特許第6497631号(P6497631)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6497631布地及び関連する基材のための消毒性組成物、及び抗菌的、抗ウイルス的、及び抗真菌的消毒性、洗浄耐久性を提供し、多機能的特性を用いて必要に応じて強化するための基材の処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6497631
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】布地及び関連する基材のための消毒性組成物、及び抗菌的、抗ウイルス的、及び抗真菌的消毒性、洗浄耐久性を提供し、多機能的特性を用いて必要に応じて強化するための基材の処理方法
(51)【国際特許分類】
   D06M 13/463 20060101AFI20190401BHJP
   A01N 25/34 20060101ALI20190401BHJP
   A01N 43/653 20060101ALI20190401BHJP
   A01N 43/78 20060101ALI20190401BHJP
   A01N 47/44 20060101ALI20190401BHJP
   A01N 55/10 20060101ALI20190401BHJP
   A01N 59/16 20060101ALI20190401BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20190401BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20190401BHJP
   D06M 11/13 20060101ALI20190401BHJP
   D06M 13/352 20060101ALI20190401BHJP
   D06M 15/03 20060101ALI20190401BHJP
   D06M 15/37 20060101ALI20190401BHJP
【FI】
   D06M13/463
   A01N25/34 B
   A01N43/653 G
   A01N43/78 A
   A01N47/44
   A01N55/10
   A01N59/16 A
   A01P1/00
   A01P3/00
   D06M11/13
   D06M13/352
   D06M15/03
   D06M15/37
【請求項の数】27
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-537394(P2016-537394)
(86)(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公表番号】特表2016-535179(P2016-535179A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】IB2014000309
(87)【国際公開番号】WO2015028852
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2016年5月9日
【審判番号】不服2018-2201(P2018-2201/J1)
【審判請求日】2018年2月16日
(31)【優先権主張番号】2827/MUM/2013
(32)【優先日】2013年8月29日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】516061850
【氏名又は名称】リヴィンガード エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】スワミ,ロイーニ
(72)【発明者】
【氏名】スワミ,サンジーヴ
【合議体】
【審判長】 井上 茂夫
【審判官】 佐々木 正章
【審判官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平3−241071(JP,A)
【文献】 特開平8−311766(JP,A)
【文献】 特開平11−189978(JP,A)
【文献】 特開2004−360147(JP,A)
【文献】 特開2004−300650(JP,A)
【文献】 特開2004−115970(JP,A)
【文献】 特公平2−30340(JP,B2)
【文献】 特開2013−164519(JP,A)
【文献】 特表2014−525518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M 13/463 11/13 13/352 15/03 15/37
A01N 25/34 43/653 43/78 47/44 55/10 59/16
A01P 1/00 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地基材の処理方法であって、吸尽工程を用いて、第4級アンモニウムオルガノシラン化合物、及び/又は塩化銀及び/又は他のタイプの銀塩、及び/又はポリグルコサミン、及び/又はプロピコナゾール、及び/又はチアベンダゾール、及び/又はバイオコートされた銀粒子、及び/又はポリヘキサメチレンビグアニドのいくつかを含む消毒処理組成物であって、少なくとも第4級アンモニウムオルガノシラン化合物とポリヘキサメチレンビグアニドとを含む消毒処理組成物を付与し、また、前記布地基材を110℃〜180℃の温度における熱処理及び110℃〜180℃の温度における再熱処理に供することによって前記布地基材を処理する方法。
【請求項2】
前記布地基材は、天然又は合成の織布、ニット布地、クローシェ布地、ボンディッド布地、又は不織布からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記布地基材は、
紡績された糸、電気紡績された糸、延伸された糸、又は押し出しされた糸、又は
ウール、コットン、絹亜麻布、麻繊維、ラミー、及びジュートからなる群から選択された少なくとも1つである天然生地、又は
レーヨン、ナイロン、非アクリルオレフィン、アクリルポリエステル、PTFE、PP、PPE、炭素繊維、ビニヨン、サラン、スパンデックス、ビナロン、アラミド、モダル、サルファ、ポリベンゾイミダゾール繊維、PLA、リヨセル、オーロン、ベクトラン、及びザイロン(商標)アクリロニトリルの群から選択された少なくとも1つである合成生地
である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記生地又は糸は混紡されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記消毒処理組成物は、0.1〜10%の濃度範囲で使用される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記消毒処理組成物は、第4級アンモニウムオルガノシラン化合物、及び/又は塩化銀及び/又は他のタイプの銀塩、及び/又はポリグルコサミン、及び/又はプロピコナゾール、及び/又はチアベンダゾール、及び/又はバイオコートされた銀粒子及び/又はポリヘキサメチレンビグアニドのすべてを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記消毒処理組成物は、塩化銀、他のタイプの銀塩、バイオコートされた銀粒子、及びこれらの任意の混合物からなる群から選択された1つと、ポリヘキサメチレンビグアニドと、第4級アンモニウムオルガノシラン組成物との組み合わせを少なくとも含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記組み合わせには、ポリグルコサミンがさらに含まれる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記消毒処理組成物は、チアベンダゾール及びポリグルコサミンをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
分子構造
【化1】
を有する4級アンモニウムオルガノシラン化合物は、0.5%〜5%の範囲で使用される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記オルガノシランは、5〜50グラムの重さの範囲で使用されるジメチルオクタデシル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロリドである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記処理組成物であるアクリル酸銀塩
【化2】
が、0.1%〜5%の範囲で使用され、
前記ポリヘキサメチレンビグアナイド(PHMB)
【化3】
が、1〜2%又は2〜50グラムの重量の範囲で使用される請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記処理組成物は、抗ウイルス剤として、合成メチルアルコール、オクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、クロロプロピルトリヒドロキシシラン、ポリグルコサミン、塩化銀系化合物、アルミノシリケート担体中の塩化銀、及びポリヘキサメチレンビグアナイドからなる群から選択された1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記処理組成物は、抗真菌剤としてのチアベンダゾール及びプロピコナゾールの群から選択された1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
アダクト型ブロックイソシアネートのタイプから選択された架橋剤がさらに使用される、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレン、ソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール400モノラウレートの群から選択された少なくとも1つである乳化剤がさらに使用される、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
水、又は請求項1で定義された処理組成物を生成するために添加される機能剤の混合物と相溶性がある他の任意の溶媒が、媒介体として使用される、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記処理組成物は、撥水撥油剤、耐摩耗剤、帯電防止剤、抗ピリング剤、イージーケア樹脂、湿潤剤、ウィッキング剤、軟化剤、防蚊剤、UVプロテクター、防汚剤、粘性調整剤、pH調整剤、乳化剤、及びこれらの媒介体からなる群から選択された少なくとも1つの処理剤を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記吸尽工程において、特定の時間、温度、及び予め決定したpHで前記布地基材を、前記消毒処理組成物を用いて調整された仕上げ溶液中で処理し、機能剤を前記布地基材に最適に吸尽させる、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
処理された前記布地基材を、110℃〜180℃の熱を提供するテンターフレームに1〜7分の滞留時間の間供する、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
仕上げ槽に注がれた架橋剤の混合液に前記布地基材を通し、その後、110℃〜180℃の熱を提供するテンターフレームに、1〜7分の滞留時間の間供する、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
溶液を完全に前記布地基材に浸透させて完全に重合させるために、1〜7分の滞留時間の間、前記布地基材を110℃〜180℃の温度で熱処理するための前記テンターフレームに再び供する、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか一項に記載の方法により布地基材を製造する方法。
【請求項24】
前記布地基材は、5分未満で細菌(グラム陽性)汚染を4(log CFU)よりも大きな割合で低減する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
水濾過、空気濾過、キッチンタオル、下着、靴下、医療用衣服、軍隊用戦闘服、汗吸収性Tシャツ、Tシャツ、敷布、カーテン、子供服、学生服、バスタオル、室内装飾材、ドッグベッド、失禁用おむつ、又は包帯に、請求項23又は24に記載の方法により製造された布地基材を使用する方法。
【請求項26】
請求項23又は24に記載の方法により製造された布地基材を水又は空気濾過システムにおいて使用する方法。
【請求項27】
キッチンタオル、下着、靴下、医療用衣服、軍隊用戦闘服、汗吸収性Tシャツ、Tシャツ、敷布、カーテン、子供服、学生服、バスタオル、室内装飾材、ドッグベッド、失禁用おむつ、及び包帯から選択される布地において、請求項23又は24に記載の方法により製造された布地基材を使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄耐久性のような不可欠の特徴と、洗浄耐久性と消毒殺菌性とともに種々の機能を増大させる能力とを有する消毒殺菌性布地に関する。
【発明の背景】
【0002】
特に家庭、病院、ホテル、オフィス、産業環境、軍隊、警察、人間、及びペットなどに使用される布地は、細菌、ウイルス、及び菌によって汚染され易いため、効用性と、耐久性と、長持ちする消毒性とをこのような布地に与えることに対して長年の要望がある。布地が置かれる一般的な環境では、布地は病原体にとって栄養源に富んだ培地となり得るだけでなく、これら病原体が他所へ拡散し得る理想的な媒体となり得る。その結果、感染、場合によっては死亡、作業コストの高騰、及び余剰在庫やそれらの腐朽による浪費をもたらす。
【0003】
布地は、様々な目的のために、そして様々な環境下で使用される。このように、布地の表面が微生物汚染する非常に現実的な危険性が存在する。また、ケチャップ、血、唾液、はちみつ、し尿、及び湿気によって衣服が染みる危険性も、様々な環境にいる使用者が直面する問題である。このような染みは、見苦しいだけでなく、布地の表面や断面に存在する種々の有害な細菌、菌、及びウイルスにとって栄養源に富んだ培地となる。
【0004】
布地の内面では、死細胞、汗、湿度、及び湿気が様々な病原体の成長と拡散を促進する。また、直接肌に接触しないジャケットや外套のような衣服もまた、病原体に汚染されている可能性のある内衣との接触を介して感染移動を受けやすい。このように、微生物病原体による布地汚染が主要な懸念材料であることは明らかである。
【0005】
治安部隊や軍隊、客室乗務員、及びその他航空人員は、1日以上同じ衣服を着用する必要があり得るため、特に病気や肌の問題が生じやすい。軍隊では、28日間も連続して衣服を着用しなければならない場合がある。これら汚れた衣服は、着用者に健康の問題を引き起こすだけでなく、細菌、菌、及びウイルスに由来する病気が拡散する温床となる。
【0006】
病院関連では、微生物の存在はさらに脅威である。これら布地が使用される環境の特性上、布地に対するニーズはより特殊である。医者、看護師、患者、及びその他病院、診療所、及びその他それに類する施設の人員が着用する通常の布地の他に、手術着、ガウン、ラボコート、ベッドシーツ、及び枕カバーの形で使用される布地は、種々の割合で微生物を拡散させる。患者は、身体の排泄物によって増殖した細菌や微生物に由来する汚染のリスクが非常に高いシーツや枕カバーの上で寝る。また、マットレスや枕は、洗浄されていないことによって汚染されているおそれがある。このようなマットレスや枕は、患者へ感染を次々に伝達し得る。シーツ、枕カバー、ガウン、及びカーテンは、傷口や、その他咳及び喘息などのような健康状態によって汚染を受ける。患者のガウンは、汗及び/又は尿、便、及び嘔吐物のような人の排泄物によって汚染されている。これは、細菌、ウイルス、及び菌のような微生物の増殖をもたらす。医療関係者は、患者によって使用された被汚染布地又は体の排泄物の双方から頻繁に汚染を受ける。医療関係者は、細菌感染を患者から患者へと伝達する主原因である。現在の医療用布地では、いかなる保護バリアも提供されない。病院における現在の状況や問題を以下に記載する。
a)院内感染の大部分は布地の移送に起因するものである。
b)医者や患者は布地との接触を通じて互いに感染する傾向がある。
c)現在の洗浄法では布地にダメージをもたらす。
d)枕、マットレス、及びカーテンが洗浄又は消毒されることは稀である。
e)洗浄後、細菌は瞬間的に増殖する。
f)汗や垢のような身体残留物は細菌の温床となる。
【0007】
標準的な布地のランドリー洗浄は水の過剰消費をもたらす。さらに、衣服の洗濯のために膨大な量の洗剤が使用される。そして、この過程では、長いランドリー洗浄時間のために膨大な時間が消費される。また、少量の水、時間、及び洗剤で洗浄を行える布地を考案することによってこの問題を処理する喫緊のニーズが存在する。
【0008】
消毒性の他にも、防染性、湿気管理性、通汗性、耐摩耗性、防虫性、耐火性、防電性、抗ピリング性、UV耐性、及び防汚性のような多機能性もまた、使用者に多くの相乗的な利益をもたらすため、布地にとって非常に好ましい。これらは、機能性にいかなる変化も引き起こすことなく、消毒性という基本的機能に容易に適合される。
【0009】
今日、未消毒飲料水に対して差し迫ったニーズがある。淡水資源には有用性が有るが、その水の中には、しばしば、大腸菌や多岐に渡るその他の病気を引き起こす病原菌による汚染が発見される。実際、人々は、入浴、洗濯、畜牛の水浴び等、様々な範囲の活動に多くの淡水資源を使用する。このように、これら水資源の大部分における汚染水準には無視できないものがある。このような汚染水を飲料に用いた場合、世界中の研究によって実際に明らかとなっているように、下痢、コレラ、及びその他多くの病気の発生を引き起こす可能性があった。薬品注入によって水から感染する微生物を消毒し得る装置が存在するものの、長期に渡るこのような薬品の使用は人体にとって有害である。さらに、水中の細菌を分離又は消毒し得るその他の装置は、依然として、地球上の未発達地域の大部分において容易に利用することができない電気を使用するものである。
【0010】
多くの人々は、土着の方法で布地を使用して水を濾し、そしてそれをより飲用に適したものとしているが、これら布地は微生物病原体を消毒し得ない。このように、伝統的な技術である布濾過と、布を消毒可能で、かつ病気の原因となる微生物を消毒可能な技術とを組み合わせることによって、簡単な方法で、微生物的に安全な飲料水を提供可能とする問題に取り組む明確なニーズが存在する。
【発明の従来技術】
【0011】
米国特許第2791518号には、水溶性窒素化合物(アンモニア)と、1価銀塩とを含む第1の水溶液に布地のような物品を浸し、その後、この銀塩とイオン交換可能な第2の塩を含む第2の水溶液に浸すことによって、このような物品の抗菌性を導入する方法が記載されている。
【0012】
米国特許第527952号には、抗菌性とともに導電性を付与するように繊維を処理する方法が記載されている。この方法は、2価の銅イオン源、還元剤、チオ硫酸ナトリウム、及びヨウ化物イオン源からなる水溶液を含む溶液に繊維を浸し、これによりヨウ化銅を繊維に吸収させるものである。
【0013】
抗菌性繊維を調製するための工程を教示する米国特許第6962608号は、a)少なくとも2つのカルボキシル基を有する有機酸を含む水性処理液に布地を浸し、b)酸化剤でこの繊維を処理してペルオキシカルボン酸機能を生成し、これにより、全く洗浄されない場合99%を超える大腸菌の減少が見られる平均6重量パーセントの有機酸を含む抗菌性布地を調製する工程について述べていた。
【0014】
したがって、布地の伝統的な使用に関連するこの問題を解決する本発明、すなわち、本発明者によって主張される本発明は、布地を処理するための新規で進歩性のある組成物と、この組成物を用いて布地を処理する方法及びこの溶液を生成する方法とを開発したものである。よって、本発明の目的は以下に列挙されるものである。
【0015】
本発明は、消毒性、抗細菌性、抗ウイルス性、抗菌性、及び洗浄耐久性を有する任意の布地又は基材を提供することを第1の目的とする。
【0016】
本発明は、消毒性のある布地によって着用者に保護バリアを提供することを更なる目的とする。
【0017】
また、本発明は、細菌、悪臭、臭気等の増大を抑制することを重要な目的とする。
【0018】
本発明は、洗浄コストを劇的に低減することを最も重要な目的とする。
【発明の概要】
【0019】
本発明によれば、
i.第4級アンモニウムオルガノシラン化合物、及び/又は塩化銀及び/又は他のタイプの銀塩、及び/又はポリグルコサミン、及び/又はプロピコナゾール、及び/又はバイオコートされた銀粒子及び/又はポリヘキサメチレンビグアニド(以下、「機能剤」ともいう)の1つ、いくつか、或いはすべての組み合わせにより処理されたことにより、基材の断面全体が抗菌性、抗真菌性、及び抗ウイルス性の性質を呈し、消毒剤として認められる所定の基準を満たし、
ii.上述の化学的性質が、洗浄に耐え得る、非浸出の状態で布地に付加されるように処理された基材を備える布地が提供される。
【0020】
その結果生じた生地は、その断面に渡って緩やかな疎水性を呈する。
【0021】
布地への化学的性質の付与は、吸尽パディング、コーティング、又は噴霧工程を用いて行われる。布地の乾燥は、利用可能な通常のヒートセット工程を用いて行われる。
【0022】
また、処理中に、消毒性コーティングとともに、必要とされる機能処理剤を添加することによって、布地基材を多機能化し得る。多機能性を付与するために、撥水撥油剤、耐摩耗剤、帯電防止剤、抗ピリング剤、イージーケア樹脂、湿潤剤、ウィッキング剤、軟化剤、防蚊剤、UVプロテクター、防汚剤、粘性調整剤、pH調整剤、乳化剤、及びこれらの媒介体からなる群から選択された少なくとも1つの処理剤を含む処理組成物を用いて、布地の片面又は両面を、別々に又は一緒に処理してもよい。
【発明の説明】
【0023】
本発明は、織布、不織布、電気紡績された布地、延伸された布地ボンディッド布地、クローシェ布地、又はニット布地からなる群から選択された布地基材という)であって、人間と、動物と、アパレル、医療、家庭、ホテル、家具(室内装飾品を含む)、台所、テーブルトップ、浴室、自動車、ベーカリー、カーテン、カーペット、ペット用品、及び関連する用途とに使用される、消毒性(殺菌性)を有する布地を提供することに関する。我々は、消毒性を有する布地によって、その布地が菌の増殖を完全に抑制するとともに、細菌(グラム陽性)汚染を5分未満で4ログ(logs)よりも大きな割合で低減し得る特性について言及している。
【0024】
繰り返し洗浄サイクル、機械的研磨、液体接触、及び蒸気接触を行った後でも、高いレベルの消毒活性が見込まれる化学品を混合することによって、上述の消毒された布地に(長時間持続する)洗浄耐久性及び多機能的効果がもたらされ、その結果、多機能性のために追加的に高められた能力を有する消毒性布地がもたらされることは、本発明において獲得された追加的特性である。
【0025】
典型的に、処理する必要がある布地基材のような基材を、天然又は合成の織布、延伸された布地、ニット布地、クローシェ布地ボンディッド布地、又は不織布からなる無制限の群から選択することが本発明の特徴である。
【0026】
天然生地は、ウール、コットン、絹、亜麻布、麻繊維、ラミー、及びジュートからなる群から選択された少なくとも1つである。また、本発明における配合組成及び方法は、レーヨン、ナイロン、非アクリルオレフィンアクリルポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、炭素繊維、ビニヨン、サラン、スパンデックス、ビナロン(vinalon)、アラミド、モダル(modal)、サルファ(sulfar)、ポリベンゾイミダゾール繊維、ホスホリパーゼA(PLA)、リヨセル、オーロン、ベクトラン(vectran)、及びザイロンアクリロニトリル(zylonacrylonitrile)からなる群から少なくとも1つ選択された合成生地を含む様々な布地材料に適用することに適している。組成の適用に関して、上記生地は、上述の生地/群のうちのいずれかから混合されてもよく、組成の付与の後に付与方法が続く。
【0027】
布地基材のための消毒処理組成物は、0.1〜10%、より具体的には0.1〜4%の濃度範囲にある、第4級アンモニウムオルガノシラン組成物、及び/又は塩化銀及び/又は他のタイプの銀塩、及び/又はポリグルコサミン、及び/又はプロピコナゾール、及び/又はバイオコートされた銀粒子及び/又はポリヘキサメチレンビグアニド(以下、「機能剤」ともいう)の1つ、いくつか、或いはすべての組み合わせを含む。したがって、この基材の断面全体が抗菌性、抗ウイルス性、及び抗真菌性の性質を呈しており、消毒剤として認められる所定の基準を満たしている。
オルガノシラン4級アミン
分子構造:
【化1】
アクリル酸銀塩
【化2】
ポリヘキサメチレンビグアナイド(PHMB)
【化3】
【0028】
本発明の更なる実施形態において、消毒性布地を調製するために用いられる抗ウイルス剤を構成する溶液及び/又は組成物として、用途に応じて、1ppm〜500ppmの濃度範囲にある合成メチルアルコール、オクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム(オクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム)及びクロロプロピルトリヒドロキシシラン(chloropropyl trihydroxysilane)、ポリグルコサミン、塩化銀系化合物及びアルミノシリケート担体中の塩化銀及びポリヘキサメチレンビグアナイドと、用途に応じて、0.1ppm〜150ppmの濃度範囲にある多糖類又はオリゴ糖又はバイオコートされた銀ナノ粒子とからなる群から少なくとも1つが選択される。
多糖類の化学構造
【化4】
【0029】
抗真菌剤として、用途に応じて、0.5ppm〜200ppmの濃度範囲にあるチアベンダゾール又はプロピコナゾールの群から少なくとも1つが選択される。また、これらの薬剤は、これらの抗真菌能力を通じてこれらの機能を支持することによって、わずかな抗菌及び抗ウイルス活性を付与する。
チアベンダゾールの化学構造
【化5】
プロピコナゾールの化学構造
【化6】
【0030】
上記構成の他に、本発明は、用途に応じて1ppm〜300ppmの濃度範囲にあるアダクト型ブロックイソシアネートから選択される架橋剤をさらに含んでいる。
【0031】
本発明に係る他の実施形態は乳化剤を備えている。典型的に、この乳化剤として、用途に応じて、0.1ppm〜200ppmの濃度にあるポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレン、ソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール400モノラウレートの群から少なくとも1つが選択される。
【0032】
本発明に係る組成に従い溶液を調製するために使用される媒介体は、水又は本願に係る組成物を創作するために溶液に添加される機能剤の混合物と相溶性がある他の任意の溶媒である。
【0033】
調整された生地は、その断面のいたる所で緩やかな疎水性を呈する。布地に対する化学的性質の付与は、吸尽、パッディング、コーティング、又は噴霧工程を用いて行われる。布地の乾燥は、利用可能な通常のヒートセット工程を用いて行われる。
【0034】
また、処理中に、消毒性コーティングとともに、必要とされる機能処理剤を添加することによって、布地基材を多機能化し得る。多機能性を付与するために、撥水撥油剤、耐摩耗剤、帯電防止剤、抗ピリング剤、イージーケア樹脂、湿潤剤、ウィッキング剤、軟化剤、防蚊剤、UVプロテクター、防汚剤、粘性調整剤、pH調整剤、乳化剤、及びこれらの媒介体からなる群から選択された少なくとも1つの処理剤を含む処理組成物を用いて、布地の片面又は両面を、別々に又は一緒に処理してもよい。
【0035】
本発明によれば、処理組成物で処理された布地を調製するための工程が提供される。この工程は以下の方法ステップを備えている。
【0036】
・4つの異なる付与法のうち任意の1つ又はいくつかによって、一束の生地が仕上げ機に供される。
【0037】
パディング
1.この方法では、様々な機能剤を混合することによって、好ましい濃度の仕上げ溶液を調製する。その後、この仕上げ溶液をポンプによってパディングマングルに流し込む。
2.生成物を収集する前の実験室試験の際に適切なパディングマングル圧を予め決定して、布地に添加された機能剤の最適な含湿量を獲得し、必要とされる基準を達成する。これは完全に布地基材の質に依存しており、別の方法で汎用化することはできない。しかしながら、この方法によれば、布地に添加された化学品の含湿量を最適化するのに十分な圧力が達成されるはずである。
3.この段階において、オルガノシラン、銀塩、及びポリヘキサメチレンビグアナイドの混合物を上述した好ましい濃度範囲で布地に添加する。これらは、重合すると緩やかな疎水性の性質を呈する。
【0038】
吸尽
i.様々な機能剤を混合することによって好ましい濃度の仕上げ溶液を調製する。そして、布地基材吸尽法手段によって処理し、特定の時間、温度、及びpHにおいて布地基材を仕上げ溶液中で処理する。生成物を収集する前の実験室試験の際にこのpHを予め決定して、生地に添加された機能剤を最適に吸尽し、必要とされる基準を達成する。
ii.この段階において、オルガノシラン、銀塩、及びポリヘキサメチレンビグアナイドの混合物を上述した好ましい濃度範囲で布地に添加する。これらは、重合すると緩やかな疎水性の性質を呈する。
【0039】
コーティング法
i.様々な機能剤を混合することにより、好ましい濃度の仕上げ溶液を調製する。その後、ポンプを用いてこの仕上げ溶液をナイフ塗布機に流し込む。
ii.必要とされるコーティングの厚さと布地基材の性質とに基づき、布地とナイフとの間の隙間をピックアップ能力の見地から定める。
iii.その後、ナイフコーティング技術を用いて、上述の好ましい濃度範囲にあるオルガノシラン、銀塩、及びポリヘキサメチレンビグアナイドの混合物を布地にさらに添加する。これらは、重合すると緩やかな疎水性の性質を呈する。
【0040】
噴霧法
i.様々な機能剤を混合することによって、好ましい濃度の仕上げ溶液を調製する。そして、特定の時間及び布地基材の性質に応じて摂氏20〜90度の温度範囲で、この溶液を布地基材に噴霧する。生成物を収集する前の実験室試験の際に噴霧のための時間を予め決定して、繊維に対する最適な溶液ピックアップを獲得し、必要とされる消毒性基準を達成する。
ii.その後、(布地基材の性質に応じて)20〜90℃の温度範囲において、上述した好ましい濃度範囲で、オルガノシラン、銀塩、及びポリヘキサメチレンビグアナイドの混合物を布地に噴霧する。これらは重合すると緩やかな疎水性の性質を呈する。噴霧時間は3〜5秒の間に定められる。
【0041】
2.その後、精密な布地基材と、必要とされる最終生成物の用途の特質とに応じて、付与処理された生地のいずれかを1〜7分間の滞留時間で110℃〜180℃の熱を提供するテンターフレームに通し、付与される化学的性質を部分的に布地重合させる。この生地は乾燥状態にある。さらに、この過程によって、緩やかな疎水性を呈する生地が「Aフレーム」上で再びロール状に巻かれる。
【0042】
3.必要に応じて、架橋剤の混合物をパディングマングルの仕上げ槽に加えてもよい。生成物を収集する前の実験室試験の際に適切なパディングマングル圧を予め決定して、生地に添加された機能剤の最適な含湿量を獲得し、必要とされる基準を達成する。
【0043】
4.その後、使用された布地基材の性質と、布地が必要とされる具体的な用途とに応じて、110℃〜180℃の温度で乾燥を行うテンターフレームにこの生地を1〜7分の滞留時間で再び供する。この段階で、最初のステップで添加された最初の抗菌剤が熱によって十分に重合され、これにより、布地の糸がさらに化学品をその中に吸収することが防止される。しかしながら、吸湿架橋剤も付着しているため、任意の重要な方法で糸に浸透させることなく、布地の糸の表面に付着している付加的な化学品の能力が獲得される。
【0044】
5.この段階で、布地は消毒性の性質を呈し、用途に応じた追加的な技術である布地は糸の表面に付着する能力を有する。この布地の断面は緩やかな疎水性を呈するものの、吸湿架橋剤の存在が、追加的な化学品が布地の表面に付着することを可能にしている。
【0045】
完全な重合化による化学品の固定は、非浸出性及び洗浄耐久性プロセスにおいて行われる。このように、結果として生成された布地は、効果を喪失することなく複数回の洗浄に耐え得る。
【0046】
布地基材の前処理は、
1.生産の前に布地を実験室レベルで試験して、それが上記選択基準を満足しているか確認・確証し、
2.個々の布地部分を「A」フレーム上で互いにバッチ処理して縫い合わせ、
3.欠陥を発見するためにバッチ処理の間に布地を徹底的に検査する
ことを含んでいる。
【0047】
これより、以下の非限定的な例示を参照して本発明が説明される。
【実施例1】
【0048】
実施例1:水濾過に適用される消毒性布地
緩やかな酸性状態下、吸尽工程により、0.5〜2%付加量のオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、1〜2%付加量の塩化銀系化合物及び1%〜2%ポリヘキサメチレンビグアナイド、1〜3%のポリグルコサミンを、水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、130℃〜160℃の間で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒特性を布地基材断面全体に付与する。
【実施例2】
【0049】
実施例2:キッチンタオルに適用される消毒性布地
緩やかな酸性状態下、60〜80%含湿量を用いたパディング含浸法により、10〜20g/lのオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である10〜20g/lの塩化銀系化合物、10〜20g/lのポリヘキサメチレンビグアナイドを、水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、130℃〜160℃の間で熱処理重合して、消毒剤のような特性を呈する布地基材の断面中に、緩やかな疎水性能とともに抗菌特性を付与する。5〜20gm/litのブロックイソアシネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、120℃〜150℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、超吸収性をもたらし得る他の機能性仕上げ剤に対する反応部分を生成する。
【実施例3】
【0050】
実施例3:下着及び靴下に適用される消毒性布地
緩やかな酸性状態下、コーティング工程により、0.1〜2%付加量のオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である0.1〜2%付加量の塩化銀系化合物、0.1%〜2%付加量ポリヘキサメチレンビグアナイドを、水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、130℃〜170℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。5〜20gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜18gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、120℃〜160℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、下着の吸収性を高め得る他の機能性仕上げ剤に対する反応部分を生成する。
【実施例4】
【0051】
実施例4:医療用衣服に適用される消毒性布地
更なる添加のために片面だけの汗吸収性コーティングが必要とされる場合、20〜50g/lのオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である20〜50g/lの塩化銀系化合物、及び20〜50g/lのポリヘキサメチレンビグアナイドが、緩やかな酸性状態下、60%〜80%含湿量を用いたパディング含浸法によって、水性媒体を介して布地基材に添加され、その後、110℃〜150℃で熱処理重合されて、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性が布地基材断面全体に付与される。5〜15gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、1〜15gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖が、110℃〜150℃において上記抗菌処理された布地基材に添加され、汗吸収性のための更なるコーティングに対し布地が反応性となるために布地に結合される。
【実施例5】
【0052】
実施例5:さらにその両面が水、血液、及び他の体液を通さないように製造される必要がある医療用衣服に適用される消毒性布地
0.5〜2%付加量のオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である1〜2%付加量の塩化銀系化合物、及び1〜2%ポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、吸尽工程により水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、120℃〜140℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。
【0053】
5〜20gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、120℃〜150℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、防流体性コーティングをさらに施すための反応部分を生成する。
【実施例6】
【0054】
実施例6:布地が防虫処理に対応する必要のある軍隊用戦闘服に適用される消毒性布地
10〜50g/lのオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である10〜50g/lの塩化銀系化合物、10〜50g/lのポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、60〜80%含湿量を用いたパディング含浸法により、水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、120℃〜140℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。5〜20gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、120℃〜150℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、防虫処理を施すための反応部分を生成する。
【実施例7】
【0055】
実施例7:布地がUV反射及び撥水処理の両方に対応する必要のある軍隊用戦闘服に適用される消毒性布地
0.5〜2%付加量のオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である1〜2%付加量の塩化銀系化合物、1〜2%付加量のポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、吸尽工程により水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、130℃〜135℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。b)架橋剤である2〜18gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜18gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、120℃〜140℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、UV反射及び撥水処理を施すための反応部分を生成する。
【実施例8】
【0056】
実施例8:汗吸収性Tシャツに適用される消毒性布地
2〜5%付加量のオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である2〜5%付加量の塩化銀系化合物を、緩やかな酸性状態下、吸尽工程により水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、120℃〜130℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。5〜20gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、120℃〜150℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、他の機能性仕上げ剤に対する反応部分を生成する。
【実施例9】
【0057】
実施例9:撥水、防蚊、及びUV反射処理に対応する性能を有するTシャツに適用される消毒性布地
0.5〜2%付加量のオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である1〜2%付加量の塩化銀系化合物、1〜2%付加量のポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、吸尽工程により水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、120℃〜130℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。5〜20gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、120℃〜150℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、他の機能性仕上げ剤に対する反応部分を生成する。
【実施例10】
【0058】
実施例10:防蚊処理を施す性能を有するホテル産業における敷布に適用される消毒性布地
1〜5%付加量のオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である1〜2%付加量の塩化銀系化合物、1〜5%付加量のポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、噴霧工程により水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、130℃〜160℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。5〜20gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、120℃〜150℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、他の機能性仕上げ剤に対する反応部分を生成する。
【実施例11】
【0059】
実施例11:燃焼抑制処理を施すための性能を有するホテル産業における敷布に適用される消毒性布地
0.5〜2%付加量のオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である1〜2%付加量の塩化銀系化合物、1〜2%付加量のポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、吸尽工程により水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、130℃〜160℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。5〜20gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、120℃〜150℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、燃焼抑制処理を施すために必要な機能性を生成する。
【実施例12】
【0060】
実施例12:燃焼抑制性及び撥水性が付加されたカーテンとして適用される消毒性布地
10〜50g/lのオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である10〜50g/lの塩化銀系化合物、10〜50g/lのポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、60〜80%含湿量を用いたパディング含浸法により、水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、130℃〜160℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。5〜20gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、120℃〜150℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、好適な仕上げ剤を適用するための反応部分を生成する。
【実施例13】
【0061】
実施例13:子供服に適用される消毒性布地
10〜50g/lのオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である10〜50g/lの塩化銀系化合物、10〜50g/lのポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、60〜80%含湿量を用いた噴霧法により、水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、120℃〜150℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。
【実施例14】
【0062】
実施例14:学生服に適用される消毒性布地
0.5〜2%付加量のオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である1〜2%付加量の塩化銀系化合物、1〜2%付加量のポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、吸尽工程により水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、130℃〜150℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。5〜20gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、110℃〜160℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、他の機能性仕上げ剤に対する反応部分を生成する。
【実施例15】
【0063】
実施例15:ホテルのバスタオルに適用される消毒性布地
20〜50g/lのオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である20〜50g/lの塩化銀系化合物、及び20〜50g/lポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、60〜80%含湿量を用いたパディング含浸法により、水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、120℃〜140℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。
【実施例16】
【0064】
実施例16:室内装飾材に適用される消毒性布地
0.5〜2%付加量のオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、1〜2%付加量の塩化銀系化合物、及び1〜2%ポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、吸尽工程により水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、110℃〜150℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。5〜20gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、120℃〜150℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、他のあらゆる要求される仕上げ処理を施すための反応部分を生成する。
【実施例17】
【0065】
実施例17:耐摩耗処理に対する付加的な性能を有するドッグベッドに適用される消毒性布地
0.5〜2%付加量のオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、1〜2%付加量の塩化銀系化合物、1〜2%付加量のポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、吸尽工程により水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、130℃〜135℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。5〜20gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、5〜20gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、120℃〜150℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、耐摩耗性処理を施すための反応部分を生成する。
【実施例18】
【0066】
実施例18:失禁用おむつに適用される消毒性布地
10〜40g/lのオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である10〜40g/lの塩化銀系化合物、及び10〜40g/lのポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、噴霧法により水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、130℃〜145℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。10〜20gm/litのブロックイソシアネート系熱可塑性高分子分散液及び1〜20gm/litチアベンダゾール、5〜15gm/litのポリグルコサミンオリゴ糖を、110℃〜140℃において上記抗菌処理された布地基材に添加し、布地基材に両面から結合させ、要求される吸収処理を施すための反応部分を生成する。
【実施例19】
【0067】
実施例19:空気濾過システムに適用される消毒性布地
20〜50g/lのオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である20〜50g/lの塩化銀系化合物を、緩やかな酸性状態下、60%〜80%含湿量を用いたパディング含浸法により、水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、130℃〜145℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。
【実施例20】
【0068】
実施例20:包帯に適用される消毒性布地
0.5〜2%付加量のオクタデシルアミノメチルトリヒドロキシシリルプロピル塩化アンモニウム、アルミノシリケート担体における塩化銀である1〜2%付加量の塩化銀系化合物、1〜2%付加量のポリヘキサメチレンビグアナイドを、緩やかな酸性状態下、コーティング工程により水性媒体を介して布地基材に添加し、その後、110℃〜140℃で熱処理重合して、緩やかな疎水性能とともに消毒剤のような性質を呈する抗菌特性を布地基材断面全体に付与する。