(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理禁止手段により禁止される所定の処理は、精算処理を実行させるべき精算装置へデータを送信する処理または前記精算処理に用いられる情報を前記精算装置で読み取り可能な媒体を出力する処理とのいずれかである
請求項1または2に記載のプログラム。
前記処理禁止手段により禁止される所定の処理は、精算処理を実行させるべき精算装置へデータを送信する処理または前記精算処理に用いられる情報を前記精算装置で読み取り可能な媒体を出力する処理とのいずれかである
請求項5または6に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係るPOS(Point Of Sales)システム(商品販売データ処理システムの一例)の構成例を示している。同図に示すPOSシステムは、ストアコントローラ10と、登録装置20と、3台の精算装置30−1、30−2、30−3と、通信装置40と、プリペイドカード管理サーバ50とを含んで構成されている。
なお、以降の説明にあたり、精算装置30−1、30−2、30−3について特に区別しない場合には、精算装置30と記載する。
【0013】
ストアコントローラ10、登録装置20、精算装置30及び通信装置40は店舗STにおいて備えられる。
ストアコントローラ10と、登録装置20と、3台の精算装置30と、通信装置40とは、有線または無線接続のLAN(Local Area Network)11で相互に通信が可能なように接続されている。
プリペイドカード管理サーバ50は店舗STの外に備えられている。プリペイドカード管理サーバ50と通信装置40とは例えばネットワークを経由して通信可能に接続されている。これにより、店舗STにおけるストアコントローラ10、登録装置20及び精算装置30は、通信装置40を中継してプリペイドカード管理サーバ50と通信が可能に接続される。
なお、プリペイドカード管理サーバ50は、例えば図示しない他の店舗における通信装置を介して、他の店舗における登録装置、精算装置及びストアコントローラなどと通信が可能に接続されてよい。
【0014】
なお、同図に示したPOSシステムの構成は一例である。例えば、POSシステムの構成として、2台以上の登録装置20を含む構成としてもよいし、2台以下または4台以上の精算装置30を含む構成としてもよい。また、POSシステムの構成として、ストアコントローラ10を含まない構成としてもよい。
なお、POSシステムの構成として、ストアコントローラ10を含まない構成とする場合には、他の装置(例えば、登録装置20、2以上の登録装置20がある場合には代表する1台の登録装置20)に、ストアコントローラ10としての機能を兼用させてもよい。
【0015】
ストアコントローラ10は、POSシステムを制御するコンピュータであり、商品マスタなどの種々の情報を管理する。ストアコントローラ10は、登録装置20及び各精算装置30に、最新の商品マスタを適宜送信する。商品マスタとは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの商品情報を格納したファイルである。
ストアコントローラ10は、最新の商品情報が反映された商品マスタを、外部(例えば、本部のサーバ、CD−ROM等の媒体)から取得し、登録装置20及び各精算装置30に適宜送信する。
【0016】
登録装置20は、購入対象の商品を登録する登録処理を実行する。商品の登録は、例えば、スキャナを用いて、商品に付されているバーコードを読み取るか、商品登録画面に表示されたプリセットボタン等を操作することにより行われる。
また、登録装置20は、登録された商品に関する情報(以下、商品登録データという)を生成し、記憶する。
【0017】
商品登録データは、当該商品登録データを識別するための商品登録データ識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)を含む。また、商品登録データは、当該商品登録データを生成した登録装置20(すなわち、当該商品登録データに係る商品を登録した登録装置20)を識別するための登録装置識別情報をさらに含んでもよい。
【0018】
商品登録データは、精算装置30において精算処理に用いられる。精算処理とは、登録された商品の代金を、現金、電子マネー(プリペイドカードのチャージ残高を含む)、クレジットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理である。
【0019】
本実施の形態では、複数の精算装置30が存在するが、複数のうちのいずれか1台が、登録装置20において生成された商品登録データを用いて精算処理を実行する。複数の精算装置30のうちから、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定する態様としては、下記の第1の指定態様と第2の指定態様が挙げられる。
【0020】
第1の指定態様は、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様である。
すなわち、店員が、精算装置30を指定する操作を登録装置20に対して行うことによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
なお、登録装置20において、各精算装置30の稼働状況を示した稼働情報を表示するようにし、登録装置20において、店員が精算装置30を指定する際に、各精算装置30の稼働状況を確認できるようにしてもよい。
【0021】
店員が精算装置30を指定した場合には、LAN11を介して、登録装置20において生成された商品登録データを含む会計データが、指定された精算装置30に送信される。すなわち、登録装置20は、登録処理に続いて精算装置30が指定された場合には、指定された精算装置30に対し、当該登録処理に基づく商品登録データを含む会計データを送信する。
なお、本実施の形態では、登録装置20は、直接、精算装置30に会計データを送信するが、ストアコントローラ10を経由して、精算装置30に会計データを送信してもよい。
【0022】
また、第2の指定態様は、顧客に手渡しされる精算処理用の媒体(お会計券(登録商標))を、店員が登録装置20にて発行し、店員から手渡しされたお会計券を、顧客が1つの精算装置30に読み取らせる態様である。
すなわち、顧客が、店員から手渡しされたお会計券を精算装置30に読み取らせることによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
お会計券には、会計データ識別情報及び登録装置識別情報が、1次元コードまたは2次元コードのいずれかの形式で印刷されている。
【0023】
精算装置30においてお会計券が読み取られた場合には、LAN11を介して、登録装置20において生成された商品登録データ(当該お会計券に対応する商品登録データ)を含む会計データが、当該お会計券を読み取った精算装置30に送信される。
すなわち、精算装置30は、お会計券を読み取った場合には、当該お会計券に対応する会計データ(お会計券から得られる商品登録データ識別情報によって識別される商品登録データ)を、当該お会計券に対応する登録装置20(お会計券から得られる登録装置識別情報によって識別される登録装置20)に要求し(要求情報を送信)、会計データを要求された登録装置20は、要求された会計データを、要求元の精算装置30に送信する。
なお、本実施の形態では、精算装置30は、直接、登録装置20に会計データを要求するが、ストアコントローラ10を経由して、登録装置20に会計データを要求してもよい。
また、登録装置20は、直接、精算装置30に会計データを送信するが、ストアコントローラ10を経由して、精算装置30に会計データを送信してもよい。
【0024】
なお、登録装置20は、会計データ識別情報及び登録装置識別情報が、1次元コードまたは2次元コードで印刷されたお会計券に代えて、会計データが2次元コードで印刷されたお会計券を発行してもよい。精算装置30は、会計データが2次元コードで印刷されたお会計券を読み取った場合には、当該お会計券から、直接、商品登録データを取得する。
【0025】
精算装置30は、顧客の操作に応じて精算処理を実行する。また、精算装置30は、精算処理を終了した場合には、登録装置20に精算処理の終了を通知する。
【0026】
通信装置40は、プリペイドカード管理サーバ50を含むネットワークとの接続と、店舗STにおけるLAN11との接続を中継するゲートウェイとしての機能を有する。これにより、前述のように、プリペイドカード管理サーバ50と、店舗STにおけるストアコントローラ10、登録装置20及び精算装置30が通信可能に接続される。
【0027】
次に、
図2〜
図4を参照して、登録装置20及び精算装置30の構成例について説明する。
図2は、登録装置20の構成例を示すブロック図である。
図3は、精算装置30の構成例を示すブロック図である。
図4は、登録装置20と精算装置30との外観例を示す斜視図である。
【0028】
登録装置20は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、記憶部202と、RAM(Random Access Memory)203と、スキャナ部204と、店員用表示部205と、客用表示部205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、印刷部209と、カードリーダ210とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0029】
CPU201は、中央演算処理装置であり、記憶部202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、登録装置20の動作を制御する。
記憶部202は、CPU201の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0030】
RAM203は、CPU201の主記憶装置であって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、ストアコントローラ10から取得した商品マスタや、登録処理後に生成された商品登録データなどを記憶する。
スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。
【0031】
店員用表示部205は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、店員用の種々の情報を表示する。
例えば、店員用表示部205は、商品情報(商品コード等)に関連付けられているプリセットボタンを配置した商品登録画面などを表示する。
【0032】
客用表示部205aは、顧客用の種々の情報を表示する。例えば、客用表示部205aは、登録した商品の価格等を表示する。客用表示部205aは、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であってもよい。
【0033】
操作部206は、登録装置20を動作させるための各種の操作ボタン(小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部206は、操作ボタン(プリセットキー)が操作されることにより、そのプリセットキーに予め設定登録されている商品情報(商品コード等)について、操作入力を受け付ける。
【0034】
通信部207は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー208は、店員が操作を確認することが必要な場合などに、ブザー音を発生させる。
印刷部209は、必要に応じて媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部209は、お会計券を印刷して発行する場合がある。
【0035】
本実施形態における店舗STでは、顧客は、自分が所持するプリペイドカード60(プリペイド記憶媒体の一例)を使用して買上商品の代金(買上金額)を支払うことができる。つまり、顧客は、店舗STでの買い物に際して電子マネーを使用して代金の支払いを行うことができる。本実施形態におけるプリペイドカード60は、顧客がチャージ(入金)を行うことが可能なプリペイドカードである。プリペイドカード60におけるチャージ金額の残高(チャージ残高)は、プリペイドカード管理サーバ50によって管理される。
【0036】
カードリーダ210は、プリペイドカード60と通信を行うことで、通信相手のプリペイドカード60から必要な情報を読み込む。本実施形態においてプリペイドカード60から読み込まれる情報は顧客番号である。顧客番号は、プリペイドカード60ごとに固有に割り当てられるとともに、顧客と対応付けられている。即ち、顧客番号は、プリペイドカードと顧客とのそれぞれを一意に識別する識別子として機能する。
【0037】
図4においては、スキャナ部204、店員用表示部205、操作部206、印刷部209及びカードリーダ210を含む登録装置20の外観例が示される。
【0038】
精算装置30は、
図3に示すように、CPU301と、記憶部302と、RAM303と、スキャナ部304と、表示部305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309と、決済部310と、サインポール311と、人感知センサ312とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0039】
CPU301は、中央演算処理装置であり、記憶部302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置30の動作を制御する。
記憶部302は、CPU301の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU301が利用する各種の情報を記憶する。
【0040】
RAM303は、CPU201の主記憶装置であって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM303は、ストアコントローラ10から取得した商品マスタや、登録装置20から取得した商品登録データを記憶する。
スキャナ部304は、例えば、お会計券に印刷された1次元または2次元コードや、会員カード等に付されているバーコード(会員コード)を光学的に読み取る。
【0041】
表示部305は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、種々の情報を表示する。例えば、表示部305は、合計金額などが表示される精算画面を表示する。
【0042】
操作部306は、精算装置30を動作させるための各種の操作ボタン(訂正キー及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部306は、操作ボタン(訂正キー)が操作されることにより、操作入力の訂正を受け付ける。
【0043】
通信部307は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー308は、エラー等が発生した場合、エラーを報知するブザー音を発生させる。
印刷部309は、媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部309は、精算処理(すなわち商品の買上金額の決済)が終了した場合、精算結果を示し顧客が持ち帰るべきレシートを印刷して発行する。
【0044】
決済部310は、釣銭釣札機、クレジットカードリーダ等と、それらの制御部とを備えて構成されていて、決済部310を用いて、現金、クレジットカード等により決済処理が行われる。
決済部310は、釣銭釣札機によって、現金により決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バスを介してCPU301に出力する。釣銭釣札機は、紙幣の投入及び排出をする紙幣投入口、硬貨を投入するための硬貨投入口、釣銭を排出する釣銭排出口を備えている。なお、以降の説明にあたり、紙幣投入口と硬貨投入口とについて一括して貨幣投入口と呼ぶ場合がある。
また、決済部310は、クレジットにより決済を実行し、決済を実行した結果を、ポート及びバスを介してCPU301に出力する。また、決済部310は、電子マネーにより決済を実行し、決済を実行した結果を、バスを介してCPU301に出力する。
【0045】
サインポール311は、複数色の表示灯を有し、それらの表示灯を点灯や点滅させることで、精算装置30が店員により指定された装置であることを示す情報を報知したり、操作可能である旨を報知したりする。
人感知センサ312は、精算装置30の正面の所定圏内に人物(顧客)がいることを検知するセンサである。
【0046】
図4においては、スキャナ部304、表示部305、操作部306、印刷部309、決済部310、及びサインポール311などを含む精算装置30の外観構成が示される。
【0047】
また、
図5を参照してプリペイドカード管理サーバ50の構成例について説明する。同図に示される、プリペイドカード管理サーバ50は、CPU501、記憶部502、RAM503及び通信部504を備える。
【0048】
CPU501は、中央演算処理装置であり、記憶部502に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、プリペイドカード管理サーバ50の動作を制御する。
記憶部502は、CPU501の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU501が利用する各種の情報を記憶する。
【0049】
本実施形態における記憶部502は、プリペイドカード管理情報を記憶する。
図6は、プリペイドカード管理情報の一例を示している。
同図のプリペイドカード管理情報は、顧客番号ごとに顧客情報とチャージ残高と利用履歴情報とを対応付けた構造である。顧客番号は、前述のようにプリペイドカードごとに記憶されており、プリペイドカードの識別子及び顧客の識別子として機能する。
顧客情報は、顧客番号に対応付けられた顧客に関する所定の情報要素を含む情報である。顧客情報の情報要素には、例えば、顧客の氏名、年齢、住所などが含まれる。
チャージ残高は、顧客番号に対応付けられたプリペイドカードにおけるチャージ残高の値を示す。
使用履歴情報は、過去におけるプリペイドカードの利用に関する履歴を示す情報である。
【0050】
説明を
図5に戻す。RAM503は、CPU501の主記憶装置であって、例えばCPU501が演算を行う際の作業領域として利用される。
通信部504は、ネットワーク経由で通信装置40と接続されることで、店舗STにおける登録装置20、精算装置30及びストアコントローラ10などと通信を行う。
【0051】
続いて、
図7及び
図8のフローチャートを参照して、本実施形態の登録装置20の処理遷移例について説明する。なお、上記各図のフローチャートにおけるステップのうちには、登録装置20とプリペイドカード管理サーバ50とが連携して行う処理が含まれる場合がある。
また、同図の説明にあたっては、前述の第1の指定態様によって、精算処理を実行させる精算装置30を指定するようにされている場合を例に挙げる。
【0052】
ステップS101:初期状態として、登録装置20は待機状態である。待機状態は、顧客の買上商品を計上するための登録処理が開始されるのを待機している状態である。待機状態において、登録装置20の店員用表示部205には、待機画面が表示されている。
図9には店員用表示部205に表示される待機画面の一例が示されている。
【0053】
ステップS102:ここで、顧客が買上商品の精算のために登録装置20に赴いて買上商品を店員に渡すと、店員は、渡された買上商品を登録する操作を開始する。そして、1つ目の買上商品を対象として登録の操作が行われることに応じて、登録装置20は商品登録処理を開始する。
ステップS103:店員は、買上商品の登録を終了すると小計キーを操作する。登録装置20は小計キーの操作を受け付けることで商品登録が終了したものとして扱う。
【0054】
ステップS104:顧客が今回の取引においてプリペイドカード60を利用したい場合、顧客は自分が所持するプリペイドカードを店員に提示する。店員は提示されたプリペイドカード60の利用を宣言する操作を行ったうえで、カードリーダ210により読み込ませるための操作を行う。この操作に応じて、登録装置20は、カードリーダ210がプリペイドカード60から読み込んだ情報を取得する。ここで取得される情報は、前述のように顧客番号である。
【0055】
ステップS105:ここで、顧客が現金またはクレジットカードによる支払いを行うとしてプリペイドカードを利用した支払いを申し出なかった場合、店員はプリペイドカード利用の支払いを指定することなく会計キー操作を行い、登録装置20は当該操作を受け付ける。
ステップS106:次に、店員は、今回の取引に応じた精算を実行させる精算装置30を指定する精算装置指定操作を行う。登録装置20は当該操作を受け付け、プリペイドカード利用の支払無しに対応する会計データAを、精算装置指定操作により指定された精算装置30に対して送信する。
ここで、会計データAは、今回の精算がプリペイドカード60のチャージ残高を利用しない精算(以降、「プリペイド不使用精算」とも呼ぶ)に対応し、今回の取引における商品登録結果(商品の計上結果)に応じた商品登録データ(例えば登録された各商品の金額、小計金額(買上金額)など)を含む。また、ステップS104によるプリペイドカード60の読み込みに対応する処理を経てステップS105の処理が行われる場合、会計データAには、さらにステップS104によりプリペイドカード60から取得された顧客番号が含まれる。
【0056】
同図に示されるように、ステップS105に対応するプリペイドカード利用の支払無しでの会計キー操作は、事前にステップS104によるプリペイドカードの読み込みが行われた場合と行われなかった場合とのいずれの場合においても可能である。
プリペイドカードの読み込みを行ってからプリペイドカード利用の支払無しでの会計キー操作を行った場合には、後述するように、精算装置30において現金で買上金額の支払いを行った場合に発生した釣銭をプリペイドカードにチャージする、「釣銭チャージ」を行うことが可能になる。
ステップS106により会計データAを送信した後、登録装置20は、ステップS101の待機状態に戻る。
【0057】
ステップS107:また、ステップS104によりプリペイドカード60の読み込みを行った場合には、プリペイドカード利用の支払有りを指定した会計キー操作を行うことができる。登録装置20は当該会計キー操作を受け付ける。
ステップS108:プリペイドカード利用の支払有りの会計キー操作を受け付けた場合、登録装置20は、ステップS104にて読み込んだプリペイドカードのチャージ残高が買上金額(小計金額)に対して充足しているか否か(即ち、プリペイドカードのチャージ残高が買上金額以上か否か)についての確認(チャージ残高充足確認)を行う。
【0058】
チャージ残高充足確認のために、登録装置20は、ステップS104によりプリペイドカードから取得した顧客番号を含むチャージ残高要求をプリペイドカード管理サーバ50に対して送信する。チャージ残高要求の受信に応じて、プリペイドカード管理サーバ50は、受信されたチャージ残高要求に含まれる顧客番号に対応してプリペイドカード管理情報に格納されているチャージ残高を記憶部502から取得する。プリペイドカード管理サーバ50は、取得したチャージ残高を、チャージ残高要求に対する応答(チャージ残高応答)として登録装置20に送信する。
登録装置20は受信されたチャージ残高応答が示すチャージ残高が買上金額以上か否かについて判定する。プリペイドカード60のチャージ残高が買上金額以上であれば充足しており、買上金額未満であれば不足していることになる。
【0059】
ステップS109:プリペイドカード60のチャージ残高が充足していた場合、登録装置20は、プリペイドカード60のチャージ残高から買上金額を引き去る引き去り処理を行う。つまり、登録装置20は、チャージ残高応答が示すチャージ残高から買上金額を減算することにより精算を行う。また、登録装置20は、今回の精算結果を示すレシートを印刷部209により用紙に印刷する。このようにして、プリペイドカードにより買上金額の全額を支払う場合には、登録装置20で、買上商品の登録から精算処理までの取引を完了させることができる。
【0060】
また、ステップS109において、登録装置20は今回の精算に応じて変更されるチャージ残高がプリペイドカード管理サーバ50にて適正に管理されるようにするための処理を行う。
即ち、登録装置20はチャージ残高応答が示すチャージ残高から買上金額を減算して得られる値にチャージ残高を更新し、更新されたチャージ残高を通知するチャージ残高更新通知をプリペイドカード管理サーバ50に送信する。チャージ残高更新通知には、ステップS104によりプリペイドカード60から取得した顧客番号と更新後のチャージ残高とが含まれる。
プリペイドカード管理サーバ50は、プリペイドカード管理情報に格納されるチャージ残高のうち、受信されたチャージ残高更新通知が示す顧客番号に対応付けられたチャージ残高を、同じチャージ残高更新通知が示すチャージ残高により更新する。
このようにして、プリペイドカード60のチャージ残高が店舗STにて使用されることに応じて、プリペイドカード管理サーバ50においてもプリペイドカード管理情報におけるチャージ残高が更新される。
ステップS109に応じて取引が完了した後、登録装置20は、ステップS101の待機状態に戻る。
【0061】
ステップS110:一方、ステップS108のチャージ残高充足確認によりチャージ残高が不足していることが確認された場合、登録装置20は、買上金額に対するプリペイドカードのチャージ残高の不足分についての支払方法の選択に関する処理を行う。
ステップS110の処理に際して、登録装置20は、
図10に示すように、チャージ残高不足を通知するチャージ残高不足通知画面としてのダイアログボックスDLB1を店員用表示部205に表示させる。
ダイアログボックスDLB1においては、チャージ残高不足であることを店員に通知するメッセージと不足金額とが示される。同図では、不足金額が100円であることを通知している例が示されている。
【0062】
また、ダイアログボックスDLB1においては、「全額使い切り」ボタンBT1、「チャージする」ボタンBT2及び中止ボタンBT3が配置される。
「全額使い切り」ボタンBT1は、チャージ残高の不足分の支払方法として、顧客が「残高使い切り支払い」を選択する場合に操作されるボタンである。「残高使い切り支払い」は、チャージ残高の不足分に対してプリペイドカード60のチャージ残高を全て使い切ったうえで、さらに残りの不足金額を現金で支払うという支払方法である。
「チャージする」ボタンBT2は、チャージ残高の不足分の支払方法として、顧客が「チャージ補填支払い」を選択する場合に操作されるボタンである。「チャージ補填支払い」は、プリペイドカード60の残金が買上金額以上となるようにチャージを行ったうえで、プリペイドカード60のチャージ残高を利用して買上金額の全額を支払うという支払方法である。
中止ボタンBT3は、例えばプリペイドカード利用による買上金額の支払いを中止し、現金やクレジットカードなどのプリペイドカード以外の支払方法により買上金額を支払うような場合に操作されるボタンである。
店員は、顧客が「残高使い切り支払い」、「チャージ補填支払い」及びプリペイドカード以外の支払方法への変更(中止)のうちのいずれを希望であるのかを確認し、確認した支払方法に応じて、「全額使い切り」ボタンBT1、「チャージする」ボタンBT2及び中止ボタンBT3を操作する。
【0063】
ステップS111:「全額使い切り」ボタンBT1が操作されたことに応じて、「残高使い切り支払い」が不足分の金額(不足金額)の支払方法として選択されると、登録装置20において金券利用確認が行われる。即ち、本実施形態においては、不足金額の支払いにあたり、現金に代えて金券を使用することができる。
【0064】
ステップS111の金券利用確認にあたり、登録装置20は、店員用表示部205に金券利用確認画面を表示させる。
図11は、金券利用確認画面の一例を示している。同図に示される金券利用確認画面は、ダイアログボックスDLB2として会計画面に重畳されるようにして表示される。金券利用確認画面は、不足金額の支払いに金券が利用可能であることを店員に確認させたうえで、客への金券を利用するか否かの確認を店員に促すために表示される画面である。
同図の金券利用確認画面としてのダイアログボックスDLB2には、金券を利用するのであれば、金券の利用を宣言する操作を行い、この後に、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定する操作を行ってもらうことを顧客に促す内容のメッセージが表示されている。
【0065】
本実施形態においては、登録装置20が品券を受け付けて登録処理を行うようにされていることから、精算装置30が品券を受け付けることはできない。このため、例えば登録装置20にて登録処理を完了させて、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定した後において、店員もしくは顧客が不足金額の支払いに金券を利用できることを思い出したとしても、この段階で品券を利用することができない。
例えば、プリペイドカードを使用せずに支払いを行う場合の精算処理のもとでは、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定した後であっても、登録装置20が精算装置30から精算の呼び戻しを行い、品券利用に応じた登録処理をし直し、再度、精算装置30の指定を行うことで、金券を利用した支払いが行える。
しかし、プリペイドカードを使用する場合には、例えば仕様上、登録装置20にて登録処理が完了すると、上記のように呼び戻しを行って登録処理をやり直すことができない。
このため、プリペイドカードの使用に伴って不足金額が発生した場合においては、店員が顧客に対して不足金額の支払いに金券を利用するか否かを確認することが好ましい。
しかし、例えば非常に忙しいようなときや未だ登録装置20の操作に不慣れであるような場合、金券が利用可能であることを店員が忘れてしまう可能性がある。このことを忘れてしまえば、店員は、不足金額の支払いに金券を利用するか否かを顧客に確認することも忘れることになる。この結果、客が金券を持っているとしても、不足金額の支払いに金券を利用する機会を逸してしまうことになる。
【0066】
そこで、本実施形態においては、ステップS111の金券利用確認にあたり、
図11のように金券利用確認画面を表示させる。金券確認画面は、一度表示されると、ダイアログボックスDLB2に配置された確認ボタンBT5を操作しなければ消去されないようになっている。
このため、店員は、不足金額が発生した場合において必ず金券利用確認画面を見ることになるので、不足金額の支払いに金券が利用可能であることを必ず確認することができ、さらに顧客に金券を利用するか否かを必ず問い合わせることができる。そして、店員は確認ボタンBT5を操作して登録装置20を会計画面が操作可能な状態に戻し、問合せに対する顧客の回答に応じた操作を行う。この結果、金券で不足金額を支払う意思のある顧客が金券を利用できなくなるという事態を回避することができる。
【0067】
ステップS112:金券を利用しないことが顧客から告げられた場合には、店員は金券利用を宣言する操作を行うことなく精算装置指定操作を行う。登録装置20は当該操作を受け付け、「残高使い切り支払い」に対応する会計データBを送信する。この場合の会計データBは、対応の精算が「残高使い切り支払い」による精算であることを示す情報を含む。また、会計データBは、今回の取引における商品登録結果に応じた商品登録データと、ステップS104によりプリペイドカード60から取得された顧客番号とを含む。
ステップS112による会計データBの送信の後、登録装置20は、ステップS101の待機状態に戻る。
【0068】
ステップS113:一方、金券を利用することの申し出を顧客から受けた場合には、店員は、顧客から金券を受け取ったうえで、金券利用を宣言する操作を行い、金券の金額を入力する操作を行う。このような操作を受け付けることで、登録装置20は、金券が利用されることを確認できる。
金券が利用される場合には、金券の金額によって以下の3つの場合のいずれかとなる。つまり、支払残金が生じる場合と、釣銭が生じる場合と、支払残金が0円となって残金も釣銭も生じない場合とのいずれかとなる。
即ち、金券による金額が不足金額に満たない場合には、不足金額から金券による金額を差し引いた支払残金が生じる。また、金券による金額が不足金額を超える場合には、金券による金額から不足金額を差し引いた釣銭が生じる。また、金券による金額が不足金額と等しければ支払残金が0円となる。
【0069】
そこで、金券を利用することが確認された場合、登録装置20は、金券による金額と不足金額とを比較することにより、支払残金または釣銭の発生について確認する。図示は省略するが、登録装置20は、支払残金の発生を確認した場合と、釣銭の発生を確認した場合と、支払残金が0円であることを確認した場合とで、それぞれ確認結果に応じた所定の会計画面を表示させる。
【0070】
ステップS114:支払残金の発生が確認された場合または釣銭の発生が確認された場合には、顧客が精算装置30にまで赴いて、支払残金の支払いまたは釣銭の受け取りを行う必要がある。そこで、この場合の店員は精算装置指定操作を行う。登録装置20は、当該精算装置指定操作を受け付け、「残金使い切り支払い」に対応する会計データBを送信する。この場合の会計データBには、使用が宣言された金券の金額が反映された商品登録データが含まれる。
【0071】
ステップS115:一方、支払残金が0円であることが確認された場合には、登録装置20は、プリペイドカード60の残金と、金券の金額とを利用して引き去り処理を行う。つまり、登録装置20は、買上金額からプリペイドカード60の残金と金券の金額とを差し引いて精算を終了させ、レシートを印刷部209により印刷する。このようにして、「残高使い切り支払い」において金券利用により支払残金0円となる場合にも、登録装置20で取引を完了させることができる。
また、この際には、登録装置20からプリペイドカード管理サーバ50に対して、更新後のチャージ残高が0円であることを通知するチャージ残高更新通知が送信される。プリペイドカード管理サーバ50は、チャージ残高更新通知の受信に応じて、プリペイドカード管理情報に格納されるチャージ残高のうち、受信されたチャージ残高更新通知が示す顧客番号に対応付けられたチャージ残高を0円に更新する。
【0072】
また、ステップS110において「チャージ補填支払い」が選択された場合、登録装置20は、
図8のステップS116以降の処理に遷移する。
ステップS116:まず、チャージ補填支払いが選択された場合、登録装置20は、これまでの取引について仮締めを行う。このように仮締めを行うことで、プリペイドカード60へのチャージに対応した処理(チャージ取引)に一時的に移行できる。
ステップS117:そのうえで、登録装置20は、店員により行われるチャージ金額の指定操作を受け付ける。
ステップS118:次に、先に仮締めした取引における商品登録が行われ、店員は小計キーを操作する。
ステップS119:登録装置20は、ステップS118に対応する小計キー操作を受け付ける。これにより、仮締めされていた取引が再開される。
【0073】
ステップS120:次に、店員は、再度、プリペイドカードの利用を宣言する操作を行ったうえで、プリペイドカード60をカードリーダ210により読み込ませる操作を行う。これにより、登録装置20は、カードリーダ210によりプリペイドカード60から読み込まれた顧客番号を取得する。
なお、プリペイドカード60からの情報の読み込みは、先にステップS104においても行われている。そこで、ステップS116による仮締め後においても、ステップS104によりプリペイドカード60から取得した顧客番号の記憶を継続させることで、ステップS120におけるプリペイドカード60からの情報の読み込みを省略させることができる。
【0074】
ステップS121:「チャージ補填支払い」の場合には、登録装置20にて指定されたプリペイドカード60へのチャージ金額を、顧客が精算装置30にて支払う必要がある。そこで、店員は、顧客にプリペイドカード60へのチャージ金額の支払いを行ってもらう精算装置30を指定する精算装置指定操作を行う。登録装置20は、当該操作を受け付ける。
【0075】
ステップS122:登録装置20は、ステップS121により精算装置指定操作を受け付けると、チャージ残高充足確認を行う。つまり、登録装置20は、今回のチャージにより更新されるチャージ残高が買上金額を充足するか否かについて確認する。このために、登録装置20は、ステップS117により指定されたチャージ金額が不足金額以上であるか否かについて確認を行えばよい。
指定されたチャージ金額が不足金額以上であれば、今回のチャージにより更新されるチャージ残高は買上金額以上となるため充足することになる。一方、指定されたチャージ金額が不足金額未満であれば、今回のチャージにより更新されるチャージ残高の総計は買上金額未満となるため不足していることになる。
【0076】
ステップS123:ステップS122によりチャージ残高が充足することが確認された場合、登録装置20は、ステップS121において受け付けた精算装置指定操作に応じて、「チャージ補填支払い」に対応する会計データCを送信する。
会計データCは、対応の精算が「チャージ補填支払い」に対応する精算であることを示す情報を含む。また、会計データCは、今回の取引における商品登録結果に応じた商品登録データと、ステップS119によりプリペイドカード60から取得された顧客番号と、これまでに行われたステップS116及びステップS124により指定されたチャージ金額を示す情報とを含む。
ステップS123により会計データCを送信した後、登録装置20は、
図7のステップS101の待機状態に戻る。
【0077】
ステップS124:一方、ステップS122によりチャージ残高が不足であることが確認された場合、登録装置20は、店員用表示部205に不足エラー画面を表示させる。
図12は、不足エラー画面の一例を示している。同図に示される不足エラー画面は、ダイアログボックスDLB3として会計画面に重畳されるようにして表示される。不足エラー画面は、ステップS117により指定されたチャージ金額が不足金額よりも少ないために、現段階では不足金額を支払えないことを店員に通知する画面である。
【0078】
ステップS125:このように不足エラー画面が表示された場合には、店員は、例えば「チャージ補填支払い」を中止させるように操作を行うことができる。
また、この場合の店員はチャージ金額を不足金額以上とするためのチャージ金額の追加を指示する操作(チャージ金額追加操作)を行うことができる。チャージ金額追加操作が行われた場合、登録装置20は当該操作を受け付け、追加が指定されたチャージ金額をこれより前のチャージ金額に加算し、チャージ金額を更新する。
【0079】
そして、このようにステップS122によりチャージ残高が不足であることが確認されて不足エラー画面が表示された場合には、ステップS123による会計データCの送信は行われない。つまり、この場合には、精算装置30にてチャージ金額の入金に応じた精算処理に移行させることに関連する処理が禁止される。
例えば顧客がプリペイドカードの残高を実際よりも多いものと記憶違いしていたために、顧客が不足金額に満たないチャージ金額を店員に申し出てしまい、店員も顧客の勘違いに気付くことなくチャージ金額を指定してしまうというミスが生じる可能性がある。
このような場合において、チャージ残高が不足の場合であっても会計データCの送信が行われるようになっていると、顧客は、ミスに気付かずに精算装置30に移動してしまう。そして、顧客は、精算装置30に移動した後において、チャージ金額が不足金額に満たないために精算がエラーとなることにより、はじめてミスに気付くことになる。この場合、顧客は、再び登録装置20に移動してチャージ金額の指定をし直さねばならない。この場合には顧客が不満を覚える可能性がある。また、精算処理も円滑に行われずに遅滞する要因となる。
これに対して、本実施形態の場合であれば、チャージ残高が不足である場合には、会計データCを送信する処理が行われないために、顧客が精算装置30でチャージ金額を入金してしまうことが防がれる。また、この際には、不足エラー画面が店員用表示部205において表示されるので、店員はチャージ残高が不足であることを即座に把握し、例えばその旨を顧客に伝えてチャージ金額の追加指定を行うなど、迅速に対応することができる。
【0080】
説明を
図7に戻す。例えば顧客としては、買い物はしないがプリペイドカード60へのチャージはしておきたいと考える場合がある。このような場合に対応して、本実施形態のPOSシステムは、買上金額の精算以外に、プリペイドカード60へのチャージのみに対応する「チャージ取引」を行うことができる。
ステップS126:登録装置20が待機状態のもとで、顧客からプリペイドカード60へのチャージの申し出を受けると、店員は、「チャージ取引」を指定する操作を行う。登録装置20は、当該操作を受け付ける。登録装置20は、チャージ取引を指定する操作を受け付けたことに応じて、例えばチャージ金額を指定する操作を受け付け可能な状態となる。
ステップS127:そこで、店員は、顧客から伝えられたチャージ金額を指定する操作(チャージ金額指定操作)を登録装置20に対して行う。登録装置20は当該操作を受け付ける。
【0081】
ステップS128:本実施形態では、チャージ取引も、通常の買上商品の取引と同様に、POSシステムが対応可能な取引の1つとして扱われる。そこで、ステップS127に対応するチャージ金額指定操作を行った店員は、小計キー操作を行う。登録装置20は当該操作を受け付けることで、チャージ金額指定操作により指定されたチャージ金額を精算対象として計上する。
ステップS129:次に、店員は、顧客から提示されたプリペイドカード60を受け取ると、プリペイドカード60の使用を宣言する操作を行ったうえで、カードリーダ210によりプリペイドカード60を読み込ませる。登録装置20は、カードリーダ210により読み込まれた情報(顧客番号)を取得する。
【0082】
ステップS130:次に、店員は、チャージ金額の入金(支払い)としての精算を行わせる精算装置30を指定する精算装置指定操作を行う。登録装置20は、当該操作を受け付けると、「チャージ取引」に対応する会計データDを、精算装置指定操作により指定された精算装置30に送信する。
会計データDは、対応の精算が「チャージ取引」に対応する精算であることを示す情報を含む。また、会計データDは、ステップS127に応じて指定されたチャージ金額と、ステップS129によりプリペイドカード60から取得された顧客番号とを含む。
ステップS130により会計データDを送信した後、登録装置20はステップS101の待機状態に戻る。
【0083】
このようにして、本実施形態における登録装置20は、「プリペイド不使用精算」、「残高使い切り支払い」、「チャージ補填支払い」及び「チャージ取引」のそれぞれに応じた処理を行う。
【0084】
次に、
図13のフローチャートを参照して、精算装置30の処理遷移例について説明する。同図の処理は、
図7及び
図8により説明した登録装置20の処理に対応して行われるものである。
【0085】
ステップS201:初期状態として、精算装置30は待機状態である。待機状態は、会計データの受信に応じて精算に関連する処理が開始されるのを待機している状態である。待機状態において、精算装置30の表示部305には、所定の態様による待機画面が表示されている。
【0086】
ステップS202:待機状態のもとで登録装置20から会計データが送信されることに応じて、精算装置30は会計データを受信する。
ステップS203:ここで、ステップS202により受信される会計データの種類は、「プリペイド不使用精算」に対応する会計データA、「残高使い切り支払い」に対応する会計データB、「チャージ補填支払い」に対応する会計データC、「チャージ取引」に対応する会計データDのうちのいずれかである。即ち、ステップS202により受信される会計データの種類は、精算方法に応じて異なる。
そこで、精算装置30は、ステップS202にて受信された会計データが対応する精算方法が「プリペイド不使用精算」、「残高使い切り支払い」、「チャージ補填支払い」及び「チャージ取引」のいずれであるのかについて判定する。
【0087】
ステップS204:まず、精算方法が「チャージ取引」であった場合、精算装置30は、受信された会計データDにおいて示されるチャージ金額の入金に対応する処理を実行する。ステップS204の処理において、精算装置30は、チャージ金額に対応する現金の入金を顧客に案内するための入金案内画面を表示部305に表示させる。
【0088】
図14(a)は、表示部305に表示される入金案内画面の一例を示している。入金案内画面においては、入金すべき金額(「お支払い金額」)と、顧客が投入した貨幣の金額(「お預り金額」)とが示されている。
【0089】
入金案内画面が表示されている状態のもとで、顧客は、先に登録装置20にて指定されたチャージ金額に対応する入金を行う。このとき、顧客は、決済部310における貨幣投入口に、チャージ金額以上の金額の貨幣を投入する。入金案内画面における「お預り金額」の領域には、貨幣が順次投入されることに応じて、投入された貨幣の合計金額が増加しながら変化していくように表示される。
そして、チャージ金額以上の金額の貨幣が投入されると、精算装置30は、
図14(b)に例示するように、入金完了画面を表示部305に表示させる。入金完了画面は、顧客に入金完了の確認をしてもらうための画面である。顧客は、入金完了画面に表示される入金金額(お預り金額)がよいことを確認したのであれば、「おわり」ボタンBT11を操作する。つまり、顧客は入金完了確認操作を行う。
【0090】
ステップS205:入金完了確認操作が行われたことに応じて、精算装置30は、チャージ金額をプリペイドカード60のチャージ残高に加算するチャージ処理を行う。
このために、精算装置30は、ステップS202により受信した会計データDに含まれていた顧客番号とチャージ金額とを含むチャージ残高更新要求をプリペイドカード管理サーバ50に送信する。
チャージ残高更新要求を受信したプリペイドカード管理サーバ50は、受信されたチャージ残高更新要求に含まれる顧客番号に対応付けられているチャージ残高について、受信されたチャージ残高更新要求に含まれるチャージ金額を加算して更新を行う。これにより、今回のチャージ取引に応じてプリペイドカード60のチャージ残高が増加されるようにして管理される。
【0091】
ステップS206:ここで、ステップS204に対応して投入された貨幣の金額(投入金額)がチャージ金額よりも多かった場合には、精算装置30は、その差額を釣銭として払い出すための釣銭払出処理を行う。
釣銭払出処理として、精算装置30は、投入金額からチャージ金額を減算した金額による貨幣を、決済部310における釣銭排出口から釣銭として排出させる。また、この際、精算装置30は、
図15(a)に例示するように、釣銭の受け取りを顧客に案内する釣銭受取案内画面を表示部305に表示させる。
なお、釣銭が発生しなかった場合には、ステップS206の釣銭払出処理は省略される。
【0092】
ステップS207:そして、釣銭が発生しない状態でステップS205のチャージ処理が終了、あるいはステップS206の釣銭払出処理が終了した場合、精算装置30は、これまでの取引の完了に応じた取引完了処理を実行する。
ここでの取引完了処理には、例えば今回の精算処理の結果を示すレシートを印刷部309により印刷させる処理が含まれる。この際、精算装置30は、例えば
図15(b)に例示するように、印刷部309のレシート排出口から排出されるレシートの受け取りを顧客に案内するレシート受取案内画面を表示部305に表示させる。
【0093】
また、取引完了処理には、今回の精算結果をログとして記憶部302またはRAM303に記憶させる処理が含まれてもよい。精算装置30は、このように記憶されたログを、例えば所定のタイミングでストアコントローラ10に送信する。ストアコントローラ10は各精算装置30から送信されるログを収集して記憶する。
そして、レシートが排出されると、ステップS207の取引完了処理が終了し、精算装置30は、ステップS201の待機状態に戻る。
【0094】
ステップS208:次に、ステップS203により精算方法が「残高使い切り支払い」であることが判定された場合、精算装置30は、まず、受信された会計データBにおいて、支払残金と釣銭とのいずれが示されているか否かについて判定する。
図7にて説明したように、金券を利用する場合、登録装置20は、ステップS113、S114、S115の処理により、金券の金額が不足金額より少ない場合にはその差額を支払残金として示す会計データBを送信し、金券の金額が不足金額より多い場合にはその差額を釣銭として示す会計データBを送信する。また、金券を利用しない場合、登録装置20は、不足金額をそのまま支払残金とする会計データBをステップS112により送信する。
【0095】
ステップS209:会計データが支払残金を示している場合、精算装置30は、支払残金を支払うための預り金の入金に対応する処理を実行する。この際、精算装置30は、例えばステップS204の場合と同様に、入金案内画面(
図14(a))を表示させる。この場合の入金案内画面の「お支払い金額」には支払残金の金額が示される。
入金案内画面が表示されている状態のもとで、顧客は、支払残金の以上の金額の貨幣を投入する。
この場合の精算装置30は、支払残金以上の金額の貨幣が投入されると、
図14(b)の入金完了画面を表示部305に表示させる。顧客は、入金完了画面に表示される入金金額(お預り金額)でよいことを確認したのであれば、「おわり」ボタンBT11に対する操作(入金完了確認操作)を行う。
【0096】
ステップS210:入金完了確認操作に応じて、精算装置30は、預り金による支払残金の精算を行う。この際、支払残金よりも預り金のほうが多い場合には釣銭が発生する。釣銭が発生した場合には、精算装置30は、釣銭払出処理を行う。この際、精算装置30は、釣銭受取案内画面(
図15(a))を表示部305に表示させるとともに、決済部310における釣銭排出口から釣銭を排出させる。また、この場合にも、先のステップS206の場合と同様に、釣銭が発生しなかった場合には、ステップS210の釣銭払出処理は省略される。
【0097】
これに対して、ステップS208において、会計データBにより釣銭が示されていた場合、精算装置30は、ステップS209をスキップし、会計データBに示されていた金額の釣銭を払い出すための釣銭払出処理を、ステップS210として行う。この際にも、精算装置30は、釣銭受取案内画面(
図15(a))を表示部305に表示させる。
【0098】
ステップS211:そして、釣銭が発生しない状態でステップS209の預り金の入金に対応する処理が終了、あるいはステップS210の釣銭払出処理が終了した場合、精算装置30は、これまでの取引の完了に応じた取引完了処理を実行する。ここでの取引完了処理においても、精算装置30は、今回の精算処理の結果を印刷部309により用紙に印刷させることでレシートを発行するとともに、レシート受取案内画面(
図15(b))を表示部305に表示させる。レシートの発行の完了に応じてステップS211の取引完了処理は終了し、精算装置30はステップS201の待機状態に戻る。
【0099】
ステップS212:次に、ステップS203により精算方法が「チャージ補填支払い」であることが判定された場合、精算装置30は、受信された会計データCにおいて示されるチャージ金額の入金に対応する処理を実行する。この際にも、精算装置30は、チャージ金額に対応する現金の入金を顧客に案内するための入金案内画面(
図14(a))を表示部305に表示させる。
精算装置30は、チャージ金額以上の金額の貨幣が投入されると、入金完了画面(
図14(b))を表示部305に表示させる。顧客は、入金完了画面に表示される入金金額(「お預り金額」)でよいことを確認したのであれば、「おわり」ボタンBT11に対する操作(入金完了確認操作)を行う。
【0100】
ステップS213:入金完了確認操作が行われたことに応じて、精算装置30は、先のステップS205と同様に、チャージ金額をプリペイドカード60のチャージ残高に加算するチャージ処理を行う。これにより、「チャージ補填支払い」にあたって、まず、プリペイドカード60のチャージ残高について、チャージ金額分の増加による更新が完了する。
【0101】
ステップS214:投入金額がチャージ金額よりも多かった場合には、精算装置30は、その差額を釣銭として払い出すための釣銭払出処理を行う。この際、精算装置30は、投入金額からチャージ金額を減算した金額による貨幣を、決済部310における釣銭排出口から釣銭として排出させ、釣銭受取案内画面(
図15(a))を表示部305に表示させる。なお、釣銭が発生しなかった場合には、ステップS214の釣銭払出処理は省略される。
【0102】
ステップS215:上記のようにしてチャージ金額の入金に応じたチャージ残高の更新が完了した後、精算装置30は、不足金額についての精算のための引き去り処理を実行する。つまり、精算装置30は、ステップS213による更新後のチャージ残高から、受信された会計データCにより示される不足金額を減算する。そのうえで、精算装置30は、不足金額を減算した後のチャージ残高への更新を要求するチャージ残高更新要求をプリペイドカード管理サーバ50に送信する。プリペイドカード管理サーバ50はチャージ残高更新要求の受信に応じて、プリペイドカード管理情報における対象のチャージ残高を更新する。これにより、プリペイドカード管理サーバ50においては、今回のチャージとチャージ後の不足金額の減算とに応じてチャージ残高が適正に管理される。
ステップS216:引き去り処理が完了すると、精算装置30は取引完了処理として、例えばレシートの印刷、シート受取案内画面(
図15(b))の表示などを行う。
【0103】
ステップS217:次に、ステップS203により精算方法が「プリペイド不使用精算」であることが判定された場合、精算装置30は、まず、支払方法の選択に対応する処理を実行する。
本実施形態において、「チャージ取引」におけるチャージ金額の入金(支払い)、「残高使い切り支払い」における支払残金の入金(支払い)、「チャージ補填支払い」におけるチャージ金額の入金(支払い)は、いずれも現金による支払いのみが可能とされており、例えばクレジットカードによる支払いはできないものと定められている。これに対して、「プリペイドカード不使用精算」の場合には、現金による支払いとクレジットカードによる支払いとのいずれもが可能とされている。つまり、「プリペイドカード不使用精算」の場合には、現金による支払いとクレジットカードによる支払いとで、支払方法について2つの選択肢がある。
そこで、精算方法が「プリペイド不使用精算」である場合には、顧客が支払方法の選択(指定)を行う必要がある。ステップS217は、このような顧客による支払方法の選択に対応して精算装置30が実行する処理である。
【0104】
ステップS217において、精算装置30は、
図16に例示する支払方法選択画面を表示部305に表示させる。同図の支払方法選択画面においては、現金ボタンBT21とクレジットカードボタンBT22とが配置されている。顧客は、現金での支払いを行う場合には現金ボタンBT21を操作する。一方、顧客は、クレジットカードを利用して支払いを行う場合には、クレジットカードボタンBT22を操作する。
精算装置30は、ステップS217において、現金ボタンBT21に対する操作が行われた場合には、支払方法として現金による支払いが選択されたと判定する。また、精算装置30は、クレジットカードボタンBT22に対する操作が行われた場合には、支払方法としてクレジットカード利用による支払いが選択されたと判定する。
【0105】
ステップS218:ステップS217により現金による支払いが選択されたと判定した場合、精算装置30は、預り金の入金に対応する処理を実行する。ステップS218の処理は、先のステップS209と同様でよい。
精算装置30は、ステップS218のもとで表示される入金完了画面(
図14(b))に対して行われる入金完了確認操作(「おわり」ボタンBT11に対する操作)に応じて、預り金による買上金額の精算を行う。
【0106】
精算に際して、買上金額よりも預り金のほうが多い場合には釣銭が発生する。本実施形態では、このようにプリペイド不使用精算での支払方法が現金である場合において釣銭が発生した場合、発生した釣銭をプリペイドカード60にチャージすることができる。釣銭のプリペイドカード60へのチャージは任意であり、顧客は釣銭を現金で受け取ることもできる。なお、以降において、釣銭をプリペイドカード60にチャージすることについては、「釣銭チャージ」とも呼ぶ。
【0107】
ステップS219:そこで、精算装置30はステップS218による入金に応じた精算の結果、釣銭が発生した場合には釣銭チャージと現金による釣銭の受け取りとのいずれか一方の釣銭受取方法の選択に対応した処理を実行する。
【0108】
なお、釣銭チャージが行われる場合には、釣銭チャージに応じたチャージ残高の更新のために、精算装置30がプリペイドカード管理サーバ50にチャージ残高更新要求を行う必要があるが、この際には、プリペイドカード60から取得した顧客番号が必要になる。従って、ステップS219の処理は、
図7においてステップS104によりプリペイドカード60の読み込みが行われたうえで、ステップS105によるプリペイド不使用精算を指定しての会計キー操作が行われた場合(即ち会計データAに顧客番号が含まれている場合)に可能となる。
従って、ステップS104によるプリペイドカード60の読み込みが行われることなくプリペイド不使用精算が指定され、現金による支払いによって釣銭が発生した場合には、ステップS219の処理はスキップされ、ステップS221による釣銭払出処理が実行される。
【0109】
ステップS219において、精算装置30は、
図17に示す釣銭チャージ選択画面を表示部305に表示させる。釣銭チャージ選択画面においては、買上金額(お支払い金額)、入金金額(お預り金額)、釣銭(おつり)が表示されている。また、釣銭チャージ選択画面においては、チャージボタンBT31とおつりボタンBT32とが配置されている。
チャージボタンBT31は、顧客が釣銭チャージを選択する場合に操作するボタンである。一方、おつりボタンBT32は、顧客が現金による釣銭の受け取りを選択する場合に操作するボタンである。ユーザは、例えばおつりの金額などを確認したうえで、釣銭チャージと現金による釣銭の受け取りとのいずれとするのかを決めたうえで、チャージボタンBT31とおつりボタンBT32とのうちのいずれかに対する操作を行う。
【0110】
ステップS220:チャージボタンBT31に対する操作が行われた場合、精算装置30は、釣銭受取方法として釣銭チャージが選択されたと判定し、釣銭チャージに応じた処理を実行する。つまり、精算装置30は、今回の精算により発生した釣銭をプリペイドカード60にチャージするためのチャージ処理を実行する。チャージ処理に際して、精算装置30は、発生した釣銭に応じた金額のチャージによるチャージ残高の更新を要求するチャージ残高更新要求をプリペイドカード管理サーバ50に送信する。このチャージ残高更新要求には、受信された会計データAに含まれていた顧客番号と、釣銭と同じ金額のチャージ金額(加算額)が示されている。
プリペイドカード管理サーバ50は、受信されたチャージ残高更新要求が示す顧客番号に対応付けられて格納されているチャージ残高を、同じチャージ残高更新要求が示すチャージ金額により加算して更新する。このようにして、釣銭チャージの結果が、プリペイドカード管理サーバ50にて管理するチャージ残高に反映される。
【0111】
ステップS221:一方、おつりボタンBT32に対する操作が行われた場合、精算装置30は、現金による釣銭の受け取りが選択されたと判定し、釣銭払出処理を実行する。ステップS221は、例えば前述のステップS206同様の処理となる。つまり、ステップS221において、精算装置30は、釣銭受取案内画面(
図15(a))を表示部305に表示させるとともに、決済部310における釣銭排出口から釣銭を排出させる。
【0112】
ステップS222:上記のステップS220によるチャージ処理またはステップS221による釣銭払出処理が終了すると、精算装置30は取引完了処理を行う。即ち、精算装置30は、今回の精算処理の結果を印刷部309により用紙に印刷させることでレシートを発行するとともに、レシート受取案内画面(
図15(b))を表示部305に表示させる。レシートの発行の完了に応じてステップS222の取引完了処理は終了し、精算装置30はステップS201の待機状態に戻る。
【0113】
また、ステップS217の処理のもとで表示された支払方法選択画面におけるクレジットカードボタンBT22が操作された場合、精算装置30は、支払方法としてクレジットカード利用が選択されたことを判定する。
ステップS223:この場合、精算装置30はクレジットカード決済に対応する処理を実行する。そして、クレジットカード決済に対応する処理が終了すると、精算装置30はステップS201の待機状態に戻る。
このように、精算装置30においてプリペイドカード60の利用に応じた各種精算が行われる。
【0114】
ここで、
図13のステップS203における精算方法の判定結果に応じたステップS204、S208、S212及びS217の処理によれば、精算装置30は、精算方法の判定結果に応じて以下のように表示部305に会計用画面を表示している。
つまり、精算装置30は、ステップS203により「プリペイド不使用精算」であることが判定された場合には、ステップS217により
図16の支払方法選択画面(第1の画面の一例)を表示させる。
一方、精算装置30は、ステップS203により「チャージ取引」、「残高使い切り支払い」及び「チャージ補填支払い」のいずれかであることが判定された場合には、それぞれ、ステップS204、S208、S212により、
図14(a)の入金案内画面(第2の画面の一例)を表示させている。
つまり、本実施形態においては、精算装置30が待機状態のもとで会計データを受信したことに応じて会計用画面として最初に表示する画面(初期画面)が、「プリペイド不使用精算」である場合と、「チャージ取引」、「残高使い切り支払い」及び「チャージ補填支払い」である場合とで異なる。
なお、以降の説明において、「プリペイド不使用精算」との対比のため、「チャージ取引」、「残高使い切り支払い」及び「チャージ補填支払い」については、プリペイドカード60が使用されていることから、一括して「プリペイド使用精算」とも呼ぶ。
【0115】
前述のように、本実施形態のPOSシステムでは、精算方法が「プリペイド不使用精算」である場合には、現金に加えてクレジットカードの利用によっても精算(支払い)を行うことができる。精算装置30は、現金による支払いとクレジットカード利用による支払いとで精算処理が異なる。
このため、精算処理の開始にあたっては、「プリペイド不使用精算」の場合には、顧客に現金とクレジットカードとのいずれの支払方法により支払いを行うのかが特定されている必要がある。そこで、精算装置30は、精算方法が「プリペイド不使用精算」である場合には、まず、会計用画面として支払方法選択画面を表示させ、顧客に、現金による支払いとクレジットカード利用による支払いとのいずれかを選択してもらうようにする。
【0116】
これに対して、「プリペイド使用精算」である場合には、現金による精算(支払い)のみが可能であり、クレジットカードを利用することはできない。このように「プリペイド使用精算」である場合においても、まず、支払方法選択画面を表示させることも可能である。
この場合、選択肢としては現金による支払いのみであるため、顧客は現金による支払いを選択する操作(現金ボタンBT21に対する操作)を行うことになる。なお、この場合においてクレジットカード利用を選択する操作(クレジットカードボタンBT22に対する操作)を行った場合には操作エラーとなって、顧客に対して支払い方法の選択操作のやり直しが促される。
そして、この場合には、顧客が現金による支払いを選択する操作を行ったことに応じて、精算装置30は、支払方法選択画面から入金案内画面の表示に遷移させる。
【0117】
しかし、前述のように、「プリペイド使用精算」の場合には、現金による支払いのみが選択肢であり、クレジットカード利用による支払いは選択肢とならない。このような場合において、支払方法選択画面を表示することは、顧客に対して意味のない無駄な操作を行わせていると捉えることができる。
そこで、本実施形態においては、「プリペイド使用精算」のように現金による支払いのみが可能な精算方法、即ち、支払い方法の選択肢が1つに限定されている精算方法の場合には、支払方法選択画面の表示を行わずに(スキップし)、入金案内画面を表示する。
これにより、本実施形態においては、支払い方法の選択肢が1つに限定されている精算方法である場合には、顧客は支払い方法を選択する操作を行う必要が無く、精算装置30によりプリペイドカード60にチャージを行う際の操作の簡易化が図られる。この結果、精算が終了するまでに要する時間の短縮が図られ、顧客にとっては精算のための操作も分かりやすくなる。
【0118】
図18のフローチャートは、精算装置30が、待機状態のもとで会計データを受信したことに応じて、会計用画面の表示の開始に関連して実行する処理手順例を示している。
ステップS301〜S303の処理は、
図13におけるステップS201〜S203と同様であることからここでの説明を省略する。
【0119】
ステップS304:精算装置30は、ステップS303により判定された精算方法が「プリペイド不使用精算」と「プリペイド使用精算」とのいずれであるのかについて判定する。
ステップS305:精算方法が「プリペイド不使用精算」である場合、精算装置30は、会計用画面の初期画面として、支払方法選択画面を表示部305に表示させる。
ステップS306:ステップS305により表示された支払方法選択画面に対して、顧客は、現金ボタンBT21に対する操作とクレジットカードボタンBT22に対する操作とのいずれかを行う。そこで、精算装置30は、現金ボタンBT21とクレジットカードボタンBT22とのいずれかに対する操作が行われたことに応じて、選択された支払い方法が、現金による支払いとクレジットカード利用による支払いとのいずれであるのかについて判定する。
【0120】
ステップS307:ステップS306により現金による支払いであることが判定された場合、精算装置30は、入金案内画面を表示部305に表示させる。
ステップS308:一方、ステップS306によりクレジットカードによる支払いであることが判定された場合、精算装置30は、図示は省略するが、クレジットカード決済に対応する案内画面を表示する。
【0121】
また、ステップS304において「プリペイド使用精算」であることが判定された場合、精算装置30は、ステップS305及びステップS306の処理をスキップし、ステップS307により直ちに入金案内画面を表示部305に表示させる。
【0122】
このような処理によって、本実施形態においては、現金による支払いのみが選択肢となる精算方法で精算が行われる場合には、支払方法選択画面を表示せずに、入金案内画面を表示させることができる。
【0123】
なお、本実施形態において例に挙げた、「プリペイド不使用精算」、「チャージ取引」、「残高使い切り支払い」及び「チャージ補填支払い」のうちで、「プリペイド不使用精算」がプリペイドカード60を使用しない精算処理に対応する。また、「チャージ取引」と「チャージ補填支払い」の2つがプリペイドカード60への入金に対応する精算処理に対応する。これに対して、「残高使い切り支払い」は、プリペイドカード60を使用するが、プリペイドカード60へのチャージは行わない。つまり、「残高使い切り支払い」は、プリペイドカード60を使用しない精算処理とプリペイドカード60への入金に対応する精算処理とのいずれにも該当しない。
これまでの説明において、このような「残高使い切り支払い」については、現金のみの支払いが可能な(即ち、選択肢が1つに限定された)精算方法として定めている。しかし、「残高使い切り支払い」は、運用の仕方によっては、例えば現金による支払いとプリペイドカードによる支払いとが可能な(支払方法の選択肢が複数の)精算方法として定めてもよい。
この場合、精算装置30は、受信された会計データの精算方法が「残高使い切り支払い」であることを判定した場合には、支払方法選択画面の表示をスキップし、入金案内画面を表示部305に表示させる。
【0124】
なお、これまでの説明においては、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定する態様として第1の指定態様を採る場合を例に挙げている。このため、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定するにあたっては、店員により登録装置20に対して精算装置指定操作が行われる。そして、
図7のステップS106、S112、S114、S130、
図8のステップS123においては、精算装置指定操作に応じて会計データが送信される。
しかしながら、本実施形態におけるPOSシステムは、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定するにあたり、お会計券の発行による第2の指定態様を採ることもできる。このように第2の指定態様を採る場合、登録装置20は、ステップS106、S112、S114、S130、ステップS123による会計データの送信に代えて、対応の精算方法に応じた会計データを精算装置30に実行させるためのお会計券を発行(出力)する。つまり、登録装置20は、印刷部209により対応の精算方法に応じた会計データを示す会計データ識別子を用紙に印刷させ、印刷された用紙をお会計券として排出させる。
従って、第2の指定態様が採られる場合において、
図8のステップS122によりチャージ金額が不足であることが判定された場合には、会計データCを送信する処理(ステップS123)の禁止に代えて、会計データCによる精算のためのお会計券を発行(出力)する処理が禁止される。お会計券が発行されなければ、顧客がチャージ金額の入金(支払い)のために精算装置30に移動することはない。従って、顧客がチャージ金額が不足であることに気付くことなく精算装置30にまで移動してしまうことを防ぐことができる。
【0125】
なお、本実施形態のもとではチャージ金額不足エラー通知に関して以下のような構成を採ることもできる。
図9の待機画面においては、「1000円チャージ」、「2000円チャージ」、「3000円チャージ」、「5000円チャージ」のようにチャージ金額を指定する操作のためのチャージ金額指定ボタンが配置された例が示されている。店員は、「チャージ取引」や「チャージ補填支払い」の際に、チャージ金額指定ボタンを操作してチャージ金額を指定することができる。
そこで、本実施形態の変形例として、「チャージ補填支払い」が不足金支払い方法として選択された場合において、チャージ金額指定ボタンについて以下のように設定してもよい。つまり、チャージ金額指定ボタンのうち、不足金額以上のチャージ金額のチャージ金額指定ボタンについては操作可能に設定し、不足金額未満のチャージ金額のチャージ金額指定ボタンについては操作不可に設定する。この場合において、操作不可に設定されたチャージ金額指定ボタンについてはグレーアウトとするなどして店員に操作不可であることが視覚的に分かるようにすることが好ましい。
このような構成であれば、不足金額未満のチャージ金額が誤って指定されることがなくなる。これにより、チャージ金額が不足金額より少ない場合における会計データの送信の処理(第1の指定態様の場合)、あるいはお会計券の発行の処理(第2の指定態様)が禁止されるのと同じ結果が得られる。
また、チャージ金額不足エラー通知は、表示に限定されるものではなく、例えば音やインジケータの点灯などにより行われるようにしてもよい。
【0126】
また、本実施形態においては、例えば「チャージ取引」による精算、または金券を用いることなく「チャージ補填支払い」による精算処理を行う場合には、以下のように構成することができる。つまり、登録装置20では、今回の取引についての精算方法が「チャージ取引」による精算、または金券を用いない「チャージ補填支払い」であることについて指定し、チャージ金額までは指定しない。そして、精算装置30にて顧客がチャージ金額を指定する操作を行ったうえで、指定したチャージ金額に応じた入金(支払い)を行うようにするというものである。
このような構成の場合において、顧客がチャージ金額を指定するにあたり、精算装置30の表示部305に例えばチャージ金額が示されたチャージ金額指定ボタンを配置した画面を表示する。そして、配置されたチャージ金額指定ボタンのうちから顧客が希望するチャージ金額のボタンを操作するという態様を採ることができる。
そして、上記のような態様を採る場合において、「チャージ補填支払い」に際しては、不足金額未満のチャージ金額が示されるチャージ金額指定ボタンについては操作が不可なようにしてよい。このような構成とすることで、顧客が精算装置30によりチャージ金額を指定するようにされている場合において、顧客が不足金額未満のチャージ金額を誤って指定するという誤操作が行われてしまうことが防止される。また、これにより精算処理が終了するまでの時間短縮が図られるとともに、操作が分かりやすいものとなる。
【0127】
また、上記実施形態において説明したチャージ補填支払いは、予め定められた単位金額(例えば1000円、2000円、3000円、5000円など)によるチャージ金額のうちから、不足金額以上のチャージ金額をプリペイドカード60にチャージしたうえで、チャージ後のプリペイドカード60から不足金額を引き去るようにして行われていた。
そのうえで、本実施形態におけるチャージ補填支払いとしては、さらに、不足金額分のみをプリペイドカード60にチャージしたうえで、チャージ後のプリペイドカード60から不足金額を引き去るという支払い(不足金額チャージ支払い)が行えるようにしてもよい。
この場合には、買上金額に対するプリペイドカードのチャージ残高の不足分についての支払方法の選択にあたり、チャージ残高不足通知画面(
図10)において、さらに、不足金額チャージ支払いを選択するボタンを配置する。そして、第1の指定態様が採られる場合を例に挙げると、登録装置20は、不足金額チャージ支払いを選択するボタンが操作されたことに応じて、チャージ補填支払いとして不足金額をチャージ金額として示す会計データCを精算装置30に送信する。この場合、指定されるチャージ金額は、不足金額と等しいことから、今回のチャージにより更新されるチャージ残高としては買上金額を充足する。従って、この場合には、不足エラー画面が表示されることはない。
不足金額をチャージ金額として示す会計データCを受信した精算装置30は、
図13のステップS212の入金に対応した処理において、不足金額をチャージ金額として表示した入金案内画面を表示して、顧客に不足金額の入金を案内する。この場合において、顧客は、不足金額以上の金額を入金すればよい。不足金額と同じ金額が入金されたことに応じて精算装置30は、
図13のステップS213〜S216の処理により、プリペイドカード60への不足金額分のチャージと、チャージ後のプリペイドカード60からの買上金額の引き去り処理を行って取引を完了させることができる。この際において、例えば不足金額と同じ金額の貨幣がなく、顧客が不足金額より大きな金額の貨幣を入金した場合には、ステップS214の釣銭払出処理によって、入金金額から不足金額を差し引いた金額が釣銭として排出される。
【0128】
また、上記実施形態では、プリペイドカード60のチャージ残高がプリペイドカード管理サーバ50により管理されている態様を例に挙げて説明を行っている。しかしながら、本実施形態のPOSシステムは、例えばチャージ残高が記憶される形式のプリペイドカードが使用される場合にも対応して、これまでに説明したチャージ取引、残高使い切り支払い、チャージ補填支払い及びプリペイド不使用精算などを行うことができる。
チャージ残高が記憶されるプリペイドカードについては、チャージ処理や引き去り処理においてプリペイドカードに記憶されたチャージ残高を更新することになる。従って、この場合の登録装置20のカードリーダ210は、プリペイドカードからの読み込みだけではなく、プリペイドカードに対してチャージ残高更新などのための書き込みについても行えるように構成される。即ち、この場合のカードリーダ210は、リーダライタとしての機能を有する。
また、この場合には、精算装置30においても、チャージ残高の更新が可能なようにリーダライタが備えられる。
【0129】
また、上記実施形態においては、精算の態様が「プリペイド使用精算」である場合において、支払方法選択画面の表示をスキップして第2の画面である入金案内画面を表示させるようにしていた。しかし、第2の画面を表示させる場合の精算の態様については、以下のように他の例を挙げることができる。
例えば、登録装置20については、顧客からの申し出に応じて店員が支払方法を選択する操作を行えるように構成されてよい。この場合において、例えば支払方法として、「プリペイド不使用精算」が選択された場合には、精算装置30にて第1の画面として支払方法選択画面が表示され、「プリペイド使用精算」が選択された場合には、精算装置30にて第2の画面として入金案内画面が表示されるようにしてもよい。
また、例えば登録装置20は印字機能を備えず、レシート、領収書などの伝票を全て精算装置30にて発行させるように構成されてもよい。この場合には、例えば金券やプリペイドカードなどを利用して登録装置20側にて支払いを済ませたとしても、客は支払いに応じた伝票を精算装置30にて受け取ることになる。そこで、金券やプリペイドカードなどを利用して登録装置20側にて支払いを済ませた場合には、精算装置30にて、第2画面として、伝票の出力に関する画面を表示させる。伝票の出力に関する画面の一例としては、顧客が受け取る伝票として、レシートと領収書とのいずれかを選択する伝票選択操作画面を表示させることができる。伝票選択操作画面としては、例えばレシートの受け取りを選択する操作が行われるボタンと、領収書の受け取りを選択する操作が行われるボタンとが配置されるような態様である。
上記のような構成により、登録装置20に印字部としての部位を設ける必要がなくなる。つまり、登録装置20自体にプリンタを取り付けたり、登録装置20にプリンタを接続したりする必要がなくなる。この結果、登録装置20についてのコストの削減、小型化が図られる、また、プリンタが接続されないことで、登録装置20の設置場所についての省スペース化が図られる。
また、金券を利用して登録装置20側にて支払いを済ませた際に、買上金額もしくは不足金額よりも金券の金額のほうが大きいことで釣銭が発生した場合には、上記の伝票選択操作画面に対してレシートと領収書のいずれかの受け取りを選択する操作が行われた後において、レシートまたは領収書の発行とともに、釣銭の排出を行って精算完了とするとよい。
例えば、登録装置と精算装置とが分離して構成されるPOSシステムにおいて、登録装置から送信された会計データが精算装置にて受信されたことに応じて釣銭が排出されるようにした場合、釣銭を受け取るべき顧客が精算装置にまで移動していないうちに釣銭が排出されてしまうという不具合が生じる場合がある。
そこで、客が精算装置前に立ったのを店員が目視で確認したのちに、精算装置において釣銭を出金させるようにした構成も知られている。しかし、この場合には店員が精算装置に移動する顧客の動向を或る程度注視している必要があり、この点で、登録装置にて行う商品登録操作がはかどらなくなる可能性がある。
そこで、上記のように、伝票選択操作画面に対する操作に応じて釣銭を排出させるようにすれば、自分の取引に応じた釣銭を顧客が間違いなく受け取ることができるようにされたうえで、次の顧客に対応する登録装置への商品登録操作に即座に移行できる。なお、取引において印紙が必要となった場合には、精算装置30にて店員呼出のための処理が行われるようにされればよい。店員は、店員呼出が行われたことに応じて、店員呼出を行った精算装置30にまで赴いて、顧客に対して印紙を発行すればよい。
一方で、金券としては、その金券の額面が示す金額より小さな支払い金額に使用した場合であっても、釣銭の支払いには対応できず、金券の額面が示す金額が使い切られたものとして扱われる釣銭非対応のものもある。このような釣銭非対応の金券が本実施形態において利用される場合(さらに、釣銭対応可能の金券である場合であっても、金券を利用して支払いを行った結果、金券の額面が示す金額によりちょうど支払金額の不足分が0円となって釣銭が発生しなかった場合)には、精算装置30にて釣銭を排出させる必要がない。そこで、この場合の精算装置30は、登録装置20側にて金券利用による支払いが完了することに応じて、伝票選択操作画面を表示させる。そして、精算装置30は、伝票選択操作画面に対する操作が行われたことに応じて、釣銭の排出は行わずに、選択されたレシートと領収書とのいずれかを発行させるようにすればよい。なお、この際にも、取引において印紙が必要である場合には、精算装置30にて店員呼出のための処理が行われるようにされればよい。
また、顧客によってはレシートや領収書などの伝票が不要の場合もある。そこで、上記のように釣銭を排出させる必要のない場合においては、精算装置30は、伝票選択操作画面の表示が開始されてから伝票選択操作が行われることなく一定時間を経過したことに応じて、レシート、領収書などの伝票を発行させることなく、精算完了としてもよい。これにより、顧客としては、レシートや領収書などの伝票が不要の場合には、精算装置30に対して伝票選択操作を行わなくともよくなる。また、精算装置30としては、伝票選択操作画面を表示して伝票選択操作を待機する状態が無駄に継続されることなく、一定時間が経過すれば精算完了となって次の会計データの入力に応じた精算処理に遷移できる。
【0130】
また、例えば商品の購入に応じたポイントカード(所定の記憶媒体の一例)へのポイントの付与(媒体対応処理の一例)については、登録装置20ではなく精算装置30にて行われるように構成されてもよい。この場合において、例えば金券やプリペイドカードなどを利用して登録装置20側にて支払いを済ませた場合には、精算装置30にてポイントカードへのポイントの付与のための操作を案内する画面を第2の画面として表示させてもよい。また、媒体対応処理としては、上記のポイントカードへのポイントの付与の他に、例えば駐車券について駐車料金の無料化のための処理などを行うようにすることもできる。本実施形態における駐車料金の無料化に関しては、例えば、1000円未満の買上金額に対する精算の場合には30分間無料、1000円以上の買上金額に対する精算の場合には1時間無料、2000以上の買上金額に対する精算の場合には2時間無料、などといったように、買上金額に応じて無料化される駐車時間を変更する(あるいは買上金額の増加に応じて駐車料金を減額するように変更してもよい)場合に特に有効である。
【0131】
また、先に説明した「釣銭チャージ」は、精算処理において発生した釣銭の全額がプリペイドカード60にチャージされるようになっていた。しかし、例えば、釣銭の全額のうち、10円単位、100円単位などのように所定の金額単位に応じた分についてはプリペイドカード60にチャージし、金額単位に満たない端数の金額については現金で受け取れるようにしてもよい。
また、「釣銭チャージ」に関して、釣銭の全額のうちから、例えば精算装置30に対する顧客の置数操作によってプリペイドカード60へのチャージ金額を指定できるようにしてもよい。この場合、例えばチャージ可能な金額を1円単位とすれば、釣銭の全額をチャージ金額として指定することもできるし、チャージ金額として0円を指定することで、釣銭の全額を現金で受け取ることもできる。この場合、例えば10円単位や100円単位に満たない端数の金額をチャージし、10円単位や100円単位のまとまった金額を現金として受け取るようにもできる。また、この場合にも、10円単位や100円単位の所定の金額単位で限定してチャージが行われるようにして、端数の金額については現金として顧客が受け取れるようにしてもよい。
上記のような「釣銭チャージ」が行われるようにすることで、顧客は釣銭の全額を現金で受け取らなくてもよくなる。これにより、顧客にとっては、財布の中の硬貨を減らすことができるため、財布が重くなったり、かさばったりすることが少なくなる。また、店側にとっても、釣銭の全額が現金として排出されなくなることから、釣銭として使用される貨幣の枚数を抑えることが可能となり、例えば釣銭不足の状態になりにくい。
【0132】
また、これまで説明してきた本実施形態における構成(変形例を含む)は、可能な範囲で適宜組み合わされてもよい。
【0133】
以上説明したように、本実施形態の商品販売データ処理システム(POSシステム)は、登録装置(20)と精算装置(30)とを備える商品販売データ処理システムであって、前記登録装置は、入金(チャージ)が可能なプリペイド記憶媒体(プリペイドカード60)を使用して買上金額に対応する精算を行うにあたり、前記プリペイド記憶媒体の残高(チャージ残高)が前記買上金額よりも少ない場合に、前記プリペイド記憶媒体に対して入金する入金金額(チャージ金額)を指定する入金金額指定手段と、前記入金金額指定手段により指定された入金金額が前記買上金額に対する前記残高の差額である不足金額よりも少ない場合に、以降における所定の処理を禁止する処理禁止手段とを備え、前記精算装置は、前記入金金額指定手段により指定された入金金額に応じた入金を受け付ける入金受付手段と、前記残高と前記入金受付手段が受け付けた入金に応じた入金金額とを利用して、買上金額についての精算処理を行う精算手段とを備える。
【0134】
上記構成によれば、プリペイド記憶媒体の残高が買上金額よりも少ないことで不足金額が発生した場合の対応として、プリペイド記憶媒体に入金のうえ、プリペイド記憶媒体で買上金額を精算しようとする場合において、プリペイド記憶媒体への入金金額が不足金額未満である場合には、以降における処理が禁止される。
これにより、不足金額に満たない金額がプリペイドカードに入金された状態のまま顧客が精算に移行してしまうことがないようにすることが可能になる。
【0135】
また、本実施形態における商品販売データ処理システムにおいて、前記入金金額が前記不足金額よりも少ない場合に、前記入金金額が前記不足金額に対して不足していることを報知する報知手段をさらに備える。
【0136】
上記構成によれば、指定された入金金額が不足金額に対して不足していることが登録装置にて報知されることから、店員が、不足金額の発生したことを即座に把握できる。
【0137】
また、本実施形態における商品販売データ処理システムにおいて、前記処理禁止手段により禁止される所定の処理は、精算処理を実行させるべき精算装置を指定する処理または前記精算処理に用いられる情報を前記精算装置で読み取り可能な媒体を出力する処理とのいずれかである。
【0138】
上記構成によれば、精算処理を実行させるべき精算装置を指定するための処理が禁止されることになる。これにより、指定された入金金額が不足金額に対して不足している場合には精算処理を実行させるべき精算装置を指定できないことから、顧客が精算のために精算装置に移動することが確実に防止される。
【0139】
また、本実施形態における商品販売データ処理システムにおいて、前記登録装置は、前記指定された入金金額が前記不足金額以上である場合に精算処理を行うプリペイド記憶媒体対応精算手段をさらに備える。
【0140】
例えば、本実施形態においては、プリペイド記憶媒体の残額が買上金額より少なく不足金額が発生した場合に、客が精算装置にまで赴いてプリペイド記憶媒体への入金を行ってから登録装置に戻り、ここで引き去り処理を行うようにすることもできる。
しかし、この場合には、顧客がプリペイド記憶媒体への入金を終えて精算装置から再び登録装置に戻ってきたときに次の顧客が商品登録を受けているような状況になる場合もあり、不必要に顧客を待たせてしまうことになる可能性がある。
これに対して、上記構成によれば、登録装置は、指定されたプリペイド記憶媒体への入金金額が不足金額以上であれば、そのまま精算処理を行うことができる。この後、顧客は、精算装置で指定された入金金額の入金(支払い)を行えばよい。これにより、顧客は、買上金額に対する支払いとプリペイド記憶媒体への入金とをスムーズに行うことができる。
【0141】
また、本実施形態における登録装置は、商品販売データ処理システムにおいて、買上金額に対応する精算処理を行う精算装置とともに備えられる登録装置であって、入金が可能なプリペイド記憶媒体を使用して買上金額に対応する精算を行うにあたり、前記プリペイド記憶媒体の残高が前記買上金額よりも少ない場合に、前記精算装置にて行われる前記プリペイド記憶媒体に対する入金に対応する入金金額を指定する入金金額指定手段と、前記入金金額指定手段により指定された入金金額が前記買上金額に対する前記残高の差額である不足金額よりも少ない場合に、以降における所定の処理を禁止する処理禁止手段とを備える。
【0142】
なお、上述の登録装置20、精算装置30及びプリペイドカード管理サーバ50などとしての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の登録装置20、精算装置30及びプリペイドカード管理サーバ50などとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。