(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6498056
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】臭素化シクロプロパン類の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07C 17/16 20060101AFI20190401BHJP
C07C 22/00 20060101ALI20190401BHJP
C07C 22/04 20060101ALI20190401BHJP
【FI】
C07C17/16
C07C22/00
C07C22/04
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-129921(P2015-129921)
(22)【出願日】2015年6月29日
(65)【公開番号】特開2017-14124(P2017-14124A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】505127721
【氏名又は名称】公立大学法人大阪府立大学
(73)【特許権者】
【識別番号】301005614
【氏名又は名称】東ソー・ファインケム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】松原 浩
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 泰輔
(72)【発明者】
【氏名】曽我 真一
【審査官】
前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−177373(JP,A)
【文献】
国際公開第2000/005197(WO,A1)
【文献】
米国特許第05750506(US,A)
【文献】
Chemical & Pharmaceutical Bulletin,1983年,31(8),p.2616-2622
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 17/00
C07C 22/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)
【化1】
(式(1)中、R
1は水素、炭素数1〜10の置換されていてもよい直鎖もしくは分岐状アルキル基、または炭素数3〜10の置換されていてもよい環状アルキル基を示す。)または、下記一般式(2)
【化2】
(式(2)中、R
2はフェニル基を示し、任意の位置に置換基を有してもよく、nは1〜10の整数を示す。)で表されるアルコール類
に脂肪族炭化水素類を加え、
テトラヒドロピラン(THP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)又は1,4−ジオキサンに溶解させた臭化水素
と反応させる、
下記一般式(3)
【化3】
(式(3)中、R
1は前記式(1)に同じ。)または、下記一般式(4)
【化4】
(式(4)中、R
2は前記式(2)に同じ。)で表される臭素化シクロプロパン類の製造方法。
【請求項2】
一般式(1)および一般式(3)において、R1が水素原子である、請求項1に記載の臭素化シクロプロパン類の製造方法。
【請求項3】
一般式(1)または一般式(2)で表されるアルコール類に脂肪族炭化水素類を加え、1,4−ジオキサンに溶解させた臭化水素と反応させる、請求項1または請求項2に記載の臭素化シクロプロパン類の製造方法。
【請求項4】
1,4−ジオキサン中の臭化水素濃度が30重量%以下である、請求項3に記載の臭素化シクロプロパン類の製造方法。
【請求項5】
反応温度が−10℃から40℃である、請求項1〜4のいずれかに記載の臭素化シクロプロパン類の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬、農薬、電子材料等の原料あるいは合成中間体として工業的に極めて重要な臭素化シクロプロパン類の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、臭素化シクロプロパン類の製造方法としては、目的化合物と同じ炭素骨格を有するアルコール、すなわちシクロプロピル基を有するアルコール化合物を出発原料とし、様々な臭素化剤を用いてヒドロキシ基を官能基変換することで臭素原子を導入する手法が用いられていた。
臭素化においては、トリフェニルホスフィンと臭素を用いる方法や、三臭化ホウ素を用いる方法が知られている(例えば非特許文献1および非特許文献2参照)。しかしながら、これらの化合物を用いた場合においては大量に副生するリン化合物の除去が必要であったり、もしくは用いるリン化合物自体が高価であったりすることから、工業的に利用するには制約があった。
【0003】
一方、臭素化剤のうち容易に入手可能なものとして臭化水素が挙げられる。しかしながら、臭化水素は常温において気体であることから水溶液もしくは酢酸溶液として用いられることが多く、有機溶媒を利用することが多い有機合成反応において利用するには相関移動触媒を利用する必要があるなどの制約があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ロバート ティー フルビエク(Robert T. Hrubiec)ら、 ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、 49巻、 431〜435頁、 1984年
【非特許文献2】ジョエル ディー ペレティアー(Joelle D. Pelletier)ら、 テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)、 35巻(No.7)、 1051〜1054頁、 1994年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、臭素化シクロプロパン類を製造するにあたり、有機溶媒中において効率的に実施可能な製造方法が求められていた。
本発明の目的は、かかる従来の実状に鑑みて提案されたものであり、従来の方法では製造が困難であった臭素化シクロプロパン類を工業的規模においても安定して得るための製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、臭化水素を原料とし簡便且つ効率よく臭素化シクロプロパン類を工業的スケールで製造し得る製造方法を提供することを目的とし、鋭意研究を行った結果、臭素化剤として予め非プロトン性溶媒に溶解させた臭化水素溶液を用い、シクロプロピル基を有するアルコール類に反応させることで、当該アルコール中のOH基を選択的に臭素で置換した臭素化シクロプロパン類を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0008】
【化1】
【0009】
(式(1)中、R
1は水素、炭素数1〜10の置換されていてもよい直鎖もしくは分岐状アルキル基、または炭素数3〜10の置換されていてもよい環状アルキル基を示す。)または、下記一般式(2)
【0010】
【化2】
【0011】
(式(2)中、R
2はフェニル基を示し、任意の位置に置換基を有してもよく、nは1〜10の整数を示す。)で表されるアルコール類と、
非プロトン性溶媒に溶解させた臭化水素と、を反応させる、
下記一般式(3)
【0012】
【化3】
【0013】
(式(3)中、R
1は前記式(1)に同じ。)または、下記一般式(4)
【0014】
【化4】
【0015】
(式(4)中、R
2は前記式(2)に同じ。)で表される臭素化シクロプロパン類の製造方法に係る。
【発明の効果】
【0016】
本発明の方法によれば、医薬、農薬、電子材料等の有用な原料として、工業的に重要な化合物である臭素化シクロプロパン類を容易にかつ効率よく得ることができるため、本製造法は工業的製造方法として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を実施するに当たり、原料として用いられるシクロプロピル基を有するアルコール類は上記一般式(1)及び(2)で表される。
一般式(1)中、R
1は水素、炭素数1〜10の置換されていてもよい直鎖もしくは分岐状アルキル基、または炭素数3〜10の置換されていてもよい環状アルキル基のいずれかを示す。
【0018】
R
1は具体的に、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基等が挙げられる。また、R
1は本発明の臭素化シクロプロパン類の製造方法に係る反応を阻害しない範囲で置換基を有することもできる。
【0019】
R
1は環状アルキル基でもよく、さらに本発明の臭素化シクロプロパン類の製造方法に係る反応を阻害しない範囲で置換基を有することができる。具体的にはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロプロピル基、1’−メチルシクロブチル基、2’−メチルシクロブチル基、1’−メチルシクロペンチル基、2’−メチルシクロペンチル基、1’−メチルシクロヘキシル基、2’−メチルシクロヘキシル基、3’−メチルシクロヘキシル基、1’ ,1’−ジメチルシクロプロピル基、1’ ,2’−ジメチルシクロプロピル基、1’ ,1’−ジメチルシクロブチル基、1’ ,2’−ジメチルシクロブチル基、1’ ,3’−ジメチルシクロブチル基、2’ ,2’−ジメチルシクロブチル基等が挙げられる。
【0020】
一般式(2)中、R
2はフェニル基を示し、本発明の臭素化シクロプロパン類の製造方法に係る反応を阻害しない範囲で芳香環の任意の位置に置換基を有しても構わない。
R
2は具体的に、フェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基等が挙げられる。
【0021】
上記した一般式(1)または(2)で表されるアルコール類を原料とし、本発明の臭素化シクロプロパン類の製造方法により、一般式(3)または(4)で表される臭素化シクロプロパン類と相互に対応している。具体的には、原料となるアルコール類が一般式(1)、(2)で表される場合、それぞれ、一般式(3)、(4)で表される臭素化シクロプロパン類が得られる。
【0022】
本発明の臭素化シクロプロパン類の製造方法に係る反応は、溶剤の存在下において実施するか、あるいは溶剤を用いずに実施しても構わない。用いられる溶剤としては、具体的に、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン等の直鎖状脂肪族炭化水素類、2−メチルブタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン等の分岐状脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1−クロロプロパン、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1,2−ジクロロブタン、1,3−ジクロロブタン、1,4−ジクロロブタン、2,3−ジクロロブタン、ジブロモメタン、ブロモホルム、四臭化炭素、1,1−ジブロモエタン、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、1,2−ジブロモプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1−ブロモブタン、2−ブロモブタン、1,2−ジブロモブタン、1,3−ジブロモブタン、1,4−ジブロモブタン、2,3−ジブロモブタン等の脂肪族ハロゲン化合物類、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、p−ジブロモベンゼン等の芳香族ハロゲン化合物類、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性の極性の溶剤を用いることができる。なお、本反応における溶媒の使用量は特に制限されないが、本発明の臭素化シクロプロパン類の製造方法に用いられるシクロプロピル基を有するアルコール類に対して重量比で1から100にするのが好ましく、重量比で1から20がさらに好ましい。
【0023】
本発明の臭素化シクロプロパン類の製造方法に係る反応に用いる臭素化剤である臭化水素溶液について、臭化水素を溶解させる溶媒は、臭化水素により分解されなければ特に制限されるものではないが、テトラヒドロピラン(THP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1,4−ジオキサンなどの非プロトン性溶媒を用いるのが好ましく、中でも1,4−ジオキサンが特に好ましい。
【0024】
また、本反応に用いる臭素化剤である臭化水素溶液について、臭化水素の濃度は任意に決めることができるが、反応制御および利便性の観点から臭化水素の濃度が30重量%以下であることが好ましい。
【0025】
本発明の臭素化シクロプロパン類の製造方法に係る臭素化反応は、反応温度−10℃〜40℃で実施可能であるが、0℃〜40℃で実施するのが好ましく、さらに好ましい反応温度は0℃〜25℃である。なお、1,4−ジオキサンの融点は約12℃であるが、臭化水素を溶解させた溶液は1,4−ジオキサンの融点以下の温度に冷却しても固化することなく用いることができる。また、臭化水素を溶解させた1,4−ジオキサン溶液は、その溶液を固化および融解させた場合においてもその濃度に変化は見られず、それら操作前後において同じ臭化水素濃度の溶液として反応に用いることができる。
【0026】
本発明の臭素化シクロプロパン類の製造方法に用いられる臭化水素の使用量は特に制限するものではないが、反応を完結させる為には原料であるアルコール類に対して過剰量でなければならず、1当量〜10当量使用するのが好ましく、さらに好ましくは1.1当量〜2当量である。
【0027】
また、反応器は、大気開放型の反応器、またはオートクレーブ等の密閉系の反応器のいずれも可能であり、反応圧力は、大気圧下、または加圧下のいずれも可能である。
【0028】
本発明の臭素化シクロプロパン類の製造方法にて合成された臭素化シクロプロパン類は、反応終了後の反応液から、ろ過、抽出、蒸留、など常法により分離、精製することができる。なお、ここで述べる蒸留とは、一般的な有機化合物の製造プロセスにおいて実施可能な蒸留操作を指し、その際の蒸留条件は温度、圧力を任意に設定することが可能である。
【実施例】
【0029】
以下、実施例により本発明を説明するが、それらは本発明を限定するものではない。
【0030】
なお、本発明により得られる化合物については、ガスクロマトグラフ分析(以下、「GC分析」と示す)により目的化合物の生成を確認し、またガスクロマトグラフ質量分析(以下、「GC−MS分析」と示す)およびNMR分析により反応生成物を同定した。
[GC分析]
装置:株式会社島津製作所製、GC−2010 Plus(水素炎イオン化検出器付)
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製、キャピラリーカラムNB−5(0.32mmI.D.×30m)
[GC−MS分析]
装置:株式会社島津製作所製、GCMS−QP2010 Plus
カラム:アジレントテクノロジー株式会社製、アジレントJ&WキャピラリーカラムDB−1MS(0.25mmI.D.×30m)
[NMR分析]
装置:日本電子株式会社製、 NMR−ECP−500(500MHz)
測定サンプルの調製方法:内部標準物質として約0.05%のテトラメチルシランを含むクロロホルム−d(99.5%)約0.7mLに試料を溶解し、
1H−NMRを測定した。
【0031】
(実施例1)1−ブロモ−1−シクロプロピルヘキサンの合成
30mLの三口フラスコに撹拌子と温度計を装着し、1−シクロプロピル−1−ヘキサノール0.71g(5.0mmol)、ヘキサン5mLを入れた後に撹拌しながら0℃に冷却した。次に、19%臭化水素/1,4−ジオキサン溶液2.77g(6.5mmol)を滴下し、さらに撹拌を2時間継続した。得られた反応液をエーテルで希釈後洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製をおこなったところ、目的化合物である1−ブロモ−1−シクロプロピルヘキサンが単離収率72%で得られた。
1H−NMR (500 MHz, CDCl
3): δ (ppm) 3.37−3.35 (m, 1H), 1.97−1.95 (m, 2H), 1.50−1.25 (m, 7H), 0.89 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 0.81−0.78 (m, 1H), 0.74−0.71 (m, 1H), 0.40−0.36 (m, 2H);
13C−NMR (125 MHz, CDCl
3): δ (ppm) 64.8, 39.7, 31.2, 27.3, 22.3, 20.6, 14.1, 9.4, 6.9; MS (EI): m/z (relative intensity) 150 (3), 148 (3), 125 (3), 95 (3), 83 (42), 69 (100), 55 (57), 41 (44).
【0032】
(実施例2)1−ブロモ−1−シクロプロピル−3−フェニルプロパンの合成
30mLの三口フラスコに撹拌子と温度計を装着し、1−シクロプロピル−3−フェニルプロパノール0.88g(5.0mmol)、ヘキサン5mLを入れた後に撹拌しながら0℃に冷却した。次に、19%臭化水素/1,4−ジオキサン溶液2.77g(6.5mmol)を滴下し、その後反応液を室温まで昇温し更に撹拌を2時間継続した。得られた反応液をエーテルで希釈後洗浄し、得られた有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製をおこなったところ、目的化合物である1−ブロモ−1−シクロプロピルヘキサンが単離収率85%で得られた。なお、本反応では異性体である1−ブロモ−6−フェニル−3−ブテンが収率7%で生成した。
1H−NMR (500 MHz, CDCl
3): δ (ppm) 7.31−7.19 (m, 5H), 3.34−3.30 (m, 1H), 2.94−2.90 (m, 2H), 2.81−2.77 (m, 2H), 1.34−1.30 (m, 1H), 0.80−0.71 (m, 2H), 0.37−0.34 (m, 2H);
13C−NMR (125 MHz, CDCl
3): δ (ppm) 140.9, 128.4, 128.2, 126.0, 63.3, 41.1, 33.8, 20.5, 9.2, 7.0; MS (EI): m/z (relative intensity) 240 (1), 238 (1), 159 (19), 117 (38), 91 (100), 65 (13).
【0033】
(実施例3)(ブロモメチル)シクロプロパンの合成
30mLの三口フラスコに撹拌子と温度計を装着し、(ヒドロキシメチル)シクロプロパン0.36g(5.0mmol)、クロロホルム5mLを入れた後に撹拌しながら10℃に冷却した。次に、19%臭化水素/1,4−ジオキサン溶液2.77g(6.5mmol)を滴下し、その後反応液を室温まで昇温し更に撹拌を2時間継続した。得られた反応液についてGC分析をおこなったところ、目的化合物である(ブロモメチル)シクロプロパンが収率74%で得られた。なお、本反応では異性体であるブロモシクロブタンが収率9%、4−ブロモ−1−ブテンが収率2%でそれぞれ生成した。
1H−NMR (500 MHz, CDCl
3): δ (ppm) 3.23−3.19 (m, 2H), 1.21−1.14 (m, 1H), 0.66−0.61 (m, 2H), 0.26−0.22 (m, 2H);
13C−NMR (125 MHz, CDCl
3):
δ (ppm) 39.7, 14.3, 7.8; MS (EI): m/z (relative intensity) 108 (2), 106 (2), 55 (100), 53 (7), 41 (5).
【0034】
(比較例1)
実施例1の原料である19%臭化水素/1,4−ジオキサン溶液を33%臭化水素/酢酸溶液1.58gに変え、室温にて反応をおこなった。その結果、目的化合物である1−ブロモ−1−シクロプロピルヘキサンの収率は69%と低下し、さらに異性体である1−ブロモ−3−ノネンが収率6%で得られた。
【0035】
(比較例2)
実施例2の原料である1−シクロプロピル−3−フェニルプロパノールをシクロプロピルベンジルアルコール0.74g(5.0mmol)に変えた以外は、実施例2に記載の方法に準じて反応をおこなった。その結果、目的化合物であるシクロプロピルベンジルブロミドは得られず、異性体である4−ブロモ−1−フェニル−1−ブテンのみが収率100%で得られた。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明により得られるシクロプロピル基を有するアルキルブロミド類は、医薬、農薬、電子材料等の原料あるいは合成中間体として、工業的に極めて有用である。