26f,26b:面
30:甲バンド
31:外端部
32:内端部
【要約】
【課題】ソールと甲バンドとを備えるサンダルにおいて、ソールと甲バンドの固定を少なくとも縫い合わせにより容易に固定することができるサンダルを提供することを課題とする。
【解決手段】ソールと、ソールに固定される甲バンド30と、を備えるサンダルであって、ソールは、ソール本体10と甲バンド取付部材20とを有し、甲バンド取付部材20は、外側側に外側壁21、内側側に内側壁22並びに外側壁21および内側壁22の接地面側端部を連結する底壁23を有し、ソール本体10は、外側面に外側壁21を収納固定する外側壁収容凹部13を、内側面に内側壁22を収納固定する内側壁収容凹部14を、接地面に底壁23を収納固定する底壁収容凹部15を有し、甲バンド30の外端部31が外側壁21に、甲バンド30の内端部32が内側壁22に、少なくとも縫い合わせにより固定されているサンダル。
【選択図】
図1