特許第6498237号(P6498237)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6498237
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】排ガスフラップ
(51)【国際特許分類】
   F02D 9/04 20060101AFI20190401BHJP
   F16K 1/22 20060101ALI20190401BHJP
【FI】
   F02D9/04 E
   F16K1/22 R
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-125014(P2017-125014)
(22)【出願日】2017年6月27日
(65)【公開番号】特開2018-3842(P2018-3842A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2017年6月27日
(31)【優先権主張番号】10 2016 111 681.5
(32)【優先日】2016年6月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513212291
【氏名又は名称】エーバーシュペッヒャー・エグゾースト・テクノロジー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ステファノス ヴァレリス
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン シュミット
【審査官】 佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/001736(WO,A1)
【文献】 米国特許第04164236(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第102008034341(DE,A1)
【文献】 国際公開第2012/131777(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/04
F16K 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃機関の排ガス流用の排ガスフラップであって、
フラップ管(24)と、該フラップ管(24)の内部で旋回軸線(A)を中心として回動可能な旋回シャフト(18)に支持された、互いに対して同一構造の2つのフラップパネル部材(28,30)を含むフラップパネル(26)と、前記旋回シャフト(18)を取り囲む取付け領域(40)とを備え、各フラップパネル部材(28,30)は、フラップ翼(32,34)と、前記フラップパネル(26)の前記取付け領域(40)の、前記旋回シャフト(18)の外側輪郭に適合して曲げられて形成された、前記旋回シャフト(18)のその外周面の部分領域で取り囲む取付け領域区分(36,38)とを有し、前記取付け領域の前記取付け領域区分(36,38)内で、前記フラップパネル部材(28,30)が前記旋回シャフト(18)に取り付けられており、
前記フラップ管(24)の内周面(46)に、各フラップ翼(32,34)に対応して、翼ストッパ(42,44)が設けられており、両フラップパネル部材(28,30)のうちそれぞれの前記取付け領域区分(36,38)の軸方向の両端部領域に、他方の前記フラップパネル部材(30,28)の前記フラップ翼(32,34)に対応して配置された前記翼ストッパ(42,44)を収容するためのそれぞれ1つの切欠き(60,62,64,66)が設けられている、排ガスフラップ。
【請求項2】
前記旋回シャフト(18)は、軸方向の第1の端部領域(20)と、軸方向の第2の端部領域(22)とを有しており、前記軸方向の第1の端部領域(20)および前記軸方向の第2の端部領域(22)で、前記フラップ管(24)に旋回軸線(A)を中心として回動可能に支持されており、2つの翼ストッパ(42,44)が、周方向で、前記旋回シャフト(18)の前記軸方向の第1の端部領域(20)の領域に位置決めされた第1の周方向端部領域(48)から、前記旋回シャフト(18)の前記軸方向の第2の端部領域(22)の領域に位置決めされた第2の周方向端部領域(50)に向かって延びており、対応して配置された1つのフラップ翼(32,34)の当付けのためのストッパ面(54,58)を有している、請求項1記載の排ガスフラップ。
【請求項3】
前記2つの翼ストッパ(42,44)の各々が、その第1の周方向端部領域(48)から、その第2の周方向端部領域(50)に向かって中断なしに延びている、請求項2記載の排ガスフラップ。
【請求項4】
各翼ストッパ(42,44)が、その第1の周方向端部領域(48)において、前記旋回シャフト(18)の前記軸方向の第1の端部領域(20)に対して周方向間隔を有し、その第2の周方向端部領域(50)において、前記旋回シャフト(18)の前記軸方向の第2の端部領域(22)に対して周方向間隔を有し、前記旋回シャフト(18)と前記翼ストッパ(42,44)との間の、前記周方向間隔により形成された各中間室(68)が、フラップ翼(32,34)によって、それぞれの前記翼ストッパ(42,44)の前記ストッパ面(54,58)に前記フラップ翼(32,34)が当て付けられている場合に、周方向でほぼ完全に覆われている、請求項2または3記載の排ガスフラップ。
【請求項5】
前記2つのフラップパネル部材(28,30)のうちそれぞれの前記取付け領域区分(36,38)の軸方向の両端部領域において、各フラップ翼(32,34)が、軸方向で、前記切欠き(60,62,64,66)の領域においてそれぞれの前記取付け領域区分(36,38)を越えて突出するように延びている、または/かつ前記旋回シャフト(18)の外周面に近づくまで延びている、請求項1からまでのいずれか1項記載の排ガスフラップ。
【請求項6】
前記切欠き(60,62,64,66)は、前記旋回軸線(A)に関する軸方向および周方向で、他方の前記フラップパネル部材(30,28)に向かう方向に開放している、請求項1からまでのいずれか1項記載の排ガスフラップ。
【請求項7】
前記2つのフラップパネル部材(28,30)の前記取付け領域区分(36,38)は、前記旋回シャフト(18)を、互いにほぼ反対の側に位置する周面領域において取り囲んでいる、または/かつ前記2つのフラップパネル部材(28,30)の前記フラップ翼(32,34)は、対応して配置された前記翼ストッパ(42,44)に前記フラップ翼(32,34)が当て付けられている場合に、フラップ管長手方向軸線(L)の方向で互いに対してずらされて配置されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の排ガスフラップ。
【請求項8】
両方の前記フラップ翼(32,34)に対応して設けられた前記翼ストッパ(42,44)は、前記旋回シャフト(18)に関して両周面側で、前記フラップ管長手方向軸線(L)の方向で互いに対してほぼずらされずに配置されており、前記フラップ管長手方向軸線(L)の方向で互いに反対に向けられた側(52,56)に、対応して配置されたフラップ翼(32,34)用のそれぞれ1つのストッパ面(54,58)を提供している、請求項記載の排ガスフラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に内燃機関の排ガス流用の排ガスフラップ(バタフライ弁)であって、フラップ管と、フラップ管の内部で旋回軸線を中心として回動可能な旋回シャフトに支持されたフラップパネルとを備え、該フラップパネルは、少なくとも1つのフラップ翼と、旋回シャフトを少なくとも部分的に取り囲む取付け領域とを有しており、フラップ管の内周面領域において少なくとも1つのフラップ翼に対応して翼ストッパが設けられている、排ガスフラップに関する。
【0002】
このような排ガスフラップは、たとえば自動車に設けられた内燃機関の排ガス装置を、排ガスの通流のために開放するか、もしくは通流を遮断または部分的に遮断するために、使用される。特に、このような排ガスフラップのフラップパネルがその遮断位置にある場合に、フラップパネルもしくは該フラップパネルを支持する旋回シャフトと、フラップ管との間に形成される中間室を通って排ガスが通流することができる。この場合、妨害騒音が生じ得るか、もしくはこれにより、このような排ガスフラップを有する排ガス装置が十分な音響的な密閉性を有していないおそれがある。
【0003】
本発明の課題は、構造的に簡単な構成で、特に遮断位置にフラップパネルが位置決めされている場合に、フラップパネルもしくは該フラップパネルを支持する旋回シャフトと、フラップ管との間の中間室が十分に排除される、特に内燃機関の排ガス流用の排ガスフラップを提供することである。
【0004】
本発明によれば、この課題は、特に内燃機関の排ガス流用の排ガスフラップであって、フラップ管と、該フラップ管の内部で旋回軸線を中心として回動可能な旋回シャフトに支持されたフラップパネルとを備え、該フラップパネルが、少なくとも1つのフラップ翼、有利には2つのフラップ翼と、旋回シャフトを少なくとも部分的に取り囲む取付け領域とを有しており、フラップ管の内周面領域に、少なくとも1つのフラップ翼、有利には各フラップ翼に対応して翼ストッパが設けられている、排ガスフラップにより解決される。この場合、旋回シャフトの旋回軸線に関して、取付け領域の少なくとも一方の軸方向の端部領域、有利には取付け領域の両方の軸方向の端部領域に、翼ストッパの、フラップ管の内周面もしくはフラップ管長手方向軸線に関する周方向端部領域を収容する切欠きがフラップパネルに設けられている。
【0005】
本発明に係る排ガスフラップでは、構造的に簡単な措置により、翼ストッパの、フラップパネルを支持する旋回シャフトへの隣接領域において不可避に発生する中間室を、翼ストッパが旋回シャフトの近傍に近づかせられるか、もしくはこの中間室がフラップ翼により覆われ得ることによって、小さくすることができるようにされる。
【0006】
特にフラップパネルが遮断位置に位置決めされている場合に、フラップ管の確実でほぼ完全な閉鎖を保証するために、旋回シャフトが、軸方向の両端部領域で、フラップ管に旋回軸線を中心として回動可能に支持されており、少なくとも1つの翼ストッパ、有利には2つの翼ストッパが、周方向で、旋回シャフトの軸方向の第1の端部領域の領域に位置決めされた第1の周方向端部領域から、旋回シャフトの軸方向の第2の端部領域の領域に位置決めされた第2の周方向端部領域に向かって有利には中断なしに延びていて、対応して配置されたフラップ翼を当て付けるためのストッパ面を有していることが提案される。
【0007】
翼ストッパと旋回シャフトとの間に形成された中間室を通じた排ガスの通流は、少なくとも1つの翼ストッパが、その周方向端部領域の少なくとも一方で、旋回シャフトの、対応して配置された軸方向の端部領域に対して周方向間隔を有しており、かつこの周方向間隔により形成された、旋回シャフトと翼ストッパとの間の中間室が、フラップ翼によって、翼ストッパのストッパ面にフラップ翼が当て付けられている場合に、周方向でほぼ完全に覆われていることによって、有利には十分に阻止され得る。
【0008】
このカバー機能は、本発明による原理によれば、たとえば、取付け領域の少なくとも一方の軸方向の端部領域、有利には両方の軸方向の端部領域において、少なくとも1つのフラップ翼、有利には両方のフラップ翼が、軸方向で、切欠きの領域において取付け領域を越えて突出するように延びている、または/かつ旋回シャフトの外周面にまで近づくまで延びていることによって達成され得る。
【0009】
本発明による1態様では、フラップパネルが2つのフラップパネル部材を含んでおり、各フラップパネル部材が、フラップ翼と、旋回シャフトを部分的に取り囲む取付け領域区分とを含み、各フラップ翼に対応して、フラップ管の内周面に、翼ストッパが設けられていることが提案される。
【0010】
2つのフラップパネル部材を備えるフラップパネルのこのような構成では、両方のフラップパネル部材が互いに対してほぼ同一構造であることにより、構造が簡略化され得る。
【0011】
遮断位置から開放位置に向かう方向へのフラップパネルの旋回時に、かつ各フラップ翼がその翼ストッパから離れる方向に運動する場合に、フラップパネル部材の取付け領域区分が、それぞれ他方のフラップパネル部材に対応して配置された翼ストッパに衝突しないことを保証するために、フラップパネル部材のうちの少なくとも1つのフラップパネル部材の取付け領域区分の少なくとも一方の軸方向の端部領域に、他方のフラップパネル部材のフラップ翼に対応して配置された翼ストッパを収容するための切欠きが設けられていることが提案される。この場合、有利には、切欠きは、軸方向および周方向で、他方のフラップパネル部材に向かう方向に開放している。
【0012】
旋回軸線もしくはフラップパネル部材を支持する旋回シャフトに関して対称的な構成を達成することができるように、両フラップパネル部材の取付け領域区分が、旋回シャフトを、互いにほぼ反対の側に位置する周面領域において取り囲んでいる、または/かつ両フラップパネル部材のフラップ翼が、対応して配置された翼ストッパにフラップ翼が当て付けられている場合に、フラップ管長手方向軸線の方向で互いに対してずらされて配置されていることが提案される。
【0013】
この場合、さらに、両方のフラップ翼に対して対応して設けられた翼ストッパが、旋回シャフトに関して両周面側で、フラップ管長手方向軸線の方向で互いに対してほぼずらされずに配置されており、フラップ管長手方向軸線の方向で互いに反対に向けられた側に、対応して配置されたフラップ翼用のそれぞれ1つのストッパ面を提供していることが提案されていてもよい。
【0014】
構成部材の小さな個数に基づいて特に有利な態様では、取付け領域が管状であり、旋回シャフトを取り囲むように形成されていて、取付け領域の、互いにほぼ反対の側に位置する周面領域から、それぞれ1つのフラップ翼が取付け領域から離れる方向に延びていることが提案される。この態様では、フラップパネルが、たとえばほぼ一体的に形成されている。フラップ翼と取付け領域とは、1つの材料ブロックとして提供されていてもよい。
【0015】
この態様において、特に簡単な形式で、翼ストッパを収容するために設けられた切欠きを実現することができるように、取付け領域の少なくとも一方の軸方向の端部領域において、少なくとも1つのフラップ翼、有利には各フラップ翼が軸方向で管状の取付け領域を越えて延びていることによって、切欠きが提供されていることが提案される。
【0016】
管状の取付け領域と両方のフラップ翼とを備えたフラップパネルの安定的かつ容易に製造可能な構成では、フラップ翼が、対応して配置された翼ストッパにフラップ翼が当て付けられている場合に、フラップ管長手方向軸線の方向で互いに対してほぼずらされずに配置されており、かつ両フラップ翼に対応して設けられた翼ストッパは、旋回シャフトに関して両周面側で、フラップ管長手方向軸線の方向で互いに対してずらされて配置されていて、フラップ管長手方向軸線の方向で互いに向かい合った側で、対応して配置されたフラップ翼用のそれぞれ1つの当て付け面を提供することが提案されていてもよい。
【0017】
本発明を以下に添付の図面に関連して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】フラップ駆動装置を備えた、内燃機関の排ガス装置用の排ガスフラップの側面図である。
図2図1に示した排ガスフラップの斜視図である。
図3図1に示した排ガスフラップを、図1に示したIII−III線に沿って断面した断面図である。
図4図1に示した排ガスフラップを、フラップパネルを支持する旋回シャフトが排ガスフラップのフラップ管に隣接する領域において示す詳細図である。
図5図4に相当する、択一的な実施の形態を示す図である。
【0019】
図1には、たとえば内燃機関の排ガス装置内で使用可能な排ガスフラップが概して符号10で示されている。排ガスフラップ10には、たとえば電動モータにより作動するフラップ駆動装置12が対応して配置されている。フラップ駆動装置12の、たとえば駆動シャフトである駆動機構14は、たとえば弓形ばねとしてワイヤ材料から構成された連結エレメント16を介して、排ガスフラップ10の旋回シャフト18に一緒に回動するために連結されている。旋回シャフト18は、その両方の端部領域20,22において、フラップ管24に設けられた軸受け(図示せず)を介して、旋回軸線Aを中心として旋回可能に支持されている。
【0020】
本実施の形態においてほぼ円形の横断面と、これに対応して円形の内側輪郭とを備えるフラップ管24の内部において、旋回シャフト18には概して符号26で示されるフラップパネルが支持されている。図1図4に示した実施の形態では、フラップパネル26は、たとえば一体的に形成された2つのフラップパネル部材28,30を有している。両フラップパネル部材28,30はそれぞれ、フラップ翼32,34と、取付け領域区分36,38とを有している。両取付け領域区分36,38はそれぞれ、旋回シャフト18の外側輪郭に適合するように曲げられて形成されており、旋回シャフト18を、該旋回シャフト18の外周面の1つの部分領域においてそれぞれ取り囲んでいる。したがって、両取付け領域区分36,38は一緒に、フラップパネル26のための1つの取付け領域40を形成する。この取付け領域40もしくは取付け領域区分36,38の領域で、フラップパネル部材28,30はたとえば溶接によって旋回シャフト18に取り付けられ得る。
【0021】
両フラップ翼32,34のそれぞれもしくは各フラップパネル部材28,30に対応して、フラップ管24にはリングセグメント状に形成された翼ストッパ42,44が設けられている。両翼ストッパ42,44は、フラップ管24の内周面46に、たとえば材料接続式に固定されていてもよく、しかしフラップ管24と共に、該フラップ管24の一体的な構成部分として提供されていてもよい。図1においてたとえば翼ストッパ44において具体的に示されているように、翼ストッパ44は、中断部なしにフラップ管24の内周面46に沿って、旋回シャフト18の軸方向の第1の端部領域20の近傍に位置する第1の周方向端部領域48を起点として、旋回シャフト18の軸方向の第2の端部領域22の近傍に位置する第2の周方向端部領域50にまで延びている。フラップ管長手方向軸線Lの方向に向けられた一方の面52で、翼ストッパ42はフラップ翼32用のストッパ面54を提供する。対応して、翼ストッパ44は、フラップ管長手方向軸線Lの方向に向けられた端面56において、フラップ翼34用のストッパ面58を提供する。図3において、両翼ストッパ42,44は、フラップ管長手方向軸線に関してほぼ同一の軸方向の領域に配置されているので、互いに離れる向きに配向されている両ストッパ面54,58は、フラップ管長手方向軸線Lの方向で互いに対してずらされて位置していることが判る。
【0022】
周方向端部領域48,50の、旋回シャフト18への隣接領域で、できるだけ小さな中間室しか残っていないようにするために、この周方向端部領域48,50では、翼ストッパ42,44のそれぞれが、できるだけ旋回シャフト18の近傍に近づいている。このことを可能にするために、フラップパネル26もしくは各フラップパネル部材28,30は、それぞれの取付け領域区分36,38において、旋回軸線Aの方向に配向されて位置するその端部領域に、切欠き60,62,64,66を有している。切欠きは、取付け領域区分36,38が、これらの取付け領域区分36,38にそれぞれ結合されているフラップ翼32,34よりも旋回軸線Aの方向で短く形成されていることによって、提供され得る。このことは、フラップパネル部材28,30の軸方向の端部領域において、フラップ翼32,34が、取付け領域区分36,38の、切欠き60,62,64,66が提供されている領域を軸方向で越えて延びていることを意味している。
【0023】
図1から図4では、少なくとも旋回軸線Aを中心とした旋回シャフト18の回動によって、フラップパネル部材28もしくはその取付け領域区分36も旋回軸線Aを中心として旋回して、フラップパネル部材28のフラップ翼32が、旋回軸線Aに関して周方向で翼ストッパ44の第1の周方向端部領域48に近づいた場合に、第1の周方向端部領域48が、フラップパネル部材28の、この領域に存在している切欠き60内に侵入するように、翼ストッパ44の第1の周方向端部領域48が旋回シャフト18の近傍に向かって延びていることが判る。図4では翼ストッパ44の背後に位置し、この翼ストッパ44と協働するフラップパネル部材30のフラップ翼34は、旋回シャフト18の近傍にまで延びているので、翼ストッパ44の第1の周方向端部領域48と旋回シャフト18との間にそれにもかかわらず不可避に形成される中間室68は、周方向でほぼ完全にフラップ翼34により覆われている。この中間室68をできるだけ小さく維持するために、翼ストッパ44は、その第1の周方向端部領域48において、旋回シャフト18の円形の外周面輪郭に適合されるように凹状に形成されていてもよく、これにより旋回シャフト18を周方向で部分的に取り囲んでいてもよい。
【0024】
翼ストッパ44の第1の周方向端部領域48に関して上述した機能性は、相応の形式で翼ストッパ42,44の別の全ての周方向端部領域においても実現されている。したがって、特に翼ストッパ42,44の、旋回シャフト18への隣接領域において、図1もしくは図3にも図示されたフラップパネル26の遮断位置において、できるだけ小さな流れの漏れしか発生しないようにされる。遮断位置では、フラップ管長手方向軸線Lの方向で互いに対してずらされて配置された両フラップ翼32,34が、該フラップ翼32,34に対応して配置されたストッパ面54,58に当て付けられ、したがってフラップ管24は実質的に通流を遮断する。小さな漏れしか発生しないことは、一方では妨害騒音を減じ、他方ではほぼ騒音に対して密閉された構造を提供する。2つのフラップパネル部材28,30を備えるフラップパネル26の構成はさらに、組立て時にフラップパネル部材28,30がその取付け領域区分36,38により取り付けられる場合に、フラップパネル部材28,30と、該フラップパネル部材28,30に対応して配置された翼ストッパ42,44との間の公差補償を可能にする。この場合、フラップパネル部材28,30のフラップ翼32,34は、対応して配置された翼ストッパ42,44に当て付けられるように位置決めされてもよく、次いで互いに対してほぼ独立して旋回シャフト18に結合されてもよい。
【0025】
択一的な構造形式が図5に図示されている。図5は、フラップパネル26’が一体的に形成されている構成を示している。フラップパネル26’は、旋回シャフト18’を取り囲んで配置された管状の取付け領域40’を含んでいる。この取付け領域40’から、旋回シャフト18’の両側でフラップ翼32’,34’が延びている。軸方向の端部領域では、フラップ翼32’,34’が、取付け領域40’を越えるように延びているので、両方のフラップ翼32’,34’の間に位置する領域内にはそれぞれ切欠き(図5では切欠き60’が認識可能)が形成されている。これらの切欠き内に、図5では翼ストッパ44’の第1の周方向端部領域48’において認識可能であるように、周方向端部領域が、旋回シャフト18’の近傍にまで突入して延びているので、その間に中間室68’が形成されている。この中間室68’は、図5において翼ストッパ44’の背後に位置するフラップ翼34’により覆われている。この場合、フラップ翼34’は、取付け領域40’を軸方向で越えて延びている領域で、旋回シャフト18’の外周面にまで近づいて延びている。この配置構造は、両翼ストッパ42’,44’の各周方向端部領域の、旋回シャフト18’への隣接領域において設けられていてもよい。有利にはこの場合、両フラップ翼32’,34’は1つの平面内に位置しており、つまり遮断位置にフラップパネル26’を位置決めした場合に、フラップ管長手方向軸線に関して互いにずらされていない。したがって、両翼ストッパ42’,44’もしくは該翼ストッパ42’,44’において提供されたストッパ面を相応に軸方向で互いにずらして、しかし互いに向かい合っているように配向して配置することが必要となる。
【0026】
図5に図示した構造でも、翼ストッパをその周方向端部領域で旋回シャフト18’の極めて近傍に近づけ、その間に形成される中間室68’を、フラップ管長手方向軸線に関して周方向で、かつ旋回シャフト18’の旋回軸線Aの方向でほぼ完全に覆う可能性が達成される。
図1
図2
図3
図4
図5