特許第6497929号(P6497929)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6497929
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】配管接続方法及び配管継手装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 21/06 20060101AFI20190401BHJP
【FI】
   F16L21/06
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-259086(P2014-259086)
(22)【出願日】2014年12月22日
(65)【公開番号】特開2016-118274(P2016-118274A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2017年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000178011
【氏名又は名称】山九株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日鐵住金株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】枝光 亨樹
(72)【発明者】
【氏名】丸山 宣男
(72)【発明者】
【氏名】石沢 伸
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−147663(JP,A)
【文献】 特開2006−077915(JP,A)
【文献】 特開平08−338573(JP,A)
【文献】 米国特許第05505497(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L21/06
F16L13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管同士を接続するために適用される配管接続方法であって、
前記配管の接続部の外周面に周方向に沿って内層バンドを貼着して固定し、
前記接続部に貼着された前記内層バンド上に、外層バンドを前記接続部の周方向に一重に巻き付け、
前記内層バンド上に巻き付けられた前記外層バンド上に、一対の半割れの継手バンドを対向方向から前記接続部に嵌め込んで締め付け、
前記継手バンドによる締付け時に前記外層バンドが、前記内層バンドの外表面上を滑りながら減厚され
前記継手バンドによる締付け時に、前記継手バンドのフランジ部同士間に挟まれた前記外層バンドが、前記内層バンドの外表面上を滑って変形することにより挟込み部が形成され、この挟込み部の内方基部における隙間の発生が抑制されることを特徴とする配管接続方法。
【請求項2】
前記内層バンド上に巻き付けられた前記外層バンドの周方向の端部同士が離間して開くように、隙間部が形成されることを特徴とする請求項に記載の配管接続方法。
【請求項3】
前記内層バンドの周方向の端部同士が重なって重なり部が形成され、前記配管の接続部全面が前記内層バンドにより覆われることを特徴とする請求項1又は2に記載の配管接続方法。
【請求項4】
配管同士を接続するために使用される配管継手装置であって、
柔軟なアスファルト接着層からなる接着面と滑り性の良いアルミ箔素地で表面仕上げされたアルミニウム面からなる外表面とを含み、前記配管の接続部の外周面に周方向に沿って貼着される内層バンドと、
ゴム材により帯状に形成されてなり、前記接続部に貼着された前記内層バンド上に周方向に一重に巻き付けられる外層バンドと、
一対の半割れが相互に対向方向から前記接続部に嵌め込まれ、フランジ部の締付けにより前記内層バンド及び前記外層バンドを締め付ける継手バンドと、を備えてなることを特徴とする配管継手装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施工性に優れ、なお且つ離脱や洩れが生じ難く、低コストで施工可能な配管同士の接続方法及びこれに使用する継手装置に関する。
【背景技術】
【0002】
配管同士を現場で接続施工する方法としては溶接やねじ込み等、様々なものがある。例えば溶接では強度が確保され、洩れや離脱は皆無と考えられる。しかしながら施工性に難がある。即ち溶接具を準備する必要があるため熟練溶接工が必要であり、配管材料は溶接可能なものに限られる等である。周囲に可燃性ガスが存在する環境下では溶接が不可能な場合もある。また、ねじ込み式は接続部にねじを施工する必要があり、且つ配管が回転可能でなければならないため、これも施工性に難がある。
【0003】
一方、施工性に優れる方法としては、互いの配管を外面から締め付けて固定する方法が考えられる。例えば半割れ形状の継手バンドを用いて、継手バンド同士をボルト止めする等である。配管を押さえる力を増し、また接着剤を併用する等により、互いにしっかりと固定され離脱も生じ難くなる。配管断面は通常、円形であるから配管本体は潰れや変形がし難く、強い力で締め付けることができるので、配管材料も様々なものに対応できる。また、接続部周囲に最低限のスペースがあれば施工でき、溶接接続のような大掛かりな資材準備等が不要であり、また、ねじ込みのように配管を回転させる必要がない等、施工性に優れる。
【0004】
しかしながらこの方法では接続部を完璧にシールすることが難しく、漏れが生じ易い。従って例えば液体(粘性のため気体よりも洩れ量が少ない)で、内圧が低く、なお且つ多少の洩れが生じても問題にならないものに限られる。特許文献1のものでは送水用配管の接続にこの手法を採用している。
【0005】
施工性に優れた本方法を、洩れの発生し易いもの(例:内圧の高い水)に採用するためには、シール材を併用することが考えられる(特許文献2)。
この場合、先ず配管外面にシール材(ガスケット)を配置する。最も手軽な方法はシールの巻付けによるものである。更に継手バンド等を外側に配置し、シール材を配管表面と挟み込むように固定し、外面からバンドで均一に全面を押し付けるようにする。するとシール材は配管外面に密着しシール性が発揮される。なお、特許文献2の継手バンドは半割れではないが、バンドによりシール材が配管外面全面に押し付けられる点は同じである。配管断面は円形であるから、強い力でバンドを締め付けることができ、その結果配管外面とシールを密着し、シール性が高まると共に離脱も生じ難くなる。
【0006】
更にこのシールでは円周方向の端部にテーパー加工をしている。現場で配管同士を突き合わせた後にシール施工ができるようにシールには切れ目があるが、この切れ目が洩れの道筋となるので、その部分にテーパーを付け両端部テーパー同士が重なることにより適切な厚みを保持するようにしている。
しかしながら、この方法の場合、配管外径方向に合わせた長さのシールを予め準備する必要があり、その長さに精度を要する。つまりシール材を配管外部に巻き付けた際テーパー部が正確に重なり合い、厚み等に狂いが生じないようにする必要がある。本例では更にそれに対処するため端部重なり部に水膨張ゴムからなるシートを挟んでいる。これは例えば気体では採用できないことを意味する。また精度が必要であるということは配管径が大きくなると採用し難くなる要因にもなる。
【0007】
シール材はゴムのような弾性変形をするものが使われるが、現場での施工し易さ等から一般的にはゴム板である。厚さはゴムの硬さ、締付け力、内圧等様々な条件を考慮して適切に決める。例えば厚くし過ぎると施工後の変形量が大きくなり、却って洩れや離脱が発生し易くなる場合がある。これを適当な大きさに現場で切断し、接合部に巻き付け、その上からバンドで締め付ける。大きな締付け力が必要な場合、バンドは金属製が望ましい。ゴム板とバンドとの接触面、ゴム板が接する配管面には接着剤や液状ガスケットを塗る場合もある。また必要に応じバンド幅を増せば、更に強力に接続することも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−245719号公報
【特許文献2】特開平6−300173号公報
【特許文献3】特開2013−119939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、当該手法では完璧なシールが難しい。その理由として、ゴムを巻き付ける段階で、重なりができた場合はその部分が部分的に厚くなる。これがバンドの配管外面への全面密着を妨げる。更に、その重なりの部分に隙間ができる場合がある。この場合、配管外周長さとゴム板長さを合わせることは不可能になる。最初から管状のゴム(内径が配管外径と同じ)とすれば隙間はないが、施工しづらくなる。
隙間ができた場合は、その隙間が内部流体の逃げ道になる。たとえ施工時に隙間がないように合わせたとしても、一旦圧力のある流体が入り込めば、それが合わせ目を押し広げるように作用するので、結局隙間が生じ洩れる。
【0010】
更にバンドも洩れの要因になる。最後に配管の外側に施工するバンドは、必ず分割部分が存在し、その部分がバンドを締め付けていく過程で互いの間隔が狭まっていく。これにより予め配管回りに均一に配管に巻き付けておいたシールが変形あるいは破損する。この変形状況は外側からは見えないが、多くの場合、配管表面からシールが離れ、洩れの原因となると推測される。また、バンド分割部分は隙間となるが、その部分はシールを配管に押し付ける力が弱くならざるを得ず、その部分が洩れの道筋となる場合がある。
【0011】
この手法ではシール性が保てないとの見地から、配管外面に巻き付けたシールに期待せず、バンドそのもので漏れを防ごうとしたのが特許文献3のものである。半割れのバンド(半円状のハウジング)の配管に接する部分及び二つのバンド同士の合わせ目に特殊な形状のパッキンを入れ、ハウジング同士を締め付ければ各部パッキンがシール性を発揮するようにしている。
しかしながら、特許文献3のものではハウジングやパッキンの形状が複雑になる。また配管の離脱を防ぐには配管端部に鍔部を設けることとなる。これらは施工のコストを押し上げる。
【0012】
なおその他に、現場で簡単に施工できる様々な継手(バンド、ハウジング等)が工夫されているが、何れも特殊な継手となり、コストアップの原因となる。
【0013】
本発明はかかる実情に鑑み、施工性に優れ、コストがかからず、なお且つシール性にも優れる配管接続方法及び配管継手装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による配管接続方法は、配管同士を接続するために適用される配管接続方法であって、前記配管の接続部の外周面に周方向に沿って内層バンドを貼着して固定し、前記接続部に貼着された前記内層バンド上に、外層バンドを前記接続部の周方向に一重に巻き付け、前記内層バンド上に巻き付けられた前記外層バンド上に、一対の半割れの継手バンドを対向方向から前記接続部に嵌め込んで締め付け、前記継手バンドによる締付け時に前記外層バンドが、前記内層バンドの外表面上を滑りながら減厚され、前記継手バンドによる締付け時に、前記継手バンドのフランジ部同士間に挟まれた前記外層バンドが、前記内層バンドの外表面上を滑って変形することにより挟込み部が形成され、この挟込み部の内方基部における隙間の発生が抑制されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の配管接続方法において、前記内層バンド上に巻き付けられた前記外層バンドの周方向の端部同士が離間して開くように、隙間部が形成されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の配管接続方法において、前記内層バンドの周方向の端部同士が重なって重なり部が形成され、前記配管の接続部全面が前記内層バンドにより覆われることを特徴とする。
【0018】
また、本発明による配管継手装置は、配管同士を接続するために使用される配管継手装置であって、柔軟なアスファルト接着層からなる接着面と滑り性の良いアルミ箔素地で表面仕上げされたアルミニウム面からなる外表面とを含み、前記配管の接続部の外周面に周方向に沿って貼着される内層バンドと、ゴム材により帯状に形成されてなり、前記接続部に貼着された前記内層バンド上に周方向に一重に巻き付けられる外層バンドと、一対の半割れが相互に対向方向から前記接続部に嵌め込まれ、フランジ部の締付けにより前記内層バンド及び前記外層バンドを締め付ける継手バンドと、を備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、配管の表面に強固に接着する内層バンドとその外表面上を滑り可能な外層バンドを継手バンドで締め付けることで、配管の表面と内層バンドのアスファルト接着面の間に液洩れの道筋が形成されない。そして、配管の継ぎ目のシール性を確実に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の適用例としての配管網の例を示す平面図及び部分拡大斜視図である。
図2】本発明の実施形態において接続されるべき配管の例を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態における内層バンド貼着工程を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態における外層バンド巻付け工程を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態における継手バンド締付け工程を示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態における継手バンドの構成例を示す正面図及び側面図である。
図7】本発明の配管継手装置における挟込み部、隙間部及び重なり部を示すそれぞれ拡大断面図である。
図8】本発明の配管継手装置における内層バンド外表面の状態の検証結果を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づき、本発明による配管接続方法及び配管継手装置における好適な実施の形態を説明する。
本発明は、工場や各種建屋設備等々において配管もしくは配管部材を設置し、あるいは補修等を行う際に配管同士を接続するために適用される。例えば図1(a)に示すような配管網において、本発明の配管接続方法では図1(b)のように配管網100における所定の配管同士を接続するための配管継手装置10を使用する。
【0022】
先ず本発明の基本構成について説明する。図2に示すように例えば鋼管等でなる2つの配管100A及び100Bを相互に接続するものとし、これらの配管100A,100Bのそれぞれ端面同士が突き合わせて配置される。なお、本実施形態において配管100A,100Bの直径は、200〜300mm程度とするが、これに限定されない。突き合わせた際の配管100A,100B同士の隙間gは、0とするのが望ましいが、g=5mm程度なら開いても差し支えない。
【0023】
配管100A,100Bの突合わせ部、即ち接続部の外周面には図3のように周方向に沿って内層バンド11が貼着される。内層バンド11は帯状に形成され、接続部に接着される接着面とこの接着面とは反対側の外表面を有する。内層バンド11の具体的な例として、ボスティック社(英国)製「フラッシュバンド」が好適である。この場合、内層バンド11は、柔らかいアスファルト接着層からなる接着面と、滑り性の良いアルミ箔素地で表面仕上げされたアルミニウム面からなる外表面とを含み、厚さ約1.2mm程度の特殊接着シール材である。
【0024】
内層バンド11を貼着する際、内層バンド11は配管100A,100Bの接続部の外周面に一重に巻き付けられ、その接着面がアスファルト接着層により接続部の表面に強固に接着することで、内層バンド11が固定される。このとき内層バンド11の外表面である滑り性の良いアルミニウム面が外側に向いた状態になる。この場合、内層バンド11の周方向の端部は5mm程度重なるようにすることで、重なり部11aが形成され、これにより配管100A,100Bの接続部全面が内層バンド11で覆われるようにする。
【0025】
次に、上記のように貼着された内層バンド11の上に図4に示されるように外層バンド12が、周方向に一重に巻き付けられる。外層バンド12は帯状に形成され、厚さ約3mm程度のゴム板を長方形に切断して製作することができる。なお、現場でゴム板を現物に合わせて切断してもよい。外層バンド12は、既に貼着されている内層バンド11の滑り性の良いアルミニウム面の外周面に巻き付けることになる。
【0026】
この場合、外層バンド12は、巻き付けた際に周方向の端部同士が、2〜5mm程度離間して開くようにすることで、隙間部12aが形成される。外層バンド12はその隙間部12aが、内層バンド11の重なり部11aに対して周方向で反対側、もしくはその近辺に位置するように巻き付けるとよい。
【0027】
次に、上記のように巻き付けられた外層バンド12の上に図5に示されるように一対の半割れの継手バンド13が、相互に対向する方向から接続部に嵌め込まれる。各継手バンド13は薄い金属板を円弧状に曲げ成形してなり、半円周状の両端に略半径方向に延設されたフランジ部13aを有し、それぞれのフランジ部13aには締結用のボルト(図示せず)を挿通させるためのボルト孔13bが形成されている。なお、必要に応じて補強用のリブ13c等を付設形成してもよい。
【0028】
接続部に嵌め込まれた継手バンド13は図6に示されるように、対応するフランジ部13aが対向配置され、それぞれのボルト孔13bにボルトを挿入して、該ボルトによりフランジ部13a同士が締め付けられる。このボルトの締付けにより、対向した継手バンド13同士が接近し、配管100A,100Bの接続部を外から締め付けると共に、内層バンド11及び外層バンド12に密着していく。
【0029】
上記のようにボルトによる継手バンド13を介しての締付け過程において継手バンド13と接している外層バンド12は、図7(a)(図6(a)、A部)に示されるように対向する継手バンド13のそれぞれフランジ部13a同士の間に挟まれて、両側から摘まれるように挟み込まれて山型状に変形して、挟込み部が形成される。なお、フランジ部13a同士間の隙間は、7mmもしくはこれ以下であり、また、外層バンド12の厚みは2.5mm程度になる。この場合、その山型の内方基部12bは略完全密着し、この部位に隙間等は実質的に発生しない。これは、継手バンド13による締付け過程で外層バンド12が、滑り性の良い内層バンド11の外表面上を矢印Xのように滑って互いに接近し、これにより内方基部12bで密着するためである。
【0030】
また、継手バンド13の締付けで外層バンド12の厚みは減少するが(所謂、減厚)、図7(b)(図6(a)、B部)に示されるように隙間部12aにおいて、内層バンド11の外表面上を矢印Yのように滑って端部同士が互いに接近する。隙間部12aは適度な寸法に設定されているため、内層バンド11の端部同士が当接することはなく、当接して異形状に膨れ上がる等の心配もない。
【0031】
一方、内層バンド11はそのアスファルト接着層によって接続部に強固に接着すると共に、継手バンド13のフランジ部13a同士間(図7(a))においても変形はなく、そのアスファルト接着層の厚みが減少していくだけの現象が見られる。この厚みの減少は、締結用ボルトの締付けによる継手バンド13と配管100A,100Bの表面との隙間の減少によるものである。なお、内層バンド11の厚みは0.5mm程度になる。また、内層バンド11は図7(c)に示されるように重なり部11aで相互に押し合って潰れるように密着し、この部位に隙間等は実質的に発生しない。
【0032】
本発明方法において配管100A,100Bの表面に強固に接着する内層バンド11とその外表面上を滑り可能な外層バンド12を継手バンド13で締め付けることで、配管100A,100Bの表面と内層バンド11のアスファルト接着面の間に液洩れの道筋が形成されない。その結果、配管100A,100Bの継ぎ目のシール性が保たれる。図8に示されるように配管継手装置10による接続後、外層バンド12を剥がして内層バンド11の外表面の状態を検証して見ると、皺等の発生がなく、全体的に均一に平坦化されたものとなっている。
【0033】
上記の場合、図5に示されるように必要に応じて、配管100A,100Bの表面に巻き付けた内層バンド11及び外層バンド12の周囲に接着剤14を塗布し、この状態で継手バンド13により締め付けるようにするとよい。この接着剤14としては硬化時に収縮しないもの例えば、エポキシ系の水中硬化型充填接着剤が好適であり、更に洩れや配管同士の外れの予防となる。即ち、接着剤14を使用することで、配管100A,100B同士が動かなくなるように固定し、内層バンド11の締付け時にはアスファルト接着層がはみ出すのを防ぐことができる。
【0034】
次に、本発明の効果的な適用例を説明する。図1を参照して、本例は例えば製鉄所内の“耐火物センター”(火気厳禁)建屋の雨樋配管の修理に採用した例である。この配管網100は火気厳禁の環境下に敷設され、短時間で施工する必要がある。この配管網100において、両端が開いた直線部分は所謂ホースライニング(方法)を用いて漏れを補修できる。ホースライニングを適用できない部分、例えば分岐等がある部分(配管Pとする)についての新設製作配管を、補修配管と接続する部分に適用した。この場合、配管網100から補修すべき配管Pを切除し、予め製作しておいた新たな配管Pを接続する際に配管継手装置10を使って、円滑に補修作業を完成できた。
【0035】
ここで、本発明の主要な作用効果等について説明する。先ず、本発明の配管接続方法及び配管継手装置10は施工が簡単であり、コストもかからない。また、施工時間が短くて済むため、製鉄所設備等に好適である。更に、配管継手装置10の周囲の設置あるいは作業スペースが少なくて済む。つまり必要なスペースとして、内層バンド11及び外層バンド12の巻付けと、それらの固定作業ができるスペースがあればよい。
【0036】
また、配管継手装置10による接続後の配管のシール性が高く、樋のような液体(雨水)のみでなく、気体配管にも適用可能とされる。配管継手装置10を外す場合でもボルトを緩めて継手バンド13を外し、外層バンド12を外して内層バンド11を剥がすのみであり、そのやり変えも簡単である。外層バンド12は、ゴムを使っているため劣化も予想されるが、その場合でもすぐに施工し直すことができる。更に、施工が短時間で済み、またやり変えも簡単なので、“耐火物センター”のような環境が劣悪で補修が度々必要となる場所へ適用して優れた効果を発揮する。
【0037】
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
上記実施形態において、建屋の雨樋配管の修理に適用した例を説明したが、本発明はその他の配管に対しても有効に適用可能であり、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0038】
10 配管継手装置、11 内層バンド、11a 重なり部、12 外層バンド、12a 隙間部、13 継手バンド、13a フランジ部、100 配管網、100A,100B 配管。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8