(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6497974
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】分電盤選定システム
(51)【国際特許分類】
G06F 17/50 20060101AFI20190401BHJP
H02B 3/00 20060101ALN20190401BHJP
【FI】
G06F17/50 650Z
G06F17/50 602B
G06F17/50 608Z
G06F17/50 604H
!H02B3/00 C
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-36762(P2015-36762)
(22)【出願日】2015年2月26日
(65)【公開番号】特開2016-157402(P2016-157402A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2017年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】特許業務法人なじま特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小田島 一郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴史
【審査官】
田中 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−201117(JP,A)
【文献】
特開2011−141783(JP,A)
【文献】
特開2006−107017(JP,A)
【文献】
特開2010−73104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/50
H02B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが分電盤の希望仕様データを入力する入力手段と、
分電盤の型番毎に内部機器データ及び配置に関する情報を収納したデータベースと、
分電盤選定に伴う演算処理を行なう演算手段と、
演算処理結果を記憶する記憶手段と、
演算処理結果をユーザに表示する出力手段とを備え、
前記希望仕様データは、
分電盤の基本仕様に、少なくとも主幹ブレーカの容量や種類、分岐ブレーカの総数を含む基本機能仕様データと、分電盤の基本仕様に、拡張機能を付加することを規定する拡張機能仕様データとからなり、
前記演算手段は、
希望仕様データと一致する型番を選択する型番選択手段と、
この型番選択手段により選択された型番に対応する内部機器データを展開表示するとともに、展開表示された内部機器の対応位置に負荷名称入力部を表示させる内部機器展開手段とを含み、
前記演算手段はさらに、拡張機能仕様データが入力されたとき、
拡張機能を付与する内部機器の負荷名称入力部に、拡張機能の負荷名称を入力する拡張機能付与手段を含むことを特徴とする分電盤選定システム。
【請求項2】
希望仕様データは部屋形態を規定する部屋形態仕様データを含み、
前記データベースには部屋形態ごとに負荷名称データが記憶されており、
前記演算手段はさらに、部屋形態が入力されたとき、データベースから読み出した負荷名称データを負荷名称入力部に入力させる部屋形態規定手段を備えることを特徴とする請求項1記載の分電盤選定システム。
【請求項3】
希望仕様データは専用回路として使用される単独回路を規定する単独回路仕様データを含み、
前記演算手段は、単独回路が入力されたとき、対応する内部機器の負荷名称入力部に、単独回路の負荷名称を入力する単独回路規定手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の分電盤選定システム。
【請求項4】
前記データベースには基本仕様データの分岐ブレーカの総数ごとに負荷名称データが記憶されており、
前記演算手段はさらに、分岐ブレーカの総数が入力されたとき、データベースから読み出した分岐数に定められた負荷名称データを負荷名称入力部に入力させる分岐数規定手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の分電盤選定システム。
【請求項5】
前記部屋形態規定手段は、負荷名称とともに内部機器を定めることを可能とするものであり、部屋形態が入力されたとき、内部機器及び負荷名称データを内部機器表示部、負荷名称入力部に展開・表示させることを特徴とする請求項2に記載の分電盤選定システム。
【請求項6】
前記単独回路規定手段は、負荷名称とともに内部機器を定めることを可能とするものであり、単独回路が入力されたとき、内部機器及び負荷名称データを内部機器表示部、負荷名称入力部に展開・表示させることを特徴とする請求項3に記載の分電盤選定システム。
【請求項7】
前記分岐数規定手段は、負荷名称とともに内部機器を定めることを可能とするものであり、分岐数が入力されたとき、内部機器及び負荷名称データを内部機器表示部、負荷名称入力部に展開・表示させることを特徴とする請求項4に記載の分電盤選定システム。
【請求項8】
前記演算手段は内部機器展開手段により展開された負荷名称及び内部機器について、内部機器が負荷名称に対応するか否かを判定する選択判定手段を有することを特徴とする請求項1記載の分電盤選定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷名称入力機能を備えた分電盤選定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
分電盤は筐体の内部に主幹ブレーカ、分岐ブレーカ等の様々な内部機器を配置して構成されるものであり、接続される負荷の数や種類及びその容量等に応じて、筐体のサイズや内部機器の配置は大きく異なる。メーカは多数の標準品を用意しており、ユーザからの希望仕様に応じて専門技術者が最適な分電盤を選定していた。しかし近年、ユーザの端末とメーカのサーバを通信回線で結び、ユーザが画面上で希望する分電盤の選定やオプション機器の追加を行なうことができる分電盤選定システムが普及しつつある。
【0003】
その一例が特許文献1に記載されている。このシステムにおいては、ユーザが入力手段からの操作を行なうことによって、サーバのデータベースに記憶された標準品情報中からユーザの希望に一致または類似する分電盤を読み出し、その標準品情報をユーザの画面に盤内イメージ画像として表示することができる。また表示された盤内イメージ画像をユーザが操作して内部機器を変更することができる。
【0004】
特許文献2に示すように、分電盤には内部機器に対応する負荷名称ラベルが取付けられている。これは内部機器の用途、機種、接続される負荷名称等を表示するものであり、分電盤選定システムでは内部機器の選定作業とともに、内部機器の用途・機種等を表示させる負荷名称を入力して負荷名称ラベルを作成し、分電盤の負荷名称ホルダに表示できるようになっている。
【0005】
しかし従来の分電盤選定システムでは、分電盤の内部機器を選定した後、負荷名称入力部に1つ1つ負荷名称を入力する必要があり、多くの手数がかかるという問題があった。また、太陽光用、IH用、自然冷媒ヒートポンプ給湯機用、ガス発電用、燃料電池用、EV用、蓄熱回路用など各種の拡張機能を付与された内部機器を選択したとき、負荷名称入力部に表示されたどの機器が拡張機能用のものか分からないといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3777867号公報
【特許文献2】特許第5557331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、分電盤の選定及び対応する内部機器の負荷名称の入力を行う分電盤選定システムにおいて、特定の条件が入力されたとき負荷名称を自動的に入力させることが可能とし、負荷名称の入力の作業を簡略化することができる分電盤選定システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するためになされた本発明の分電盤選定システムは、ユーザが分電盤の希望仕様データを入力する入力手段と、分電盤の型番毎に内部機器データ及び配置に関する情報を収納したデータベースと、分電盤選定に伴う演算処理を行なう演算手段と、演算処理結果を記憶する記憶手段と、演算処理結果をユーザに表示する出力手段とを備え、前記希望仕様データは、分電盤の基本仕様に、少なくとも主幹ブレーカの容量や種類、分岐ブレーカの総数を含む基本機能仕様データと、分電盤の基本仕様に、拡張機能を付加することを規定する拡張機能仕様データとからなり、前記演算手段は、希望仕様データと一致する型番を選択する型番選択手段と、この型番選択手段により選択された型番に対応する内部機器データを展開表示するとともに、展開表示された内部機器の対応位置に負荷名称入力部を表示させる内部機器展開手段とを含み、前記演算手段はさらに、拡張機能仕様データが入力されたとき、拡張機能を付与する内部機器の負荷名称入力部に、拡張機能の負荷名称を入力する拡張機能付与手段を含むことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明は請求項1の発明において、希望仕様データは部屋形態を規定する部屋形態仕様データを含み、前記データベースには部屋形態ごとに負荷名称データが記憶されており、前記演算手段はさらに、部屋形態が入力されたとき、データベースから読み出した負荷名称データを負荷名称入力部に入力させる部屋形態規定手段を備えることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3の発明は請求項1または請求項2の発明において、希望仕様データは単独回路を規定する単独回路仕様データを含み、前記演算手段は、単独回路が入力されたとき、対応する内部機器の負荷名称入力部に、単独回路の負荷名称を入力する単独回路規定手段を備えることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4の発明は請求項1から請求項3の何れかに記載の発明において、前記データベースには基本仕様データの分岐ブレーカの総数ごとに負荷名称データが記憶されており、前記演算手段はさらに、分岐ブレーカの総数が入力されたとき、データベースから読み出した分岐数に定められた負荷名称データを負荷名称入力部に入力させる分岐数規定手段を備えることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5の発明は
請求項2に記載の発明において、前記部屋形態規定手段は、負荷名称とともに内部機器を定めることを可能とするものであり、部屋形態が入力されたとき、内部機器及び負荷名称データを内部機器表示部、負荷名称入力部に展開・表示させる
内部機器及び負荷名称データを内部機器表示部、負荷名称入力部に展開・表示させることを特徴とするものである。請求項6の発明は請求項3の発明において、前記単独回路規定手段は、負荷名称とともに内部機器を定めることを可能とするものであり、単独回路が入力されたとき、内部機器及び負荷名称データを内部機器表示部、負荷名称入力部に展開・表示させることを特徴とするものである。請求項7の発明は請求項4の発明において、前記分岐数規定手段は、負荷名称とともに内部機器を定めることを可能とするものであり、分岐数が入力されたとき、内部機器及び負荷名称データを内部機器表示部、負荷名称入力部に展開・表示させることを特徴とするものである。
【0013】
請求項8の発明は請求項1に記載の発明において、前記演算手段は内部機器展開手段により展開された負荷名称、及び、内部機器
について、内部機器が負荷名称に対応するか否かを判定する選択判定手段を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、分電盤の基本仕様に拡張機能を付加することを規定する拡張機能仕様データが入力されたとき、拡張機能付与手段が拡張機能を付与する内部機器の負荷名称入力部に拡張機能の負荷名称を自動入力するので、拡張機能の専用の内部機器が分からなくても、負荷名称が自動で入力され負荷名称の入力作業を容易に行うことができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、分電盤から電力が供給される部屋形態に応じて、データベースから読みだした負荷名称を自動入力させ、作業の手間を削減させることが可能である。
【0016】
請求項3の発明によれば、専用回路として使用される単独回路に応じて負荷名称を自動入力させ、作業の手間を削減させることが可能である。
【0017】
請求項4の発明によれば、分岐数に応じて定められた負荷名称データを負荷名称入力部に自動入力させ、作業の手間を削減させることが可能である。
【0018】
請求項
5〜7の発明によれば、部屋形態・分岐数・単独回路の何れかに応じて内部機器及び負荷名称データを内部機器表示部、負荷名称入力部に展開・表示させることができる。
【0019】
請求項8の発明によれば、内部機器と負荷名称の用途が一致しないときには選定不可表示を行い、内部機器の用途を理解できなくても、選択できないことをユーザに知らせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の分電盤選定システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図5】部屋形態を入力した入力画面を示す図である。
【
図6】部屋形態に応じた負荷名称が標示された状態を示す図である。
【
図7】拡張機能用の内部機器が標示された状態を示す図である。
【
図8】型番に対応していない内部機器が選択されたことを表示する様子を示す図である。
【
図9】拡張機能に対応していない内部機器が選択されたことを表示する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示すように、本発明の分電盤選定システムは、ユーザ側端末1とサーバ2とから構成される。これらは通信回線を介して、あるいは直接接続されている。ユーザ側端末1は複数台とすることもできる。通常、サーバ2はメーカ側に設置されるが、その設置場所は任意であることはいうまでもない。
【0022】
ユーザ側端末1は、分電盤の選定操作を行なうための入力手段3と、サーバ2から送信されてきた情報を出力することができる出力手段4を備えている。ユーザは入力手段3から分電盤の希望仕様データを入力する。希望仕様データの内容については後述する。
【0023】
サーバ2には、分電盤選定に伴う各種の演算処理を行なう演算手段5と、分電盤の型番毎に内部機器データや配置に関する情報を収納したデータベース6と、演算処理結果を記憶する記憶手段7とが設けられている。データベース6は
図2に示すとおり、分電盤の型番を、筐体内部に配置される内部機器と結び付けて収納している。内部機器とは、主幹ブレーカ、一次送りブレーカ、分岐ブレーカ、二次送りブレーカなどであり、内部機器データには、それぞれの内部機器の機種や数量が含まれている。
【0024】
図1のように、演算手段5は、型番選択手段8、内部機器展開手段9、拡張機能付与手段10、部屋形態規定手段11、選択判定手段12を備えている。型番選択手段8は入力手段3から分電盤の希望仕様データが入力されたとき、データベース6に記憶された型番データから最適な型番を自動的に選択する。詳しくは、型番選択手段8は、型番入力手段35に型番そのものが入力されている場合は該当する型番をデータベース6から選択し、型番入力手段35に型番の種類と希望仕様データが入力されている場合には該当する型番の種類から希望仕様データに合致・近似するものを選定する。なお、型番選択手段8は、希望仕様データが入力され型番が入力していないときは、データベース6内の基本形態としてメーカ側であらかじめ規定した種類の型番から希望仕様データに合致するものを選定するものである。
【0025】
図3の入力画面に示すように、希望仕様データには、分電盤の型番、主幹ブレーカの容量や種類(漏電、サーキットブレーカ等を選択)、分岐ブレーカの総数(実装数と予備スペース)、・オプション(リミッタスペース、付属機器取付・取付スペース)等の基本機能仕様データと、太陽光用・IH用・ガス用などの拡張機能を付与された内部機器を選択する拡張機能仕様データとを含むものであり、各々基本機能仕様データ入力手段30、拡張機能仕様データ入力手段31により入力する。またこのほか、後述する4DK,4LDK、または部屋面積等の部屋形態や、エアコン、洗濯乾燥機等専用回路として使用される単独回路を入力することもできる。
【0026】
型番選択手段8により最適な型番が選択された後、内部機器展開手段9は
図4に示すように、その分電盤を構成する内部機器データを内部機器表示欄14を出力手段4に展開表示する。またこれとともに、内部機器の負荷名称を入力するための負荷名称入力部15を並べて表示する。更に、内部機器の盤内配置
図40も同一画面上に表示し、ユーザは上記の画面を見て、内部機器の変項・追加や負荷名称の入力を行う。
【0027】
ここで、ユーザが希望仕様データの拡張機能仕様データ31(例えば太陽光発電用内部機器)を選択しているとき、内部機器展開手段9は内部機器表示欄14に内部機器データを展開させるとともに、演算手段5として、拡張機能付与手段10が拡張機能に対応する内部機器の負荷名称入力部15に拡張機能用内部機器50(例えば、太陽光用)の負荷名称を表示させる。これにより、負荷名称入力部15の拡張機能用内部機器50に対応する部分に負荷名称が表示されることから、拡張機能の専用の内部機器が分からなくても、負荷名称が自動で入力され負荷名称の入力作業を容易に行うことができる。更に、どの内部機器が拡張機能用の内部機器50であるか一目で分かるようになっている。
【0028】
その他の内部機器の負荷名称についてはユーザが直接入力するか、もしくは、プルダウンリスト等から選択した上で入力するものである。なお、負荷名称が自動で入力された負荷名称はユーザが自由に変更できる。また、内部機器表示欄14の内部機器の配置を移動させることや内部機器を変更する内部機器変更手段を備えている。内部機器変更手段により内部機器の配置を移動させる際には、内部機器表示欄14の内部機器と負荷名称入力部15に入力された負荷名称を関連付けておくことにより、内部機器の配置を移動したときでも負荷名称も追従して表示位置を変更させる。
【0029】
負荷名称は、拡張機能用内部機器50のみに付与するだけでなく、その他の機器にも自動に入力することも可能である。例えば、演算手段5として、データベース6や記憶手段7に、分岐数ごとに負荷名称データを規定する分岐数規定手段16を有する。分岐数規定手段16は、基本仕様データ入力手段30で分岐数入力手段34により分岐数が入力されたときに該当する分岐数の負荷名称データを呼び出し、負荷名称入力部15に展開させることが可能である。このとき、拡張機能用内部機器50の負荷名称入力部15の負荷名称は、拡張機能付与手段10で入力された負荷名称の表示を優先させ、置き換えは成されないようにすることが望ましい。分岐数規定手段16は、分岐数ごとに負荷名称を展開させる場合、メーカ側があらかじめ設定した内容や、ユーザの登録により収納した負荷名称データを記憶手段7等から呼びだすことが可能である。
【0030】
演算手段5として、分岐数規定手段16のほか、
図3及び
図5のように、希望仕様データとして部屋形態仕様データを含み、4DK,4LDK、または部屋面積等の部屋形態の規定する部屋形態規定手段11も備えている。部屋形態規定手段11は、データベース6または記憶手段7には部屋形態ごとに負荷名称データを規定する。部屋形態入力手段32で部屋形態が入力されたときに該当する部屋形態の負荷名称データを呼び出し、
図6のように型番選択手段8により選択された型番の内部機器を内部機器表示欄14に展開するとともに、部屋形態規定手段11が負荷名称入力部15に部屋形態ごとに定められた負荷名称データを展開する。このとき、拡張機能用内部機器50の負荷名称入力部15は最初に拡張機能付与手段10で入力された負荷名称の表示を優先させ、置き換えは成されないようにすることが望ましい。
【0031】
その他、
図5に示すように、希望仕様データとして単独回路仕様データを含み、エアコン、洗濯乾燥機等、使用電力が1000W以上となるような専用回路として使用される単独回路を規定する単独回路規定手段17を備えている。部屋形態入力手段32により部屋屋形態が入力されたとき、単独回路の入力数を入力する単独回路入力手段33を表示させる。そして、単独回路入力手段33に単独回路が入力されたときに、内部機器表示欄14に展開された内部機器に対応する負荷名称入力部15に単独回路の負荷名称を入力させる。この単独回路入力手段33で表示させる単独回路は、メーカ側があらかじめ設定した内容や、ユーザの登録により収納した単独回路を記憶手段7等から呼びだすことが可能である。ここで、単独回路の入力とは、上記のようにメーカ側で対応した機器名を表示しユーザが台数を入力することや、ユーザが機器名を直接入力するものであり、機器名を直接入力した場合には、入力した機器名を直接負荷名称入力部15に表示させる。なお、本実施形態における単独回路規定手段17は、部屋形態を入力させた後に単独回路を入力可能としたものであるが、部屋形態の入力をせずに、単独回路を入力させるものであっても良い。
【0032】
このように負荷名称を全て1から設定するものではなく、部屋形態規定手段11、分岐数規定手段16、単独回路規定手段17の各規定手段において、部屋形態入力手段32、単独回路33、分岐数入力手段34により、部屋形態・分岐数・単独回路が入力されたとき規定した内容を展開させることにより必要な部分を自動入力させ、作業の手間を削減させることが可能である。上記の部屋形態規定手段11、分岐数規定手段16、単独回路規定手段17は何れかのみ利用するものであっても良いし、複数の組み合わせで使用するものであっても良い。
【0033】
なお、各規定手段で、部屋形態・分岐数・単独回路により負荷名称のみを展開するだけでなく、内部機器データも予め規定させることも可能である。
図7に示すように、型番を選択すると、部屋形態ごとに定められた内部機器データと負荷名称データを自動的に内部機器表示欄14及び負荷名称入力部15に展開させることができる。
【0034】
上記に示したように、本発明では規定した内部機器データ・負荷名称データを内部機器展開手段9で展開させることが可能としているが、型番には予め変更可能な内部機器が定められており、型番に対応しない内部機器が選択されている場合には特注品での対応となる。そのため、内部機器変更手段により内部機器の種類を変更したとき、選択判定手段12はその型番が選択された内部機器に対応可能か判定し、対応不可な内部機器が選択されている場合には、
図8に示すように選択できない旨の表示を行う。その場合、対応不可の内部機器のみユーザが変更するだけで良いようにする。
【0035】
この選択判定手段12は、型番に対応不可な内部機器が含まれているか判定するほか、内部機器に対応した用途が負荷名称に記載されているかの入力可否の判定を行う。例えば、拡張機能用内部機器50に「太陽」「IH」などの拡張機能を表現する語句が入力されていない場合や、拡張機能に対応していない内部機器に「太陽」「IH」などの拡張機能を表現する語句が入力されている場合には、
図9に示すように選択できない旨の表示を行う。その他、部屋形態の入力内容と基本機能仕様データ・拡張機能仕様データに対応できない場合にも選択できない旨の表示を行う。このように、選択判定手段12により、選択できる・できないなどの判定を自動で行うことができ、ユーザの入力ミスを防止することができる。
【0036】
内部機器の入力・負荷名称の入力が終わったあと、内部機器表示欄14や負荷名称入力部15の情報をサーバの記憶手段7に収納する。入力時に随時収納させるものであっても良い。また、負荷名称を実際の用紙で表示した場合のプレビュー画面を表示させることが可能。このプレビューを見て印刷の判断を行うことが可能である。収納した内部機器データより、
図10に示すようにサーバによって図面の作成及び仕様書や見積り書を作成するとともに、作成した図面等をサーバの記憶手段に収納されるものである。
【0037】
以上に説明した本発明の分電盤選定システムの動作フローを
図11に示す。
ST1でユーザが入力画面から希望仕様を入力すると、ST2でサーバ2の型番選択手段8が希望仕様に一致する型番をデータベース6中から選択し、ユーザ端末1の出力手段4に表示する。またST3で、サーバ2の内部機器展開手段9が、その型番の分電盤に含まれる内部機器を展開表示するとともに、ST4で負荷名称入力部15を同一画面に展開表示する。演算手段5は希望仕様中に拡張機能が設定されているか否かを判断し、設定されている場合には、ST5で拡張機能付与手段10が、拡張機器に対応する位置に負荷名称を自動的に展開表示する。また演算手段5は希望仕様中に部屋形態が設定されているか否かを判断し、設定されている場合にはST6で部屋形態入力手段32が記憶手段7からその部屋形態に対応する内部機器と負荷名称を呼び出し、ST7で自動的に展開表示する。ユーザはST8で必要に応じて内部機器の入力や変更を行い、さらにST9で負荷名称の入力を行う。最後にサーバ2はST10で内部機器データと負荷名称データを保存し、ST1で図面を出力する。
【0038】
このように、本発明のシステムによれば内部機器や負荷名称の入力作業を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 ユーザ側端末
2 サーバ
3 入力手段
4 出力手段
5 演算手段
6 データベース
7 記憶手段
8 型番選択手段
9 内部機器展開手段
10 拡張機能付与手段
11 部屋形態規定手段
12 選択判定手段14 内部機器表示欄
15 負荷名称入力部
16 分岐数規定手段
17 単独回路規定手段
30 基本機能仕様データ入力手段
31 拡張機能仕様データ入力手段
32 部屋形態入力手段
33 単独回路入力手段
34 分岐数入力手段
35 型番入力手段
40 盤内配置図
50 拡張機能用内部機器