(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6497934
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 75/52 20060101AFI20190401BHJP
B65D 75/58 20060101ALI20190401BHJP
B65D 75/62 20060101ALI20190401BHJP
B65D 33/36 20060101ALI20190401BHJP
【FI】
B65D75/52
B65D75/58
B65D75/62 A
B65D33/36
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-261440(P2014-261440)
(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公開番号】特開2016-120944(P2016-120944A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2017年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175397
【氏名又は名称】三笠産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】片山 文恵
【審査官】
加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−015245(JP,A)
【文献】
特許第4659963(JP,B2)
【文献】
特開2013−124135(JP,A)
【文献】
特開2004−359255(JP,A)
【文献】
特開2006−240691(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/101365(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/52
B65D 33/36
B65D 75/58
B65D 75/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容され可撓性を有する容器本体の上部に、内容物を出すスパウトが装着された容器であって、
容器本体の左右の側辺部における下位置に、下係合部が設けられ、
容器本体の左右の側辺部における前記下係合部よりも上方の位置に、前記下係合部に係合可能な上係合部が設けられ、
容器本体の左右の側辺部における少なくとも一方の側辺部の上位置に、上切込み部が設けられ、
前記上係合部が、前記上切込み部よりも下方の位置に設けられ、前記上係合部と前記下係合部の係合を維持した状態においても前記上切込み部を用いて容器上部の破断が可能である
ことを特徴とする容器。
【請求項2】
下係合部が、切片形状をしている下差込み部であり、
上係合部が、前記下差込み部を差し込み可能な孔部である
ことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記上切込み部が、容器本体における、スパウトの下縁部近傍の高さに対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記上係合部が、側辺部における前記上切込み部と前記下係合部との間の上下方向領域内に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の容器。
【請求項5】
容器本体における上部の左右に、上方ほど内容物を収納する幅が小さくなるように湾曲または傾斜する状態でシールする湾曲シール部または傾斜シール部が設けられ、
前記上切込み部および前記上係合部が、容器本体の左右の側辺部における前記湾曲シール部または傾斜シール部が設けられている上下方向領域内に設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の容器。
【請求項6】
容器本体に、容器本体の下部を容器本体の上部に折り畳んで重ねることができること、並びにその際の折畳位置、前記下係合部を前記上係合部に係合させる係合動作、前記上切込み部を用いた切断動作、の少なくとも一方を案内する案内表示部を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の容器。
【請求項7】
容器本体がパウチであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパウトパウチなどの可撓性を有する容器本体内に内容物が収容された容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
柔軟性シートなどからなる容器本体に液体や半固体状の流体などの内容物を収容し、容器本体の上部に、前記内容物を出すスパウトが装着された容器(注ぎ口付包装容器やパウチ容器とも称せられる)は、既に広く知られている。
【0003】
この種の容器において、特許文献1には、詰め替え用の液状内容物を充填するために用いられる容器(パウチ容器)として、
図7に示すように、容器本体51の左右の側縁51a、51bにおける上端位置に、穴52を有する上側掛止部53を形成するとともに、容器本体51の左右の側縁51a、51bにおける下端位置に、前記穴52に差し込み可能な下側掛止部54を、それぞれ幅方向の外側に張り出すような状態で連接した構成が開示されている。なお、
図7における55は内容物を注ぎ出すためのスパウトである。
【0004】
この容器50によれば、内容物を詰め替えた後、捨てる際に、
図8に示すように、容器本体51を丸めて、下側掛止部54を上側掛止部53の穴52に差し込むことで、丸めた姿勢を保持できるので、便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−15245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、
図7、
図8に示すような容器50を含めて、スパウトを有する容器を使用する場合、例えば、スパウト内(特に、スパウトの内壁部における奥の部分(スパウトの基部側))に内容物が付着して残ることがあり、特に内容物の粘性が高い場合などには、残る量が多くなっていた。このような場合、スパウト内に内容物が残ったまま捨てることになり、経済的にも、環境的にも望ましくない状況を招いてしまうという課題があった。
【0007】
また、
図7、
図8に示すような容器50では、容器本体51内の内容物が殆ど無い状態で容器本体51を丸めた状態で下側掛止部54と上側掛止部53とが係合するように、下側掛止部54は、容器本体51の左右の側縁51a、51bにおける下端位置に設けられ、上側掛止部53は、容器本体51の左右の側縁51a、51bにおける上端位置に設けられており、使い終わった容器50の姿勢(容器本体51全体を丸めた姿勢)については維持できるが、内容物が少なくなった際に、容器本体を折り曲げたり容器本体の一部を丸めたりした姿勢を維持できない構造である。したがって、このような容器50を、容器本体51内に一部の内容物が残った状態でも使用する容器として転用しようとしても、チューブ製容器などと同様に、内容物が少なくなった際に、容器本体を折り曲げたり、丸め込んだりする操作を毎回行わなければならず手間がかかる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するもので、スパウト内に残った内容物を少ない手間で容易に取り出すことができ、しかも、容器本体内に一部の内容物が残った状態でも便利に使用することができる容器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、内容物が収容され可撓性を有する容器本体の上部に、内容物を出すスパウトが装着された容器であって、容器本体の左右の側辺部における下位置に、下係合部が設けられ、容器本体の左右の側辺部における前記下係合部よりも上方の位置に、前記下係合部に係合可能な上係合部が設けられ、容器本体の左右の側辺部における少なくとも一方の側辺部の上位置に、上切込み部が設けられ、前記上係合部が、前記上切込み部よりも下方の位置に設けられ
、前記上係合部と前記下係合部の係合を維持した状態においても前記上切込み部を用いて容器上部の破断が可能であることを特徴とする。なお、下係合部が、切片形状をしている下差込み部であり、上係合部が、前記下差込み部を差し込み可能な孔部であると好適である。
【0010】
この構成において、収容された内容物が残り少なくなった際には、内容物を容器本体内で上部側に押し上げた後に、容器本体の下部が上部と重なるように上下に折り畳んで、下係合部を上係合部に係合させることで、容器本体を折畳姿勢で維持することができ、容器本体を毎回折り重ねる操作をしなくても、内容物を良好に出す(絞り出す)ことができる。そして、この場合に、上係合部を、上切込み部よりも下方の位置、すなわち、容器本体の上切込み部と下係合部との間に設けることができるため、容器本体に一部の内容物が残っている場合でも、上下に折り畳んだ状態で下係合部を上係合部に係合できる位置に上係合部を配置して、折畳姿勢を維持することが可能となる。
【0011】
また、容器本体内の内容物を使い切った後には、上切込み部を用いて容器本体の上部を切り離すことで、スパウトの奥部などに残った内容物を、少ない手間で容易に取り出すことができる。また、前記上切込み部が、前記上係合部よりも上方位置に設けられているので、下係合部を上係合部に係合させた状態のままで、上切込み部を用いて容器本体の上部を切り離すことができる。
【0012】
つまり、前記上切込み部が、前記上係合部よりも下方位置に設けられていると、容器本体を折り畳んで下係合部を上係合部に係合させた状態から、一旦、上係合部から取り外して容器本体を開き直す動作を余分に必要として、多くの手間がかかってしまう。これに対して、本構成によれば、下係合部を上係合部に係合させた状態のままで、上切込み部を用いて容器本体の上部を切り離すことができるため、少ない手間で容易に切断できる。
【0013】
また、本発明は、前記上切込み部が、容器本体における、スパウトの下縁部近傍の高さに対応する位置に設けられていることを特徴とする。この構成によれば、上切込み部を用いて手で容器本体を幅方向に切断することで、容器本体の上部におけるスパウトの下縁部の近傍箇所を容易に開封することができ、スパウトの内部(特にスパウトの奥部)に残った内容物を容易に取り出すことができる。
【0014】
また、本発明は、前記上係合部が、側辺部における前記上切込み部と前記下係合部との間の上下方向領域内に複数設けられていることを特徴とする。この構成によれば、容器本体内の内容物の残っている量に応じて折畳状態を調整し、この折畳状態に合わせて、下係合部を、上下方向領域内に複数設けられている上切込み部から選択して係合させることができる。この結果、調整した折畳状態を良好に維持させることが可能となる。
【0015】
また、本発明は、容器本体における上部の左右に、上方ほど内容物を収納する幅が小さくなるように湾曲または傾斜する状態でシールする湾曲シール部または傾斜シール部が設けられ、前記上切込み部および前記上係合部が、容器本体の左右の側辺部における前記湾曲シール部または傾斜シール部が設けられている上下方向領域内に設けられていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、容器本体における上部の左右に、上方ほど内容物を収納する幅が小さくなるように湾曲または傾斜する状態でシールする湾曲シール部または傾斜シール部が設けられているので、収容された内容物が少なくなった際に、内容物を容器本体内で上部側に押し上げた際に、容器本体内の隅部などに内容物が残ったりすることがない。
【0017】
また、前記上切込み部が、容器本体の左右の側辺部における前記湾曲シール部または傾斜シール部が設けられている上下方向領域内に設けられており、この湾曲シール部または傾斜シール部が設けられている箇所は、容器本体における幅方向にシールしている寸法が大きいため、例えば、内容物を使い切るまでに誤って、上切込み部を用いて幅方向に少し切断した場合でも、この誤って切った部分が内容物の収容領域に達することを最小限に抑えることができる。
【0018】
また、前記上切込み部および前記上係合部が、容器本体の左右の側辺部における前記湾曲シール部または傾斜シール部が設けられている上下方向領域内に設けられており、この湾曲シール部または傾斜シール部が設けられている箇所は、容器本体における幅方向にシールしている寸法が大きいため、
図7に示すような係合部としての孔部を形成するためにシール部を左側や右側に突出させる構造としなくても、前記上切込み部および前記上係合部を良好に形成することができる。
【0019】
また、本発明は、容器本体に、容器本体の下部を容器本体の上部に折り畳んで重ねることができること、並びにその際の折畳位置、前記下係合部を前記上係合部に係合させる係合動作、前記上切込み部を用いた切断動作、の少なくとも一方を案内する案内表示部を設けたことを特徴とする。この構成によれば、案内表示部を見ることで、容器本体の下部を容器本体の上部に折り畳んで重ねること、ならびに係合部を互いに係合できることや、その際の折畳位置を知ったり、前記下係合部を前記上係合部に係合させて係合させることや、前記上切込み部などを用いて切断することを容易に行えるなどのことを容易に知ったりすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、容器本体の左右の側辺部における下位置に、下係合部を設け、容器本体の左右の側辺部における前記下係合部よりも上方の位置に、前記下係合部に係合可能な上係合部を設け、容器本体の左右の側辺部における少なくとも一方の側辺部の上位置に、上切込み部を設け、前記上係合部を、前記上切込み部よりも下方の位置に設け
、前記上係合部と前記下係合部の係合を維持した状態においても前記上切込み部を用いて容器上部の破断が可能であることにより、容器本体に一部の内容物が残っている場合でも、上下に折り畳んだ状態で下係合部を上係合部に係合できる位置に上係合部を配置して、折畳姿勢を維持することが可能となり、容器から内容物を出すたびに折り畳み直さなくて済んで、すなわち、手間を省けて、便利である。また、容器本体内の内容物を使い切った後には、上切込み部を用いて容器本体の上部を切り離すことで、スパウトの奥部などに残った内容物を、少ない手間で容易に取り出すことができる。また、前記上切込み部が、前記上係合部よりも上方位置に設けられているので、下係合部を上係合部に係合させた状態のままで、上切込み部を用いて容器本体の上部を切り離すことができる。
【0021】
また、本発明によれば、前記上切込み部を、容器本体における、スパウトの下縁部近傍の高さに対応する位置に設けることにより、容器本体の上部におけるスパウトの下縁部の近傍箇所を容易に開封することができて、スパウトの内部(特にスパウトの奥部)に残った内容物を、切断具を用いずに、手間なく、かつ容易に取り出すことができる。
【0022】
また、本発明によれば、上係合部を、側辺部における上切込み部と下係合部との間の上下方向領域内に複数設けることにより、容器本体内の内容物の残っている量に応じて折畳状態を調整し、この調整した折畳状態を良好に維持させることが可能となり、便利である。
【0023】
また、本発明によれば、容器本体における上部の左右に、上方ほど内容物を収納する幅が小さくなるように湾曲または傾斜する状態でシールする湾曲シール部や傾斜シール部を設けることにより、容器本体内の隅部などに内容物が残ったりすることを防止しながら、内容物を容器本体内で上部側に良好に押し上げることができる。また、前記上切込み部を、容器本体の左右の側辺部における前記湾曲シール部または傾斜シール部が設けられている上下方向領域内に設けることにより、内容物を使い切るまでに誤って、上切込み部を用いて幅方向に少し切断した場合でも、この誤って切った部分が内容物の収容領域に達して、内容物が切断部からでるような不具合が発生することを最小限に抑えることができる。また、係合部を容器本体の側辺部から突出させなくても済むので、係合部が突出する構造とする場合と比較して、流通段階や店頭陳列時において、容器1同士の引っ掛かりを防止し、従って、容器本体の破損を防止することができる。
【0024】
また、本発明によれば、容器本体に、容器本体の下部を容器本体の上部に折り畳んで重ねることができること、並びにその際の折畳位置、前記下係合部を前記上係合部に係合させる係合動作、前記上切込み部を用いた切断動作、の少なくとも一方を案内する案内表示部を設けることにより、案内表示部を見ることで、容器本体の下部を容器本体の上部に折り畳んで重ねたり係合部を互いに係合できたりすることや、その際の折畳位置を知ったり、前記下係合部を前記上係合部に係合させて係合させることや、前記上切込み部などを用いて切断することを容易に行えるなどのことを容易に知ったりすることができて、これによって、さらに利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施の形態に係る容器の正面図である。
【
図3】同容器の折畳状態の裏面(または正面)を示す図である。
【
図4】同容器の折畳状態の裏面(または正面)を示す図である。
【
図5】同容器の上部を切り離した状態の裏面(または正面)を示す図である。
【
図6】本発明の他の実施の形態に係る容器の裏面(または正面)を示す図である。
【
図8】同従来の容器を丸めた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態に係る容器を図面に基づき説明する。なお、本実施の形態においては、容器本体がパウチであり、このパウチにスパウトが装着された容器について以下に説明するが、これに限るものではない。
【0027】
図1、
図2における1は本発明の実施の形態に係る容器、2はスパウト10が装着されている容器本体で、容器本体2内(内容物収容空間2g)には、半固体状や泥状、液状などの内容物が収容される。容器本体2は、例えば合成樹脂などからなりそれぞれ可撓性を有する表裏2枚のフレキシブルシートと底面の1枚のフレキシブルシートとの互いの周囲を熱溶着するなどして形成された(シールされた)パウチで構成され、正面視して矩形状(略矩形形状)とされている。容器本体2には、上部(詳しくは上辺部2aの中央)に、スパウト10が2枚のフレキシブルシートにより挟持された状態で熱溶着されている。すなわち、容器本体2は、それぞれシールされた左側辺部2b、右側辺部2c、上辺部2a、底辺部2dを有しており、容器本体2の下部における下端部寄り箇所は、底面のフレキシブルシートにより二重構造とされている。
【0028】
図1、
図2に示すように、スパウト10は、容器本体2に溶着される複数の溶着用リブ11aを有する筒状体取付部11に、筒状体12が立設された状態で一体形成されており、筒状体12の軸心方向(すなわち、筒状体12の内側空間である吐出口13の軸心部)が容器本体2に対して上方に向いた姿勢で上辺部2aの中央位置に配設されている。スパウト10の先端部外周には、キャップ14が螺合されるねじ面12aが形成され、キャップ14が着脱自在とされている。なお、筒状体取付部11の幅方向中央部には、吐出口13に連通する連通孔が形成され、この連通孔は吐出口13の直径よりも若干大きくて広げられている(図示せず)。
【0029】
容器本体2の左側辺部2bと右側辺部2cとにおける下位置に、後述する上係合部に係合する下係合部としての下差込み部3が設けられ、容器本体2の左側辺部2bと右側辺部2cとにおける前記下係合部としての下差込み部3よりも上方の位置に、下差込み部3を差し込んで係合させることが可能な上係合部としての孔部4が設けられている。ここで、上係合部としての孔部4は、左右の側辺部2b、2cにおいて、それぞれ上下に複数、この実施の形態では、上下に2つずつ設けられている。
【0030】
なお、この実施の形態では、下係合部としての下差込み部3は、左右の側辺部2b、2cにおける下端部に設けられ、左または右向きの半円形の切片形状とされており、また、上係合部としての孔部4は、下差込み部3が差し込み可能な上下に長い長孔形状とされている。そして、後述するように、容器本体1を上下に折り畳んだ状態で、下差込み部3の左右端部が円弧面になっていることで、孔部4に差し込み易く構成されている。但し、円弧面に代えて、三角形状に形成してもよいが、この場合には、先端部を丸くするなどして手などを傷めないよう工夫することが望ましい。
【0031】
また、容器本体2の左右の側辺部2b、2cにおける上位置に、上切込み部(ノッチ部)5が設けられている。そして、前記上係合部としての孔部4が、上切込み部5よりも下方の位置、すなわち、左右の側辺部2b、2cにおける上切込み部5と下差込み部3との間の上下方向領域内に複数設けられている。上切込み部5は、容器本体2における、スパウト10の下縁部近傍の高さに対応する位置に設けられており、この実施の形態ではスパウト10の下縁部(詳しくは、筒状体取付部11の下縁部11b)より僅かに下方の位置に設けられている。なお、この実施の形態では、上切込み部5は、谷部分が横方向に延びる略V字状の溝形状に形成されているが、その形状は略V字形状に限るものではなく、例えば、単に直線状に切断線を入れて形成してもよい。
【0032】
容器本体2における上部の左および右箇所には、上方ほど内容物を収納する幅が小さくなるように湾曲する状態でシールする湾曲シール部6が設けられている。そして、上切込み部5および上係合部としての孔部4が、容器本体2の左右の側辺部2b、2cにおける湾曲シール部6が設けられている上下方向領域内に設けられている。なお、湾曲シール部6に代えて、上方ほど内容物を収納する幅が小さくなるように傾斜する状態でシールする傾斜シール部を設けて、上切込み部5および孔部4が、容器本体2の左右の側辺部2b、2cにおける傾斜シール部が設けられている上下方向領域内に設けられていてもよい。
【0033】
上記構成において、収容された内容物が残り少なくなった際には、容器本体2の下部を上方に押し出すようにしながら前後から挟んで、内容物を容器本体2内で上部側に押し上げる。これにより、内容物をスパウト10から押し出すことができる。
【0034】
そして、内容物を使用して残り少なくなった際には、内容物を容器本体2内で上部側に押し上げた後に、
図3に示すように、容器本体2の下部が上部と重なるように上下に折り畳んで、各下差込み部3を下方側の孔部4にそれぞれ差し込んで係合させる。これにより、容器本体2を上下に折り畳んだ折畳姿勢で維持することができ、容器本体2を毎回折り重ねる操作をしなくても、すなわち手間を最小限に抑えながら、内容物を良好に出す(絞り出す)ことができる。
【0035】
また、この状態からさらに内容物を使用して、内容物がより少なくなった際には、内容物を容器本体2の上部内でさらに上部側に押し上げた後に、
図4に示すように、下差込み部3の差込み位置を下方側の孔部4から上方側の孔部4に差し込みかえて係合させる。この場合でも、容器本体2を上下に折り畳んだ折畳姿勢で維持することができ、容器本体2を毎回折り重ねる操作をしなくても、すなわち手間を最小限に抑えながら、内容物を良好に出す(絞り出す)ことができる。
【0036】
なお、これらの場合に、上係合部としての孔部4を、上切込み部5よりも下方の位置、すなわち、容器本体2の上切込み部5と下差込み部3との間に設けているため、容器本体2に一部の内容物が残っている場合でも、上下に折り畳んだ状態で下差込み部3を各孔部4に良好に差し込んで係合させることができて、折畳姿勢を良好に維持することができ、折り重ねる操作をしなくても済んで便利である。
【0037】
また、上記のようにして、容器本体2内の内容物を使い切った後には、
図5に示すように、上切込み部5を用いて容器本体2の上部(具体的には、スパウト10が装着されている上辺部を)を手で切り離す。これにより、はさみなどの切断具を用いなくても手間なく切断でき、また、この場合に、上切込み部5が、容器本体2における、スパウト10の下縁部近傍(この実施の形態では筒状体取付部11の下縁部近傍)の高さに対応する位置に設けられているため、筒状体取付部11の下縁部箇所を容易に開封することができて、スパウト10の筒状体取付部11が設けられている箇所が露出するので、その連通孔やスパウト10の奥部などに残った内容物を容易に取り出すことができる。
【0038】
また、この場合に、上切込み部5が、上係合部としての孔部4よりも上方位置に設けられているので、下差込み部3を孔部4に係合させた状態のままで、上切込み部5を用いて容器本体3の上部を手間なく切り離すことができる。つまり、上切込み部5が、上係合部としての孔部4よりも下方位置に設けられていると、孔部4に差し込んだ下差込み部3を孔部4から取り外して、容器本体2を開いた状態に戻してから、上切込み部5を用いて、容器本体2の上部を切り離すこととなり、多くの手間がかかってしまう。これに対して、本構成によれば、下差込み部3を孔部4に係合させた状態のままで、上切込み部5を用いて容器本体2の上部を切り離すことができるため、少ない手間で容易に切断できる。
【0039】
また、上記構成によれば、上係合部としての孔部4を、側辺部2b、2cにおける上切込み部5と下差込み部3との間の上下方向領域内に複数設けているので、容器本体2内の内容物の残っている量に応じて折畳位置を調整し、この調整した折畳状態を良好に維持させることが可能となり、便利である。なお、
図1、
図2などにおいては、孔部4を上下に2つずつ設けている場合を示しているが、これに限るものではなく、孔部4を上下に3つ以上設けてもよい。
【0040】
また、本発明によれば、容器本体2における上部の左右に、上方ほど内容物を収納する幅が小さくなるように湾曲または傾斜する状態でシールする湾曲シール部6(または傾斜シール部)を設けることにより、容器本体2内の隅部などに内容物が残ったりすることを防止しながら、容器本体1内で内容物を上部側に良好に押し上げることができる。
【0041】
また、上切込み部5を、容器本体2の左右の側辺部2b、2cにおける湾曲シール部6(または傾斜シール部)が設けられている上下方向領域R内に設けており、この湾曲シール部6(または傾斜シール部)箇所は、湾曲シール部6が設けられていない上下方向中央部でのシール寸法L1と比べて、容器本体2における幅方向のシール寸法L2が大きい(本実施の形態のように、上切込み部5が筒状体取付部11の下縁部11b近傍に設けられている場合は、幅方向のシール寸法L2が特に大きい)ため、例えば、内容物を使い切るまでに(例えば、キャップ14を開封する前などに)誤って、上切込み部5を用いて幅方向に少し切断した場合でも、この誤って切った部分が内容物の収容領域に達することを最小限に抑えることができ、これにより、当該容器1を使用し難くなるなどの状況を発生し難くできる利点がある。
【0042】
また、これにより、
図7に示すような係合部を容器本体の側辺部から突出させる構造とする場合と比較して、流通段階や店頭陳列時において、容器1同士の引っ掛かりを防止し、従って、容器本体(パウチ)2の破損を防止することができる。
【0043】
また、上記構成に加えて、
図6に示すように、容器本体2の裏面(または表面)などに、容器本体2の下部を容器本体2の上部に折り畳んで重ねることができること、ならびにその際の折畳位置を案内する案内表示部(折曲案内ライン)8を印刷するなどして記載してもよい。この場合には、
図6に示すように、全幅にわたって表示させてもよいが、折曲案内ラインの両端部だけ表示したり、中央部だけ表示したりしてもよい。また、さらに、下差込み部3を孔部4に差し込んで係合させる係合動作や、上切込み部5を用いた切断動作などを案内する文章やイラストなどからなる案内表示部をさらに設けてもよく、これにより、案内表示部8を見ることで、容器本体2の下部を容器本体2の上部に折り畳んで重ねることができることや、その際の折畳位置を知ったり、前記下係合部を前記上係合部に係合させて係合させることや、前記上切込み部などを用いて切断することを容易に行えるなどのことを容易に知ったりすることができて、これによって、さらに利便性が向上する。
【0044】
なお、上記実施の形態では、上係合部として孔部4、下係合部として下差込み部3が設けられる場合を述べたが、逆に、上係合部として下差込み部、下係合部として孔部を設けてもよく、また、これに代えて、上係合部や下係合部として切込み部を形成してもよい。
【0045】
また、上記実施の形態では、上切込み部5を、容器本体2の左右の側辺部2b、2cに設けた場合を述べたが、これに限るものではなく、容器本体2の左右の側辺部2b、2cにおける片側だけ設けてもよい。
【0046】
また、当該容器1に収容される粘性内容物としては、泥状物質や液状体、半固体状のものなど、比較的高い(大きな)粘性があるものが特に適しているが、これに限るものではなく、粘性を有して、容器本体2やスパウト10の内壁面に付着する性質を有するものであれば、本発明の容器1を用いると便利であり、粘性が比較的小さい内容物に対しても、本発明の容器1を用いることは可能であることはもちろんである。
【0047】
また、上記の実施の形態では、容器本体2がパウチである場合を述べたが、これに限るものではない。
【符号の説明】
【0048】
1 容器
2 容器本体(パウチ)
3 下差込み部
4 孔部
5 上切込み部(ノッチ部)
6 湾曲シール部
8 案内表示部
10 スパウト
11 筒状体取付部
12 筒状体
13 吐出口
14 キャップ