(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明には、多くの異なる形式の実施の形態が可能であるが、本開示は、本発明の原理の例示として考えるべきであり、本発明の広い態様を図示された実施の形態に制限することを意図していないことを了解の上で、本発明の例示の実施の形態が、図面に示され、ここに詳細に説明される。
【0022】
図1は、概して参照番号10により示された容器洗浄システムを示している。この容器洗浄システム10は、概して、ノズルアセンブリ12および真空アセンブリ14を備えている。本発明の1つの例示の実施の形態において、容器洗浄システム10は、典型的に、コンベヤ16と作動可能に関連付けられている。しかしながら、コンベヤ16は、容器洗浄システム10にとって必須ではないことが分かっている。
【0023】
容器洗浄システム10は、より大きな容器加工アセンブリライン1(完全には示されていない)、または容器取扱システム1と共に使用されることが分かっている。容器加工アセンブリライン1は、様々な公知のコンベヤアセンブリ、および飲料ボトルなどの容器を調製し、容器を必要に応じて追加に洗浄し、容器に飲料または液体を充填し、消費に向けたその後の出荷のために容器に蓋をするための他の取扱装置を備えている。容器洗浄システム10を含むアセンブリライン1は、典型的に、毎分600〜800本のボトルの範囲にある、高速で容器を運ぶ。
【0024】
図1〜3に示されるように、容器洗浄システム10は、容器加工アセンブリライン1の一部分に沿って配置されている。容器洗浄システム10は、第1の端部20または入口端20、および第2の端部22または出口端22を有する。以下により詳しく説明されるように、真空アセンブリ14は、入口端20および出口端22を画成する筐体を備えてもよい。アセンブリライン1は、複数の容器Cを入口端20に送達する。次いで、容器洗浄システム10のコンベヤ16は、容器Cを洗浄システム10に通して、出口端22を通り過ぎるように運ぶ。次いで、容器Cは、さらに別の処理のために、アセンブリライン1の他の部分に運ばれる。本発明の1つの例示の実施の形態において、容器Cは、ボトル仕上げ部CFを有し、液体飲料を充填すべき容器開口COを有するボトルである。このボトル仕上げ部CFは、容器Cの外周に延在するネックリングも有してよい。
【0025】
以下により詳しく説明されるように、ノズルアセンブリ12は複数のノズルを有し、真空アセンブリ14は複数の真空部材を有する。1つの単純な形態において、それぞれのノズルには、洗浄モジュール24を形成するために、それぞれの真空部材と作動可能に関連付けられている。詳しくは、ノズル12は真空
アセンブリ14内に配置されており、ここで、真空
アセンブリ14はノズル12を概して取り囲んでいる。洗浄システム10は、本発明の1つの例示の実施の形態において、連続して配列された複数の洗浄モジュール24を使用する。
【0026】
図2および7は、ノズルアセンブリ12をさらに示している。ノズルアセンブリ12は、概して、ノズルマニホールド26およびこのマニホールド26と流体連通した複数の個々のノズル28を備えている。個々のノズル28の内の1つは、適切な電気接続を有するイオン化ノズル30である。
図4および8に示されるように、ノズルマニホールド26は、迅速交換式継手37(
図8)を介して空気供給ホース35を受け取る中央入口開口32を有する。本発明の1つの例示の実施の形態において、複数のノズルは、1つのイオン化ノズル30および7つの高速空気ジェットノズル28を含む8つのノズル24である。あるいは、空気は、複数のノズルの各々がイオン化空気を放出するように、ノズルマニホールド内でイオン化されても差し支えない。ノズル28は、ノズルマニホールド26に沿ってシステム10の入口20とシステム10の出口22から間隔が置かれている。ノズル28は、洗浄システム10に沿ってほぼ等距離に間隔が置かれている。ノズル28、30は、ノズル28の遠位端29が下方に向けられるように配置されている。しかしながら、ノズル28、30はどの方向に向けることもできる。以下により詳しく説明するように、ノズルアセンブリ12は、真空アセンブリ14と作動可能に関連付けられている。それゆえ、ノズルマニホールド26は真空アセンブリ14内に収容され、中央入口開口32は真空アセンブリ14の後方部分の対応する開口内に配置されている。以下により詳しく説明するように、ノズル28は、概して、ノズル中心軸Nを有する。
【0027】
図1〜9は真空アセンブリ14をさらに示す。真空アセンブリ14は、概して、複数の真空部材70を画成する複数の内壁36を有する筐体34を備えている。
【0028】
筐体34は、前壁40、後壁42、第1の端部壁44、第2の端部壁46、上壁48および底壁50を有する。各壁40〜50は互いに接続されて、内部空洞52を形成する。
図4および8に示されるように、後壁42は出口開口54を有する。出口開口54は内部空洞52と連通している。出口開口54は後壁42の頂部に近接して位置付けられ、筐体34は、概して、出口開口54に向かって先細になる。筐体34は、出口開口54を画成する延長部材53を有してもよい。出口開口54は、以下により詳しく記載される迅速離脱式クランプ58を介して真空ホース56(
図8)に接続されている。後壁42は、ノズルマニホールド26を収容するための開口部をさらに有する。前壁40は、筐体34にヒンジ接続された前面アクセスドア60を有し、ドアラッチ62を介して真空アセンブリ14に選択的なアクセスを提供する。
【0029】
図5〜7に示されるように、底壁50は複数の底部開口64を有する。1つの例示の実施の形態において、底部開口64は円形であるが、正方形または矩形などの他の形状も可能である。底壁50は、前壁40と後壁42の遠位端から上方に間隔が置かれている。前壁40と後壁42の遠位端は、洗浄システムの入口20から出口22まで延在する通路66を画成する垂下脚部43を形成する。
図2に示されるように、内壁36が筐体34の内部空洞52内に配置されている。これらの内壁36は複数の真空部材70を画成する。真空部材70は、円形、正方形または矩形を含む様々な断面形状を有してよい。各底部開口64は真空部材の入口72を画成する。各真空部材70は、底部開口64または真空部材の入口72から出口開口54まで延在する通路74を画成するダクトである。真空部材70は互いから隔てられている。その上、真空部材70は、略垂直な向きを有する第1のセグメント70aおよび出口開口54まで延在しそこに収束する傾斜した向きを有する第2のセグメント70bを有する。さらに
図2に示されるように、真空部材70は、それぞれの第2のセグメント70bを通じて出口開口まで延在し、ここで、真空部材70は、出口開口54の形態で共通の出口を共有する。真空部材70は、別々の出口開口並びに垂直の向きだけを有するセグメントを有しても差し支えないことが分かっている。以下により詳しく論じるように、真空部材70は、概して、真空部材中心軸Vを有する。
【0030】
図1、3、8および9に示されたように、支持構造76が筐体34に関連付けられている。この支持構造は、筐体34の一端に接続された第1のアーム78および筐体34の反対端に接続された第2のアーム80を有する。アーム78、80は、アーム78、80に配置されたスロット84と協働する調節ボルト82を通じて筐体34に接続されている。この接続構造により、以下により詳しく説明するように、洗浄システムの高さを調節することが可能になる。支持アーム78、80は、洗浄システム10の筐体34をさらに操作するためのヒンジ式取外し用つまみ86も有する。
【0031】
先に述べたように、ノズルアセンブリ12は、真空アセンブリ14と作動可能に関連付けられている。
図2および5〜7にさらに示されるように、ノズルマニホールド26は筐体の内部空洞52内に配置されている。ノズルマニホールド26の入口32は、後壁42の開口部に配置されている。各ノズル28は、ノズルマニホールド26と連通しており、そこから延在している。各ノズル28は、それぞれの真空部材70内で略垂直な向きに延在しており、ここで、ノズル28は下方に向けられている。それゆえ、真空部材70は、ノズル28の周りに配置されている。さらに、真空部材70は外周を画成し、ここで、ノズルは、真空部材70の外周内に配置されている。ノズル28は、真空部材70の第1のセグメント70a内に延在する。各ノズル28の遠位端29は、各真空部材70のそれぞれの入口72にある底部開口64に近接して位置付けられている。その上、例示の実施の形態において、ノズル28は、真空部材の入口72のほぼ中心に位置付けられている。それゆえ、ノズルの中心軸Nは、真空部材の中心軸Vと略同心または同心である。この構成において、ノズル28は、真空部材70と略同心または同心であると考えられる。ノズル28および真空部材70は、例示の実施の形態において、共通の中心軸を有すると考えられる。真空部材70がまだノズル28を取り囲むまたはその周りに配置されている一方で、中心軸がずれていてもよい、他の構成も可能である。底部開口64が、正方形または矩形などの他の形状を有してもよい実施の形態において、ノズル28は、そのような底部開口内にほぼ中心となるように位置付けられている。これも、同心型構成であると考えてよい。これらの構造は、共通の中心を共有していると考えてよい。
【0032】
内壁36が、真空部材70間の分離を維持するように封止されている、ノズルマニホールド26およびノズル28を収容する適切なアクセス開口を有することが分かっている。
図2にさらに示されるように、イオン化ノズル30は、洗浄システム10の入口20に近接した第1の真空部材70に配置されている。それぞれのノズル28は、同心の様式でそれぞれの真空部材70内に上述したように配置されている。ノズル28の遠位端29は、真空部材の入口72に近接して配置されており、底壁50を越えて延在せず、よって、ノズル28の遠位端29は、真空部材の入口72と実質的に同じ高さに位置付けられている。この遠位端29は、他の実施の形態において、底壁50をわずかに越えて延在または突出しても、もしくはそれより上に位置付けられていても差し支えない。ノズルマニホールド26は、そのような構成を達成するために、筐体34に対して調節することができる。ノズル28に、個別の調節のための構造が設けられていても差し支えない。
【0033】
それぞれのノズル28および真空部材70が洗浄モジュール24を画成すると考えられる。1つの例示の実施の形態において、洗浄システム10は8つの洗浄モジュール24を有し、ここで、8つのノズル28は8つの真空部材70内に位置付けられている。例示の実施の形態において、ノズル28および真空部材70は、共通の連通導管(ノズルマニホールド26、真空出口54)に通じているが、各ノズル28および真空部材70は、互いから隔てられ、別々の空気源と真空源に接続されていても差し支えないことが分かっている。
【0034】
図8にさらに示されるように、真空ホース56が筐体34にある出口開口54に接続されており、この真空ホース56は、真空部材70の全てと流体連通している。真空ホース56は適切な真空源に接続されている。ノズル入口32は、迅速交換式継手37により空気供給ホース35に接続されており、この空気供給ホース35は適切な加圧された圧縮空気源に接続されている。そのような圧縮空気は適切に濾過されていることが分かっている。
【0035】
上述したように、コンベヤ16は、洗浄システム10並びに全体の容器取扱システム1の他の構成部材と作動可能に関連付けられている。
図1〜9に示された例示の実施の形態において、コンベヤ16(
図1)は、軌道アセンブリ90および圧縮空気ダクト92を有する。軌道アセンブリ90は、第2の軌道部材96から間隔が置かれた第1の軌道部材94を備えている(
図3)。軌道部材94、96は、容器の仕上げ部CFを受け取り、支持し、ここで、容器Cのネックリングは、軌道部材94、96に載って進む。軌道部材94、96の間の間隔は、異なるサイズの容器Cを収容するために調節可能である。ダクト92を通じて圧縮空気を容器Cに向ける、圧縮空気源が設けられている。それゆえ、
図1に示されるように、容器Cは、容器Cに向けられた圧縮空気により、矢印の方向に軌道部材94、96に沿って動かされる。
【0036】
図1に示されるように、容器洗浄システム10は、全体の容器取扱システム1の他の構成部材と作動可能に接続されている。容器洗浄システム10は、
図1に示されるように、取扱システム1に沿って配置されている。筐体34の高さは、容器Cが、所望の所定の間隔S(
図9)で洗浄システム10を通過するように、それに応じて設定される。1つの例示の実施の形態において、間隔Sは1/8インチ(約3.2mm)であってよい。この間隔Sは様々であって差し支えない。容器Cが洗浄システム10を通過するためのクリアランスを持たせながら、洗浄モジュール24が容器開口COにできるだけ近くなるように、できるだけ最小の間隔Sを有することが望ましい。取扱システム1から容器Cを受け取り、洗浄システム10から排出される洗浄済み容器Cをさらなる処理のために容器取扱システム1により送達するために、コンベヤ16は、他のコンベヤ部材と作動可能に関連付けられている。コンベヤ16のための圧縮空気源が作動されていることが分かっている。真空ホース56は真空アセンブリの出口54に接続され、真空源が作動される。その上、空気供給ホース35がノズルマニホールド26に接続され、ノズルアセンブリ12のための圧縮空気源が作動される。軌道94、96に沿った容器Cの動作を支援するために最小の勾配を有する筐体34およびコンベヤ16を取り付けられることも分かっている。
【0037】
上述した実施の形態のいずれにおいても、前記ユニットに自動停止スイッチを設けることもできる。そのスイッチには、空気がノズルからシステムに供給されているか否か、または真空部材が吸引力を提供しているか否かを検出するためのセンサを設けることができる。
【0038】
ここで、容器洗浄システムの作動について説明する。取扱システム1およびコンベヤ16を作動させて、容器仕上げ部CFのネックリングが軌道部材94、96に載って進むことにより、容器Cが洗浄システム10の入口20に搬送される。軌道部材94、96は、ノズル28および真空部材70に対して容器Cを垂直に整列するために容器Cのネックに係合するガイドとして働く。容器Cは、容器開口COが上向きになっている直立状態で搬送される。コンベヤ16によって、複数の隣接する容器Cが次々に搬送されることが分かっている。容器Cは、筐体34により画成された通路66(
図9)を通過する。容器Cが最初の洗浄モジュール24に到達したときに、最初のイオン化ノズル30からの圧縮されたイオン化空気が容器開口COを通じて容器Cに噴射される。ノズル30は圧縮空気を下方に向ける。この圧縮空気が容器Cの表面から、外来からの微粒子、汚染物質などを取り除く。イオン化空気はまた、容器Cの内面と外面を中和し、粒子がそれ自体をそれらの内面と外面に過度に付着するのを防ぐ。それと同時に、真空部材70は容器Cに、そのような粒子または汚染物質のいずれも容器Cから離れさせる吸引力を提供する。真空部材70は、その向きに応じて、上方または任意の方向に吸引力を与える。容器Cは、コンベヤ16に沿って洗浄システム10を通るように搬送され続け、ここで、容器Cは、直列に配置された連続した洗浄モジュール24の各々を通過する。したがって、容器Cは、洗浄システム10の洗浄モジュール24の残りの7つのノズル/真空部材より、各ノズル28からの圧縮空気、および真空部材70からの吸引力に施される。洗浄モジュール24の構造は、各ノズル28の周りに作動区域を提供して、外来からの微粒子および汚染物質を直ちに拾い上げ、そのような粒子を真空部材70および真空ホース56に向ける。したがって、外来からの微粒子または汚染物質がノズル28によって容器Cの表面から取り除かれ、それと同時に、真空部材70が、外来からの微粒子のいずれも容器Cに再び付着する前に、外来からの微粒子または汚染物質を容器Cから除去することにより、容器Cは適切に洗浄される。容器Cは、コンベヤ16に沿って、容器取扱システム1の他の部分に搬送されて、充填され、蓋がされ、出荷の準備がなされる。
【0039】
容器Cはシステム10を通じて著しい速度で動くことが分かっている。このシステム10は、毎分600〜800個の容器の速度で容器を洗浄することができ、このとき、容器Cは、コンマ数秒に亘り各洗浄モジュール24にある。圧縮された濾過空気は、様々な圧力で提供して差し支えなく、1つの例示の実施の形態において、圧縮空気は40〜70psi(約280〜480kPa)で提供される。上述したように、所定の間隔Sは、要望どおりに変えることができ、1つの実施の形態において、1/8インチ(約3.2mm)であって差し支えない。調節ボルト82を弛めることによって、筐体34は、スロット84を介して垂直に調節して、間隔Sを変えることができる。システム10を清浄にするまたは修理する場合、筐体34を傾けるために、ノブ86も使用できる。アクセスドア60は、ノズルアセンブリ12を調節するために、保守管理を行うために、もしくはノズルアセンブリ12または真空アセンブリ14を清浄にするために、筐体34への容易なアクセスも提供する。真空ホース56および空気供給ホース35も容易に取り外せる。一般に、洗浄システム10は、要望どおりに、容易にかつ迅速に調節することができる。他のバリエーションにおいて、洗浄モジュール24は、洗浄のために容器Cと共に移動するように設定することができる。
【0040】
図10〜11は、概して、参照番号200により示された、本発明の容器洗浄システムの代わりの実施の形態を開示している。多くの構成部材は、
図1〜9に示された洗浄システムと似ており、参照番号の200番台で類似の参照番号で示される。
【0041】
この実施の形態において、容器洗浄システム200は、概して、
図1〜9に示された容器洗浄システムと同じである。このシステム200は、上述したように、8個の洗浄モジュール24を使用する。この実施の形態において、ベルト駆動式コンベヤ216が、容器Cを洗浄システム200に通して搬送するために設けられている。
【0042】
コンベヤ216は、概して、第1の把持部材291、第2の把持部材293およびモータ295を備えている。これらの構成部材は、概して、床または他の支持表面上に載置されていてよいフレーム297により支持されている。各把持部材291、293は、回転式ベルトおよび周知の他の支持構造を有する。第1の把持部材291は、容器Cを収容するために、第2の把持部材293から所定の距離だけ間隔が置かれている。
図11に示されるように、この間隔は、様々な直径を有する容器を収容するために調節可能である。モータ295は、
図10および図11に示されるように、第1の把持部材291および第2の把持部材293に作動可能に接続されている。洗浄システム200は、容器Cが所望の間隔で洗浄システム200を通過するのに望ましいように、コンベヤ216の上の適切な支持部材により支持されているのが分かっている。
【0043】
作動において、第1と第2の把持部材291、293はモータにより回転される。容器Cは容器取扱システム201から受け取られ、把持部材291、293が容器Cを把持し、この容器Cを洗浄システム200に通して搬送する。洗浄システム200は、上述したように、容器Cを洗浄する。把持部材291、293は、容器Cを、さらに処理するために、容器取扱システム201の他の部分に搬送する。モータ295と、第1の把持部材291および第2の把持部材293との間の作動可能な接続は、一方の把持部材が他方の把持部材に対してより速い速度で回転するようなものであって差し支えないことが分かっている。この様式において、容器Cは、容器Cが洗浄システム200を直線的に通って移動するときに、その中心点の周りに回転される。これは、洗浄プロセスを支援し得る。
【0044】
図12〜14は、概して、参照番号300により示された、本発明の容器洗浄システムの別の代わりの実施の形態を開示している。特定の構成部材は、
図1〜9および
図10〜11に示された洗浄システムと似ており、300番台の類似の参照番号で示される。
【0045】
この実施の形態において、コンベヤ316は、概して、
図10〜11の実施の形態におけるものと同じである。洗浄システム300は、
図1〜9の洗浄システムと似ているが、6個の洗浄モジュール324を使用している。それゆえ、筐体334は、内部空洞352を6つの真空部材370に分割する内壁336を有する。ノズルマニホールド326は圧縮空気を6つの空気ノズル328に供給する。第1の空気ノズル330はイオン化空気ノズルであり、残りの5つのノズルは高速空気ジェットノズルである。各ノズル330は、上述した説明と整合性がとれて、真空部材370内に同心の形態で配置されている。
【0046】
作動において、容器Cは、
図11〜12のコンベヤと類似の様式で作動するコンベヤ316により、洗浄システム300に通して搬送される。洗浄システム300も類似の様式で作動し、ここで、ノズルアセンブリ312は下向きに空気を供給し、一方で、真空アセンブリ314は、ボトルの向きに応じて、上向きに吸引力を供給する。容器Cは、各洗浄モジュール324を通り過ぎ、次いで、さらに処理するために、容器取扱システム1の追加の部分に向けられる。
【0047】
図15は、例示の容器洗浄システム1010の別の配置を示している。この容器洗浄システム1010には、概して、圧縮空気を供給する任意の機械式装置などの空気源(図示せず)、ボトルを空気清浄するための清浄システム1020、洗浄動作を実行するための電気制御パネル(図示せず)、および望ましくない粒子を除去し、空気を循環させるための真空システム1100が設けられている。
【0048】
清浄システム1020は、ボトル1040がシステム1010を通して運ばれているときに、それらの内部を清浄にするために設けられている。容器洗浄システム1010は、ボトル1040をコンベヤ設備内に維持して、ボトル1040を、毎分約800個のボトルの非常に高速で各ステーションを通過させられる、
図15に点線で示された、一連のガード1024を備えることもできる。
【0049】
ボトル1040を清浄システム1020に通して移送するために、コンベヤ設備1012および大型滑車輪1014が設けられている。ボトル流路は、
図15に示された矢印の方向にしたがう。ボトル1040が洗浄システム1010を通過するときに、ボトル1040は、概して逆さまの位置に反転され、
図15に示されるように、ボトルの開口が下向きになっている。しかしながら、ボトル1040および洗浄システム1010は、どのような所望の様式に向けることもできる。ボトル1040は、指グリッパー1309によりコンベヤ設備1012内に保持することができる。そのような指グリッパー1309は、例えば、バージニア州リンチバーグ所在のAmbec, Inc.から市販されている。容器を搬送する他の方法も考えられる。例えば、ネックグリッパー、コンベヤ、ロープを、単独で、またはガイドレールまたはガードと組み合わせて使用しても差し支えない。エアダクト1019が設けられ、一連のダクトを通じて、空気清浄システム1020から空気を吸い出すためのブロワー(図示せず)につながる。
【0050】
空気清浄システム1020は、筐体1022により実質的に取り囲まれ、システム1020内に空気流を実質的に平衡に維持する囲いを提供する。その一方が
図16Aに示されている、2つの開口が、囲い1022の長手方向の両端に配置されており、これらの開口は、ボトル1040の通過を可能にするのに必要である。
図16Bに示されるように、囲い1022には、2つのプレキシガラスドア1340Aおよび1340Bを設けることができる。これらのプレキシガラスドア1340Aおよび1340Bには、システムを保守するために囲い1022の内部区域に容易にアクセスするために設けられている、ハンドル型取っ手1342Aおよび1342Bを設けることができる。
【0051】
洗浄システム1010には、容器1040に空気を供給するための空気源を設けることができる。望ましくない粒子を空気から濾過するために、HEPAフィルタを空気源の入口と出口に配置することができる。供給空気から微生物を排除するために、空気源の入口に0.3μ(99.9%の効率)のHEPAフィルタまたは前濾過アセンブリを加えても差し支えなく、空気源からの予測できない破片の予防対策として、空気源の出口に0.5μ(99%の効率)のHEPAフィルタを加えても差し支えない。ここに開示された実施の形態に、当該技術分野に公知のどのような空気源を設けても差し支えない。
【0052】
ノズル
1301に、ノズルマニホールド1303内の内部イオン化ユニットを設けても差し支えなく、このユニットは、空気がノズルから出る前に、空気をイオン化するように構成することができる。ノズルアレイ1300をノズルマニホールド1303に搭載しても差し支えない。
図16Aおよび16Bに示されるように、ノズルアレイの高さは、高さ調節スクリュー1326によって上下に調節することができる。空気ノズルアレイは、調節可能なブラケット1328に取り付けられており、このブラケットは、ノズルアレイ1300の高さをボトル1040およびグリッパー1309に対して調節するためのスロット1330およびガイドピン1332を有している。
【0053】
空気源からの空気は空気イオン化ユニットに曝露され、このユニットが、通過している容器からの粒子の除去を支援するために空気をイオン化する。空気がイオン化された後、その空気はノズルに向けられる。この配置から観察できるように、空気は、ノズルに到達しそこから出る前にイオン化される。これにより清浄作用が向上し、信頼性のある耐久性のイオン化空気源が作り出され、保守が容易なシステムが作り出される。
【0054】
再び
図15、16Aおよび16Bを参照すると、洗浄システム1010に、ボトル1040がコンベヤ1012上を移動するときに、それらのボトルから望ましくない粒子を吸い込むための真空システム1100を設けることもできる。真空システム1100は真空パン1101を備え、この真空パンは、ボトルの通路の下部と、
ノズルアレイ1300の下部に延在する。真空パン1101は実質的に、
図16Bに示されるように、ボトル通路の進行方向に狭くなっていく樋の形態にある。この樋は、中心に配置された長手部分に沿って、折り曲げられ、イオン化ノズル1301に隣接した直下の地点で、例えば、スクリュー1102によって真空ダクト1104に接続され、このダクトは、1つの実施の形態において、
図16Aに示されるような円筒形態にある。真空システム1100に、2つの肘型マニホールドまたは真空マニホールド1108を設けても差し支えなく、それらのマニホールドの各々は、吸引入口1106を有している。真空マニホールド1108は、そのシステムから望ましくない粒子を吸い込むために、マニホールド1303の両側に配置されている。
図16Bに示されるように、真空マニホールド1108には、筐体1022の内部の吸込み区域を拡大するための分岐部分1110を設けても差し支えない。
【0055】
真空ダクト1104はダクト1019(
図15に示されている)に接続されており、このダクトは、中にノズルアレイ1300が収容されている筐体1022内の環境に吸引力または真空力を提供する真空源または空気源(図示せず)と流体連通している。真空源により作動する真空システム1100は、ボトル1040の表面から吸引入口1106を通じて除去された、浮遊しているイオン化塵埃または他の粒子と共に、筐体1022内の空気を連続的に排気する。真空システム1100は、ボトル1040の表面から除去された、浮遊しているイオン化塵埃または他の粒子を除くのを支援するのに加え、洗浄システム1010から汚れた空気を除去するのも支援する。
【0056】
1つの実施の形態において、真空により除かれた空気は、HEPAフィルタにより濾過し、空気源に戻すように再循環させ、次いで、清浄プロセスにおいてボトル1040を洗浄するのに使用するためにノズルアレイ1300に提供できるという点で、真空システム1100は、閉じたループシステムの一部を形成することができる。別の例示の実施の形態において、Daytonモデル2C940ブロワーなどの別個の真空源を使用しても差し支えない。いずれの場合でも、その真空源の入口は、真空ダクト1019に取り付けられる。
【0057】
電気制御パネルはプラントのPLCと相互作用し、このPLCは、特定のボトルサイズおよびコンベヤの速度に応じて、空気源を最適なファン速度で作動させることができる。その上、電気制御パネル(図示せず)は、オペレータ制御を提供するために、ボトル清浄
システム1020内のノズルアレイ1300に配列されたノズルに電気的に接続されている。
【0058】
洗浄システム1010に、清浄性能を確実にするために、主要な位置にセンサが設けられている。このシステムにおいてエラー、例えば、低い空気圧、不適切な濾過、または機能しないイオン化装置を検出した際に、このシステムは、オペレータに警報を与えるように構成でき、作動を停止するように構成できる。上述した実施の形態のいずれにおいても、真空部材またはノズルに接続されたセンサのいずれかが、それぞれ、吸引力の欠如または空気圧の欠如を検出した場合、そのシステムは、自動停止スイッチを通じて、自動的に停止する。
【0059】
作動中、清浄システム1020は、ボトル1040が洗浄システム1010を通って運ばれながら、それらのボトルの内部を清浄にする。ボトル1040は、各ボトル1040が様々なステーション、例えば、ボトル把持ステーション(図示せず)およびボトル清浄
システム1020を横切るように、洗浄システム1010を通して運ばれる。コンベヤ設備1012は、ボトルの通路が矢印の方向にしたがうようにボトル1040を移送し、ボトルの通路が大型の滑車回転ホイール1014の周りを通過した結果、ボトル1040は、概して、逆さまの位置に反転され、開口が
図15のボトル1040に示されるように下を向いている。ボトル1040は、指グリッパー1309(
図16Aに示されている)によりコンベヤ設備内に保持されることが好ましい。ボトル1040が清浄システム1020を通過するときに、ノズルアレイ1300のノズル1301によって、空気がボトル1040内部に向けられる。これには、ボトル1040の内部に位置するどのような粒子も排出するという効果がある。ノズルを出る空気の圧力は、空気源で調節することができ、当該技術分野に公知のどのような適切な方法によって操作しても差し支えない。清浄にされているボトルのタイプおよび/またはサイズに基づいて、空気の圧力をカスタマイズすることが望ましいかもしれない。
【0060】
筐体1022内の空気を連続的に排気する真空システム1100は、ボトル1040から除去された、どのような浮遊しているイオン化塵埃または他の粒子も排出する。その結果、筐体1022内の空気に同伴されたままとなっているボトル表面から取り除かれた小さい粒子は、ボトル環境から排出され、脱イオン化された場合に、表面に再び付着することはもはやできない。その上、負圧がシステムに亘り維持されるように、真空を印加しても差し支えない。このことは、汚れた空気が、システムを取り囲む環境中に吹き飛ばされるのを防ぎ、汚れた空気が、周囲の環境と設備を汚染するのを防ぐ。
【0061】
本開示の容器洗浄システムは、いくつかの利点を提供する。この容器洗浄システムは、空のボトルを空気洗浄するために、従来の空気システムよりずっと少ない電気エネルギー(従来の電気エネルギーの半分未満)しか利用しない。そのシステムは、堅牢であり、ボトル詰め操作の停止時間をより短くし、以前から存在するシステムよりも保守が少なくても済む。
【0062】
その上、このシステムは、水系システムまたは空気/水併用システムとは対照的に、空気のみのシステムであるので、そのシステムでは、水および電気などの天然資源をより少なくしか使用しない。この洗浄システムでは、施設空間について設置面積が小さくなり節約となる。以前の設計では、より大きい設置面積および数の多い構造と構成部材が必要であった。設計により、ノズルを、ボトル仕上げ向上洗浄設備の近くに配置することができる。筐体およびコンベヤを含むシステムの構成部材は、容易に調節できるので、異なるサイズのボトルについて、システムの迅速な転換が達成される。イオン化空気ノズルを使用することにより、容器の内面と外面の両方の静電荷が中和される。全体的に、単純化された構造と操作のために、前記洗浄システムは、製造する、操作する、および保守するのにそれほど費用がかからない。
【0063】
上述した実施の形態のいずれにおいても、真空部材またはノズルに接続されたセンサのいずれかが、それぞれ、吸引力の欠如または空気圧の欠如を検出した場合、そのシステムは、自動停止スイッチにより自動的に停止する。
【0064】
例示の実施の形態の先の開示および説明の恩恵を考えると、ここに開示された本発明の一般原理にしたがって、数多くの代わりの異なる実施の形態が可能であることが当業者に明白である。当業者には、そのような様々な改変および代わりの実施の形態の全てが、本発明の真の範囲および精神に含まれることが理解されよう。付随の特許請求の範囲は、そのような改変および代わりの実施の形態の全てを網羅することが意図されている。本開示および以下の特許請求の範囲における単数形の使用は、特別な場合において、その用語は具体的に1つおよびたった1つを意味することが意図されていない限り、「少なくとも1つ」を意味する特許において伝統的な手法にしたがうことを理解すべきである。同様に、「含む」という用語は、無制限であり、追加の項目、特徴、構成部材などを排除するものではない。