特許第6496971号(P6496971)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6496971食用ペット向け噛み物およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6496971
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】食用ペット向け噛み物およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 15/02 20060101AFI20190401BHJP
   A23K 50/40 20160101ALI20190401BHJP
   A23K 20/179 20160101ALI20190401BHJP
【FI】
   A01K15/02
   A23K50/40
   A23K20/179
【請求項の数】11
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-502238(P2016-502238)
(86)(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公表番号】特表2016-512040(P2016-512040A)
(43)【公表日】2016年4月25日
(86)【国際出願番号】US2014026771
(87)【国際公開番号】WO2014151984
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年3月10日
(31)【優先権主張番号】61/792,805
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390037914
【氏名又は名称】マース インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MARS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】クエスト,ブラッド
(72)【発明者】
【氏名】カミレ,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ライザー,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】シールズ,フランシス
(72)【発明者】
【氏名】トーニィ,アラン
(72)【発明者】
【氏名】ウンル,エミネ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルコックス,ニール
(72)【発明者】
【氏名】ズバイル,カシム
(72)【発明者】
【氏名】ビエラー,ティファニー
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−540836(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0003060(US,A1)
【文献】 特表2010−521970(JP,A)
【文献】 特開2007−110916(JP,A)
【文献】 特開2007−044004(JP,A)
【文献】 特表2011−509082(JP,A)
【文献】 特表2008−539800(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/008032(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/156674(WO,A1)
【文献】 米国特許第06881430(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0314333(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0107905(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0126462(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0044730(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 15/02
A23K 10/00 − 50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用ペット向け噛み物において、
a.該噛み物の15から90質量%の量の線維性タンパク質、
b.該噛み物の5から35質量%の量の吸水性ポリマーであって、ゲル化タンパク質、親水コロイド、食用ヒドロゲル、およびそれらの混合物からなる群より選択される吸水性ポリマー、
c.該噛み物の5から40質量%の量の可塑剤、
d.該噛み物の1から20質量%の量の水、および
e.緑色を生じる、アントシアニンとターメリックとの組合せであって、該アントシアニンの供給源が8から9のpHを有する赤キャベツであり、かつ該ターメリックが4.5から6.5のpHを有する、
を含むペット向け噛み物。
【請求項2】
前記アントシアニンが、該アントシアニンを青に見えるようにするpHを有する、請求項記載の食用ペット向け噛み物。
【請求項3】
前記ターメリックが、該ターメリックを黄に見えるようにするpHを有する、請求項1または2記載の食用ペット向け噛み物。
【請求項4】
前記アントシアニンが青色を提供し、前記ペット向け噛み物の前記緑色に寄与するように、該ペット向け噛み物のpHを安定化するように適合されたpH安定剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか記載の食用ペット向け噛み物。
【請求項5】
前記pH安定剤が酵素をさらに含む、請求項記載の食用ペット向け噛み物。
【請求項6】
前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の0.005質量%から5.0質量%を占める、請求項1〜5のいずれか記載の食用ペット向け噛み物。
【請求項7】
前記アントシアニンと前記ターメリックの組合せにより生じる緑色が、P163−14UからP165−16Uのパントン・リファレンス範囲を有する、請求項1〜6のいずれか記載の食用ペット向け噛み物。
【請求項8】
前記アントシアニンと前記ターメリックの組合せにより生じる緑色が、490nmから560nmの波長を有する、請求項1〜7のいずれか記載の食用ペット向け噛み物。
【請求項9】
前記ペット向け噛み物の溶解度が少なくとも60%のインビトロ消失(IVD)である、請求項1〜8のいずれか記載の食用ペット向け噛み物。
【請求項10】
該噛み物の5質量%未満の量のデンプンをさらに含む、請求項1〜9のいずれか記載の食用ペット向け噛み物。
【請求項11】
食用ペット向け噛み物を調製する方法において、
a.ペット向け噛み物組成物を形成する工程であって、
該組成物の15から90質量%の量の線維性タンパク質と、
該組成物の5から35質量%の量の吸水性ポリマーであって、ゲル化タンパク質、親水コロイド、食用ヒドロゲル、およびそれらの混合物からなる群より選択される吸水性ポリマーと、
該組成物の5から40質量%の量の可塑剤と、
該組成物の1から20質量%の量の水と、
緑色を生じる量の、アントシアニンとターメリックとの組合せであって、該アントシアニンの供給源が8から9のpHを有する赤キャベツであり、かつ該ターメリックが4.5から6.5のpHを有する
を混ぜ合わせることによる工程、
b.前記ペット向け噛み物組成物を可塑化する工程、および
c.可塑化された前記ペット向け噛み物組成物を成形して、ペット向け噛み物を形成する工程、
を有してなる方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、その全てがここに引用される、2013年3月15日に出願された、「食用ペット向け噛み物およびその製造方法」と題する、同時係属の米国仮特許出願第61/792805号に基づいて、米国法典第35巻第119条(e)項および米国連邦規則集第37巻第1.78条の下で優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、食用ペット向け噛み物、それらが製造される組成物およびペット向け噛み物製品を製造する方法に関する。特に、本発明のペット向け噛み物は、線維性タンパク質、吸水性ポリマー、可塑剤、および水を含む可塑性材料から形成される。このペット向け噛み物はその上、天然由来の緑色を呈する。
【従来技術】
【0003】
現行のペット向け噛み物製品は、大まかに2つの部類に分類できる。1つのタイプは、比較的硬質であり、もろい。これは、比較的急速に粉々に砕けるすなわち崩壊し、より消化し易いが、摂取にかかる時間が比較的短い。第2のグループは、より弾性またはゴム状特性を有し、より噛みにくく、消化し辛く、摂取するのにより長持ちする、非常に緻密なまたは圧縮された製品からなる。
【0004】
特に口腔ケア問題に対処するために作られた、ペット向けデンタルケア噛み物が市場であふれてきている。これらの製品の大半は、効能のために繰り返し噛むことを必要とする硬いテキスチャーに基づいている。様々なテキスチャーの犬向け噛み物は、歯石の蓄積を減少させられるという主張を支持する既刊文献が有り余るほどある(非特許文献1から5)。
【0005】
そのような製品は歯の洗浄機能を提示するであろうが、多くの場合、歯肉の損傷、歯の破折、および消化系の閉塞などの物理的損傷のいずれかからの危険を犬にもたらす。この状況は、飼い犬(Canis lupus familiaris)内での頭蓋骨(非特許文献6)と品種のサイズの大きな相違によってさらに誇張される。ある品種または頭蓋骨タイプにとって完全に安全であると思われるかもしれない噛み物も、違う品種または頭蓋骨タイプに与えられた場合、安全性の懸念が生じるであろう。これらの製品のほとんどは栄養的に「完全かつバランスがとれて」いないので、栄養素不足の恐れもある。
【0006】
他のデンタルケア噛み物は、犬に栄養面での恩恵を提示しない熱可塑性高分子などの非食品材料でできている。それに関連する安全性リスクは、消化できないので消化系の閉塞を含み、極端な状況では、治すために外科的介入を必要とすることがある。
【0007】
市場動向は、多くのペット向け噛み物およびおやつの成分の選択にも影響を与えている。これらの動向の中で、完全に天然材料から製造された製品をもたらすことは、市場における強みを提供し、購入する人の大半の興味を引く。それに加え、規制当局が、公衆に「全てが天然」であると断言している製品が本当に「全てが天然」であることを保証するために、「全てが天然」であると主張している製品を調査する。天然である多くの製品は、時間の経過と共に環境要因と反応し、安定ではなく、これによって、ペット向け噛み物およびおやつの外観、風味、および栄養価が変化してしまうので、このことは特に困難である。緑などの色に関して、所望の緑色を呈し、長期間に亘りその色のままである天然製品を発見することは、難題であることが証明されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】GorrelおよびRawlings, 1996
【非特許文献2】Rawlings等, 1998
【非特許文献3】GorrelおよびBierer, 1999
【非特許文献4】Gorrel等, 1999
【非特許文献5】Lage等, 1990
【非特許文献6】Jaslow, 1987
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
息詰まり、歯の損傷、腸閉塞または他の怪我などの健康被害のリスクなく、歯を効果的に洗浄するために作られた、完全に食用であり、長持ちし、安全である製品が依然として必要とされている。それに加え、完全に天然成分から作られ、時間が経過しても所望の緑色を維持する、上述したものなどの製品を製造する必要が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、食用ペット向け噛み物であって、噛み物の約15から約90質量%の量の線維性タンパク質、噛み物の約5から約35質量%の量の吸水性ポリマー、噛み物の約5から約40質量%の量の可塑剤、および噛み物の約1から約20質量%の量の水を含むペット向け噛み物に関する。このペット向け噛み物製品は、口腔ケア手段として機能するのに必要なテキスチャーを有するが、噛んでいる最中に噛み物の大型片がちぎり取られる可能性を低下させ、ペットの胃腸環境内で高溶解性の噛み物組成物である、熱可塑化成形製品である。好ましい実施の形態において、このペット向け噛み物の吸水性ポリマーはゼラチンである。このペット向け噛み物が、口腔ケアの恩恵を提供する犬用噛み物であることが最も好ましい。
【0011】
本発明はさらに、天然由来の緑色を呈する食用ペット向け噛み物に関する。この天然由来の緑色は、ターメリックとアントシアニンの組合せであることが好ましい。好ましい実施の形態において、そのアントシアニン成分のpHは、アントシアニンの色が青に見えるようなpHである。
【0012】
本発明は、ペット向け噛み物を製造するために使用される組成物および熱可塑化成形製品を調製する方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明によるペット向け噛み物製品を製造する例示の方法の工程を示す流れ図
図2】本発明によるペット向け噛み物製品を製造する別の例示の方法の流れ図
図3】本発明によるペット向け噛み物製品を製造する別の例示の方法の流れ図
図4】本発明によるペット向け噛み物製品を製造するために使用されることがある射出成形プロセスの説明図
図5】本発明の特に好ましいペット向け噛み物を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、全て天然の食用のペット向け噛み物、並びに安全な占有と楽しみを与えつつ、機械的摩耗により歯垢および歯石を除去するように設計された栄養製品を製造する方法に関する。本発明のペット向け噛み物は、動物により一度摂取されたら、製品の急激な破壊を提供し、標準試験規定食と比べて、歯垢と歯石の著しい減少を示す。このペット向け噛み物の組成物は、栄養性かつ機能性のおやつを作り出し、これにより、その動物の健康的な生活習慣が促進される。特に好ましいペット向け噛み物は、犬向けに、最も好ましくは、ここにその全開示が引用される、2006年6月21日に出願された米国仮特許出願第60/815686号明細書に記載されたような部類の犬向けに作られている。
【0015】
本発明の食用のペット向け噛み物組成物は、線維性タンパク質、吸水性ポリマー、可塑剤、および水を含む熱可塑性材料から形成される。本発明のペット向け噛み物は、単一成分/単一テキスチャー製品であることが好ましいが、二成分製品の一部を形成してもよいことも可能である。ここに用いたように、単一成分/単一テキスチャー製品は、その噛み物製品が、ペット向け噛み物にとって望ましい任意の形状に形成された実質的に均一な成形塊であることを意味する。
【0016】
この食用ペット向け噛み物は、ターメリックとアントシアニンの組合せをさらに含む。この組合せにより、天然由来の緑色が提供されることが好ましい。したがって、1つの実施の形態において、天然のペット向け噛み物が提供される。この天然のペット向け噛み物が、緑色を生じる量でアントシアニンとターメリックを含むことが好ましい。ここに用いたように、「天然」または「天然の食品」は、どのような合成の化学物質、着色料または香味料も含まないものを称する。例えば、FDAは、その食品が、添加された色、人工香料、または合成物質を含有しない限り、「天然」という用語の使用に反対しない。
【0017】
アントシアニンは、pHに応じて、赤、紫、または青に見えることがある、水溶性血管顔料(vascular pigments)である。それらが無臭かつほぼ風味がないことが好ましい。アントシアニンの供給源が、以下に限られないが、葉、茎、根、花、および果実を含む、高等植物の組織から選択されることが好ましい。アントシアニンの供給源内において、以下に限られないが、表皮および周辺の葉肉細胞などの外側細胞層が好ましい。より詳しくは、アントシアニンの供給源は、以下に限られないが、ブルーベリー、クランベリー、ビルベリーなどのスノキ属;ブラックラズベリー、レッドラズベリー、およびブラックベリーを含むキイチゴ属;クロフサスグリ;チェリー;なすの皮;う稲;コンコードブドウ;マスカダインブドウ;赤キャベツ;紫色の花弁;黒豆;ブラックチョコベリーの皮;アサイー(Amazonian palm berry);ブラッドオレンジ;マリオンブラックベリー;チェリー;アカフサスグリ;紫トウモロコシ;およびアサイー(acai)から選択されることが好ましい。アントシアニンは、酸化防止剤でもあり、動脈血管を緩和し、体内に抗炎症性反応を提供することが好ましい。好ましい実施の形態において、アントシアニンは、癌、加齢、神経疾患、炎症、糖尿病、細菌感染、線維嚢胞性疾患から保護し、視力を改善し、その組合せを提供する。しかしながら、このリストは制限を意味するものではない。
【0018】
アントシアニンは、pHの異なるレベルで異なる色を示す。本発明の食用ペット向け噛み物の一部であるアントシアニン成分のpHが、アントシアニンを青に見えるようにするpHであることが好ましい。本発明の食用ペット向け噛み物がpH緩衝剤をさらに含むことが好ましい。このpH緩衝剤は、アントシアニンが青色に見えるように、アントシアニンが適切なpHに到達し、そのpHを維持できる量で存在することが好ましい。その適切なpHは、選択されたアントシアニンの供給源に応じて決定できる。非限定的な例として、赤キャベツはpH8〜9で青に見える。赤キャベツがアントシアニンを提供する好ましい実施の形態において、本発明の食用ペット向け噛み物中のアントシアニンのpHが、pH4.5〜9であることが好ましい。
【0019】
ターメリックまたはCurcuma longaは、ショウガ科の根茎の草本性多年生植物である。本発明の目的のためにターメリックは、以下に限られないが、生、葉、粉末状、根茎粉末、およびそれらの組合せなどの、どのような形態で利用しても差し支えない。ターメリックが黄色であることが好ましい。ターメリックが、抗炎症性活性と共に、抗菌特性および抗真菌特性を有することが好ましい。しかしながら、これは制限を意味するものではない。ターメリックが、炎症性腸疾患、リウマチ性関節炎、嚢胞性線維症、癌予防、結腸癌、前立腺癌、鬱病の治療に役立ち、化学療法薬の副作用を低減し、天然の鎮痛剤であり、黒色腫、白血病の予防、心臓血管の保護、コレステロール値の低下、アルツハイマー病の予防、および肝機能を改善することが好ましい。ターメリックが、マンガン、鉄、ビタミンB6、繊維質、およびカリウムを含むことが好ましい。前記おやつのターメリック成分が、本発明のペット向けおやつの摂取者にとって栄養的に役立つことが好ましい。このターメリック成分のpHが、黄色のためには、pH4.5から6.5であり、オレンジがかった色相のために、pH6.5から9であることが好ましい。
【0020】
アントシアニンとターメリックの合計量が、緑色のペット向け噛み物を製造するのに十分であることが好ましい。その緑色が、現行のGreenies(登録商標)おやつ(MARS,Inc.)のものと類似または同一であることが好ましい。アントシアニンとターメリックの組合せにより生じる緑が、約P163−14UからP165−16Uのパントン・リファレンス範囲を有することが好ましい。あるいは、アントシアニンとターメリックの組合せにより生じる緑色が、好ましくは約560〜490nmの波長、または540〜610THzの周波数である。アントシアニンとターメリックの組合せにより生じる、本発明のペット向け噛み物の緑色は、好ましくは、現行の「Greenies」製品(MARS,Inc.)の緑色と類似または同一、より好ましくはその緑色の±20nm以内、より好ましくはその緑色の±10nm以内、最も好ましくはその緑色の±5nm以内の波長である。あるいは、アントシアニンとターメリックの組合せにより生じる、本発明のペット向け噛み物の緑色は、好ましくは、現行の「Greenies」製品(MARS,Inc.)の緑色と類似または同一、好ましくはその緑色の±20THz以内、より好ましくはその緑色の±10THz以内、最も好ましくはその緑色の±5THz以内の周波数である。
【0021】
アントシアニンとターメリックの合計量が、好ましくは本発明の食用ペット向け噛み物の配合物の約0.005%から5.0%(質量)、より好ましくは配合物の約0.005%から4%(質量)、さらにより好ましくは配合物の約0.005%から3%(質量)、より好ましくは配合物の約0.005%から2%(質量)、最も好ましくは配合物の約0.005%から1%(質量)である。代わりの実施の形態において、アントシアニンとターメリックの組合せは、本発明の食用ペット向け噛み物の配合物の約0.005%から0.045%(質量)を占める。
【0022】
本発明の食用ペット向け噛み物中のアントシアニン対ターメリックの比率は、結果として得られる食用ペット向け噛み物が緑に見える任意の比率であることが好ましい。アントシアニン対ターメリックの比率は、以下に限られないが、約1:1の比率、約1:1.5の比率、約1:2の比率、約1:2.5の比率、約1:3の比率、約1:3.5の比率、約1:4の比率、約1:4.5の比率、約1:5の比率、約1:5.5の比率、約1:6の比率、約1:6.5の比率、約1:7の比率、約1:7.5の比率、約1:8の比率、約1:8.5の比率、約1:9の比率、約1:9.5の比率、および1:10の比率から選択されることが好ましく、ここで、アントシアニンまたはターメリックはその比率のどちら側を表しても差し支えない。例えば、ターメリック対アントシアニンの比率が1:2である実施の形態、およびターメリック対アントシアニンの比率が2:1である実施の形態が考えられる。
【0023】
1つの実施の形態において、本発明のペット向け噛み物はpH安定剤をさらに含む。このpH安定剤は、アントシアニンが青色を提供し、このペット向け噛み物の全体の緑の外観に寄与するようにペット向け噛み物のpHを安定化させる働きをするどの成分であっても差し支えない。非限定的な例として、アントシアニンのpHを安定化させるために、ペット向け噛み物に酵素を添加してもよい。これらのターメリックとアントシアニンは、ペット向け噛み物の口腔ケアの有効性を示す指標として働くために、pH緩衝剤と共に使用してよい。ペットがおやつを噛むにつれて、このおやつが色を変えて、ペットの歯を洗浄するために噛む必要のあるレベルが達成されたことを示してもよい。
【0024】
さらなる実施の形態において、アントシアニンとターメリックの組合せが、ペット向け噛み物中のどの液体成分もどの乾燥成分と組み合わされる前に、他の液体成分と混合される。ターメリックとアントシアニンは、グリセリン/水混合物中に計量され、次いで、乾燥成分に加えられることが好ましい。この工程が、所望の緑色の安定性を確実にするのに役立つことが好ましい。
【0025】
好ましい実施の形態において、食品を緑に着色する方法が提供される。この方法は、概して、ある量のターメリックをある量のアントシアニンに加えて、緑色を達成する工程を有してなる。その食品は、ペットフード製品、ペット向けおやつ、ペット向け噛み物、および他の食品から選択されることが好ましい。代わりの実施の形態において、本発明の方法にどの食品を利用しても差し支えなく、その方法はペット向け製品に制限されない。ターメリックとアントシアニンの量の組合せにより、パントン・リファレンス範囲のP163−14UからP165−16Uの緑色が生じることが好ましい。
【0026】
食品を緑に天然着色する方法も開示されることが好ましい。この方法は、概して、ある量のターメリックをある量のアントシアニンに加えて、緑色を達成する工程を有してなる。ターメリックとアントシアニンの量の組合せにより、パントン・リファレンス範囲のP163−14UからP165−16Uの緑色が生じることが好ましい。
【0027】
このペット向け噛み物は、噛まれたときに、動物の歯が製品中に沈み込んで、その製品が、反復応力下で制御された様式で壊れるような延性特性を示す。この食用の熱可塑性材料は、良好な強度と剛性および他の所望の物理的性質を与えて、機能性および噛む喜びを向上させるために、様々な形状に成形できる。
【0028】
市場にある類似製品とは異なり、好ましい形態において、本発明のペット向け噛み物製品は、動物の栄養にとって100%の栄養的に完全であり、バランスがとれるように作られている。本発明のペット向け噛み物のより軟質のよく噛む必要のあるテキスチャーは、動物の喜びを改善し、向上した口腔ケアの効能を示す。本発明のペット向け噛み物組成物は、水溶性材料のマトリクス中に消化性の高いタンパク質のバランスのとれたブレンドを提供して、栄養性能および動物の安全性を改善する。
【0029】
このペット向け噛み物用の線維性タンパク質は、動物由来であってよいが、筋タンパク質、または植物を含まないことが好ましい。ごくわずかな量の筋タンパク質が存在し得ることが、当業者に認識されるであろう。線維性タンパク質は、一般に、強力であり、比較的不溶性である。そのような性質のために、線維性タンパク質は、ペット向け噛み物製品の構造骨格を提供する上で重要である。例示の線維性タンパク質としては、以下に限られないが、小麦タンパク質、小麦グルテン、トウモロコシゼイン、トウモロコシグルテン、大豆タンパク質、ピーナッツタンパク質、カゼイン、ケラチンおよびそれらの混合物が挙げられる。特に好ましい線維性タンパク質としては、制限するものではないが、小麦タンパク質分離物、大豆タンパク質分離物、カゼイン酸ナトリウムおよびそれらの混合物が挙げられる。非常に好ましい線維性タンパク質は、小麦タンパク質分離物、大豆タンパク質分離物およびカゼイン酸ナトリウムの混合物である。
【0030】
ペット向け噛み物中の吸水性ポリマーは、ゲル化タンパク質、親水コロイド、食用ヒドロゲル、またはそれらの混合物であってよい。球状タンパク質として知られていることもある、ゲル化タンパク質は、一般に、水溶液中で比較的可溶性である球体のタンパク質からなり、それらのタンパク質はコロイド溶液またはゲルを形成する。例示のゲル化タンパク質としては、以下に限られないが、ゼラチン、アルブミン、血漿、エンドウ豆タンパク質、ラクトグロブリン、すり身(魚)タンパク質、ホエータンパク質およびそれらの混合物が挙げられる。非常に好ましいゲル化タンパク質はゼラチンである。
【0031】
親水コロイドを吸水性ポリマーとしてペット向け噛み物組成物中に使用してもよい。親水コロイドは、一般に、水溶性であり、かつ水と組み合わされたときにゲルを形成する高分子(macromolecule)(例えば、炭水化物ポリマーまたはタンパク質)と定義される。例示の親水コロイドとしては、以下に限られないが、ペクチン、アルギン酸塩、寒天、カラギーナン、キサンタンガム、およびグアーガムが挙げられる。
【0032】
食用ヒドロゲルを吸水性ポリマーとしてペット向け噛み物中に使用してよい。その食用ヒドロゲルは、水またはある液体中で膨潤し、溶解せずに多量の液体を保有する天然由来の材料または合成材料であることがある。例示のヒドロゲルとしては、以下に限られないが、マルトデキストリン、セチルアルコール、キトサン、レシチン、ポリペプチド、蝋、および食用ポリマーが挙げられる。
【0033】
好ましい実施の形態において、前記吸水性ポリマーはゲル化タンパク質である。より好ましい実施の形態において、ゲル化タンパク質は、約100から約400の範囲のブルーム強度を有することが好ましい、ゼラチンである。ゼラチンが、約100から約200の範囲のブルーム強度を有することが最も好ましい。
【0034】
可塑剤は前記ポリマー中に溶解し、ポリマー鎖を引き離し、それゆえ、分子の移動を促進する。可塑剤は、通常、ポリマーの加工性、可撓性および伸展性を増加させるために使用される(Ferry, 1980)。可塑剤は、また、そうしなければ微生物の増殖などの生体反応に利用される水と結合することによって、食品系の水分活性を低下させる。食品用途に一般に使用される例示の可塑剤としては、以下に限られないが、水、多価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール)、アラビアガム、水素化デンプン加水分解物およびタンパク質加水分解物が挙げられる。好ましい実施の形態において、可塑剤はグリセロールである。さらに別の好ましい実施の形態において、可塑剤は水素化デンプン加水分解物である。
【0035】
本発明のさらに別の実施の形態は、前記組成物の約15から約90質量%、好ましくは約20から約80質量%、より好ましくは約30から約50質量%の量の線維性タンパク質;前記組成物の約5から約35質量%、好ましくは約10から約30質量%、より好ましくは約15から約25質量%の量の吸水性ポリマー;前記組成物の約5から約40質量%、好ましくは約10から約35質量%、より好ましくは約15から約30質量%の可塑剤、および前記組成物の約1から約20質量%、好ましくは約2から約18質量%、より好ましくは約5から約15質量%の水を含む混合物であるペット向け噛み物組成物に関する。好ましい実施の形態において、前記ペット向け噛み物組成物は、この組成物の約5質量%未満、好ましくは約4質量%未満、より好ましくは約3質量%未満の量でデンプンを含有する。この組成物は、好ましくは押出しにより、熱可塑化され、成形されて、ペット向け噛み物製品を形成する。このペット向け噛み物製品が射出成形により形成されることが好ましい。本発明のペット向け噛み物を、圧縮成形、成形を行わない押出し、または打錠技法によって調製しても差し支えないことが、当業者に容易に認識されるであろう。
【0036】
前記ペット向け噛み物に使用されるタンパク性材料の性質は、それらの可溶性およびテキスチャー特性を改善して、口腔ケアの利益および動物の安全性を向上させるために、化学的および物理的相互作用(例えば、タンパク質/タンパク質および吸水性ポリマーを含む他の材料との)に施される。動物の安全性は、全ての分野における危険性を最小にする製品設計によって達成される。テキスチャーの制御により、歯の破砕の危険性が最小になる;咀嚼による制御された製品サイズの減少により、息詰まりの危険性が減少する;優れた溶解度/消化性により、腸閉塞の危険性がなくなる。
【0037】
このペット向け噛み物組成物は、脂肪、調味料、保存料、栄養素、および/または着色料を少なくとも1つ含有してもよい。ここに用いたように、脂肪は、食用油を含み、室温で液体脂であることが好ましい。例示の脂肪としては、トウモロコシ油、大豆油、ピーナッツ油、綿実油、ブドウ種子油、ヒマワリ油、アマニ油(並びにオメガ3およびオメガ6脂肪酸の他の供給源)、植物油、パーム核油、オリーブ油、獣脂、豚油、ショートニング、バターおよびそれらの組合せが挙げられる。好ましい実施の形態において、脂肪は植物油である。脂肪が存在する場合、脂肪は、一般に、ペット向け噛み物組成物の約1から約20質量%、好ましくは約1.5から約10質量%、より好ましくは約2から約5質量%の範囲にある。香料は周知である。例えば、ローズマリー油、ユーカリ油および丁子油などの香味油を使用してもよい。栄養素としては、以下に限られないが、ビタミン、ミネラル、および機能性成分が挙げられる。他の成分、例えば、離型剤、安定剤、および乳化剤が前記組成物に含まれてもよい。着色料は、アントシアニンとターメリックの組合せであり、天然由来の緑色を生じることが好ましい。
【0038】
好ましい実施の形態において、前記熱可塑性組成物は、歯垢および歯石の除去のための活性成分、および息を爽快にするためと一般的な口腔衛生のための物質も含有してもよい。
【0039】
本発明のペット向け噛み物は、噛む楽しみおよび長続きを改善するための高い可撓性および弾性特性を示す。この製品は、反復した咀嚼下において制御された様式で壊れるように設計されている。ペット向け噛み物のテキスチャーは、動物の安全性、口腔ケアの有効性、楽しみおよび長続きの適切なバランスを確実にする。さらに、機械的応力下での本発明のペット向け噛み物の破壊または破砕は、そのまま飲み込むことができ、息詰まりと消化管閉塞の危険性を増加させ得る大型片の放出を避けるために制御される。
【0040】
代わりの実施の形態において、本発明のペット向け噛み物は、以下の成分:ゼラチン、小麦タンパク質分離物、グリセリン、エンドウ豆タンパク質、水、ジャガイモタンパク質、カゼイン酸ナトリウム、天然家禽香料、レシチン、ミネラル(リン酸二カルシウム、塩化カリウム、マグネシウムアミノ酸キレート、炭酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸第一鉄、硫酸銅、硫酸マンガン、ヨウ化カリウム)、ビタミン(酢酸dl−アルファトコフェロール[ビタミンEの供給源]、L−アスコルビル−2−ポリリン酸塩[ビタミンCの供給源]、ビタミンB12栄養補助食品、パントテン酸d−カルシウム[ビタミンB5]、ナイアシン栄養補助食品、ビタミンA栄養補助食品、リボフラビン栄養補助食品、ビタミンD3栄養補助食品、ビオチン、塩酸ピリドキシン[ビタミンB6]、硝酸チアミン[ビタミンB1]、葉酸)、ドライトマト、リンゴの搾りかす、植物油(混合トコフェロールで保存)、粉末亜麻仁、干したサツマイモ、クランベリー繊維、乾燥培養脱脂粉乳(dried cultured skim milk)、塩化コリン、タウリン、カフェインを含まない緑茶抽出物、カロチン、ターメリック、およびアントシアニンを使用して配合することができる。このペット向け噛み物の実施の形態が天然のペット向け噛み物であることが好ましい。
【0041】
さらなる実施の形態において、本発明のペット向け噛み物は、低カロリー配合物で減量または体重維持のために配合することができる。その低カロリーのペット向け噛み物は、以下の成分:米粉、グリセリン、ゼラチン、小麦粉、水、オート麦繊維、レシチン、小麦タンパク質分離物、リンゴの搾りかす、トマトの搾りかす、天然香料、ミネラル(リン酸二カルシウム、塩化カリウム、マグネシウムアミノ酸キレート、炭酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸第一鉄、硫酸銅、硫酸マンガン、ヨウ化カリウム)、ビタミン(酢酸dl−アルファトコフェロール[ビタミンEの供給源]、L−アスコルビル−2−ポリリン酸塩[ビタミンCの供給源]、ビタミンB12栄養補助食品、パントテン酸d−カルシウム[ビタミンB5]、ナイアシン栄養補助食品、ビタミンA栄養補助食品、リボフラビン栄養補助食品、ビタミンD3栄養補助食品、ビオチン、塩酸ピリドキシン[ビタミンB6]、硝酸チアミン[ビタミンB1]、葉酸)、カゼイン酸ナトリウム、粉末亜麻仁、乾燥培養脱脂粉乳、塩化コリン、タウリン、カフェインを含まない緑茶抽出物、カロチン、ターメリック、およびアントシアニンを有することが好ましい。この低カロリーのペット向け噛み物の実施の形態が天然の低カロリーのペット向け噛み物であることが好ましい。
【0042】
さらに別の実施の形態において、本発明のペット向け噛み物は、老齢動物の必要性のために配合することができる。その老齢ペット向け噛み物は、以下の成分:米粉、グリセリン、ゼラチン、小麦粉、水、オート麦繊維、レシチン、リンゴの搾りかす、小麦タンパク質分離物、乾燥鶏軟骨(グルコサミンとコンドロイチンの供給源)、トマトの搾りかす、天然香料、ミネラル(リン酸二カルシウム、塩化カリウム、マグネシウムアミノ酸キレート、炭酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸第一鉄、硫酸銅、硫酸マンガン、ヨウ化カリウム)、ビタミン(酢酸dl−アルファトコフェロール[ビタミンEの供給源]、L−アスコルビル−2−ポリリン酸塩[ビタミンCの供給源]、ビタミンB12栄養補助食品、パントテン酸d−カルシウム[ビタミンB5]、ナイアシン栄養補助食品、ビタミンA栄養補助食品、リボフラビン栄養補助食品、ビタミンD3栄養補助食品、ビオチン、塩酸ピリドキシン[ビタミンB6]、硝酸チアミン[ビタミンB1]、葉酸)、植物油(混合トコフェロールで保存)、カゼイン酸ナトリウム、粉末亜麻仁、乾燥培養脱脂粉乳、塩化コリン、タウリン、カフェインを含まない緑茶抽出物、カロチン、ターメリック、およびアントシアニンを有することが好ましい。この老齢ペット向け噛み物の実施の形態が天然の老齢ペット向け噛み物であることが好ましい。
【実施例】
【0043】
実施例1:
本発明の好ましいペット向け噛み物の組成:
【0044】
最終製品の水分活性は0.2〜0.85に及ぶ。それに加え、様々な最終製品のテキスチャーを得るために、個々の成分レベルおよび液体対粉末の比を変えてもよい。さらに、成分を代替品と交換することによって、異なる最終製品のテキスチャーをもたらしてもよい。例えば、100ブルーム強度のゼラチンの代わりに、200ブルーム強度のゼラチンを使用すると、より堅い製品が得られるであろう。
【0045】
実施例2:
特に好ましいペット向け噛み物の組成:
【0046】
実施例3:
さらに別の好ましいペット向け噛み物の組成:
【0047】
実施例4:
別の好ましいペット向け噛み物の組成:
【0048】
ペット向け噛み物の製品性能は、歯垢と歯石の減少、息の爽快さ、長続き、対になった優先傾向により測定される美味しさ、溶解度、硬度を含むテキスチャー属性、密度、弾性、脆さ、吸水容量、および溶解速度を含む数多くの基準に対して測定される。
【0049】
テキスチャー測定は、250〜500kgのロードセルを備えたTA.HDi Texture Analyzer(ニューヨーク州、スカーズデール所在のTexture Technologies Corp.)で行った。一軸圧縮または破壊試験に、直径5mmの円柱プローブを使用し、試験は25℃の室温で行った。Texture Technologies Corp.からのTexture Expertソフトウェア(バージョン2.12)を使用して、データを収集した。2つの異なる一軸圧縮または破壊試験を行った。これらの試験は、イヌによる試験サンプルの噛み付き咀嚼に最もよく似ているので、選択した。
【0050】
圧縮分析パラメータは以下のとおりである。Work(W)は、仕事量の推量として定義され、したがって、製品の靭性を示す。強靱な製品は、それほど強靱ではない製品よりも高い仕事量値を有する。前記面積は、製品を壊すために製品に印加しなければならない「力」すなわち荷重を示す。その曲線の下の面積は靭性を表す。このように表される「Area」単位は、N*mmとしてx軸当たりのy軸の乗算に由来する。「Area」をWork−W−(F/d)に変換するために、0.1020408m2/mm/s2を乗じる。
【0051】
Max Force(N)は、製品の硬度を克服するために必要な力の最大量として定義される。通常、硬質製品は、高い縦座標(y軸)値に関連付けられる。このように表される「Force」単位は、kgで表される質量との直接的な関連付けに由来する。「Force」を「Max Force」−N−に変換するために、9.81m/s2(重力加速度)を乗じる。
【0052】
Travel(mm)は、ピーク力に達する点(距離)として表される。それゆえ、それは、最大力に達するのにプローブがどれだけ移動したかの測定値に寄与する、弾性に加えた、靭性と硬度との間の組合せとして、製品の抵抗に匹敵する。より大きい移動値が、より弾性の製品を表す。破壊抵抗は、移動値に正比例する。
【0053】
Linear Distance(mm)は、全ての軌跡点をピンと張って結ぶように引かれた想像線の長さを測定することによって計算される。この寸法は、砕けやすい凝集製品属性を記述する。これは、脆い製品がより鋭い先端を生じ、より大きい直線距離となる脆性の直接の評価である。
【0054】
製品サンプル全体を使用して、硬度、靭性、弾性、靭性の値を決定した。Texture Technologiesにより提供されたTA.DHiにより観察されるように、ベース基盤を使用して、力/距離を測定した。製造し、試験した例示の製品サンプルが図5に示されている。
【0055】
ナイフが1回にサンプルの骨の長さに沿って1つの位置に接触するように、サンプルを基盤の中心に置いた。選択した位置は、ペット向け噛み物のブラシ頭部、シャフトとブラシ頭部の接続部およびシャフトの端部での節を含んだ。サンプルが平らな基盤表面上に側面を置いた状態で寝かせたまま、各位置で90°の角度でナイフと接触する。これを、骨の長さに沿って3つの選択した位置で繰り返す。ペット向け噛み物のブラシ頭部、シャフトとブラシ頭部の接続部およびシャフトの端部での節が、図5にはっきりと見える。概して、以下の条件の各々について、評価した変数当たり、最低で5つの骨を測定する。
【0056】
以下のパラメータについて、二組の試験を行った:
A. 円形プローブまたはナイフを、(1)5mm/sの試験前速度(サンプルと接触する前のプローブの速度);(2)2mm/sの試験速度(サンプル内を移動している間のプローブの速度);(3)5mm/sの試験後速度(プローブがサンプルから引き抜かれる速度);および50%圧縮の距離(引き抜かれるまで、サンプル内をプローブが移動する距離)で入れる。
B. 円形プローブまたはナイフを、(1)5mm/sの試験前速度(サンプルと接触する前のプローブの速度);(2)10mm/sの試験速度(サンプル内を移動している間のプローブの速度);(3)5mm/sの試験後速度(プローブがサンプルから引き抜かれる速度);および50%圧縮の距離(引き抜かれるまで、サンプル内をプローブが移動する距離で入れる。
【0057】
kgで表された力(y軸)が、mmで表された距離(x軸)に対してプロットされ、ここで、0の出発力をグラフで点1と設定し、Max Forceをグラフで点2として設定してよい。以下のパラメータを測定した:Max Force2は、曲線の最大力値であり、硬度の尺度である;Linear Distance(mm)は、全ての軌跡点をピンと張って結ぶように引かれた想像線の長さを測定することによって計算される。これは、脆い製品がより鋭い先端を生じ、より大きい直線距離となる脆性の直接的な評価である。これらのパラメータの各々について、測定値は、試験した製品の少なくとも5つのサンプルの値の平均であった。
【0058】
硬度は、Nで表されたMax Forceとして測定される。単軸圧縮または破壊試験において測定されるように、本発明のペット向け噛み物について、ある実施の形態において、本発明の製品の硬度すなわちMax Force値は、2.0mm/sのプローブ速度を使用して上述したように測定して、ペット向け噛み物が11.4kg(25ポンド)未満の体重の犬のために作られた場合、約100から約700ニュートン、好ましくは約150から約600ニュートン、より好ましくは約200から約500ニュートン、最も好ましくは約250から約400ニュートン、または11.4kg(25ポンド)以上の体重の犬のために作られたペット向け噛み物については、約200から約800ニュートンである。好ましい実施の形態において、11.4kg以上の体重の犬のために作られたペット向け噛み物は、2.0mm/sのプローブ速度を使用して測定して、約250から約650ニュートン、好ましくは約275から約600ニュートン、より好ましくは約350から約550ニュートンの硬度測定値を有する。
【0059】
本発明の製品の、ニュートン×mm(N*mm)として測定される靭性は、約500から約12,000N*mmの範囲、約700から約10,000N*mmの好ましい範囲、および約800から約5000N*mmのより好ましい範囲を有する。
【0060】
本発明のさらに別の実施の形態において、犬の頭蓋骨のタイプと体重の両方に基づいて、ペット向け噛み物の硬度を公式化することが望ましいであろう。この実施の形態において、犬のタイプの各分類についての硬度範囲が、下記の表に述べられている。
【0061】
【表1】
【0062】
本発明の製品の脆性または直線距離を測定した。本発明の製品の脆性値は、約100から約1500mmの範囲、約150から約1300mmの好ましい範囲、および約200から約1000mmの最も好ましい範囲を有する。
【0063】
溶解度
ペット向け噛み物の溶解度/消化性のインビトロ測定を使用して、ペット、特にイヌの消化管中で可溶化するまたは消化されるであろうペット向け噛み物の量を示してもよい。実施した試験はペット向け噛み物製品の一部または全体に基づく。異なる配合を正確に比較できるように、特定のサイズの部分または片、例えば、32グラムのペット向け噛み物部分を使用してもよい。その結果は、インビトロ消失(in vitro disappearance)(IVD)のパーセント(%)として表される。溶解度の測定は、特定量の製品を、ペットの胃と腸の環境に相当する数多くの溶液に曝露することによって行われる。一般に、胃の環境は比較的酸性であり、腸環境は、胃と比べると、比較的よりアルカリ性である。その製品をこれらの環境に曝露した後、残ったどの製品も濾過し、乾燥させた。この残された製品を秤量し、初期製品の質量と比べる。IVDパーセントは、初期製品の質量と比較した溶解製品の質量の百分率である。溶解度試験が、下記にさらに記載されている。
【0064】
使用した溶液:
リン酸塩緩衝液、0.1M、pH6.0の溶液: 2.1グラムの無水リン酸二ナトリウムおよび11.76グラムのリン酸一ナトリウム一水和物を1リットルの容量フラスコ内で溶解させ、蒸留/脱イオン(dd)水で所定の容積にした。
【0065】
HCl溶液: 500mlのdd水を収容する1リットルの容量フラスコに17.0mlの濃HClを加え、dd水で所定の容積にした。250mlのリン酸塩緩衝液に100mlのHCl:ペプシンを加えた場合、pHは2.0に近づくはずである。これを行う方法の1つは、850mlの0.1NのHCl+150mlの1NのHClを使用して、1000mlのHCl貯蔵液にすることである。250mlのリン酸塩緩衝液に100mlのHCl:ペプシンを加えた場合、この溶液のpHは約1.9〜2.0である。
【0066】
HCl:ペプシン溶液: 適量のペプシン(Sigma P−7000、ペプシンの量は、試験されているサンプルサイズに依存する。手法の工程6での最終混合物において、1グラムのサンプル当たり0.01グラムのペプシンを得なければならない。例えば、30グラムのサンプルには、0.3グラムのペプシンが使用されるであろう)を1リットルの容量フラスコに入れ、上述したように調製したHCl溶液で所定の容積にした。
【0067】
クロラムフェニコール溶液: 0.5グラムのクロラムフェニコール(Sigma C−0378)を100mlの容量フラスコ内で95%のエタノールにより所定の容積にした。
【0068】
水酸化ナトリウム溶液、0.5N: 20グラムのNaOHを1リットルの容量フラスコ内でdd水により所定の容積にした。
【0069】
リン酸塩緩衝液、0.2M、pH6.8の溶液: 16.5グラムの無水リン酸二ナトリウムおよび11.56グラムのリン酸一ナトリウム一水和物を1リットルの容量フラスコ内で溶解させ、蒸留水で所定の容積にした。
【0070】
パンクレアチン:リン酸塩緩衝液: 適量のブタのパンクレアチン(Sigma P−1750、酵素の量は、試験されているサンプルサイズに依存する。工程8での最終混合物において、1グラムのサンプル当たり0.05グラムのブタのパンクレアチンを得なければならない。例えば、30グラムのサンプルには、1.5グラムのパンクレアチンが使用されるであろう)を500mlの容量フラスコ内で溶解させ、0.2M、pH6.8の上述したように調製したリン酸塩緩衝液で所定の容積にした。
【0071】
手法例
1. 番号の振られたダクロン(登録商標)織物片を57℃のオーブン内に一晩入れ、翌日に秤量する。
2. サンプルを三角フラスコに計り入れる。(IVD%の計算中の水分損失を考慮するために、追加のサンプルを秤量して、残留物と共に対照として乾燥させる)。各フラスコに250mlの0.1M、pH6.8のリン酸塩緩衝液を加える。
3. 各フラスコに100mlのHCl:ペプシン溶液を加える。混合物のpHが約2であることを確認する。必要であれば、HClで調節する。
4. 各フラスコに5mlのクロラムフェニコール溶液を加える。
5. フラスコに栓をする。穏やかに混合する。6時間に亘り39℃でインキュベーションする。振盪水浴を使用して定期的に混合し、溶液中に製品を沈降したままにしながら、サンプルをフラスコ内で一定に動かす速度を設定する。
6. インキュベーション後、混合物の最終pHを6.8に到達させるのに十分な0.5Nの水酸化ナトリウム溶液を各フラスコに加える。
7. 各フラスコに100mlのパンクレアチン:リン酸塩緩衝液を加える。穏やかに混合する。
8. フラスコに栓をする。18時間に亘り39℃でインキュベーションする。振盪水浴を使用して定期的に混合し、溶液中に製品を沈降されたままにしながら、サンプルをフラスコ内で一定に動かす速度を設定する。
9. 工程1からの「ダクロン」織物の秤量片に通してサンプルを濾過する。dd水で3回濯ぐ。一定質量に到達するまで、57℃に維持する。
10. 下記の段階でpHを記録する:
a. 工程4。
b. 6時間の消化後。
c. 工程7のNaOH溶液の添加後。
d. パンクレアチン:リン酸塩緩衝液の添加後。
e. 24時間後。
【0072】
計算:
【0073】
【数1】
【0074】
特定の実施の形態において、ペット向け噛み物組成物は、最大32グラム片に基づいて少なくとも60%のIVD、好ましくは少なくとも70%のIVD、より好ましくは75%のIVDの溶解度を有する(ペット向け噛み物が32グラム未満の場合、通常、所定のグラム質量の1つの噛み物製品が使用される。現実的な測定値のために32グラムより大きい片を使用することは推奨されない。もちろん、分析される塊片は、溶解度の数値の比較を行うために実質的に同等である必要があることが当業者に認識されるであろう)。本発明のペット向け噛み物の溶解度は100%に近いかもれしないが、溶解度は、一般に、約60から約95%のIVDの範囲にあるであろう。ここに記載されたように押出しおよび射出成形により実施例2の配合物から製造されたペット向け噛み物の溶解度は、約85%のIVDであった。
【0075】
押出し
好ましい実施の形態において、本発明による製品を製造するために、押出し、好ましくは、ペレットの製造のための二軸スクリュー押出しが使用されることがある。その後、ペレットは溶融され、押出後成形により、好ましくは射出成形により、特定の形状に形成される。射出成形後、製品の個々の片は、ばりを除去するために切り取られ、その後、包装の前に冷却される。
【0076】
図1は、本発明によるペット向け噛み物製品を製造する例示の方法の略図を示している。図1に示されるように、成分の混合から完成製品の包装までの製造プロセスは、連続的に行われる。粉末成分をミキサ内で約5〜30分間に亘り混合する。その後、粉末成分の均一な混合物を押出機、好ましくは、二軸スクリュー押出機に投入する。粉末用入口の下流に、液体成分を加えて、粉末成分と液体成分の混合物を、熱と剪断の存在下で、均一に可塑化された成形可能塊に転換させる。このプロセス中、押出可能塊は、押出機のバレル内の温度上昇により調理もされる。押出機のバレルの温度プロファイルは、中でも、組成、圧力、押出機のバレル内の滞留時間、スクリュープロファイル、スクリュー速度および剪断速度により決まる。
【0077】
押出機の区域内の温度と剪断は、十分な熱可塑化を提供するように設定される。これは、中間区域の約88℃から約141℃の範囲の温度およびバレルの両端でのそれより低い温度で行われるであろう。もちろん、中間区域でそれより高い温度を使用してもよい。
【0078】
このように、押出機に沿ったエネルギーと水分の随意的な放出を可能にするために、バレルに亘り温度を制御することができる。ほとんどの調理が押出機のバレル内部で押出可能塊に行われる場合、加工部分の終わりに、通気/真空スタッファーを使用することによって、強制通気を行ってもよい。
【0079】
押出機の出口では、押出物は、小さいオリフィスを備えたダイに押し通される。ダイの直後で、押出物は、小さいダイの開口により負わされる制限のために、圧力と温度の上昇に曝露され、それゆえ、ペレットの品質を保証するために、追加の冷却の使用が益々重要になる。
【0080】
押出機のダイを出た後、可塑化された押出物は、少なくとも1つの刃を備えた表面カッターによりダイの表面で小さなペレットへと切断される。このカッターの回転速度は、押出物の流動特性に加え、ペレットのサイズ要件に応じて調節されるであろう。ダイの出口での製品の温度は、約82℃から約95℃に及ぶことがあり、約85℃であることが最も好ましい。
【0081】
切断後、ペレットは、移動コンベヤ上に置かれて、ペレットは押出機の出口から離れるように運ばれる。このプロセスも、ペレットの冷却を促進させて、固化が防がれ、これにより、プロセス順序におけるその後の脱凝集工程の必要性が低下する。コンベヤは周囲温度に維持されてもよいが、冷却時間を減少させるために、冷気の強制空気循環を適用して、急激な冷却を行ってもよい。
【0082】
配合、速度および冷却の程度に応じて、ペレットが互いにくっついて、一定しないサイズの凝集塊を形成することがある。これらの凝集塊は、定常かつ安定な射出成形プロセスを確実にするために、脱凝集を行うことによって、サイズを減少させなければならない。
【0083】
冷却と脱凝集後、ペレットを射出成形に搬送し、そこで、最終製品形状が達成される。
【0084】
代わりの製造プロセスが図2から分かる。図2は、ペレットが、射出成形に使用される十分前に製造される、本発明によるペット向け噛み物製品を製造する別の例示の方法の略図を示している。
【0085】
混合が行われている間、押出し、冷却および脱凝集の各工程は、上述したもの(図1参照)に似ており、図2に示される代わりの製造プロセスにおいて、ペレットは、冷却または脱凝集の際に、適切な容器に包装される。包装に関して、貯蔵と運搬のために、トート、サック、スーパーサック、樽、カートンなどを使用してもよい。包装の選択は、中でも、ペレットの包装特性、環境と安全性の規則、取扱/輸送要件、使用頻度およびサイズによる。
【0086】
ペレット容器は、目的の用途に適しており、昆虫、鳥、埃、温度と湿度の変動、日光への曝露、容器からの芳香および風味の移り/にじみなどの外部要素からそれらの内容物を保護するのに十分に不活性でなければならない。
【0087】
射出成形の前に、貯蔵または輸送中に容器内でペレットの集塊化または凝集が観察される場合、凝集塊を再び個々のペレットへとバラバラに壊すために、余計な脱凝集プロセスが必要とされることがある。脱凝集の際に、下記に記載するような射出成形によって、ペレットは最終製品形状に成形される。
【0088】
図3は、本発明によるペット向け噛み物製品を製造する例示の方法のさらに別の略図を示している。図3に示されるプロセスは、高剪断ミキサ内で粉末成分と液体成分を一緒に混ぜ合わせて、均一塊を形成している。図3に示されたプロセスによれば、ペレット製造工程は、均一塊を射出成形機のバレルに直接投入することによってもなくされる。
【0089】
射出成形後、その製品は冷却され、製品上の過剰の材料が除去されるばり取りプロセスが行われる。ばり取りは、振動ホッパー、振動テーブルおよび/またはタンブラーの内部での製品の振動によって行ってもよい。
【0090】
射出成形
図4は、本発明によるペット向け噛み物製品を調製するために使用されることがある射出成形プロセスの説明図を示している。射出成形プロセスのための材料が、ペレットの形態で容器1内に送達されることがある。時々、輸送、載荷圧力および処方の性質のために、ペレットは、一緒に集塊化し、大きい粘着ブロックを形成する傾向にある。それゆえ、必要であれば、各容器を脱凝集装置2に送って凝集塊を壊し、個々のペレットを分離して、射出成形機4への投入を可能にする。個々のペレットは、容器3内に収集され、成形のための射出成形機に繋がる供給機5に真空供給される。
【0091】
ペレットが射出成形機のスクリュー6に亘り搬送されながら、そのスクリューにより生じる高温、剪断および圧力により、固体のペレットが溶融製品へと転換され、これを、成形型7中に射出し、形状をとることができる。溶融製品は、スプルーおよび/またはマニホールド、ランナーおよび/またはノズル、次いでキャビティを通って移動して、最終製品形状を形成する。一旦、ショットが完了すると、射出スクリューは、引っ込められ、次のショットのための溶融製品が補充される。
【0092】
射出成形機が充填されているときに、キャビティ内で形成された製品は、必要に応じて、冷却または加熱されて、製品を冷却および/または硬化する。所望の冷却または硬化時間が一度達成されたら、成形型が開き、製品が、製品の背面への突き出しピンによりキャビティから解放される。成形された製品は、機械式コンベヤ上に落とされ、それらの製品は、その後、冷却のために収集される。ランナーが存在する場合、ランナーは除去され、成形製品は、冷却テーブル上に広げられて、骨の温度が、包装前に周囲温度に到達させられる。例示の成形ペット向け噛み物が図5に示されている。
【0093】
成形製品の形成のための例示の射出成形プロセスのパラメータが表2に示されている。
【0094】
【表2】
【0095】
一旦、十分な成形製品が収集されたら、それらをばり取り機に移して過剰なばりを取り除く。そのばり取り機の出口で、製品がスクリーニングされ、ここで、ばりが取られた製品は包装のために送られ、ばり再粉砕のために収集される。システムを通じて取り除かれたばりおよび製品仕様を満たさない製品も、収集され、再粉砕に使用される。
【0096】
配合物の熱可塑化を達成するためにパラメータが制御される限り、配合物の成分を単に混ぜ、射出成形機に直接入れることも可能である。
【0097】
実施例5:
材料および方法
着色料がターメリックとアントシアニンの組合せであることを除いて、実施例1、2、および3における配合にしたがって、ペット向け噛み物を製造する。ターメリックは粉末形態で提供される。ターメリックは、赤キャベツおよび/またはブラッドオレンジの形態で提供される。結果として得られるペット向け噛み物の色は、緑色になる。その緑色は、天然由来であり、有益な健康上の特性を有する。
【0098】
結果および結論
結果として得られるペット向け噛み物は、ペットと飼い主にとって好ましい緑色となる。その緑色は、天然由来であり、「天然」のペット向け噛み物の可能性を残す。さらに、ターメリックとアントシアニンの全天然成分を含む組成物の物理的特性は、上述したものと実質的に同じになる。
【0099】
実施例6:
この実施例は、本発明の好ましいペット向け噛み物である、標準のペット向け噛み物、低カロリーのペット向け噛み物、および老齢ペット向け噛み物の3つの配合物を提供する。
【0100】
材料および方法
標準のペット向け噛み物、低カロリーのペット向け噛み物、および老齢ペット向け噛み物のペット向け噛み物の配合物
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
3つのペット向け噛み物の実施の形態の全ては、全て天然のペット向け噛み物を製造するために、ターメリックとアントシアニンを使用して配合される。
【0104】
以下は、消化率と溶解度の試験の結果である。
【0105】
消化率の研究結果
【0106】
【表5】
【0107】
以下は、全糞便の硬さの観察のグラフである:
【0108】
溶解度研究欠課
【0109】
【表6】
【0110】
【表7】
【0111】
結果および結論:
実施例5のペット向け噛み物の配合物は、市場で現在入手可能なペット向け噛み物と比べて、改善された消化率および溶解度を示す。さらに、それらは天然の緑色を提供する。
他の実施態様
1.食用ペット向け噛み物において、
a.該噛み物の約15から約90質量%の量の線維性タンパク質、
b.該噛み物の約5から約35質量%の量の吸水性ポリマーであって、ゲル化タンパク質、親水コロイド、食用ヒドロゲル、およびそれらの混合物からなる群より選択される吸水性ポリマー、
c.該噛み物の約5から約40質量%の量の可塑剤、
d.該噛み物の約1から約20質量%の量の水、および
e.緑色を生じる、アントシアニンとターメリック、
を含むペット向け噛み物。
2.前記アントシアニンが、ブルーベリー、クランベリー、ビルベリーなどのスノキ属;ブラックラズベリー、レッドラズベリー、およびブラックベリーを含むキイチゴ属;クロフサスグリ;チェリー;なすの皮;う稲;コンコードブドウ;マスカダインブドウ;赤キャベツ;紫色の花弁;黒豆;ブラックチョコベリーの皮;アサイー(Amazonian palm berry);ブラッドオレンジ;マリオンブラックベリー;チェリー;アカフサスグリ;紫トウモロコシ;およびアサイー(acai)からなる群の少なくとも1つに由来する、実施態様1記載の食用ペット向け噛み物。
3.前記アントシアニンが、該アントシアニンを青に見えるようにするpHを有する、実施態様2記載の食用ペット向け噛み物。
4.前記アントシアニンの供給源が赤キャベツである、実施態様2記載の食用ペット向け噛み物。
5.前記赤キャベツの供給源が約8から9のpHを有する、実施態様4記載の食用ペット向け噛み物。
6.前記ターメリックが、該ターメリックを黄に見えるようにするpHを有する、実施態様1記載の食用ペット向け噛み物。
7.前記ターメリックが4.5から6.5のpHを有する、実施態様6記載の食用ペット向け噛み物。
8.前記アントシアニンが青色を提供し、前記ペット向け噛み物の前記緑色に寄与するように、該ペット向け噛み物のpHを安定化するように適合されたpH安定剤をさらに含む、実施態様1記載の食用ペット向け噛み物。
9.前記pH安定剤が酵素をさらに含む、実施態様8記載の食用ペット向け噛み物。
10.前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の約0.005質量%から5.0質量%を占める、実施態様1記載の食用ペット向け噛み物。
11.前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の約0.005質量%から4.0質量%を占める、実施態様10記載の食用ペット向け噛み物。
12.前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の約0.005質量%から3.0質量%を占める、実施態様10記載の食用ペット向け噛み物。
13.前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の約0.005質量%から2.0質量%を占める、実施態様10記載の食用ペット向け噛み物。
14.前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の約0.005質量%から1.0質量%を占める、実施態様10記載の食用ペット向け噛み物。
15.前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の約0.005質量%から0.045質量%を占める、実施態様10記載の食用ペット向け噛み物。
16.前記アントシアニンと前記ターメリックの組合せにより生じる緑色が、約P163−14Uから約P165−16Uのパントン・リファレンス範囲を有する、実施態様1記載の食用ペット向け噛み物。
17.前記アントシアニンと前記ターメリックの組合せにより生じる緑色が、約560nmから490nmの波長を有する、実施態様1記載の食用ペット向け噛み物。
18.前記アントシアニンと前記ターメリックの組合せにより生じる緑色が、540THzから610THzの周波数を有する、実施態様1記載の食用ペット向け噛み物。
19.前記ペット向け噛み物の溶解度が少なくとも60%のインビトロ消失(IVD)である、実施態様1記載の食用ペット向け噛み物。
20.熱可塑化成形ペット向け噛み物を調製するための食用ペット向け噛み物組成物において、
a.該組成物の約15から約90質量%の量の線維性タンパク質、
b.該組成物の約5から約35質量%の量の吸水性ポリマーであって、ゲル化タンパク質、親水コロイド、食用ヒドロゲル、およびそれらの混合物からなる群より選択される吸水性ポリマー、
c.該組成物の約5から約40質量%の量の可塑剤、
d.該組成物の約1から約20質量%の量の水、および
e.緑色を生じる、アントシアニンとターメリック、
を含む食用ペット向け噛み物組成物。
21.約5%未満の量のデンプンをさらに含む、実施態様20記載の食用ペット向け噛み物組成物。
22.前記アントシアニンが、ブルーベリー、クランベリー、ビルベリーなどのスノキ属;ブラックラズベリー、レッドラズベリー、およびブラックベリーを含むキイチゴ属;クロフサスグリ;チェリー;なすの皮;う稲;コンコードブドウ;マスカダインブドウ;赤キャベツ;紫色の花弁;黒豆;ブラックチョコベリーの皮;アサイー(Amazonian palm berry);ブラッドオレンジ;マリオンブラックベリー;チェリー;アカフサスグリ;紫トウモロコシ;およびアサイー(acai)からなる群の少なくとも1つに由来する、実施態様20記載の食用ペット向け噛み物組成物。
23.前記アントシアニンが、該アントシアニンを青に見えるようにするpHを有する、実施態様22記載の食用ペット向け噛み物組成物。
24.前記アントシアニンの供給源が赤キャベツである、実施態様22記載の食用ペット向け噛み物組成物。
25.前記赤キャベツの供給源が約8から9のpHを有する、実施態様22記載の食用ペット向け噛み物。
26.前記ターメリックが、該ターメリックを黄に見えるようにするpHを有する、実施態様20記載の食用ペット向け噛み物組成物。
27.前記ターメリックが4.5から6.5のpHを有する、実施態様26記載の食用ペット向け噛み物組成物。
28.前記アントシアニンが青色を提供し、前記ペット向け噛み物の前記緑色に寄与するように、該ペット向け噛み物のpHを安定化するように適合されたpH安定剤をさらに含む、実施態様20記載の食用ペット向け噛み物組成物。
29.前記pH安定剤が酵素をさらに含む、実施態様28記載の食用ペット向け噛み物組成物。
30.前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の約0.005質量%から約5.0質量%を占める、実施態様20記載の食用ペット向け噛み物組成物。
31.前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の約0.005質量%から4.0質量%を占める、実施態様30記載の食用ペット向け噛み物組成物。
32.前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の約0.005質量%から3.0質量%を占める、実施態様30記載の食用ペット向け噛み物組成物。
33.前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の約0.005質量%から2.0質量%を占める、実施態様30記載の食用ペット向け噛み物組成物。
34.前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の約0.005質量%から1.0質量%を占める、実施態様30記載の食用ペット向け噛み物組成物。
35.前記アントシアニンと前記ターメリックの合計量が、前記噛み物の約0.005質量%から0.045質量%を占める、実施態様30記載の食用ペット向け噛み物組成物。
36.前記アントシアニンと前記ターメリックの組合せにより生じる緑色が、約P163−14Uから約P165−16Uのパントン・リファレンス範囲を有する、実施態様20記載の食用ペット向け噛み物組成物。
37.前記アントシアニンと前記ターメリックの組合せにより生じる緑色が、約560nmから490nmの波長を有する、実施態様20記載の食用ペット向け噛み物組成物。
38.前記アントシアニンと前記ターメリックの組合せにより生じる緑色が、540THzから610THzの周波数を有する、実施態様20記載の食用ペット向け噛み物組成物。
39.前記ペット向け噛み物の溶解度が少なくとも60%のインビトロ消失(IVD)である、実施態様20記載の食用ペット向け噛み物組成物。
40.食用ペット向け噛み物を調製する方法において、
a.ペット向け噛み物組成物を形成する工程であって、
該組成物の約15から約90質量%の量の線維性タンパク質と、
該組成物の約5から約35質量%の量の吸水性ポリマーであって、ゲル化タンパク質、親水コロイド、食用ヒドロゲル、およびそれらの混合物からなる群より選択される吸水性ポリマーと、
該組成物の約5から約40質量%の量の可塑剤と、
該組成物の約1から約20質量%の量の水と、
緑色を生じる量のアントシアニンとターメリックと、
を混ぜ合わせることによる工程、
b.前記ペット向け噛み物組成物を可塑化する工程、および
c.可塑化された前記ペット向け噛み物組成物を成形して、前記ペット向け噛み物を形成する工程、
を有してなる方法。
41.前記アントシアニンとターメリックが、どの液体成分もどの乾燥成分と組み合わされる前に、前記水と混合される、実施態様40記載の方法。
42.前記アントシアニンとターメリックが、グリセリンと水の混合物中に計量され、次いで、前記乾燥成分に加えられる、実施態様41記載の方法。
43.緑色を生じる量のアントシアニンとターメリックを含む天然のペット向け噛み物。
44.天然由来の緑色を生じる量のアントシアニンとターメリックを含むペット向け噛み物。
45.前記アントシアニンが、ブルーベリー、クランベリー、ビルベリーなどのスノキ属;ブラックラズベリー、レッドラズベリー、およびブラックベリーを含むキイチゴ属;クロフサスグリ;チェリー;なすの皮;う稲;コンコードブドウ;マスカダインブドウ;赤キャベツ;紫色の花弁;黒豆;ブラックチョコベリーの皮;アサイー(Amazonian palm berry);ブラッドオレンジ;マリオンブラックベリー;チェリー;アカフサスグリ;紫トウモロコシ;およびアサイー(acai)からなる群に由来する、実施態様44記載の天然のペット向け噛み物。
46.前記ターメリックが粉末形態で提供される、実施態様45記載の天然のペット向け噛み物。
【符号の説明】
【0112】
1、3 容器
2 脱凝集装置
4 射出成形機
5 供給機
6 スクリュー
7 成形型
図1
図2
図3
図4
図5