(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記長辺部の前記2重以上のミシン目のうち、前記短辺部の前記ミシン目に最も近いミシン目を内側ミシン目Riとし、該内側ミシン目Riに隣接して外側に位置するミシン目を外側ミシン目Roとしたとき、
但し、前記内側ミシン目Riは、前記境界に前記短辺部のミシン目の切込線が存在する場合は、前記境界に交わる前記切込線の位置から最も近い側の前記長辺部のミシン目とし、前記境界に前記短辺部のミシン目の切込線が存在せずに前記境界にツナギ部が介在する場合は、前記ツナギ部に最も近い側の前記長辺部のミシン目とし、
前記外側ミシン目Roにおいて、隣接する切込線n3の間のツナギ部c3の長さが0.80〜1.60mmであり、かつ、(前記ツナギ部c3の長さ(mm))/(前記紙厚t(mm))=1.7〜4.6である請求項1〜7のいずれか一項に記載の紙製品入りカートン。
前記長辺部の前記2重以上のミシン目のうち、前記短辺部の前記ミシン目に最も近いミシン目を内側ミシン目Riとし、該内側ミシン目Riに隣接して外側に位置するミシン目を外側ミシン目Roとしたとき、
但し、前記内側ミシン目Riは、前記境界に前記短辺部のミシン目の切込線が存在する場合は、前記境界に交わる前記切込線の位置から最も近い側の前記長辺部のミシン目とし、前記境界に前記短辺部のミシン目の切込線が存在せずに前記境界にツナギ部が介在する場合は、前記ツナギ部に最も近い側の前記長辺部のミシン目とし、
前記外側ミシン目Roにおいて、切込線n3の長さが0.35〜1.00mm、かつ、(前記切込線n3の長さ(mm))/(隣接する前記切込線n3の間のツナギ部c3の長さ(mm))=0.30〜0.80である請求項1〜8のいずれか一項に記載の紙製品入りカートン。
前記カートンの前記幅方向に沿った側面に、前記カートンを解体するための1重ミシン目からなる解体用ミシン目が形成され、前記解体用ミシン目は、前記幅方向と交差し指を当てるための弧状部を有し、
前記弧状部は、切込線n4の長さが3〜20mm、隣接する前記切込線n4の間のツナギ部c4の長さが0.8〜2.5mm、前記切込線n4が2〜10個離間して並び、
かつ、(前記ツナギ部c4の長さ(mm))/(前記紙厚t(mm))=2.8〜6.0である請求項1〜9のいずれか一項に記載の紙製品入りカートン。
前記カートンは多層からなり、かつそのうち針葉樹由来のパルプを40〜100質量%含む硬質層の占める割合が15〜75質量%である請求項1〜10のいずれか一項に記載の紙製品入りカートン。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る紙製品入りカートン20の斜視図、
図2は紙製品入りカートン20の各構成部分を示す透視斜視図、
図3はカートン20の展開図である。紙製品入りカートン20(以下、適宜「カートン」とも称する)は、シート状の紙製品25の積層体を収容した紙製の直方体状の箱体からなり、紙製品入りカートン20の高さHcは、内部の紙製品25の積層方向に沿った高さである。紙製品25としては、ティシュペーパー、ハンドタオル等が例示され、個々の紙製品25は、例えばポップアップ式にZ折りやV折り等されて積層されてもよく、ポップアップしないように重ねられてもよい。又、カートン20は板紙等から形成することができる。
【0016】
そして、
図2、
図3に示すように、紙製品入りカートン20は、矩形状の頂面部201及びそれに対向する底面部202と、頂面部201及び底面部202のそれぞれの一方の(
図2の右側の)長辺に接続された第1側面部203と、頂面部201の他の(
図2の左側の)長辺に接続された第2側面部204と、底面部202の他の(
図2の左側の)長辺に接続されて第2側面部204の内面に重ねて接続されるカートン糊付け部205と、頂面部201の両短辺にそれぞれ接続された一対の上面側外フラップ206,206Bと、底面部202の両短辺にそれぞれ接続された一対の下面側外フラップ207,207Bと、第1側面部203の両短辺にそれぞれ接続された一対の第1内フラップ208,208Bと、第2側面部204の両短辺にそれぞれ接続された一対の第2内フラップ209,209Bとを有する1枚のシート(
図3参照)を、所定の罫線を折り曲げて起函して形成されている。各罫線は、シートを立体的な形状に起函して組み立てる際、綺麗に折り曲がるようにシートを潰した折線である。
なお、頂面部201の中央部には収容する紙製品25を取り出す取り出し口を形成するための開封用ミシン目210が設けられている。又、上面側外フラップ206,206Bには、カートンを解体するための解体用ミシン目220が設けられている。頂面部201が特許請求の範囲の「カートンの天面」に相当する。
【0017】
ここで、カートン20の製造の際には、まず、カートン糊付け部205を第2側面部204の長辺方向の側縁に接着等することで、頂面部201と底面部202、及び一対の側面部203,204が四角柱状に起函する。
そして、カートン糊付け部205をホットメルトや糊等で接着等して四角柱状に形成された箱体に紙製品25の積層体を挿入した後、箱体の開口の一側面となる第1内フラップ208,第2内フラップ209を対向的に折込み、この外側にホットメルトや糊等の接着剤を塗布した上面側外フラップ206,下面側外フラップ207を折り重ねて、開口を封緘する。同様に、箱体の開口の他の側面となる第1内フラップ208B,第2内フラップ209Bを対向的に折込み、この外側に上面側外フラップ206B,下面側外フラップ207Bを折り重ねて、開口の閉鎖が完了する。このようにして、紙製品入りカートン20が組立てられる。
なお、上面側外フラップ206,206Bの下端は、それぞれ下面側外フラップ207、207Bの上端の上に被さるようにして接着され、第1側面部203及び第2側面部204にそれぞれ直角に接続される側面部を形成している。上面側外フラップ206(206B)及び下面側外フラップ207(207B)で構成されるカートン20の側面部が特許請求の範囲の「カートンの幅方向に沿った側面」に相当する。
【0018】
カートン20の坪量が250〜370g/m
2、紙厚が0.28〜0.43mm/枚である。
【0019】
カートン20の坪量が250g/m
2未満であると、カートン20の強度が低下してカートン20が潰れ易くなる。カートン20の坪量が370g/m
2を超えると、カートン20の強度は高くなるがコストアップになる。カートンの坪量は、250〜340g/m
2であることが好ましく、250〜300g/m
2であることがより好ましい。カートン20の坪量は、JIS P8124に基づいてシート1枚当たりについて測定する。
カートン20の紙厚tが0.28mm/枚未満であると、カートン20の強度が低下してカートン20が潰れ易くなる。カートン20の紙厚tが0.43mm/枚を超えると、カートン20の強度は高くなるがコストアップになる。カートンの紙厚tが0.28〜0.38mm/枚であることが好ましく、0.28〜0.34mm/枚であることがより好ましい。カートン20の紙厚tは、シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定する。測定条件は、測定荷重250gf、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間にカートン20のシートを1枚置き、測定子を1秒間に1mm 以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取る。10回繰り返した測定の平均値を紙厚とする。
【0020】
次に、
図4を参照し、本発明の特徴部分である開封用ミシン目210の構成について説明する。なお、カートン20の長手方向Lの中央部Ceで開封用ミシン目210は左右対称であるので、
図4において中央部Ceより右側の開封用ミシン目210のみを図示し、左側の開封用ミシン目210の図示を省略してある。
開封用ミシン目210は全体として長円形であり、カートン20から完全に切り離されて取り出し口を形成する。ここで、「カートン20から完全に切り離される」とは、取り出し口を形成した後もカートン20側にフラップが残って取り出し口の周囲を覆う場合に、このフラップと頂面部201との間に形成されたミシン目を本発明の規定から除外することを意味する。フラップの例については
図10に後述する。
開封用ミシン目210は、カートン20の長手方向Lに沿って並ぶ2本の長辺部210L1、210L2と、それぞれカートン20の幅方向Wに沿った2本の短辺部210W(
図4では1本のみ表示)とを有し、各長辺部210L1、210L2と各短辺部210Wで囲まれた閉曲線(閉じた曲線)をなしている。
【0021】
各長辺部210L1、210L2は略直線状であり、各長辺部210L1、210L2の長さの50%以上が2重以上のミシン目(
図4では、内側ミシン目Riと外側ミシン目Roの2重ミシン目)からなる。ここで、「長辺部の長さの50%以上」とは、各長辺部210L1、210L2のそれぞれの長さについて、その50%以上が2重以上のミシン目からなることをいう。つまり、一方の長辺部が完全に(長さの100%が)2重以上のミシン目からなり、他方の長辺部が1重ミシン目からなる場合は「長辺部の長さの50%以上」に該当しない。
ここで、ミシン目は、切込線とツナギ部とを交互に並ぶようにして構成され、切込線は切断された線であり、ツナギ部は切断されずに残り、ツナギ部が切断されて開封される。
「1重ミシン目」とは、各切込線とツナギ部が同一の直線又は曲線上に並ぶものをいう。
「2重以上のミシン目」とは、頂面部201の中央から外側へ向かってそれぞれ異なる2つ以上の位置にそれぞれ1重ミシン目が配置されたものをいう。又、各切込線が同一の直線又は曲線状に並び、頂面部201の中央から外側へ向かって各切込線と異なる位置にて、各ツナギ部が同一の直線又は曲線状に並ぶもの(後述する
図11の2重ミシン目部410w)も「2重以上のミシン目」に相当する。
【0022】
各短辺部210Wは、2本の長辺部210L1、210L2の両端にそれぞれ外側に向かって凸に屈曲しつつ繋がり、長手方向Lの中央に向かって拡がる略U字形をなしている。そして、短辺部210Wのミシン目は1重ミシン目をなし、切込線n1の長さが7〜35mm、隣接する切込線n1の間のツナギ部c1の長さが0.70〜1.40mm、かつ、(ツナギ部c1の長さ)/(紙厚t)=2.0〜4.0である。
【0023】
ここで、長辺部210L1、210L2と、短辺部210W1との境界Reは、開封用ミシン目210の長手方向Lの長さLXの1/10の長さLYだけ、開封用ミシン目210の長手方向L両端(
図4では右端のみ表示)から中央に向かって延ばした位置とする。
又、
図4では、短辺部210Wの端部が長辺部210L1の内側ミシン目Riの端部の延長線Ex上に繋がっているが、両者が同一線状に繋がっていなくてもよい。
【0024】
上述のように、カートン20の紙厚tを低くした際に、単に開封用ミシン目210のツナギ部と切込線の長さを調整しただけでは開封用ミシン目210の切れ易さを適切に設定することが難しく、カートン20が薄くなることに応じてカートンの紙厚tと開封用ミシン目210との関係を設定することが必要である。
そこで、開封用ミシン目210をまず短辺部210Wから開封することに着目した。つまり、短辺部210Wのツナギ部c1の長さが長くなると開封し難いがカートンの製造時や保管時に不用意に(使用時にユーザが手で開ける前に)開封することを防止できる。一方、ツナギ部c1の長さが短くなると開封し易いがカートンの製造時や保管時に不用意に開封するおそれがある。このようなことから、短辺部210Wのツナギ部c1の長さと、紙厚tとの比を上述の範囲に規定した。
短辺部210Wのミシン目をこのように設定することで、カートン20の紙厚tを0.43mm/枚以下に薄くしても、カートンの製造時や保管時に開封用ミシン目が不用意に開封することを防止し、かつ使用時には開封用ミシン目できれいに開封し易くなり、開封用ミシン目の切れ易さを適切に設定することができる。
なお、短辺部210Wが2重以上のミシン目からなる場合は、それぞれの1重ミシン目のうち、最も切込線が長いミシン目について、短辺部210Wの長さの50%以上の部位が上記したn1、c1、c1/tで規定される範囲にあればよい。最も切込線が長いミシン目が最も開封し易いので、最初に切れ目が生じるからである。ここで、「短辺部の長さの50%以上」とは、各短辺部210W1、210W2のそれぞれの最も切込線が長いミシン目の長さについて、その50%以上の部位をいう。つまり、一方の短辺部のすべて(長さの100%)について、n1、c1、c1/tが上記範囲内であり、他方の短辺部について、n1、c1、c1/tが上記範囲を外れる場合は「短辺部の長さの50%以上」に該当しない。
【0025】
切込線n1の長さが7mm未満であると、短辺部210Wのミシン目の強度が強くなり過ぎ、使用時に開封用ミシン目210を開封し難くなる。
切込線n1の長さが35mmを超えると、相対的にツナギ部c1が短くなって短辺部210Wのミシン目の強度が弱くなる。その結果、
図13に示すように、カートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位PIに力が加わると、短辺部210Wのミシン目が切れてその部位が下方または上方に脱落し、不用意に(使用時にユーザが手で開ける前に)開封してしまう。
ツナギ部c1の長さが0.70mm未満であると、ミシン目の強度が弱くなり過ぎて上述のようにカートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位が下方に脱落し、不用意に開封してしまう。
ツナギ部c1の長さが1.40mmを超えると、ミシン目の強度が強くなり過ぎて開封し難くなると共に、
図14に示すように、開封時にツナギ部c1のカートン表面の表層Sが外側まで引っ張られ、めくれて破れてしまう。
【0026】
(ツナギ部c1の長さ)/(紙厚t)が2.0未満であると、ミシン目の強度が弱くなり過ぎて上述のようにカートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位が下方に脱落し、不用意に開封してしまう。(ツナギ部c1の長さ)/(紙厚t)が4.0を超えると、ミシン目が強くなり過ぎて開封しにくくなる。
なお、カートンの坪量が250〜370g/m
2、紙厚tが0.28〜0.43mm/枚の範囲を外れる場合、(ツナギ部c1の長さ)/(紙厚t)が2.0未満であったり、4.0を超えても、上述した開封のし難さといった問題が生じないこともあるが、本発明では、カートン20の坪量と紙厚を上述の範囲に規定することで、コストアップを生じずにカートンを潰れ難くすることをも目的としているので、カートン20の坪量と紙厚が上述の範囲から外れるものは対象としない。
【0027】
一方、各長辺部210L1、210L2の長さの50%以上を2重以上のミシン目とすることで、1重ミシン目に比べて開封後のミシン目の縁の凹凸が小さくなって滑らかになり、開封後のミシン目の縁で手を切傷することが少なくなる。又、各長辺部210L1、210L2を2重以上のミシン目とすることで、内側ミシン目Riのツナギ部c2の長さが長くなっても、短辺部210Wの場合のように(
図14参照)ツナギ部のカートン表面の表層Sが外側まで引っ張られて破れることを抑制できる。
但し、
図15(a)に示すように、2重以上のミシン目の場合、例えば長辺部210L1の内側ミシン目Riのツナギ部c2は、自身に隣接する切込線n2との間で切れるだけでなく、外側ミシン目Roの隣接する切込線n3との間で切れることがあり、矢印のように3つの切断経路を有する。
一方、
図15(b)に示すように、1重ミシン目の場合、例えば短辺部210Wのツナギ部c1は、自身に隣接する切込線n1との間でのみ切れ、矢印のように切断経路は1つのみである。このため、2重以上のミシン目に比べてカートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位が下方に脱落し、不用意に開封することを抑制できる。従って、短辺部210Wの長さの50%以上が1重ミシン目からなることが好ましい。
なお、後述するように、好ましくは(短辺部の切込線n1の長さ)>(長辺部の内側ミシン目Riの切込線n2の長さ)とすると、長辺部の内側ミシン目の強度が短辺部のミシン目の強度に比べて相対的に高くなるため、長辺部の方が短辺部より長くても、長辺部が
図13のように脱落しにくくなり、2重以上のミシン目を採用しても問題がない。
【0028】
切込線n1の長さが10〜30mmであることが好ましく、15〜27mmであることがより好ましい。ツナギ部c1の長さが0.80〜1.30mmであることが好ましく、0.90〜1.20mmであることがより好ましい。
(ツナギ部c1の長さ)/(紙厚t)=2.6〜3.7であることが好ましく、2.8〜3.5であることがより好ましい。
切込線n1の個数が1〜10個であることが好ましく、2〜8個がより好ましく、3〜6個がさらに好ましい。切込線n1が1個未満であると、使用時に開封用ミシン目210を開封しにくくなり、10個を超えると、切込線n1の数が多くなりすぎて上述のようにカートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位が下方または上方に脱落し、不用意に開封する場合がある。
【0029】
なお、
図4の例では、短辺部210Wの内側の頂面部201に、略円形のミシン目からなる押圧部R3が形成されている。押圧部R3に指を当ててカートン20の内側へ押込むことで、短辺部210Wの1重ミシン目を開封する切っ掛けとすることができ、短辺部210Wを開封し易くする。
【0030】
(短辺部の切込線n1の長さ)>(長辺部の内側ミシン目Riの切込線n2の長さ)であることが好ましい。このようにすると、上述のように長辺部の長さの50%以上を2重以上のミシン目としても、長辺部のミシン目が脱落して不用意に開封することを抑制できる。又、開封用ミシン目210を最初に開封する短辺部210Wが開けやすくなる。
(短辺部の切込線n1の個数)<(長辺部の内側ミシン目Riの切込線n2の個数)であることが好ましい。このようにすると、短辺部の1つ当りの切込線の長さが相対的に長くなり、長辺部の長さの50%以上を2重以上のミシン目としても、長辺部のミシン目が脱落して不用意に開封することを抑制できる。又、開封用ミシン目210を最初に開封する短辺部210Wが開けやすくなる。
【0031】
開封用ミシン目210を短辺部210Wから開封すると、次に短辺部210Wのミシン目に最も近い内側ミシン目Riに力が加わって開封されてゆくため、内側ミシン目Riを以下のように規定すると好ましい。
なお、「短辺部210Wのミシン目に最も近い」とは、
図4のように境界Reに短辺部210Wのミシン目の切込線n1が存在する場合は、境界Reに交わる切込線n1の位置から最も近い長辺部のミシン目をいう(
図4の例では、内側ミシン目Riの両端の切込線の長さが他の切込線n2の長さより長くなっていると共に、内側ミシン目Riと短辺部210Wが切れ目なく境界Reで繋がっている)。一方、境界Reに短辺部210Wのミシン目の切込線n1が存在しない(つまり、境界Reにツナギ部が介在する)場合は、境界Reに最も近い切込線n1の端部の位置から最も近い長辺部のミシン目をいう。
そして、内側ミシン目Riのツナギ部c2の長さが0.50〜1.20mmであり、かつ、(ツナギ部c2の長さ)/(紙厚t)=1.5〜3.5であると、開封し易くなるので好ましい。
ツナギ部c2の長さが0.50mm未満であると、ミシン目の強度が弱くなって上述のようにカートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位が下方に脱落し、不用意に開封することがある。ツナギ部c2の長さが1.20mmを超えると、ミシン目の強度が強くなって開封しにくくなる場合がある。
(ツナギ部c2の長さ)/(紙厚t)が1.5未満であると、ミシン目の強度が弱くなって上述のようにカートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位が下方に脱落し、不用意に開封することがある。(ツナギ部c2の長さ)/(紙厚t)が3.5を超えると、ミシン目の強度が強くなって開封しにくくなる場合がある。
ツナギ部c2の長さが0.60〜1.10mmであることが好ましく、0.60〜1.00mmであることが最も好ましい。
(ツナギ部c2の長さ)/(紙厚t)=1.7〜3.2であることがより好ましく、2.0〜2.8であることが最も好ましい。
【0032】
同様に、内側ミシン目Riの切込線n2の長さが0.70〜1.40mm、かつ、(切込線n2の長さ)/(内側ミシン目Riのツナギ部c2の長さ)=0.90〜2.00であると、開封し易くなるので好ましい。
切込線n2の長さが0.70mm未満であると、ミシン目の強度が強くなって開封しにくくなる場合がある。切込線n2の長さが1.40mmを超えると、ミシン目の強度が弱くなって上述のようにカートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位が下方に脱落し、不用意に開封することがある。
(切込線n2の長さ)/(ツナギ部c2の長さ)が0.90未満であると、ミシン目の強度が強くなって開封しにくくなる場合がある。(切込線n2の長さ)/(ツナギ部c2の長さ)が2.00を超えると、ミシン目の強度が弱くなって上述のようにカートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位が下方に脱落し、不用意に開封することがある。
切込線n2の長さが0.70〜1.30mmであることがより好ましく、0.80〜1.20mmであることが最も好ましい。
(切込線n2の長さ)/(ツナギ部c2の長さ)=0.90〜1.60であることがより好ましく、1.1〜1.5であることが最も好ましい。
【0033】
内側ミシン目Riに力が加わって開封される際、内側ミシン目Riに隣接して外側に位置するミシン目(外側ミシン目Ro)も開封され、内側ミシン目Riと外側ミシン目Roの切断面の縁が凹凸となる。そこで、外側ミシン目Roを以下のように規定すると開封後のミシン目の縁の凹凸が小さくなって滑らかになり、開封後のミシン目で手を切傷することが少なくなる。
このようなことから、外側ミシン目Roにおいて、ツナギ部n3の長さが0.80〜1.60mmであり、かつ、(ツナギ部c3の長さ)/(紙厚t)=1.7〜4.6であると、開封後のミシン目の縁の凹凸が小さくなって好ましい。
又、切込線n3の長さが0.35〜1.00mm、かつ、(切込線n3の長さ)/(ツナギ部c3の長さ)=0.30〜0.80であることが好ましい。又、切込線n3の長さがツナギ部c3の長さよりも短いことが好ましい。なお、外側ミシン目Roは、内側ミシン目Riのツナギ部c2の外側に、ツナギ部c2と離間しつつツナギ部c2と同一長さの切込線として形成されていることが好ましい。
【0034】
ツナギ部n3の長さが0.80mm未満であるとミシン目が脱落し、1.60mmを超えるとミシン目が強く開封しにくくなる場合がある。
(ツナギ部c3の長さ)/(紙厚t)が1.7未満であるとミシン目が弱く脱落し、4.6を超えると、ミシン目が強く開封しにくくなる場合がある。
【0035】
切込線n3の長さが0.35mm未満であるとミシン目が強く開封しにくくなり、1.00mmを超えるとミシン目が弱く脱落すると共に開封後のミシン目の縁の凹凸が大きくなって手を切傷するおそれがある。
切込線n3の長さがツナギ部c3の長さ以上であると、ミシン目が脱落する場合がある。特に、(切込線n3の長さ)/(ツナギ部c3の長さ)を0.30〜0.80とすると、ミシン目が脱落することなく、ミシン目を開封しやすくなる。
【0036】
切込線n3の長さが0.40〜0.90mmであることがより好ましく、0.50〜0.80mmであることが最も好ましい。ツナギ部c3の長さが0.80〜1.50mmであることがより好ましく、1.00〜1.40mmであることが最も好ましい。
(切込線n3の長さ)/(ツナギ部c3の長さ)=0.30〜0.70であることがより好ましく、0.40〜0.60であることが最も好ましい。
(ツナギ部c3の長さ)/(紙厚t)=2.2〜4.3であることがより好ましく、3.0〜4.0であることが最も好ましい。
【0037】
次に、
図5を参照し、解体用ミシン目220の構成について説明する。なお、解体用ミシン目220は本発明の必須の構成ではないが、解体用ミシン目220を設けるとカートン20を解体して分別処理するのが容易になる。解体用ミシン目220は1重ミシン目からなり、カートン20の幅方向Wに平行に上面側外フラップ206(206B)の両端から中央に向かって形成された2本の直線部Rbと、各直線部Rbの間でカートン20の中央部に配置されてカートン20の幅方向Wと交差した弧状部Raとを有している。弧状部Raは頂面部201に向って上に凸の半円形をなし、指を当てることによって弧状部Raをカートン20の内側へ押込み、上面側外フラップ206(206B)と下面側外フラップ207(207B)を分離して解体し易くする。
なお、「カートン20の幅方向Wと交差する」とは、カートン20の幅方向Wと平行なミシン目の部位(直線部Rb)を除く意味である。又、解体用ミシン目220は上面側外フラップ206の下端縁206eよりやや上部に設けられている。
【0038】
弧状部Raは切込線n4の長さが3〜20mm、ツナギ部c4の長さが0.8〜2.5mm、切込線n4が2〜10個離間して並び、かつ、(ツナギ部c4の長さ)/(紙厚t)=2.8〜6.0であることが好ましい。
弧状部Raをこのように設定することで、カートン20の紙厚tを0.43mm/枚以下に薄くしても、カートン製造時にシートが解体用ミシン目で破れにくく、かつカートンの解体時には解体用ミシン目の弧状部Raで切り離し易くなり、解体用ミシン目の切れ易さを適切に設定することができる。
【0039】
切込線n4の長さが3mm未満であると、ミシン目の強度が強くなって解体用ミシン目220を開封しにくくなる場合がある。切込線n4の長さが20mmを超えると、ミシン目が弱くなり、上述のようにカートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位が下方に脱落し、不用意に開封してしまう場合がある。
ツナギ部c4の長さが0.8mm未満であると、ミシン目が弱くなり、上述のようにカートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位が下方に脱落し、不用意に開封してしまう場合がある。ツナギ部c4の長さが2.5mmを超えると、ミシン目の強度が強くなって解体用ミシン目220を開封しにくくなる場合がある。
切込線n4が2個未満であると、弧状部Raが小さくなり、解体用ミシン目220を開封しにくくなる場合がある。切込線n4が10個を超えると、弧状部Raが大きくなり過ぎ、上述のようにカートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位が下方に脱落し、不用意に開封してしまう場合がある。
(ツナギ部c4の長さ)/(紙厚t)が2.8未満であると、ミシン目が弱くなり、上述のようにカートンの製造時や保管時にミシン目内側の部位が下方に脱落し、不用意に開封してしまう場合がある。(ツナギ部c4の長さ)/(紙厚t)が6.0を超えると、ミシン目の強度が強くなって解体用ミシン目220を開封しにくくなる場合がある。
【0040】
切込線n4の長さが3〜10mmであることがより好ましく、4〜8mmであることが最も好ましい。ツナギ部c4の長さが1.00〜2.00mmであることがより好ましく、1.20〜1.60mmであることが最も好ましい。
切込線n4が2〜8個離間して並ぶことがより好ましく、4〜7個離間して並ぶことが最も好ましい。
(ツナギ部c4の長さ)/(紙厚t)=3.3〜5.4であることがより好ましく、3.8〜5.0であることが最も好ましい。
【0041】
ところで、一般にカートンの坪量や紙厚を低くすると、カートン20の強度が低下してカートンの潰れが発生する。カートン20の強度は、圧縮強度であるリングクラッシュ値で評価でき、特に、後述するカートン収容段ボール箱100の保管時に、内部のカートン20が潰れやすくなる長辺方向のリングクラッシュ値RLを高くすることが必要となる。そして、例えば、
図6に示すように、カートン20を多層20U〜20Zから構成し、かつそのうち針葉樹由来のパルプを40〜100質量%含む硬質層20X,20Y,20Zの占める割合が15〜75質量%となるように構成することで、カートンの坪量や紙厚が低くても、コストアップを伴わずにカートンの強度を高くできることが判明した。
なお、カートンが硬質層を含むと、カートンの強度が高くなってミシン目が切れにくくなったり、カートンがもろくなってミシン目が切れやすくなったりする場合があるので、硬質層を含むカートンに本発明を適用すると、開封用ミシン目の切れ易さをより適切に設定することができる。
ここで、カートン20を構成するすべての層の強度を高くするのでなく、強度が高くて固い硬質層をカートン20の層の一部に積層すると、カートンの坪量や紙厚が低くても、カートンの潰れを低減させることができる。
なお、硬質層20X,20Y,20Zは、針葉樹由来のパルプを好ましくは40〜80質量%含み、より好ましくは40〜60質量%含む。又、カートン20を構成する層のうち、硬質層20X,20Y,20Z以外の層20U,20V,20Wは針葉樹由来のパルプを40質量%未満含み、硬質層20X,20Y,20Zに比べて強度が低い。
又、硬質層20X,20Y,20Zは、例えば段ボール由来の古紙を主体とする原料から抄造することができ、また、ダンボール由来の古紙の配合量を調整して針葉樹由来のパルプの総量を調整することで、バージンパルプのコストを抑制できる。その他の層20U,20V,20Wは、例えば雑誌古紙を主体とする原料から抄造することができる。
なお、カートン20の層における硬質層の位置に制限はないが、硬質層以外の層を表面に設けることが好ましい。硬質層以外の層を表面に設けることで、カートンの表面性が良くなり、触感や印刷品質が向上する。
【0042】
なお、硬質層20X,20Y,20Zにおける「針葉樹由来のパルプ」は、JIS P8120の繊維組成試験法に準じて定量できる。また、本試験法に準じる染色によって、針葉樹パルプの判別が難しい場合であっても、針葉樹パルプの繊維形態(繊維長2.0〜4.5mm程度、繊維幅20〜70μm程度)は、広葉樹パルプの繊維形態(繊維長0.8〜1.8mm程度、繊維幅10〜50μm程度)と異なるため、判別することができる。
又、カートンのうち硬質層の占める割合が15質量%未満であると、カートンの坪量や紙厚を低くしたときにカートンの強度が低下する場合がある。カートンのうち硬質層の占める割合が75質量%を超えると、カートンの製造時に罫線が入れ難くなって成形性に劣り、廃棄時にカートンを折り曲げ難くなる場合がある。カートンのうち硬質層の占める割合は、より好ましくは25〜70質量%、更に好ましくは30〜65質量%、最も好ましくは40〜60質量%である。
なお、カートンを水又は湯に浸漬すると、各層が分離するので、分離した各層を離解して繊維を回収し、顕微鏡観察によって長繊維の量を測定することで、各層に含まれる針葉樹由来のパルプの割合を求めることができる。このようにして、カートンを構成する各層を判別した後、硬質層の占める割合を、(全硬質層の合計質量)÷(カートンの質量)×100(%)として算出する。
【0043】
そして、カートン20のリングクラッシュ値RLが500〜800N、かつ、(RL/t)が1.7〜2.5N/μmであることが好ましい。
リングクラッシュ値RLが500N未満であるとカートン20が潰れ易くなり、800Nを超えると必要以上に強度が高くなってコストアップになる。
RLは、550〜740Nが好ましく、600〜720Nがより好ましい。
【0044】
リングクラッシュ値は、JIS−P8126(2005)に従い、カートン20のシートから幅12.7mm、長さ152.4mmの短冊状の試験片を採取して測定する。具体的には、
図7に示すようにリング状に巻いた試験片S1の軸方向(試験片の短手方向)に荷重Fを加えたときの圧縮強さを測定する。
カートン20の長辺方向のリングクラッシュ値RLとは、試験片S1の長辺方向がカートン20の長辺方向と垂直な(つまり、荷重の加わる軸方向がカートン20の長辺方向に平行な)場合をいう。
ここで、
図3に示すように、カートン20の幅方向の長さは130mm以下程度であるため、リングクラッシュ値RLを測定するための試験片S1は、カートン20の罫線を少なくとも1つ(
図3では2つの罫線RC)含んでしまう。しかしながら、罫線は試験片S1を圧縮する方向と同一であるため、試験片S1に含まれる罫線RCが2本以下であれば、測定に差し支えない。
【0045】
又、(RL/t)は、紙厚t当りのリングクラッシュ値RLを表し、(RL/t)が高いほど薄くても強度が高いことを示す。(RL/t)が1.7未満であると、RLが低くなってカートンが潰れやすくなる。一方、(RL/t)が2.5を超えると強度は高くなるが、カートンが固くなり過ぎて、罫線が入りにくくなり、カートンの成形性が劣る場合がある。又、上述のように、硬質層が段ボール由来の古紙を含有する場合、(RL/t)が2.5を超えるものはカートン中の段ボール由来の古紙の割合が多くなり過ぎ、カートンがもろくなり、箱状に成形した際に罫線割れが生じる場合がある。
(RL/t)は、1.9〜2.5N/μmが好ましく、2.0〜2.5N/μmがより好ましい。
【0046】
カートン20に段ボール由来の古紙を含有させた場合、カートン20中のパルプ原料中の段ボール由来の古紙の含有割合は20〜80質量%が好ましく、25〜75質量%がより好ましく、30〜70質量%が更に好ましく、35〜65質量%が最も好ましい。
段ボール由来の古紙の含有割合が20質量%未満であると強度が上がりにくく、カートンが潰れ易くなる場合がある。一方、段ボール由来の古紙の含有割合が80質量%を超えると、カートンがもろくなり、箱状に成形した際に罫線割れが生じる場合がある。
また、段ボール古紙を配合すると、段ボール古紙に含まれるアルミ(アルミ蒸着紙パック、箔押し紙等が由来)が異物となって、カートンに含まれる場合がある。アルミ由来の異物がカートンに含まれるとクレームになるため、カートンに含まれるアルミ由来の異物の大きさを3.0mm
2以下とするよう、古紙パルプ工程におけるスクリーン等のリジェクト率を適宜調整することが好ましい。
【0047】
カートン20の長辺方向における曲げこわさSLが3.7〜7.5mN・mであると、低坪量でも強度が保たれ、カートンの潰れをさらに抑制することができるので好ましい。カートンの曲げこわさSLが3.7mN・m未満であるとカートンが潰れ易くなり、7.5mN・mを超えると必要以上に強度が高くなってコストアップになってしまう場合がある。曲げこわさSLは、3.7〜6.0mN・mが好ましく、3.7〜4.8mN・mがより好ましい。
曲げこわさは、ISO−2493に記載された方法に準じ、L&W Bending Tester(Lorentzen & Wettre社製)を用い、幅38mm、長さ100mmの試験片の一端側を試料台のチャックに片持ち梁式で固定し、試験片の一端側より外側の片面を試料台上の検出部の突状係合部に接触させる。このとき、試験片の他端は拘束されないフリーの状態となる。この状態で、曲げ長(試料台のチャックと係合部との間隔、つまり、試験片のスパン(梁間))を10mmとし、曲げ角度(試験片の一端を保持したチャックの回転角、この回転の際に試験片は係合部に押し付けられ、試験片が撓む)を15度としたときの曲げ抵抗(荷重)を測定し、次の算出式によって求めた。曲げこわさ(mN・m)=60×曲げ抵抗(mN)×曲げ長10(mm)
2÷{π×曲げ角度15(°)×サンプル幅38(mm)×1000}。
曲げこわさSLは、試験片の長辺方向(梁間)がカートン20の長辺方向に等しい場合をいう。曲げこわさSTは、試験片の長辺方向(梁間)がカートン20の幅方向に等しい場合をいう。
【0048】
曲げこわさSTは、7.5〜14.5mN・mが好ましく、7.5〜12.0mN・mがより好ましく、7.5〜9.5mN・mが最も好ましくい。曲げこわさSTが7.5mN・m未満であると、例えばカートン20を頂面部201が上になるように複数包装パックした製品を保管した際に、カートン20の側面部203,204が曲がってしまう場合がある。一方、曲げこわさSTが14.5mN・mを超えると、必要以上に強度が高くなってコストアップになってしまう場合がある。
【0049】
カートン20の長辺方向の圧縮強度が130〜220N/箱であると好ましい。上記圧縮強度が130N/箱未満であると、カートン20の強度が低下してカートン20が潰れ易くなる場合がある。上記圧縮強度が220N/箱を超えると、カートン20の強度は高くなるがコストアップになる場合がある。上記圧縮強度が130〜190N/箱であることがより好ましく、135〜160N/箱であることが最も好ましい。
上記圧縮強度は以下のように行う。まず、カートン20の長辺を縦(軸方向)になるように圧縮試験機(例えば、ティー・エス・イー社製の製品名:AUTOCOM)に置き、面積177cm2(直径15cmの円形)の圧縮板をカートン20上に配置する。このとき、圧縮板の内側にカートン20の外フラップ206、207の面が完全に入るようにする。そして、圧縮板に加圧速度10mm/minの条件で一軸荷重を掛けて圧縮し、
図8に示す軸方向の変位と荷重のグラフにて、最初に現れる、上に凸となる第一変曲点(カートン20の長辺を縦(軸方向)に置いた時の下部が潰れたり、座屈することが多い)を圧縮強度(N)とした。測定は、23℃、50%RHの恒温恒湿条件で5回行った値を平均した。
なお、カートン20の長辺方向の圧縮強度を規定する理由は、カートン20の長辺を縦にした複数段を段ボール10に収容して保管する場合に、カートン収容段ボール箱100を複数個積み重ねて保管するが、その際に、カートン20の長辺方向に荷重が加わり、潰れる場合があるためである。
【0050】
カートンの長辺Lcが200〜250mm、幅Wcが100〜130mm、高さHcが40〜65mmであると好ましい。
カートン20の長辺Lcが200mm未満か、幅Wcが100mm未満か、又は高さHcが40mm未満になると、カートン20に入っているティシュペーパー等の紙製品のサイズが小さくなったり、紙製品の組数を減らす必要が生じて使用感が低下する場合がある。カートン20の長辺Lcが250mmを超えるか、幅Wcが130mmを超えるか、又は高さHcが65mmを超えると、カートン20が大きくなり過ぎて強度が低下し、カートン20が潰れ易くなる場合がある。カートン20の長辺Lcは220〜240mmが好ましく、220〜230mmがより好ましい。また、カートン20の幅Wcは、110〜125mmが好ましく、110〜120mmがより好ましい。カートン20の高さHcは、42〜55mmが好ましく、42〜48mmがより好ましい。
【0051】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。例えば、カートン及びそれに収容される紙製品の種類、材質や、紙製品の積層態様は限定されない。開封用ミシン目及び解体用ミシン目の構成も上記に限定されない。
【0052】
図10は、開封用ミシン目310の別の実施形態の構成を示す部分上面図である。開封用ミシン目310はカートン20の長手方向Lに長い略楕円形をなし、各長辺部310L1、310L2は曲線である。又、短辺部310W(
図10では1本のみ表示)はカートン20の幅方向Wに沿って延びると共に、長辺部310L1(310L2)の内側ミシン目Riの両端Reに向かい、外側に向かって凸に屈曲しつつ曲線状に繋がっている。なお、カートン20の長手方向Lの中央部Ceで開封用ミシン目310は左右対称であるので、
図10において、中央部Ceより右側の開封用ミシン目310のみを図示し、左側の開封用ミシン目310の図示を省略してある。但し、押圧部R31は中央部Ceより右側にのみ形成されている。
又、両長辺部310L1、310L2の内側に、ミシン目からなる押圧部R31が形成されている。押圧部R31は略円形の中央部と、中央部から各長辺部310L1、310L2の内側ミシン目Riに向かってカートン20の幅方向Wに延びる直線部とを有し、直線部の各端部は内側ミシン目Riに繋がっている。押圧部R31に指を当ててカートン20の内側へ押込むことで、短辺部310Wを開封し易くする。
なお、押圧部R31のミシン目を切ると共に、短辺部310Wのミシン目を切らずに残した場合、押圧部R31と短辺部310Wとの間の領域F(
図10のハッチング領域)はカートン20から切り離されず、取り出し口を形成した後もカートン20側にフラップとして残り、取り出し口の周囲を覆う。従って、この場合は、領域Fのフラップを構成する中央部Ceより右側の短辺部310Wのミシン目は本発明の規定から除外され、図示しない中央部Ceより左側の短辺部310Wのミシン目について規定することとなる。勿論、領域Fを切り離した場合は、中央部Ceより右側の短辺部310Wのミシン目について本発明の規定が当て嵌まることになる。
【0053】
図11は、開封用ミシン目410のさらに別の実施形態の構成を示す部分上面図である。開封用ミシン目410は開封用ミシン目210と同一形状の長辺部210L1(210L2)と、短辺部410Wとを有する。なお、カートン20の長手方向Lの中央部Ceで開封用ミシン目410は左右対称であるので、
図11において、中央部Ceより右側の開封用ミシン目410のみを図示し、左側の開封用ミシン目410の図示を省略してある。但し、押圧部R3は中央部Ceより右側にのみ形成されている。
短辺部410Wは内側のミシン目Rsと、外側のミシン目Rpからなる2重ミシン目を構成し、そのうち最も切込線が長いミシン目Rsについて、上記したn1、c1、c1/tを規定する。なお、ミシン目Rpは、ミシン目Rsのツナギ部c1の外側に、ツナギ部c1と離間しつつツナギ部c1と同一長さの切込線として形成されている。
【0054】
図12は、解体用ミシン目320の別の実施形態の構成を示す部分上面図である。解体用ミシン目320は1重ミシン目からなり、カートン20の幅方向Wに平行に下面側外フラップ207(207B)の両端よりやや内側から中央に向かって形成された2本の直線部Rdと、各直線部Rdの間で下面側外フラップ207(207B)の中央部に配置されてカートン20の幅方向Wと交差した弧状部Ra2とを有している。弧状部Ra2は底面部202に向って下に凸の半円形をなし、指を当てることによって弧状部Ra2をカートン20の内側へ押込み、上面側外フラップ206(206B)と下面側外フラップ207(207B)を分離して解体し易くする。
なお、解体用ミシン目320は下面側外フラップ207の上端縁207eよりやや下部に設けられると共に、弧状部Ra2のみが表出し、各直線部Rdは上面側外フラップ206(206B)に覆われている。そして、弧状部Ra2を押込むと、弧状部Ra2及び各直線部Rdが切れて上面側外フラップ206(206B)と下面側外フラップ207(207B)を分離する。
【実施例】
【0055】
ポップアップ式に積層したティシュペーパー(紙製品:所定の組数)を収容したティシュペーパーカートン(ティシュペーパーボックス)20を用意した。カートン20の各種寸法を表1〜表4に示す。
なお、カートンは、層の総数を6層とし、そのうち、硬質層を3層とした。各層の坪量が同一であるため、硬質層の割合が50質量%となった。又、各硬質層において、針葉樹由来のパルプの割合を50質量%とした。又、各層のパルプ原料として、硬質層以外の層は雑誌古紙主体のパルプ、硬質層は段ボール由来の古紙パルプを使用した。
又、多層のカートンは、ヘッドボックスを多数有する公知の多層抄きマシンで抄造して得た。必要に応じて、層と層の間に、公知の紙力剤を塗布した。
カートンの坪量、紙厚t、圧縮強度、長辺方向における曲げこわさは上述のようにして測定した。各ミシン目の寸法は、定規または顕微鏡を用いて測定した。
【0056】
図3に示すシートから罫線を折曲げてカートンを製造する際の各種特性を以下のように評価した。
各ミシン目の開封し易さ:カートンの使用時のミシン目の開けやすさを評価した。
各ミシン目の脱落による不用意な開封の有無:製造後のカートンを段ボールに梱包する前に、そのミシン目について、
図13に示すようにミシン目が切れてミシン目内側の部位が下方または上方に脱落しているか否かを目視で評価した。
ミシン目外側のカートン表面の破れ:カートンの使用時、短辺部のミシン目を開封したときに、
図14に示すようにツナギ部c1のカートン表面の表層が外側までめくれて破れたか否かを目視で評価した。
長辺部のミシン目の縁の凹凸:外側ミシン目Roの切込線n3の長さが1.00mmを超えたものを、ミシン目の縁の凹凸が大きくて滑らかさに劣るとみなした。
各評価は、実用上問題ない通常レベルの潰れを「3」とし、これよりやや優れているを「4」、優れているを「5」とした。同様に、「3」より劣っているを「2」、著しく劣っているを「1」とした。評価が3〜5であれば問題ない。
【0057】
また、カートン20を高さ方向に5個重ねてフィルムでパックしたパック品を、カートン20の長辺を縦にした複数段を所定の段ボール箱10に収容し、カートン収容段ボール箱を10段積み重ねて1週間保管し、最下段のカートン収容段ボール箱を開封してカートンの潰れの有無を目視判定した。評価は、実用上問題ない通常レベルの潰れを「3」とし、これよりやや優れているを「4」、優れているを「5」とした。同様に、「3」より劣っているを「2」、著しく劣っているを「1」とした。評価が3〜5であれば問題ない。
【0058】
さらに、廃棄時にカートンの折り曲げ性を次のように評価した。まず、ティシュペーパーを使い切った空のカートン20について、外フラップ206、207を開封した四角柱状とし、さらに
図9に示すように罫線に沿って潰し、頂面部201と側面部204が、底面部202と側面部203の上に重なる状態とした。次に、このカートンを、長辺方向の中央部Cで手で折り返し、折り曲げやすさを評価した。
評価は、従来品と同等なものを「3」とし、これを基準として上記と同様に5段階評価した。
【0059】
得られた結果を表1〜表4に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
表1〜表4から明らかなように、カートンの坪量、紙厚、及び開封用ミシン目の設定を所定の範囲とした各実施例の場合、カートンの坪量や紙厚が低くても、カートンの製造時や保管時に開封用ミシン目が不用意に開封せず、かつ使用時には開封し易くなって開封用ミシン目の切れ易さが適切になり、開封用ミシン目を起点にカートンが破壊すること等を防止できた。又、各実施例の場合、カートンの坪量や紙厚を顕著に高くせずにカートンの強度を向上させてカートンの潰れを抑制することができた。
【0065】
一方、カートンの坪量、紙厚が規定範囲未満である比較例1の場合、カートンの強度が低下し、カートンが潰れた。
【0066】
カートンの坪量、紙厚が所定の範囲を超えた比較例2の場合、カートンの強度は高くなってカートンが潰れなかったが、廃棄時にカートンを折り曲げ難くなり、コストも劣った。
【0067】
開封用ミシン目の短辺部の切込線n1の長さが7mm未満の比較例3の場合、開封用ミシン目が開封し難くなった。なお、比較例3の場合、弧状部の切込線n4の長さが3mm未満であり、解体用ミシン目も開封し難くなった。
【0068】
開封用ミシン目の短辺部の切込線n1の長さが35mmを超えた比較例4の場合、開封用ミシン目が脱落して不用意に開封した。なお、比較例4の場合、弧状部の切込線n4の長さが20mmを超え、解体用ミシン目も脱落して不用意に開封した。
【0069】
開封用ミシン目の短辺部のツナギ部c1の長さが0.70mm未満と短く、かつ、ツナギ部c1の長さ/紙厚tが2.0未満である比較例5の場合、開封用ミシン目が脱落して不用意に開封した。なお、比較例5の場合、弧状部のツナギ部c4の長さが0.80mm未満と短く、かつ、ツナギ部c4の長さ/紙厚tが2.8未満のため、解体用ミシン目も脱落して不用意に開封した。
【0070】
開封用ミシン目の短辺部のツナギ部c1の長さが1.4mmを超え、かつツナギ部c1の長さ/紙厚tが4.0を超えた比較例6の場合、開封用ミシン目が開封し難くなり、さらにミシン目外側のカートン表面が破れた。なお、比較例6の場合、弧状部のツナギ部c4の長さが2.0mmを超え、かつ、ツナギ部c4の長さ/紙厚tが6.0を超えたため、解体用ミシン目も開封し難くなった。
【0071】
開封用ミシン目の短辺部の切込線n1が1個未満の比較例7の場合、開封用ミシン目が開封し難くなった。なお、比較例7の場合、長辺部の内側ミシン目Riの切込線n2の長さが0.70mm未満と短く、切込線n2の長さ/ツナギ部c2の長さが0.9未満のため、開封用ミシン目が長辺部でも開封し難くなった。また、弧状部の切込線n4が2個未満であり、解体用ミシン目も開封し難くなった。
【0072】
開封用ミシン目の短辺部の切込線n1が10個を超えた比較例8の場合、開封用ミシン目が脱落して不用意に開封した。なお、比較例8の場合、長辺部の内側ミシン目Riの切込線n2の長さが1.40mmを超え、(切込線n2の長さ/ツナギ部c2の長さ)が2.0を超えたため、開封用ミシン目の長辺部も脱落して不用意に開封した。また、比較例8の場合、弧状部の切込線n4が10個を超え、解体用ミシン目も脱落して不用意に開封した。
【0073】
開封用ミシン目の短辺部の切込線n1の長さが7mm未満の比較例9の場合、開封用ミシン目が開封し難くなった。なお、比較例9の場合、長辺部の内側ミシン目Riのツナギ部c2の長さが0.50mm未満で、(切込線n2の長さ/ツナギ部c2の長さ)が2.0を超え、(ツナギ部c2の長さ/紙厚t)が1.5未満となり、開封用ミシン目の長辺部も脱落して不用意に開封した。
【0074】
開封用ミシン目の短辺部の切込線n1の長さが7mm未満の比較例10の場合、開封用ミシン目が開封し難くなった。なお、比較例10の場合、長辺部の内側ミシン目Riのツナギ部c2の長さが1.20mmを超え、(切込線n2の長さ/ツナギ部c2の長さ)が0.9未満、ツナギ部c2の長さ/紙厚t)が3.5を超えたため、開封用ミシン目が長辺部でさらに開封し難くなった。
【0075】
開封用ミシン目の短辺部の切込線n1の長さが7mm未満の比較例11の場合、開封用ミシン目が開封し難くなった。なお、比較例11の場合、長辺部の外側ミシン目Roのツナギ部c3の長さが0.80mm未満で、(切込線n3の長さ/ツナギ部c3の長さ)が0.8を超え、(ツナギ部c3の長さ/紙厚t)が1.7未満となったため、開封用ミシン目の長辺部が脱落して不用意に開封した。
【0076】
開封用ミシン目の短辺部の切込線の長さが7mm未満の比較例12の場合、開封用ミシン目が開封し難くなった。なお、比較例12の場合、長辺部の外側ミシン目Roのツナギ部c3の長さが1.60mmを超え、(切込線n3の長さ/ツナギ部c3の長さ)が0.3未満で、(ツナギ部c3の長さ/紙厚t)が4.6を超えたため、開封用ミシン目の長辺部も開封し難くなった。
【0077】
開封用ミシン目の短辺部の切込線n1の長さが7mm未満の比較例13の場合、開封用ミシン目が開封し難くなった。なお、比較例13の場合、長辺部の外側ミシン目Roの切込線n3の長さが0.35mm未満と短く、かつ(切込線n3の長さ/ツナギ部c3の長さ)が0.30未満のため、開封用ミシン目の長辺部も開封し難くなった。
【0078】
開封用ミシン目の短辺部の切込線の長さが7mm未満の比較例14の場合、開封用ミシン目が開封し難くなった。なお、比較例14の場合、長辺部の外側ミシン目Roの切込線n3の長さが1.00mmを超え、かつ(切込線n3の長さ/ツナギ部c3の長さ)が0.80を超えたため、開封用ミシン目の長辺部が脱落して不用意に開封したと共に開封後の長辺部のミシン目の縁の凹凸が大きくなって手を切傷するおそれが生じた。
【0079】
なお、市販品1、2は、カートンの坪量、紙厚が所定の範囲を超え、コストアップとなった。