(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記口頸部の外周面と前記延出片の内面に、前記口頸部に対する前記計量キャップの相対的な上方移動を規制する第2係合部が形成されている、請求項1に記載の計量容器。
前記口頸部の外周面における前記段差壁部よりも上側部分に、前記段差壁部に沿って延びる案内凸条部が形成され、かつ前記延出片の内面に、前記計量キャップが前記口頸部に装着されたときに前記案内凸条部の上面又は下面に接し、前記計量キャップが前記口頸部に装着された状態で回動されたときに前記案内凸条部の上面又は下面を摺動する案内突起が形成されている、請求項1又は2に記載の計量容器。
前記延出片が、前記計量キャップが前記口頸部に装着されたときに前記口頸部の軸線に対して対称位置となるように互いに離間して2つ形成され、かつ前記係合壁部が、前記計量キャップの回動方向における2つの前記延出片の間の中央に、前記口頸部の軸線に対して対称位置となるように互いに離間して2つ形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の計量容器。
【背景技術】
【0002】
例えば、柔軟剤、液体洗剤等の液状の内容物を収容する容器本体に装着されるキャップとしては、一般的に計量機能を備え、計量した内容物を外側から視認できるように係合壁部が透明になっている計量キャップが広く用いられている。このような計量キャップでは、係合壁部の内側に位置する計量筒部に計量線等が印刷や成形によるレリーフとして形成されている。
【0003】
容器本体の口頸部に軽量キャップを装着する態様としては、液状の内容物が輸送時や取り扱い時に漏れにくいようにするために、軽量キャップを口頸部に螺合装着する態様が一般的である。しかし、軽量キャップを螺合装着するタイプの容器では、取り扱い時に手指が水で濡れていたり、手指に洗浄剤等の内容物が付着していたりすると、手指が滑りやすく軽量キャップの開閉操作が困難になる。
【0004】
また、容器本体の口頸部にキャップを装着する態様としては、キャップを口頸部に嵌合装着する態様も提案されている。
例えば、上端に向かって縮径するテーパー状の口頸部の外壁面における下端部に係合凹部が形成され、キャップの内壁面における下端部に前記係合凹部と嵌合する係合凸部が形成された容器が挙げられる(例えば、特許文献1)。該容器においては、口頸部に嵌合装着されたキャップにおける対向する側壁の上下方向の中央部を内方に押圧することで、前記係合凹部と前記係合凸部の嵌合を解除し、その状態でキャップを上方に持ち上げることで、口頸部からキャップを取り外す。
しかし、該容器では、キャップの取り外しに二段階の操作が必要であり、また水や洗浄剤等の付着により手指が滑りやすいときにはキャップを取り外すことが困難である。
【0005】
また、下端部の平面形状が八角形の口頸部と、下端部の平面形状が四角形のキャップとを備え、前記口頸部の外壁面における前記下端部よりも上側の部分に第1リブが形成され、前記キャップの内壁面に、キャップが口頸部に装着されたときに前記第1リブの下面に係止される第2リブが形成された容器が挙げられる(例えば、特許文献2)。該容器では、口頸部における下端部の8つの外面のうち、軸線回りに一つおきの外面に対応する位置に第1リブ及び第2リブがそれぞれ配置されている。キャップを取り外す際は、口頸部に装着されたキャップを1/8回転だけ回動させ、第1リブと第2リブの嵌合を解除し、その状態でキャップを上方に持ち上げて取り外す。
しかし、該容器では、下端部の平面形状が八角形の口頸部に対して下端部の平面形状が四角形のキャップを回動させるのに力を要するため、水や洗浄剤等の付着により手指が滑りやすいときにはキャップを取り外すことが困難である。
【0006】
また、上端に向かって縮径するテーパー状で、かつ平面形状が矩形状の口頸部の外壁面に係合凹部が形成され、平面形状が矩形状のキャップの内壁面に前記係合凹部と嵌合する係合凸部が形成された容器が挙げられる(例えば、特許文献3)。該容器では、キャップを取り外す際、口頸部に装着されたキャップを回動させて係合凹部と係合凸部の嵌合を解除し、その状態でキャップを上方に持ち上げて取り外す。
しかし、該容器では、平面形状が矩形状の口頸部に対して平面形状が矩形状のキャップを回動させるのに力を要するため、水や洗浄剤等の付着により手指が滑りやすいときにはキャップを取り外すことが困難である。
【0007】
また、前記したキャップを嵌合装着するタイプの容器では、キャップとして計量筒部を備える計量キャップを採用したときに、径方向の外方からの計量線の視認性が悪く、内容物の計量が困難になる問題がある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の計量容器の一例を示して説明する。
本実施形態の計量容器1は、
図1に示すように、液状または粉状の内容物を収容可能な容器本体2と、容器本体2に装着される計量キャップ3とを備える。
【0015】
容器本体2は、柔軟剤、液体洗剤等の液体あるいは粉末状洗剤や粉末状柔軟剤等の粉体を収容可能なボトル型の中空容器である。容器本体2は、
図1及び
図2に示すように、略四角形状の底壁4と、底壁4の縁部から立ち上がる側壁5と、側壁5の先端から上方に向かって徐々に縮径するように延びる肩部6と、肩部6の中央の上端から突設された円筒状の突設筒部7と、突設筒部7に螺合装着されるノズル中栓8とから構成されている。
突設筒部7の外周面には、ネジ部7aが形成されている。容器本体2の上部には、突設筒部7にノズル中栓8が螺合装着されることで円筒状の口頸部9が形成される。
【0016】
ノズル中栓8は、突設筒部7に螺合される円筒状の筒壁部10を有している。
筒壁部10は、内周面における下部にネジ部11aを設けた外筒壁11と、外筒壁11の内周側に接続壁12を介して下方に延設された内筒壁13とを有している。
【0017】
内筒壁13は、外筒壁11の下端より若干下方まで達するように外筒壁11と平行に延出されている。内筒壁13の下端には傾斜面16aを有する底壁部16が設けられており、底壁部16には注出口16bが偏在して形成されている。すなわち、口頸部9の内側に注出口16bが偏在して形成されている。底壁部16における注出口16bの周縁部には注出筒17が立設されている。
【0018】
底壁部16において注出口16bが偏在しているため、注出口16bの周りに立設された注出筒17も内筒壁13内で偏在している。注出筒17には、その側壁の中心軸線C1側に縦方向にスリット状の開口部17bが形成されている。さらに注出筒17は、上端部が中心軸線C1に向かって低くなるように傾斜した面17aが形成されるように斜め方向に切除されている。
【0019】
ノズル中栓8は、内筒壁13が突設筒部7の内側に挿入され、外筒壁11のネジ部11aが容器本体2の突設筒部7のネジ部7aに螺合されることで、容器本体2の突設筒部7に着脱自在に装着されている。
また、ノズル中栓8には、外筒壁11と内筒壁13との間の接続壁12の下面から垂下された筒状のシールリップ部15が形成されている。これにより、ノズル中栓8を容器本体2の突設筒部7に螺合により装着した状態において、シールリップ部15が突設筒部7の開口部に密に挿入されることで、突設筒部7の開口部が液密に閉塞される。
【0020】
図2及び
図3に示すように、外筒壁11の外面には、外筒壁11の軸線回りに180゜間隔で、すなわち外筒壁11の軸線回りの対称位置(周方向対称位置)に、正面視舌型で内周面に向かって凹んだ窪部11Aが形成されている。外筒壁11の外面における窪部11Aの縁部分には段差壁部11Bが形成されている。
段差壁部11Bは、
図3(a)に示すように、正面視した場合にサインカーブの一部を切り取ったような形状とされており、その底部の両側において筒壁部10の上下方向に延び、かつ計量キャップ3の回動方向(周方向)に傾斜している。
この例の窪部11Aでは、段差壁部11Bの底部が外筒壁11の下端近くに位置し、窪部11Aにおける上端部の軸線回りの幅が外筒壁11の全周の1/6程度となっている。
【0021】
段差壁部11Bにおける計量キャップ3の回動方向(周方向)、すなわち中心軸栓C1に対し直交する方向に対する傾斜角度θ(
図3)は、40〜70°が好ましく、45〜65°がより好ましい。前記傾斜角度θが下限値以上であれば、計量キャップ3をより安定してノズル中栓8に装着できる。前記傾斜角度θが上限値以下であれば、計量キャップ3の取り外しがより容易になる。
【0022】
外筒壁11の外面における窪部11A以外の部分の上端寄りには、一方の窪部11Aから他方の窪部11Aまで凹んだ窪部11Cが形成されている。窪部11Cの正面視形状は軸線回りの長さが長い矩形状になっている。
窪部11Cの上下方向の長さは、3〜10mmが好ましく、5〜7mmがより好ましい。
【0023】
外筒壁11の外面における窪部11Cの部分には、
図3(b)に示すように、径方向の外方に突出し、計量キャップ3の回動方向(周方向)に延びる凸条からなる第1係合凸部25が形成されている。
第1係合凸部25は、外筒壁11の軸線回りにおいて、平面視における中心軸線C1を中心とする15°〜20°の範囲内に形成されている。
【0024】
計量キャップ3は、
図4に示すように、円筒状の計量筒部18と、計量筒部18の一側開口端を閉じる蓋部19と、計量筒部18の周面から外方に張り出した平面視円環状のフランジ部20と、フランジ部20の外縁部から垂下された2つの延出片21と、フランジ部20の外縁部における延出片21が形成された部分以外の部分から垂下された係合壁部22と、を備えている。このように、計量キャップ3は、有蓋円筒形状で、高さ方向の中央に外方に張り出すフランジ部を有している。フランジ部20の延出片21及び係合壁部22より外側には、フランジ部20の外縁部から外側に突出した突出部が形成されていてもよい。
また、フランジ部20の内周縁部には、下方に突出するリング部23が形成されている。
【0025】
計量筒部18は、注出筒17を囲むように、その下端側の一部がノズル中栓8の筒壁部10に挿入される。
計量筒部18の周壁における2つの延出片21の間の部分には、
図4(c)に示すように、計量用の目盛線と容量表示用の数字を備えた目盛部24が印刷、刻印等の手段により形成されている。これにより、計量キャップ3を倒立させた状態で、計量筒部18の開口部18aから注入された液体等の内容物の量を把握することができる。
フランジ部20は、計量キャップ3がノズル中栓8に装着される際に、口頸部9におけるノズル中栓8の筒壁部10上端の開口部に被せられる。
【0026】
延出片21は、下端に向かって幅が狭くなっている正面視舌型の薄型片であり、その下端部21aは正面視曲線状になっている。
延出片21は、フランジ部20の軸線回りに180゜間隔で、すなわち計量キャップ3が口頸部9に装着されたときに中心軸線C1に対して対称位置となるように2つ形成されている。2つの延出片21は、計量キャップ3の装着時に、ノズル中栓8の筒壁部10の外面における2つの窪部11Aにそれぞれ沿わせられる。
【0027】
この例では、
図2(a)に示すように、計量キャップ3を装着して延出片21の下端部21aを段差壁部11Bの底部に位置合わせした時に、延出片21の下端部21aが段差壁部11Bからわずかに離間するようになっている。これにより、計量キャップ3を回動させる際、初期の回動がより容易に行える。延出片21の下端部21aは、計量キャップ3を装着して回動させた時に段差壁部11Bに当接する。
なお、本発明では、延出片の下端部を段差壁部の底部に位置合わせした時に該延出片の下端部が段差壁部に当接するようにしてもよい。
【0028】
また、この例では、延出片21の幅は、ノズル中栓8の外筒壁11の外面に形成された窪部11Aの幅よりも狭くなっている。これにより、計量キャップ3の装着時に、延出片21における下端部21aよりも上方の側縁部は、両側の段差壁部11Bから離間している。
【0029】
係合壁部22は、正面視において上下方向の長さに比べて軸線回りの長さが長い矩形状の薄型片である。
係合壁部22は、フランジ部20の軸線回りに180゜間隔で、すなわち計量キャップ3が口頸部9に装着されたときに中心軸線C1に対して対称位置となるように2つ形成されている。2つの延出片21はいずれも、一方の延出片21から他方の延出片21まで形成されている。つまり、2つの延出片21と2つの係合壁部22は一体となっている。
計量キャップ3の装着時には、係合壁部22はノズル中栓8の筒壁部10の外面における2つの窪部11Cにそれぞれ沿わせられる。
【0030】
係合壁部22の下端は、延出片21の下端よりもフランジ部20寄りに位置している。すなわち、係合壁部22の上下方向の長さは、延出片21の上下方向の長さよりも短くなっている。これにより、計量キャップ3を倒立させた状態で内容物の計量を行う際に目盛部24が視認しやすくなる。
【0031】
係合壁部22の上下方向の長さは、3〜10mmが好ましく、5〜7mmがより好ましい。係合壁部22の上下方向の長さが下限値以上であれば、後述の第2係合凸部26の形成が容易である。係合壁部22の上下方向の長さが上限値以下であれば、内容物の計量時における目盛部24の視認性がより良好になる。
【0032】
係合壁部22の内面には、計量キャップ3の装着時に外筒壁11の第1係合凸部25に係合する第2係合凸部26が形成されている。
第2係合凸部26は、係合壁部22の内面において、計量キャップ3を口頸部9に装着したときに外筒壁11の第1係合凸部25の下側に係合するように形成されている。第1係合凸部25及び第2係合凸部26により第1係合部27が形成される。計量キャップ3の装着時に第1係合部27の第1係合凸部25と第2係合凸部26が係合することで、口頸部9に対する計量キャップ3の相対的な上方移動を規制することができる。これにより、装着した計量キャップ3が予期せず上方に抜けることを抑制できる。
【0033】
計量容器1では、係合壁部22に弾性が付与されていることが好ましい。これにより、計量キャップ3の装着時に、第1係合部27の第1係合凸部25と第2係合凸部26とを容易に係合させることができる。
【0034】
(製造方法)
容器本体2の底壁4、側壁5、肩部6及び突設筒部7の製造方法としては、例えばポリエチレン等のオレフィン系合成樹脂を用いたブロー成型等により一体として成型する方法が挙げられる。容器本体2のノズル中栓8の製造方法としては、例えばポリプロピレン等のオレフィン系合成樹脂を用いた射出成型により一体として成型する方法が挙げられる。計量キャップ3の製造方法としては、例えばポリエチレン等のオレフィン系合成樹脂を用いた射出成型により一体として成型する方法が挙げられる。
なお、容器本体2及び計量キャップ3の製造方法は、前記した方法には限定されない。
【0035】
(作用効果)
以下、計量容器1における計量キャップ3の取り外し操作、計量操作及び取り付け操作について説明する。
使用前の計量容器1においては、
図2(b)に示すように、容器本体2内に内容物が収容された状態で、注出筒17を上向きとしてノズル中栓8の内筒壁13が突設筒部7に装着される。突設筒部7の開口部は、ノズル中栓8のシールリップ部15によって液密に閉塞されるため、突設筒部7のネジ部7aとノズル中栓8のネジ部11aの螺合部分を介する液漏れが防止される。
【0036】
口頸部9のノズル中栓8に計量キャップ3が装着された状態においては、
図1及び
図2(a)に示すように、計量キャップ3の2つの延出片21が筒壁部10の外周面における窪部11Aの部分に沿わせられている。また、計量キャップ3の2つの係合壁部22が筒壁部10の外周面における窪部11Cの部分に沿わせられている。そして、これら延出片21及び係合壁部22のそれぞれによってノズル中栓8の筒壁部10が挟み込まれるようになっている。
また、この状態では、口頸部9の外周面に形成された第1係合凸部25の下面に、計量キャップ3に形成された第2係合凸部26が係合している。これにより、口頸部9に対する計量キャップ3の相対的な上方移動が規制されている。
【0037】
計量キャップ3を取り外すには、まず、計量キャップ3の上部を指で摘み、計量キャップ3を平面視で軸線回りに反時計回り(左回り)に若干回動させる。このとき、第1係合部27において第2係合凸部26が第1係合凸部25の下面を摺動し、計量キャップ3の延出片21の下端部21aがノズル中栓8の段差壁部11Bに当接する。さらに計量キャップ3を回動させると、第1係合凸部25と第2係合凸部26の係合状態が解除され、また延出片21の下端部21aが段差壁部11Bを摺動することで、延出片21を斜め上方に移動させる力が作用する。これにより、
図5の矢印aに示すように延出片21が段差壁部11Bに沿ってせり上がり、その結果として計量キャップ3が回動しつつ斜め上方に移動するため、計量キャップ3を容易に取り外すことができる。
計量容器1では、計量キャップ3を平面視で軸線回りに時計回り(右回り)に回動させても、同様に計量キャップ3を容易に取り外すことができる。
【0038】
その後、
図4(c)に示すように計量キャップ3を倒立させ、ノズル中栓8の注出筒17の先端を下向きとするように容器本体2を傾けて、容器本体2内の内容物を注出口16bから注出筒17を通じて計量筒部18に注入する。計量キャップ3の計量筒部18への内容物の注入量は、目盛部24により把握することができる。
計量操作を行う際の計量キャップ3では、係合壁部22の上下方向の長さが短いため、延出片21,21の間から目盛部24が視認しやすく、計量筒部18に収容した内容物の量を正確に把握することができる。
計量を終えて内容物を使用した後は、筒壁部10の外周面における窪部11Aの部分に延出片21の位置を合わせつつ、
図6の矢印bに示すように、計量筒部18をノズル中栓8の筒壁部10に挿入して装着する。
【0039】
以上説明した本発明の計量容器においては、延出片21の位置をノズル中栓8における窪部11Aの位置に合わせるように計量キャップ3を口頸部9の上方から装着できるため、従来のねじ部を介する計量キャップに比べて装着が遥かに容易である。また、装着した計量キャップ3を回動させることで、延出片21の下端部21aが口頸部9の段差壁部11Bを摺動してせり上がるため、計量キャップ3を容易に取り外すことができる。また、従来のねじ部を介する計量キャップは取り外す際に何周も回動させる必要があるのに対して、計量容器1では計量キャップ3を軸線回りに数分の一周回動させるだけで容易に取り外すことができる。
【0040】
また、本発明の計量容器では、計量キャップの係合壁部の内面と口頸部の外周面に形成された第1係合部の作用によって、口頸部に対する計量キャップの相対的な上方移動が規制されるため、容器本体に収容された内容物の漏れを充分に抑制できる。
また、本発明の計量容器では、延出片の間に形成される係合壁部の上下方向の長さが延出片の上下方向の長さよりも短いため、計量筒部の視認性にも優れている。
【0041】
なお、本発明の計量容器は、前記した計量容器1には限定されない。例えば、口頸部の外周面と延出片の内面に、口頸部に対する計量キャップの相対的な上方移動を規制する第2係合部が形成されていてもよい。これにより、口頸部に装着した計量キャップが予期せず上方に抜けることをより抑制できる。また、本発明の計量容器は、口頸部の外周面における段差壁部よりも上側部分に、段差壁部に沿って延びる案内凸条部が形成され、かつ延出片の内面に、計量キャップが口頸部に装着されたときに前記案内凸条部の上面又は下面に接し、計量キャップが口頸部に装着された状態で回動されたときに前記案内凸条部の上面又は下面を摺動する案内突起が形成されている計量容器であってもよい。
【0042】
例えば、
図7〜9に例示した計量容器1Aであってもよい。
図7〜9における
図2、
図3(a)及び
図4(a)と同じ部分は、同符号を付して説明を省略する。
計量容器1Aは、ノズル中栓8の代わりにノズル中栓8Aを有する口頸部9Aを備え、計量キャップ3の代わりに計量キャップ3Aを備える以外は計量容器1と同じである。ノズル中栓8Aは、外筒壁11の外面の窪部11Aに第3係合凸部28と案内凸条部29が形成されている以外は、ノズル中栓8と同じである。
【0043】
第3係合凸部28は、窪部11Aにおける幅方向のほぼ中央部分であって外筒壁11の上端寄りに形成された、計量キャップ3Aの回動方向(周方向)に延びる凸条からなる。第3係合凸部28は、外筒壁11の軸線回りにおいて、平面視における中心軸線C1を中心とする15〜20°の範囲内に形成されている。
この例の第3係合凸部28は、正面視で周方向における段差壁部11Bの底部に対応する位置から左端までの長さが、当該位置から右端までの長さよりも長くなっている。この場合、装着した計量キャップ3Aを平面視で軸線回りに反時計回りに回動させたときには、第3係合凸部28と後述の第4係合凸部30の係合が外れやすく、時計回りに回動させたときには第3係合凸部28と後述の第4係合凸部30の係合が外れにくくなる。これにより、計量キャップ3Aを取り外す際の計量キャップ3Aの回動方向を規制することができる。
なお、第3係合凸部28は、正面視で周方向における段差壁部11Bの底部に対応する位置から左端までの長さと、当該位置から右端までの長さを等しくして、軸線回りの両方向への回動しやすさが同じになるようにしてもよい。
【0044】
案内凸条部29は、窪部11Aにおける第3係合凸部28よりも下側で、かつ段差壁部11Bよりも上側部分に、段差壁部11Bに沿って延びている。案内凸条部29は、上下方向に延び、かつ計量キャップ3Aの回動方向(周方向)に傾斜している。より具体的には、案内凸条部29は、ほぼ計量キャップ3Aの回動方向に延びる凸条からなる第1案内部29aと、第1案内部29aの右側端部から斜め上方に傾斜して延びる第2案内部29bとを備え、全体として下方に凸の略円弧状となっている。
【0045】
案内凸条部29は、段差壁部11Bから離間し、正面視形状が段差壁部11Bの正面視形状と相似形状となっている。
案内凸条部29は、外筒壁11の軸線回りにおいて、平面視における中心軸線C1を中心とする15°〜20°の範囲内に形成されている。
案内凸条部29における第1案内部29aの軸線回りの長さ(周方向の長さ)は、第3係合凸部28の軸線回りの長さ(周方向の長さ)とほぼ同等になっている。また、計量キャップ3Aの回動方向(周方向)に対する案内凸条部29における第2案内部29bの傾斜角は、例えば40〜70゜とされる。
【0046】
計量キャップ3Aは、延出片21の内面に、計量キャップ3Aの装着時に外筒壁11の第3係合凸部28に係合する第4係合凸部30と、外筒壁11の案内凸条部29の下面に接する案内突起31が形成されている以外は、計量キャップ3と同じである。
【0047】
第4係合凸部30は、延出片21の内面において、計量キャップ3Aを口頸部9Aに装着した時に、外筒壁11の第3係合凸部28の下側に係合する位置に形成されている。第3係合凸部28及び第4係合凸部30により第2係合部32が形成される。計量キャップ3Aの装着時に第2係合部32の第3係合凸部28と第4係合凸部30が係合することで、口頸部9Aに対する計量キャップ3Aの相対的な上方移動がより規制される。これにより、装着した計量キャップ3Aが予期せず上方に抜けることをより抑制できる。
【0048】
案内突起31は、延出片21の内面の第4係合凸部30の下方において、計量キャップ3Aの口頸部9Aへの装着時に、案内凸条部29の下面に接する位置に形成されている。
【0049】
計量容器1Aでは、延出片21に弾性が付与されていることが好ましい。これにより、計量キャップ3Aの装着時に、第2係合部32の第3係合凸部28と第4係合凸部30とを容易に係合させることができる。
【0050】
計量容器1Aにおいて、口頸部9Aに計量キャップ3Aを装着した状態においては、第1係合部27の第1係合凸部25と第2係合凸部26の係合に加えて、第2係合部32の第3係合凸部28と第4係合凸部30が係合している。また、案内突起31が案内凸条部29の下面で係止されている。このように、計量容器1Aでは、計量容器1に比べて、口頸部9Aに対する計量キャップ3Aの相対的な上方移動がさらに規制されるため、計量キャップ3Aがより強く抜け止めされる。
【0051】
口頸部9Aに装着されている計量キャップ3Aを平面視で軸線回りに反時計回りに回動させたときには、第2係合凸部26が第1係合凸部25の下面を摺動するとともに、第4係合凸部30が第3係合凸部28の下面を摺動し、さらに案内突起31が案内凸条部29の下面を摺動する。これにより、口頸部9Aに対して計量キャップ3Aが相対的に上方移動することが抑制されつつ、計量キャップ3Aが安定して軸線回りに回動するように案内される。そして、延出片21の下端部21aが段差壁部11Bに当接する。さらに計量キャップ3Aを回動させると、第1係合凸部25及び第2係合凸部26の係合と、第3係合凸部28及び第4係合凸部30の係合が解除され、
図10に示すように、延出片21の下端部21aが段差壁部11Bを摺動することで、延出片21を斜め上方に移動させる力が作用する。また同時に案内突起31が案内凸条部29の下面を摺動するので、延出片21の下端部21aが安定して段差壁部11Bを摺動し、計量キャップ3Aを斜め上方に移動させる力が安定して作用する。これらの結果として、計量キャップ3Aは回動しつつ斜め上方に移動するため、計量キャップ3Aを容易に取り外すことができる。
【0052】
計量容器1Aにおける内容物の計量は計量容器1の場合と同様に行うことができる。また、その後の計量キャップ3Aの口頸部9Aへの装着も計量容器1の場合と同様に行うことができる。
【0053】
また、
図11に例示した、ノズル中栓8Bを有する口頸部を備える計量容器であってもよい。ノズル中栓8Bは、案内凸条部29の代わりに、案内凸条部29Aを備える以外はノズル中栓8Aと同じである。
案内凸条部29Aは、案内凸条部29における第1案内部29aの左側端部から上下方向に延び、かつ計量キャップの回動方向に傾斜した第3案内部29cをさらに有する以外は、案内凸条部29と同じである。
ノズル中栓8Bにおいては、第3係合凸部28における、正面視で周方向における段差壁部11Bの底部に対応する位置から左端までの長さと、当該位置から右端までの長さを等しくして、軸線回りの両方向への回動しやすさが同じになるようにしてもよい。
【0054】
第2係合部と、案内凸条部及び案内突起の両方を形成する場合、口頸部の外周面においては、第2係合部の第3係合凸部と案内凸条部はいずれが上方に位置していてもよい。また、延出片の内面においては、第2係合部の第4係合凸部と案内突起はいずれが上方に位置していてもよい。
また、第2係合部と、案内凸条部及び案内突起は、いずれか一方のみを形成してもよい。
【0055】
本発明の計量容器では、第1係合部を、第1係合凸部と第2係合凸部の代わりに、係合凹部と係合凸部による嵌合構造としてもよい。同様に、第2係合部を設ける場合、第3係合凸部と第4係合凸部の代わりに、係合凹部と係合凸部による嵌合構造としてもよい。
また、本発明の計量容器においては、計量キャップを口頸部に装着したときに案内凸条部の上面に案内突起が接し、計量キャップを回動させたときに前記案内突起が案内凸条部の上面を摺動するようにしてもよい。これにより、計量キャップを回動させたときに計量キャップがよりせり上がりやすくなるため、計量キャップをより容易に取り外すことができる。
【0056】
また、本発明の計量容器においては、延出片と係合壁部とをそれぞれ離間するように形成してもよい。例えば、
図12に例示した、ノズル中栓8Cを有する口頸部と、計量キャップ3Bとを備える計量容器であってもよい。
ノズル中栓8Cは、窪部11Cの代わりに、外筒壁11の軸線回りにおける2つの窪部11Aの間の中央部分に、正面視形状が略矩形状の窪部11Dが形成されている以外は、ノズル中栓8と同じである。窪部11Dには、第1係合凸部25が形成されている。
【0057】
計量キャップ3Bは、係合壁部22の代わりに、フランジ部20の外縁部における延出片21が形成された部分以外の部分から、延出片21と軸線回りに離間するように垂下された、正面視形状が略矩形状の係合壁部22Aを備える以外は、計量キャップ3と同じである。係合壁部22Aにおける内面には、第1係合凸部25と係合する第2係合凸部26が形成されている。
【0058】
該計量容器では、窪部11Dにおける軸線回りの両側の段差部分11bが、上方に向かうにしたがって軸線回りの長さが長くなるように、軸線回りに外側に傾斜している。また、係合壁部22Aにおける軸線回りの両側の縁部は、窪部11Dの段差部分11bと同様に、上方に向かうにしたがって軸線回りの長さが長くなるように、軸線回りに外側に傾斜している。窪部11Dと係合壁部22Aがこのような形状であることで、計量キャップ3Bを軸周りに回動させやすくなっている。
【0059】
また、本発明の計量容器においては、延出片の数は2つには限定されない。同様に、係合壁部の数は2つには限定されない。本発明の計量容器においては、前記した例のように、延出片が、計量キャップが口頸部に装着されたときに口頸部の軸線に対して対称位置となるように互いに離間して2つ形成され、かつ係合壁部が、計量キャップの回動方向における2つの延出片の間の中央に、口頸部の軸線に対して対称位置となるように互いに離間して2つ形成されている態様が好ましい。