特許第6497777号(P6497777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6497777
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置
(51)【国際特許分類】
   A22C 21/00 20060101AFI20190401BHJP
   B65G 17/26 20060101ALI20190401BHJP
【FI】
   A22C21/00 Z
   B65G17/26 B
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-129435(P2015-129435)
(22)【出願日】2015年6月29日
(65)【公開番号】特開2017-12023(P2017-12023A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】504225356
【氏名又は名称】プライフーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095245
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】小牟田 賢二
【審査官】 黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−039067(JP,A)
【文献】 特開2013−017453(JP,A)
【文献】 特開平7−274812(JP,A)
【文献】 特開平5−068472(JP,A)
【文献】 米国特許第4827570(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 21/00
B65G 17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食鳥屠体ガラの胸腔に内勘合して食鳥屠体ガラを保持すると共に第1所定方向に移動する第1保持具と、食鳥屠体ガラの頸椎を咬持すると共に第2所定方向に移動する咬持体と咬持体に近接し食鳥屠体ガラの頸椎を咬持体の移動方向へ案内する案内部材とを有する第2保持具とを備え、第1保持具と第2保持具の咬持体とが相対離隔移動して食鳥屠体ガラからカッパ部を引き剥がすことを特徴とする食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項2】
第2保持具の咬持体は、第1所定方向と同一方向に且つ第1保持具よりも高速で移動して、第1保持具から離隔することを特徴とする請求項1に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項3】
第2保持具の咬持体は、第1保持具の上方に配設された二つのスプロケット間に掛け渡された無端ローラーチェーンが有する多数の爪であることを特徴とする請求項2に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項4】
第2保持具の案内部材はローラーチェーンと同一方向に延在する棒状案内部材又はローラーチェーンと同一方向に延在する側面を有する板体であることを特徴とする請求項3に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項5】
第2保持具の案内部材は一対のスプロケット間に掛け渡された無端チェーンであり、咬持体である多数の爪を有するローラーチェーンと同一方向に延在し、咬持体である多数の爪を有するローラーチェーンの第1所定方向に移動する走行部に近接する走行部は、近接するローラーチェーンと同一速度で第1所定方向に移動することを特徴とする請求項3に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項6】
案内部材を形成する無端チェーンは、多数の爪を有するローラーチェーンであることを特徴とする請求項5に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項7】
案内部材の終端近傍に配設され、第2保持具の爪に咬持された頸椎に当接し、前記爪による頸椎の咬持を解除させる解除部材を備えることを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項8】
第2保持具の咬持体は、第1所定方向に対して側方の第2所定方向に移動して第1保持具から離隔することを特徴とする請求項1に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項9】
第2保持具の咬持体は、第1保持具の移動経路の側方に配設された回転円板の周側面に形成された多数の歯であることを特徴とする請求項8に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項10】
第2保持具の案内部材は、回転円板外周から径方向外方に所定の隙間を隔てて前記外周に沿って延在する棒状案内部材又は前記回転円板外周から径方向外方に所定の隙間を隔てて前記外周に沿って延在する円弧側面を有する板体であることを特徴とする請求項9に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項11】
第2保持具が複数段積層されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項12】
第2保持具の咬持体は、第1保持具の移動経路の側方に配設された二つのスプロケット間に掛け渡された無端ローラーチェーンが有する多数の爪であることを特徴とする請求項8に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項13】
第2保持具の案内部材はローラーチェーンと同一方向に延在する棒状案内部材又はローラーチェーンと同一方向に延在する側面を有する板体であることを特徴とする請求項12に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項14】
第1保持具の進行方向に関して第2保持具よりも後方に配設され、第1保持具によって保持された食鳥屠体ガラの頸椎と胸椎とを含む背側部分とカッパ部とを連結する膜組織を切断する刃を備えることを特徴とする請求項8乃至13の何れか1項に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項15】
第1保持具は頸椎を下方へ差し向けて食鳥屠体ガラを保持することを特徴とする請求項14に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項16】
第1保持具は食鳥屠体ガラのカッパ部を係止する爪部材を備えることを特徴とする請求項15に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【請求項17】
案内部材の終端近傍に配設され、第2保持具の歯に咬持された頸椎に当接し、前記歯による頸椎の咬持を解除させる解除部材を備えることを特徴とする請求項9乃至16の何れか1項に記載の食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食鳥屠体ガラのカッパ部剥し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食鳥屠体の切断した上半身から、手羽、胸肉、ささみ肉、内蔵、頭を取り外した後の「ガラ」は、頸椎と胸椎とに付着した小肉を取るために、頸椎と胸椎と肋骨脊椎部とを含む背側部分と、烏口骨と癒合鎖骨と肩甲骨と肋骨胸骨部と胸骨稜とを含む胸側部分(食鳥の小売業界では、この部分を「カッパ部」と称しているので、以下この部分を単に「カッパ部」と略称する)とに分離される。前記分離は、一般に、ガラからカッパ部を引き剥がすことにより行われる。
本願の出願人は、特許文献1において、食鳥屠体ガラを保持すると共に第1所定方向に移動する第1保持具と、食鳥屠体ガラの頸椎を保持すると共に第1所定方向に対して側方の第2所定方向に移動するる第2保持具とを備え、第1保持具と第2保持具とが相対離隔移動して食鳥屠体ガラからカッパ部を引き剥がす装置を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−039067
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置には、ガラの保持と頸椎の保持とを一対の部材で外側から挟持することによって行っているので、挟持部とガラや頸椎との相対滑りにより、保持具によるガラや頸椎の保持状態がカッパ部の引き剥がし時に解除され、引き剥がしに失敗する事態を起こし得るという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、食鳥屠体ガラを保持すると共に所定方向に移動する第1保持具と、食鳥屠体ガラの頸椎を保持すると共に第2所定方向に移動するる第2保持具とを備え、第1保持具と第2保持具とが相対離隔移動して食鳥屠体ガラからカッパ部を引き剥がす装置であって、保持具によるガラや頸椎の保持状態がカッパ部の引き剥がし時に解除される危険性が少ない食鳥屠体ガラのカッパ部剥し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明においては、食鳥屠体ガラの胸腔に内勘合して食鳥屠体ガラを保持すると共に第1所定方向に移動する第1保持具と、食鳥屠体ガラの頸椎を咬持すると共に第2所定方向に移動する咬持体と咬持体に近接し食鳥屠体ガラの頸椎を咬持体の移動方向へ案内する案内部材とを有する第2保持具とを備え、第1保持具と第2保持具の咬持体とが相対離隔移動して食鳥屠体ガラからカッパ部を引き剥がすことを特徴とする食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置を提供する。
本発明においては、第1保持具は食鳥屠体ガラの胸腔に内勘合して食鳥屠体ガラを保持し、第2保持具の咬持体が食鳥屠体ガラの頸椎を咬持するので、保持具によるガラや頸椎の保持状態がカッパ部の引き剥がし時に解除される危険性が少ない。
【0006】
本発明の好ましい態様においては、第2保持具の咬持体は、第1所定方向と同一方向に且つ第1保持具よりも高速で移動して、第1保持具から離隔する。
第1保持具と第2保持具の咬持体との相対離隔移動の態様として、第2保持具の咬持体が、第1所定方向と同一方向に且つ第1保持具よりも高速で移動して、第1保持具から離隔することは、実用的である。
本発明の好ましい態様においては、第2保持具の咬持体は、第1保持具の上方に配設された二つのスプロケット間に掛け渡された無端ローラーチェーンが有する多数の爪である。
第1保持具の上方に配設された二つのスプロケット間に掛け渡された無端ローラーチェーンが有する多数の爪は、咬持体として好適である。
本発明の好ましい態様においては、第2保持具の案内部材はローラーチェーンと同一方向に延在する棒状案内部材又はローラーチェーンと同一方向に延在する側面を有する板体である。
本発明の好ましい態様においては、第2保持具の案内部材は一対のスプロケット間に掛け渡された無端チェーンであり、咬持体である多数の爪を有するローラーチェーンと同一方向に延在し、咬持体である多数の爪を有するローラーチェーンの第1所定方向に移動する走行部に近接する走行部は、近接するローラーチェーンと同一速度で第1所定方向に移動する。
ローラーチェーンと同一方向に延在する棒状案内部材又はローラーチェーンと同一方向に延在する側面を有する板体、或いは、一対のスプロケット間に掛け渡された無端チェーンであり、咬持体である多数の爪を有するローラーチェーンと同一方向に延在し、咬持体である多数の爪を有するローラーチェーンの第1所定方向に移動する走行部に近接する走行部は、近接するローラーチェーンと同一速度で第1所定方向に移動するチェーンは、案内部材として好適である。
本発明の好ましい態様においては、案内部材を形成する無端チェーンは、多数の爪を有するローラーチェーンである。
案内部材を形成する無端チェーンが、多数の爪を有するローラーチェーンであれば、案内部材の爪も咬持体として機能するので、頸椎の保持がより強固になる。
本発明の好ましい態様においては、カッパ部剥がし装置は、案内部材の終端近傍に配設され、第2保持具の爪に咬持された頸椎に当接し、前記爪による頸椎の咬持を解除させる解除部材を備える。
解除部材により、背側部分が自動的に回収される。
【0007】
本発明の好ましい態様においては、第2保持具の咬持体は、第1所定方向に対して側方の第2所定方向に移動して第1保持具から離隔する。
第1保持具と第2保持具の咬持体との相対離隔移動の態様として、第2保持具の咬持体が、第1所定方向に対して側方の第2所定方向に移動して第1保持具から離隔することは、実用的である。
本発明の好ましい態様においては、第2保持具の咬持体は、第1保持具の移動経路の側方に配設された回転円板の周側面に形成された多数の歯である。
回転円板の周側面に形成された多数の歯は、咬持体として好適である。
本発明の好ましい態様においては、第2保持具の案内部材は、回転円板外周から径方向外方に所定の隙間を隔てて前記外周に沿って延在する棒状案内部材又は前記回転円板外周から径方向外方に所定の隙間を隔てて前記外周に沿って延在する円弧側面を有する板体である。
回転円板外周から径方向外方に所定の隙間を隔てて前記外周に沿って延在する棒状案内部材又は前記回転円板外周から径方向外方に所定の隙間を隔てて前記外周に沿って延在する円弧側面を有する板体は案内部材として好適である。
本発明の好ましい態様においては、第2保持具が複数段積層されている。
第2保持具を複数段積層配置することにより、頸椎をより強固に保持することができる。
本発明の好ましい態様においては、第2保持具の咬持体は、第1保持具の移動経路の側方に配設された二つのスプロケット間に掛け渡された無端ローラーチェーンが有する多数の爪である。
第1保持具の移動経路の側方に配設された二つのスプロケット間に掛け渡された無端ローラーチェーンが有する多数の爪は、咬持体とて好適である。
本発明の好ましい態様においては、第2保持具の案内部材はローラーチェーンと同一方向に延在する棒状案内部材又はローラーチェーンと同一方向に延在する側面を有する板体である
ローラーチェーンと同一方向に延在する棒状案内部材又はローラーチェーンと同一方向に延在する側面を有する板体は、案内部材として好適である。
本発明の好ましい態様においては、食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置は、第1保持具の進行方向に関して第2保持具よりも後方に配設され、第1保持具によって保持された食鳥屠体ガラの頸椎と胸椎とを含む背側部分とカッパ部とを連結する膜組織を切断する刃を備える。
引き剥がし工程の直前に、食鳥屠体ガラの頸椎と胸椎とを含む背側部分とカッパ部とを連結する膜組織を切断することにより、引き剥がし作業が容易且つ支障なく行われる。
本発明の好ましい態様においては、第1保持具は頸椎を下方へ差し向けて食鳥屠体ガラを保持する。
引き剥がし工程の直前に、食鳥屠体ガラの頸椎と胸椎とを含む背側部分とカッパ部とを連結する膜組織を切断する場合、頸椎の姿勢が不安定化して第2保持具による頸椎の保持に支障を来すのを防止するために、第1保持具は、頸椎を下方へ差し向けて食鳥屠体ガラを保持し、自重により頸椎が下方へ垂下するようにして、頸椎の姿勢を安定化させるのが望ましい。
本発明の好ましい態様においては、第1保持具は食鳥屠体ガラのカッパ部を係止する爪部材を備える。
第1保持具が屠体ガラのカッパ部を係止する爪部材を備える場合には、頸椎を下方へ差し向けた食鳥屠体が第1保持具から落下するのを防止するために、落下保持部材を第1保持具の移動経路に沿って別途配設する必要がなくなり、食鳥屠体ガラのカッパ部剥し装置の構成が簡素化される。
本発明の好ましい態様においては、カッパ部剥がし装置は、案内部材の終端近傍に配設され、第2保持具の歯に咬持された頸椎に当接し、前記歯による頸椎の咬持を解除させる解除部材を備える。
解除部材により、背側部分が自動的に回収される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施例に係る食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置の側面図である。
図2図1のa−a矢視図である
図3図1のb−b矢視図である
図4】本発明の第2実施例に係る食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置の上面図である。
図5図4のc−c矢視図である
図6図4のd−d矢視図である
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施例に係る食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置を説明する。
以下の説明において、図1〜6の矢印I、II、III、IV、V、VIの方向をそれぞれ前方、後方、左方、右方、上方、下方、と呼ぶ。
【0010】
本発明の第1実施例に係る食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置1を説明する。
図1〜3に示すように、カッパ部剥がし装置1は、図示しない一対のスプロケットの間に掛け渡され、所定の鉛直面内で延在し、上側走行部2aが前方へ下側走行部2bが後方へ走行する第1無端チェーン2を備えている。
複数の略角錐形状の第1保持具3が、第1無端チェーン2の延在方向に互いに所定間隔を隔てて配設され、左右軸線周りに回動可能に且つ前後上下に相対移動不能に第1無端チェーン2に取り付けられている。第1保持具3は、図示しないカムレールとカムフォロアとの相互作用により、前方への移動中に、角錐の頂点を前方へ差し向けて無端チェーンの上側走行部2aに接近させた倒置位置と、角錐の頂点を上方へ差し向けて無端チェーンの上側走行部2aから離隔させた起立位置との間で揺動可能でかつ倒置位置と起立位置とに保持可能である。
カッパ部剥がし装置1は更に、一対の前後のスプロケット4a、4b間に掛け渡され、第1無端チェーン2の上側走行部2aよりも上方の水平面内で延在し、左側走行部5aが第1無端チェーンの上側走行部2aの直上で前方へ且つ上側走行部2aよりも高速で走行する第2無端チェーン5を備えている。第2無端チェーン5は、ローラーチェーンであり、上下の各外側プレート又は上下の各内側プレートは、側方外方へ差し向けられた爪6を備えている。
第2無端チェーンの左側走行部5aの左側に且つ近接して、棒状案内部材7が配設され、左側走行部5aの略全長に亙って左側走行部5aに並行に前後に延在している。棒状案内部材7の前端部は、前方のスプロケット4aを途中まで回り込んで延在している。第2無端チェーン5の左側走行部5aの爪6と棒状案内部材7とが第2保持具8を形成している。
棒状案内部材7の終端近傍に、且つ棒状案内部材7が終端した先に、且つスプロケット4aの上方に、咬持解除部材9が配設されている。
【0011】
カッパ部剥がし装置1の作動を説明する。
カッパ部剥がし工程の前工程であるささみ肉取り外し工程において倒置位置にあった第1保持具3が、図1、3で白抜き矢印で示すように前方へ移動してカッパ部剥がし装置1に接近すると、起立位置へ揺動し、起立位置に保持される。起立位置にある第1保持具3は、食鳥屠体ガラSの胸腔に下方から内勘合して、食鳥屠体ガラSを保持する。食鳥屠体ガラSは、ささみ肉取り外し工程において烏口骨と癒合鎖骨と肩甲骨と肋骨胸骨部と胸骨稜とを含む胸側部分すなわちらカッパ部S1を上方へ差し向け、頸椎S2を前方へ差し向け、頸椎S2と胸椎と肋骨脊椎部とを含む食鳥屠体ガラの背側部分S3を下方へ差し向けて倒置位置にある第1保持具3に保持されているので、第1保持具3が起立位置へ揺動し、起立位置に保持されると、カッパ部S1は後方へ、頸椎S2は上方へ、頸椎S2と胸椎と肋骨脊椎部とを含む食鳥屠体ガラの背側部分S3は、前方へ差し向けられる。
第1保持具3が前方へ移動して、第2保持具8の領域に差し掛かると、ガラSの頸椎S2が第2保持具8を形成する第2無端チェーン5の左側走行部5aの爪6と棒状案内部材7との間の隙間に進入し、第2保持具8が有する多数の爪6の何れかが、ガラSの頸椎S2を咬持する。爪6が第1保持具3よりも高速で前方へ移動し、ひいては爪6が第1保持具3に対して相対離隔移動する。この結果、爪6に咬持されたガラSの頸椎S2が、棒状案内部材7に案内されつつ、第1保持具3に保持された鳥ガラSの残余部に対して相対離隔移動し、第1保持具3の前方にある頸椎S2と胸椎と肋骨脊椎部とを含む食鳥屠体ガラの背側部分S3が、第1保持具3の後方にあるカッパ部S1から引き剥がされる。結果的に、鳥ガラSからカッパ部S1が引き剥がされる。
頸椎S2が爪6に咬持された背側部分S3は爪6によって連行され、スプロケット4aをほぼ回ったところで、且つ棒状案内部材7が終端した先で、咬持解除部材9に当接して進行を阻まれ、爪6による咬持が解除されて、自動的に回収される。第1保持具3上に取り残されたカッパ部S3は第1保持具3によって連行され、人手により又は自動的に第1保持具3による保持が解除されて回収される。
【0012】
カッパ部剥がし装置1においては、第1保持具3は食鳥屠体ガラSの胸腔に内勘合して食鳥屠体ガラSを保持し、第2保持具8の爪6が食鳥屠体ガラの頸椎S2を咬持するので、保持具3、8によるガラSや頸椎S2の保持状態がカッパ部S1の引き剥がし時に解除される危険性が少ない。
第2保持具8が備える多数の爪6の何れかが頸椎S2を咬持して、ガラSを保持する第1保持具3と同一方向に且つ第1保持具3よりも高速で移動することにより、頸椎S2を咬持する爪6とガラSの残余部を保持する第1保持具3との相対離隔移動を惹起し、ガラSからのカッパ部S1の引き剥がしを実現している。第2保持具8の爪6を、第1保持具3と同一方向に且つ第1保持具3よりも高速で移動させることは、両者を相対離隔移動させる手段として実用的である。
無端ローラーチェーン5が有する多数の爪6は、頸椎S2を咬持する咬持体として好適である。
ローラーチェーン5と同一方向に延在する棒状案内部材7は咬持された頸椎S2の案内部材として好適である。
棒状案内部材7に代えて、第2無端チェーンの左側走行部5aの左側に且つ近接して、左側走行部5aに並行に延在する側面を有する板体を案内部材として配設しても良く、或いは、一対のスプロケット間に掛け渡された無端チェーンであって、咬持体である多数の爪6を有するローラーチェーン5と同一方向に延在し、ローラーチェーン5の左側走行部5aに近接する走行部が、左側走行部5aと同一速度で同一方向へ移動するチェーンを案内部材として配設しても良い。
案内部材を形成する無端チェーンを、多数の爪を有するローラーチェーンとしても良い。案内部材であるローラーチェーンの爪も咬持体として機能するので、頸椎S2の保持がより強固になる。
【0013】
本発明の第2実施例に係る食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置10を説明する。
図4〜6に示すように、カッパ部剥がし装置10は、図示しない一対のプーリーの間に掛け渡され、所定の水平面内で延在し、一方の走行部12aが前方へ走行するタイミングベルト12を備えている。
複数の略角錐形状の第1保持具13が、タイミングベルト12に並行に延在するガイドレール12’の右側面と上下面とに係合しつつ、タイミングベルト12の延在方向に互いに所定間隔を隔てて配設され、左右軸線周りに回動可能に且つ前後上下に相対移動不能にタイミングベルト12に取り付けられている。第1保持具13は、胸腔内に内勘合して保持したガラSのカッパ部S1を係止する爪13’を有している。第1保持具13は、カムレールとカムフォロアとの相互作用により、前方への移動中に、角錐の頂点を前方へ差し向けた倒置位置と角錐の頂点を下方へ差し向けた起立位置との間で揺動可能でかつ倒置位置と起立位置とに保持可能である。
カッパ部剥がし装置10は更に、ガイドレール12’の下方に配設され、モータ14の鉛直回転軸14aに固定された複数枚の水平回転円板15 の積層体を備えている。各水平回転円板15の周側面には周方向に互い間隔を隔てて多数の歯16が形成されている。水平回転円板15の積層体の径方向外方には、水平回転円板15の外周から所定隙間を隔てて前記外周に沿って半円弧状に延在する複数段の棒状案内部材17が配設されている。
回転円板15の歯16と棒状案内部材17とが第2保持具18を形成している。
棒状案内部材17の終端近傍に、且つ棒状案内部材17が終端した先に、且つ水平回転円板15の上方に、咬持解除部材19が配設されている。
カッパ部剥がし装置10は更に、第2保持具18よりも後方で、ガイドレール12’に取り付けられた刃20を備えている
【0014】
カッパ部剥がし装置10の作動を説明する。
カッパ部剥がし工程の前工程であるささみ肉取り外し工程において、ガラSの胸腔に後方から内勘合すると共に爪13’がカッパ部S3を係止した第1保持具13は倒置位置に保持されており、カッパ部S1は右方へ、頸椎S2は前方へ、頸椎S2を含む背側部分S3は左方へ差し向けられている。第1保持具13は、倒置位置を維持しつつ、図4で白抜き矢印で示すように前方へ移動し、ガイドレール12’に取り付けられた刃20を通過し、刃20が食鳥屠体ガラSの背側部分S3とカッパ部S1とを連結する膜組織を切断する。第1保持具13は、カッパ部剥がし装置10に接近すると、起立位置へ揺動し、起立位置に保持される。起立位置にある第1保持具13は、食鳥屠体ガラSの胸腔に上方から内勘合すると共に爪13’がカッパ部S3を係止した状態で、食鳥屠体ガラSを落下させることなく保持する。第1保持具13が起立位置へ揺動し、起立位置に保持されると、頸椎S2と胸椎と肋骨脊椎部とを含む食鳥屠体ガラの背側部分S3は左方へ差し向けられた状態を維持し、背側部分S3とカッパ部S1とを連結する膜組織が切断されて姿勢の安定性を失った頸椎S2が自重で下方へ垂れ下がる。この結果頸椎S2の姿勢が安定化する。
第1保持具13が前方へ移動して、第2保持具18の領域に差しかかると、自重で下方へ垂れ下がり姿勢が安定した頸椎S2が、第2保持具18を形成する上方から見て左回転する水平回転円板15の歯16と棒状案内部材17との間の隙間に進入し、水平回転円板15外周の多数の歯16の何れかが、ガラSの頸椎S2を咬持する。複数段積層配置された第2保持具18により、頸椎S2は強固に保持される。
第1保持具13が前方へ移動するのに対し、歯16は水平回転円板15の回転に伴って左方前方へ移動し、ひいては歯16が第1保持具13に対して相対離隔移動する。この結果、歯16に咬持されたガラSの頸椎S2が、棒状案内部材17に案内されつつ、第1保持具13に保持された鳥ガラSの残余部に対して相対離隔移動し、第1保持具3の左方にある頸椎S2と胸椎と肋骨脊椎部とを含む食鳥屠体ガラの背側部分S3が、第1保持具13の右方にあるカッパ部S1から引き剥がされる。結果的に、鳥ガラSからカッパ部S1が引き剥がされる。
食鳥屠体ガラの背側部分S3とカッパ部S1とを連結する膜組織が予め切断されているので、左方へ差し向けられた背側部分S3と右方へ差し向けられた残余部とは単純に左右方向に引き剥がされるのではなく、左右方向と前後方向とに引き剥がされるのであるが、当該引き剥がしは容易に支障なく行われる。
鳥ガラSの頸椎S2を咬持した歯16が棒状案内部材17の延在領域を脱した後、頸椎S2が咬持解除部材19に当接して進行が阻まれ、歯16による頸椎S2の咬持が解除されて、背側部分S3が自動的に回収される。第1保持具3に取り残されたカッパ部S1は、第1保持具13が第2保持具18の領域を通過した後に、人手により或いは自動的に第1保持具13による保持が解除されて回収される。
【0015】
カッパ部剥がし装置10においては、第1保持具13は食鳥屠体ガラSの胸腔に内勘合して食鳥屠体ガラSを保持し、第2保持具18の歯16が食鳥屠体ガラの頸椎S2を咬持するので、保持具13、18によるガラSや頸椎S2の保持状態がカッパ部S1の引き剥がし時に解除される危険性が少ない。
第2保持具18が備える多数の歯16の何れかが頸椎S2を咬持して、ガラSを保持する第1保持具13の移動方向から側方へ逸れて移動することにより、頸椎S2を咬持する歯16とガラSを保持する第1保持具13との相対離隔移動を惹起し、ガラSからのカッパ部S1の引き剥がしを実現している。第2保持具18の歯16を、第1保持具13の移動方向から側方へ逸れて移動させることは、両者を相対離隔移動させる手段として実用的である。
水平回転円板15が有する多数の歯16は、頸椎S2を咬持する咬持体として好適である。
水平回転円板15の外周に沿って半円弧状に延在する棒状案内部材17は咬持された頸椎S2の案内部材として好適である。
第2保持具18を複数段積層配置したので、頸椎S2を強固に保持することができる。
棒状案内部材17に代えて、水平回転円板15の外周から所定隙間を隔てて前記外周に沿って半円弧状に延在する側面を有する板体を案内部材として配設しても良い。
外周部に多数の歯16が形成された水平回転円板15に代えて、水平回転円板15を駆動側のスプロケットとする一対のスプロケット間に掛け渡されると共に外側プレート又は内側プレートに爪が形成された図示しない無端ローラーチェーンを配設し、当該無端ローラーチェーンの爪と棒状案内部材17とで第2保持具18を形成しても良い。棒状案内部材17に代えて、駆動側のスプロケットを形成する水平回転円板15の外周から所定隙間を隔てて前記外周に沿って半円弧状に延在する側面を有する板体を案内部材として配設しても良い。
第1保持具13が屠体ガラSのカッパ部S1を係止する爪13’を備えているので、頸椎S2を下方へ差し向けた食鳥屠体ガラSが第1保持具13から落下するのを防止するために、落下保持部材を第1保持具13の移動経路に沿って別途配設する必要がなくなり、カッパ部剥し装置10の構成が簡素化される。
第2保持具18よりも後方に、ガイドレール12’に取り付けられた刃20を配設せず、食鳥屠体ガラの背側部分S3とカッパ部S1とを連結する膜組織を予め切断しない場合には、頸椎S2の姿勢は安定性を失わずぐらぐらしない。この場合には、起立位置において第1保持具13の角錐の頂点を上方へ差し向けると共に、第2保持具18をガイドレール12’の上方に配設しても良い。頸椎S2は上方へ差し向けられても姿勢の安定性を失わずぐらぐらしないので、水平回転円板15の歯16と棒状案内部材17の間の隙間に確実に進入することができる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明は、食鳥屠体ガラのカッパ部引き剥がし作業に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0017】
1、10 食鳥屠体ガラのカッパ部剥がし装置
2 第1無端チェーン
3、13 第1保持具
13’ 爪
5 第2無端チェーン
6 爪
7、17 棒状案内部材
8、18 第2保持具
9、19 咬持解除部材
12 タイミングベルト
12’ガイドレール
14 モータ
15 水平回転円板
16 歯
20 刃
S 食鳥屠体ガラ
S1 カッパ部
S2 頸椎
S3 背部
図1
図2
図3
図4
図5
図6