特許第6497968号(P6497968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6497968
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】シャッター装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20190401BHJP
   E06B 7/28 20060101ALI20190401BHJP
   E06B 9/17 20060101ALI20190401BHJP
【FI】
   E06B9/68 A
   E06B7/28 C
   E06B9/17 W
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-34317(P2015-34317)
(22)【出願日】2015年2月24日
(65)【公開番号】特開2016-35185(P2016-35185A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2017年11月28日
(31)【優先権主張番号】特願2014-155619(P2014-155619)
(32)【優先日】2014年7月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(72)【発明者】
【氏名】板井 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】泉澤 永士
(72)【発明者】
【氏名】福田 大悟
(72)【発明者】
【氏名】香西 統太
(72)【発明者】
【氏名】岩階 章
【審査官】 小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−211461(JP,A)
【文献】 実開昭51−027417(JP,U)
【文献】 実開平05−048118(JP,U)
【文献】 特開2012−180712(JP,A)
【文献】 特開2013−144927(JP,A)
【文献】 実開平04−087111(JP,U)
【文献】 実開平04−040409(JP,U)
【文献】 特開2011−231456(JP,A)
【文献】 米国特許第04843639(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00、9/02、9/06−9/18
E06B 9/40−9/50、9/56−9/92
E06B 7/28−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が通過可能な開口部の両端に立設された左右のガイドレールと、
左右のガイドレールに両端部が案内されて開口部を開閉するシャッターカーテンと、
開口部の上方に設けた複数の発光体を備えた照明手段と、
を備えたシャッター装置であって、
開口部上方には、開口全幅に延びる内側横材と開口全幅に延びる外側横材が設けてあり、前記内側横材と前記外側横材の間に、建物開口部開閉時にシャッターカーテンが通る開口溝が形成されており、
前記外側横材には、開口部上方かつシャッター芯の外側に位置して、開口部全幅に亘って下向き開口状の溝部が設けてあり、
前記照明手段は、
開口幅方向に間隔を存して前記溝部内に設けられた複数のLEDと
前記複数のLEDの下側に位置して、前記複数のLED下方から覆うように前記溝部の長さ方向に亘って当該溝部に設けた透光性光拡散要素と
からなり、
開口幅方向に間隔を存して設けた前記複数のLEDの各LEDからの出射光は、前記透光性光拡散要素を通過することで拡散されて開口部全幅領域を照明する、
シャッター装置。
【請求項2】
前記シャッター装置は、
シャッターカーテンを電動開閉する駆動手段と、
シャッターカーテンを電動開閉するための無線信号を送信する遠隔操作部と、
を備え、
前記複数のLEDは、消灯状態にある開口部全閉時に前記遠隔操作部から送信される開信号の入力に連動して通電されることで、シャッターカーテン上昇時に点灯を開始し、上昇するシャッターカーテン停止後所定時間だけ点灯が継続し、所定時間経過後に消灯する、
請求項1に記載のシャッター装置。
【請求項3】
最左のLEDは左側のガイドレールを照明可能なように当該左側のガイドレールの上端に近位しており、
最右のLEDは右側のガイドレールを照明可能なように当該右側のガイドレールの上端に近位している、
請求項1、2いずれか1項に記載のシャッター装置。
【請求項4】
前記複数のLEDからの出射光は、前記溝部の内外の壁面をガイドとして下方に仕向けられる、
請求項1〜3いずれか1項に記載のシャッター装置。
【請求項5】
前記溝部は、内外の壁面と上面とを備えており、
前記複数のLEDは前記上面に装着され、
前記透光性光拡散要素は弾性変形可能であり、前記溝部の下端の開口から当該溝部内に着脱可能に挿入されている、
請求項1〜4いずれか1項に記載のシャッター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター装置に係り、詳しくは、照明手段を備えたシャッター装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガレージ用シャッターでは、車の車庫入れ時には、車内からの遠隔操作で開信号を送信してシャッターカーテンを上昇させて開口部を開放して車庫入れを行う。夜間にガレージに車庫入れする場合に(特にバックで車庫入れする場合)、開口部の位置がわかりづらく、開口部左右のガイドレールに車を接触させてしまうおそれがある。
【0003】
また、通常、ガレージ内部には照明装置が備わっているが、ガレージ内部の照明スイッチを押すためには、シャッターカーテンを上昇させて開口部を開放させた後で、一旦車から降りなければならず、車内からの遠隔操作で開口部を開放させる意義が減殺されてしまう。
【0004】
従来の照明手段を備えたシャッター装置は、特許文献1、2、3に記載のように、開口部全閉状態のシャッターカーテンを照明するものであり、シャッターカーテンの面部上に形成した表示部(着目されやすいように幅方向中央部位に形成される)を照らすためのものである。
【特許文献1】実公昭55−51987
【特許文献2】特開2010−133139
【特許文献3】実開昭64−53394
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、車の車庫入れ時に開口部を全幅に亘って照明するのに適した照明手段を備えたシャッター装置を提供することを目的とする。
本発明のより具体的な目的の1つは、シャッター装置において、車内からの遠隔操作で開信号を送信してシャッターカーテンを上昇させて開口部を開放してガレージ内に車を車庫入れするという従来と同様の操作手順によって、開口部の照明を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
車両が通過可能な開口部の両端に立設された左右のガイドレールと、
左右のガイドレールに両端部が案内されて開口部を開閉するシャッターカーテンと、
開口部の上方に設けた複数の発光体を備えた照明手段と、
を備えたシャッター装置であって、
開口部上方には、シャッター芯の外側に位置して、開口部全幅に亘って下向き開口状の溝部が設けてあり、
前記溝部内には、前記複数の発光体が開口幅方向に間隔を存して設けてあり、
前記溝部内には、前記複数の発光体の下側に位置して、前記複数のLEDを覆うように透光性光拡散要素が長さ方向に亘って設けてあり、
前記開口幅方向に間隔を存して設けた複数の発光体からの出射光は、前記透光性光拡散要素を通過することで拡散されて開口部全幅領域を照明する、
シャッター装置、である。
典型的には、発光体はLEDである。
1つの態様では、最左の発光体は左側のガイドレールを照明可能なように当該左側のガイドレールの上端に近位しており、
最右の発光体は右側のガイドレールを照明可能なように当該右側のガイドレールの上端に近位している。
1つの態様では、前記複数の発光体からの出射光は、前記溝部の内外の壁面(後述する実施形態の内側縦辺921、外側縦辺920)をガイドとして下方に仕向けられる。溝部は金属製等の不透光部材から形成されており、出射光は溝内の壁面で反射され(一部は吸収され得る)、壁面から漏れでることがない。
1つの態様では、前記溝部は、内外の壁面と上面とを備えており、
前記複数の発光体は前記上面に装着され、
前記透光性光拡散要素は弾性変形可能であり、前記溝部の下端の開口から当該溝部内に着脱可能に挿入されている。
1つの態様では、前記溝部の下端の開口は、開口部の上方に設けたシャッターケースの下面よりも上方に位置している。
【0007】
1つの態様では、前記シャッター装置は、
シャッターカーテンを電動開閉する駆動手段と、
シャッターカーテンを電動開閉するための無線信号を送信する遠隔操作部と、
を備え、
前記複数の発光体は、消灯状態にある開口部全閉時に前記遠隔操作部から送信される開信号の入力に連動して通電されることで、シャッターカーテン上昇時に点灯を開始し、上昇するシャッターカーテン停止後所定時間だけ点灯が継続し、所定時間経過後に消灯する。
1つの態様では、前記シャッターカーテン停止は、シャッターカーテン全開時における停止である。
前記シャッターカーテン停止には、シャッターカーテン上昇中に、遠隔操作部から停止信号が入力された場合の停止を含む。
【0008】
本発明が採用した他の技術手段は、
車両が通過可能な開口部の両端に立設された左右のガイドレールと、
左右のガイドレールに両端部が案内されて開口部を開閉するシャッターカーテンと、
シャッターカーテンを電動開閉する駆動手段と、
シャッターカーテンを電動開閉するための無線信号を送信する遠隔操作部と、
開口部の上方に開口幅方向に間隔を存して設けた複数の発光体を備えた照明手段と、
を備えたシャッター装置であって、
前記複数の発光体は、開口部全幅領域を照明できるように配置されており、
前記複数の発光体は、消灯状態である開口部全閉時に前記遠隔操作部から送信される開信号の入力に連動して通電されることで、シャッターカーテン上昇時に点灯を開始し、上昇するシャッターカーテン停止後所定時間だけ点灯が継続し、所定時間経過後に消灯する、
シャッター装置、である。
1つの態様では、開口部上方には、シャッター芯の外側に位置して、開口部全幅に亘って下向き開口状の溝部が設けてあり、前記溝部の下端の開口は、開口部の上方に設けたシャッターケースの下面よりも上方に位置しており、前記溝部内には、前記複数の発光体が設けてある。
1つの態様では、前記溝部内には、前記複数の発光体の下側に位置して、前記複数の発光体を覆うように透光プレート(後述する実施形態では、半透明プレートである)が長さ方向に亘って設けてある。
1つの態様では、溝部の内側縦辺と外側縦辺の下端を内側に折り返して載置面が形成されており、透光プレートは当該載置面に載っている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、
開口幅方向に間隔を存して設けた複数の発光体(LED)からの出射光は、前記透光性光拡散要素を通過することで拡散され、開口部全幅領域をより均一な強度で照明する。また、1つの発光体(LED)からの出射光は、透光性光拡散要素を通ることでより広範囲の光として照射され、光拡散の程度に合わせて発光体(LED)の設置間隔を広げることもでき、結果的により少ない個数の発光体(LED)で開口部全幅領域を照明することができる。また、発光体がLEDの場合に、LEDから出射される直進性の高い出射光は透光性光拡散要素を通過することで拡散されて、複数のLEDからの照明について開口幅方向の明暗の差を小さくし、開口幅方向により均一な強度で照明して見栄えをよくする。
【0010】
本発明によれば、夜間ガレージに車を車庫入れする場合において、車内からの遠隔操作(開信号の送信)によって、開口部を開放させると共に開口部の左右を含む開口幅全体を照明することができ、開口部の端部の位置を容易に認識することができる。したがって、特別な操作を行ったり、車から降りたりすることなく、リモコン操作による開信号の送信という通常の開放操作のみによって、ガレージ開口部及びガレージ内部を照らして車を車庫入れすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ガレージ用シャッター装置をガレージ内部から見た正面図(開口部全閉時)である。
図2】ガレージ用シャッター装置の側面図である。
図3】左図は、シャッターケース内部を一部切り欠いてなる図1と類似の図であり、右図は、シャッターケース内部を示す図2と類似の図である。
図4】シャッターケース内部を示す図3右図の部分拡大図である。
図5】まぐさ部を示す図4の部分拡大図である。
図6】外側横材(外まぐさ)の縦断面図である。
図7】上図は、外側横材(外まぐさ)をガレージ内部から見た正面図であり、下図は、外側横材(外まぐさ)の内部を示す部分拡大図であり、図1におけるA部分に対応している。
図8】ガレージ用シャッター装置をガレージ内部から見た正面図(開口部全閉時)である。
図9】ガイドレールの横断面図である。
図10】外側縦材の内部を示す部分拡大図であり、図8におけるB部分に対応している。
図11】ガレージへの車庫入れ時のシャッター装置の動作のフローを示す図である。
図12図5と類似の図であり、照明手段1の他の実施形態を示す。
図13図6と類似の図であり、照明手段1の他の実施形態を示す。
図14図7と類似の図であり、照明手段1の他の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[A]ガレージ用シャッターの構成
図1から図3に示すように、シャッター装置は、ガレージ開口部の両端に立設された左右のガイドレール1と、左右のガイドレール1に幅方向両端部が案内され、開口部を閉鎖する全閉姿勢と、開口部を開放する全開姿勢との間で移動可能なシャッターカーテン2と、開口部の上方に設けられたシャッター収納部としてのシャッターケース3と、シャッターケース3内に設けられており、シャッターカーテン2の上端が連結されている巻取シャフト4と、シャッターケース3内に設けられた開閉機5と、を備えている。
【0013】
図2に示すように、ガレージは屋根部12と前壁とを備え、ガレージ開口は前壁に形成されている。ガレージの躯体構造は限定されず、コンクリート壁、木造、鉄骨造等が例示される。ガレージ開口部は、車両が通過可能な高さ寸法・幅寸法を備えている。左右のガイドレール1の外部側には左右の支柱1Aが立設されており、支柱1Aの上端は屋根部12まで延びており、また、支柱1Aのガレージ開口部上方に位置する部位は2本の横材6によって連結されている。ガレージ開口部の上方に高さ方向に間隔を存して配設された横材6には、シャッターケース3の幅方向両端に位置して、左右のブラケット7が持ち出し状に取り付けられており、左右のブラケット7間に巻取シャフト4が支持されている。左右のブラケット7、巻取シャフト4を覆うようにシャッターケース3が取り付けられている。
【0014】
シャッターケース3は、下面30を備えており、下面30の前方側には、ガレージ開口部の全幅に亘って間隙が形成されており、当該間隙の内側には開口全幅に延びる内側横材(内まぐさ材)8が設けてあり、当該空間の外側には開口全幅に延びる外側横材(外まぐさ材)9が設けてある。内側横材8と外側横材9との間に、建物開口部開閉時にシャッターカーテン2が通る開口溝が形成されている。開口溝の幅方向両端には左右のガイドレール1の上端の拡開状部が位置しており、シャッターカーテン2は、その幅方向両端部が左右のガイドレール1の溝内に案内されながら、内側横材8と外側横材9との間の開口溝を通って昇降するようになっている。
【0015】
ガレージ用シャッター装置は、開閉機5の駆動による電動式のシャッター装置である。開閉機5の駆動によるシャッターカーテン2の開閉は、操作部からの信号を受信した制御部(シャッター制御盤)によって行われる。操作部には開ボタン、閉ボタン、停止ボタンが設けてあり、開ボタンを押すことで、開閉機5によって巻取シャフト4が第1の方向に回転してシャッターカーテン2を上昇させ、閉ボタンを押すことで、開閉機5によって巻取シャフトが第2の方向に回転してシャッターカーテン2が下降し、停止ボタンを押すことで開閉機5による駆動が停止し、巻取シャフト4の回転が停止する。
【0016】
ガレージ用シャッター装置は、ガレージ内部において、開口部の側方の壁面に配置されたスイッチボックス、及び、遠隔操作デバイス(送信機)であるリモコンの2種類の操作部を備えている。ガレージ用シャッター装置は、送信機から送信される無線信号(開信号、閉信号、停止信号)の受信する受信手段を備えており、送信機からの無線信号が制御部に入力されるようになっている。したがって、車中からのリモコン操作によるシャッターカーテン2の開放、閉鎖、停止の遠隔操作が可能となっている。車庫出しの際には、スイッチボックスあるいはリモコンから開信号を入力することで、シャッターカーテン2が上昇してガレージ開口部を開放し、車庫出し後にはリモコンから閉信号を入力することで、シャッターカーテン2が下降してガレージ開口部を閉鎖する。車庫入れ時には、リモコンから開信号を入力することで、シャッターカーテン2が上昇してガレージ開口部を開放し、車庫入れ後にはリモコンあるいはスイッチボックスから閉信号を入力することで、シャッターカーテン2が下降してガレージ開口部を閉鎖する。
【0017】
[B]照明手段1
図5図7を参照しつつ、照明手段の第1の態様について説明する。照明手段は、開口部の上方かつシャッター芯Cの外側に位置し、外側横材(外まぐさ材)9に設けたLED10を備え、開口部全幅及び左右のガイドレール1の少なくとも下半部位(開口部の高さ寸法にもよるが、車庫入れする車両の車高に対応する領域)を含む領域を照明できるように配置されている。この態様では、LED10は上から下に向かって光を照射するので、結果的には、LED10による照明は、開口部全幅・全高に亘るものとなる。
【0018】
図5図6に示すように、外側横材9は、水平状の上辺90と、上辺90の外側端部から垂下する垂直状の縦辺91と、縦辺91の下端に形成された下向きに開口する溝部92と、を備えている。溝部92は、離間対向する外側縦辺920(縦辺91の下方部位から形成されている)及び内側縦辺921と、上辺922と、から断面視下向きコ字状に形成されており、外側縦辺920及び内側縦辺921の下端は溝側に折り返されて折り返し部923が形成されている。図示の態様では、外側横材9は、開口幅方向に延びる長尺状の2部材、具体的には、上辺90と縦辺91とからなる逆L形状の部材、内側縦辺921と上辺922と立ち上がり辺924からなる部材、から形成されているが、これに限定されるものではない。
【0019】
外側横材9は開口幅方向に延びる長尺部材であり、溝部92も開口幅方向に延びる長溝である。外側横材9は、縦辺91を図示しない螺子を用いて躯体側の横材6に螺着することで固定される。溝部92の下端(開口)はシャッターケース3の下面30の高さよりも上方に奥まった高さに位置している。こうすることで、外観上、外側横材9が外部に露出することがない。
【0020】
溝部92内には、上側に位置して複数個のLED10が開口幅方向に間隔を存して配置されている。より具体的には、溝部92の上辺922の下面には外側横材9の長さ方向(開口部の幅方向)に亘って、間隔を存して複数のLED10が装着されており、複数個のLED10は互いに通電のための配線100によって電気的に接続されている。図7下図に示すように、開口部の幅方向の一端側(開閉機5が配置された側)において、配線100は上辺922の切欠開口9220を貫通して溝部92外に延びており、電源に接続されている。複数のLED10を溝部92の奥側に位置させて配線100で接続するようにしたので、配線100が外部に露出することがない。
【0021】
LED10及び配線100の下側に位置して、半透明の透光樹脂プレート11が外側横材9の長さ方向(開口部の幅方向)に亘って延びている。具体的には、外側縦辺920及び内側縦辺921の折り返し部923の上縁は載置面を形成しており、透光樹脂プレート11の幅方向(短尺方向)の端部の下面が当該載置面に載っている。透光樹脂プレート11は、(ア)LED10の保護(防水性、防塵性等)、(イ)下から見上げた場合であっても配線を目立たなくする、(ウ)LED10から直接出射される光を和らげて柔らかい光で照明する、という作用効果を有している。なお、透光樹脂プレートは透明樹脂プレートであってもよい。
【0022】
発光部は、溝部92の下端の開口から開口部に向かって光を照射するが、開口部全幅を含む領域を照明できるように配置されている。最左のLED10は左側のガイドレール1(結果として当該ガイドレール1の外側に隣接する支柱1A)を照明可能なように当該左側のガイドレール1の上端に近位しており、最右のLED10は右側のガイドレール1(結果として当該ガイドレール1の外側に隣接する支柱1A)を照明可能なように当該右側のガイドレール1の上端に近位している。
【0023】
[C]照明手段2
図8図10を参照しつつ、照明手段の第2の態様について説明する。照明手段は、開口部の側方かつガイドレール1の一方あるいは両方の外側に位置して設けたLED10を備え、開口部全幅及び左右のガイドレール1の下半部位(開口部の高さ寸法にもよるが、車庫入れする車両の車高に対応する領域)を含む領域を照明できるように配置されている。図8では、両方のガイドレール1の外側(シャッター芯Cに対して外側)に位置して高さ方向に間隔を存して配置した複数のLED10を示している。図8では、開口部のほぼ全高に亘ってLED10が配置されているが、車庫入れする車両の車高に対応する領域のみにLED10を配置するものでもよい。左右いずれか一方のガイドレールのみにLED10を配置した場合には、当該LED10の出射光は他方のガイドレールを照明できる必要がある。
【0024】
図9は、開口部の左右のガイドレール1の一方のガイドレール1を示す横断面図であり、上側がガレージ外部、下側がガレージ内部となっている。ガイドレール1は、シャッターカーテン2の幅方向端部を受け入れる溝部の外側に位置する第1側部13、内側に位置する第2側部14を備えている。第1側部13の外側に隣接して高さ方向に延びる第1溝部15が形成されており、第1溝部15に外側縦材16が設けられている。第2側部14の内側に隣接して高さ方向に延びる第2溝部17が形成されており、第2溝部17に内側縦材18が設けられている。第1側部13、第2側部14、外側縦材16、内側縦材18の前面部(開口部に面する部位)は面一となっている(同一の垂直面上に位置している)。
【0025】
図9に示すように、外側縦材16は、開口高方向に延びる長尺部材であり、平面視において、外側側辺160、内側側辺161、底辺162からコ字形状を備えており、LED10を収容する溝部を形成している。外側縦材16内には、底側に位置して複数個のLED10が開口高方向に間隔を存して配置されている。より具体的には、外側縦材16の底辺162には外側縦材16の長さ方向(開口部の高さ方向)に亘って、間隔を存して複数のLED10が装着されており、複数個のLED10は互いに通電のための配線100によって電気的に接続されている。図10に示すように、開口部の幅方向の一端側において、配線100は底辺162を貫通して外側縦材16外(第1溝部15内)に延びており、電源に接続されている。複数のLED10を外側縦材16の奥側に位置させて配線100で接続するようにしたので、配線100が外部に露出することがない。
【0026】
外側縦材16の外側側辺160、内側側辺161の前側には対向状の突片1600、1601、1610、1611で囲まれたポケット部が形成され、当該ポケット部に外側縦材16の高さ方向(開口部の高さ方向)に延びる半透明の透光樹脂プレート11が装着されている。図9に示すように、透光樹脂プレート11は外側縦材16の溝部の開口側に位置して配置されている。透光樹脂プレート11の前側の面部110はガイドレール1の前面と略面一となっており、建物開口部に直接面して露出するように配置されている。透光樹脂プレート11は、(ア)LED10の保護(防水性、防塵性等)、(イ)横から見た場合であっても配線を目立たなくする、(ウ)LED10から直接出射される光を和らげて柔らかい光で照明する、(エ)LED100の出射光によって透光樹脂プレート11がガイドレール1に近接して発光することで、ガイドレール1の位置が視認可能となる、という作用効果を有している。なお、透光樹脂プレートは透明樹脂プレートであってもよい。
【0027】
発光部は、外側縦材16の溝部の開口から開口部に向かって光を照射するが、開口部全幅及び左右のガイドレール1の少なくとも下半部位を含む領域を照明できるように配置されている。図8では、両方のガイドレール1の外側に位置して開口部全高に亘って高さ方向に間隔を存して配置した複数のLED10を示しているが、LED10の出射光が開口幅を横断できるような光量を有していれば、左右のいずれか一方のガイドレール1にのみLED10を設けたものでもよい。また、必ずしも開口部全高に亘ってLEDが配置されている必要はなく、高さ方向の下半部位を含む高さ方向一部にのみLEDが配置されていてもよい。例えば、開口部の高さ寸法にもよるが、図8における全7個のLED10うち、下から5個のLEDのみを配置するようにしてもよい。
【0028】
内側縦材18は、高さ方向に延びる長尺部材であり、溝部には、いわゆる多軸エリアセンサ19が配置される。多軸エリアセンサ19は、例えば、高さ方向に5cm間隔で水平状の平行光線を出射し、より広いエリアで障害物を検知する。
【0029】
[D]車庫入れ時のシャッター装置の動作のフロー
図11にガレージへの車庫入れ時のシャッター装置の動作のフローを示す。なお、図11では、開口部全開状態でシャッターカーテン2が停止する場合を例示するが、上昇中のシャッターカーテン2が途中で停止した場合も同様のフローとなる。図1では、シャッターカーテン2は全閉姿勢にあり、シャッターカーテン2の幅方向両端部は左右のガイドレール1の溝内に位置しており、シャッターカーテン2の下端は床面に接地しており、開口部全閉状態にある。通常の開口部全閉状態では、LED10は消灯している。この状態において、車内の遠隔操作デバイスから開信号が送信されると、シャッター制御盤を介して開閉機5が駆動して、巻取シャフト4を第1の方向に回転させてシャッターカーテン2が巻取シャフト4に巻き取られながら上昇していき、開口部を開放してシャッターカーテン2は全開姿勢となる。
【0030】
操作部から開信号が送信されると、シャッター制御盤を介して開閉機5に制御信号が出力されると共に、移報接点が閉じて照明手段に電気信号が出力され、LED10が通電して点灯する。開信号に基づいて開閉機5が駆動している間は、LED10に継続して電力供給が行われ、シャッターカーテン2の上昇中にLED10が継続して点灯するようになっている。なお、本実施形態においては、開信号の入力に連動してLED10が通電されるものであればよく、具体的な手段は当業者において適宜設計し得るものであり、移報接点を用いるものに限定されない。
【0031】
上昇中のシャッターカーテン2が停止した時点から所定時間タイマーが作動し、所定時間だけLED10の点灯が継続されるように制御されている。シャッターカーテン2の停止を検出する手段としては、例えば、開閉機5への通電の有無を検出したり、開閉機5の回転軸の回転の有無を検出したりすることで判定することができる。1つの実施形態では、所定時間は5分であり、上昇するシャッターカーテン2が停止してから5分間だけLED10が点灯し、5分後にLED10が消灯するように設定されている。よって、開信号の入力によってシャッターカーテン2が上昇を開始してから、シャッターカーテン2が上限位置で停止して開口部全開状態後所定時間(5分間)、LEDが点灯し、その間に車庫入れを行うようになっている。なお、消灯時にLED10がだんだん暗くなるように制御してもよい。
【0032】
シャッターカーテン2の上昇途中で停止信号が入力された時には、シャッターカーテン2が全開状態となる前に停止した状態で、タイマーによって所定時間(5分間)だけLED10が継続して点灯するようになっている。シャッターカーテン2が上昇途中で停止した状態から、再び開信号が入力されて再上昇を開始すると、タイマー作動中の場合には当該タイマーのカウントがリセットされ、再び停止した位置(典型的には、上限位置での停止)でタイマーが0からカウントを開始する。
【0033】
本実施形態では、シャッターカーテン2の開動作、閉動作に関係なくシャッターカーテン2が動作するとLED10が点灯し、シャッターカーテン2の開動作、閉動作に関係なくシャッターカーテン2が停止するとタイマーがカウントし始め、シャッターカーテン2がまた動き出すとカウンターがリセットされる制御となっている。したがって、例えば、5分間のタイマーカウント中に、車庫入れが完了して、車中から閉ボタンが押された場合には、タイマーがリセットされると共に、シャッターカーテン2が降下することでLED点灯が継続され、LED点灯中に降車することができ、全閉した時に移報接点信号でタイマーがカウントし始めて、5分後にLED10が消灯する。本実施形態では、暗闇でシャッターカーテン2が閉鎖する際に、LED10で照明されるので、安全性が向上する。
【0034】
本明細書では照明手段として2つの態様を開示したが、照明手段1と照明手段2を組み合わせて採用してもよい。例えば、開口部上方及び幅方向左右の三方で門形状にLED10を配置してもよく、あるいは、開口部上方及び幅方向一方の二方でL形状にLED10を配置してもよい。なお、本発明を、巻取式の電動シャッターに係る実施形態に基づいて説明したが、本発明をいわゆるオーバーヘッドドアに採用してもよい。
【0035】
[E]照明手段1の他の実施形態
図12図14に基づいて、照明手段1の他の実施形態について説明する。照明手段は、開口部の上方かつシャッター芯Cの外側に位置し、外側横材(外まぐさ材)9に設けたLED10を備え、開口部全幅及び左右のガイドレール1の少なくとも下半部位(開口部の高さ寸法にもよるが、車庫入れする車両の車高に対応する領域)を含む領域を照明できるように配置されている。複数のLED10は、溝部92の下端の開口から開口部に向かって光を照射するが、開口部全幅を含む領域を照明できるように配置されている。最左のLED10は左側のガイドレール1(結果として当該ガイドレール1の外側に隣接する支柱1A)を照明可能なように当該左側のガイドレール1の上端に近位しており、最右のLED10は右側のガイドレール1(結果として当該ガイドレール1の外側に隣接する支柱1A)を照明可能なように当該右側のガイドレール1の上端に近位している。LED10は上から下に向かって光を照射するので、結果的には、LED10による照明は、開口部全幅・全高に亘るものとなる。
【0036】
図12図13に示すように、外側横材9は、水平状の上辺90と、上辺90の外側端部から垂下する垂直状の縦辺91と、縦辺91の下端に形成された下向きに開口する溝部92と、を備えている。溝部92は、離間対向する外側縦辺920(縦辺91の下方部位から形成されている)及び内側縦辺921と、上辺922と、から断面視下向きコ字状に形成されており、外側縦辺920及び内側縦辺921の下端は溝側に折り返されて折り返し部923が形成されている。図示の態様では、外側横材9は、開口幅方向に延びる長尺状の2部材、具体的には、上辺90と縦辺91とからなる逆L形状の部材、内側縦辺921と上辺922と立ち上がり辺924からなる部材、から形成されているが、これに限定されるものではない。
【0037】
外側横材9は開口幅方向に延びる長尺部材であり、溝部92も開口幅方向に延びる長溝である。外側横材9の長さ方向両端部は、左右のブラケット7にまでは達していない。外側横材9は、縦辺91を図示しない螺子を用いて躯体側の横材6に直接当接させて螺着することで固定される。溝部92の下端(開口)はシャッターケース3の下面30の高さよりも上方に奥まった高さに位置している。こうすることで、外観上、外側横材9が外部に露出することがない。
【0038】
溝部92内には、上側に位置して複数個のLED10が開口幅方向に間隔を存して配置されている。より具体的には、溝部92の上辺922の下面には外側横材9の長さ方向(開口部の幅方向)に亘って、間隔を存して複数のLED10が装着されており、複数個のLED10は互いに通電のための配線100によって電気的に接続されている。図14下図に示すように、開口部の幅方向の一端側(開閉機5が配置された側)において、配線100は上辺922の切欠開口9220を貫通して溝部92外に延びており、電源に接続されている。複数のLED10を溝部92の奥側に位置させて配線100で接続するようにしたので、配線100が外部に露出することがない。
【0039】
LED10及び配線100の下側に位置して、透光性(例えば半透明)の光拡散カバー20が外側横材9の長さ方向(開口部の幅方向)に亘って延びている(図14下図参照)。実施例では、光拡散カバー20はポリ塩化ビニル(PVC)から形成されている。図13に示すように、光拡散カバー20は、断面視において、上向き略U形状の挿入部21と、下向き膨出状の湾曲部22と、から中空状に一体形成されている。光拡散カバー20は弾性変形可能であり、挿入部21を溝部92の下端の開口から挿入することで装着され、装着状態において湾曲部22が溝部92の下端から下方に膨出する。膨出状の湾曲部22はシャッターケース3の下面30の高さよりも上方に奥まった高さに位置している。
【0040】
挿入部21は、開口幅方向(光拡散カバー20の長さ方向)に延びる対向状の立ち上がり壁210、210を備えており、上端側が上向き膨出状の湾曲部211によって一体的に連結されている。それぞれの立ち上がり壁210、210の上側部位には、開口幅方向(透光樹脂カバー20の長さ方向)に水平状に延びる突起212が突成されている。装着状態では、立ち上がり壁210が外側縦辺920及び内側縦辺921の折り返し部923に接触しており、折り返し部923の上縁の直上に下側の突起212が位置するようになっている。光拡散カバー20の突起212が折り返し部923の上縁に位置することで、光拡散カバー20の落下が防止される。なお、光拡散カバー20は弾性変形可能なので、挿入部21に突起212があっても、溝部92の下端の開口からの光拡散カバー20の挿入部21の挿入に支障をきたすことはない。また、光拡散カバー20は弾性変形可能なので、LED交換時の当該光拡散カバー20の取り外しを良好に行うことができる。
【0041】
光拡散カバー20は、(ア)LED10から出射される直進性の高い出射光は光拡散カバー20を通過することで拡散されて、開口幅方向により均一な強度で照明するという作用効果を有している。仮に光拡散カバーを設けないとすると、開口幅方向に間隔を存して配置した複数のLEDの出射光は、各LEDの下方に向かって直進して明るい部分を作るが、隣位のLED間の下方に暗い部分ができてしまい、開口幅方向に亘って明暗部分が交互にできてしまう。光拡散カバー20を設けることで、複数のLED10からの照明において開口幅方向の明暗の差を小さくし、開口部全幅領域をより均一な強度で照明して見栄えをよくする。光拡散カバー20を設けたことで、1つのLED10からの出射光は、光拡散カバー20を通ることでより広範囲の光として照射され、光拡散の程度に合わせてLED10の設置間隔を広げることもでき、結果的により少ない個数のLED10で開口部全幅領域を照明することができる。また、光拡散カバー20は、LED10から直接出射される光を和らげて柔らかい光で照明する作用も有する。
【0042】
光拡散カバー20は、さらに、(イ)LED10の保護(防水性、防塵性等)、(ウ)下から見上げた場合であっても配線を目立たなくする、という作用効果を有している。
【符号の説明】
【0043】
1 ガイドレール
2 シャッターカーテン
3 シャッターケース
5 開閉機
9 外側横材(外まぐさ)
10 LED
11 透光樹脂プレート
16 外側縦材
20 光拡散カバー
図1
図2
図3
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図5
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図11
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図14