特許第6498172号(P6498172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6498172
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】情報提供装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/51 20060101AFI20190401BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20190401BHJP
【FI】
   H04M3/51
   G06Q50/10
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-222512(P2016-222512)
(22)【出願日】2016年11月15日
(65)【公開番号】特開2018-82270(P2018-82270A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2018年3月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398018021
【氏名又は名称】株式会社アドバンスト・メディア
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】大柳 伸也
(72)【発明者】
【氏名】高木 泰之
(72)【発明者】
【氏名】新井 政悟
(72)【発明者】
【氏名】山田 愛
【審査官】 田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−119634(JP,A)
【文献】 特開2012−212374(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/088815(WO,A1)
【文献】 特開2005−025665(JP,A)
【文献】 特開2000−172403(JP,A)
【文献】 特開2008−211271(JP,A)
【文献】 特開2008−187409(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0122202(US,A1)
【文献】 特開2015−141428(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/127592(WO,A1)
【文献】 KPIとVOCの活用レベルを向上する“見える化ソリューション”の威力,Computer TELEPHONY,日本,株式会社リックテレコム,2008年 3月20日,第11巻 第4号,p.36〜39
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
H04M 3/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオペレータの座席のレイアウトを第一拡大率で表す第一画像であって、第1オブジェクト群で各前記オペレータの大略的な業務状況が表現されると共に各前記座席が前記第1オブジェクト群を用いて構成された第一画像を生成する第一情報生成部と、
前記第一拡大率よりも大きな第二拡大率で前記レイアウトを表す第二画像であって、前記第1オブジェクト群よりオブジェクト数が多い第2オブジェクト群で各前記オペレータの詳細な業務状況が表現されると共に各前記座席が前記第2オブジェクト群を用いて構成された第二画像を生成する第二情報生成部と、
ユーザにより指定された前記第一画像または前記第二画像を、前記複数のオペレータの座席のレイアウトを含む表示単位毎に表示する表示部と、を備えた、
情報提供装置。
【請求項2】
前記情報提供装置は、前記表示部に表示中の前記第一画像または前記第二画像において座席が選択されると、対応するオペレータについて更に詳細な業務状況が前記第1および第2オブジェクト群よりオブジェクト数が多い第3オブジェクト群で表現された第三画像を生成する第三情報生成部を、さらに備え、
前記表示部は、前記表示部に表示中の前記第一画像または前記第二画像に、前記第三画像を合成表示する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記第三画像の所定オブジェクトが選択されると、対応するオペレータと顧客との音声通話を表す音声情報を再生する再生制御部をさらに備えた、
請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
各前記オペレータと顧客とのやり取りを表すテキスト情報がテキスト記憶装置に記憶されている場合、前記第三情報生成部は、前記第三画像の所定オブジェクトが選択されると、対応するオペレータと顧客との音声通話を文字で表すテキスト情報を前記テキスト記憶装置から取得し第三画像に追加する、
請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記第三画像は、ポップアップ画像とウィジェット画像とを含み、
前記ポップアップ画像は、前記第一画像または前記第二画像における座席が指定されている間表示され、
前記ウィジェット画像は、前記第一画像または前記第二画像における所定オブジェクトが指定されてから、自身における所定オブジェクトが指定されるまで表示される、
請求項2〜4のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記第三画像には、対応するオペレータの顧客対応がグラフィカルに時系列で示される、請求項2〜5のいずれかに記載の情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コールセンタにおける複数のオペレータの業務状況を表示する情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の情報提供装置には、コールセンタにおける座席レイアウトと共にオペレータの業務状況を画面上に表示するものがある(例えば、特許文献1を参照)。これにより、情報提供装置のユーザ(典型的には、オペレータのスーパバイザ)がオペレータの業務状況等を容易に把握することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5090001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報提供装置では、ユーザが、複数のオペレータの業務状況を一括的に把握(俯瞰)したいこともあれば、一部のオペレータの業務状況を詳細に把握したいこともある。
【0005】
本開示は、複数のオペレータの業務状況と、一部のオペレータの詳細な業務状況とをユーザが認識可能な情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
複数のオペレータの座席のレイアウトを第一拡大率で表す第一画像であって、第1オブジェクト群で各前記オペレータの大略的な業務状況が表現されると共に各前記座席が前記第1オブジェクト群を用いて構成された第一画像を生成する第一情報生成部と、
前記第一拡大率よりも大きな第二拡大率で前記レイアウトを表す第二画像であって、前記第1オブジェクト群よりオブジェクト数が多い第2オブジェクト群で各前記オペレータの詳細な業務状況が表現されると共に各前記座席が前記第2オブジェクト群を用いて構成された第二画像を生成する第二情報生成部と、
ユーザにより指定された前記第一画像または前記第二画像を、前記複数のオペレータの座席のレイアウトを含む表示単位毎に表示する表示部と、を備えた、
情報提供装置に向けられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、複数のオペレータの業務状況と、一部のオペレータの詳細な業務状況とをユーザが認識可能な情報提供装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の情報提供装置を備えたコールセンタシステムの構成例を示す図
図2図1の情報提供装置の詳細な構成を示す図
図3A】レベル1の画像を示す模式図
図3B】レベル1の画像で使用可能な第1オブジェクト群を示す模式図
図3C】レベル2の画像で使用可能な第2オブジェクト群の第一例を示す模式図
図3D】レベル2の画像で使用可能な第2オブジェクト群の第二例を示す模式図
図3E】レベル2の画像で使用可能な第2オブジェクト群の第三例を示す模式図
図3F】レベル3の画像で使用可能な第3オブジェクト群の第一例を示す模式図
図3G】レベル3の画像で使用可能な第3オブジェクト群の第二例を示す模式図
図3H】レベル4の画像で使用可能な第3オブジェクト群の第二例を示す模式図
図3I】ウィジェット画像(通話中)で使用可能なオブジェクト群を例示する模式図
図3J図3Iの所定オブジェクトが指定された時に開くフィールドを示す模式図
図3K】ウィジェット画像(通話中で無い)で使用可能なオブジェクト群を例示する模式図
図4A】制御装置の動作の第一部分を示すフロー図)
図4B】制御装置の動作の第二部分を示すフロー図
図4C】制御装置の動作の第三部分を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、上記図面を参照して、本開示の情報提供装置を備えたコールセンタシステムを詳説する。
【0010】
<1.定義>
下表1は、本実施形態で使用される頭字語や略語の意味を示している。
【0011】
【表1】
【0012】
<2.システム構成>
図1において、コールセンタシステム100は、大略的に、外線網(公衆回線)200、内線網300、通話管理網400およびIM網500を備えている。
【0013】
外線網200は、例えばデジタルIP網等であり、コールセンタの顧客が使用するIP端末(図示せず)が接続された通信ネットワークである。
【0014】
内線網300は、コールセンタ内に構築されたLAN等の通信ネットワークの一部である。内線網300は、第1〜第Nのオペレータ卓上機器310〜310、ネットワーク機器320、およびPBX装置330を含む。
【0015】
各オペレータ卓上機器310〜310は、例えば、多機能IP電話機、ヘッドセットおよびパーソナルコンピュータの組み合わせであって、コールセンタにおいて顧客対応を行うオペレータの座席(より具体的には卓上)に設置されて使用される。各オペレータ卓上機器310〜310の多機能IP電話機は、ネットワーク機器320を介してそれぞれPBX装置330に接続される。
【0016】
また、各多機能IP電話機は、顧客からの電話を受ける、顧客へ電話をかける、電話を切る、顧客との音声通話を保留にする等といった基本的な機能を備えると共に、各オペレータが自分のIDおよびパスワードを使ってログインしたり、ログアウトしたり機能も備えている。
【0017】
また、各多機能IP電話機は、各種エージェントステータスを出力可能なステータスボタンを有する。ステータスボタンには、SV(管理者)にヘルプを通知するためのコールボタンが含まれる。なお、本開示では、エージェントステータスとしては、ヘルプ以外にも、下表2に記載のものが例示されるが、本願出願時点で周知のものを利用可能である。これらエージェントステータスは、ログイン中のオペレータのIDや内線番号と共に、エージェントステータス管理サーバ450に送信すべく、例えばIPパケットに含められてネットワーク機器320に向けて送出される。
【0018】
【表2】
【0019】
各ヘッドセットは、同じ卓上の多機能IP電話機に接続され、オペレータの発話内容を電気信号に変換して多機能IP電話機に出力すると共に、多機能IP電話機から出力された電気信号を顧客の発話内容に変換して、オペレータに音声として出力する。
【0020】
パーソナルコンピュータは、多機能IP電話機と同様、各オペレータのIDおよびパスワードに用いてログイン可能となっており、主として、オペレータの操作に応答して、顧客対応に必要な情報を検索する。他にも、パーソナルコンピュータは、周知のインスタントメッセージング機能により、オペレータにより入力されたインスタントメッセージを、少なくとも後述の情報提供装置460に送信すべく、IM網500に送出する。パーソナルコンピュータはさらに、少なくとも情報提供装置460から送信されてきた、SVのインスタントメッセージを受信する。これらインスタントメッセージは、詳細は後述するが、少なくとも情報提供装置460の画面上に時系列で表示される。
【0021】
ネットワーク機器320は、各オペレータ卓上機器310〜310の多機能IP電話機とPBX装置330との間で、オペレータと顧客との間の音声通話(やり取り)を含むIPパケットの転送を行う中継装置であり、例えばスイッチングハブまたはルータである。但し、ネットワーク機器320は、ポートミラーリング等の機能により、転送するIPパケットの複製を、通話管理網400へ送り出す。
【0022】
PBX装置330は、構内交換機であり、外線網200に接続されている。PBX装置330は、各オペレータ卓上機器310〜310の多機能IP電話機を宛先とするIPパケットを外線網200から受信し、ネットワーク機器320へ転送する。また、PBX装置330は、外線網200に接続されたIP電話機(図示せず)を宛先とするIPパケットをネットワーク機器320から受信し、外線網200へ転送する。
【0023】
上記構成の内線網300は、IP電話網の一部を構成し、コールセンタで行われる多数の顧客との音声通話のIPパケットを伝送しつつ、伝送するIPパケットの複製を通話管理網400へ転送する。
【0024】
通話管理網400は、例えば、コールセンタに構築された通信ネットワークの一部である。通話管理網400は、通話録音サーバ410、通話管理サーバ420、音声認識サーバ430、感情解析サーバ440、エージェントステータス管理サーバ450および情報提供装置460を含む。
【0025】
なお、通信管理網400のネットワーク構成(即ち、各装置410〜460の接続関係)は、図1に示すものに限定されない。通信管理網400は、周知のトポロジー(リング型、スター側、バス型等)で構成されうる。
【0026】
通話録音サーバ410は、内線網300のネットワーク機器320に接続されている。通話録音サーバ410は、ネットワーク機器320から送信されるIPパケットを受信し、受信したIPパケットから通話の音声情報を抽出して、内部の通話記憶装置に記録する。すなわち、通話録音サーバ410は、IP電話網で伝送される音声通話の音声情報をオペレータの応対毎に記録する。この時、各音声情報の制御情報として、通話識別情報、話者識別情報および時刻情報が付加されることが好ましい。通話識別情報は、通話を識別するための情報である。話者識別情報は、音声情報に含まれる発話音声の話者(IP電話機)を識別するための情報である。時刻情報は、音声情報が対応する時刻を示す情報である。制御情報は、IPパケットのヘッダ部分から取得されてもよいし、IPパケットのペイロード部分から取得されてもよい。
【0027】
通話管理サーバ420は、通話録音サーバ410から得られる通話開始通知を受信することにより、通話開始タイミングを取得する。そして、通話管理サーバ420は、取得された通話開始タイミングに基づいて、通話録音サーバ410、音声認識サーバ430、感情解析サーバ440および情報提供装置460のそれぞれの動作タイミングを制御する。
【0028】
音声認識サーバ430は、通話管理サーバ420から得られる認識開始要求に応答して、通話録音サーバ410に対して、認識開始要求と同一の音声情報を対象とした、音声送信要求を送信する。そして、音声認識サーバ430は、通話録音サーバ410から返信された音声情報に対する音声認識処理を行い、音声認識処理の結果であるテキストデータを生成し、内部のテキスト記憶装置に格納する。なお、この時、各テキストデータの制御情報として、前述と同様、通話識別情報、話者識別情報および時刻情報が付加されることが好ましい。
【0029】
上記通話録音サーバ410は、情報提供装置460からの音声情報の送信要求に応答して、IP電話網で伝送される通話の音声情報を、ストリーミングで音声認識サーバ430、感情解析サーバ440および情報提供装置460に提供することができる。音声認識サーバ430は、音声情報に対する音声認識結果であるテキスト情報を、情報提供装置460からのテキスト情報の送信要求に応答して、ストリーミングで情報提供装置460に提供することができる。
【0030】
なお、通話録音サーバ410、通話管理サーバ420および音声認識サーバ430の詳細に関しては、本特許出願の同一出願による特許第5860085号公報を参照されたい。
【0031】
感情解析サーバ440は、通話録音サーバ410から得られる通話開始通知を受信することにより、通話開始タイミングを取得する。そして、感情解析サーバ440は、通話録音サーバ410に対して、通話開始通知と同一で顧客の音声情報を対象とした、音声送信要求を送信する。そして、感情解析サーバ440は、通話録音サーバ410から返信された顧客の音声情報に基づき、顧客の感情を時系列で解析して、例えば、オペレータ(換言するとオペレータのID)毎に、対応中の顧客の穏やかさ、怒り、楽しさおよび悲しみの割り合いを示す情報を時系列で情報提供装置460に送信する。なお、音声情報に基づき感情解析処理に関しては、既存技術の適用が可能である。
【0032】
エージェントステータス管理サーバ450は、IPパケットの形式で、ネットワーク機器320を介して各多機能IP電話機のエージェントステータスおよびオペレータのIDを受信する。エージェントステータス管理サーバ450は、オペレータのID毎にエージェントステータスを時系列で、内部のエージェントステータス記憶装置に格納すると共に、例えば本日の総通話件数、インバウンド通話の件数およびアウトバウント通話の件数に加えや、時間帯毎の通話件数、インバウンド通話の件数およびアウトバウント通話の件数等を管理する。エージェントステータス管理サーバ450はさらに、オペレータのエージェントステータスに変化があると、変更後のエージェントステータスをオペレータのIDと共に情報提供装置460に送信する。また、エージェントステータス管理サーバ450は、情報提供装置460からの要求に応答して、指定されたオペレータの業務内容(本日の総通話件数等)を送信する。
【0033】
IM網500もまた、例えば、コールセンタに構築された通信ネットワークの一部である。IM網500は、各オペレータ卓上機器310〜310を構成するパーソナルコンピュータおよび情報提供装置460を含む。各パーソナルコンピュータと、情報提供装置460とには、周知のIMクライアントがインストールされており、簡単なメッセージをIM網500を通じて相互にリアルタイムに送受信することが可能になっている。
【0034】
<3.情報提供装置の構成>
情報提供装置460は、コンピュータ装置であって、図2に示すように、大略的には、操作入力機器461と、通信装置463と、記憶装置465と、制御装置467と、表示装置469と、音声出力装置4611と、を備えている。通信装置463、記憶装置465および制御装置467は同一筐体に収容されても良い。
【0035】
操作入力機器461は、例えば、マウスおよびキーボードであって、制御装置467に有線または無線で接続される。操作入力機器461は、ユーザ(典型的にはSV)の手指による操作を、特定の電気信号(以下、操作信号という)に変換し、制御装置467に出力する。本開示では、マウスは、表示装置469の画面におけるカーソルの位置信号を操作信号の一例として出力する。また、キーボードは、ユーザにより操作されたキーを示す信号を操作信号の他の例として出力する。
【0036】
通信装置463は、制御装置467の制御下で、通話録音サーバ410からの音声情報と、音声認識サーバ430からのテキスト情報と、エージェントステータス管理サーバ450からのエージェントステータスと、各オペレータ卓上機器310〜310からのインスタントメッセージと、を受信する。
【0037】
通信装置463は、制御装置467の制御下で、通話録音サーバ410に対し所定の音声情報の送信要求と、音声認識サーバ430に対し所定のテキスト情報の送信要求と、を送信する。
【0038】
記憶装置465は、制御装置467が画像を生成するために必要な各種オブジェクトを格納する。
【0039】
制御装置467は、予め格納されたプログラムを実行するマイコン等を含み、コールセンタにおける複数のオペレータの業務状況と、一部のオペレータの詳細な業務状況とをユーザが容易に把握できるように、下記のような画像を生成する。この画像は、コールセンタにおけるオペレータの座席レイアウトを、指定された拡大率で表す。また、この画像では、各オペレータの業務状況が所定数のオブジェクト群で表現されると共に各座席が同オブジェクト群を用いて構成されている。
【0040】
<4.制御装置467により生成される画像>
本開示では、4レベルの拡大率が例示的に定義される。具体的には、レベル1は、最小の拡大率に割り当てられると共に、レベル1では各座席を構成するオブジェクト数が最少である。レベル2は二番目に小さな拡大率に割り当てられると共に、レベル2では各座席を構成するオブジェクト数が二番目に少ない。以降、レベルが高くなる程、拡大率が大きくなると共に、各座席を構成するオブジェクト数が増加する。本開示では、レベル4が最高レベルである。
【0041】
また、各レベルの画像は、少なくとも第1レイヤおよび第2レイヤで構成される。第1レイヤには、主として、所定数のオブジェクト群で複数の座席が配置される。第1レイヤには、他にも、ユーザが拡大率を指定するためのスライダ等のGUIが配置される。第1レイヤにはさらに他にも、座席レイアウトの表示領域を移動させるためのスクロールバー等のGUIも配置される。他にも、座席レイアウトの表示領域は、マウスによるドラッグでも移動可能としても良い。
【0042】
第2レイヤには、ポップアップ画像またはウィジェット画像(詳細は後述)が配置される。
【0043】
次に、制御装置467で生成されるレベル1の画像の構成例を、図3Aを参照して説明する。
図3Aにおいて、レベル1の画像ILV1は、コールセンタにおける座席レイアウトを最小の拡大率で表現する。これにより、レベル1の画像ILV1は、コールセンタにある全座席(例えばN個の座席)ST〜STを表している。他にも、レベル1の画像ILV1は、コールセンタにおいて一人のSVが管理する全座席を表していても良い。また、上述から明らかなように、画像ILV1の外縁にはスライダSLも合成される。なお、図3Aには、ポップアップ画像IPUおよびウィジェット画像IWGが第2レイヤに配置されている様子が描かれているため、一部の座席STがポップアップ画像IPUおよびウィジェット画像IWGの背後に隠れている。
【0044】
また、画像ILV1において、各座席ST〜STは、図3Bに示すように、基本的に三個のオブジェクトOBJ1〜OBJ3を含む第1オブジェクト群GLV1で構成される。
【0045】
オブジェクトOBJ1は、対象となる座席ST(iは、1〜Nのいずれか)にいるオペレータを表すアイコンである。
【0046】
オブジェクトOBJ2は、例えば、対象となる座席STの多機能IP電話機が通話中か否かを示す。図3Aでは、オブジェクトOBJ2は、受話器が上がっている様子を表しており、多機能IP電話機が通話中であることを示す。もし、受話器が下りている様子を示す場合、オブジェクトOBJ2は、多機能IP電話機が通話中でないことを示している。オブジェクトOBJ2は、多機能IP電話機が通話中か否か以外にも、オペレータの他の状態(表2を参照)を表していても良い。
【0047】
オブジェクトOBJ3は、ユーザがマウスにより指定可能なアイコン(本開示では、ピンのアイコン)である。このアイコンが指定されると、制御装置467は、対象となる座席STのオペレータの詳細な業務内容を示すウィジェット画像IWGを生成し第2レイヤの所定場所に配置する。
【0048】
各座席ST〜STは追加的に、オブジェクトOBJ1にオブジェクトOBJ4が重畳配置されても良い。オブジェクトOBJ4は、例えばSVからのインスタントメッセージ数およびそれらの未読/既読を示す。インスタントメッセージ数は数字で表される。未読/既読は異なる色で表される。
【0049】
次に、制御装置467で生成されるレベル2の画像を説明する。
図示は控えるが、レベル2の画像は、コールセンタにおける座席レイアウトを二番目に小さい拡大率で表現する。従って、レベル2の画像には、コールセンタにある全座席または一人のSVが管理する全座席が単一画面に収まり切らないことがある。この場合、前述のスクロールバーがレベル2の画像の周縁に配置される。これを操作することで、全座席を表示させることが可能となる。この点は、レベル3,4の画像についても同様に当てはまる。
【0050】
また、レベル2の画像において、各座席ST〜STは、レベル1よりも大きく表示可能であるため、多くのオブジェクトを配置可能であり、図3C図3Eに示すように、前述のオブジェクトOBJ1〜OBJ4に加え、オブジェクトOBJ5〜オブジェクトOBJ11からなる第2オブジェクト群GLV2で構成される。なお、図3C〜3Eには、都合上、オブジェクトOBJ4は示されていない。
【0051】
オブジェクトOBJ5〜OBJ7は、オブジェクトOBJ2が通話中を示す場合に用いられる。
【0052】
特に、オブジェクトOBJ5は通話時間を表す。
【0053】
また、オブジェクトOBJ6は、現在の通話がインバウンドコールかアウトバウンドコールかを示す。図3Cの例では、オブジェクトOBJ6はインバウンドコールを示す。
【0054】
また、オブジェクトOBJ7は、対象となるオペレータが現在外線通話中か内線通話中かを示す。図3Cの例では、第7オブジェクトOBJ7は外線通話を示す。
【0055】
また、オブジェクトOBJ8は、対象となるオペレータの名前および所属を示す。
【0056】
また、オブジェクトOBJ9は、対象となるオペレータの現在の通話相手の電話番号を示す。
【0057】
また、オブジェクトOBJ10は、図3Dに示すように、通話開始から例えば10分以上経過したことを表すアラートである。本開示では、オブジェクトOBJ10は、通話開始から10分以上経過すると、オブジェクトOBJ9に代えて使用される。
【0058】
また、オブジェクトOBJ11は、図3Eに示すように、対象となるオペレータによりコールボタンが押下されたこと(即ち、ヘルプ)を表す。本開示では、オブジェクトOBJ11は二種類ある。一方は、三角印の内部にエクスクラメーションマークがあるアイコンであり、オブジェクトOBJ2に代えて使用され、他方は、「大至急」をいう文字にコールボタンの押下からの経過時間が示されたアイコンであり、オブジェクトOBJ9に代えて使用される。なお、SVがヘルプに対応すると、オブジェクトOBJ11の他方の横にチェックマークが表示される。
【0059】
なお、オペレータが通話中でない場合、オブジェクトOBJ5〜OBJ10(但し、オブジェクトOBJ8は除く)は使用されない。
【0060】
次に、制御装置467で生成されるレベル3の画像を説明する。
図示は控えるが、レベル3の画像は、座席レイアウトを三番目に小さい拡大率で表現する。
【0061】
また、レベル3の画像において、各座席ST〜STは、レベル2よりも大きく表示可能であるため、多くのオブジェクトを配置可能であり、図3Fに示すように、前述のオブジェクトOBJ1〜OBJ11に加え、通話中の場合、オブジェクトOBJ12〜OBJ14からなる第3オブジェクト群GLV3で構成される。
【0062】
オブジェクトOBJ12は、未読のインスタントメッセージ数を示す。本開示では、オブジェクトOBJ12は、未読のインスタントメッセージが有る場合に、オブジェクトOBJ1に代えて使用される。
【0063】
オブジェクトOBJ13は、対象となるオペレータが現在対応中の顧客が怒っている場合に表示されるアラートである。なお、オブジェクトOBJ13は、怒り以外にも、顧客の他の感情を示す数値が所定の閾値を超えた場合に表示されるアラートであっても良い。
【0064】
オブジェクトOBJ14は、対象となるオペレータの顧客対応の開始時刻(通話開始時刻)を示すアラートである。
【0065】
また、レベル3の画像において、通話中でない場合、各座席ST〜STは、図3Gに示すように、第3オブジェクト群GLV3として、前述のオブジェクトOBJ1〜OBJ3,OBJ5,OBJ8に加え、オブジェクトOBJ15〜OBJ17からなる第3オブジェクト群GLV3で構成される。
【0066】
オブジェクトOBJ15,OBJ16,OBJ17は、対象となるオペレータの本日の通話総数、インバウンドの通話件数およびアウトバウンドの通話件数である。
【0067】
次に、制御装置467で生成されるレベル4の画像を説明する。
図示は控えるが、レベル4の画像は、座席レイアウトを最も大きな拡大率で表現する。
【0068】
レベル4の画像では、各座席ST〜STは、レベル3よりも大きく表示可能であるため、さらに多くのオブジェクトを配置可能となる。そのため、各座席ST〜STは、図3Hに示すように、前述のオブジェクトOBJ1〜OBJ14に加え、通話中の場合、オブジェクトOBJ18〜OBJ19からなる第4オブジェクト群GLV4で構成される。
【0069】
オブジェクトOBJ18は、後で検索できるように、顧客との応対内容を示す会話の音声情報やテキスト情報に付されたタグを示す。
【0070】
オブジェクトOBJ19は、対応中の顧客の穏やかさ、怒り、楽しさおよび悲しみの割り合いを帯グラフ等で示す。
【0071】
また、オブジェクトOBJ19は、ユーザがマウスにより指定可能になっている。オブジェクトOBJ19が指定されると、プルダウンメニューと同様の形式で最近数回分の音声認識結果を表示可能なフィールドが開くようになっている。
【0072】
なお、前述のポップアップ画像IPUは、各レベルの画像における座席をユーザがマウスオーバーまたはクリックにより指定されると、制御装置467により生成されて、第2レイヤ上に配置される。本開示では、ポップアップ画像IPUは、レベル4における第4オブジェクト群GLV4と同内容である。このポップアップ画像IPUは、各レベルの画像における座席のマウスオーバーまたはクリックによる指定が終了すると、第2レイヤ上から削除される。これによって、ユーザは、マウスオーバーした座席STのオペレータの詳細な業務内容を把握することが出来る(図3Aを参照)。
【0073】
また、前述のウィジェット画像IWGは、各レベルの画像におけるオブジェクトOBJ3がマウスにより指定されることで、制御装置467により生成されて、第2レイヤ上に配置される(図3Aを参照)。
【0074】
ウィジェット画像IWGは、本開示ではオペレータに関し最も詳細な業務内容を把握可能であり、通話中の場合、図3Iに示すように、オブジェクトOBJ1,OBJ2,OBJ8〜OBJ14,OBJ18に加え、オブジェクトOBJ20〜OBJ24からなるオブジェクト群GWG1で構成される。なお、オブジェクトOBJ2,OBJ12は図3Iでは示されていない。
【0075】
オブジェクトOBJ20は、対象となるオペレータの現在の通話相手の電話番号を示す点でオブジェクトOBJ9と同様であるが、このオブジェクトOBJ20がマウスで指定されると、プルダウンメニューと同様の形式で、オペレータの顧客応対の簡単な流れがグラフィカルに時系列で表示可能なフィールドが開くようになっている。本開示では、顧客対応の簡単な流れとして、顧客対応の開始時刻およびその終了時刻と、外線通話の保留の開始時刻およびその終了時刻と、内線通話の開始時刻およびその終了時刻とが表示される。本開示ではさらに、対象となる外線通話または内線通話の音声情報の再生を開始させるためのボタンも表示される。
【0076】
オブジェクトOBJ21は、検出フィルタ・アラートの履歴を示す。このオブジェクトOBJ21が指定されると、プルダウンメニューと同様の形式で、図3Jに示すように、検出フィルタ・アラートの詳細を時系列で表示可能なフィールドが開くようになっている。本開示では、検出フィルタの履歴とは、音声認識により発話音声から自動で検出したタグ文字列もしくは手で付加したタグ文字列であり、アラートの履歴とは、過去に表示されたアラート(オブジェクトOBJ10,OBJ13,OBJ14)である。
【0077】
オブジェクトOBJ22は、対応中の顧客の穏やかさ、怒り、楽しさおよび悲しみの割り合いを帯グラフ等で示す点でオブジェクトOBJ19と同様であるが、このオブジェクトOBJ22がマウスで指定されると、プルダウンメニューと同様の形式で、図3Jに示すように、オペレータとのやり取りを表すテキスト情報を表示可能なフィールドが開くようになっている。また、テキスト情報の横にあるアイコンボタンが押下されると、対応する録音音声が再生されるようになっている。この制御は、後述の図4BのステップS029〜S033から自明である。
【0078】
オブジェクトOBJ23は、インスタントメッセージを示す。このオブジェクトOBJ23がマウスで指定されると、プルダウンメニューと同様の形式で、図3Jに示すように、例えばSVとの間でインスタントメッセージのやり取りを表示可能なフィールドが開くようになっている。
【0079】
オブジェクトOBJ24は、本ウィジェット画像IWGを閉じるためのボタンである。
【0080】
ウィジェット画像IWGは、通話中でない場合、図3Kに示すように、オブジェクトOBJ1,OBJ2,OBJ8,OBJ15〜OBJ17,OBJ23,OBJ24に加え、オブジェクトOBJ25からなるオブジェクト群GWG2で構成される。
【0081】
オブジェクトOBJ25は、対象となるオペレータの直近の稼働状況(通話中,待機,ACW,AUX等)等を示す。具体的には、このオブジェクトOBJ25がマウスで指定されると、プルダウンメニューと同様の形式で、オペレータの稼働状況を示す帯グラフと、通話件数を示す棒グラフ等が表示可能なフィールドが開くようになっている。
【0082】
<5.制御装置の動作>
まず、記憶装置465には、拡大率のレベル毎に使用されるオブジェクトが定義された状態で、全てのオブジェクトが格納される。
また、記憶装置465に、オペレータのID毎にアイコンが登録される。アイコンはオペレータの好みに応じて選択されることが好ましい。
【0083】
また、コールセンタの座席レイアウトを表す画像のベースが作成される。ベース画像は、座席(換言すると、オペレータ卓上機器310〜310)のレイアウトを例えばレベル毎に準備されれば良い。各座席は、オペレータ卓上機器310〜310の内線番号またはオペレータのIDと紐付される。また、各ベース画像には、ドアや観葉植物等を表すオブジェクトが配置されても構わない。各ベース画像も記憶装置465に格納される。
【0084】
情報提供装置460が起動されると、制御装置467は、図4A図4Bに示される処理を行う。まず、制御装置467は、拡大率について現在のレベルを確認する(図4AのステップS001)。現在のレベルは、例えばレベル1のように、デフォルトで定められたものでも良いし、情報提供装置460の前回の電源オフ直前に設定されていたレベルでも良い。
【0085】
次に、制御装置467は、記憶装置465から現在のレベルに対応するベース画像を読み出し(ステップS003)、その後、通信装置463を介して、エージェントステータス管理サーバ450から、オペレータ卓上機器310〜310毎に、ログイン状況と、現在のレベルに対応した画像生成に必要なエージェントステータスとを取得し、記憶装置465に記憶する(ステップS005)。
【0086】
現在のレベルがレベル1であれば、ステップS005において、必要な情報の一つであるエージェントステータスとして、対応する多機能IP電話機が通話中か否かが取得される。さらに、制御装置467は、インスタントメッセージング機能より、未読メッセージ数を取得する。
【0087】
現在のレベルがレベル2であれば、レベル1のエージェントステータス以外に、下記のエージェントステータスが取得される。
・対応する多機能IP電話機の通話時間
・呼の種別(即ち、インバウンドコールかアウトバウンドコール)
・通話の種別(即ち、外線通話中か内線通話中か)
・通話相手の電話番号
・通話開始時刻
・コールボタンの押下有無
【0088】
現在のレベルがレベル3であれば、レベル1,2のエージェントステータス以外に、下記のエージェントステータスが取得される。
・通話総数
・インバウンド通話件数
・アウトバウンド通話件数
【0089】
現在のレベルがレベル4であれば、レベル1〜3のエージェントステータスが取得される。
【0090】
また、現在のレベルがレベル4の場合には(ステップS007でYES)、制御装置467は、通信装置463を介して、通話録音サーバ410や音声認識サーバ430等から、各多機能IP電話機における現在の顧客対応について付与されたタグを取得する(ステップS009)。このタグは、ユーザが操作入力機器461を操作して入力している場合には、記憶装置465に記憶されうる。この場合、制御装置467は、記憶装置465からタグを取得することも出来る。
【0091】
ステップS009の次に、制御装置467はさらに、通信装置463を介して、音声認識サーバ430等から、各多機能IP電話機における現在の顧客対応について最近数回分の音声認識結果を示すテキスト情報を取得する(ステップS011)。
【0092】
ステップS011の次に、制御装置467はさらに、通信装置463を介して、感情解析サーバ440等から、各多機能IP電話機の通話相手の感情を示す情報(即ち、穏やかさ、怒り、楽しさおよび悲しみの割り合い)を取得する(ステップS013)。
【0093】
ステップS007でNOと判断された場合、または、ステップS013の終了後、現在のレベルの画像生成が可能となるため、制御装置467は、第一情報生成部または第二情報生成部として機能し、エージェントステータス管理サーバ450等から収集した情報を用いて、座席ST毎に図3B図3Hのいずれかに示すような画像を、第一画像または第二画像として生成し第1レイヤに配置した後に、表示装置469に表示する(ステップS015)。
【0094】
ステップS015の次に、制御装置467は、表示装置469に表示中の画像において、操作入力機器461から出力された位置信号がいずれかの座席STを選択しているか否かを判断する(ステップS017)。
【0095】
ステップS017でYESと判断した場合、制御装置467は、第三情報生成部として機能し、レベル4の画像作成時と同様の手法で、第三画像の一例であるポップアップ画像IPU(図3Hを参照)を生成し、現在のレベルの画像において選択された座席ST周辺かつ第二レイヤに配置し、表示装置469に表示する(ステップS019)。
【0096】
ステップS017でNOと判断した場合、または、ステップS019の終了後、制御装置467は、表示装置469に表示中の画像において、操作入力機器461から出力された位置信号がいずれかの座席STにおけるオブジェクトOBJ3を選択しているか否かを判断する。即ち、制御装置467は、ウィジェット画像IWGを生成するか否かを判断する(図4BのステップS021)。
【0097】
ステップS021でYESと判断した場合、制御装置467は、第三情報生成部として機能し、各レベルの画像作成時と同様の手法で、必要な情報(即ち、エージェントステータスやアラート)を取得した後に、第三画像の他の一例であるウィジェット画像IWG(図3I図3Kを参照)を生成し、現在のレベルの画像において予め定められた位置かつ第二レイヤに配置し、表示装置469に表示する(ステップS023)。
【0098】
ステップS023の終了後、制御装置467は、表示中のウィジェット画像IWGにおいてオブジェクトOBJ20がクリック(即ち、選択)されたか否かを判断する。即ち、制御装置467は、顧客対応の簡単な流れを表示するか否かを判断する(ステップS025)。
【0099】
ステップS025でYESと判断した場合、制御装置467は、第三情報生成部として機能し、エージェントステータス管理サーバ450から必要なエージェントステータスを取得して、表示中のウィジェット画像IWGにおいて、対象となる多機能IP電話機におけるオペレータの顧客応対の簡単な流れをグラフィカルに時系列で表示したフィールドを開く(ステップS027)。このフィールドには、前述した通り、顧客対応の簡単な流れとして、顧客対応の開始時刻およびその終了時刻と、外線通話の保留の開始時刻およびその終了時刻と、内線通話の開始時刻およびその終了時刻とが表示される。本開示ではさらに、対象となる外線通話または内線通話の音声情報の再生を開始させるためのボタンも表示される。
【0100】
ステップS025でNOと判断した場合、または、ステップS027の終了後、制御装置467は、表示中のオブジェクトOBJ20のフィールドにおけるボタンが操作入力機器461でクリック(即ち、選択)されたか否かを判断する。換言すると、制御装置467は、音声情報のストリーミング配信の要否を判断する(ステップS029)。
【0101】
ステップS029でYESと判断した場合、制御装置467は、通信装置463を介して、通話録音サーバ410に対して顧客対応の開始時刻および内線番号等を指定して、対応する多機能IP電話機において開始時刻から始まった顧客対応の音声情報のストリーミングを要求する(ステップS031)。
【0102】
制御装置467は、通信装置463を介して、音声情報のストリーミングを受信すると、再生制御部として機能して、受信した音声情報を音声出力装置4611から音声として出力させる(ステップS033)。
【0103】
ステップS029でNOと判断した場合、または、ステップS033の終了後、制御装置467は、表示中のオブジェクトOBJ22が操作入力機器461でクリック(即ち、選択)されたか否かを判断する。換言すると、制御装置467は、音声認識結果の表示の要否を判断する(図4CのステップS035)。
【0104】
ステップS035でYESと判断した場合、制御装置467は、通信装置463を介して、音声認識サーバ430に対して顧客対応の開始時刻および内線番号等を指定して、対応する多機能IP電話機において開始時刻から始まった顧客対応のテキスト情報を要求する(ステップS037)。
【0105】
制御装置467は、通信装置463を介して、テキスト情報を受信すると、第三情報生成部として機能して、受信したテキスト情報を、第三画像と一例としてのウィジェット画像IWGの所定フィールドに追加して、表示装置469に表示させる(ステップS039)。なお、ステップS035〜S039では、制御装置467は、テキスト情報だけでなく、対応する顧客対応の音声情報を受信しても良い。この場合、各テキスト情報の横に設けられるアイコンボタンが押下されると、対応する録音音声が再生されるようになっている。
【0106】
制御装置467は、他にも、表示中のオブジェクトOBJ21,OBJ23,OBJ25がクリックされた場合にも、検出フィルタ・アラートの詳細を時系列で表示したり、SVとの間でインスタントメッセージのやり取りを表示したり、対象となるオペレータの直近の稼働状況等を表示したりしても良い。
【0107】
ステップS021でNOと判断した場合、ステップS035でNOと判断した場合、または、ステップS039の終了後、制御装置467は、現在のレベルの画像におけるスライダSLの操作量から、ユーザにより拡大率のレベルが変更されたか否かを判定する(ステップS041)。
【0108】
ステップS041でNOと判断した場合、前回のレベルのままでステップS003以降の処理を繰り返すが、ステップS041でYESと判断した場合、変更後のレベルを記憶した後(ステップS043)、変更後のレベルに基づきステップS003以降の処理を繰り返す。
【0109】
<6.情報提供装置の作用・効果>
上記の通り、本情報提供装置460で生成される画像は、コールセンタにおけるオペレータの座席レイアウトを、指定された拡大率で表す。また、この画像では、各オペレータの業務状況が所定数のオブジェクト群で表現されると共に各座席が同オブジェクト群を用いて構成されている。ここで、拡大率が大きいほど、多数のオブジェクトを用いて座席が表現されるため、ユーザ(典型的にはSV)が拡大率を小さく設定すると、複数のオペレータの業務状況を俯瞰できるのに対し、拡大率を大きく設定すると、一部のオペレータの詳細な業務状況をユーザが認識可能になる。
【0110】
<7.付記>
上記開示では、通話管理網400において、通話録音サーバ410、通話管理サーバ420、音声認識サーバ430、感情解析サーバ440、エージェントステータス管理サーバ450および情報提供装置460は物理的に独立した装置として説明した。しかし、これに限らず、通話録音サーバ410、通話管理サーバ420、音声認識サーバ430、感情解析サーバ440およびエージェントステータス管理サーバ450の少なくとも一つは、情報提供装置460に組み込まれても良い。また、通話録音サーバ410、通話管理サーバ420、音声認識サーバ430、感情解析サーバ440およびエージェントステータス管理サーバ450の少なくとも一つは他に組み込まれても良い。
【0111】
また、上記開示では、拡大率のレベル設定は、ユーザが操作入力機器461を操作することで行われていた。しかし、これに限らず、拡大率のレベル設定は自動的に行われても良い。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本開示に係る情報提供装置は、複数のオペレータの業務状況と、一部のオペレータの詳細な業務状況とをユーザが認識可能な情報提供装置を提供することが可能であり、コールセンタ等に設置可能である。
【符号の説明】
【0113】
460 情報提供装置
461 操作入力機器
463 通信装置
465 記憶装置
467 制御装置
469 表示装置
4611 音声出力装置
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図4A
図4B
図4C