【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示の1つの局面に従って、エンドエフェクターは、取り付け部分と、第1および第2の顎部材とを含み、第1および第2の顎部材は、取り付け部分から遠位方向に延びている。締め具カートリッジは、第2の顎部材に固定されている。締め具カートリッジは、締め具カートリッジの組織係合表面において規定される締め具保持スロットの中に複数の締め具を支持している。
【0006】
別の局面において、外科手術ステープル留め装置は、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリから遠位方向に延びているシャフトアセンブリと、シャフトアセンブリから選択的に取り外し可能なエンドエフェクターとを含む。実施形態において、外科手術ステープル留め装置は、動力を供給される。
【0007】
第1の顎部材は、組織係合表面を含み、レバーアセンブリを支持し得る。第2の顎部材は、駆動梁を支持し得、この駆動梁は、接近させられていない状態と接近させられた状態との間での、第1の顎部材に対する第2の顎部材の旋回移動を容易にするために、レバーアセンブリと選択的に係合可能である。第1の顎部材は、傾斜部(ramp)を規定し得る。駆動梁は、第1の顎部材および第2の顎部材を接近させられた状態に旋回させて、駆動梁が第1および第2の顎部材に沿って遠位方向に並進できるようにするために、傾斜部と係合可能であり得る。
【0008】
駆動梁は、レバーアセンブリから係合解除し、第1の顎部材および第2の顎部材に沿って遠位方向に並進することにより、第1の顎部材と第2の顎部材とを互いに接近させることと、締め具カートリッジに沿って遠位方向に並進することにより、複数の締め具を締め具保持スロットから発射し、第1の顎部材の組織係合表面に対して複数の締め具を形成することとを行うように構成され得る。駆動梁は、その中に切欠きを規定し得、ナイフを支持し得、このナイフは、駆動梁が締め具カートリッジに沿って並進する場合、組織を切断するように適合されている。
【0009】
レバーアセンブリは、レバーを含み得、このレバーは、第1の顎部材に旋回可能に接続され、拡張位置と後退位置との間を第1の顎部材に対して旋回移動可能である。レバーは、第1および第2の顎部材が接近させられていない状態にあり、駆動梁が近位位置にあり、レバーが拡張位置にある場合、駆動梁の切欠きと係合され得る。第2の顎部材が第1の顎部材に対して接近させられていない状態から接近させられた状態に旋回する前、レバーは、駆動梁の切欠きと係合されることにより、駆動梁の遠位方向の並進を制限し得る。レバーは、第2の顎部材が第1の顎部材に対して接近させられていない状態から接近させられた状態に旋回することに応答して、レバーが拡張位置から後退位置に旋回する場合、切欠きから係合解除するように構成され得る。駆動梁は、第1および第2の顎部材が接近させられた状態にあり、レバーが後退位置にある場合、遠位方向に並進可能であり得る。
【0010】
ばねアセンブリは、第1の顎部材によって支持され得る。ばねアセンブリは、ばねを含み得、このばねは、レバーに接触して、拡張位置へレバーを付勢するように構成されている。ばねは、板ばねであり得る。
【0011】
駆動ねじは、第2の顎部材によって支持され得、駆動ねじが回転する場合に駆動梁を並進させるために、駆動梁と動作可能に関連付けられている。駆動梁は、駆動ねじをねじ式に受け取る保持フットを含み得る。駆動ねじは、回転可能な駆動部材に連結され得、保持フットの中での駆動ねじの回転は、第1の顎部材に対する第2の顎部材の旋回可能な移動と、締め具カートリッジを通した駆動梁の並進とを容易にする。駆動ねじは、その近位端部分から突出しているヘッドを有し得る。ヘッドは、それを通して旋回軸を規定し得、この旋回軸は、エンドエフェクターの近位端部分と遠位端部分との間のエンドエフェクターの長手方向軸を横断する。第2の顎部材は、旋回軸の周りを第1の顎部材に対して旋回するように構成され得る。
【0012】
他の局面、特徴、および利点は、続く記載、図面、および特許請求の範囲から明らかである。
【0013】
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
エンドエフェクターであって、該エンドエフェクターは、
取り付け部分と、
該取り付け部分から遠位方向に延びている第1の顎部材であって、該第1の顎部材は、組織係合表面を含み、レバーアセンブリを支持している、第1の顎部材と、
該取り付け部分から遠位方向に延びている第2の顎部材であって、該第2の顎部材は、駆動梁を支持し、該駆動梁は、接近させられていない状態と接近させられた状態との間での、該第1の顎部材に対する該第2の顎部材の旋回移動を容易にするために、該レバーアセンブリと選択的に係合可能である、第2の顎部材と、
該第2の顎部材に固定されている締め具カートリッジであって、該締め具カートリッジは、該締め具カートリッジの組織係合表面において規定される締め具保持スロットの中に複数の締め具を支持している、締め具カートリッジと
を含み、
該駆動梁は、該レバーアセンブリから係合解除し、該第1の顎部材および該第2の顎部材に沿って遠位方向に並進することにより、該第1の顎部材と該第2の顎部材とを互いに接近させることと、該締め具カートリッジに沿って遠位方向に並進することにより、該複数の締め具を該締め具保持スロットから発射し、該第1の顎部材の該組織係合表面に対して該複数の締め具を形成することとを行うように構成されている、エンドエフェクター。
(項目2)
上記レバーアセンブリは、レバーを含み、該レバーは、上記第1の顎部材に旋回可能に接続され、拡張位置と後退位置との間を該第1の顎部材に対して旋回移動可能である、上記項目に記載のエンドエフェクター。
(項目3)
上記駆動梁は、その中に切欠きを規定し、上記レバーは、上記第1および第2の顎部材が上記接近させられていない状態にあり、該駆動梁が近位位置にあり、該レバーが上記拡張位置にある場合、該切欠きと係合され、該第2の顎部材が該第1の顎部材に対して該接近させられていない状態から上記接近させられた状態に旋回する前、該レバーは、該駆動梁の該切欠きと係合されることにより、該駆動梁の遠位方向の並進を制限する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目4)
上記レバーは、上記第2の顎部材が上記第1の顎部材に対して上記接近させられていない状態から上記接近させられた状態に旋回することに応答して、該レバーが上記拡張位置から上記後退位置に旋回する場合、上記切欠きから係合解除するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目5)
上記駆動梁は、上記第1および第2の顎部材が上記接近させられた状態にあり、上記レバーが上記後退位置にある場合、遠位方向に並進可能である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目6)
上記第1の顎部材は、ばねアセンブリを支持し、該ばねアセンブリは、ばねを含み、該ばねは、上記レバーに接触して、上記拡張位置へ該レバーを付勢するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目7)
上記第2の顎部材は、駆動ねじを支持し、該駆動ねじは、該駆動ねじが回転する場合に上記駆動梁を並進させるために、該駆動梁と動作可能に関連付けられている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目8)
上記駆動梁は、上記駆動ねじをねじ式に受け取る保持フットを含み、該駆動ねじは、回転可能な駆動部材に連結され、該保持フットの中での該駆動ねじの回転は、上記第1の顎部材に対する上記第2の顎部材の旋回可能な移動と、上記締め具カートリッジを通した該駆動梁の並進とを容易にする、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目9)
上記駆動ねじは、その近位端部分から突出しているヘッドを有し、該ヘッドは、それを通して旋回軸を規定し、該旋回軸は、上記エンドエフェクターの近位端部分と遠位端部分との間の該エンドエフェクターの長手方向軸を横断し、上記第2の顎部材は、該旋回軸の周りを上記第1の顎部材に対して旋回するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目10)
上記第1の顎部材は、傾斜部を規定し、上記駆動梁は、該第1の顎部材および上記第2の顎部材を上記接近させられた状態に旋回させて、該駆動梁が該第1の顎部材および該第2の顎部材に沿って遠位方向に並進できるようにするために、該傾斜部と係合可能である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目11)
上記駆動梁は、ナイフを支持し、該ナイフは、該駆動梁が上記締め具カートリッジに沿って並進する場合、組織を切断するように適合されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目12)
動力式外科手術ステープル留め装置であって、該動力式外科手術ステープル留め装置は、
ハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリから遠位方向に延びているシャフトアセンブリと、
該シャフトアセンブリから選択的に取り外し可能なエンドエフェクターと
を含み、該エンドエフェクターは、
組織係合表面を含む第1の顎部材であって、該第1の顎部材は、レバーを支持している、第1の顎部材と、
駆動梁を支持している第2の顎部材であって、該駆動梁は、接近させられていない状態と接近させられた状態との間での、該第1の顎部材に対する該第2の顎部材の旋回移動を容易にするために、該レバーと選択的に係合可能である、第2の顎部材と、
該第2の顎部材に固定されている締め具カートリッジであって、該締め具カートリッジは、該締め具カートリッジの組織係合表面において規定される締め具保持スロットの中に複数の締め具を支持している、締め具カートリッジと
を含み、該駆動梁は、該レバーから係合解除し、該第1の顎部材および該第2の顎部材に沿って遠位方向に並進することにより、該第1の顎部材と該第2の顎部材とを互いに接近させることと、該締め具カートリッジに沿って遠位方向に並進することにより、該複数の締め具を該締め具保持スロットから発射し、該第1の顎部材の該組織係合表面に対して該複数の締め具を形成することとを行うように構成されている、動力式外科手術ステープル留め装置。
(項目13)
上記レバーは、上記第1の顎部材に旋回可能に接続され、拡張位置と後退位置との間を該第1の顎部材に対して旋回移動可能である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の動力式外科手術ステープル留め装置。
(項目14)
上記駆動梁は、その中に切欠きを規定し、上記レバーは、上記第1および第2の顎部材が上記接近させられていない状態にあり、該駆動梁が近位位置にあり、該レバーが上記拡張位置にある場合、該切欠きと係合され、該第2の顎部材が該第1の顎部材に対して該接近させられていない状態から上記接近させられた状態に旋回する前、該レバーは、該駆動梁の該切欠きと係合されることにより、該駆動梁の遠位方向の並進を制限する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の動力式外科手術ステープル留め装置。
(項目15)
上記レバーは、上記第2の顎部材が上記第1の顎部材に対して上記接近させられていない状態から上記接近させられた状態に旋回することに応答して、該レバーが上記拡張位置から上記後退位置に旋回する場合、上記切欠きから係合解除するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の動力式外科手術ステープル留め装置。
(項目16)
上記駆動梁は、上記第1および第2の顎部材が上記接近させられた状態にあり、上記レバーが上記後退位置にある場合、遠位方向に並進可能である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の動力式外科手術ステープル留め装置。
(項目17)
上記第1の顎部材は、板ばねを支持し、該板ばねは、上記レバーに接触して、上記拡張位置へ該レバーを付勢するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の動力式外科手術ステープル留め装置。
(項目18)
上記第2の顎部材は、駆動ねじを支持し、該駆動ねじは、該駆動ねじが回転する場合に上記駆動梁を並進させるために、該駆動梁と動作可能に関連付けられている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の動力式外科手術ステープル留め装置。
(項目19)
上記駆動梁は、上記駆動ねじをねじ式に受け取る保持フットを含み、該駆動ねじは、回転可能な駆動部材に連結され、該保持フットの中での該駆動ねじの回転は、上記第1の顎部材に対する上記第2の顎部材の旋回可能な移動と、上記締め具カートリッジを通した該駆動梁の並進とを容易にする、上記項目のうちのいずれか一項に記載の動力式外科手術ステープル留め装置。
(項目20)
外科手術ステープル留め装置であって、該外科手術ステープル留め装置は、
ハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリから遠位方向に延びているシャフトアセンブリと、
該シャフトアセンブリから選択的に取り外し可能なエンドエフェクターと
を含み、該エンドエフェクターは、
レバーを支持している第1の顎部材であって、該レバーは、拡張位置と後退位置との間を該第1の顎部材に対して旋回移動可能であり、該レバーは、該レバーを該拡張位置にばね付勢する板ばねと接触している、第1の顎部材と、
駆動梁を支持している第2の顎部材と
を含み、該駆動梁は、接近させられていない状態と接近させられた状態との間での、該第1の顎部材に対する該第2の顎部材の旋回移動を容易にするために、該レバーと選択的に係合可能である、外科手術ステープル留め装置。
【0014】
(摘要)
外科手術ステープル留め装置は、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリから遠位方向に延びているシャフトアセンブリと、シャフトアセンブリから選択的に取り外し可能なエンドエフェクターとを含む。エンドエフェクターは、第1の顎部材と第2の顎部材とを含む。第1の顎部材は、レバーを支持し、このレバーは、拡張位置と後退位置との間を第1の顎部材に対して旋回移動可能である。レバーは、レバーを拡張位置にばね付勢する板ばねと接触している。第2の顎部材は、駆動梁を支持し、この駆動梁は、接近させられていない状態と接近させられた状態との間での、第1の顎部材に対する第2の顎部材の旋回可能な移動を容易にするために、レバーと選択的に係合可能である。
【0015】
本明細書中に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、上に与えられた本開示の概略的な説明および下に与えられる実施形態(複数可)の詳細な説明と一緒に、本開示の原理を説明するために役立つ。