特許第6497789号(P6497789)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ モル ベルティング システムズ,インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6497789
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】定置洗浄システム及びシール監視
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/02 20060101AFI20190401BHJP
   B65G 39/09 20060101ALI20190401BHJP
【FI】
   B65G43/02 Z
   B65G39/09
【請求項の数】3
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2017-241750(P2017-241750)
(22)【出願日】2017年12月18日
(62)【分割の表示】特願2014-525194(P2014-525194)の分割
【原出願日】2012年8月13日
(65)【公開番号】特開2018-65697(P2018-65697A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2017年12月19日
(31)【優先権主張番号】61/665,888
(32)【優先日】2012年6月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/522,587
(32)【優先日】2011年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/590,790
(32)【優先日】2012年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514032016
【氏名又は名称】モル ベルティング システムズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Mol Belting Systems,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルタース,ローレンス,ヘー.イェー.
(72)【発明者】
【氏名】デグルート,マイケル,ヘンドリック
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−131232(JP,A)
【文献】 特開平10−111210(JP,A)
【文献】 実開平2−14050(JP,U)
【文献】 特開2004−242416(JP,A)
【文献】 特開2004−135435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 13/00 − 13/12
B65G 21/00 − 21/22
B65G 23/04 − 23/12
B65G 39/00 − 39/20
B65G 43/00 − 43/10
F16C 13/00 − 15/00
G01M 3/00 − 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シール破損に起因したコンベア構成部品内からの汚染物質の放出を最小限に抑える方法において、
コンベア構成部品に、表面を有する1つ又は複数の要素と、1つ又は複数の表面と連通する1つ又は複数のシールとに囲まれる封止領域を形成するステップと;
前記封止領域から流体ラインを延在させるステップと;
前記流体ラインをポンプに接続するステップと;
前記封止領域内から流体を抜き取るステップであって、それにより前記封止領域内に負圧を生じさせるステップと;
シール破損を検出するステップであって、前記封止領域内から流体を抜き取ることにより前記封止領域内の流体圧を変化させ、それによって前記封止領域と基準圧力値との間の圧力差を生じさせ、前記封止領域と前記基準圧力値との間の圧力差を監視することにより、シール破損を検出するステップと;
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記コンベア構成部品が中空コンベアフレームであることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記基準圧力値が、前記封止領域外の周囲環境の流体圧に対応することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2011年8月11日に出願された米国仮特許出願第61/522,587号明細書;2012年1月25日に出願された米国仮特許出願第61/590,790号明細書;及び2012年6月28日に出願された米国仮特許出願第61/665,888号明細書の出願日の利益を主張し、これらの全ての開示が、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
本発明は、概して高出力小型電気モータに関し、より詳細には、モータ・減速機システム(このモータはアウタロータモータであり、コンベア等でドラムシェルの周りにコンベアベルト等を駆動するのに使用される電動ドラムに特に適合性がある)に関し、より詳細には、サニタリコンベア電動ドラム適用に関する。加えて、本発明は、高出力小型電気モータ内の流体圧、並びにコンベアローラ及び支持構造体内の流体圧を監視する衛生システムであって、特にサニタリコンベア適用に適合性がある衛生システムに関する。
【0003】
電動ドラムは主に、モータと減速機とがドラムシェル内に配置され、モータの回転が減速機によって減速されると、次にはドラムシェルに伝達され、従って外部シャフトがコンベアのフレームに固定されているときドラムシェルが回転可能となるように構成される。一部の実施形態において、ドラムシェルは、平ベルト、又は歯付きベルト、又はモジュールベルトを駆動する。
【0004】
現在利用可能な電動ドラムはドラムシェルを有し、このドラムシェル内にモータ及び減速機が格納される。ドラムシェルの両端面に軸受及びシールが配置され、軸受とドラムシェルとの間に、それらの端面を閉鎖するエンドカバーが配置される。多くの場合にエンドカバーにはラビリンスが使用され、食品加工工場の洗浄に用いられる高圧水からシールが保護される。ドラムシェルに対する回転を可能にする第1及び第2の取付シャフトが用いられる。従って、ドラムシェルは第1及び第2の取付シャフトの中心軸の周りに回転する。第1の取付シャフトは中空部分を含み、そこを通って、モータに接続されるモータ結線リードが電動ドラムから出る。公知の電動ドラムにはオイルが部分的に充填される。オイルは、開放されている歯車装置及び軸受を潤滑し、且つ電動ドラム全体にわたるオイルの移動に伴いモータの熱をローラドラムの内周面に伝達する。
【0005】
公知のモータは、シャフトが装着された内部ロータを有する。このモータロータシャフトはまた、減速機に対する入力シャフトとしても機能する。減速機は出力シャフトを有し、この出力シャフトは、減速機の固定基準点(そのハウジング)がドラムシェルに対して回転する間シェルに結合され、モータステータ及び取付シャフトに対しては回転運動しない。モータを作動させると、公知のモータのシャフトは回転する。この回転の速度が減速機により下げられ、次に減速機出力パワーが出力シャフトを介してドラムシェルに伝達されることにより、ドラムシェルが回転駆動される。円滑な動作を実現するには、モータ出力シャフトの中心軸と第1及び第2の取付シャフトの中心軸とが互いに略整列していなければならない。
【0006】
食品加工業は、典型的には2シフト生産及び1シフト洗浄を用いる24時間サイクルであることが多い。高生産性が重視され、ダウンタイムは許容されない。機器故障は直ちに修理可能であるか、又は予備部品に交換可能でなければならない。
【0007】
既存の電動ドラムは基本的に注文製の製品である。電動ドラムの選択には4つの変数が関わる。それらは、ベルト速度、ベルト幅、ベルト引張力、及びプーリ直径である。ラギング、様々な電気的オプション、及び強化シャフトの必要性など、さらなるオプションも分析に含まれ得る。
【0008】
現在、この業界では、固定速度で動作する交流誘導モータが主に使用されている。モータ速度及び歯車減速装置は、生じる熱量が最小でありながら、用途に対して可能な限り高いベルト引張力を提供するように選択されなければならない。電動ドラムは閉鎖系であり、そのために熱の除去が極めて困難であることから、熱の問題は決定的に重要である。従って、各種極数の多数のモータを、直径毎に、複数の二段及び三段歯車装置と共に考慮しなければならない。
【0009】
現在、この業界では、プーリの直径及び軸方向長さに制限されるはすば歯車が使用されている。従って、この歯車装置を介して必要なトルクを伝達するために、より大きい直径のプーリの使用が必要となることが多く、これは通常、市場に好まれない。
【0010】
各用途に適切な電動ドラムを利用可能とするには、製造業者は何千もの可能性に備えることが必要となるが、これは経済的に実行不可能である。従って、各モータが上記の4つの変数に基づき特注で製造されるため、この業界では容認し難いほど長いリードタイムが生じている。ゼロダウンタイムが市場の要求であるため、食品加工業の顧客は、自らが使用するあらゆるモータの予備品を備蓄しておかなければならない。これは数百個ものモータとなり得、高い設備投資及びコストを要する。
【0011】
従って、本発明の目的は、その最小軸方向長さで作製される電動ドラム(以下、ベースユニット)であって、様々な構成部品を取り付けることができる取付フェースシステムをその一端に含む電動ドラムによって、顧客が多量の手持ちの予備部品を抱える必要をなくし得るモジュール式電動ドラムを作ることである。かかる構成部品には、特に、端蓋、さらなる拡張ドラムシェル、及びスプロケットの装着に対応することができる拡張シャフトが含まれ得る。
【0012】
本発明のさらなる目的は、モジュールのベースユニットを好ましい直径及び軸方向長さの単一ユニットとすることができるように、電動ドラムのトルク密度を増加させることである。
【0013】
本発明の別の目的は、所与の生産工場内のあらゆる用途で単一のベースユニットを用いることができるように、広い速度範囲にわたり比較的一定したトルク及び効率曲線を維持するモータを提供することである。
【0014】
現行の技術では、高確率で突発故障が起こる可能性があるため、顧客は予備品及び予備部品を必要とする。現行の技術における突発故障の一因は、電動ドラムに対する高いベルト引張力及び/又はベルトの張力が内部構成部品に即時の重大な損害を引き起こすことである。既存の電動ドラムは、分割型の又は部分的なシャフトを使用する。ある部分シャフトがコンベアに固定され、電動ドラムに入り、モータフランジに装着される。モータフランジがモータに装着され、モータが歯車装置に装着される。歯車装置がある部分シャフトに装着され、この部分シャフトは電動ドラムを出ると、次にコンベアに装着される。これらの部分シャフトセグメントは、実質的に同軸であるか、又はモータシャフト部分に平行である。しかしながら、シャフトを軸方向に分割するとシャフトの軸横断方向の剛性が低下し、屈曲が生じ、部分シャフト間、ひいてはモータとトランスミッションとの間に整列のずれが起こる。
【0015】
かかる整列のずれは、トランスミッション又はモータの効率の悪さ、高い摩耗、及び多くの場合に突発故障をもたらす。この問題を軽減する先行技術の試みとして、電動ドラムの軸方向長さの増加に伴い、電動ドラム内の第1又は第2の取付シャフトの直径を増加させることが挙げられる。当該技術分野では他に、軸方向により長い端蓋を使用して補償することが試みられている。
【0016】
従って、本発明の目的は、電動ドラムの全ての構成部品間の整列のずれを調整すること、及び電動ドラムに入る撓みを引き起こす固有の力を、最小限に抑えるよりむしろ、調整することである。
【0017】
既存技術のもう一つの重大な問題は、市場の食品安全性に関する要求に対して、それが完全には適合できないことである。第一に、既存の製品は、歯車、軸受、及びシールの潤滑のためオイルが充填されることが指摘される。このオイルはまた、モータコアの熱をシェルに伝達し、シェルで、ベルトへの伝導によってその熱を除去することができる。さらに、システムの効率の悪さによりシステムに熱が発生し、圧力が蓄積されることで、オイルがゴム製リップシール(特に、シャフトのシールに裂け目が生じたところ)から押し出されて漏れる。オイルの漏出は、食品製品の汚染のリスクを生じる。
【0018】
従って、本発明のさらに別の目的は、電動ドラムにおけるオイルの使用をなくすことである。
【0019】
第二に、既存のモータ設計の重大な問題は、ドラムユニットの外部に、細菌のコロニー(すなわち病原体)が増殖し得る住処となる場所が存在することである。この問題を軽減する試みの例として、回転用シャフトシールを高圧洗浄から保護するために使用されるラビリンスを端蓋に使用することが挙げられる。また、端蓋は外部ボルト及びワッシャを使用してドラムシェルに接続され、ドラムシェルとその端蓋との間にも、細菌の住処となる領域がさらに存在する。
【0020】
従って、本発明のさらなる目的は、細菌のコロニーが繁殖し得る住処となる場所をなくすことである。
【0021】
第三に、モジュール式コンベアベルト材又は歯付き従動ベルト材を駆動する既存の電動ドラムは、主に、溝付きゴム又はポリウレタンラギングを用いてそのベルト材を係合する。このラギングは、亀裂、浮き上がり、又は凹みを生じ、それにより細菌の住処となる場所がさらに作り出されるのみならず、モータ内の熱を隔離する。そのため、現在利用可能なモータは、典型的には約18%ディレーティングしなければならないことになる。ここでモータは効率を下げて動作しているため、これは、行われる作業に関連してより多くの熱が発生することを意味する。従ってラギングにより、プーリが定常状態に達するまでにより長い時間がかかり、且つプーリは、それが実に定常状態条件に達するとき、ポリマーラギングがない場合と比べてより高温で達し、最終的により高いベルト温度を生じることになる。次にはこのさらなる熱をコンベアベルトによりラギングから除去しなければならない。コンベアベルトがコンベアに沿って動くに従い、熱は典型的には、環境中への対流によるか、又は搬送される食品製品中への伝導を介してベルト全体から除去される。食品工業の従事者にとって、駆動系からの熱は食品製品に入り込まないことが望ましい。
【0022】
他の先行技術の装置は、ラギングではなくスプロケットをドラムシェルに取り付けることにより、モジュール式コンベアベルト材又は歯付き従動ベルト材を駆動する。かかる装置では、コンベアベルトがドラムシェルに直接接触せず、従ってドラムモータはなおディレーティングする必要がある。さらに、シェルに対する取付構造が種々あるスプロケットは、細菌のコロニーが増殖し得る住処となる場所又はデッドスペースを作り出す。
【0023】
従って、本発明の目的は、電動ドラムの定常状態温度を低下させることである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、電気モータ内の巻線からドラムシェルの内表面までの熱放散速度を増加させることである。
【0025】
第四に、食品工業は、電動ドラム内の材料と搬送される食品製品との間での交差汚染の可能性を懸念する。従ってこの工業では、交差汚染の可能性を生じる条件の存在を知らせる解決法の探究が続いている。例えば、食品工業の顧客の多くは、オイルの漏出時にそれを検知できるように、食品等級のオイルに赤色又は青色色素を添加することを要求する。提案されるこの解決法は、電動ドラムがある期間動作するとオイルが黒ずみ、赤色又は青色色素がもはや警告機能を果たさなくなるため、確実に効果があるものではない。加えて、オイルの漏出が実際にはなかったとしても、ラビリンス又はシールで細菌のコロニーが気付かないうちに増殖し、次にはそれが高圧洗浄手順を実施する間にコンベア上に飛び散り得るため、交差汚染はなお脅威である。
【0026】
従って、本発明のさらに別の目的は、閉鎖系でのオイルの使用をなくすのみならず、シールの完全性が損なわれていることをシステム操作者に適時警告するため、回転用シャフトシール及び固定用端蓋シールの汚損も監視することである。
【発明の概要】
【0027】
前述の及び他の目的は本発明により実現され、本発明は、本発明の第1の装置態様において、コンベア構成部品内の封止領域のシール破損を検出する装置を提供する。本発明において、この装置は、コンベア構成部品内の封止領域から延在する流体ラインを有する。流体ラインにセンサが接続され、センサに後続して流体ラインにバルブが接続される。バルブに後続して接続される流体ポンプがさらに提供される。センサ、バルブ、及び流体ポンプに制御器が接続される。
【0028】
一実施形態において、センサはコンベア構成部品内の封止領域の外部にある。本発明の一部の実施形態におけるバルブはソレノイドバルブである。
【0029】
本発明の有利な実施形態において、コンベア構成部品内の封止領域はアイドラプーリ内に格納される。アイドラプーリは、ドラムシェルと、ドラムシェルの軸端に取着される端蓋と、シャフトとを備える。
【0030】
しかしながら、他の実施形態では、コンベア構成部品内の封止領域は電動ドラム内に格納される。電動ドラムはドラムシェルを備え、さらに、回転出力を有するモータであって、ドラムシェル内に配置されるモータが提供される。さらに端蓋、並びにシャフトも提供される。
【0031】
さらに別の実施形態において、封止領域は中空コンベアフレーム構造内に格納される。
【0032】
本発明の方法態様において、シール破損の検出方法が提供される。この方法は以下のステップを含む:
ある表面を有する要素と、別の表面と連通するシールとに囲まれる封止領域をコンベア構成部品内に形成するステップ;
封止領域から流体ラインを延在させるステップ;
封止領域内の流体圧を変化させるステップであって、それにより封止領域と基準圧力値との間に圧力差を生じさせるステップ;及び
封止領域と基準圧力値との圧力差を監視するステップ。
【0033】
この方法態様の一実施形態において、許容圧力差変化率計算値は、封止領域の気体透過率と、封止領域と封止領域外の周囲環境との間の温度差の予想される変化に起因して予想される圧力差の変化との関数である。圧力差変化率が許容圧力差変化率計算値を超える場合、方策が講じられる。
【0034】
この方法態様の一実施形態において、基準圧力値は、封止領域外の周囲環境の流体圧に対応する。しかしながら、他の実施形態において、基準圧力値は調整可能である。
【0035】
本発明の方法は、決定可能な流体抜取り速度で封止領域から流体を抜き取るステップであって、それにより封止領域の流体圧を基準圧力値より低くするステップを含む。実行可能な実施形態において、決定可能な流体抜取り速度は、シールの物理特性及び環境特性の関数として決定される。一部の実施形態において、シール及び封止領域の物理特性及び環境特性は、温度変動及び気体透過率に感応する。
【0036】
さらに本発明において、封止領域の流体圧レベルを監視するステップ、及び封止領域の流体圧レベルの時間変化率を決定するステップが提供される。この実施形態の態様は、封止領域における流体圧レベルの過度の変化率を特定するステップである。
【0037】
一部の実施形態において、封止領域からの流体の抜取り速度を所定の速度を超えて増加させるステップが提供される。これにより、故障状態が検出されたとき、その圧力低下によって細菌、デブリ、又は任意の他の汚染物質が封止領域から出る可能性が大幅に低下することが確実となる。一部の実施形態において、封止領域からの流体の抜取り速度を増加させるステップは、基準圧力値を変えるステップを含む。
【0038】
他の実施形態において、流体ラインの流体流速を監視するステップが提供され、ここで圧力差を監視するステップは、流体ラインの流体流速を監視するステップにより達成される。一部の実施形態において、このステップの実施態様は、所定の流速対圧力特性を有する、従って流速と圧力との間の相互関係が既知である1つ又は複数の流体ラインを利用する。一部のかかる実施形態では、流体ラインの流体流速が所定の流体流速を超える場合、シール故障状態が指示される。一部の実施形態において、シール故障状態が指示されたとき、流体流速を増加させて封止領域の低下した流体圧を維持するさらなるステップが提供される。
【0039】
本発明のさらに他の実施形態において、
封止領域に流体を入れるステップであって、それにより封止領域の圧力を基準圧力値より高くするステップ;
封止領域内の流体圧の変動を監視するステップ;
封止領域内の流体圧の変動の時間変化率を決定するステップ;及び
流体圧の変動の時間変化率を決定するステップに応じて故障状態を特定するステップが提供される。
【0040】
本発明の実行可能な実施形態において、封止領域はアイドラプーリ内に格納され、このアイドラプーリは、アイドラプーリのドラムシェルと、ドラムシェルの軸端に取着される端蓋と、シャフトとを含む。
【0041】
さらなる実施形態において、封止領域は電動ドラム内に格納され、この電動ドラムは、ドラムシェルと、ドラムシェル内部に配置されるモータと、端蓋と、シャフトとを含む。
【0042】
さらに別の実施形態において、封止領域は中空コンベアフレーム構造内に格納される。
【0043】
中心シャフトを用いる一部の実施形態において、流体ラインを封止領域からアイドラプーリの中心シャフトに通して延在させるステップが提供される。これは、流体ラインが封止領域から電動ドラムの中心シャフトを通って延在する場合に該当し得る。流体ラインに加えて、一部の実施形態では電線を電動ドラムの中心シャフトに通して延在させるさらなるステップが提供される。
【0044】
別の実施形態において、
流体ラインをセンサと結合するステップ;
さらに、流体ラインをセンサに後続してバルブと結合するステップ;及び
続いてバルブをポンプと結合するステップであって、それにより封止されたチャンバと周囲環境との間での流体移動を可能にし、且つ封止領域と周囲環境との間の圧力差の計測を可能にするステップ
が提供される。一部のかかる実施形態では、センサは外界センサであり、バルブはソレノイドバルブである。
【0045】
かかる実施形態の動作方法には、
ポンプを作動させてバルブを開放すると流体移送が達成されるステップ;及び
バルブを閉鎖すると、それに伴いセンサがポンプから隔離され、センサが封止されたチャンバの圧力を計測することが可能になるステップ
が含まれる。
【0046】
さらに別の実施形態において、
封止領域の内部にセンサを取り付けるステップ;
封止領域から流体ラインを延在させるステップ;
流体ラインをバルブと結合するステップ;及び
続いてバルブをポンプと結合するステップであって、それにより封止領域と周囲環境との間での流体移動を可能にし、且つ封止領域と周囲環境との間の圧力差の計測を可能にするステップ
が提供される。
【0047】
本発明のさらなる方法態様において、シールで封止された一部分を有する筐体のシール破損の検出方法が提供される。この方法は、以下のステップを含む:
筐体内の流体圧を計測するステップ;
筐体内の圧力を計測するステップに感応する感圧信号を生成するステップ;及び
感圧信号の振幅特性の経時変動を監視するステップ。
【0048】
本発明のこのさらなる方法態様の一実施形態において、感圧信号を、周波数領域感圧電気信号を形成するための変換プロセスに供するステップがさらに提供される。ある実施形態では、筐体は個別のシールで封止された複数の部分を備え、周波数領域感圧電気信号に応じて個別のシールのうち破損したシールを特定するステップが提供される。
【0049】
一部の実施形態において、流体圧を計測するステップは、筐体内に流体圧センサを導入するステップを含む。
【0050】
他の実施形態において、電気信号の振幅特性の経時変動を監視するステップに応じて筐体から流体を抜き取るステップが提供される。
【0051】
本発明のさらに別の方法態様において、シールで封止された一部分を有する筐体のシール破損の検出方法が提供される。この方法は、以下のステップを含む:
決定可能な流体導入速度で筐体に流体を導入するステップ;
決定可能な流体抜取り速度で筐体から流体を除去するステップ;
流体導入速度と流体抜取り速度との差に応じた差分電気信号を生成するステップ。
【0052】
本発明のこのさらに別の方法態様の一実施形態において、筐体内の流体圧を計測するステップが提供される。差分電気信号の振幅特性の経時変動を監視するステップがさらに提供される。一部の実施形態において、これには、差分電気信号を、周波数領域差分電気信号を形成するための変換プロセスに供するステップが含まれる。筐体が個別のシールで封止された複数の部分を備える実施形態では、周波数領域差分電気信号に応じて個別のシールのうち破損したシールを特定するステップが提供される。
【0053】
本発明のさらに別の方法態様において、シールで封止された一部分、外界センサ、バルブ、ポンプ及び制御器を有するコンベア構成部品のシール破損の検出方法が提供される。
【0054】
外界センサ、バルブ及びポンプは全て、検知論理シーケンスを実行する制御器に接続され、この検知論理シーケンスは所定のスケジュールで実行され、前記シーケンス論理には以下のステップが含まれる:
バルブ閉鎖時に第1の試験圧力計測を実施するステップ;
第1の試験圧力計測値が一定のパラメータの範囲内にあることを確認するステップ;
所定の時間が時間切れになるのを待つステップ;
封止されたチャンバの第2の試験圧力計測を実施するステップ;
第2の試験圧力計測値が一定のパラメータの範囲内にあることを確認するステップ;及び
第1と第2の試験圧力計測値の変動を、第1の計測値から第2の計測値を減じることにより計算するステップ;
所定の時間に対する圧力変動率を決定するステップ;及び
圧力変動率を最大許容圧力変動と相関させるステップ。
【0055】
前述のステップの結果のいずれかが、関連する一定のパラメータから外れる場合、次に:
ポンプを作動させ;
バルブを開放し;
所定の時間が経過するまで待ち、その間、バルブをサイクル動作させてもよく、且つ計測値を取って、封止されたチャンバからの過度な排出がないことを確実にしてもよく;
ポンプがなお作動していて、且つバルブが開放されている間に第2の試験計測値を取って、ポンプ又はバルブの機能不良がないことを確認し;
第2の試験圧力計測が有効である場合、バルブ閉鎖時に第3の試験計測値を取り、ここでは封止されたチャンバの初期圧力計測を取ることにより、圧力の計測値が適切であることを確認し;
所定の時間待ち;
ポンプがなお作動していて、且つバルブが開放されている間に第2の試験計測値を取って、ポンプ又はバルブの機能不良がないことを確認し;
第2の試験計測が有効である場合、バルブ閉鎖時に第3の試験圧力計測値を取り、ここでは封止されたチャンバの初期圧力計測値を取ることにより、圧力の計測値が適切であることを確認し;
所定の時間待ち;
封止されたチャンバの第2の初期圧力計測値を取って、圧力下の計測値がなお適切であることを確認し;及び
第1の計測値から第2の計測値を減じ、且つ第1の計測と第2の計測との間に経過した時間で除すことにより圧力の変動を計算して、圧力変動率が一定のパラメータの範囲内にあることを確認する。
【0056】
第2の計測試験におけるステップのいずれかが失敗した場合、次に警告通知手順が実施され、この手順は、一部の実施形態において、ソレノイドを開放したままポンプをより高い流速で動作させるステップであって、それにより連続的な負圧条件を作り出すことにより、汚染物質が電動ドラムを出ることができないよう確実にするステップを含む。
【0057】
本発明のさらに別の方法態様において、ハウジングとシャフトとの間に置かれる回転用シールの領域の洗浄方法が提供される。この方法は、以下のステップを含む:
第1及び第2の回転用シールと、第1及び第2の回転用シールを軸方向に所定の軸方向距離だけ離間して維持するためのスペーサ要素と、シャフトとに囲まれた環状チャンバを形成するステップ;
入口及び出口ポートを形成するステップであって、入口及び出口ポートが環状チャンバと連通するステップ;
入口ポートを介して環状チャンバに洗浄流体を送り込むステップ;及び
出口ポートを介して環状チャンバから洗浄流体を抜き出すステップ。
【0058】
一実施形態において、入口及び出口ポートはシャフトを貫通して形成される。
【0059】
本発明の実施形態は、環状チャンバを洗浄流体で加圧するステップを含む。これは、環状チャンバの洗浄流体の圧力を、洗浄流体が第1及び第2の回転用シールの一方を越えて抜け出るレベルに増加させるステップを含む。有利な実施形態において、第1及び第2の回転用シールは、それぞれに方向性のある耐圧特性を有するリップシールである。第1及び第2の回転用シールは、洗浄流体が環状チャンバからハウジングの外部へと抜け出ることが確実となる軸方向の向きに置かれる。
【0060】
本発明の別の装置態様において、コンベアローラは、ドラムシェルとシャフトとを有する。回転用シール領域の洗浄システムは、シャフトと封止連通するように配置された第1及び第2の回転用シールを含む。スペーサ要素が、第1及び第2の回転用シール間を一定の軸方向距離に維持する。従って、第1及び第2の回転用シールと、スペーサ要素と、シャフトとに囲まれた環状チャンバが形成される。環状チャンバに洗浄流体を送り込むための入口ポート、及び環状チャンバから洗浄流体を抜き出すための出口ポートがさらに提供される。
【0061】
本発明の有利な実施形態において、入口及び出口ポートはシャフトを貫通して配置される。本発明の実行可能な実施形態において、第1及び第2の回転用シールは、回転用リップシールの場合と同様に、方向性のある耐圧特性を有する。
【0062】
コンベアローラが、ドラムシェル内部に配置されるモータを有する電動ドラムである実施形態において、ドラムシェルはシャフトの周りに回転自在である。
【0063】
本発明の別の方法態様において、シール破損に起因したコンベア構成部品内からの汚染物質の放出を最小限に抑える方法が提供される。この方法は、以下のステップを含む:
表面を有する1つ又は複数の要素と、1つ又は複数の表面と連通する1つ又は複数のシールとに囲まれる封止範囲をコンベア構成部品において形成するステップ;
前記封止領域から流体ラインを延在させるステップ;
前記流体ラインをポンプに接続するステップ;及び
前記封止領域内から一部の流体を抜き取るステップであって、それにより前記封止領域内に負圧を生じさせるステップ。
【0064】
一部の実施形態において、コンベア構成部品はアイドラプーリである。他の実施形態において、コンベア構成部品は電動ドラム又はコンベアフレームである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、本発明の理解が促進される。
【0066】
図1図1は、従来の電動ドラムの簡略化した概略表示である。
図2図2は、別の従来の電動ドラムの簡略化した概略表示である。
図3図3(a)は、本発明の電動ドラムの実施形態の簡略化した端面図であり、一部を切欠いて、高トルクカプラを係合するため中心シャフトに挿入されたキーを示している。図3(b)は、本発明の詳細な実施形態の電動ドラムの軸方向断面であり、ここではドラムシェル内で中空ボア入力シャフトを利用して外部ロータがサイクロイド減速機に接続され、且つ一体型スプロケットジオメトリを有する拡張シェル構成部品がベースユニットの取付フェースに装着される。図3(c)は、図3BのA−Aに沿った簡略化した断面図であり、取付フェースを示す。
図4図4は、本発明の態様の一部を示す詳細な例示的実施形態の電動ドラムの軸方向断面であり、ここではドラムシェル内で中心入力シャフトを利用して外部ロータがサイクロイド減速機に接続される。
図5図5は、図4の実施形態の簡略化した概略断面表示の部分B−Bの拡大図である。
図6図6は、24個のスロットを有する本発明のアウタロータ型誘導モータ実施形態のステータの一部分の簡略化した概略断面表示である。
図7図7は、図6のステータ実施形態の簡略化した概略断面表示の断片的な一部分の拡大図であり、24個のスロットのうちの2個をさらに詳細に示す。
図8図8は、32個の略円形スロットを有する本発明のアウタロータ型誘導モータ実施形態のロータの簡略化した概略断面表示である。
図9図9は、図8のロータ実施形態の簡略化した概略断面表示の一部分の拡大図であり、32個の略円形スロットのうちの1個をさらに詳細に示す。
図10図10は、ダイカストの必要なしに図7及び図8のロータ構成の略円形スロットに挿通され、且つエンドリング内に固定されるロータバーの簡略化した概略断面表示である。
図11図11は、本発明の実施において有用な巻線配線の簡略化した概略表示である。
図12図12は、誘導モータの簡略化した磁束図であり、本発明の具体的な例示的実施形態により実現される負荷条件下でのステータとロータとの間の緊密な連接を示す。
図13図13(a)は、ロータ積層に磁石が埋設されているアウタターニングロータを利用する永久磁石モータの簡略化した概略断面表示である。図13(b)は、アウタターニングロータ積層の断面表示であり、各磁石極性ペアの中心にあるボルト孔を示す。
図14図14(a)は、アウタターニングロータを利用した、内部永久磁石同期モータの簡略化した磁束図である。図14(b)は、NS磁石が近接している点の磁束の拡大図である。
図15図15は、複数の永久磁石要素がらせん構成で配列された永久磁石ロータハウジングを有する永久磁石ロータシステムの簡略化した概略等角表示である。
図16図16は、図15の永久磁石ロータハウジング実施形態の簡略化した概略端面表示である。
図17図17は、図16の永久磁石ロータハウジング実施形態の断面A−Aの簡略化した概略表示である。
図18図18は、電動ドラムにおける使用に特に適したドラムシェルを有する外部ロータの軸方向断面の簡略化した概略表示であり、これは、本発明の単一遠心インペラ実施形態における冷却ガスの流れを説明するのに有用である。
図19図19は、従来のサイクロイド減速機の断面であり、減速機は一般に標準的な外部モータに取り付けられる。
図20図20は、本発明のサイクロイド減速機の断面であり、減速機は電動ドラム内に取り付けられる。
図21図21は、中空ボア入力を有するハーモニック減速機を利用する電動ドラムの簡略化した概略表示であり、ここでは波動発生器の主軸が水平位置にある。
図22図22は、中空ボア入力を有するハーモニック減速機を利用する電動ドラムの簡略化した概略表示であり、ここでは波動発生器の主軸が垂直位置にある。
図23図23は、本発明のサイクロイド減速機の中空ボア入力の簡略化した等角表示であり、これは突出タブを利用してモータ入力を受け取り、且つ一体型の偏心軌道を利用して入力歯車を係合する。
図24図24は、本発明のサイクロイド減速機の中空ボア入力の別の簡略化した等角表示であり、これは突出タブを利用してモータ入力を受け取り、且つ一体型の偏心軌道を利用して入力歯車を係合する。
図25図25は、本発明の実施形態の電気モータのアウタロータと、サイクロイド減速機と、中心シャフトとの間の結合の簡略化した部分分解等角概略表示である。
図26図26(a)は、本発明に従い構成された電動ドラムの側平面図の簡略化した概略表示である。図26(b)は、シャフトカプラの平面断面表示である。図26(c)は、電動ドラムの端面図である。
図27図27は、図26(a)の断面A−Aに沿った図26(a)、図26(b)、及び図26(c)の実施形態の簡略化した概略部分断面側平面表示であり、内部構造の要素間の結合を示す。
図28図28は、本発明の実施形態の電気モータのロータと、サイクロイド減速機と、中心シャフトとの間の結合の簡略化した概略表示であり、ここでは高速カプラが2つのスロット対を有する。
図29図29は、本発明の実施形態の電気モータのロータと、サイクロイド減速機と、中心シャフトとの間の結合システムの簡略化した部分分解等角概略表示であり、ここでは高速カプラが2つのスロット対を有する。
図30図30は、本発明の実施形態の電気モータのロータと、サイクロイド減速機と、中心シャフトとの間の結合システムのさらなる簡略化した部分分解等角概略表示であり、ここでは高速カプラが2つのスロット対を有する。
図31図31は、本発明の実施形態の電気モータのロータと、サイクロイド減速機と、中心シャフトとの間の結合システムの代替的な簡略化した部分分解等角概略表示であり、ここでは高速カプラが、スロットではなく、2つのタブ対を有する。
図32図32は、本発明の実施形態の電気モータのロータと、サイクロイド減速機と、中心シャフトとの間の結合システムの代替的な簡略化した部分分解等角概略表示であり、ここでは高速カプラが一対のタブと一対のスロットとを有する。
図33図33は、本発明の実施形態の電気モータのロータと、サイクロイド減速機と、中心シャフトとの間の結合システムの代替的な簡略化した部分分解等角概略表示であり、ここでは高速カプラが、スロットと対のタブを有する。
図34図34は、本発明の実施形態の電気モータのロータとサイクロイド減速機との間の結合システムの代替的な簡略化した部分分解等角概略表示であり、ここでは高速カプラが、水平軸にあるスロット対を、垂直軸にある対のタブ/スロットと共に有する。
図35図35は、本発明の実施形態の電気モータのロータと、サイクロイド減速機と、中心シャフトとの間の結合システムの代替的な簡略化した部分分解等角概略表示であり、ここではキーが中心シャフトに直接差し込まれるのでなく、キーレスブッシングが中心シャフトに係合する。
図36図36は、本発明の実施形態の電動ドラムの軸方向断面であり、ここでは拡張シャフトがベースユニットの取付フェースに取り付けられる。
図37図37は、本発明の実施形態の電動ドラムの軸方向断面であり、ここでは拡張シャフトの締付リングがベースユニットの取付リングと直接接触し、介在する取付フェースは用いられない。
図38図38は、本発明の詳細な実施形態の電動ドラムの軸方向断面であり、ここでは拡張シェル構成部品がベースユニットの取付フェースに装着され、大型中心ナットによって所定位置に保持される。
図39図39は、本発明の実施形態のとおり、電動ドラムのベースユニットに拡張シェル構成部品を装着するのに利用される取付フェースシステムの等角分解図である。
図40図40は、型押ばねバンドの等角表示である。
図41図41は、本発明の電動ドラムに対して端蓋を保持する型押ばねバンドの一実施形態の等角切欠図である。
図42図42(a)は、本発明の電動ドラムにおいて端蓋が固定用ドラムシェルシールに接触するところで端蓋に利用される圧縮ジオメトリの実施形態の簡略化した断面表示である。図42(b)は、加えられる取付け力に応じた本発明の電動ドラムにおいて端蓋が固定用ドラムシェルシールに接触するところで端蓋に利用される圧縮ジオメトリの実施形態の簡略化した断面表示であり、端蓋は、取付け時に変形する型押バンドの働きによって固定された関係に保たれる。
図43図43は、一実施形態における本発明の電動ドラムの端蓋の軸方向の簡略化した断面表示であり、ここでは固定用ドラムシールに対する端蓋のばね様特性が最大化されるように、端蓋は型押ばねバンド03420と外周との間の径方向距離において比較的肉薄である。
図44図44は、端蓋が本発明の電動ドラムの回転用シャフトシールに接触するところで端蓋に利用される圧縮ジオメトリの一実施形態の簡略化した断面表示である。
図45図45は、本発明の電動ドラムの回転用シャフトシール圧縮システムの一実施形態の分解図の切欠図である。
図46図46は、本発明の電動ドラムの端蓋に装着されているときの端蓋取外し工具の等角図面である。
図47図47は、図46の等角分解図である。
図48図48は、モータ内での排出又は加圧を選択可能に使用したモータの衛生に有用である流体ポート、並びに本発明の電動ドラムのシール領域において環状チャンバを通じて洗浄流体を循環させるために使用される一対の流体ポートの具体的な例示的実施形態の簡略化した概略表示である。
図49図49は、本発明の電動ドラムの衛生に有用な、より詳細にはシールの状態の監視に有用な流体ポートシステムの簡略化した概略図である。
図50図50は、本発明の詳細な実施形態の電動ドラムの軸方向断面であり、ここでは拡張シェル構成部品が、締付ボルトを用いてベースユニットの取付フェースに装着され、ベースユニットのドラムシェルは面取り部を有し、この面取り部が拡張ドラムシェル上の対応する面取り部と嵌合する。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下の詳細な説明では、図面中の以下の部品符号が用いられる。
【0068】
図1は先行技術の電動ドラムの簡略化した概略表示であり、この電動ドラムはインナターニングロータモータ1010と、はすば歯車減速機1020と、はすば歯車減速機ハウジング1020に接続された第1の部分シャフト1030とを利用するもので、はすば歯車減速機ハウジング1020がモータハウジング1040に接続される。モータハウジング1040はモータハウジングフランジ1050に接続され、モータハウジングフランジ1050は第2の部分シャフト1060に接続される。この電動ドラムは閉鎖系の油入り熱システムで、オイル(図示せず)を利用してモータ熱(図示せず)をドラムシェル1070に伝達する。
【0069】
図2は、先行技術の電動ドラムの簡略化した概略表示であり、この電動ドラムはインナターニングロータモータ2010と、サイクロイド減速機2020と、サイクロイド減速機2020のハウジング(具体的には指示せず)に接続された第1の部分シャフト2030とを利用する。サイクロイド減速機2020のハウジングはモータステータハウジング(具体的には指示せず)及びモータを取り囲む支持フランジ2050に接続される。支持フランジ2050は第2の部分シャフト2060にさらに接続される。
【0070】
この電動ドラムは開放系の熱システムで、外部の空気(曲線の矢印で示される)を利用し、外部の空気が電動ドラムに入り込み、モータ及び減速機を横切って流れ、電動ドラムの逆側の端部から出ることにより、モータ熱を周囲環境に移す。
【0071】
図3(b)は、本発明の発明の具体的な例示的実施形態のとおり構成された電動ドラム03000の側平面軸方向断面表示である。この実施形態では、外部ロータ03230の径方向内周面が径方向外面ステータ03220の周りに回転し、且つドラムシェル03700内で中空ボア入力シャフト03110を利用してサイクロイド減速機03100に接続され、ここで拡張シェルアタッチメント03560がベースユニット03010の取付フェース03512に装着されている。
【0072】
本発明の電動ドラム03000はドラムシェル03700を含み、そのドラムシェル03700の内部にモータ03200及びサイクロイド減速機03100が格納される。ドラムシェルの両端面で中心シャフト03210に軸受03710、03711が配置され、それによりベースユニット03010を構成する。この実施形態では、拡張シェルアタッチメント03560はベースユニット03010の右側にある取付フェース03512に取り付けられる。ベースユニット03010が、取り付けられた拡張シェルアタッチメント03560と併せて封止されることで、閉鎖系熱システムを形成する。
【0073】
ロータ03230の一対のタブ03247であるモータ出力は、高速カプラ03310を用いてサイクロイド減速機入力03110に結合され、このようにして速度を減速し、トルクを増加させる。内歯リング歯車03160であるサイクロイドハウジングがドラムシェル03700に直接接続され、従ってドラムシェルは固定中心シャフト03210の周りに回転する。
【0074】
モータ03200のステータ03220は中心シャフト03210に取着される。中心シャフト及びステータ巻線リード03223が、動作中に中心シャフト03210が受け得る撓みを調整するのに十分な隙間をもって、サイクロイド減速機03100の中空ボア偏心入力03110の中心に通される。アウタターニングロータ03230が、ロータ軸受03231及び03232を用いて中心シャフト03210に取り付けられる。
【0075】
サイクロイド減速機03100の固定基準点は、高トルクカプラ03350及び高トルク中心シャフトキー03351(図3a)によって中心シャフト03210に取着される。
【0076】
一次端蓋03410が、型押ばねバンド03420及び端蓋取付フェース03430を用いてベースユニット03010に装着される。
【0077】
図4図12は本発明の実施形態に関し、ここではアウタターニングロータが誘導モータである。図4は、電動ドラム04000に沿った簡略化した軸方向断面であり、ここではモータ04200が、本発明の一実施形態の原理に従い構成された外部ロータ04230を有する。アウタターニングロータ04230はモータのトルク密度を改善し、従ってインナターニングロータで実現可能な同じトルクを、アウタターニングロータではより小さい直径で、或いはより短い軸方向長さで実現することができる。図4では、アウタターニングロータ04230は上記のとおり誘導モータである。ステータ04220はステータシャフト04210に取着され、外部ロータ04230は、ステータ04220及びステータシャフト04210(これらは固定されている)の周りに回転するように配置される。
【0078】
図5は、図4の電気モータの部分B−Bの拡大図である。ここで、外部ロータ04230が軸受04231及び04232(図5には一部のみ図示)によってステータシャフト04210に回転自在に支持されることが分かる。これらの軸受は、本発明のこの具体的な例示的実施形態では、従来の転がり軸受である。
【0079】
図6は、アウタロータ型誘導モータ04200(この図には図示せず)のステータ04220の一部分の簡略化した概略軸横断方向断面表示である。ステータ04220の表示される部分は、本発明の一部の実施形態では、ステータ04220の強磁性積層要素04221(この図では概略的に指示される)に対応する。本発明のこの具体的な例示的実施形態では、ステータ04220は、24個のスロット(この図では、その各々に個別の番号を付す)を有するように構成される。
【0080】
図7は、図6のステータ04220の断片的な一部分の拡大図である。この図は、24個のスロットのうち2個をさらに詳細に示す。この図に示されるとおり、代表的なスロット07224及び07225は、各々、ステータ04220を通じて略径方向に延在し、且つ略V字型の形態を有する。本発明のこの具体的な例示的実施形態では、かかるスロットの各々が実質的に内向きの部分07226を有し、これがスロット開口の周方向寸法を小さくすることにより、より高い安全性でステータ巻線(図示せず)がスロット内に保持される。
【0081】
図8は、32個の略円形スロット08235を有する本発明のアウタロータ型誘導モータ実施形態のロータ04230の簡略化した概略断面表示である。
【0082】
図9は、図8のロータ実施形態の一部分の拡大図であり、32個の略円形スロットをさらに詳細に示す。
【0083】
ロータは、図8及び図9に示されるとおり、32個の円形スロットを含む。32本のバーを使用することで、危険な寄生同期ロッキングトルクがないことが確実となる。2つの磁極がある場合、上記に記載したとおりの24個の磁性歯を有するステータと、32個の磁性歯を有するロータとの間の起磁力の最小共通高調波次数は、95及び97である。これは、ゼロ回転速度でトルクの小さい一時的減少をもたらし得る。従って、本願のアウタロータは、寄生同期トルクを排除するためにスキューする必要はない。バーに対しては、円形又は正方形などの単純な断面形状で十分であり得る。
【0084】
図10は導電性ロータバー10236を示し、これは、本発明の一部の実施形態ではアルミニウムで作製され、この実施形態では、本明細書に例示されるとおり、ロータスロット08235に直接挿入される。ロータ導体のそれぞれの端部を短絡要素が短絡する。
【0085】
図11は、本発明の実施において有用な巻線配線の簡略化した概略表示である。この図に示されるとおり、2極巻線は自動的に1層配線で挿入され得る。例として、本発明の巻線のこの具体的な例示的実施形態では、ワイヤ部分11224が1番及び14番のスロット間にループを形成する。同様に、ワイヤ部分11225が23番及び12番のスロット間にループを形成し、ワイヤ部分11226が13番及び2番のスロット間にループを形成し、ワイヤ部分11227が11番及び24番のスロット間にループを形成する。
【0086】
図12は簡略化した磁束図であり、本発明の具体的な例示的実施形態により実現される負荷条件下でのステータとロータとの間の緊密な連接を示す。この図は、負荷条件下でのステータとロータとの間の緊密な連接を示す。この図から、最大の磁束密度はロータ外鉄心部(back iron)に現れることが分かる。
【0087】
ロータはステータの外側に位置するため、ステータに対面する範囲のロータ直径は、インナロータ構成の場合より大きい。モータのトルクは、モータエアギャップの容積(L*π*D/4)に比例する(式中、Lは有効積層長さであり、Dはロータ直径である)。直径Dは内部ロータ型誘導モータより大きいため、所与のトルクに対してより低い値の積層長さLを実現することが可能である。本発明のアウタロータ型誘導モータの例示的な実施形態は、0.7のD/L比を有する。インナロータ型誘導モータ構成と比較して、アウタロータ型解決法は、より高い(トルク):(全容積)比を有する。
【0088】
モータの主な損失構成部品はステータ巻線銅損である。閉鎖系熱システムを有する従来の電動ドラムにおいてステータの熱を周囲環境に放散させる主な方法には、オイルへのモータ熱の伝導が用いられ、次にはオイルがそのモータ熱をドラムシェルに伝導する。次にドラムシェルの熱は、存在する場合にはコンベアベルトに伝導されるか、又はベルトが存在しない場合、対流によって周囲空気に運ばれる。
【0089】
しかしながら、オイルを使用しないことが、本発明の重要な特徴である。代わりに、例えば回転フィンを有する1つ又は複数の軸方向空気インペラの使用により、ガス流ループ18249(図18を参照)(一部の実施形態において、これは空気流ループである)が生成される。図18の実施形態では、遠心回転フィン18240が一次ロータ端蓋18233に装着される。このファンインペラフィンは、アウタターニングロータと同様に、インナターニングロータに装着された場合と比べてより大きい直径を有し、従ってより効果的なガス流を有する。ガス流ループは、ロータとステータとの間に軸方向トロイダル流路を有し、ロータとドラムシェルの内表面(これは実質的に不透過性である)との間に逆方向の別のトロイダル軸方向流路を有する。二次ロータ端蓋18234は、遠心回転フィン18240によって生成されるガス流ループに対する効果が最小限となるよう、単にスポークが付けられる。
【0090】
本明細書に図示されない他の実施形態では、一次及び二次ロータ端蓋に軸方向フィン設計が埋設され、ガス流を生成する。
【0091】
アウタターニングロータでは、従来の電動ドラムに固有の撓み及び整列のずれによって生じる破局的なモータ故障の起こる確率が大幅に低下する。本発明では、図3に示されるとおり、モータ03200の固定ステータシャフト03210が、ベースユニット軸受03710及び03711を用いてドラムシェル03700に取り付けられる電動ドラム03000の固定中心シャフト03210として働く。この構成では、動作中、大きく撓む部品のみが中心シャフト03210に固定される。ステータ03220は中心シャフト03210に直接取着され、アウタターニングロータ03230は固定中心シャフトに、一次ロータ端蓋03233におけるロータ軸受03231及び二次ロータ端蓋03234におけるロータ軸受03232によって取着される。従って、固定中心シャフト03210が撓むとき、ステータ03220とアウタターニングロータ03230とが協働する。
【0092】
図13図17は、アウタターニングロータが永久磁石モータである本発明の実施形態に関する。図13は、アウタターニング永久磁石モータ03200の断面表示である。この例示的な実施形態では、ロータ03230などの強磁性ロータ要素の内周面と外周面との間の磁石受入スロットに、N極磁石13244とS極磁石13243との極性ペアで磁石が埋設される。ロータはステータ03220の周りに回転する。磁石は、一つおきに磁石が逆の極性を有するように配置され、従ってN極対磁石13244とS極対磁石13243とが交互に並ぶパターンを形成する。示される磁石は、2つの角の磁石面中間部を有する矩形である。さらに、磁石対は、隣接する極性の角が遠位の同じ極性の角より径方向外側にあるように配置される。このようにすると、角度が付けられた磁石対によって磁束が集中し、従ってステータ03220に帰還が生じ、それが制御パワーエレクトロニクス(図示せず)により検知され、ステータ03220に対するロータ03230の位置が決定される。この設計の一つの利点は、さらなる物理的なエンコーダ又はセンサを電動ドラム03000に挿入しなくても、制御パワーエレクトロニクスがモータ03200を正しく駆動することである。
【0093】
さらに、この例示的な実施形態では、ロータ03230はハウジングを利用しない。代わりに、図13bに示されるロータ積層03241は、同じ極性の磁石対間の円周間隙又は穴13246を利用し、そこを通して積層スタックが、ロータ積層締付ボルト03242(図3)を用いて両方のロータ端蓋間に締結される。この設計はモータ03200の全体的直径を最小限に抑え、より大きいトルク密度の実現を可能にする。
【0094】
図14a及び図14bは、この例示的な実施形態で生じるロータ積層パターンを通る磁束回路をさらに示す。
【0095】
図15図16、及び図17は、永久磁石モータの別の実施形態を示す。この実施形態において、磁石はアウタターニングロータに埋設されるのではなく、磁石15245はロータハウジングの内側周面(具体的には指示せず)に表面取り付けされる。この実施形態では、磁石はらせん状に構成され、これはコギングトルクを低減する。しかしながら他の実施形態では、らせん構成、すなわちヘリカル構成は不要であり、磁石はロータハウジングの内周面に沿って軸方向に、例えば接着剤で表面取り付けされる。
【0096】
図19は、従来のサイクロイド減速機19100の断面表示であり、これは、一般に、サイクロイド減速機ハウジングのフェース(具体的には指示せず)を外部モータ(この図には図示せず)にボルト締めすることにより、標準的な外部モータに取り付けられる。先行技術のこの表示では、サイクロイド減速機ハウジング19160が減速機の固定基準点として機能する。サイクロイド減速機ハウジング19160の内周面の周りに、リングピン19161が差し込まれる。一部のより低い減速比では、リングピン19161はリングピンブッシング19162に入れられ、次にはリングピンブッシング19162が、外歯歯車又はサイクロイドディスク19140を係合する内歯リング歯車として機能する。他のより高い減速比では(図示せず)、リングピンがブッシングなしにハウジングに差し込まれ、サイクロイドディスクを直接係合する。
【0097】
偏心入力シャフト19111が回転し、サイクロイドディスク19140が内歯リング歯車のリングピンブッシング19162の周りに転動するよう動かされる。図19では、サイクロイド減速機ハウジング19160の内周の周りに12個のリングピンブッシング19162、又は内歯車歯があり、且つサイクロイドディスク19140の外周の周りに11個のローブ、又は外歯車歯がある。偏心入力シャフト19111が1回転する毎に、サイクロイドディスク19140のローブが各後続のリングピンブッシング19162を係合する。従って、この例示的な実施形態では、サイクロイドディスク19140が11個のローブを有し、且つ12個のリングピンブッシング19162があるため、サイクロイドディスク19140は12個のリングピンブッシング19162のうち11個のみを係合し、サイクロイドディスク19140は事実上1個のリングピンブッシング分だけ逆に回転する。概して、サイクロイドディスクは、リング歯車の少なくともn+1個の内歯を係合するn個の外歯を有する。サイクロイドディスク19140が回転すると、サイクロイドディスク19140の開口部19141がガイドピン19152及びガイドピンブッシング19153を係合し、それによりガイドピン19152及びブッシング19153が、サイクロイドディスク19140と共に回転する。これらのガイドピン19152及びブッシング19153は、減速機の出力として機能するガイドピン支持リング(図示せず)に取着される。
【0098】
この構想は、サイクロイド減速機ハウジング19160(図2の符号2020)のフェースが従来のモータにボルト締めされる図2の従来のドラムモータに明らかに用いられる。図2の出力シャフト2030は、図19のガイドピン19152及びガイドピンブッシング19153に内部的に強固に結合される。
【0099】
図20は、電動ドラム(この図には図示せず)内に取り付けられる本発明のサイクロイド減速機20100に沿った断面である。サイクロイド減速機ハウジングのフェースがモータにボルト締めされる先行技術とは異なり、この例示的な実施形態では、内接リング歯車であるサイクロイド減速機ハウジング20160がドラムシェル03700の内周面に直接取り付けられる。従って、サイクロイド減速機ハウジング20160は減速機の固定基準点として働くのではなく、減速機の出力として働き、ドラムシェル03700と同期して回転する。
【0100】
図20の実施形態では、サイクロイドハウジング20160の内周の周りに20個のリングピン20161及び20個のリングピンブッシング20162が示され、これらは内リング歯車として機能する。サイクロイドディスク20140の外周の周りに19個のローブがある。この実施形態では、ガイドピン20152及びガイドピンブッシング20153は、ガイドピンハウジングとも称されるガイドピン支持リング03150(図20には図示せず)に取着され、このガイドピン支持リング03150は高トルクカプラ03350(図20には図示せず)を用いて中心固定シャフト03210(図20には図示せず)に結合されることで、サイクロイド減速機20100の固定基準点として機能する。偏心入力シャフト20110が回転すると、サイクロイドディスク20140の開口部20141がガイドピン20152及びガイドピンブッシング20153を係合し、ガイドピン20152及びガイドピンブッシング20153の周りにサイクロイドディスクが転動する。サイクロイドディスク20140のこの転動する動きにより各後続のリングピンブッシング20162が係合される。サイクロイドディスク20140のローブよりリングピンブッシング20162の方が多いため、サイクロイドハウジング20160の内接リング歯車は、偏心入力シャフト20110が1回転する毎に1個のリングピンブッシング20153分だけ進む。従って内接リング歯車は、入力シャフトと比べて低い速度で回転する。
【0101】
図20の好ましい例示的実施形態において、サイクロイド減速機20100の偏心入力シャフト20110は中空ボアを有する管状であり、従ってステータ巻線リード03223(図20には図示せず)及び電動ドラム03000(図20には図示せず)の中心シャフト03210(図20には図示せず)をサイクロイド減速機20100の中心に通すことができる。同じ好ましい実施形態の図3は、サイクロイド減速機03100の中空ボア偏心入力シャフト03110に通されているステータ巻線リード03223及び中心シャフト03210を示す。この設計の利点は、サイクロイド減速機03100がドラムシェル03700に取り付けられることであり、ドラムシェル03700は電動ドラム03000のなかで最も剛性の高い要素である。中空ボア入力シャフト20110と中心シャフト03210との間には十分な隙間があり、従って中心シャフトが撓んでも、サイクロイド減速機03100は中空ボア偏心入力シャフト20110とは接触していないため、影響を受けない。
【0102】
図3及び図20の好ましい実施形態のさらなる利点は、サイクロイド減速機ハウジング20160、03160がドラムシェル03700と直接接触していることにより、サイクロイド減速機要素の転がり動作により発生する熱が直ちにドラムシェル03700に伝導されることである。
【0103】
サイクロイドハウジング20160をドラムシェル03700に直接係合することにより、所与のドラムシェル直径の中でより大型のサイクロイド減速機20100を使用することができ、ひいては、所与の軸方向長さに対して電動ドラム03000のより高いトルク密度が可能となる。サイクロイド減速機は本質的に軸方向にコンパクトであるため、ドラムシェルの軸方向長さ及び有効内径の双方に対してトルク密度が最大化される。
【0104】
高速での減速が要求される一部の実施形態において、高トルク減速機の別の実施形態は、図21に示されるハーモニック減速機21800である。図21は、中空ボア入力を有するハーモニック減速機21800を利用する電動ドラム21000の簡略化した概略表示であり、ここで波動発生器21810の主軸は水平位置にある。ハーモニック減速機21800は、波動発生器21810によって駆動されるフレクススプライン部材21820と比べて剛体サーキュラスプライン21830の歯がより多い点で、サイクロイド減速機と同じ基本原理を用いて動作する。波動発生器21810が回転する毎に、フレクススプライン部材21820の歯数を超える歯の分だけ事実上剛体サーキュラスプライン21830が進む。
【0105】
この実施形態において、剛体サーキュラスプライン21830はドラムシェル03700に直接取り付けられ、ハーモニック減速機21800の出力として機能する。フレクススプライン21820は取着ピン21831を用いて中心シャフトに取着され、ハーモニック減速機21800の固定基準点として機能する。ハーモニック減速機21800の入力である波動発生器21810は中空であり、そのため、ステータリードワイヤ03223及び中心シャフト03210をハーモニック減速機21800の中心に挿通することが可能である。
【0106】
図22は、図21の同じハーモニック減速機を示し、ここで波動発生器の主軸は垂直位置にある。
【0107】
図23及び図24は、本発明のサイクロイド減速機の中空ボア入力03110の簡略化した等角表示である。これは略管状構成であり、突出タブ23130と称される突起を利用してモータ入力を受け取り、一体型の偏心軌道23120を利用してサイクロイドディスク入力歯車(図示せず)を係合する。この例示的な実施形態では、サイクロイド減速機の入力シャフトは中空であり、中心シャフト及びステータ巻線リードをサイクロイド減速機の中心に挿通することが可能である。
【0108】
図25は、本発明の実施形態の電気モータのアウタロータと、サイクロイド減速機と、と中心シャフトとの間の動力伝達結合構成の説明に有用な、簡略化した部分分解等角概略表示である。この図は、あらゆる電動ドラムに固有の整列のずれ及び撓みを本発明がどのように軸方向にコンパクトな形で調整するかを示す。
【0109】
モータ03200の中心シャフト03210が電動ドラム03000(この図では具体的に指示せず)の全体にわたって延在し、特にサイクロイド減速機の中空ボア偏心入力シャフト20110の中心を通って延在する。この好ましい例示的実施形態において、中心シャフト03210の撓みによって引き起こされるモータ03200とサイクロイド減速機の偏心入力シャフト20110との間の整列の角度及び同心性に関するずれは、高速カプラ03310により調整される。
【0110】
突出ロータタブ03247が、軸方向に薄い高速カプラ03310の外周上にあるスロットを係合する。加えて、サイクロイド減速機の中空ボア偏心入力シャフト20110の突出タブ23130が、高速カプラ03310の内周上にあるスロットを係合する。高速カプラ03310の外側スロットとロータタブ03247との間の適切な隙間、及び高速カプラ03310の内側スロットと中空ボア偏心入力シャフトタブ23130との間の適切な隙間、並びに中心シャフト03210の外径と高速カプラ03310の内径との間の適切な隙間により、カプラは様々な駆動面にわたって角度を変え、摺動することが可能である。
【0111】
サイクロイドディスク20140が転動する際の中心になるガイドピン20152及びガイドピンブッシング20153は、一次ガイドピン支持リング03150に取着される。一次ガイドピン支持リング03150は、モータ03200と反対側の一次ガイド支持リングの軸方向側面に内部スロットを有する。これらの内部スロットは、高トルクカプラ03350の突出タブを受け入れる。高トルクカプラ03350は内周上にキー溝を有し、シャフトキー03351によって中心シャフトに取着される。このようにして、サイクロイド減速機の固定基準点が中心シャフト03210に有効に接続される。
【0112】
図26aは、本発明に従い構成されたカプラ装置(この図には図示せず)を有する電動ドラム03000の簡略化した概略表示である。図26bはシャフトカプラ03350の平面断面表示であり、図26cは電動ドラム03000の端面図である。これらの図は、電動ドラム03000が、中心モータシャフト03210の周りに回転自在であるように構成されたドラムシェル03700を有することを示す。ドラムシェルは図26aの左側で端蓋03410によって中心モータシャフト03210に対して封止される。
【0113】
図27は、図25aの断面A−Aに沿った図25の実施形態の簡略化した断面表示であり、モータと減速機とシャフトとの間の結合を示す。この図に示されるとおり、電気モータ03200は、サイクロイド減速機入力27110に結合される上記の高速カプラ03310を用いて結合される。本発明のこの具体的な例示的実施形態では、サイクロイド減速機固定基準27150は、高トルクカプラ03350によって中心モータシャフト03210に接続される。ドラムシェル03700はサイクロドライブ出力27160と接続されているため、回転するよう動かされる。高トルクカプラ03350は中心モータシャフト03210に対するサイクロイド減速機固定基準27150の回転運動を阻止すると同時に、中心シャフト03210が負荷を受けて撓んだとき、サイクロイド減速機固定基準27150に対する中心シャフト03210の整列のずれを調整する。高速カプラ03310はまた、中心モータシャフト03210の撓みによって生じるモータ03200とサイクロイド入力27110との間の整列のずれも調整する。この断面表示では、ロータタブ03247は、一方がこの図の表面の外側にあり、他方が中心モータシャフトの後ろ側にあるため、見えない。
【0114】
図28は、本発明の実施形態の電気モータ03200のロータ03230と、サイクロイド減速機03100と、中心シャフト03210との間の結合の簡略化した概略表示である。
【0115】
図29は、電気モータ03200のロータ03230と、サイクロイド減速機03100と、中心モータシャフト03210との間の結合システムの簡略化した部分分解等角表示である。
【0116】
図30は、第2の角度から見た、電気モータ03200のロータ03230と、サイクロイド減速機03100と、中心モータシャフト03210との間の結合システムの別の簡略化した部分分解等角表示である。これまでに考察した構造の要素には、同様の符号が付される。これらの図に示されるとおり、高速カプラは、外周上に、モータ03230のロータタブ03247を受け入れる2つの径方向外側スロットを有し、且つ内周上に、サイクロイド減速機入力27110の突出タブを受け入れる2つの径方向内側スロットを有するように構成される。高速カプラのこれらのスロット又はノッチはキー溝として機能し、互いに略90°ずれて配置される。
【0117】
高速カプラは、任意の時点で4つの能動的直交駆動面を有する。ある例示的な実施形態を示す図35では、能動的駆動面35312、35314の2つが互いに平行であり、第1の直交駆動面対と見なすことができ;他の2つの能動的駆動面35316、35318は互いに平行であり、第2の直交駆動面対と見なすことができる。この例示的な構成では、第1の能動的駆動面対が第2の能動的駆動面対と直交する。
【0118】
2つの直交駆動面35312、35314は、ロータタブの2つのそれぞれの直交駆動面35311、35313からトルクを能動的に受け取り、ロータタブは駆動要素と見なされる。
【0119】
2つの直交駆動面35318、35316は、サイクロイド減速機入力27110の2つのそれぞれの直交駆動面35317、35315にトルクを伝達し、サイクロイド減速機入力27110は、一対の被動要素を有するものと見なすことができる。従って、動作中、合計8つの直交駆動面が常に係合している。
【0120】
様々な直交配置が可能である。図31は、外周上に、アウタターニングロータのスロットを受け入れる突出タブを有し、且つ内周上に、中空ボア偏心サイクロイド減速機入力シャフトのスロットを受け入れる突出タブを有する高速カプラ31310を示す簡略化した概略等角表示である。
【0121】
図32は、ロータタブを受け入れる高速カプラ32310の内周上のスロットと、サイクロイド減速機の中空ボア偏心入力シャフトのスロットを受け入れる高速カプラ32310の内周上の突出タブとを示す簡略化した概略等角表示である。
【0122】
図33は、係合カプラ又は速度カプラとも称される、ロータタブを受け入れる高速カプラ33319の内周上の2つのスロットと、サイクロイド減速機の中空ボア偏心入力シャフトの対応するスロット及びタブを受け入れるための内周上の1つの突出タブ及び内周上の1つのスロットとをさらに示す簡略化した概略等角表示である。
【0123】
図34は、図面から中心シャフトを省くことによってこの例示的な実施形態の高速カプラ34310をさらに明瞭に示す簡略化した概略等角表示である。この高速カップリングの利点は、ロータとサイクロイド減速機の入力との間の整列の角度及び同心性に関するずれが調整されながらも、中断されていないトルクがサイクロイド減速機に付与されることである。
【0124】
上記のとおり、図29図30のサイクロイド固定基準27150は中心シャフト03210に対して固定されるが、システムが横向きの負荷を受けているときの中心シャフトの撓みにより生じる整列のずれは調整可能である。この調整は基準カプラ装置により実現され、ここでは、係合カプラ又は基準カプラとも称される高トルクカプラ03350が、径方向シャフトキー03351との係合により、径方向シャフトキー03351が高トルクカプラ03350内で長手方向に延在する対応するキー溝を係合することで、中心シャフト03210に対する回転が固定される。高トルクカプラ03350は、円周方向には、サイクロイド減速機の固定基準における対応するスロットに嵌合する突出タブを有して構成される。従って、図35の高速カプラで用いられる直交駆動面の同じ構想が、同様にこの高トルクカプラに用いられる。
【0125】
図35は、高トルクカプラをシャフトに取着するための手段の例示的な実施形態の別の簡略化した概略表示である。キー溝を合致するキーと共に使用するのではなく、キーレスブッシング35352を使用する。キーレスブッシングの利点は、本発明の実施においてより小さい直径の中心シャフトを使用できることである。
【0126】
図36は、本発明の実施形態の電動ドラム36000の簡略化した軸方向断面表示であり、ここでは拡張シャフト36560が、ベースユニット03010(図3に示される)の取付フェース36512に取り付けられる。拡張シャフト36560は締付リング36530に強固に接続され、締付リング36530は複数のファスナ(拡張部締付ボルト36532)の使用により取付フェース03512に対して取着され、複数のファスナは締付リング36530を貫通し、取付フェース03512の反対側の取付リング03510に螺入する。取付リングは、決められた回転動力付与領域又は減速機がドラムシェルに動力を付与するところからある程度離れて位置する。
【0127】
取付フェース03512の軸方向内側に、取付リング03510がある。取付リング03510は、その軸方向外側面の外周上に面取り部を有する。取付リング03510の面取り部はばねリング03511と直接接触する。ばねリング(これは粗い組織の硬化金属で形成されてもよい)は、例えば略円形又は菱形又は矩形である断面ジオメトリを有し得る。ばねリング03511、取付リング03510、及び取付フェース03512は、取付フェース03512に装着可能な構成部品が取り付けられない場合、取付リング整列ボルト36513を用いて所定位置に保持される。この例示的な実施形態では、拡張部締付ボルト36532を使用して締付リング36530が取付リング03510の方に引き込まれ、従ってばねリング03511に逆らって取付リング03510の面取り部が引き込まれることで、ばねリングがドラムシェル03700へと径方向に拡張するよう押され、それにより拡張シャフト36560の軸横断方向の力がドラムシェル03700に伝達される。
【0128】
図37は、本発明のさらなる実施形態の電動ドラム37000の簡略化した軸方向断面表示であり、ここでは拡張シャフト37560の締付リング37530がベースユニット03010(図3に示される)の取付リング37510と直接接触し、介在する取付フェースは使用されない。この実施形態において、取付リング37510は図36と同様の面取り部を有し、締付リング37530を貫通するファスナを使用することにより、同様にばねリング37511に逆らって引き込まれる。
【0129】
図38は、本発明の詳細な実施形態の電動ドラムの簡略化した軸方向断面表示であり、ここでは拡張シェルアタッチメント03560(図3に示される)がベースユニット03010(図3に示される)の取付フェース03510に装着され、大型中心ナット38551によって所定位置に保持される。拡張シェルアタッチメント03560を取り付ける前に、ねじ付きフランジ38550が複数のファスナ(図示せず)を使用して取付フェース03512に取り付けられ、複数のファスナは取付リング03510に螺入し、それにより取付リング03510の面取り部をばねリング03511に逆らって引き込むため、ばねリング03511がドラムシェル03700へと径方向に拡張する。加えて、締付リング03530が拡張シェルアタッチメント03560に挿入され、二次ばねリング03531が、締付リング03530の軸方向外側の拡張シェルアタッチメント03560の内周面にある周方向溝に挿入される。次に、拡張シェルアタッチメント03560がベースユニット03010に逆らって置かれ、シェル拡張アタッチメント03560の逆側の端部から中心ナット38551が挿入される。この中心ナット38551はねじ付きフランジ38550に螺着され、それにより締付リング03531が二次ばねリング03531に逆らって引き込まれ、二次ばねリング03531が拡張シェルアタッチメント03560へと径方向に拡張される。
【0130】
図39は、本発明の実施形態のとおり、拡張シェル構成部品03560を電動ドラム03000のベースユニット03010に装着する際に利用される取付フェースシステムの等角分解図である。この実施形態では、1つの中心ナットを使用するのではなく、複数の拡張部締付ボルト03532をかみ合いカム面付きワッシャ03533と共に使用する。図38に示されるのと同じ原理が、図39に示される。加えて、ボルトホルダ03534が、装着中、拡張部締付ボルト03532が締付リング03530に留まることを確実にしながら、まだ取付リング03510に螺入されていない拡張部締付ボルト03532に必要なさらなる距離を調整することにより、拡張シェルアタッチメント03560の取り付けを補助する。
【0131】
端蓋は、型押ばねバンドを用いて電動ドラムに接続される。図40は、トレランスリングとしても知られる型押ばねバンド03420の簡略化した表示である。
【0132】
図41は、本発明のドラムシェル密閉構成において端蓋03570を電動ドラムに対して保持する型押ばねバンド03571の一実施形態の等角切欠図である。型押ばねバンド03571は、端蓋03570及び取付フェース03512のシリンダ形ジオメトリとも称される2つの同心突起の間に配置され、2つの同心突起が端蓋組立体として共に入れ子にされると、型押ばねバンド03571が圧縮されて、2つの同心突起間に締まり嵌めが生じる。端蓋及び取付フェースのはめ合い同心突起は、異なる呼び径を有する。
【0133】
別の例示的実施形態では、端蓋とドラムシェルとの間に固定用ポリマーシールが配置される。図42(a)は、かかる実施形態の簡略化した断面表示である。端蓋03570とドラムシェル03700との間にポリマーシール03572が封入される。リング圧縮ジオメトリは、端蓋03570の軸方向内側面の外周の周りにある。型押ばねリングによって端蓋03570が所定位置に保持されると、リング圧縮ジオメトリがシール03572に圧縮力を及ぼす。
【0134】
別の実施形態(図示せず)では、リング圧縮ジオメトリが、ドラムシェルの軸方向外側面上の端蓋の外周の周りにある。
【0135】
図42(b)は、加えられる取付け力に応じた、本発明の電動ドラムにおいて端蓋が固定用ドラムシェルシールに接触するところで端蓋に利用される圧縮ジオメトリと、端蓋が径方向シールとも称される回転用シールに接触するところで端蓋に利用されるリング圧縮ジオメトリとの実施形態の簡略化した断面表示であり、端蓋は、取付け時に変形する型押ばねバンドの働きによってポリマー回転用シールに対して固定された関係に保たれる。回転用シールの例としては、回転用リップシール、回転用シャフトシール又はポリマー回転用リップシールが挙げられる。図42(b)の実施形態は図42(a)の実施形態と類似しており、従って、これまでに考察した構造の要素には同様の符号を付す。
【0136】
図43は、別の例示的実施形態の簡略化した断面表示であり、ここでは、型押ばねバンドと外径との間の径方向距離に環状ウェブとも称される薄肉の端蓋03410を設計して、環状ウェブの軸方向弾性特性により生じるばね様の効果を作り出すことにより、シール03450に対抗する圧縮力が維持される。この実施形態において、端蓋の中心部分は、型押ばねバンド03420により、端蓋03410の外側部分と外側固定用シール03450との間の自然接触点からさらにやや軸方向内側に保持され、それにより固定用シール03450に対する一定の圧縮力が維持される。
【0137】
端蓋03570が電動ドラム03000の一方の側で取付フェース03512を被覆するため、且つ圧縮された型押ばねバンド03571がそれを取り除くには3トンの力が必要であるため、端蓋03570は、現場で単純に取り外しできるよう、取外し工具クランプに嵌合するジオメトリで設計されきた。図46は、電動ドラムの端蓋に装着されている端蓋取外し工具の一実施形態の簡略化した等角表示である。図47は、図46の実施形態の簡略化した等角分解表示である。端蓋03410は、端蓋凹部とも称される凹型外周ジオメトリ46920を有する。取外し工具クランプ46940は、工具凹部とも称される凹型内周ジオメトリ46930を有し、これは端蓋03410のジオメトリ46920に対応する。取外し工具クランプ46940が端蓋03410に被せて置かれると、2つの凹型ジオメトリ46920、46930が円形チャネルを形成する。取外し工具クランプ46940の接線方向の穴、又は入口から、円形チャネルより僅かに小さい直径の連結コード46910が挿入される。挿入された連結コード46910が端蓋03410を取外し工具クランプ46940に有効に係止し、ここで、スライドハンマ46950などの力発生装置によって容易に取り外すことができる。
【0138】
図44は、端蓋が電動ドラムの回転用シャフトシールと接触するところで端蓋に利用される圧縮ジオメトリの一実施形態の簡略化した断面表示である。ポリマーシール03542が端蓋03570に直接当接して置かれる。端蓋03570は、その軸方向内側面上のその外周の周りにリング圧縮ジオメトリを有する。シール圧縮プレート03540が複数のファスナ03541によって端蓋に装着され、シール圧縮プレート03540と端蓋03570との間のシール03542を圧縮して端蓋シール組立体を形成する。端蓋03570のリング圧縮ジオメトリに大きい圧縮力が加わり、シール03542と端蓋03570との間への細菌の侵入が阻止される。
【0139】
別の実施形態(図示せず)では、リング圧縮ジオメトリは、シール圧縮プレートの軸方向外側面上の端蓋の内周の周りにある。
【0140】
図45は、電動ドラムの回転用シャフトシール圧縮システムの実施形態の簡略化した部分断面表示である。
【0141】
図48は、電動ドラムの回転用シャフトシール用定置洗浄システムの簡略化した概略表示である。この定置洗浄システムは、以下を含む:
第1の洗浄導管48610と第2の洗浄導管48611とを有するシャフト48210;
第1の洗浄導管48610に装着された入口ポート48620;
第2の洗浄導管48611に装着された出口ポート48621;
端蓋48570;
第1の軸方向外側ポリマー径方向シール48630;
第2の軸方向外側ポリマー径方向シール48631;
第1の径方向シール48630と第2の径方向シール48631との間に形成された環状チャンバ48613;
シール圧縮プレート48540;
シールスペーサリング48541;及び
複数のファスナ。
【0142】
この例示的な実施形態では、シール48630、48631は端蓋48570とシール圧縮プレート48540との間に積み重ねられ、シールスペーサリング48541によって分離され、このようにして環状チャンバ48613を形成する。複数のファスナがシール圧縮プレート48540を端蓋48570の方に軸方向に引き込む。好ましい実施形態において、端蓋48570は、その軸方向内側面上のその内周の周りにリング圧縮ジオメトリを含み(図48には図示せず)、これが径方向シール48630に対して圧縮力を及ぼす。別の実施形態(同様に図48には図示せず)では、リング圧縮ジオメトリが、シールスペーサリングの軸方向外側面上の端蓋の内周の周りにある。
【0143】
洗浄剤が入口ポート48620から第1の洗浄導管48610及び環状チャンバ48613へと送られ、第2の洗浄導管48611及び出口ポート48621から出る。所望される場合、出口ポート48621を使用して流れを制限し、それにより環状チャンバ48613の圧力をより高く上昇させてもよい。この圧力が十分に高くなると、ポリマーシール48630は外側上方へと撓み、シール48630の径方向フェースとシャフト48210の表面との間を洗浄流体が通り得る。
【0144】
図48は、流体導管48612と流体ポート48622とをさらに有し、封止領域であるドラムチャンバ48615に流体を入れたり、又は取り除いたりすることができる。
【0145】
図49は、ドラムモータとして公知のコンベア構成部品を組み込むシール監視システムの概略図である。このシール監視システムは、この実施形態では封止されたドラムチャンバ48615で構成され、そこから流体ライン49100が進み、流体ライン49100には圧力を計測するセンサ49200があり、その圧力は制御器49300に報告される。前記センサ49200に後続してバルブ49400があり、これは次にポンプ49500に接続される。バルブ49400及びポンプ49500の双方とも、制御器49300によって制御され得る。ポンプ49500は、流体、特に気体をドラムチャンバ48615に加えたり、又はそこから減じたりすることが可能であり得る。或いは、センサ49200を示される以外の方法で組み込んで、前記流体ライン49100における流体の流れを計測してもよい。加えて、センサ49200を封止されたドラムチャンバ48615の内部に取り付けてもよく、且つ流体ライン49100に装着してもよく、又は他の何らかの方法で外部環境に接続されてもよい。
【0146】
図50は、本発明の別の詳細な実施形態の電動ドラムの軸方向断面であり、ここでは拡張シェルアタッチメント50560が取付リング50510に装着される。この実施形態において、ドラムシェル50700は内部で傾斜した面取り部を備え、且つ拡張シェルアタッチメント50560は嵌合する外部で傾斜した面取り部を備え(まとめてはめ合い面取り部50450と称される)、それによりドラムシェル50700と拡張シェルアタッチメント50560とが共に、取付リング50510に螺入する複数の拡張部締付ボルト50532によって引き込まれる。
【0147】
取付フェース50512の軸方向内部は、取付リング50510である。取付リング50510は、その軸方向外側面の外周の周面に溝を有する。この溝はばねリング50511と直接接触している。
【0148】
拡張シェルアタッチメント50560の面取りされた端部の軸方向内側に、径方向に設けられた溝があり、そこにばねリング50531が備え付けられる。ばねリング50531の軸方向内側には締付リング50530がある。拡張部締付ボルト50532を使用して締付リング50530が取付リング50510の方に引き込まれ、それにより拡張シェルアタッチメント50560の面取り部が圧縮下に同軸上でドラムシェル50700の面取り部と嵌合することで面取り部50450が嵌合され、それにより拡張シェルアタッチメント50560の軸横断方向の力がドラムシェル50700に伝達される。
【0149】
要約すれば、上記は、一部には以下に関する:
モータシステムにおけるオイルの必要性をなくすこと、オイルは衛生適用において交差汚染のリスクをもたらす;
一定の直径及びモータ長さの範囲内でモータのトルク密度を増加させること;
様々な負荷でより高い安定性を提供すること;
コアステータ熱を、ステータとロータとの間、及びロータとドラムシェルとの間の周方向の気体乱流の使用により、ベルトによって除去し得る場所であるドラムシェルへと気体を介して伝達すること;
ロータ位置をパワーエレクトロニクスに伝達するためのさらなるポジションセンサの必要性を回避すること、一部の実施形態では積層スタックに埋設される磁石が使用され、それによりロータの周囲における磁束の変動を引き起こし、その変動を、ステータ巻線に接続されるパワーエレクトロニクスにより検出することができる;及び
ベルト引張力によって生じる撓みを調整すること。
【0150】
本発明は具体的な実施形態及び適用に関して説明されているが、当業者は、この教示をふまえて、本明細書に記載される本発明の範囲を超えることも、その趣旨を逸脱することもなく、別の実施形態を作成し得る。従って、本開示の図面及び説明が、本発明の理解を促進するために提示されるものであり、本発明の範囲を限定すると解釈されてはならないことが理解されるべきである。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50