(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6497975
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】連窓用シャッターケースにおける吹上防止構造
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20190401BHJP
E06B 9/58 20060101ALI20190401BHJP
【FI】
E06B9/17 W
E06B9/17 T
E06B9/58 B
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-38529(P2015-38529)
(22)【出願日】2015年2月27日
(65)【公開番号】特開2016-160599(P2016-160599A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 功
(72)【発明者】
【氏名】清水 佳苗
【審査官】
小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−123767(JP,A)
【文献】
実開昭61−144196(JP,U)
【文献】
実開昭57−097093(JP,U)
【文献】
実開昭55−157997(JP,U)
【文献】
米国特許第04449562(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/06−18、9/56−92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体開口部に取り付けられるシャッターケースの左右ブラケットに支持される巻取りドラムと、該巻取りドラムに巻装されるシャッターカーテンと、該シャッターカーテンの開閉ガイドをするガイドレールとを備えて構成される建築用シャッター装置を、隣接するブラケット同士が左右に間隙を存して配設される連窓用シャッターケースにおいて、
前記間隙に、シャッターケースに対して下側から吹上げる風が作用した場合にシャッターケースが持ち上がるのを防止するための吹上防止体を設けるにあたり、
該吹上防止体は、
室内側端部がブラケットの後面板を係止するため躯体に固定される係止金具側に固定され、
室外側端部に、ブラケットの下端縁からシャッターケースの左右方向サイドカバー側に向けて折曲した支持片に下側から当接する当接部が形成されたものであり、
該当接部に、シャッターケースの底板面部が下側から当接され、
該底板面部に、隣接ブラケット同士の間隙を覆蓋する化粧縁の底面部が下側から当接されることで、
ブラケットの支持片、吹上防止体の当接部、シャッターケースの底板面部、化粧縁の底面部が積層されることになった積層部位を下から固定手段で固定したことを特徴とする連窓用シャッターケースにおける吹上防止構造。
【請求項2】
吹上防止体は、平面視で冂字形をした板状のものであって、跨部がブラケットの後面板を係止するため躯体に固定される係止金具側に固定され、脚部がブラケット外側面に当接し、該脚部の下端縁に、ブラケットの下端縁からシャッターケースの左右方向サイドカバー側に向けて折曲した支持片に下側から当接する当接部である折曲部が形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の連窓用シャッターケースにおける吹上防止構造。
【請求項3】
化粧縁の底面部を、端縁部が折返し折曲された折曲片を備える二枚板状にすることで、前記積層部位を五枚板構造にしたことを特徴とする請求項1または2記載の連窓用シャッターケースにおける吹上防止構造。
【請求項4】
シャッターカーテンが開閉ガイドされるガイドレールのうち左右に隣接する連窓用のガイドレールはあいだに筒状の連結部が一体に設けられた一体物であり、該連結部には補強材が嵌入組込みされ、該補強材には係止金具側に固定された取付け金具がさらに嵌入組込みされることで連結部、補強材、取付け金具が積層され、該積層部位を後側から螺入するビスを介して固定することで吹上防止体がガイドレールと一体化されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の連窓用シャッターケースにおける吹上防止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のシャッターケースを水平方向に連続して設ける際に用いられる連窓用シャッターケースにおける吹上防止構造の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の窓が左右に連続して設けられた所謂連窓である場合、これら各窓にシャッターケースを設けることになるが、この場合に、台風や吹雪等の際に発生する強風がシャッターケースに対して下側から吹上げた場合に、シャッターケースが持ち上がらないよう対処する必要があり、そこで連窓用シャッターケースの場合、隣接するブラケット間の間隙に吹上防止体を設けることが提唱されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61−144196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで前記従来の吹上防止体は、平面視でL字形をしたものを左右に設け、隣接するブラケットの側面にそれぞれビス固定する構造になっているため、間隙が狭いとドライバー等の工具を間隙に入れての固定作業ができないだけでなく、単に吹上防止体とブラケットとの固定であるためどうしても強度的に劣り、充分な強度確保をするためには吹上防止体を頑丈なものにする等の配慮が必要になるという問題があり、ここに本発明が解決せんとする課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、躯体開口部に取り付けられるシャッターケースの左右ブラケットに支持される巻取りドラムと、該巻取りドラムに巻装されるシャッターカーテンと、該シャッターカーテンの開閉ガイドをするガイドレールとを備えて構成される建築用シャッター装置を、隣接するブラケット同士が左右に間隙を存して配設される連窓用シャッターケースにおいて、前記間隙に、シャッターケースに対して下側から吹上げる風が作用した場合にシャッターケースが持ち上がるのを防止するための吹上防止体を設けるにあたり、該吹上防止体は、室内側端部がブラケットの後面板を係止するため躯体に固定される係止金具側に固定され、室外側端部に、ブラケットの下端縁からシャッターケースの左右方向サイドカバー側に向けて折曲し
た支持片に下側から当接する当接部が形成され
たものであり、該当接部に、シャッターケースの底板面部が下側から当接され、該底板面部に、隣接ブラケット同士の間隙を覆蓋する化粧縁の底面部が下側から当接
されることで、ブラケットの支持片、吹上防止体の当接部、シャッターケースの底板面部、化粧縁の底面部が積層されることになった積層部位を下から
固定手段で固定したことを特徴とする連窓用シャッターケースにおける吹上防止構造である。
請求項2の発明は、吹上防止体は、平面視で冂字形をした板状のものであって、跨部がブラケットの後面板を係止するため躯体に固定される係止金具側に固定され、脚部がブラケット外側面に当接し、該脚部の下端縁に、ブラケットの下端縁からシャッターケースの左右方向サイドカバー側に向けて折曲した支持片に下側から当接する当接部である折曲部が形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の連窓用シャッターケースにおける吹上防止構造である。
請求項3の発明は、化粧縁の
底面部を、端縁部が折返し折曲された折曲片を備える二枚板状にすることで、前記積層部位を五枚板構造にしたことを特徴とする請求項1または2記載の連窓用シャッターケースにおける吹上防止構造である。
請求項4の発明は、シャッターカーテンが開閉ガイドされるガイドレールのうち左右に隣接する連窓用のガイドレールはあいだに筒状の連結部が一体に設けられた一体物であり、該連結部には補強材が嵌入組込みされ、該補強材には係止金具側に固定された取付け金具がさらに嵌入組込みされることで連結部、補強材、取付け金具が積層され、該積層部位を後側から螺入するビスを介して固定することで吹上防止体がガイドレールと一体化されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の連窓用シャッターケースにおける吹上防止構造である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、連窓用シャッターケースにおいて隣接するブラケット同士の間隙に吹上防止体を設けることになるが、該吹上防止体は、後端部側がブラケットの後面板を係止するため躯体に固定される係止金具側に固定されるため強度アップが図れ、しかも前端部に設けた当接部が、ブラケット、化粧縁、シャッターケースと積層構造になった部位がビス固定されることになって強固な補強がなされることとなり、吹上防止機能がこれら部材を有効に利用して達成できることになる。
請求項2の発明とすることにより、吹上防止部材が、冂字形になって強度アップが図れ、ブラケットに当接する脚部に当接部である折曲部が形成されたものとなって構造の簡略化が図れることになる。
請求項3の発明とすることにより、吹上防止機構が、積層される四種類の部材を用いたものでありながら、五枚の板材を積層した部位での固定により構成されることになる結果、より強度のある吹上防止機能を発揮することができる。
請求項4の発明とすることにより、吹上防止機構が、躯体側に固定される連窓用ガイドレールと一体化する連結部材を含むことになる結果、より強度の高いものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】連窓用シャッター装置の化粧縁部位の縦断面図である。
【
図4】左右水切り板の連結部位を示すものであって、(A)は平面図、(B)は中柱および中柱連結板を取り外した状態の平面図、(C)は中柱連結板の側面図である。
【
図5】(A)は化粧縁の側面図、(B)は化粧縁の背面図、(C)は化粧縁の底面図、(D)は(B)のD−D断面図、(E)は(B)のE−E断面図である。
【
図6】(A)は係止金具部位の正面図、(B)は係止金具部位の側面図、(C)は係止金具部位の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は建築用のシャッター装置であって、該シャッター装置1は、左右に連装する窓(図示せず)のそれぞれに設けられるものであって、シャッターケース3、該シャッターケース3のブラケット4、5(以降、連窓側のブラケットの引出符号を4、5とし、サイドカバー18側のブラケットの引出符号を19と便宜上する。)間に正逆回動自在に設けられる巻取りドラム6、該巻取りドラム6に巻装されるシャッターカーテン7、窓の左右両側部に設けられるガイドレール8等の各種の部材装置により構成されていることは何れも従来通りである。尚、シャッター装置1は手動、電動の何れでシャッターカーテン7の開閉をするものあっても勿論よい。また、本実施の形態では、「前」を室外側、「後」を「室内側」と定義して説明するが、これに限定されるものではない。
【0009】
9は本発明が実施された化粧縁であって、該化粧縁9は、左右のシャッターケース3の互いに対向する連窓側のブラケット4、5間の間隙Sを覆蓋するためのものであって、左右シャッターケース3の天板面部3a、前板面部3b、底板面部3cの互いに対向する各端面部位を外側からオーバーラップする状態で組み付けられるよう天面部9a、前面部9b、底面部9cが備えられ、これによって前記連窓側のブラケット4、5間の間隙Sを覆蓋するようになっている。
尚、化粧縁9の形状は、シャッターケース3の形状に対応して形成されるものであり、本実施の形態において、天面部9aについては前側ほど低くなる緩傾斜状態となり、その後端に上方に向けて折曲された取付け面部9dが設けられている。また前面部9bついては、上端面9eは上側ほど後方に位置するよう傾斜面となり、中間面9fは垂直面となり、中間面9fの下端から後方に後退した段差面9gを備え、下端面9hは段差面9gの後端から下方を向いた略垂直面となっている。さらに底面部9cは水平面となっている。
【0010】
前記各面部のうち、取付け面部9d、前面部上端面9e、前面部段差面9g、前面部下端面9h、および底面部9cは、左右両端縁部9sが折返し折曲された折曲片9i、9j、9k、9l、9mを備えた二枚板構造(積層構造)になっている。
一方、天面部9a、前面部中間面9fについても同様の折曲片9n、9oが形成されるが、さらにこの折曲片9n、9oの先端から内側に向けて立上げた立上り片9p、9qが形成されていて天面部9a、前面部中間面9fを補強するように構成されている。しかも立上り片9p、9qは、後述するように左右に隣接するシャッターケース3のブラケット4、5が当接することになって化粧縁9の位置決めができるよう設定されている。
そして化粧縁9は、上端部が取付け面部9dに形成のビス孔9tを貫通するビス9uにより躯体Kに固定されている。また底面部9cには、後述するビス13eが挿入するためのビス孔9vが形成されている。
尚、前面部段差面9g、前面部下端面9hおよび底面部9cの折曲片9k、9l、9mを除いた折曲片9i、9j、9n、9oには水密材10が貼着されており、これによってシャッターケース3の雨仕舞いが良いものとなっている。
【0011】
11は互いに対向している連窓側のブラケット4、5を係止するための係止金具であって、該係止金具11は平板状をし、躯体Kにビス11aを介して固定され、前方に向けて突出状に形成の係止フック11bにブラケット4、5の後面板4a、5aに形成の切欠き孔4b、5bを挿入係止することでシャッターケース3を保持するようになっている。
【0012】
前記係止金具11には、下端部に逆L字形をした支持金具12の後端がリベット(ブラインドリベット)12aにより固定した後、さらに溶接により一体に固定されているが、該支持金具12の上端縁、前端縁はL字形に折曲された折曲片12b、12cが形成されていて補強されているが、前端側折曲片12cの前端面には吹上防止体13がビス13aを介して一体に固定されている。この吹上防止体13は、平面視で冂字形をし、その跨部13bが前記ビス13aにより前端側折曲片12cに固定されるものであるが、左右の脚部13cは、シャッターケース3のブラケット4、5に左右方向外側面4d、5dから当接するようになっており、これによって左右に対向するブラケット4、5の位置決めをするようになっている。
さらに脚部13cの前下端部には左右方向サイドカバー18側に向けて折曲部(本発明の「当接部」に相当する。)13dが折曲形成されているが、該折曲部13dは、ブラケット4、5の下端部においてシャッターケースの左右方向サイドカバー18側に向けて折曲形成した支持片4c、5cに下側から当接するようになっている。そして折曲部13dについてシャッターケース3の底板面部3cが下側から当接し、さらに該底板面部3cに前記化粧縁底面部9cの折曲片9mが形成された部位が下側から当接し、これにより五枚板構造の積層部位となり、この積層部位を化粧縁底面部9c側からビス13eを螺入することで、下側から二枚板状の化粧縁底面部9cおよび9m、シャッターケース底板面部3c、吹上防止体折曲部13d、ブラケット支持片4cまたは5cの五枚板の積層部位が一体化されると共に、該一体化されたシャッターケース底板面部3cが吹上防止体折曲部13d、支持金具12を介して前記躯体Kに固定された係止金具11に一体に支持されることになって下側から底板面部3cに吹上げられた風に対する吹き上げ防止がなされるように構成されている。
尚、支持金具12の係止金具11への一体固定、並びに吹上防止体13の支持金具12への一体固定は、リベット固定、ボルト固定、ビス固定、溶着等、一般に知られた固定(取付け)手段を必要において採用することができる。
また、積層部位の固定はビス13eを用いているが、ビス13eに限定されず、リベット、ボルト等、一般に知られた固定(取付け)手段を必要において採用することができる。
【0013】
一方、前記ガイドレール8のうち、左右に隣接する連窓用のガイドレール8は、あいだに中空状の連結部14aが設けられた中柱14として構成されているが、該連結部14aには角筒状をした鋼製の補強材15が嵌入組み込みされている。一方、前記支持金具12の下方に垂下する前端片12dの後端面に折曲形成した固定片12eには側面視でL字形をした取付け金具16の縦片16aが当接されリベット16bを介して固着され、さらに溶接により固定されている。そして取付け金具16を、支持金具前端片12dと共に補強材15の上端部から嵌入組込みすることで連結部14aの後側片、補強材15の後側片(室内側片)15a、取付け金具16の縦片16aが積層状態に当接し、該当接部位を後ろ側(室内側)からビス16cを螺入することでこれら積層部位が一体化されるようになっている。
そしてこのように支持金具12は、先端部位に幅広である吹上防止体13、中柱14に固定するための取付け金具16が共に固定されながら、ブラケット4、5の取付けに影響を与えない(ブラケット4、5を、支持金具12を配設するため格別に切り欠き加工する必要がない)幅狭形状に設定されており、これによって互いに隣接する連窓側のブラケット4、5を、シャッターケース3のサイドカバー(端部化粧縁)18側のブラケット19と兼用化できるようになっている。
【0014】
また、補強材15の下端部も躯体K側に固定されるが、その固定構造は次のようになっている。17は各シャッター装置1の水切り板であって、該水切り板17の隣接端同士は、前記間隙S下方に配される水切り板連結板20により一連状に連結されるが、水切り板17、水切り板連結板20には連通状に切欠き17a、20aが設けられている。尚、水切り板17は後端部において上方に立設する取付け板17bをビス(図示せず)を介して躯体K側に固定されるようになっているが、水切り板17の水切り板連結板20がある部位は、取付け板17cと水切り板連結板20の後端部から上方に立設した取付板20bとが共にビス17cを介して躯体K側に固定されるようになっている。
また水切り板17の下面には当て板22が当てがわれ、後述する連結板21のない部位においては、水切り板17と水切り板連結板20とはビス20cを水切り板連結板20側から当て板22に螺入することにより固定され、また連結板21のある部位においては、連結板21、水切り板17、水切り板連結板20は、ビス21aを連結板21側から当て板22に螺入することにより固定されている。
一方、21は補強材15の下端部を水切り板17及び水切り板連結板20に一体的に連結するための連結板であって、該連結板21は、前述したように水切り板連結板20に上側から当接した状態でビス21aによって三者が一体的に固定され、さらに前端縁が上方に突設した連結片21bが形成され、該連結片21bが補強材15の後端側板面15aの内面(前面)に当接するよう嵌入しビス21cによって固定され、後端縁は下方に向けて折曲された係止片21dが設けられ、該係止片21dが前記切欠き17a、20aに嵌入係止するようになっている。
【0015】
叙述の如く構成された本実施の形態において、それぞれシャッターカーテン7が巻取りドラム6に巻装されるシャッターケース3の隣接するブラケット4、5同士が左右に間隙Sを存して配設され、この間隙Sに、シャッターケースに対して下側から吹上げる風が作用した場合にシャッターケースが持ち上がるのを防止するための吹上防止体13を設けているが、該吹上防止体13は、平面視で冂字形をした板状のものであって、その跨部13bが、ブラケット4、5の後面板4a、5aを係止するため躯体Kに固定される係止金具11に後端部が固定される支持金具12の前端部に固定された一体物となっており、これによつて吹上防止体13は、支持金具12、係止金具11を介して躯体Kに支持される構成となっている。そして左右の脚部13cがブラケット4、5の外側対向面にそれぞれ当接していてブラケット4、5の位置決めをすると共に、ブラケット4、5の補強をしている。
しかも脚部13cの下端縁には、ブラケット4、5の下端縁からシャッターケース3の左右方向内方に向けて折曲した支持片4c、5cに下側から当接する折曲部13dが形成され、該折曲部13dに、シャッターケース3の底板面部3cが下側から当接され、さらに該底板面部3cに、隣接ブラケット4、5同士の間隙Sを覆蓋する化粧縁9の底面部9cが下側から当接することで構成される四部材の積層部位を下からビス13eで固定しているため、該部位が強固に補強されることになって確実な吹上防止機能を発揮することができる。
【0016】
そしてこの四部材による積層構造部位において、化粧縁9は底面部9cと折曲片9mとが積層された二枚板構造となっている部位がビス13eにより固定されるから、四部材の積層でありながら五枚板が積層されたものとなってより強度アップされたものとなり、優れた吹上防止構造とすることができる。
【0017】
さらにこのものでは、連窓用の中柱14において、左右のガイドレール8を連結する連結部14aには補強材15が嵌入組込みされているが、該補強材15には前記支持金具12に固定された取付け金具16がさらに嵌入組込みされていてこの連結部14a、補強材15、取付け金具16が前後方向に積層されたものとなり、そしてこの積層部位を後側から螺入するビス16cにより固定されている結果、吹上防止体13が躯体K側に固定される中柱14と一体化されることとなって、吹上防止機能をより高いものにしている。
尚、吹上防止体としては冂字形に形成されたものに限定されず、例えば一枚板状のものであってもよく、要は、室内側端部に、ブラケットの下端縁からシャッターケースの左右方向サイドケース18側に向けて折曲して支持片4c、5cに下側から当接する当接部が形成されたものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、連窓用のシャッターケースにおける吹上防止構造としての利用可能性がある。
【符号の説明】
【0019】
1 シャッター装置
3 シャッターケース
3c 底板面部
4、5、19 ブラケット
4a、5a 後面板
4c、5c 支持片
4d、5d 外側面
6 巻取りドラム
7 シャッターカーテン
8 ガイドレール
9 化粧縁
9c 底面部
11 係止金具
12 支持金具
13 吹上防止体
13c 脚部
13d 折曲部
13e ビス
14 中柱
14a 連結部
15 補強材
16 取付け金具
16c ビス
K 躯体
S 間隙