特許第6498029号(P6498029)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6498029
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】洗浄機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/46 20060101AFI20190401BHJP
【FI】
   A47L15/46 F
   A47L15/46 A
   A47L15/46 E
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-100306(P2015-100306)
(22)【出願日】2015年5月15日
(65)【公開番号】特開2016-193169(P2016-193169A)
(43)【公開日】2016年11月17日
【審査請求日】2017年12月14日
(31)【優先権主張番号】特願2015-72974(P2015-72974)
(32)【優先日】2015年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】兒玉 光司
(72)【発明者】
【氏名】津森 衛
【審査官】 村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−179307(JP,A)
【文献】 特開2006−192006(JP,A)
【文献】 特開2007−244447(JP,A)
【文献】 特開平09−285433(JP,A)
【文献】 特開2007−098112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄タンクに貯留された洗浄水を用いて被洗浄物を洗浄する洗浄工程と貯湯タンクに貯留された濯ぎ水を用いて前記被洗浄物をすすぐ濯ぎ工程とを有する洗浄運転を行い、前記洗浄工程で使用した前記洗浄水及び前記濯ぎ工程で使用した前記濯ぎ水を前記洗浄タンクに回収して前記洗浄工程において再利用する洗浄機であって、
前記洗浄タンクに貯留される洗浄水の汚れ具合の指標が第1規定値に到達したか否か判定する第1判定部と、
前記洗浄運転の稼働状況が閑散状態であるか否かを判定する第2判定部と、を備え、
前記第1判定部によって前記洗浄水の汚れ具合が前記第1規定値に到達したと判定されると共に、前記第2判定部によって前記洗浄運転の稼働状況が閑散状態であると判定された場合に、前記洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを実施する、洗浄機。
【請求項2】
洗浄タンクに貯留された洗浄水を用いて被洗浄物を洗浄する洗浄工程と貯湯タンクに貯留された濯ぎ水を用いて前記被洗浄物をすすぐ濯ぎ工程とを有する洗浄運転を行い、前記洗浄工程で使用した前記洗浄水及び前記濯ぎ工程で使用した前記濯ぎ水を前記洗浄タンクに回収して前記洗浄工程において再利用する洗浄機であって、
前記洗浄タンクに貯留される洗浄水の汚れ具合の指標が第1規定値に到達したか否か判定する第1判定部と、
前記洗浄運転の稼働状況が閑散状態であるか否かを判定する第2判定部と、を備え、
前記第1判定部によって前記洗浄水の汚れ具合が前記第1規定値に到達したと判定されると共に、前記第2判定部によって前記洗浄運転の稼働状況が閑散状態であると判定された場合に、前記洗浄タンクに貯留される洗浄水を排出する、洗浄機。
【請求項3】
前記洗浄水の汚れ具合の指標は、前記洗浄運転の運転時間を積算した積算運転時間及び/又は運転回数を積算した積算運転回数である、請求項1又は2記載の洗浄機。
【請求項4】
前記第2判定部は、前記第1判定部によって前記洗浄水の汚れ具合の指標が前記第1規定値に到達したと判定された前記洗浄運転が終了した時から前記洗浄運転が実施されない時間が規定時間に到達した場合に、前記洗浄運転の稼働状況が前記閑散状態であると判定する、請求項1〜3の何れか一項記載の洗浄機。
【請求項5】
前記第2判定部は、現在の時刻が、予め設定された前記洗浄タンクに貯留される水の入れ替えが許可される入替許可時間帯に属する場合に、前記洗浄運転の稼働状況が前記閑散状態であると判定する、請求項1〜4の何れか一項記載の洗浄機。
【請求項6】
前記現在の時刻が、前記入替許可時間帯が終了する前の所定の終了時間帯であり、かつ、前記洗浄水の汚れ具合の指標と前記第1規定値との差が規定範囲内であるか否かを判定する第3判定部を更に備え、
前記第3判定部によって、前記現在の時刻が前記終了時間帯に属していると判定されると共に、前記差が前記規定範囲内であると判定された場合に、前記洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを前倒しで実施する、請求項5記載の洗浄機。
【請求項7】
前記洗浄水の汚れ具合の指標が前記第1規定値よりも大きな第2規定値へ到達したか否かを判定する第4判定部を更に備え、
前記第4判定部によって前記洗浄水の汚れ具合の指標が前記第2規定値へ到達したと判定された場合には、前記洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを強制的に実施する、請求項1〜6の何れか一項記載の洗浄機。
【請求項8】
前記洗浄タンクに貯留されている洗浄水を排出する排水部と、
前記洗浄タンクに濯ぎ水を供給する給水部と、
前記排水部を制御して前記タンクに貯留されている洗浄水を排出させた後、前記給水部を制御して前記洗浄タンクに前記濯ぎ水を供給させることによって、前記洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを実施する制御部と、
を更に備えている、請求項1〜7の何れか一項記載の洗浄機。
【請求項9】
前記洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えの実施の有無を決定するための各種設定値の入力を使用者から受け付け可能な設定入力部を更に備えている、請求項1〜8の何れか一項記載の洗浄機。
【請求項10】
前記第1規定値に到達前の所定の時間帯である第1時間帯、前記閑散状態であるとの判定によって前記洗浄水の排出が開始される前の所定の時間帯である第2時間帯、及び前記第1時間帯と前記第2時間帯との間の第3時間帯であることをそれぞれ報知する報知部を更に備え、
前記報知部は、前記第1時間帯、前記第2時間帯及び前記第3時間帯において互いに報知方法を変更する、請求項1〜9の何れか一項記載の洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄物を洗浄した洗浄水及び被洗浄物を濯いだ濯ぎ水を回収して洗浄水として再利用する洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食器等の被洗浄物を洗浄した洗浄水及び被洗浄物を濯いだ濯ぎ水を洗浄タンク内に回収し、洗浄水として再利用する洗浄機が知られている。このような洗浄機では、洗浄タンク内の洗浄水の完全な入れ替えが行われないため汚れが蓄積し、これらの汚れの蓄積によって洗浄ノズル又は配管に詰まりが生じるなど、洗浄能力が低下するおそれがあった。
【0003】
このような課題を解決するための洗浄機が特許文献1に開示されている。すなわち、特許文献1には、洗浄運転の時間を積算した積算運転時間及び/又は洗浄運転の回数を積算した積算運転回数が所定値となった場合に、洗浄タンク内の洗浄水を自動的に排出し、排出された洗浄タンクに新たな洗浄水を供給する制御がなされる洗浄機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−179307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の洗浄機では、所定の積算運転時間及び/又は積算運転回数になると、自動的に洗浄タンク内の洗浄水を入れ替える動作が開始されるので、引き続き被洗浄物の洗浄をしたい場合であっても、洗浄水の入れ替え動作が完了するまで待たなければならないことがあった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、洗浄能力の低下を抑制しながらも、洗浄機の使用状況に応じた適切なタイミングで洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えが可能になる洗浄機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の洗浄機は、洗浄タンクに貯留された洗浄水を用いて被洗浄物を洗浄する洗浄工程と貯湯タンクに貯留された濯ぎ水を用いて被洗浄物をすすぐ濯ぎ工程とを有する洗浄運転を行い、洗浄工程で使用した洗浄水及び濯ぎ工程で使用した濯ぎ水を洗浄タンクに回収して洗浄工程において再利用する洗浄機であって、洗浄タンクに貯留される洗浄水の汚れ具合の指標が第1規定値に到達したか否か判定する第1判定部と、洗浄運転の稼働状況が閑散状態であるか否かを判定する第2判定部と、を備え、第1判定部によって洗浄水の汚れ具合が第1規定値に到達したと判定されると共に、第2判定部によって洗浄運転の稼働状況が閑散状態であると判定された場合に、洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを実施する。
【0008】
この構成の洗浄機では、洗浄水の汚れ具合の指標が第1規定値へ到達した場合であってもすぐに洗浄タンクに貯留された洗浄水を入れ替えることはせずに、洗浄運転の稼働状況が閑散状態であると判定された場合にのみ、洗浄タンクに貯留された洗浄水を入れ替える。これにより、洗浄機が短い間隔(高頻度)で繰り返し使用されるような状況では、すぐに洗浄水の入れ替えが実施されることなく、時間をずらして洗浄水の入れ替えが実施される。この結果、洗浄能力の低下を抑制しながらも、洗浄機の使用状況に応じた適切なタイミングで洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えが可能になる。
【0009】
本発明の洗浄機は、洗浄タンクに貯留された洗浄水を用いて被洗浄物を洗浄する洗浄工程と貯湯タンクに貯留された濯ぎ水を用いて被洗浄物をすすぐ濯ぎ工程とを有する洗浄運転を行い、洗浄工程で使用した洗浄水及び濯ぎ工程で使用した濯ぎ水を洗浄タンクに回収して洗浄工程において再利用する洗浄機であって、洗浄タンクに貯留される洗浄水の汚れ具合の指標が第1規定値に到達したか否か判定する第1判定部と、洗浄運転の稼働状況が閑散状態であるか否かを判定する第2判定部と、を備え、第1判定部によって洗浄水の汚れ具合が第1規定値に到達したと判定されると共に、第2判定部によって洗浄運転の稼働状況が閑散状態であると判定された場合に、洗浄タンクに貯留される洗浄水の排出を実施する。
【0010】
この構成の洗浄機では、洗浄水の汚れ具合の指標が第1規定値へ到達した場合であってもすぐに洗浄タンクに貯留された洗浄水を排出することはせずに、洗浄運転の稼働状況が閑散状態であると判定された場合にのみ、洗浄タンクに貯留された洗浄水を排出する。これにより、洗浄機が短い間隔(高頻度)で繰り返し使用されるような状況では、すぐに洗浄水の排出が実施されることなく、時間をずらして洗浄水の排出が実施される。この結果、洗浄能力の低下を抑制しながらも、洗浄機の使用状況に応じた適切なタイミングで洗浄タンクに貯留される洗浄水を排出し、洗浄タンクに水を供給することが可能になる。すなわち、適切なタイミングで洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えが可能になる。
【0011】
本発明の洗浄機では、洗浄水の汚れ具合の指標は、洗浄運転の運転時間を積算した積算運転時間及び/又は運転回数を積算した積算運転回数であってもよい。
【0012】
このような構成の洗浄機では、通常、積算運転時間及び/又は積算運転回数が大きくなるほど、洗浄水の汚れ具合がひどくなる。したがって、この構成の洗浄機では、積算運転時間及び/又は積算運転回数を取得することにより、洗浄水の汚れ具合を直接測定するような高価なセンサ等を設けることなく、精度の高い洗浄水の汚れ具合の指標を得ることができる。
【0013】
本発明の洗浄機では、第2判定部は、第1判定部によって洗浄水の汚れ具合の指標が第1規定値に到達したと判定された洗浄運転が終了した時から洗浄運転が実施されない時間が規定時間に到達した場合に、洗浄運転の稼働状況が閑散状態であると判定してもよい。
【0014】
このような構成の洗浄機では、通常、洗浄運転の稼働状況が閑散状態になると、洗浄運転のサイクル間隔が長くなる。したがって、この構成の洗浄機では、洗浄運転が終了してから洗浄運転が実施されない時間、すなわち待機時間を測定することにより、容易に洗浄運転の稼働状況を判定することができるようになる。
【0015】
本発明の洗浄機では、第2判定部は、現在の時刻が、予め設定された洗浄タンクに貯留される水の入れ替えが許可される入替許可時間帯に属する場合に、洗浄運転の稼働状況が閑散状態であると判定してもよい。
【0016】
なお、現在時刻が入替許可時間帯に属するとの判定は、「洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを許可できる時間帯(入替許可時間帯)」を予め記憶しておき、現在時刻が当該入替許可時間帯に属していることを確認したり、「洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを禁止する時間帯(入替禁止時間帯)」を予め記憶しておき、当該入替禁止時間帯に属していないことを確認したりすることにより判定できる。
【0017】
この構成の洗浄機では、たとえ洗浄水の汚れ具合の指標が第1規定値へ到達したと判定された洗浄運転の終了時から洗浄運転が実施されない時間が規定時間に到達したとしても、現在時刻が入替許可時間帯に属していない場合には、洗浄タンクに貯留されている洗浄水の入れ替えが実施されない。すなわち、洗浄機の使用頻度が高くない時間帯である入替許可時間帯にのみ洗浄タンク内の水の入れ替えを許可することにより、洗浄機が短い間隔で繰り返し使用されるような状況において、洗浄水の入れ替えが実施されることをより確実に回避できるようになる。
【0018】
本発明の洗浄機では、現在の時刻が、入替許可時間帯が終了する前の所定の終了時間帯であり、かつ、洗浄水の汚れ具合の指標と第1規定値との差が規定範囲内であるか否かを判定する第3判定部を更に備え、第3判定部によって、現在の時刻が終了時間帯に属していると判定されると共に、上記差が規定範囲内であると判定された場合に、洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを前倒しで実施してもよい。
【0019】
この構成の洗浄機では、洗浄水の汚れ具合の指標が、第1規定値に近づいている状況、かつ、入替許可時間帯が終了する前の決められた終了時間帯である場合に、洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを前倒しで実施している。入替許可時間帯は、洗浄機の使用頻度が高くない時間帯であり、通常、入替許可時間帯が終了すると洗浄機の使用頻度が高い時間帯となる。この構成の洗浄機では、洗浄機の使用頻度が高い時間帯となる前に、洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを前倒しで実施するので、洗浄機の使用頻度が高い時間帯において、長時間の間、洗浄タンク内の洗浄水の入れ替えがなされない状況を回避することができる。
【0020】
本発明の洗浄機では、洗浄水の汚れ具合の指標が第1規定値よりも大きな第2規定値へ到達したか否かを判定する第4判定部を更に備え、第4判定部によって洗浄水の汚れ具合の指標が第2規定値へ到達したと判定された場合には、洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを強制的に実施してもよい。
【0021】
この構成の洗浄機では、洗浄水の汚れ具合の指標が第2規定値へ到達した場合には、現在の時刻が入替許可時間帯に属するか否かを問わず、強制的に洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを実施している。これにより、洗浄タンクに貯留される洗浄水が過度に汚れることを防止することができる。この結果、より確実に洗浄能力が低下することを抑制できる。
【0022】
本発明の洗浄機では、洗浄タンクに貯留されている洗浄水を排出する排水部と、洗浄タンクに濯ぎ水を供給する給水部と、排水部を制御してタンクに貯留されている洗浄水を排出させた後、給水部を制御して洗浄タンクに濯ぎ水を供給させることによって、洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えを実施する制御部と、を更に備えていてもよい。
【0023】
この構成の洗浄機では、簡易な構成及び制御によって、洗浄タンクに貯留された水の入れ替えを実施することができる。
【0024】
本発明の洗浄機では、洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えの実施の有無を決定するための各種設定値の入力を使用者から受け付け可能な設定入力部を更に備えていてもよい。
【0025】
この構成の洗浄機では、使用者が使用状況に応じた各種設定値の入力が行えるので、より適切なタイミングで洗浄タンクに貯留される洗浄水を入れ替えることが可能になる。
【0026】
本発明の洗浄機では、第1規定値に到達前の所定の時間帯である第1時間帯、閑散状態であるとの判定によって洗浄水の排出が開始される前の所定の時間帯である第2時間帯、及び第1時間帯と第2時間帯との間の第3時間帯であることをそれぞれ報知する報知部を更に備え、報知部は、第1時間帯、第2時間帯及び第3時間帯において互いに報知方法を変更してもよい。
【0027】
この構成の洗浄機では、洗浄機の使用者が、洗浄機の状態を把握することができると共に、洗浄水の排出、すなわち、洗浄水の入れ替えのタイミングを把握することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、洗浄能力の低下を抑制しながらも、洗浄機の使用状況に応じた適切なタイミングで洗浄タンクに貯留される洗浄水の入れ替えが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】一実施形態に係る食器洗浄機の概略構成を示す図である。
図2図1の食器洗浄機の機能構成を示す機能ブロック図である。
図3図1の食器洗浄機における洗浄水の入替制御を示すフローチャートである。
図4】変形例に係る食器洗浄機における洗浄水の入替制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して一実施形態に係る食器洗浄機(洗浄機)について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、必ずしも一致していない。
【0031】
図1に示される食器洗浄機1は、いわゆるドア型食器洗浄機である。ドア型食器洗浄機には、本体部の前面側にドアが設けられたアンダーカウンタ式の食器洗浄機、ドア部が上下に開閉するタイプの食器洗浄機などが含まれる。食器洗浄機1は、ステンレス製の本体ケース2を有する。本体ケース2の内部は、食器(被洗浄物)Dを収容して洗浄を行うための洗浄室Rとして機能する。本体ケース2の左側方には、使用者が運転モードや設定を入力するための操作パネル3が設けられている)。
【0032】
本体ケース2には、洗浄室R内に食器Dを出し入れするためのドア4が取り付けられている。洗浄室R内には、ラックレール(図示せず)が設けられ、このラックレール上に、食器Dが並べられた食器ラック(図示せず)が載置される。
【0033】
洗浄室R内の上部には、放射状に延びる3本のアームからなる上側洗浄ノズル5と、2本のアームからなる上側濯ぎノズル6とがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室R内の下部には、放射状に延びる3本のアームからなる下側洗浄ノズル7と、2本のアームからなる下側濯ぎノズル8とがそれぞれ回転自在に配置されている。これにより、食器ラックに並べられた食器Dには、洗浄工程において上側洗浄ノズル5及び下側洗浄ノズル7によって上下から洗浄水が噴射され、濯ぎ工程において上側濯ぎノズル6及び下側濯ぎノズル8によって上下から濯ぎ水が噴射されるため、食器Dの洗浄及び濯ぎが効率良く行われる。
【0034】
このように構成された洗浄室Rの下方には、洗浄水を貯留する洗浄タンク9が形成されている。この洗浄タンク9には、洗浄水の水位を検知するための水位検知スイッチ10が設けられている。水位検知スイッチ10は、洗浄タンク9内の水位が所定水位Hを超えている場合にONとなり、所定水位H以下の場合にOFFとなるスイッチである。
【0035】
洗浄タンク9の底面9aには、下方に延びる排水管53が接続されている。洗浄タンク9の底面9aから下方に延びる排水管53の途中には、排水用電磁弁(排水部)52が設けられている。排水用電磁弁52は、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)60の制御によって弁の開閉がなされる。マイコン60によって、排水用電磁弁52の弁が開放されることにより、洗浄タンク9に貯留された洗浄水は排水管53を介して外部へ排出され、洗浄タンク9内の洗浄水を完全に排出することができる。
【0036】
洗浄タンク9の側面には、洗浄水吸込管13を介して洗浄ポンプ14が接続されている。洗浄タンク9の洗浄水吸込管13が取り付けられた部分には、ポンプフィルター12が設けられている。洗浄ポンプ14の吐出口には洗浄水吐出管15が接続されている。洗浄水吐出管15は、第1洗浄水吐出管16と第2洗浄水吐出管17とに分岐している。第1洗浄水吐出管16は、上側洗浄ノズル5に接続されている。第2洗浄水吐出管17は、下側洗浄ノズル7に接続されている。
【0037】
食器洗浄機1は、濯ぎ水が貯留される貯湯タンク18を有している。この貯湯タンク18には、外部の給湯器(図示せず)から給湯管21を介して濯ぎ水が供給される。給湯管21には、ストレーナ19及びウォータバルブ20が設けられている。貯湯タンク18内には、温水である濯ぎ水を所定温度に維持するための濯ぎ水ヒータ22と、この濯ぎ水の温度を検知するための水温センサ23とが設置されている。
【0038】
貯湯タンク18には、濯ぎ水吸込管24を介して濯ぎポンプ(給水部)25が接続されている。この濯ぎポンプ25の吐出口には濯ぎ水吐出管26が接続されている。濯ぎ水吐出管26は、第1濯ぎ水吐出管27と第2濯ぎ水吐出管28とに分岐している。第1濯ぎ水吐出管27は、上側濯ぎノズル6に接続されている。第2濯ぎ水吐出管28は下側濯ぎノズル8に接続されている。
【0039】
食器洗浄機1には、外付け用の洗剤供給ポンプ32が取り付けられている。洗剤供給ポンプ32は、洗剤タンク33内に貯留された洗剤を洗浄室Rに供給するためのベローズポンプである。洗剤供給ポンプ32は、洗浄室Rの側壁に接続された洗剤吐出管34と接続され、信号線によりマイコン60に接続されている。洗剤供給ポンプ32は、マイコン60から出力される信号に応じて動作し、接続された洗剤吸込管35から洗剤タンク33内の洗剤を吸い込み、洗剤吐出管34へ所定量の洗剤を吐出する。この洗剤は、洗剤吐出管34の先端に設けられ、洗浄室Rと洗剤吐出管34とを接続する洗剤吐出口36から洗浄室R内に吐出される。洗浄室R内に吐出された洗剤は、洗浄室Rの下方の洗浄タンク9内に流れ込み洗浄水と混入される。
【0040】
食器洗浄機1には、外付け用のリンス剤供給ポンプ37が取り付けられている。リンス剤供給ポンプ37は、リンス剤タンク38内に貯留されたリンス剤を濯ぎ水路に供給するためのものである。リンス剤供給ポンプ37は、第1濯ぎ水吐出管27と連通するリンス剤吐出管39に接続され、信号線によりマイコン60に接続されている。リンス剤供給ポンプ37は、マイコン60から出力される信号に応じて動作し、接続されたリンス剤吸込管40からリンス剤タンク38内の洗剤を吸い込み、リンス剤吐出管39へリンス剤を吐出する。リンス剤は、リンス剤供給ポンプ37によってリンス剤吐出管39から濯ぎ水吐出管26内の濯ぎ水路へ吐出され、濯ぎ水に混入される。
【0041】
食器洗浄機1には、食器洗浄機1における動作全般を制御するマイコン60が内蔵された電装ボックス60Aが設けられている。マイコン60は、集積回路に実装されたコンピュータシステムあるいはプロセッサである。マイコン60は、食器洗浄機1における各種動作を制御する部分であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read OnlyMemory)、RAM(Random Access Memory)など、相互に接続されている。図2に示されるように、マイコン60は、食器洗浄機1における各種制御処理を実行する概念的な部分としての第1判定部61と、第2判定部62と、第3判定部63と、第4判定部64と、入替制御部(制御部)66と、積算部67と、設定記憶部68と、タイマ部69と、を有している。このような概念的な部分は、例えばROMに格納されているプログラムがRAM上にロードされてCPUで実行される。
【0042】
第1判定部61は、洗浄運転の運転回数を積算した積算運転回数N(洗浄水の汚れ具合の指標)の第1規定値(例えば、100回)への到達の有無を判定する。第1規定値は、設定記憶部68に記憶されている。また、第1規定値は、後述する操作パネル(設定入力部)3を介して使用者が入力することができる。
【0043】
第2判定部62は、第1判定部61によって積算運転回数Nが第1規定値に到達したと判定された洗浄運転の終了時から、洗浄運転が実施されない時間が規定時間(例えば、10分)に到達したか否かを判定(洗浄運転の稼働状況が閑散状態であるか否かを判定)する。規定時間は、設定記憶部68に記憶されている。また、規定時間は、後述する操作パネル3を介して使用者が入力することができる。
【0044】
更に、第2判定部62は、前述したとおり、洗浄運転が実施されない時間が規定時間に到達したと判定された場合に、現在の時間が予め設定された入替許可時間帯(例えば、14時〜17時)に属するか否かを判定(洗浄運転の稼働状況が閑散状態であるか否かを判定)する。入替許可時間帯は、設定記憶部68に記憶されている。また、入替許可時間帯は、後述する操作パネル3を介して使用者が入力することができる。
【0045】
第3判定部63は、現在の時刻が、入替許可時間帯が終了する前の所定の終了時間帯(例えば、入替許可時間帯の終了前1時間以内)であり、かつ、積算運転回数Nと第1規定値との差が規定範囲内(例えば、20回以内)であるか否かを判定する。終了時間帯は、入替許可時間帯に対する相対的な時間(例えば、「終了から1時間以内」)として設定してもよいし、絶対的な時間(例えば、「16時〜17時」)として設定してもよい。
【0046】
第4判定部64は、積算運転回数Nが第1規定値よりも大きな第2規定値(例えば、150回)への到達の有無を判定する。第2規定値は、設定記憶部68に記憶されている。また、第2規定値は、後述する操作パネル3を介して使用者が入力することができる。第2規定値は、第1規定値に対する相対的な回数(例えば、「+50回」)として設定してもよいし、絶対的な回数(例えば、「150回」)として設定してもよい。
【0047】
入替制御部66は、第1判定部61によって積算運転回数Nが第1規定値に到達したと判定され、第2判定部62によって洗浄運転が実施されない時間が規定時間に到達したと判定されると共に、現在の時刻が入替許可時間帯に属していると判定された場合に、洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えを実施する。具体的には、入替制御部66は、排水用電磁弁52を制御して洗浄タンク9に貯留されている洗浄水を排出させた後、濯ぎポンプ25を制御して洗浄タンク9に濯ぎ水を供給させることによって、洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えを実施する。
【0048】
また、入替制御部66は、第1判定部61によって積算運転回数が第1規定値に到達していないと判定された場合であっても、第2判定部62によって洗浄運転が実施されない時間が規定時間に到達したと判定されると共に、現在の時刻が入替許可時間帯に属していると判定され、第3判定部63によって、現在の時刻が終了時間帯であると判定されると共に、積算運転回数Nと第1規定値との差が規定範囲内であると判定された場合に、洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えを前倒しで実施する。
【0049】
また、入替制御部66は、第4判定部64によって積算運転回数Nが第2規定値へ到達したと判定された場合には、洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えを強制的に実施する。すなわち、入替制御部66は、第4判定部64によって積算運転回数Nが第2規定値へ到達したと判定された場合には、他の判定部の判定結果に依存することなく、洗浄水の入れ替えを実施する。なお、洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えを強制的に実施する際には、入れ替えの実施が開始される所定時間前に報知部70による報知を行ってもよい。また、報知部70は、例えば、当該入れ替えの実施が開始される所定時間前(例えば、60秒前)からカウントダウン表示をしてもよい。
【0050】
積算部67は、洗浄運転の運転回数を積算した積算運転回数Nをカウントする。本実施形態における運転回数とは、食器Dの洗浄工程及び濯ぎ工程を1サイクルとしたときのサイクルの回数である。なお、積算部67は、運転休止状態や電源OFF状態を挟んでも、上記積算運転回数Nをクリアすることなく積算する。
【0051】
設定記憶部68は、洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えの実施の有無を決定するための各種設定値を記憶する。具体的には、第1規定値(例えば、100回)、規定時間(例えば、10分)、入替許可時間帯(例えば、14時〜17時)、終了時間帯(例えば、1時間以内)、規定範囲(例えば、20回)及び第2規定値(例えば、150回)を記憶する。例えば、設定記憶部68は、ウィークリータイマとして構成されると、曜日及び時間帯を指定して設定することが可能となる。
【0052】
タイマ部69は、1サイクルの運転動作が終了した時から経過時間を計測する。タイマ部69は、1サイクルの運転動作が終了すると同時に、時間の計測を開始する。
【0053】
この食器洗浄機1では、使用者が操作パネル3を操作することで、マイコン60における第1判定部61〜第4判定部64が各種判定を実行する際の各種設定値を設定することができる。各種設定値には、第1規定値、規定時間、入替許可時間帯、終了時間帯、規定範囲及び第2規定値が含まれる。
【0054】
また、食器洗浄機1では、使用者が操作パネル3を操作することで運転の開始や休止、各種の設定が行われる。操作パネル3は、使用者が運転回数などを設定するための設定スイッチ、洗浄水や濯ぎ水の湯温情報その他の情報を表示する表示部、運転コースを切り換えるためのコース切替スイッチ、運転を休止させるための休止スイッチ、電源のON、OFFを切り換える運転スイッチ、洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えの実施の有無を決定するための各種設定値の入力部、及び食器洗浄機1の運転状態を使用者に知らせるための各種表示ランプが設けられている。また、操作パネル3は、警告音や音声アナウンスを出力する音声出力機能を有している。
【0055】
次に、本実施形態における洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替え制御について説明する。食器洗浄機1では、食器Dの洗浄工程及び濯ぎ工程を1サイクルとする洗浄運転が行われる。本実施形態の食器洗浄機1では、1サイクルの運転動作ごとに洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えを実施するか否かの判定(洗浄水の入替制御)がなされている点に一つの特徴を有している。以下、主に、図3のフローチャートを参照しながら、洗浄水の入替制御について説明する。
【0056】
使用者により食器洗浄機1の電源が投入され、洗浄開始ボタンが押されたこと、又は、ドア4が閉められたことを検知するドアスイッチからONされたことを受け付けると、洗剤を含む洗浄水で食器Dを洗浄する洗浄工程(ステップS1)が実施される。具体的には、マイコン60から洗浄開始信号が送出されて洗浄ポンプ14が始動する。これにより、洗浄タンク9内に貯留された洗浄水は、第1及び第2洗浄水吐出管16,17を介して上下の洗浄ノズル5,7に圧送されて、各洗浄ノズル5,7から食器Dに向けて噴射される。
【0057】
食器Dに噴射された洗浄水は、洗浄室Rの下方に流れて洗浄タンク9内に回収される。そして、洗浄ポンプ14により再び洗浄室R内に循環供給される。この洗浄工程中では、洗剤供給ポンプ32が駆動して、洗剤タンク33内の洗剤が洗剤吐出口36から洗浄室R内に吐出され、噴射された洗浄水に混ざって洗浄タンク9に供給される。
【0058】
このような洗浄工程S1が所定時間行われると、濯ぎ工程(ステップS2)が実施される。具体的には、マイコン60から洗浄終了信号が送出されて洗浄ポンプ14が停止し、マイコン60から濯ぎ開始信号が送出されて濯ぎポンプ25が始動する。これにより、貯湯タンク18内に貯留された濯ぎ水は、第1及び第2濯ぎ水吐出管27,28を介して上下の濯ぎノズル6,8に圧送されて、各濯ぎノズル6,8から食器Dに向けて噴射される。濯ぎ工程では、リンス剤がリンス剤供給ポンプ37によって供給される。食器Dに噴射された濯ぎ水は、洗浄タンク9内に回収されて、次回の洗浄工程における洗浄水として使用される。
【0059】
濯ぎ工程S2では、マイコン60は、排水用電磁弁52の弁を所定時間開けるように制御して、濯ぎ工程S2において供給される濯ぎ水と同量の洗浄水を洗浄タンク9から排出させる。具体的には、マイコン60は、洗浄工程S1の終了後、濯ぎポンプ25の始動前に、濯ぎ工程S2において供給される濯ぎ水と同量の洗浄水を洗浄タンク9から排出させる。なお、マイコン60は、濯ぎポンプ25の始動中に、濯ぎ工程S2において供給される濯ぎ水と同量の洗浄水を洗浄タンク9から排出させてもよい。
【0060】
このような濯ぎ工程が所定時間行われると、マイコン60から濯ぎ終了信号が送出されて濯ぎポンプ25が停止し、食器洗浄機1における洗浄運転の1サイクルの動作が完了する。積算部67は、積算運転回数Nをカウントする(ステップS3)。積算部67は、前回の洗浄運転で記憶している積算運転回数に1を加え、新たな積算運転回数Nとして記憶する。
【0061】
食器洗浄機1では、1サイクルの運転動作が終了すると、次に洗浄する食器Dがセットされて、再び1サイクルの運転動作が行われる。このようにして、食器洗浄機1では、主電源がOFFにされるまで、断続的に洗浄サイクル運転が行われる。本実施形態の食器洗浄機1では、1サイクルの運転動作が終了すると同時に、タイマ部69が、1サイクルの運転動作が終了した時を起点とする、洗浄運転が実施されない時間の計測を開始する(ステップS4)。
【0062】
次に、第4判定部64が、積算運転回数Nが第1規定値よりも大きな第2規定値(例えば、150回)に到達しているか否かを判定する(ステップS5)。ここで、積算運転回数Nが第2規定値へ到達している場合(S5:YES)には、入替制御部66は、洗浄タンク9に貯留されている洗浄水の入れ替えを実施する(ステップS12)。すなわち、入替制御部66は、排水用電磁弁52を制御して洗浄タンク9に貯留されている水を排出させた後、濯ぎポンプ25を制御して洗浄タンク9に濯ぎ水を供給させることによって、洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えを実施する。
【0063】
一方、積算運転回数Nが第2規定値未満である場合(S5:NO)には、食器洗浄機1は、第1判定部61が、ステップS3において積算した積算運転回数Nの第1規定値(例えば、100回)への到達の有無を判定する(ステップS6)。ここで、積算運転回数Nが第1規定値未満である場合(S6:NO)には、第4判定部64が、積算運転回数Nと第1規定値との差が規定範囲内(例えば、20回以内、すなわち80回〜99回)であるか否かを判定する(ステップS7)。
【0064】
積算運転回数Nと第1規定値との差が規定範囲内でない場合(S7:NO)には、入替制御部66は、洗浄タンク9に貯留されている洗浄水の入れ替えを実施しないで、洗浄開始信号の送出の有無を監視し(ステップS13)する。食器洗浄機1は、洗浄開始信号が送出されるまで待機し(S13:NO)、マイコン60から洗浄開始信号が送出されると(洗浄開始ボタンが押されたこと、又は、ドアスイッチからONされたことを受け付けると)(S13:YES)、次の洗浄工程を開始する(ステップS1)。タイマ部69における洗浄運転が実施されない時間の計測は、この時点でリセットされる。一方、積算運転回数Nと第1規定値との差が規定範囲内である場合(S7:YES)には、食器洗浄機1は、ステップS8の判定に移行する。
【0065】
ステップS6において積算運転回数Nが第1規定値以上(S6:YES)である場合、及び、ステップS7において積算運転回数Nと第1規定値との差が規定範囲内である場合(S7:YES)、第2判定部62が、第1判定部61によって積算運転回数Nが第1規定値に到達したと判定された洗浄運転の終了時から洗浄運転が実施されない時間が規定時間(例えば、10分)に到達したか否かの有無を判定する(ステップS8)。具体的には、第2判定部62は、ステップS4において計測を開始したタイマ部69の時間が規定時間以上となっているか否かを判定する。
【0066】
タイマ部69によって計測が開始された時間が規定時間以上でない場合(ステップS8:NO)には、入替制御部66は、洗浄タンク9に貯留されている洗浄水の入れ替えを実施しないで、洗浄開始信号の送出の有無を監視し(ステップS13)する。食器洗浄機1は、洗浄開始信号が送出されるまで待機し(S13:NO)、マイコン60から洗浄開始信号が送出されると(S13:YES)、次の洗浄工程を開始(ステップS1)し、タイマ部69における時間の計測をリセットする。
【0067】
一方、タイマ部69によって計測が開始された時間が規定時間以上である場合(S8:YES)には、更に、第2判定部62が、現在の時間が予め設定された入替許可時間帯(例えば、14時〜17時)に属するか否かを判定する(ステップS9)。ここで、現在の時刻が入替許可時間帯に属していないと判定された場合(S9:NO)には、入替制御部66は、洗浄タンク9に貯留されている洗浄水の入れ替えを実施しないで、洗浄開始信号の送出の有無を監視し(ステップS13)する。食器洗浄機1は、洗浄開始信号が送出されるまで待機し(S13:NO)、マイコン60から洗浄開始信号が送出されると(S13:YES)、次の洗浄工程を開始(ステップS1)し、タイマ部69における時間の計測をリセットする。
【0068】
一方、現在の時刻が入替許可時間帯に属していると判定された場合(S9:YES)には、第1判定部61は、ステップS3において積算した積算運転回数Nが第1規定値(例えば、100回)に到達しているか否かを再度判定する(ステップS10)。ここで、積算運転回数Nが第1規定値へ到達している場合(S10:YES)には、入替制御部66は、洗浄タンク9に貯留されている洗浄水の入れ替えを実施する(ステップS12)。
【0069】
一方、積算運転回数Nが第1規定値へ到達していない場合(S10:NO)には、第3判定部63は、現在の時刻が、入替許可時間帯が終了する前の所定の終了時間帯(例えば、入替許可時間帯の終了前1時間以内、すなわち、16時〜17時)であるか否かと、積算運転回数Nと第1規定値との差が規定範囲内(例えば、20回以内、すなわち80回〜99回)であるか否かと、を判定する(ステップS11)。なお、本実施形態では、ステップS5、ステップS6、ステップS7及びステップS10の判定結果から、ステップS11では、積算運転回数Nが第1規定値以下であり、かつ、第1規定値との差が規定範囲内の積算運転回数Nとなる。したがって、ステップS11では、第3判定部63は、現在の時刻が所定の終了時間帯に属しているか否かのみを判定する。
【0070】
ここで、現在の時刻が終了時間帯に属していない場合(S11:NO)には、入替制御部66は、洗浄タンク9に貯留されている洗浄水の入れ替えを実施しないで、洗浄開始信号の送出の有無を監視し(ステップS13)する。食器洗浄機1は、洗浄開始信号が送出されるまで待機し(S13:NO)、マイコン60から洗浄開始信号が送出されると(S13:YES)、次の洗浄工程を開始(ステップS1)し、タイマ部69における時間の計測をリセットする。
【0071】
一方、現在の時刻が終了時間帯に属する場合(S11:YES)には、入替制御部66は、洗浄タンク9に貯留されている洗浄水の入れ替えを実施する(ステップS12)。ステップS12において洗浄タンク9に貯留されている洗浄水の入替を完了すると、積算部67は、積算運転回数Nをゼロにリセットして記憶する。これにより、一連の洗浄水の入替制御が終了する。食器洗浄機1は、次にマイコン60から洗浄開始信号が送出されるまで待機する。
【0072】
次に、上記実施形態の食器洗浄機1の作用効果について説明する。上記実施形態の食器洗浄機1では、積算運転回数Nが第1規定値へ到達した場合であってもすぐに洗浄タンクに貯留された洗浄水を入れ替えることはせずに、積算運転回数Nが第1規定値に到達したと判定された洗浄運転の終了時から洗浄運転が実施されない時間が規定時間に到達した場合にのみ、洗浄タンク9に貯留された洗浄水を入れ替えている。これにより、食器洗浄機1が短い間隔(高頻度)で繰り返し使用されるような状況では、すぐに洗浄タンク9内の洗浄水が入れ替えられることなく、時間をずらして実施される。この結果、洗浄能力の低下を抑制しながらも、食器洗浄機1の使用状況に応じた適切なタイミングで洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えが可能になる。
【0073】
また、上記実施形態の食器洗浄機1では、積算運転回数Nが第1規定値へ到達したと判定された洗浄運転の終了時から洗浄運転が実施されない時間が規定時間に到達したとしても、現在時刻が入替許可時間帯に属していないと洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えが実施されない。すなわち、上記実施形態の食器洗浄機1では、食器洗浄機1の使用頻度が高くない時間帯である入替許可時間帯にのみ洗浄タンク内の水の入れ替えを許可することにより、食器洗浄機1が短い間隔で繰り返し使用されるような状況において、洗浄タンク9内の洗浄水の入れ替えが実施されることをより確実に回避できるようになる。
【0074】
また、上記実施形態の食器洗浄機1では、積算運転回数Nが第1規定値に到達していなくても、積算運転回数Nが第1規定値に近づいている状況、かつ、入替許可時間帯が終了する前の決められた終了時間帯である場合に、洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えを前倒しで実施している。入替許可時間帯は、通常、食器洗浄機1の使用頻度が高くない時間帯であり、入替許可時間帯が終了すると、食器洗浄機1の使用頻度が高い時間帯となる。これにより、食器洗浄機1の使用頻度が高い時間帯となる前に、洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えが前倒しで実施されるので、食器洗浄機1の使用頻度が高い時間帯において、長時間の間、洗浄タンク9内の洗浄水の入れ替えがなされない状況を回避することができる。
【0075】
また、上記実施形態の食器洗浄機1では、積算運転回数Nが第2規定値へ到達した場合には、他の判定部において判定を実施することなく、強制的に洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えを実施している。これにより、洗浄タンク9に貯留される洗浄水が過度に汚れることを防止することができる。この結果、より確実に洗浄能力の低下を抑制することができる。
【0076】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0077】
<変形例1>
上記実施形態の食器洗浄機1では、マイコン60が第1判定部61〜第4判定部64を備えている例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、マイコン60は、第3判定部63及び第4判定部64の両方又は一方を備えない構成であってもよい。以下、第3判定部63及び第4判定部64の両方を備えない場合の入替制御について説明する。
【0078】
変形例1に係る食器洗浄機における洗浄水の入替制御は、図4に示されるように、上記実施形態に係る食器洗浄機1における洗浄水の入替制御から、ステップS5と、ステップS7、ステップS10と、ステップS11とをなくした制御となる。すなわち、ステップS6では、積算運転回数Nが第1規定値未満(S6:NO)である場合には、入替制御部66は、洗浄タンク9に貯留されている洗浄水の入れ替えを実施しないで、洗浄開始信号の送出の有無を監視し(ステップS13)する。食器洗浄機1は、洗浄開始信号が送出されるまで待機し(S13:NO)、マイコン60から洗浄開始信号が送出されると(S13:YES)、次の洗浄工程を開始(ステップS1)し、タイマ部69における時間の計測をリセットする。
【0079】
また、ステップS9では、現在の時刻が入替許可時間帯に属していないと判定された場合(S9:NO)には、入替制御部66は、洗浄タンク9に貯留されている洗浄水の入れ替えを実施しないで、洗浄開始信号の送出の有無を監視し(ステップS13)する。食器洗浄機1は、洗浄開始信号が送出されるまで待機し(S13:NO)、マイコン60から洗浄開始信号が送出されると(S13:YES)、次の洗浄工程を開始(ステップS1)し、タイマ部69における時間の計測をリセットする。一方、現在の時刻が入替許可時間帯に属していると判定された場合(S9:YES)には、入替制御部66は、洗浄タンク9に貯留されている洗浄水の入れ替えを実施する(ステップS12)。上述したステップS以外は、上記実施形態と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0080】
上記変形例1に係る食器洗浄機では、積算運転回数Nが第1規定値へ到達した場合であってもすぐに洗浄タンクに貯留された洗浄水を入れ替えることはせずに、積算運転回数Nが第1規定値に到達したと判定された洗浄運転の終了時から洗浄運転が実施されない時間が規定時間に到達した場合にのみ、洗浄タンク9に貯留された洗浄水を入れ替えている。これにより、食器洗浄機1が短い間隔で繰り返し使用されるような状況では、すぐに洗浄タンク9内の洗浄水が入れ替えられることなく、時間をずらして実施される。この結果、洗浄能力の低下を抑制しながらも、食器洗浄機1の使用状況に応じた適切なタイミングで洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えが可能になる。
【0081】
また、上記変形例1に係る食器洗浄機では、上記実施形態の食器洗浄機1と同様に、積算運転回数Nが第1規定値へ到達したと判定された洗浄運転の終了時から洗浄運転が実施されない時間が規定時間に到達した場合であっても、現在時刻が入替許可時間帯に属していないと洗浄タンク9に貯留される洗浄水の入れ替えが実施されない。すなわち、上記変形例1の食器洗浄機では、食器洗浄機1の非繁忙時間帯を入替許可時間帯として設定することにより、食器洗浄機が短い間隔で繰り返し使用されるような状況において、洗浄タンク9内の洗浄水の入れ替えが実施されることをより確実に回避できるようになる。
【0082】
<変形例2>
上記実施形態の食器洗浄機1及び変形例の食器洗浄機では、マイコン60における第2判定部62が、第1判定部61によって積算運転回数Nが第1規定値に到達したと判定された洗浄運転の終了時からの洗浄運転が実施されない時間が規定時間(例えば、10分)に到達したか否かを判定すると共に、現在の時間が予め設定された入替許可時間帯(例えば、14時〜17時)に属するか否かを判定する例を挙げて説明したが、少なくとも一方の判定を行うようにしてもよい。
【0083】
<変形例3>
上記実施形態の食器洗浄機1及び変形例の食器洗浄機の構成に加え、下記に示す報知部70(図2参照)を備えていてもよい。すなわち、第1規定値に到達前の所定の時間帯である第1時間帯、第2判定部62における閑散状態であるとの判定によって洗浄水の排出が開始される前の所定の時間帯である第2時間帯、及び第1時間帯と第2時間帯との間の第3時間帯であることをそれぞれ報知する報知部70を備えていてもよい。報知部70は、第1時間帯、第2時間帯及び第3時間帯において互いに報知方法を変更してもよい。
【0084】
報知部70の例は、ランプ、表示部、及びブザーなどが含まれる。また、報知方法の例は、ランプであれば、点滅パターン、点滅間隔、点灯色等の点灯状態であり、表示部であれば、表示文字及び表示色などの表示状態であり、ブザーであれば、音量、発停間隔、及び音色等の発音状態である。
【0085】
報知部70は、例えば、第1時間帯、第3時間帯、及び第2時間帯の順番で、使用者の気を強く引くような報知方法となるように、それぞれの時間帯における報知方法を変更してもよい。例えば、ブザーであれば、「第2時間帯>第3時間帯>第1時間帯」の関係となるようなブザーの音量となるように、それぞれの時間帯におけるブザーの発音状態を変更してもよい。
【0086】
このような報知部70を備える変形例3に係る構成では、状況に応じて報知方法が変更されるので、食器洗浄機1の使用者が、食器洗浄機1の状態を把握することができると共に、洗浄水の排出、すなわち、洗浄水の入れ替えのタイミングを容易に把握することができる。
【0087】
また、報知部70は、第2判定部62における閑散状態であるとの判定によって洗浄水の排出が開始される前の所定の時間帯である第2時間帯において、洗浄水の排出が開始されるまでの時間をカウントダウン表示してもよい。例えば、報知部70としての表示部を備え、当該表示部に60秒前からのカウントダウンを表示してもよい。
【0088】
<その他の変形例>
上記実施形態及び変形例では、第1判定部61、第3判定部63及び第4判定部64が、積算部67によって取得される積算運転回数Nに基づいて各種判定を実施する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、洗浄タンク9に貯留される洗浄水の汚れ具合(濁度)を直接測定するセンサ(例えば、洗浄水の透過度を計測する光センサ又は洗浄水の導電率を計測する電極)などを設け、第1判定部61、第3判定部63及び第4判定部64は、当該センサによって取得される測定値に基づいて各種判定を実施してもよい。
【0089】
また、例えば、積算部67は、積算運転回数Nの取得に代えて、洗浄運転の運転時間を積算した積算運転時間を取得し、第1判定部61、第3判定部63及び第4判定部64は、積算部67によって取得される積算運転時間に基づいて各種判定を実施してもよい。なお、本変形例における運転時間とは、洗浄ポンプ14が駆動している時間であり、積算部67は、運転休止状態や電源OFF状態を挟んでも、上記運転時間をクリアすることなく積算する。
【0090】
また、積算部67が積算運転回数N及び積算運転時間の両方を取得し、第1判定部61が積算運転回数N及び積算運転時間の両方に基づいて判定を実施するという構成の食器洗浄機としてもよい。すなわち、第1判定部61は、積算運転時間及び積算運転回数Nの両方の第1規定値への到達の有無を判定してもよい。第3判定部63及び第4判定部64についても、同様である。
【0091】
上記実施形態及び変形例では、使用者が操作パネル3を操作することで、第1規定値、規定時間、入替許可時間帯、終了時間帯、規定範囲及び第2規定値を設定する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、使用者が操作パネル3を操作することで各種設定値を入力設定する構成でなく、初期設定値として設定記憶部68に記憶された値を用いる構成としてもよい。また、各種設定値の設定は、操作パネル3を介する方法だけでなく、各種記憶メディアを介して各種設定値を転送したり、有線又は無線LAN(Local Area Network)などを介して各種設定値を転送したりしてもよい。
【0092】
上記実施形態及び変形例では、第2判定部62が現在の時間が予め設定された入替許可時間帯に属するか否かを判定させるため、設定記憶部68に入替許可時間帯を記憶させる例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、設定記憶部68に「洗浄タンクに貯留される水の入れ替えを禁止する時間帯(入替禁止時間帯)」を記憶させ、第2判定部62に現在の時間が入替禁止時間帯に属していないことを判定させてもよい。この場合であっても、結果的に現在の時間が予め設定された入替許可時間帯に属するか否かを判定することができる。そして、入替制御部66は、現在の時間が入替禁止時間帯に属していると判定された場合、洗浄タンク9内の洗浄水の入れ替えを実施しないようにし、現在の時間が入替禁止時間帯に属していないと判定された場合、洗浄タンク9内の洗浄水の入れ替えを実施してもよい。
【0093】
上記実施形態及び変形例では、排水部の例として、マイコン60の制御によって弁の開閉がなされる排水用電磁弁52を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、排水用電磁弁52の代わりに例えば、排水ポンプを設ける構成としてもよい。
【0094】
上記実施形態及び変形例では、洗浄水の入替制御において、洗浄タンク9に貯留されている全ての洗浄水を入れ替える例を挙げて説明したが、例えば、洗浄タンク9に貯留可能な水量の半分程度の水量(ただし、1サイクル運転での排水量よりは多い水量)を入れ替えられるようにしても調整可能な構成としてもよい。このような構成とすれば、例えば、食器洗浄機1が配備された店舗等の残り営業時間が短い時など、わざわざ洗浄タンク9内の水を全て入れ替える必要がない状況において洗浄水の入れ替えを実施する際に有効である。
【0095】
また、洗浄タンク9に貯留可能な水量の半分程度の水量を入れ替えるような初期設定としてもよい。この場合、上記実施形態で設定された第1規定値(100回)及び第2規定値(150回)の設定値を、それぞれ50回、75回など小さな値に設定し、入替頻度が高くなるようにすることが好ましい。このような設定とすれば、一回の入れ替えに要する時間を短くすることができると共に、上記実施形態及び変形例と同様の洗浄能力を維持することができる。
【0096】
上記実施形態及び変形例では、所定の条件を満たした場合に、入替制御部66が、洗浄タンク9に貯留されている洗浄水の入れ替えを実施する(図3に示すS12参照)例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。入替制御部66は、所定の条件を満たした場合に、洗浄タンク9に貯留されている洗浄水を排出のみを実施して、洗浄タンク9への洗浄水の供給は、例えば、操作パネルによって洗浄水の供給が操作された場合、又は予め設定された時間になったら実施するようにしてもよい。
【0097】
上記実施形態及び変形例では、いわゆるドア型食器洗浄機を例に挙げて説明したが、本願発明は、食器Dを収容するためのラックを搬送しながら洗浄を行うコンベアタイプの食器洗浄機に適用することも可能である。
【0098】
本発明は、上記実施形態及びその他の変形例として記載の内容を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1…食器洗浄機(洗浄機)、3…操作パネル(設定入力部)、9…洗浄タンク、14…洗浄ポンプ、25…濯ぎポンプ(給水部)、52…排水用電磁弁(排水部)、53…排水管、60…マイコン、61…第1判定部、62…第2判定部、63…第3判定部、64…第4判定部、66…入替制御部(制御部)、67…積算部、68…設定記憶部、69…タイマ部、70…報知部。
図1
図2
図3
図4