(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、板部材に挿入されて保持されたモール材取付具に、モール材取付具の弾性によりモール材を装着する場合には、モール材用係合片の先端が確実にモール材のフランジの内側面に対面していなければならない。すなわち、モール材用係合片は、確実に溝孔を抜け出て弾性的に広がっていなければならない。しかしながら、モールの装着時には、モール取付具の先端は、モール材内に挿入されて外部から視認することはできない。このため、モール材を装着する際に、溝孔により互いに近づく方向に圧縮されたモール材取付用係合片が、溝孔を抜き出た際に弾性的に広がったこと、および、モール材が確実に取り付けられたことを視認することができないという課題がある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、面材対向部材を容易に且つ確実に取り付けることが可能な面材ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために本発明の面材ユニットは、面材と、前記面材と対向させて設けられる面材対向部材と、前記面材対向部材を前記面材に固定する固定部材と、を有する面材ユニットであって、前記面材は、前記固定部材が当該面材の一方の面側から他方の面側に挿通される長孔を有し、前記固定部材は、挿通される方向の先端側に前記長孔の長さより短く前記長孔の幅より長い先端係合部と、後端側に前記面材に当接される面材当接部とを有し、前記面材対向部材は、前記長孔を貫通した前記先端係合部が挿入される凹部と、前記凹部の前記面材側の縁に前記先端係合部と係合する被係合部と、を有し、前記固定部材は、前記先端係合部が前記長孔に挿通されて前記凹部に挿入された状態で当該先端係合部の長手方向が前記長孔の幅方向に沿って配置されて前記被係合部と係合し、前記面材当接部が前記面材の前記一方の面側にて前記面材に当接されることにより前記面材対向部材を前記面材に固定することを特徴とする面材ユニットである。
【0008】
このような面材ユニットによれば、先端係合部の長手方向を長孔の長さ方向に沿わせて長孔に挿通させて凹部に挿入し、その状態で先端係合部の長手方向が長孔の幅方向に向くように向きを変更することにより被係合部と係合させることができるので、固定部材の向きが変わったことにより先端係合部が被係合部と係合したことを視認することが可能である。このため、面材対向部材を容易に且つ確実に取り付けることが可能である。
【0009】
かかる面材ユニットであって、前記固定部材は、前記先端係合部と前記面材当接部とを連結する連結部を有し、前記先端係合部は、前記連結部の先端から、前記連結部と交差する方向であって互いに反対方向に延出された2つの延出部を有し、前記延出部の前記面材と対向する面には、当該延出部の周縁部に向かって厚みが薄くなる傾斜部が設けられていることが望ましい。
【0010】
このような面材ユニットによれば、先端係合部の長手方向の向きを長孔の長さ方向から長孔の幅に沿う方向に変更するときには連結部を軸として回転するので、固定部材を回転したときに面材対向部材の被係合部と最初に接触する延出部の部位は、周縁部側の厚みが薄い部位となるため、被係合部と係合しやすい。また、固定部材を回転し続けると被係合部と接触する位置が周縁部から連結部側に移動して厚みが厚くなるので、被係合部が面材側に引き寄せられる。このため、装着しやすい固定部材により、面材と面材対向部材とをより強固に狭持させることが可能である。
【0011】
かかる面材ユニットであって、前記先端係合部は、前記凹部に挿入された状態で前記固定部材が回転されることにより前記被係合部と係合し、前記延出部は、前記固定部材が回転した際に前記面材対向部材の前記凹部を形成する部位と係合して回転を規制する回転規制部を有していることが望ましい。
このような面材ユニットによれば、固定部材を回転させ過ぎて、固定部材および面材対向部材が面材から外れ易くなることを防止することが可能である。
【0012】
かかる面材ユニットであって、前記先端係合部は、前記凹部に挿入された状態で前記固定部材が回転されることにより前記被係合部と係合し、前記連結部は、前記固定部材が回転した際に前記長孔を形成する部位と係合して回転を規制する回転規制部を有していることが望ましい。
このような固定部材によれば、固定部材を回転させ過ぎて、固定部材および面材対向部材が面材から外れ易くなることを防止することが可能である。
【0013】
かかる面材ユニットであって、前記固定部材は、前記一方の面側にて、前記面材対向部材とは別体の他の面材対向部材が嵌合される嵌合部を有していることが望ましい。
このような面材ユニットによれば、単一の固定部材により面材の一方の面と他方の面とにそれぞれ面材対向部材を設けることが可能である。
【0014】
かかる面材ユニットであって、前記面材において、前記先端係合部が前記被係合部と係合する際に当該固定部材が接触する領域は、前記面材対向部材により覆われることが望ましい。
このような面材ユニットによれば、たとえ面材に擦れが生じても面材対向部材により覆われて外部に露出することを防止することが可能である。
【0015】
かかる面材ユニットであって、前記面材の周端部を収容し互いに対向して対をなす枠材を有する枠体を備え、前記面材対向部材は、前記対をなす枠材間に配置される棒状材であり、前記対をなす前記枠材のうちの一方の前記枠材には、前記棒状材の端部が挿入される挿入部が設けられていることが望ましい。
【0016】
このような面材ユニットによれば、対をなす枠材のうちの一方の枠材に、棒状材の端部が挿入される挿入部が設けられているので、枠材に挿入されている側の端部は固定しなくとも面材対向部材を面材に沿わせた状態を維持させることが可能である。このため、面材対向部材が完全に固定されていない仮固定の状態で移動、搬送することができるので、面材ユニットの組み立ての途中において面材対向部材が仮固定状態で姿勢を変えることができる。このため、面材対向部材が仮固定状態の面材ユニットを組み立てやすい姿勢に変更しつつ組み立てることができるので、より容易に面材対向部材を備えることが可能である。
【0017】
かかる面材ユニットであって、前記固定部材は、前記先端係合部が前記被係合部と係合した状態で、前記面材対向部材と間隔をおいて前記面材を保持する面材保持部を有することが望ましい。
【0018】
このような面材ユニットによれば、先端係合部が被係合部と係合した状態で固定部材により面材を保持したとき、すなわち面材の他方の面側に面材対向部材が取り付けられたときに、面材の他方の面と面材対向部材との間には間隔があけられている。このため、例え面材および面材ユニットが振動したとしても、面材の他方の面と面材対向部材との干渉による、きしみなどの音の発生を防止することが可能である。
【0019】
かかる面材ユニットであって、前記他の面材対向部材は、前記面材と間隔をおいた状態で前記嵌合部に嵌合されることが望ましい。
このような面材ユニットによれば、他の面材対向部材は面材に取り付けられた状態で、面材との間に間隔があけられている。このため、例え面材および面材ユニットが振動したとしても、面材と他の面材対向部材との干渉による、きしみなどの音の発生を防止することが可能である。
【0020】
かかる面材ユニットであって、前記他の面材対向部材は、前記長孔の幅方向に互いに間隔をおいて対向する対向壁部を有し、前記固定部材は、前記先端係合部が前記凹部に挿入されて回転され当該先端係合部の長手方向が前記長孔の幅方向に沿う状態で、当該固定部材が回転する際の回転中心を挟むとともに前記長孔の長手方向に互いに間隔をおいて設けられ、前記長孔の幅方向に沿い当該長孔の幅方向における一方の先端に前記対向壁部の間を挿通されて前記対向壁部の先端に嵌合される前記嵌合部と他方の先端に前記対向壁部に当接される当接片とを有する2つの幅方向嵌合片を有し、前記2つの幅方向嵌合片は、前記嵌合部と前記当接片とが互いに異なる側に配置され、前記当接片が前記対向壁部に当接されて前記固定部材が回転する際の回転方向に付勢されることが望ましい。
【0021】
このような面材ユニットによれば、固定部材が有する2つの幅方向嵌合片は、長孔の幅方向における一方の先端に設けられた嵌合部が対向壁部に嵌合すると他方の先端に設けられた当接片が対向壁部に対して当接されて固定部材が回転方向に付勢されるので、固定部材が外れ難い。このため、面材の両面に面材対向部材をより確実に固定することが可能である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、面材対向部材を容易に且つ確実に取り付けることが可能な面材ユニットを提供することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る面材ユニットについて図面を参照して説明する。
本実施形態では、面材ユニットとして、例えば躯体に取り付けられた枠に開閉自在に設けられる引違い障子(以下、障子という)1を例に挙げて2つの実施形態について説明する。
【0025】
以下の説明においては、障子1が枠に取り付けられる状態において上下となる方向を上下方向、左右となる方向を幅方向、室内外方向である奥行き方向を見込み方向として示す。また、障子1の各部位であっても、また、障子1を構成する各部材については単体の状態であっても、障子1が取り付けられた状態で上下方向、幅方向、見込み方向となる方向にて方向を特定して説明する。なお、本実施形態の障子1は、表面と裏面とが同形状をなしているので、以下の説明では、障子1が有する面材の一方の面側を表面側、他方の面側を裏面側として説明する。
【0026】
第一実施形態の面材ユニット10としての障子1は、面材11の周端部が挿入される面材挿入部31a、32a、33aを有する4本の枠材としての框材31、32、33でなる枠体としての框体30と、を有している。尚、第一実施形態では框体30を含む障子1を面材ユニット10の一例としているが、面材ユニットには、必ずしも框体が含まれていなくとも構わない。
【0027】
框体30は、面材11の上端が挿入される上框31と、面材11の下端が挿入される下框32と、面材11の幅方向における側端が挿入される幅方向における両側に位置する縦框33とを有している。面材11の上端が挿入された上框31と面材11の下端が挿入された下框32の、幅方向における両側方から縦框33が装着されて、面材11の側端が縦框33の面材挿入部33aに挿入され、縦框33により上框31および下框32の小口が覆われた状態で、ビスが縦框33側から上框31および下框32に螺合されて面材11が框体30に取り付けられている。
【0028】
上框31には、面材挿入部31aの表面側及び裏面側にそれぞれ後述する組子12の上端が挿入される組子挿入部31bが設けられている。組子挿入部31bは、面材11と対向して取り付けられた組子12の外形形状とほぼ同じ形状をなす切り欠き部であり、面材挿入部31aと繋がって設けられている。
【0029】
第一実施形態の障子1は、周端部が框体30に挿入される面材11と、面材11の一方の面である表面と対向して5本設けられる面材対向部材としての棒状材である組子12と、面材11の他方の面である裏面と対向し表面側の組子12とは別体でなる他の5本の組子12と、各組子12を面材11に固定するための固定部材20とを有している。第一実施形態において、表面側に設けられる組子12と裏面側に設けられる組子12とは同一の形状をなしている。
【0030】
面材11は、例えばポリカーボネート等の合成樹脂製であり、当該面材11と対向して組子12が設けられる部位に、上下方向に長く貫通する長孔11aが、複数設けられている。
【0031】
組子12は、上下方向に沿って配置されるとともに、面材11の表面側および裏面側にてそれぞれ5本ずつ、幅方向に互いに間隔を置いて配置されており、表面側の組子12と裏面側の組子12とは面材11を挟んで互いに対向する位置に設けられている。このため、面材11に設けられる長孔11aは、対向する2本の組子12に対して2つずつ、上下方向に間隔を置いて設けられている。また、各長孔11aは、上下方向に長くなるように設けられている。
【0032】
各々の組子12は、押出成形部材であり、断面がほぼC字状をなしている。すなわち、組子12は、面材11と見込み方向において互いに間隔を置いて配置される対向壁部12aと、対向壁部12aの幅方向の両縁から面材11側にそれぞれ延出された2つの側壁部12bと、2つの側壁部12bの面材11側の縁から互いに対向する側に延出されて面材11と対向するフランジ部12cと、を有している。幅方向における両側の側壁部12bから互いに対向する側に延出されたフランジ部12cの間には、組子12の長手方向に沿うスリット12dが形成されている。すなわち、組子12は、スリット12d側が開放されて対向壁部12a側に窪む凹部12fを有している。幅方向における両側のフランジ部12cは、スリット12d側の縁に面材11と反対方向に突出された被係合部としての突出片12eを有している。
【0033】
固定部材20は、面材11の各長孔11aに挿通されて設けられる。固定部材20は、
図5に示すように、面材11に装着された状態で面材11の表面側に配置される表面部位21と、表面部位21と繋がって面材11を貫通する連結部23と、連結部23の面材11を貫通して裏面側に突出した先端から、連結部23と交差する方向であって互いに反対方向に延出された2つの延出部22aとを有している。2つの延出部22aは裏面側にて組子12と係合する先端係合部22を連結部23の先端部23aとともになしている。
【0034】
固定部材20は、面材11の裏面側にてスリット12dと長孔11aとが重なるように組子12が配置された面材11の表面側から長孔11aおよびスリット12dを挿通して組子12の凹部12f内に先端係合部22が挿入された状態で回転することにより、先端係合部22がフランジ部12cの突出片12eと係合して組子12が固定される。
【0035】
2つの延出部22aは、
図7に示すように、挿入される先端が2つの延出部22aに亘って繋がった1つの平坦な先端平面20aをなしており、固定部材20を表面部位21側から見たときの平面形状が、回転する際の軸中心に対して点対称の形状をなしている。具体的には、各々の延出部22aは延出された先端部、すなわち、先端係合部22の長手方向における先端部が、長手方向と直交する幅方向における中央にて形状が異なり、一方は長手方向とほぼ直交する直線状に形成された平面部22bをなし、他方は円弧をなすように形成された湾曲部22cをなしている。このため、2つの延出部22aは、各々延出された先端部の幅方向における両端のうちの一方が角部をなし、他方が円弧をなすように形成されている。
【0036】
各延出部22aは、連結部23側に先端平面20aと平行な面をなす平坦部22dと、円弧状をなす部位から繋がる先端の直線部および一方の側部に亘る周縁部に向かって先端平面20aとの間隔が狭くなるような傾斜を有する傾斜部22eと、を有している。
【0037】
先端係合部22の長さ、すなわち、2つの延出部22aの先端部間の距離は、面材11に設けられた長孔11aの長さより短く、且つ、組子12に設けられたスリット12dの幅より長く、組子12の側壁部12b間の間隔より僅かに短く形成されている。また、先端係合部22の幅は、面材11に設けられた長孔11aの幅より狭く形成されている。
【0038】
表面部位21は、当該表面部位21側から先端係合部22側に向かって見たときの平面形状が、先端係合部22の幅方向に、当該先端係合部22の幅より外側に突出するように繋がった表面側本体部21aと、表面側本体部21aの、先端係合部22の幅方向における両端部にそれぞれ設けられ、先端係合部22の長手方向の幅が表面側本体部21aより拡幅された第2係合部としての拡幅部21bと、一方の拡幅部21bより、先端係合部22の幅方向における外側に突出されて面材11の表面側に設けられる組子12が嵌合される嵌合部21cと、を有している。
【0039】
表面側本体部21aは、先端係合部22の延出部22aの先端の形状に対応した形状をなしている。具体的には、表面側本体部21aにおいて、先端係合部22の湾曲部22c側となる部位は、先端係合部22の平面部22b側となる部位より、先端係合部22の長手方向において中央側に窪み、先端係合部22の幅方向のおけるほぼ中央にて段差が形成されている。また、段差の部分は、円弧状に繋がるように形成されている。
【0040】
表面側本体部21aの両端に設けられた拡幅部21bの幅は、面材11に設けられた長孔11aの幅より広く形成されており、組子12内の凹部12fに収容可能な大きさをなしている。また、2つの拡幅部21bの長手方向における間隔も面材11に設けられた長孔11aの幅より広く、かつ、スリット12dの幅以下に形成されている。
【0041】
嵌合部21cは、一方の拡幅部21bの先端係合部22側から他方の拡幅部21bと反対側に延出された外側延出部21dの先端に組子12のフランジ部12cと係合可能に設けられている。
【0042】
嵌合部21cは、外側延出部21dの先端において、先端係合部22の長手方向の幅方向における両側からそれぞれ先端係合部22と反対方向に延出された起立部21fと、起立部21fの上端から互いに対向する方向と反対側に斜めに折り返すように延出された弾性部21gとを有し山形状をなしている。この嵌合部21cは、2つの弾性部21gの各外面の最大幅が拡幅部21bの幅より広く形成されており、外力により弾性部21gの先端が起立部21f側に近づくように弾性変形可能である。
【0043】
連結部23は、表面部位21側から先端係合部22側に向かって見たときに、表面側本体部21aの先端係合部22と重なる部位の平面形状が、先端係合部22まで繋がるように形成されている。そして、連結部23において、先端係合部22の長手方向において最大幅をなす2つの側面部23bの距離は、長孔11aの幅より僅かに狭く形成されている。
障子1は、
図6に示すような、以下の手順で組み立てられる。
【0044】
まず、
図6(a)に示すように、面材11の周端部を上框31、下框32、幅方向における両側の縦框33に挿入して接合することにより面材11を框体30に装着する。
【0045】
次に、面材11が装着された框体30を例えば作業台上に載置して、面材11の裏面側に設けられる5本の組子12を面材11上に配置する。このとき、各組子12の一方の端部を上框31の組子挿入部31bに挿入し、組子12のスリット12dが、上下方向に並べて設けられた2つの長孔11a上に位置するように5本の組子12を配置すると共に、他方の端部が下框32に当接するように配置する。
【0046】
次に、
図6(b)に示すように、組子12が載置された框体30の下框32側を作業台5の外に張り出させ、下方から固定部材20の先端係合部22を下框32側の長孔11aおよびスリット12dを通して組子12の凹部12f内に挿入させ、固定部材20を回転させて各組子12の下框32側を面材11に固定する。
【0047】
具体的には、固定部材20は、長手方向が長孔11aの長手方向に沿うように長孔11aおよびスリット12dを通して組子12の凹部12f内に挿入させる。このとき、表面部位21の拡幅部21bが長孔11aの両側に位置して面材11に当接される。すなわち、表面部位21の拡幅部21bが、固定部材20の後端側にて面材11に当接される面材当接部に相当する。
【0048】
次に、先端係合部22の先端が円弧状をなす湾曲部22cが組子12の側壁部12bに近づく方向に固定部材20を回転させる。このとき、
図7に示すように、連結部23も先端係合部22の先端部の形状に対応して湾曲した形状をなしているので、先端係合部22は側壁部12bに、また、連結部23は長孔11aにそれぞれ接触しない。このため、固定部材20は回転し、回転した角度が約90度になると先端係合部22の先端の平面部22bが組子12の両側壁部12bにそれぞれ、僅かな隙間を介して対向し、連結部23の2つの側面部23bは長孔11aの幅方向にて対向する部位にそれぞれ、僅かな隙間を介して対向する。このため、固定部材20を更に回転すると、隙間分だけ回転して先端係合部22の先端の平面部22bが組子12の両側壁部12bにそれぞれ当接されるのでそれ以上回転することはできない。すなわち、先端係合部22の平面部22bと連結部23の側面部23bとが固定部材20の回転を規制する回転機規制部に相当する。
【0049】
固定部材20が回転する際には、最初に先端係合部22の傾斜部22eが組子12のフランジ部12cの突出片12eと接触し、先端係合部22は突出片12eにより面材11から離れる方向に付勢される。このとき、面材11に当接されている拡幅部21bは、面材11をより強く押圧する。そして、固定部材20を回転することにより傾斜部22eの傾斜により押圧力が更に大きくなり、平坦部22dが突出片12eに至ると、面材11と突出片12eとが先端係合部22と拡幅部21bとにより挟持される。
【0050】
次に、
図6(c)、
図6(d)に示すように、5本の組子12が下框32側で固定された框体30を裏返し、上框31側の5つの長孔11aおよびスリット12dを通して既に取り付けられている組子12の凹部12f内に先端係合部22を挿入させて固定部材20を回転させる。この状態で、面材11の上面には10個の固定部材20の表面部位21が突出している。
【0051】
次に、
図6(e)に示すように、新たに5本の組子12を、各々一方の端部を上框31の組子挿入部31bに挿入し、固定部材20の表面部位21の上方から押圧して面材11から突出している固定部材20の表面部位21をスリット12dに挿入させて固定する。このとき、表面部位21が有する嵌合部21cの2つの弾性部21gは、組子12のフランジ部12cにより互いに近づく方向に押圧され、弾性部21gがフランジ部12cを越えて組子12の凹部12f内に挿入された際に、押圧力が開放されて復元し、弾性部21gがフランジ部12cの先端に設けられた突出片12eに係止されて組子12が固定される。
【0052】
第一実施形態の障子1によれば、固定部材20の先端係合部22は、面材11に設けられた長孔11aの長さより短く長孔11aの幅より長い形状をしているので、先端係合部22の長手方向を、面材11の長孔11aの長手方向に合わせることにより、容易に長孔11aに挿通させることが可能である。また、固定部材20は、先端係合部22が長孔11aを貫通して組子12の凹部12fに挿入された状態で回転されることにより面材11および組子12を挟持するので、固定部材20が回転されて向きが変わったことにより先端係合部22が突出片12eと係合したことを視認することが可能である。このため、組子12を容易に且つ確実に取り付けることが可能である。
【0053】
また、固定部材20が回転するときの軸をなす連結部23の先端部23aから互いに反対方向に延出された2つの延出部22aは、周縁部に向かって厚みが薄くなるような傾斜部22eが面材11と対向する面に設けられている。このため、固定部材20を回転したときに組子12の突出片12eと最初に接触する延出部22aの部位は、周縁部の厚みが薄い部位なので、突出片12eと係合しやすい。また、固定部材20を回転し続けると接触する位置が周縁部から連結部23側に移動して厚みが厚くなるので、突出片12eが面材11側に引き寄せられる。このため、装着しやすい固定部材20により、面材11と組子12とをより強固に狭持させることが可能である。
【0054】
また、延出部22aは、固定部材20を回転させた際に、組子12の凹部12fを形成する側壁部12bと係合して回転を規制する平面部22bを有しているので、固定部材20を回転させ過ぎて、固定部材20および組子12が面材11から外れ易くなることを防止することが可能である。また、連結部23は、固定部材20が回転した際に長孔11aを形成する部位と係合して回転を規制する側面部23bを有しているので、固定部材20を回転させ過ぎて、固定部材20および組子12が面材11から外れ易くなることをより確実に防止することが可能である。
【0055】
また、固定部材20は、表面側に設けられる組子12が嵌合される嵌合部21cを有しているので、1つの固定部材20により面材11の両側に組子12を設けることが可能である。
また、固定部材20が回転する際に当該固定部材20が面材11と接触する領域は、組子12により覆われるので、固定部材20を回転させることにより、たとえ面材11に擦れが生じても組子12が取り付けられることにより外部に露出することを防止することが可能である。
【0056】
また、固定部材20により組子12が固定された面材11と、面材11の周端部を収容する框体30と、を備えた障子1を容易に形成することが可能である。
また、上框31に組子12の端部が挿入される組子挿入部31bが設けられているので、組子12の上框31に挿入されている上端側は固定しなくとも面材11に保持させることが可能である。このため、組子12を、より容易に取り付けることが可能な障子1を提供することが可能である。このとき、組子挿入部は、下框に設けられていてもよい。
【0057】
次に、第二実施形態について説明する。以下の説明において、第一実施形態と同一の構成については図中で同符号を付して示し、その説明については省略する。
第二実施形態の面材ユニット10としての障子101は、固定部材40が第一実施形態の固定部材20と相違するが、その他の部材については同一である。
【0058】
第二実施形態の固定部材40は、面材11の各長孔11aに挿通されて設けられる。固定部材40は、
図8、
図9に示すように、面材11に装着された状態で面材11の表面側に配置される表面部位41と、表面部位41と繋がって面材11を貫通する連結部45と、連結部45の面材11を貫通して裏面側に突出した先端から、連結部45と交差する方向であって互いに反対方向に延出された2つの延出部47とを有している。2つの延出部47は裏面側にて組子12と係合する先端係合部50を連結部45の先端部45aとともになしている。
【0059】
第2実施形態の固定部材40において、連結部45と交差する方向に互いに反対方向に延出された2つの延出部47は、各々、表面部位41側にて短く延出された短延出部48と、表面部位41と反対側にて長く延出された長延出部49と、を有している。すなわち、各延出部47は、短延出部48と長延出部49とにより形成される段差を有している。
【0060】
また、先端係合部50の先端平面50aには表面部位41と反対側に向かって平面状に突出させた平突部50bが設けられている。
【0061】
固定部材40は、面材11の裏面側にてスリット12dと長孔11aとが重なるように組子12が配置された面材11の表面側から長孔11aおよびスリット12dを挿通して組子12の凹部12f内に先端係合部50が挿入された状態で回転させることにより、先端係合部50の長延出部49がフランジ部12cの突出片12eと係合して組子12が固定される。このとき、先端係合部50の平突部50bが組子12の内面12gに当接されることにより組子12は、表面部位41からより離れる側にて保持される。
【0062】
2つの延出部47は、固定部材40を表面部位41側から見たときの平面形状が、回転する際の軸中心に対して点対称の形状をなしている。具体的には、各々の延出部47が有する短延出部48及び長延出部49は各々延出された先端部、すなわち、先端係合部50の長手方向における先端部が、先端係合部50の長手方向と直交する幅方向における中央にて形状が異なり、一方は先端係合部50の長手方向とほぼ直交する直線状に形成された平面部48a、49aをなし、他方は円弧をなすように形成された湾曲部48b、49bをなしている。このため、2つの延出部47が有する短延出部48及び長延出部49は、各々延出された先端部の幅方向における両端のうちの一方が角部をなし、他方が円弧をなすように形成されている。
【0063】
各短延出部48及び各長延出部49は、連結部45側に先端平面50aと平行な面をなす平坦部48c、49cと、円弧状をなす部位から繋がる先端の直線部および一方の側部に亘る周縁部に向かって先端平面50aとの間隔が狭くなるような傾斜を有する傾斜部48d、49dと、を有している。
【0064】
先端係合部50の長さ、すなわち、2つの延出部47の先端部間の距離は、面材11に設けられた長孔11aの長さより短く、且つ、組子12に設けられたスリット12dの幅より長く、組子12の側壁部12b間の間隔より僅かに短く形成されている。また、先端係合部50の幅は、面材11に設けられた長孔11aの幅より狭く形成されている。
【0065】
表面部位41は、当該表面部位41側から先端係合部50側に向かって見たときの平面形状が、先端係合部50の幅方向に、当該先端係合部50の幅より外側に突出するように繋がった表面側本体部42と、表面側本体部42の、先端係合部50の幅方向における両端部にそれぞれ設けられ、先端係合部50の長手方向の幅が表面側本体部42より突出された2つの幅方向嵌合片43とを有している。
【0066】
表面側本体部42は、先端係合部50の延出部47の先端の形状に対応した形状をなしている。具体的には、表面側本体部42において、先端係合部50における短延出部48及び長延出部49の湾曲部48b、49b側となる部位は、先端係合部50における短延出部48及び長延出部49の平面部48a、49a側となる部位より、先端係合部50の長手方向において中央側に窪み、先端係合部50の幅方向のおけるほぼ中央にて段差が形成されている。また、段差の部分は、円弧状に繋がるように形成されている。
【0067】
幅方向嵌合片43は各々、先端係合部50の長手方向に沿って設けられており、表面側本体部42と繋がって、先端係合部50の長手方向における一方の先端に突出する板状の長手方向本体部43aと、先端係合部50の長手方向における他方の先端に表面側本体部42より突出させて設けられた嵌合部43bとを有している。2つの幅方向嵌合片43は、長手方向本体部43aと嵌合部43bとの位置が先端係合部50の長手方向において互いに異なる側に位置するように設けられている。より具体的には、先端係合部50の短延出部48及び長延出部49の平面部48a、49a側に嵌合部43bが設けられており、湾曲部48b、49b側に長手方向本体部43aが設けられている。
【0068】
長手方向本体部43aは、先端係合部50の長手方向における先端部には表面側本体部42と反対側の縁に沿って先端側に僅かに突出する当接片43cが設けられている。嵌合部43bは、長手方向本体部43aと表面側本体部42とにわたり先端係合部50と反対の縁側から先端係合部50側に向かいつつ表面側本体部42から離れる方向に延出されており、その先端が面材11の表面側に設けられる組子12に嵌合するように形成されている。
【0069】
幅方向嵌合片43の長手方向における幅は、面材11に設けられた長孔11aの幅より広く形成されるとともに、スリット12dの幅より僅かに大きく形成され、嵌合部43bが弾性変形することによりスリット12dを挿通して、組子12内の凹部12fに収容可能な大きさをなしている。このため、スリット12dを形成する対向壁部としての突出片12e間を嵌合部43bが弾性変形されつつ挿通された表面部位41には、嵌合部43bの弾性により当接片43cが突出片12eに押圧された状態で面材11の表面側に配置される組子12が嵌合される。
【0070】
表面部位41の長手方向本体部43aから表面側本体部42の一部にかけて先端係合部50と反対側に僅かに隆起する隆起部41aが設けられている。このため、面材11の表面側に配置される組子12が表面部位41に嵌合されると、表面部位41の隆起部41aが組子12の内面12gに当接されることにより組子12は、先端係合部50からより離れる側にて保持される。このとき、表面部位41に嵌合された組子12のフランジ部12cは、長手方向本体部43aの先端係合部50側の面43dより表面部位41側に位置している。
【0071】
固定部材40により組子12が面材11に取り付けられた状態では、面材11は、長手方向本体部43aの先端係合部50側の面43dと短延出部48の平坦部48cとの間に挟持されており、各組子12のフランジ部12cと面材11とは接触していない。
【0072】
第二実施形態の障子101の組み立て手順は、第一実施形態の障子1と同様であるが、固定部材40による面材11への組子12の保持構造が相違する。このため、ここでは、固定部材40による組子12の装着方法及び保持構造を説明する。
【0073】
第二実施形態の障子101の場合にも、第一実施形態の障子1と同様に、
図6(b)に示すように、組子12が載置された框体30の下框32側を作業台5の外に張り出させて配置する。作業台5から張り出している部位の下方から固定部材40の先端係合部50を下框32側の長孔11aおよびスリット12dを通して組子12の凹部12f内に挿入させ、固定部材40を回転させて各組子12の下框32側を面材11に固定する。
【0074】
具体的には、
図10に示すように、まず、固定部材40の先端係合部50を、長手方向が長孔11aの長手方向に沿うように長孔11aおよびスリット12dを通して組子12の凹部12f内に挿入させる。このとき、表面部位41が有する2つの長手方向本体部43aが長孔11aの両側に位置して面材11に当接される。すなわち、表面部位21の長手方向本体部43aが、固定部材40の後端側にて面材11に当接される面材当接部に相当する。
【0075】
次に、先端係合部50の先端が円弧状をなす湾曲部48b、49bが組子12の側壁部12bに近づく方向に固定部材40を回転させる。このとき、
図9に示すように、連結部45も先端係合部50の先端部の形状に対応して湾曲した形状をなしているので、先端係合部50をなす長延出部49の湾曲部49bは側壁部12bに、短延出部48の湾曲部48bは突出片12eに、連結部45は長孔11aにそれぞれ接触しない。このため、固定部材40は回転し、回転した角度が約90度になると先端係合部50の先端をなす長延出部49の平面部49aが組子12の両側壁部12bに、また、短延出部48の平面部48aが突出片12eにそれぞれ、僅かな隙間を介して対向し、連結部45の2つの側面部45bは長孔11aの幅方向にて対向する部位にそれぞれ、僅かな隙間を介して対向する。このため、固定部材40を更に回転すると、隙間分だけ回転して先端係合部50の先端をなす長延出部49の平面部49aが組子12の両側壁部12bに、短延出部48の平面部48aが突出片12eにそれぞれ当接されるのでそれ以上回転することはできない。すなわち、先端係合部50の平面部48a、49aと連結部45の側面部45bとが固定部材40の回転を規制する回転機規制部に相当する。
【0076】
固定部材40が回転する際には、先端係合部50をなす長延出部49の傾斜部49dが組子12のフランジ部12cの突出片12eと接触し、短延出部48の傾斜部48dが面材11と接触し、先端係合部50は突出片12eにより面材11から離れる方向に付勢される。このとき、面材11に当接されている長手方向本体部43aは、面材11を押圧する。
【0077】
固定部材40を回転することにより短延出部48の傾斜部48dの傾斜により押圧力が更に大きくなり、短延出部48の平坦部48cと長手方向本体部43aとにより面材11が挟持されることにより固定部材40が面材11に保持される。このとき、先端係合部50の平突部50bが組子12の内面12gに当接されることにより組子12は、表面部位41からより離れる側にて保持されるとともに、長延出部49の平坦部49cが突出片12eと係合して組子12が保持される。またこのとき、長延出部49の平坦部49cと短延出部48の平坦部48cとの段差より突出片12eの方が小さいため組子12のフランジ部12cと面材11の表面との間には間隔がおかれている。すなわち、短延出部48の平坦部48cと長手方向本体部43aとが、先端係合部50が被係合部としての突出片12eと係合した状態で組子12と間隔をおいて面材11を保持する面材保持部に相当する。
【0078】
次に、第一実施形態と同様に、
図6(c)、
図6(d)に示すように、5本の組子12が下框32側で固定された框体30を裏返す。このとき、上框31側の5つの長孔11aおよびスリット12dを通して既に取り付けられている組子12の凹部12f内に先端係合部50を挿入させて固定部材40を回転させる。この状態で、面材11の上面には10個の固定部材40の表面部位41が突出している。
【0079】
次に、第一実施形態と同様に、
図6(e)に示すように、新たに5本の組子12を、各々一方の端部を上框31の組子挿入部31bに挿入する。そして、固定部材40の表面部位41の上方から押圧して面材11から突出している固定部材40の表面部位41をスリット12dに挿入させて固定する。このとき、表面部位41が有する嵌合部43bは、フランジ部12cにより長手方向本体部43aに近づく方向に押圧されて弾性変形しつつ組子12の凹部12f内に挿入され、嵌合部43bの基端部側がフランジ部12cを越えて嵌合部43bが復元しつつ先端側の部位がフランジ部12cの先端に設けられた突出片12eに係合されて組子12が固定される。
【0080】
嵌合部43bが突出片12eに係合された状態で嵌合部43bの弾性により長手方向本体部43aは嵌合部43bと反対方向に付勢され突出片12eに押圧されている。長手方向本体部43aには、
図11に示すように、組子12が嵌合されたときに突出片12eに臨む面の、表面側本体部42と反対側の縁に当接片43cが設けられている。このため、嵌合部43bの弾性により長手方向本体部43aが突出片12eに押圧されると、当接片43cが突出片12eに当接される一方で長手方向本体部43aにおいて当接片43cが設けられていない部位は対突出片12eに近づくように固定部材40が付勢される。長手方向本体部43aは、先端係合部50において湾曲部48b、49bが設けられている側に設けられているので、当接片43cが突出片12eに当接されると、組子12と係合する際に回転させた回転軸を中心に先端係合部50が回転するように付勢される。このとき付勢される方向は、固定部材40が組子12と係合する際に回転させた方向と同じなので、固定部材40に組子12が面材11に、より確実に保持される。
【0081】
更に、表面部位41の長手方向本体部43aから表面側本体部42の一部にかけて設けられた隆起部41aは、組子12の内面に当接されることにより、より組子12は、表面部位41からより離れる側にて保持される。そして、面材11に固定部材40により組子12が取り付けられた状態では、各組子12のフランジ部12cと面材11とは接触していない。
【0082】
第二実施形態の障子101によれば、先端係合部50をなす長延出部49の平坦部49cと突出片12eとが係合した状態で固定部材40により面材11を保持したとき、すなわち面材11の裏面に組子12が取り付けられたときに、面材11の裏面と組子12との間には間隔があけられている。このため、例え面材11および障子101が振動したとしても、面材11の裏面と組子12のフランジ部12cとの干渉による、きしみなどの音が発生することを防止することが可能である。
【0083】
また、面材11の表面側に組子12が取り付けられた状態で、組子12のフランジ部12cと面材11との間にも間隔があけられている。このため、例え面材11および障子101が振動したとしても、面材11の表面と組子12のフランジ部12cとの干渉による、きしみなどの音が発生することを防止することが可能である。
【0084】
また、固定部材40が有する2つの幅方向嵌合片43は、幅方向における一方の先端に設けられた嵌合部43bが突出片12eに嵌合すると他方の先端に設けられた当接片43cが突出片12eに対して当接されて固定部材40が回転方向に付勢されるので、固定部材40が外れ難い。このため、面材11の両面に組子12をより確実に固定することが可能である。
【0085】
また、上記実施形態においては、面材対向部材を、組子12でなる格子とした例について説明したが、面材対向部材は横桟でなる格子や面材に取り付けられる装飾用の部材等であっても良い。
【0086】
また、上記実施形態においては、面材の他方の面側(裏面)に取り付けた面材対向部材と、面材の一方の面側(表面)に取り付けた面材対向部材が、同一形状の組子12である例について説明したが、これに限らず、互いに異なる形状の組子を表面及び裏面に取り付けても構わない。
【0087】
また、上記実施形態においては、面材の両面に組子を備えた例について説明したが、これに限らず、例えば、組子(面材対向部材)は面材おける表裏面のいずれか一方の面側のみに設けられ、固定部材の、面材における表裏面の他方の面側に露出する部位に装飾が施されていても良い。
【0088】
また、上記実施形態においては、引違い障子1を例に挙げて説明したが、これに限らず、引込みや引分け、FIX窓や辷り出し窓用などの戸体であっても構わない。また、FIX窓の場合には、面材11を、躯体に取り付けられる枠体に直接装着しても構わない。
【0089】
また、上記実施形態においては、面材11を合成樹脂製としたがこれに限らず、面材は、例えばガラス板等、一方の面側から他方の面側に挿通される長孔を形成可能であれば構わない。
【0090】
なお、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。