特許第6497055号(P6497055)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6497055
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】車両用導光部材、車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/237 20180101AFI20190401BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20190401BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20190401BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20190401BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190401BHJP
【FI】
   F21S43/237
   F21S43/14
   F21W103:20
   F21W103:35
   F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-250339(P2014-250339)
(22)【出願日】2014年12月10日
(65)【公開番号】特開2016-115398(P2016-115398A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年12月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】波多野 真希
(72)【発明者】
【氏名】奥 裕章
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−280924(JP,A)
【文献】 特開2007−250290(JP,A)
【文献】 特開2014−127412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/237
F21S 43/14
F21W 103/20
F21W 103/35
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部での全反射を利用して光を導く棒形状の車両用導光部材において、
光を入射させる入射面を有する入射部と、
入射された光を出射させる出射面を有する出射部と、
前記入射部と前記出射部との間に設けられている湾曲部と、
を備え、
前記湾曲部の内周側面には、入射された光を前記出射部に通す膨張部が設けられ
前記膨張部は、前記入射部に入射された光を反射させずに前記出射部に通すものであり、内周側の側面が、前記出射部が設けられている側に凸の凸円面もしくはほぼ凸円面である、
ことを特徴とする車両用導光部材。
【請求項2】
前記膨張部の内周側面は、前記膨張部を設けなかった場合の前記湾曲部の前記内周側面の曲率半径の約3倍の曲率半径で形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用導光部材。
【請求項3】
前記湾曲部に前記入射面を設け、
前記湾曲部の前記入射面側の部分を、前記入射部と兼用する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用導光部材。
【請求項4】
前記膨張部は、前記湾曲部の断面形状に対して、前記内周側面を中間として、前記湾曲部の中心を中心とする中心角度が約180°の範囲に設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用導光部材。
【請求項5】
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内の前記ランプハウジング側に配置されている光源と、
前記灯室内の前記ランプレンズ側に配置されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用導光部材と、
を備える、
ことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用導光部材に関するものである。また、この発明は、車両用導光部材を備える車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用導光部材、車両用導光部材を備える車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具の棒状導光体について説明する。従来の車両用灯具の棒状導光体は、光入射面を有する入射部と、光入射面から入射した光を外部たとえば車両前方に出射させる光出射面を有する出射部と、入射部と出射部との間に設けられている湾曲端部と、を備えるものである。従来の車両用灯具の棒状導光体は、入射部の光入射面に対向してLEDなどの光源が固定されている。
【0003】
ここで、従来の車両用灯具の棒状導光体は、入射部と出射部との間に湾曲部が設けられているので、光源を固定する構造や作業性が容易である。すなわち、入射部と出射部との間に湾曲部が設けられていない場合は、光源を固定する構造や作業性が複雑となる傾向にある。このために、従来の車両用灯具の棒状導光体は、光源の固定構造や作業性の容易性を考慮して、入射部と出射部との間に湾曲部を設けるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−161008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の車両用灯具の棒状導光体は、入射光が湾曲部の側面であって内周側の側面(内周側面)に当たると反射し、その反射光が湾曲部の側面であって外周側の側面(外周側面)から外部に抜ける場合がある。この場合においては、湾曲部の外周側面の反射光が抜けた部分が点光する。この点光は、点灯見栄え上好ましくない。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、従来の車両用灯具の棒状導光体では、湾曲部の外周側面のある部分が点光する場合がある、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明(請求項1にかかる発明)は、内部での全反射を利用して光を導く棒形状の車両用導光部材において、光を入射させる入射面を有する入射部と、入射された光を出射させる出射面を有する出射部と、入射部と出射部との間に設けられている湾曲部と、を備え、湾曲部の内周側面(湾曲部の側面であって内周側の側面)には、入射された光を出射部に通す膨張部が設けられ、膨張部は、入射部に入射された光を反射させずに出射部に通すものであり、内周側の側面が、出射部が設けられている側に凸の凸円面もしくはほぼ凸円面である、ことを特徴とする。
【0008】
この発明(請求項2にかかる発明)は、膨張部の内周側面(膨張部の側面であって内周側の側面)は、膨張部を設けなかった場合の湾曲部の内周側面の曲率半径の約3倍の曲率半径で形成されている、ことを特徴とする。
【0009】
この発明(請求項3にかかる発明)は、湾曲部に入射面を設け、湾曲部の入射面側の部分を入射部と兼用する、ことを特徴とする。
【0010】
この発明(請求項4にかかる発明)は、膨張部が、湾曲部の断面形状に対して、内周側面を中間として、湾曲部の中心を中心とする中心角度が約180°の範囲に設けられている、ことを特徴とする。
【0011】
この発明(請求項5にかかる発明)は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内のランプハウジング側に配置されている光源と、灯室内のランプレンズ側に配置されている前記の請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用導光部材と、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明の車両用導光部材、車両用灯具は、湾曲部の内周側面に膨張部を設けたものであるから、膨張部を設けなかった場合の湾曲部の内周側面に当たる入射光が膨張部を通って出射部に導かれる。このために、この発明の車両用導光部材、車両用灯具は、従来の車両用灯具の棒状導光体のように、入射光が湾曲部の内周側面に当たって反射し、その反射光が湾曲部の外周側面(湾曲部の側面であって外周側の側面)から外部に抜けて、その部分が点光することがない。これにより、この発明の車両用導光部材、車両用灯具は、点灯見栄えが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具の実施形態を示す要部の一部断面図(図3におけるI−I線断面図)である。
図2図2は、車両用導光部材の要部を示す一部拡大断面図である。
図3図3は、車両用導光部材の要部を示す一部拡大正面図(図1におけるIII矢視図)である。
図4図4は、車両用導光部材の要部を示す一部拡大断面図(図3におけるIV−IV線断面図)である。
図5図5は、車両用導光部材の入射部の有り無しによる車両用灯具の奥行寸法の大小を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。この明細書および別紙の特許請求の範囲において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用導光部材、車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。なお、図1図2図4図5において、車両用導光部材のハッチングを省略する。また、図5において、車両用灯具のランプハウジング、ランプレンズ、インナーパネルの図示を省略する。
【0015】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかる車両用導光部材、車両用灯具の構成について説明する。図1中、符号1は、この実施形態にかかる車両用灯具である。
【0016】
(車両用灯具1の説明)
前記車両用灯具1は、リアコンビネーションランプを構成し、車両(図示せず)の後部の左右両側にそれぞれ装備される。前記車両用灯具1は、ランプハウジング2と、ランプレンズ(たとえば、素通しのアウターカバー、アウターレンズなど)3と、インナーレンズ4と、インナーパネル(インナーハウジング)5と、光源6と、この実施形態にかかる車両用導光部材としての導光部材(ライトガイド、導光体)7と、を備えるものである。前記光源6および前記導光部材7は、リアコンビネーションランプのストップランプ、テールランプ、サイドマーカーランプ、バックアップランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、ライセンスプレートランプなどのリアコンビネーションランプのランプユニットを構成する。
【0017】
(ランプハウジング2およびランプレンズ3の説明)
前記ランプハウジング2は、たとえば、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。前記ランプハウジング2は、主に車両の後側から外側にかけての部分が開口し、一方、主に車両の前側から内側にかけての部分が閉塞した形状をなす。
【0018】
前記ランプレンズ3は、たとえば、光透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。前記ランプレンズ3は、主に車両の前側から内側にかけての部分が開口し、一方、主に車両の後側から外側にかけての部分が閉塞した形状をなす。前記ランプレンズ3の閉塞部分の意匠面は、車両の後部の意匠面に沿う。
【0019】
前記ランプハウジング2の開口縁と前記ランプレンズ3の開口縁とは、固定されている。これにより、灯室8が区画されている。前記灯室8内には、前記インナーレンズ4および前記インナーパネル5および前記光源6および前記導光部材7が、それぞれ配置されている。
【0020】
(インナーレンズ4およびインナーパネル5の説明)
前記インナーレンズ4は、光透過性の部材から構成されている。前記インナーレンズ4は、図1に示すように、前記ランプレンズ3と前記導光部材7との間に配置されている。前記インナーレンズ4は、前記導光部材7から出射された出射光(図示せず)を前記ランプレンズ3側に拡散透過させるものである。前記インナーレンズ4は、前記ランプハウジング2に直接あるいは他の部材を介して取り付けられている。
【0021】
前記インナーパネル5は、光不透過性の部材から構成されている。前記インナーパネル5は、図1に示すように、前記ランプハウジング2および前記光源6側と前記ランプレンズ3および前記インナーレンズ4側との間に配置されている。この結果、前記ランプハウジング2および前記光源6は、前記インナーパネル5により、前記ランプレンズ3および前記インナーレンズ4側から見て覆い隠されている。前記インナーパネル5には、透孔50が設けられている。前記透孔50中には、前記導光部材7が挿通されている。前記インナーパネル5は、前記ランプハウジング2に直接あるいは他の部材を介して取り付けられている。
【0022】
(光源6の説明)
前記光源6は、図1図2図5に示すように、この例では、たとえば、LED、OELまたはOLED(有機EL)などの自発光半導体型光源である。前記光源6は、基板9と、発光部10と、から構成されている。前記光源6は、前記ランプハウジング2に直接取り付けられている。なお、前記光源6は、前記ランプハウジング2に固定部材としてのブラケット(図示せず)を介して取り付けても良い。前記光源6は、前記インナーパネル5より前記ランプハウジング2側に配置されている。前記光源6の前記発光部10は、前記導光部材7の入射面120に対向して配置されている。
【0023】
(導光部材7の説明)
前記導光部材7は、内部での全反射を利用して光を中心線(中心軸線)O方向に沿って導くものである。前記導光部材7は、この例では、アクリル樹脂やPC(ポリカーボネート)などの透明樹脂材から構成されている。前記導光部材7は、断面形状が円形もしくはほぼ円形の円柱形状すなわち丸棒形状をなす。前記導光部材7の直径(基本直径)は、この例では、約5〜8mmである。前記導光部材7は、出射部13と、湾曲部14と、を備える。前記導光部材7は、前記インナーパネル5の前記透孔50中に挿通されている。前記導光部材7の一端部分もしくは両端部分は、前記インナーパネル5より前記ランプハウジング2側に配置されている。前記導光部材7の中央部分(中間部分)は、前記インナーパネル5より前記ランプレンズ3側に配置されている。
【0024】
(出射部13の説明)
前記出射部13は、前記導光部材7の中央部分(中間部分)に設けられている。前記出射部13は、丸棒形状の直線形状もしくはほぼ直線形状をなす。前記出射部13の側面すなわち凸円面もしくはほぼ凸円面のうち、前記ランプレンズ3および前記インナーレンズ4側と対向する面には、出射面130が設けられている。前記出射面130は、前記入射面120から前記導光部材7中に入射して、前記湾曲部14を経て前記出射部13に導かれた入射光L1の一部を、出射光(図示せず)として外部、すなわち、車両の後方もしくは側方に出射させるものである。
【0025】
前記出射部13の前記ランプハウジング2および前記インナーパネル5および前記光源6側と対向する面であって、前記出射面130と反対側の面もしくはほぼ反対側の面には、反射面131が設けられている。前記反射面131は、円柱形状すなわち丸棒形状の前記導光部材7の前記出射部13の前記中心線O方向に多数個連続して設けられている。前記反射面131は、前記湾曲部14を経て前記出射部13に導かれた前記入射光L1の一部を、反射光(図示せず)として前記出射面130側に反射させるものである。なお、前記反射面131は、段差面(図示せず)もしくは段差面および導光用反射面と共にプリズムを構成する。
【0026】
(湾曲部14の説明)
前記湾曲部14は、前記導光部材7の一端部分もしくは両端部分に設けられている。すなわち、前記湾曲部14は、前記出射部13の一端もしくは両端に一体に設けられている。前記湾曲部14は、固定された点(図示せず)もしくは徐変された点を中心として、中心角度が約90°の範囲に設けられている。
【0027】
前記湾曲部14の一端面(前記出射部13に一体に設けられている端面と反対側の端面)には、前記入射面120が設けられている。すなわち、前記湾曲部14の前記入射面120側の部分は、前記導光部材7の入射部と兼用する。
【0028】
前記湾曲部14の内周側面(図2図4中の破線にて示す前記湾曲部14の側面すなわち凸円面もしくはほぼ凸円面であって内周側の側面)140には、膨張部15が一体に設けられている。前記膨張部15は、前記入射面120から前記湾曲部14中に入射された前記入射光L1を、前記湾曲部14の前記内周側面140で反射させずに、前記出射部13に通すものである。
【0029】
前記膨張部15の内周側面(前記膨張部15の側面すなわち凸円面もしくはほぼ凸円面であって内周側の側面)150は、前記膨張部15を設けなかった場合の前記湾曲部14の前記内周側面140の曲率半径R2の約3倍の曲率半径R1で形成されている。
【0030】
前記膨張部15は、図4に示すように、前記湾曲部14の断面形状に対して、前記内周側面150を中間として、前記湾曲部14の中心(前記中心線O)を中心とする中心角度が約180°の範囲に設けられている。
【0031】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる車両用導光部材(以下、「導光部材7」と称する)、車両用灯具1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0032】
光源6の発光部10を点灯する。すると、光源6の発光部10から放射された光は、入射光L1として、導光部材7の入射部と兼用の湾曲部14の入射面120から導光部材7中に入射する。導光部材7中に入射した入射光L1は、導光部材7中を、入射部と兼用の湾曲部14から出射部13側に全反射を繰り返しながら導かれる。
【0033】
入射光L1が湾曲部14から出射部13側に導かれる際に、湾曲部14の内周側面140に設けられた膨張部15中を通った入射光L1は、湾曲部14の内周側面140で反射せずに、そのまま出射部13側に導かれる。すなわち、入射光L1は、膨張部15中をそのまま出射部13側に通る。
【0034】
ここで、入射光L1の一部であって、出射部13側に導かれた入射光L1の一部は、反射面131で反射される。その反射光の一部は、出射光として出射部13の出射面130からインナーレンズ4およびランプレンズ3を経て外部すなわち車両の後方もしくは側方に出射する。
【0035】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0036】
この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、湾曲部14の内周側面140に膨張部15を設けたものであるから、膨張部15を設けなかった場合の湾曲部14の内周側面140に当たる入射光L1が膨張部15を通って出射部13に導かれる。このために、この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、従来の車両用灯具の棒状導光体(図2中の破線にて示す棒状導光体を参照)のように、入射光L1が湾曲部14の内周側面140に当たって反射し、その反射光(図2中の破線を参照)L10が湾曲部14の外周側面(湾曲部14の側面すなわち凸円面もしくはほぼ凸円面であって外周側の側面)から出射光(図2中の破線矢印を参照)L11として外部に抜けて、その部分が点光することがない。これにより、この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、点灯見栄えが向上する。
【0037】
この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、膨張部15の内周側面150が、膨張部15を設けなかった場合の湾曲部14の内周側面140の曲率半径R2の約3倍の曲率半径R1で形成されている。このために、この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、入射光L1が膨張部15中をそのまま出射部13側に確実に通ることができる。すなわち、湾曲部14の外周側面のある部分が点光するのを確実に防ぐことができる。
【0038】
この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、入射部を設けずに、湾曲部14の一端面に入射面120を設けたものであるから、湾曲部14の入射面120から導光部材7中に入射した入射光L1が直ちに湾曲部14から出射部13に導かれる。このために、この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、入射光L1が膨張部15中をそのまま出射部13側に確実に通ることができる。すなわち、湾曲部14の外周側面のある部分が点光するのを確実に防ぐことができる。
【0039】
ここで、入射部12が設けられている導光部材700について、図5(B)を参照して説明する。なお、図5(B)中の導光部材700の構成部品においては、この実施形態にかかる導光部材7の構成部品と同符号を付す。
【0040】
かかる導光部材700は、一端部分もしくは両端部分に入射面120を有する入射部12を設け、その入射部12と出射部13との間に湾曲部14を設けるものである。かかる導光部材700は、入射部12を設けたものであるから、入射部12の入射面120から導光部材7中に入射した入射光L1が入射部12中を通ってから湾曲部14を経て出射部13に導かれる。このために、かかる導光部材700は、入射光L1が入射部12中を通る際に、入射部12で反射し、その反射光が湾曲部14から外部に抜けて、その部分が点光する場合がある。
【0041】
これに対して、この実施形態にかかる導光部材7は、入射部12を設けずに、湾曲部14の一端面に入射面120を設けたものであるから、湾曲部14の入射面120から入射した入射光L1を直ちに湾曲部14から出射部13に導くことができる。このために、この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、入射光L1が膨張部15中をそのまま出射部13側に確実に通ることができる。すなわち、この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、入射光L1が入射部で反射し、その反射光が湾曲部14から外部に抜けて、その部分が点光する場合がない。
【0042】
この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、湾曲部14の一端面に入射面120を設けて、湾曲部14の入射面120側の部分を導光部材7の入射部と兼用するものである。このために、この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、灯具の奥行すなわちランプハウジング2とランプレンズ3との間の寸法を小さくすることができる。
【0043】
ここで、入射部12が設けられている導光部材700について、図5(B)を参照して説明する。なお、図5(B)中の導光部材700の構成部品においては、この実施形態にかかる導光部材7の構成部品と同符号を付す。
【0044】
かかる導光部材700は、一端部分もしくは両端部分に入射面120を有する入射部12を設け、その入射部12と出射部13との間に湾曲部14を設けるものである。かかる導光部材700は、この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1と比較して、入射部12を設けた分、灯具の奥行が大きくなる。
【0045】
これに対して、この実施形態にかかる導光部材7は、入射部12を設けずに、湾曲部14の一端面に入射面120を設けて、湾曲部14の入射面120側の部分を入射部と兼用するものであるから、灯具の奥行を小さくすることができる。
【0046】
この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、膨張部15が、湾曲部14の断面形状に対して、内周側面150を中間として、湾曲部14の中心(中心線O)を中心とする中心角度が約180°の範囲に設けられている。このために、この実施形態にかかる導光部材7、車両用灯具1は、入射光L1が膨張部15中をそのまま出射部13側に確実に通ることができる。すなわち、湾曲部14の外周側面のある部分が点光するのを確実に防ぐことができる。
【0047】
(実施形態以外の例の説明)
なお、前記の実施形態においては、リアコンビネーションランプ、および、リアコンビネーションランプのストップランプなどのランプユニットについて説明するものである。ところが、この発明においては、フロントコンビネーションランプ、および、フロントコンビネーションランプのターンシグナルランプ、クリアランスランプ、サイドマーカーランプなどにも適用することができる。
【0048】
また、前記の実施形態においては、リアコンビネーションランプの1機能の車両用灯具について説明するものである。ところが、この発明においては、リアコンビネーションランプあるいはフロントコンビネーションランプの2機能の車両用灯具に適用することができる。
【0049】
さらに、前記の実施形態においては、入射部を設けずに、湾曲部14の一端面に入射面120を設けて、湾曲部14の入射面120側の部分を導光部材7の入射部と兼用するものである。ところが、この発明においては、図5(B)に示すように、導光部材700の
一端部分もしくは両端部分に入射面120を有する入射部12を設け、その入射部12と出射部13との間に湾曲部14を設けるものであっても良い。この場合においても、湾曲部14もしくは湾曲部14および入射部12の内周側面に膨張部を設ける。
【符号の説明】
【0050】
1 車両用灯具
2 ランプハウジング
3 ランプレンズ
4 インナーレンズ
5 インナーパネル
50 透孔
6 光源
7 導光部材
8 灯室
9 基板
10 発光部
12 入射部
120 入射面
13 出射部
130 出射面
131 反射面
14 湾曲部
140 内周側面
15 膨張部
150 内周側面
L1 入射光
L10 反射光
L11 出射光
O 導光部材の中心線
図1
図2
図3
図4
図5