(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のスイッチ付きインピーダンスの一つの前記受動インピーダンス素子は、抵抗器であり、前記複数のスイッチ付きインピーダンスの他の一つの前記受動インピーダンス素子はインダクタである請求項1の無線周波数結合器。
前記複数のスイッチ付きインピーダンスの一つの前記受動インピーダンス素子はキャパシタであり、前記複数のスイッチ付きインピーダンスの他の一つの前記受動インピーダンス素子はインダクタである請求項1の無線周波数結合器。
前記複数のスイッチ付きインピーダンスの一つの前記受動インピーダンス素子は抵抗器であり、前記複数のスイッチ付きインピーダンスの他の一つの前記受動インピーダンス素子はキャパシタである請求項1の無線周波数結合器。
前記複数のスイッチ付きインピーダンスの少なくとも一つのスイッチは、動作のプロセス変動又は周波数帯域の少なくとも一方を示す制御信号に応答して状態を変化させるべく構成される請求項1の無線周波数結合器。
第1状態において前記結合ポートにおける順方向電力の表示を与えることと、第2状態において前記隔離ポートにおける反射電力の表示を与えることを行うべく構成される請求項11の無線周波数結合器。
前記複数のスイッチ付きインピーダンスの少なくとも一つのスイッチは、動作のプロセス変動又は周波数帯域の少なくとも一方を示す制御信号に応答して状態を変化させるべく構成される請求項11の無線周波数結合器。
前記隔離スイッチ回路は、前記隔離スイッチ回路が前記隔離ポートを前記終端インピーダンス回路から隔離するときに前記終端インピーダンス回路を前記結合ポートに電気的に接続するべく構成される請求項21の双方向性無線周波数結合器。
前記制御回路は、前記無線周波数信号の周波数の表示に少なくとも部分的に基づいて前記調整可能終端インピーダンスを調整するべく構成される請求項21の双方向性無線周波数結合器。
前記隔離スイッチ及び前記複数のスイッチの少なくとも一つが前記複数の受動インピーダンス素子のそれぞれと前記隔離ポートとの間に直列にされる請求項32の双方向性無線周波数結合器。
前記制御回路は、前記無線周波数信号の周波数の表示に少なくとも部分的に基づいて前記調整可能終端インピーダンスを調整するべく構成される請求項34の双方向性無線周波数結合器。
前記結合係数スイッチは、前記スイッチネットワークが前記第2状態で動作している間、前記多数セクション結合ラインの2つの隣接セクションを電気的に隔離するように構成される請求項41の無線周波数結合器。
前記スイッチネットワークは、選択された周波数帯域を示す信号に応答して前記隔離ポートに電気的に接続された前記終端インピーダンスを調整するべく構成される請求項41の無線周波数結合器。
制御信号に少なくとも部分的に基づいて、前記隔離ポートに電気的に接続された前記終端インピーダンスを調整するべく構成された制御回路をさらに含む請求項41の無線周波数結合器。
前記終端インピーダンスは、少なくとも2つのスイッチと、前記隔離ポート及び基準電位間に直列の少なくとも2つの受動インピーダンス素子とによって実装される請求項41の無線周波数結合器。
オンになると前記第1セクションを前記第2セクションに電気的に接続することと、オフになると前記第1セクションを前記第2セクションから電気的に結合解除することとを行うべく構成された結合係数スイッチをさらに含む請求項50の無線周波数結合器。
前記制御回路は、前記第2動作モードにおいて前記スイッチネットワークを制御して前記隔離ポートを前記一以上の終端インピーダンスの前記一つに電気的に接続するべく構成され、
前記無線周波数信号の電力の表示は、前記電力入力ポートから前記電力出力ポートへと進行する順方向無線周波数電力を代表する請求項57の無線周波数結合器。
前記制御回路は、第3動作モードにおいて前記電力出力ポートから前記電力入力ポートへと進行する前記無線周波数信号の電力の表示を与えるべく、前記スイッチネットワークを制御して前記結合ポートを前記一以上の終端インピーダンスの他の一つに電気的に接続するように構成される請求項58の無線周波数結合器。
さらに、前記電力入力ポート及び前記電力出力ポートを電気的に接続する前記主要送信ラインから前記多数セクション結合ラインの各セクションが結合解除される結合解除状態において動作するべく構成される請求項61の無線周波数結合器。
前記無線周波数結合器を、順方向電力の表示を与える第1状態へと構成し、反射電力の表示を与える第2状態へと構成するように配列されたスイッチネットワークをさらに含む請求項61の無線周波数結合器。
第1状態において前記多数セクション結合ラインの前記第1セクションの第1端に第1インピーダンス素子を電気的に結合するとともに前記多数セクション結合ラインの前記第1セクションの第2端に前記結合ポートを結合することと、第2状態において前記多数セクション結合ラインの前記第2セクションの第1端に第2インピーダンス素子を電気的に結合するとともに前記多数セクション結合ラインの前記第2セクションの第2端を前記結合ポートに電気的に結合することとを行うべく構成されたスイッチネットワークをさらに含む請求項61の無線周波数結合器。
前記無線周波数信号の順方向電力の表示を与えるべく前記無線周波数結合器を第1状態へと構成することと、前記無線周波数信号の反射電力の表示を与えるべく第2状態へと構成することとを行うように配列されたスイッチネットワークをさらに含む請求項74の無線周波数結合器。
【発明の概要】
【0006】
請求項に記載の新機軸は、それぞれがいくつかの態様を有するが、そのいずれの一つも、望ましい属性を単独で担うわけではない。特許請求の範囲を制限することなく、本開示の顕著な特徴のいくつかを、ここに簡潔に述べる。
【0007】
本開示の一態様は、無線周波数結合器を含む装置である。無線周波数結合器は、電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート、多数セクション結合ライン、及び当該多数セクション結合ラインの有効長さを調整するように構成されたスイッチを含む。
【0008】
多数セクション結合ラインの有効長さは、結合ポート及び終端インピーダンス間に電気的に接続された結合ラインの長さとなり得る。多数セクション結合ラインは、少なくとも第1セクション及び第2セクションを含み、当該第1セクション及び第2セクション間にはスイッチが直列に設けられる。無線周波数結合器はさらに第2スイッチを含み得る。多数セクション結合ラインは第3セクションを含み得る。第2スイッチは、選択的かつ電気的に第3セクションを結合ポートに接続するように構成され得る。
【0009】
装置はさらに、多数セクション結合ラインの第1セクションに電気的に結合可能な第1終端インピーダンス素子と、多数セクション結合ラインの第2セクションに電気的に結合可能な第2終端インピーダンス素子とを含み得る。
【0010】
装置はさらに、多数セクション結合ラインの一セクションに電気的に接続可能な調整可能終端インピーダンス回路を含み得る。調整可能終端インピーダンス回路は、多数セクション結合ラインの当該セクションに終端インピーダンスを与えるように構成される。
【0011】
装置はさらに、調整可能終端インピーダンス回路及びスイッチネットワークを含み得る。スイッチネットワークは、調整可能終端インピーダンス回路を多数セクション結合ラインの第1セクションに選択的かつ電気的に結合し、及び当該調整可能終端インピーダンス回路を当該多数セクション結合ラインの第2セクションに選択的かつ電気的に結合するように構成される。
【0012】
無線周波数結合器は、電力入力ポート及び電力出力ポートを電気的に接続する連続導電構造物によって実装された主要ラインを含み得る。無線周波数結合器は、多数セクション結合ラインの各セクションが、電力入力ポート及び電力出力ポートを電気的に接続する主要ラインから結合解除された結合解除状態で動作するように構成することができる。
【0013】
装置はさらに、無線周波数結合器を、順方向電力の表示を与える第1状態に、及び反射電力の表示を与える第2状態に構成するべく配列されたスイッチネットワークを含む。
【0014】
装置は、スイッチの状態を調整するように構成された制御回路を含み得る。装置はさらに、第1状態において第1インピーダンス素子を多数セクション結合ラインの第1セクションの第1端に電気的に結合し、及び当該多数セクション結合ラインの第1セクションの第2端を電力出力に電気的に結合し、並びに第2状態において第2インピーダンス素子を当該多数セクション結合ラインの第2セクションの第1端に電気的に結合し、及び当該多数セクション結合ラインの第2セクションの第2端を電力出力に電気的に結合するように構成されたスイッチネットワークを含み得る。
【0015】
装置はさらに、無線周波数結合器を封入するパッケージを含み得る。装置はさらに、無線周波数結合器と通信するアンテナスイッチモジュールを含んでよく、当該アンテナスイッチモジュールはパッケージ内に封入される。装置はさらに、アンテナスイッチモジュールを経由して無線周波数信号を無線周波数結合器に与えるように構成された電力増幅器を含んでよく、当該電力増幅器は、パッケージ内に封入される。
【0016】
本開示の他態様は、電力入力ポートと、電力出力ポートと、当該電力入力ポート及び当該電力出力ポート間を進行する無線周波数信号の電力の表示を与えるように構成されたポートと、結合ラインとを含む無線周波数結合器を含む装置である。結合ラインは少なくとも、第1セクション及び第2セクションを含む。無線周波数結合器はさらに、結合ラインの第1セクションと当該結合ラインの第2セクションとの間の経路におけるノードに電気的に接続されたスイッチを含む。スイッチは、電力の表示を与えるように構成されたポートと、終端インピーダンスとの間に電気的に接続された結合ラインの長さを調整するように構成される。
【0017】
電力入力ポート及び電力出力ポート間を進行する無線周波数信号の電力の表示を与えるように構成されたポートは、当該電力入力ポートから当該電力出力ポートへと進行する電力の表示を与える結合ポートとなり得る。電力入力ポート及び電力出力ポート間を進行する無線周波数信号の電力の表示を与えるように構成されたポートは、当該電力出力ポートから当該電力入力ポートへと進行する電力の表示を与える隔離ポートとなり得る。スイッチは、第1セクション及び第2セクション間に直列に設けられ得る。無線周波数結合器はさらに、結合ラインの第3セクションと、第2セクション及び当該第3セクション間に直列に設けられた第2スイッチとを含み得る。第2スイッチは、第3セクションを、電力入力ポート及び電力出力ポート間を進行する無線周波数信号の電力の表示を与えるように構成されたポートに選択的かつ電気的に接続するように構成される。
【0018】
本開示の他態様は、無線周波数結合器を含む装置である。無線周波数結合器は、電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート、及び当該無線周波数結合器の結合係数に寄与する調整可能な有効長さを有する結合ラインを含む。
【0019】
結合ラインは、互いに直列に電気的に接続可能な複数のセクションを含み得る。複数のセクションの各セクションは、結合ポートに選択的かつ電気的に結合可能である。無線周波数結合器はさらに、複数のセクションの2つの隣接セクション間に設けられたスイッチを含み得る。スイッチは、制御信号に応答して2つの隣接セクションを互いに選択的かつ電気的に結合する。
【0020】
本開示の他態様は、無線周波数(RF)結合器及びスイッチネットワークを含む装置である。RF結合器は少なくとも、電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート及び隔離ポートを有する。スイッチネットワークは少なくとも、第1状態及び第2状態になるように構成される。スイッチネットワークは、第1状態において終端インピーダンスを隔離ポートに電気的に接続するように構成される。スイッチネットワークは、第2状態において電力入力ポート及び電力出力ポート間を進行するRF信号を隔離ポート及び結合ポートから結合解除するように構成される。
【0021】
RF結合器はさらに、結合ポートに電気的に接続されるRF結合器の多数セクション結合ラインの有効長さを調整するように構成された少なくとも一つの結合係数スイッチを含み得る。結合係数スイッチは、スイッチネットワークが第2状態で動作している間、多数セクション結合ラインの2つの隣接セクションを電気的に隔離するように構成することができる。
【0022】
スイッチネットワークは、隔離ポートに電気的に結合された終端インピーダンスを調整するように構成することができる。スイッチネットワークは、選択された周波数帯域を示す信号に応答して隔離ポートに電気的に結合された終端インピーダンスを調整するように構成することができる。
【0023】
装置は、スイッチネットワークを第1状態から第2状態へと遷移させる制御回路を含み得る。代替的に又は追加的に、制御回路は、制御信号に少なくとも部分的に基づいて、隔離された終端に電気的に接続されたインピーダンスを調整するように構成することができる。制御信号は、装置の動作の電力モード又は周波数帯域の少なくとも一方を示し得る。
【0024】
装置は、接続ノードを有する終端インピーダンス回路を含み得る。スイッチネットワークは、第3状態へと構成可能とすることができる。スイッチネットワークは第1状態において隔離ポートを接続ノードに電気的に接続し、終端インピーダンスを隔離ポートに電気的に接続するように構成することができる。スイッチネットワークは第3状態において接続ノードを結合ポートに電気的に接続するように構成することができる。終端インピーダンスは、隔離ポート及び基準電位間で直列にされた少なくとも2つのスイッチ及び少なくとも2つの受動インピーダンス素子によって実装することができる。
【0025】
本開示の他態様は、無線周波数(RF)結合器及びスイッチネットワークを含む装置である。RF結合器は少なくとも、電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート、隔離ポート、主要ライン及び結合ラインを有する。スイッチネットワークは少なくとも第1状態及び第2状態へと構成可能である。スイッチネットワークは、第1状態において終端インピーダンスを隔離ポート及び結合ポートの一方に電気的に接続するように構成される。スイッチネットワークは、第2状態において結合ラインを主要ラインから結合解除するように構成される。
【0026】
装置は終端インピーダンスを含み得る。スイッチネットワークは第3状態へと構成可能となって、当該スイッチネットワークが当該第3状態において他の終端インピーダンスを隔離ポート又は結合ポートの他方に電気的に接続するように構成され得る。代替的に、スイッチネットワークは第3状態へと構成可能となって、当該スイッチネットワークが第3状態において終端インピーダンスを隔離ポート又は結合ポートの他方に電気的に接続するように構成され得る。
【0027】
装置は、スイッチネットワークと通信する制御回路を含み得る。制御回路は、スイッチネットワークを制御して第1状態から第2状態へと遷移させるように構成することができる。
【0028】
装置は、RF結合器及びスイッチネットワークを封入するパッケージを含むパッケージ状モジュールとして構成することができる。
【0029】
結合ラインは少なくとも第1セクション及び第2セクションを含み得る。RF結合器はさらに、オンになると第1セクションを第2セクションに電気的に接続し、オフになると当該第1セクションを当該第2セクションから電気的に結合解除するように構成された結合係数スイッチを含み得る。
【0030】
本開示の他態様は、無線周波数(RF)結合器、スイッチネットワーク、及び制御回路である。RF結合器は少なくとも、電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート、隔離ポート、当該電力入力ポート及び当該電力出力ポートを電気的に接続する主要ライン、並びに当該結合ポート及び当該隔離ポートを電気的に接続する結合ラインを有する。制御回路は、スイッチネットワークを制御し、結合ラインを主要ラインから結合解除する第1動作モードにおいて隔離ポート及び結合ポートを一以上の終端インピーダンスから電気的に結合解除するように構成される。制御回路はさらに、スイッチネットワークを制御し、結合ポート又は隔離ポートの一方を、第2動作モードにおいて電力入力ポート及び電力出力ポート間を進行する無線周波数信号の電力の表示を与える第2動作モードにある一以上の終端インピーダンスの少なくとも一つに電気的に接続するように構成される。
【0031】
制御回路はスイッチネットワークを制御し、隔離ポートを、第2動作モードにある一以上の終端インピーダンスの当該一つに電気的に接続するように構成することができる。無線周波数信号の電力の表示は、電力入力ポートから電力出力ポートへと進行する順方向無線周波数電力を代表し得る。制御回路はさらに、スイッチネットワークを制御し、結合ポートを、電力出力ポートから電力入力ポートへと進行する無線周波数信号の電力の表示を与える第3動作モードにある一以上の終端インピーダンスの他の一つに電気的に接続するように構成することができる。
【0032】
本開示の他態様は、無線周波数(RF)結合器、終端インピーダンス回路及びスイッチ回路を含む装置である。RF結合器は少なくとも、RF信号を受信するように構成された電力入力ポートと、結合ポートと、隔離ポートとを有する。RF結合器は、順方向電力状態において結合ポートにRF信号の順方向RF電力の表示を与え、逆方向電力状態において隔離ポートにRF信号の逆方向RF電力の表示を与えるように構成される。終端インピーダンス回路は、調整可能終端インピーダンスを与えるように構成される。スイッチ回路は、順方向電力状態において終端インピーダンス回路を隔離ポートに電気的に接続し、逆方向電力状態において当該終端インピーダンス回路をRF結合器の隔離ポートから電気的に結合解除するように構成される。
【0033】
装置は、第2調整可能終端インピーダンスを与えるように構成された第2終端インピーダンス回路を含み得る。スイッチ回路は、第2終端インピーダンス回路をRF結合器の結合ポートに選択的かつ電気的に接続し、当該第2終端インピーダンス回路を当該RF結合器の結合ポートから選択的かつ電気的に隔離するように構成することができる。
【0034】
スイッチ回路は、スイッチ回路が隔離ポートを終端インピーダンス回路から隔離するときに、終端インピーダンス回路を結合ポートに電気的に接続するように構成することができる。
【0035】
装置はメモリ及び制御回路を含み得る。制御回路は、メモリに格納されたデータに基づいて終端インピーダンス回路の少なくとも一部分を構成するように配列される。装置は、RF結合器の結合ラインがRF結合器の送信ラインから結合解除される結合解除状態を有し得る。
【0036】
本開示の他態様は、無線周波数(RF)結合器、終端インピーダンス回路及び隔離スイッチを含む装置である。RF結合器は少なくとも、電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート及び隔離ポートを有する。終端インピーダンス回路は、調整可能終端インピーダンスを与えるように構成される。隔離スイッチは、隔離ポート及び終端インピーダンス回路間に設けられる。隔離スイッチは、隔離スイッチがオンになると隔離ポートを終端インピーダンス回路に電気的に接続し、結合ポートが、電力入力ポートから電力出力ポートへと進行するRF電力の表示を与えるように構成される。隔離スイッチは、隔離スイッチがオフになると隔離ポートを終端インピーダンス回路から電気的に隔離するように構成される。
【0037】
隔離スイッチは単極単投スイッチとしてよい。隔離スイッチは、直列・シャント・直列回路トポロジを含んでよい。
【0038】
装置は、第2調整可能終端インピーダンス及び第2隔離スイッチを与えるように構成された第2終端インピーダンス回路を含み得る。第2隔離スイッチは、第2終端インピーダンス回路及び結合ポート間に設けられる。
【0039】
装置は、終端インピーダンス回路及び結合ポート間に設けられた第2隔離スイッチを含み得る。第2隔離スイッチは、当該第2隔離スイッチがオンになると結合ポートを終端インピーダンス回路に電気的に接続し、隔離ポートが電力出力ポートから電力入力ポートへと進行するRF電力の表示を与えるように構成される。第2隔離スイッチは、第2隔離スイッチがオフになると結合ポートを終端インピーダンス回路から隔離するように構成される。
【0040】
終端インピーダンス回路は、複数のスイッチ及び複数の受動インピーダンス素子を含み得る。隔離スイッチと、複数のスイッチの少なくとも一つとは、複数の受動インピーダンス素子のそれぞれと隔離ポートとの間で直列にしてよい。
【0041】
本開示の他態様は、無線周波数(RF)結合器、終端インピーダンス回路及びスイッチ回路を含む装置である。RF結合器は少なくとも、RF信号を受信するように構成された電力入力ポートと、結合ポートと、隔離ポートとを有する。RF結合器は、順方向電力状態において結合ポートにRF信号の順方向RF電力の表示を与え、及び逆方向電力状態において隔離ポートにRF信号の逆方向RF電力の表示を与えるように構成される。終端インピーダンス回路は、調整可能終端インピーダンスを与えるように構成される。スイッチ回路は、終端インピーダンス回路をRF結合器の選択されたポートに選択的かつ電気的に接続し、当該終端インピーダンス回路を当該RF結合器の選択されたポートから選択的かつ電気的に隔離するように構成される。選択されたポートは、隔離ポート又は結合ポートである。
【0042】
装置は、第2調整可能終端インピーダンスを与えるように構成された第2終端インピーダンス回路を含み得る。選択されたポートは隔離ポートである。スイッチ回路は、第2終端インピーダンス回路をRF結合器の結合ポートに選択的かつ電気的に接続し、当該第2終端インピーダンス回路を当該RF結合器の結合ポートから選択的かつ電気的に隔離するように構成することができる。
【0043】
選択されたポートは隔離ポートであってよく、スイッチ回路は、当該スイッチ回路が当該隔離ポートを終端インピーダンス回路から隔離すると終端インピーダンス回路を結合ポートに電気的に接続するように構成することができる。装置は、RF信号の周波数の表示に少なくとも部分的に基づいて調整可能終端インピーダンスを調整するように構成された制御回路を含み得る。装置はメモリ及び制御回路を含み得る。制御回路は、メモリに格納されたデータに基づいて終端インピーダンス回路の少なくとも一部分を構成するように配列される。
【0044】
終端インピーダンス回路は、スイッチ回路及び受動インピーダンス素子間に設けられたスイッチを含み得る。終端インピーダンス回路は、少なくとも2つのスイッチ及び少なくとも2つの受動インピーダンス素子を含み得る。2つのスイッチと2つの受動インピーダンス素子とは、スイッチ回路及びグランド間に直列の設けられる。終端インピーダンス回路は、互いに及び受動インピーダンス素子並列に設けられた複数のスイッチのスイッチバンクを含み得る。スイッチバンクの各スイッチは、スイッチ回路と、当該受動インピーダンス素子の各受動インピーダンス素子との間に設けられる。
【0045】
本開示の他態様は、無線周波数(RF)結合器及び終端インピーダンス回路を含む装置である。RF結合器は少なくとも、電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート及び隔離ポートを有する。終端インピーダンス回路は、調整可能終端インピーダンスを与えるように構成される。終端インピーダンス回路は、基準電位とRF結合器の選択されたポートとの間に直列にされた2つのスイッチ及び受動インピーダンス素子を含む。RF結合器の選択されたポートは、当該RF結合器の隔離ポート、又は当該RF結合器の結合ポートである。
【0046】
選択されたポートは隔離ポートとしてよい。2つのスイッチ及び受動インピーダンス素子はまた、結合ポート及び基準電位間で直列である。基準電位はグランドとしてよい。選択されたポートは結合ポートとしてよい。受動インピーダンス素子は、2つのスイッチ間に直列に結合してよい。2つのスイッチの少なくとも一方は、動作のプロセス変動又は周波数帯域の少なくとも一方を表示する制御信号に応答して状態を変えるように構成することができる。
【0047】
終端インピーダンス回路は、第2受動インピーダンス素子を含み得る。2つのスイッチ、受動インピーダンス素子及び第2受動インピーダンス素子は、基準電位と、RF結合器の選択されたポートとの間で直列にすることができる。受動インピーダンス素子を抵抗器としてよく、第2受動インピーダンス素子をインダクタとしてよい。代替的に、受動インピーダンス素子をキャパシタとしてよく、第2受動インピーダンス素子をインダクタとしてよい。さらに代替的に、受動インピーダンス素子を抵抗器としてよく、第2受動インピーダンス素子をキャパシタとしてよい。
【0048】
終端インピーダンス回路は、抵抗器、キャパシタ及びインダクタを含み得る。終端インピーダンス回路は、複数の受動インピーダンス素子と、複数のスイッチのバンクとを含み得る。複数の受動インピーダンス素子は受動インピーダンス素子を含み、複数のスイッチのバンクは2つのスイッチの一方を含み、終端インピーダンス回路は、当該スイッチのバンクの各スイッチと、当該複数の受動インピーダンス素子の互いに並列に配列された各受動インピーダンス素子との直列結合を含む。
【0049】
本開示の他態様は、無線周波数(RF)結合器及び終端インピーダンス回路である。RF結合器は少なくとも、電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート及び隔離ポートを有する。終端インピーダンス回路は、調整可能終端インピーダンスを与えるように構成される。終端インピーダンス回路は、基準電位とRF結合器の選択されたポートとの間に直列に配列された抵抗器、スイッチ及び受動インピーダンス素子を含む。選択されたポートは、RF結合器の隔離ポート、又は当該RF結合器の結合ポートの一方である。受動インピーダンス素子は、キャパシタ又はインダクタの少なくとも一方を含む。
【0050】
装置は第2スイッチを含み得る。第2スイッチは、基準電位とRF結合器の選択されたポートとの間でスイッチと直列に配列される。RF結合器は、第1状態において結合ポートに順方向電力の表示を与え、及び第2状態において隔離ポートに反射電力の表示を与えるように構成することができる。
【0051】
本開示の他態様は、無線周波数(RF)結合器及び終端インピーダンス回路を含む装置である。RF結合器は少なくとも、電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート及び隔離ポートを有する。終端インピーダンス回路は、受動インピーダンス素子及びスイッチを含む。スイッチは、一以上の制御信号に応答して隔離ポート及びグランド間の受動インピーダンス素子のサブセットを選択的かつ電気的に接続するように構成される。受動インピーダンス素子のサブセットは、隔離ポート及びグランド間に互いに直列かつ電気的に接続された2つの受動インピーダンス素子を含む。2つの受動インピーダンス素子は、抵抗器又はインダクタの少なくとも一方を含む。
【0052】
受動インピーダンス素子のサブセットは、抵抗器、キャパシタ又はインダクタの少なくとも2つを含み得る。一以上の制御信号の少なくとも一つは、動作のプロセス変動又は周波数帯域の少なくとも一方を表示することができる。装置は、終端インピーダンス回路とRF結合器の隔離ポートとの間に設けられた隔離スイッチを含み得る。
【0053】
本開示の他態様は、無線周波数(RF)結合器、終端回路、メモリ及び制御回路を含む装置である。RF結合器は少なくとも、電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート及び隔離ポートを有する。終端回路は、調整可能終端インピーダンスを、隔離ポート又は結合ポートの少なくとも一方に与えるように構成される。終端回路はスイッチ及び受動インピーダンス素子を含む。メモリは、終端回路のスイッチの一以上の状態を設定するデータを格納するように構成される。制御回路はメモリと通信する。制御回路は、メモリに格納されたデータに少なくとも部分的に基づいて一以上のスイッチの状態を設定する一以上の制御信号を与えるように構成される。
【0054】
メモリに格納されたデータは、プロセス変動を示すことができる。代替的又は追加的に、メモリに格納されたデータは、アプリケーションパラメータを示すことができる。メモリは、ヒューズ素子のような永続性メモリ素子を含み得る。メモリは、制御回路又は終端回路の少なくとも一方と同じダイに埋め込むことができる。装置は、メモリ及びRF結合器を封入するパッケージを含み得る。装置は、終端回路及びRF結合器間に設けられたスイッチを含み得る。終端インピーダンス回路は、第1状態において隔離ポートに結合可能とし、第2状態において結合ポートに結合可能とすることができる。
【0055】
本開示の他態様は、無線周波数(RF)結合器の一ポートにおいて所望の終端インピーダンスを示すデータを取得することと、当該データを物理メモリに格納することであって、格納されたデータが制御回路にとってアクセス可能であり、当該制御回路は、当該メモリに格納されたデータに少なくとも部分的に基づいて当該RF結合器の一ポートに電気的に接続された終端回路の少なくとも一部分を構成するように配列されることとを含む電気的に実装される方法である。
【0056】
物理メモリに格納されたデータは、プロセス変動及び/又はアプリケーションパラメータを示す。物理メモリは永続性メモリとしてよい。物理メモリはヒューズ素子を含み得る。ポートは、RF結合器の隔離ポートとしてよい。代替的に、ポートは、RF結合器の結合ポートとしてよい。
【0057】
制御回路は、メモリに格納されたデータに少なくとも部分的に基づいて、RF結合器のポートに電気的に接続された終端回路の一以上のスイッチの状態を設定するように構成することができる。方法は、メモリに格納されたデータに少なくとも部分的に基づいて、終端回路の一以上のスイッチの状態を設定することを含み得る。
【0058】
本開示の他態様は、双方向性無線周波数(RF)結合器と、終端インピーダンス回路と、少なくとも第1状態及び第2状態を有するスイッチ回路とを含む装置である。スイッチ回路は、終端インピーダンス回路を、異なる状態において双方向性RF結合器の異なるポートに電気的に接続するように構成される。
【0059】
異なるポートは、RF結合器の隔離ポート、及び当該RF結合器の結合ポートを含み得る。
【0060】
本開示の他態様は、少なくとも電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート及び隔離ポートを有する双方向性無線周波数(RF)結合器を含む装置である。装置はまた、第1動作モードにある隔離ポートに第1インピーダンスを提示し、第2動作モードにある結合ポートに第2終端インピーダンスを提示するように構成された一以上の終端調整可能インピーダンス回路を含む。
【0061】
装置は、一以上の終端調整可能回路の状態を変えるように構成された制御回路を含み得る。
【0062】
一以上の調整可能終端回路は、第1終端インピーダンスを提示する第1終端インピーダンス回路と、第2終端インピーダンス
回路を提示する第2終端インピーダンスとを含み得る。代替的に、一以上の調整可能終端回路は、第1終端インピーダンス及び第2終端インピーダンスを提示する共有終端インピーダンス
回路を含み得る。
【0063】
一以上の終端調整可能回路は、スイッチネットワークと、第1終端インピーダンスを与えるように構成された受動インピーダンス素子とを含み得る。受動インピーダンス素子は、それぞれがスイッチネットワークの各スイッチに電気的に接続された第1端と、グランドに電気的に接続された第2端とを有する複数の抵抗器を含み得る。
【0064】
一以上の終端調整可能回路は、調整可能抵抗、調整可能キャパシタンス又は調整可能インダクタンスの少なくとも一つを含み得る。一以上の調整可能終端インピーダンス回路は、隔離ポート及びグランド間で直列にされた少なくとも2つのスイッチと少なくとも2つの受動インピーダンス素子とによって第1インピーダンスを提示するように構成することができる。
【0065】
一以上の終端調整可能回路は、RF結合器に与えられる無線周波数信号の周波数帯域を示す制御信号に少なくとも部分的に基づいて第2終端インピーダンスを調整するように構成することができる。代替的又は追加的に、終端調整可能回路の一以上は、装置の電力モードを示す制御信号に少なくとも部分的に基づいて第2終端インピーダンスを調整するように構成することができる。
【0066】
装置は、一以上の調整可能終端インピーダンス回路と、隔離ポートとの間に設けられた隔離スイッチを含み得る。隔離スイッチは、オンになると隔離ポートを一以上の調整可能インピーダンス回路の少なくとも一つに電気的に接続し、オフになると当該隔離ポートを当該一以上の調整可能インピーダンス回路から電気的に隔離するように構成される。装置はさらに、一以上の調整可能終端インピーダンス回路と結合ポートとの間に設けられた第2隔離スイッチを含む。第2隔離スイッチはオンになると、結合ポートを一以上の調整可能終端インピーダンス回路の少なくとも一つに電気的に接続し、オフになると当該結合ポートを当該一以上の調整可能終端インピーダンス回路から電気的に隔離するように構成される。
【0067】
本開示の他態様は、双方向性RF結合器、終端インピーダンス回路及びスイッチ回路を含む装置である。双方向
性RF結合器は少なくとも、電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート及び隔離ポートを有する。スイッチ回路は少なくとも第1状態及び第2状態を有する。スイッチ回路は、第1状態において終端インピーダンス回路を隔離ポートに電気的に接続し、第2状態において終端インピーダンス回路を結合ポートに電気的に接続するように構成される。
【0068】
終端インピーダンス回路は、調整可能終端インピーダンスを与えるように構成することができる。終端インピーダンス回路は、複数のスイッチ及び複数の受動インピーダンス素子を含み得る。終端インピーダンス回路のスイッチの少なくとも一つと、スイッチ回路の少なくとも一つのスイッチとは、RF結合器の隔離ポートと、終端インピーダンス回路の各受動インピーダンス素子との間に直列にされる。
【0069】
本開示の他態様は、双方向性無線周波数(RF)結合器と、第1調整可能終端インピーダンス回路と、当該第1調整可能終端インピーダンス回路とは別個の第2調整可能終端インピーダンス回路とを含む装置である。双方向性RF結合器は少なくとも、電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート及び隔離ポートを有する。第1調整可能終端インピーダンス回路は、電力入力ポートから電力出力ポートへと進行するRF電力の一部分が結合ポートに与えられると、第1終端インピーダンスを隔離ポートに与えるように構成される。第1調整可能インピーダンス終端回路は、第1終端インピーダンスを調整するべく状態を変えるように構成される。第2調整可能終端インピーダンス回路は、電力出力ポートから電力入力ポートへと進行するRF電力の一部分が隔離ポートに与えられると、第2終端インピーダンスを結合ポートに与えるように構成される。第2調整可能終端インピーダンス回路は、第2終端インピーダンスを調整するべく状態を変えるように構成される。
【0070】
第1調整可能終端インピーダンス回路は、第1スイッチネットワークと、第1終端インピーダンスを与える第1終端インピーダンス回路とを含み得る。第1調整可能終端インピーダンス回路は、調整可能抵抗器、調整可能キャパシタンス又は調整可能インダクタンスの少なくとも一つを含み得る。第2調整可能終端インピーダンス回路は、RF結合器に与えられる無線周波数信号の周波数帯域と装置の電力モードとの少なくとも一方を示す制御信号に少なくとも部分的に基づいて、第2終端インピーダンスを調整するように構成することができる。
【0071】
本開示を要約する目的で本発明の一定の態様、利点及び新規な特徴がここに記載された。理解すべきことだが、かかる利点のすべてが必ずしも、本発明の任意の特定実施形態によって達成できるわけではない。すなわち、本発明は、ここに教示される一つの利点又は複数の利点の群を、ここに教示され又は示唆され得る他の利点を達成する必要なしに、達成又は最適化する態様で具体化し又は実行することができる。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下の、一定の実施形態の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な記載を提示する。しかしながら、ここに記載の新機軸は、例えば特許請求の範囲によって画定かつカバーされる多数の異なる態様で具体化することができる。本記載において参照される図面では、同じ参照番号が同一の又は機能的に類似の要素を示し得る。理解されることだが、図面に例示される要素は必ずしも縮尺どおりではない。さらに理解されることだが、一定の実施形態は、図面に例示されるよりも多くの要素を含んでよく、及び/又は図面に例示される要素のサブセットを含んでよい。さらに、いくつかの実施形態は、2以上の図面からの特徴の任意の適切なコンビネーションを組み入れてよい。
【0075】
従来型無線周波数(RF)結合器は、所与の周波数において、固定結合係数に関連する制限を有し得る。周波数Fにおける固定結合係数は、周波数Aでの結合係数プラス20log(A/F)によって表すことができる。小さな絶対結合係数に対しては、大きな結合効果が存在し得る。周波数が高ければ高いほど、結合効果は大きくなり得る。従来型RF結合器はまた、所与の周波数において固定挿入損失を有し得る。挿入損失は、電力入力ポートを電力出力ポートに電気的に接続するRF結合器の主要送信ラインの抵抗損失を結合係数にプラスしたものの関数とすることができる。
【0076】
RF結合器の指向性は、隔離ポートにおける終端インピーダンスに依存し得る。従来型RF結合器において、終端インピーダンスは典型的に、特定の周波数帯域幅にのみ所望の指向性を与える固定インピーダンス値にある。しかしながら、固定終端インピーダンスによれば、無線周波数結合器は、RF信号が特定の周波数帯域の外側にある場合、所望の指向性を有することとならない。すなわち、特定の周波数帯域の外側にある異なる周波数帯域で動作する場合、指向性は最適化されない。
【0077】
周波数に対して結合係数を平坦化することが望ましい。周波数に対して結合係数を平坦化することは、RF結合器の増大した結合スロープをずらし及び/又は補償するべく後置RF結合器RLCネットワークを挿入することによって実装されている。この強引な方法により、相対的に広い周波数範囲にわたって結合係数を平坦化することができる。しかしながら、この方法は、RLCネットワークが損失性となり得るゆえに、主要信号経路において挿入損失に悪影響を及ぼし得る。その結果、所望の結合係数を目的として、RLCネットワークの損失を補償するべく、RF結合器は、かなり多くの結合を有することが望ましい。すなわち、挿入損失は、主要信号経路において増大し得る。
【0078】
加えて、伝統的なRF結合器は、使用していない場合であっても挿入損失を信号経路に加える。これは、電力を検出するべくRF結合器が使用されていない場合であっても、RF信号を劣化させ得る。
【0079】
RF結合器の性能は、プロセス変動及び/又は電源インピーダンスの変動のような様々な因子により影響を受け得る。上述のように、従来型RF結合器の隔離ポートを終端させるべく使用される終端インピーダンスは典型的に、調整不可能な固定インピーダンスである。したがって、所望のレベルの指向性は、固定終端インピーダンスによっては、選択された周波数帯域に対してのみ、及び/又は一定の帯域幅に対してのみ達成され得る。プロセス変動及び/又は電源インピーダンスの変動は、固定終端インピーダンスに関して問題となり得る。さらに、半導体パラメータの変動を避けるべく、いくつかの終端インピーダンス回路には、非半導体プロセスにより形成された外部受動インピーダンス素子が実装されている。そのような外部受動インピーダンス素子は、終端インピーダンス値の変動低減をもたらし得るが、こうした外部受動インピーダンス素子は高価であり、及び/又は受動インピーダンス素子に基づく半導体と比較して大きな面積を消費する。
【0080】
プロセス変動は、RF結合器の性能に影響を及ぼし得る。例えば、双方向性RF結合器のようなRF結合器の指向性は、結合器の隔離ポートにおける終端インピーダンスと、結合器の電力入力ポートに提示される電源インピーダンスとに依存し得る。半導体製造プロセスの不完全性ゆえに、終端インピーダンスをRF結合器のポートに与える終端インピーダンス回路には、プロセス変動が存在し得る。プロセス変動は、終端インピーダンス回路における抵抗、キャパシタンス、インダクタンス又はこれらの任意のコンビネーションの値に影響を及ぼし得る。そのような終端インピーダンス回路のプロセス変動は、例えば、半導体電界効果トランジスタ(FET)オン抵抗及び/若しくはオフキャパシタンス、ポリシリコン抵抗器抵抗器、金属・絶縁体・金属(MIM)キャパシタのキャパシタンス、インダクタのインダクタンス等、又はこれらの任意のコンビネーションの変動を含み得る。代替的又は追加的に、プロセス変動は、RF結合器の特性を変え得る結合ラインの幅、及び/又は結合ラインから主要ラインまでの間隔に影響を及ぼし得る。そのような結合ラインの変動は、RF結合器及び/又は終端インピーダンス回路の性能に影響を及ぼし得る。典型的には、終端インピーダンス回路及び/又は結合ラインにおけるプロセス変動の分布は、3シグマが約10%から約15%となる正規分布によって近似することができる。
【0081】
電源インピーダンスの変動は、RF結合器の性能に影響を及ぼし得る。例えば、電源インピーダンスは、終端インピーダンス回路が指向性を最適化するように構成される特定の値から逸脱し得る。RF結合器が、RF信号をRF結合器に与えるように構成された他の部品(例えば、RF電力増幅器、アンテナスイッチ、ダイプレクサ又はフィルタ等)と通信する場合、RF結合器へと提示される電源インピーダンスは50オームから逸脱し得る。そのような逸脱は、RF結合器が50オームの電源インピーダンスに最適化されている場合に、RF結合器の指向性を50オーム電源インピーダンスよりも低下させ得る。
【0082】
本開示の態様は、無線周波数結合器に電気的に接続された終端インピーダンスを調整すること、及び/又は無線周波数結合器のポートに電気的に接続された結合ラインの有効長さを調整することに関する。調整可能終端インピーダンスを与えるように構成された様々な終端インピーダンス回路が開示される。そのような回路は、所望の指向性のような、RF結合器の所望の特性を実装し得る。スイッチは、RF結合器の結合ポートに電気的に接続された多数セクション結合ラインの有効長さを調整することによってRF結合器の結合係数を調整することができる。ここに開示されるRF結合器は、そのようなRF結合器に関連づけられた挿入損失を、当該RF結合器が使用されていないときに低減させるべく、結合解除状態へと構成することができる。一定の実施形態において、隔離スイッチが、調整可能終端インピーダンス回路を、結合ポート又は隔離ポートのような無線周波数結合器から選択的に隔離するように構成される。代替的又は追加的に、いくつかの実施形態によれば、スイッチ回路は、一の状態において終端インピーダンス回路をRF結合器の隔離ポートに選択的かつ電気的に結合し、他の状態において同じ終端インピーダンス回路を当該RF結合器の結合ポートに選択的かつ電気的に結合するように構成される。様々な実施形態において、所望の終端インピーダンスを示す値がメモリに格納され、その格納された値に少なくとも部分的に基づいて終端インピーダンス回路におけるスイッチの状態を設定することができる。ここに説明される原理及び利点はいずれも、例えば、方向性結合器、双方向性結合器、二重方向性結合器、多数帯域結合器(例えば二重帯域結合器)等を含む任意の適切な無線周波数結合器に適用することができる。
【0083】
無線周波数結合器のポートに電気的に接続された終端インピーダンスを調整することは、無線周波数結合器に与えられる無線周波数信号の周波数帯域、又は無線周波数結合器を含む電子システムの電力モードのような一定の動作条件に対する所望の終端インピーダンスを与えることにより、無線周波数結合器の指向性を改善させることができる。一定の実施形態において、スイッチネットワークは一以上の制御信号に応答して、異なる終端インピーダンスを無線周波数結合器の隔離ポートに選択的かつ電気的に結合することができる。スイッチネットワークは、多数の周波数帯域全体にわたる指向性を改善するべく、無線周波数結合器の終端インピーダンスを調整することができる。スイッチネットワークは、終端インピーダンスと隔離ポート及び結合ポートの双方との間に複数のスイッチを含み得る。そのようなRF結合器は、一の状態において順方向RF電力の表示を与えるべく隔離ポートに与えられた終端インピーダンスと、他の状態において逆方向RF電力の表示を与えるべく結合ポートに与えられた終端インピーダンスと有し得る。
【0084】
一定の実施形態において、複数のスイッチを含む終端インピーダンス回路は、終端経路において抵抗、キャパシタンス、インダクタンス又はこれらの任意のコンビネーションを選択的に与えることにより、RF結合器の隔離ポート及び/又は結合ポートに与えられる終端インピーダンスを、調整することができる。終端インピーダンス回路は、直列及び/又は並列の受動インピーダンス素子を終端経路に選択的かつ電気的に結合することにより、任意の適切な終端インピーダンスを与えることができる。終端インピーダンス回路はそれゆえ、所望のインピーダンス値を有する終端インピーダンスを与えることができる。終端インピーダンス回路は、例えば、プロセス変動及び/又は電源インピーダンス変
動を補償することができる。いくつかの
実施形態において、所望の終端インピーダンスを示すデータをメモリに格納することができ、複数のスイッチの少なくとも一つのスイッチの状態は、当該メモリに格納されたデータに少なくとも部分的に基づいて設定することができる。いくつかの実装において、メモリは、ヒューズ素子(例えばヒューズ及び/又はアンチヒューズ)のような、データを格納する永続性メモリを含み得る。
【0085】
様々な実施形態によれば、スイッチは、RF結合器のポート(例えば結合ポート又は隔離ポート)と、調整可能終端インピーダンス回路との間に設けることができる。スイッチは、調整可能終端インピーダンス回路が終端インピーダンスをRF結合器のポートに与えていないとき、調整可能終端インピーダンス回路のチューニング素子(例えばスイッチ)をRF結合器のポートから電気的に隔離することができる。これにより、RF結合器のポートにおいて、調整可能終端インピーダンス回路のスイッチのオフキャパシタンスのような負荷効果を低減することができる。したがって、スイッチは、RF結合器のポートにおける挿入損失を減少させることができる。
【0086】
いくつかの実施形態によれば、終端インピーダンス回路は、双方向性結合器の隔離ポート及び結合ポートによって共有され得る。これにより、隔離ポート及び結合ポートのために別個の終端インピーダンス回路を有することと比べ、当該面積を低減することができる。隔離ポート又は結合ポートの一つのみに、RF電力の表示を与えるべく一度に終端インピーダンスを与えることができる。したがって、スイッチ回路は、終端インピーダンス回路を隔離ポート選択的かつ電気的に接続し、当該終端インピーダンス回路を結合ポートに選択的かつ電気的に接続することにより、隔離ポート又は結合ポートの一方に限り、当該終端インピーダンス回路に一度に電気的に接続されるようにできる。結合ポート及び隔離ポートを電気的に隔離するべく、スイッチ回路は複数の高隔離スイッチを含み得る。高隔離スイッチはそれぞれが、例えば直列・シャント・直列回路トポロジを含み得る。高隔離スイッチによって与えられる結合ポート及び隔離ポート間の隔離は、標的となる指向性よりも大きくなり得る。
【0087】
結合ラインの有効長さは、RF結合器の結合係数に寄与する結合ラインの長さとしてよい。例えば、結合ラインの有効長さは、終端インピーダンスと、電力入力ポート及び電力出力ポート間を進行する電力の表示を与えるように構成されたRF結合器のポートとの間の電気経路における結合ラインの長さとしてよい。結合ラインの有効長さを調整することにより、無線周波数結合器の結合係数を調整することができる。したがって、結合ラインが調整可能有効長さとなる無線周波数結合器は、所望の結合係数を有し得る。それと同時に、主要ラインの挿入損失は増加させるべきではない。一定の実施形態において、無線周波数結合器は、多数セクションを含む結合ラインと、当該結合ラインの一セクションを、結合ポートのような無線周波数結合器のポートに選択的かつ電気的に結合する一以上のスイッチとを有し得る。例えば、スイッチを結合ラインの2つのセクション間に直列とし、当該スイッチは、当該結合ラインの2つのセクションを電気的に結合又は結合解除のいずれかをすることができる。スイッチネットワークは、無線周波数結合器の状態に応じて、選択された終端インピーダンスを結合ラインの特定のセクションに選択的かつ電気的に結合することができる。スイッチネットワークは、無線周波数結合器の指向性を最適化することができる。スイッチネットワークは、一の状態において終端インピーダンスを無線周波数結合器の結合ポートに提示し、他の状態において終端インピーダンスを当該無線周波数結合器の隔離ポートに提示することができる。ここに説明される終端インピーダンス回路の原理及び利点はいずれも、調整されるように構成された有効長さを有する結合ラインに関してあてはまる。
【0088】
ここに説明される無線周波数結合器は、結合ラインが主要ラインから結合解除された結合解除状態を有し得る。結合解除状態は、無線周波数結合器が使用されていない場合、主要信号ラインにおいて最小の挿入損失を与えることができる。
【0089】
ここに説明される実施形態は有利なことに、無線周波数結合器に与えられる無線周波数信号の特定の周波数帯域のような特定の動作条件に対し、選択された終端インピーダンスを与えることにより、無線周波数結合器の改善された指向性を与えることができる。代替的又は追加的に、ここに説明される実施形態は、結合係数を調整するべく結合ラインの有効長さを調整することにより、改善された主要ライン挿入損失を与えることができる。これにより、過度の結合及びその後の減衰を回避することができる。結合ラインの有効長さを調整することにより、無線周波数結合器の所望の結合係数を設定することができる。一定の実施形態において、ここに説明される無線周波数結合器は、無線周波数結合器が使用されていない場合に結合効果に起因する損失を最小限にすることができる結合解除状態を有する。
【0090】
図1は、無線周波数結合器が、電力増幅器及びアンテナ間を進行する無線周波数信号の電力の一部分を抽出するように構成された模式的なブロック図である。例示のように、電力増幅器10がRF信号を受信し、増幅されたRF信号を、RF結合器20を経由してアンテナ30に与える。理解されることだが、
図1の電子システムに付加素子(例示せず)を含め、及び/又は例示の素子のサブコンビネーションを実装することもできる。
【0091】
電力増幅器10はRF信号を増幅する。電力増幅器10は、任意の適切なRF電力増幅器としてよい。例えば、電力増幅器10は、単段電力増幅器、多段電力増幅器、一以上のバイポーラトランジスタが実装される電力増幅器、又は一以上の電界効果トランジスタが実装される電力増幅器の一以上としてよい。電力増幅器10は、例えば、GaAsダイ、CMOSダイ又はSiGeダイに実装することができる。
【0092】
RF結合器20は、電力増幅器10及びアンテナ30間を進行する増幅されたRF信号の電力の一部分を抽出することができる。RF結合器20は、電力増幅器10からアンテナ30へと進行する順方向RF電力の表示を生成し、及び/又はアンテナ30から電力増幅器10へと進行する反射RF電力の表示を生成することができる。電力の表示は、RF電力検出器(例示せず)に与えられるようにしてよい。RF結合器20は、4つのポート、すなわち電力入力ポート、電力出力ポート、結合ポート及び隔離ポートを有し得る。
図1の構成において、電力入力ポートは、電力増幅器10からの増幅器RF信号を受信することができ、電力出力ポートは、増幅されたRF信号をアンテナ30に与えることができる。終端インピーダンスを、隔離ポート又は結合ポートのいずれかに与えることができる。双方向性RF結合器において、一つの状態において終端インピーダンスを隔離ポートに与え、他の状態において終端インピーダンスを結合ポートに与えることができる。終端インピーダンスが隔離ポートに与えられるとき、結合ポートは、電力入力ポートから電力出力ポートへと進行するRF信号の電力の一部分を与えることができる。したがって、結合ポートは、順方向RF電力の表示を与えることができる。終端インピーダンスが結合ポートに与えられるとき、隔離ポートは、電力出力ポートから電力入力ポートへと進行するRF信号の電力の一部分を与えることができる。したがって、隔離ポートは、逆方向RF電力の表示を与えることができる。逆方向RF電力は、アンテナ30から反射されてRF結合器20へと戻るRF電力としてよい。
【0093】
アンテナ30は、増幅されたRF信号を送信することができる。例えば、
図1に例示の電子システムがセルラー電話機に含まれる場合、アンテナ30は、当該セルラー電話機からのRF信号を基地局へと送信することができる。
【0094】
図2は、無線周波数結合器が、アンテナスイッチモジュール及びアンテナ間を進行する無線周波数信号の電力の一部分を抽出するように構成された模式的なブロック図である。
図2のシステムは、アンテナスイッチモジュール40が、電力増幅器10及びRF結合器20間の信号経路に含まれる点を除き、
図1のシステムに類似する。アンテナスイッチモジュール40は、アンテナ30を、選択された送信経路に選択的かつ電気的に接続することができる。アンテナスイッチモジュール40は、一定数のスイッチング機能を与えることができる。アンテナスイッチモジュール40は、多投スイッチを含み得る。これは、例えば、異なる周波数帯域に関連づけられた複数送信経路間のスイッチング、異なる動作モードに関連づけられた複数送信経路間のスイッチング、複数の送信モード及び/又は受信モード間のスイッチング、又はこれらの任意のコンビネーションに関連づけられた機能を与えるように構成される。理解されることだが、
図2の電子システムに付加素子(例示せず)を含め、及び/又は例示の素子のサブコンビネーションを実装することもできる。他の実装において(例示せず)、RF結合器は、電力増幅器及びアンテナスイッチモジュール間の信号経路に含まれてよい。
【0095】
図3Aを参照すると、一実施形態に係る無線周波数結合器20a及び調整可能終端インピーダンス回路を含む電子システムが記載される。電子システムが
図3Aに例示の状態にあるとき、電力入力ポートから電力出力ポートへと進行するRF電力の一部分は、結合ポートに与えられている。
図3AにおけるRF結合器20aの結合ポートに与えられるRF電力の一部分は、順方向RF電力を代表する。RF結合器20aの結合ポートにおける順方向RF電力の表示は、例えば、アンテナに与えるべく電力増幅器が生成する信号の電力を示し得る。
図3Aは、RF結合器20a、第1スイッチネットワーク50、第1終端インピーダンス素子52、第2スイッチネットワーク54、第2終端インピーダンス素子56及び制御回路58を含む電子システムを例示する。
図3Aの電子システムは、例示よりも多くの素子を含んでよく、及び/又は例示の素子のサブコンビネーションを実装してもよい。
【0096】
RF結合器20aは、
図1及び
図2のRF結合器20の一例である。RF結合器20aは、マイクロストリップ、ストリップライン、共平面ライン等のような2つの並列又は重畳送信ラインを含み得る。いくつかの実施形態において、RF結合器20aは、2つの送信ラインの代わりに、2つの変圧器のような2つのインダクタを含み得る。2つの送信ライン又はインダクタが、主要ライン及び結合ラインに実装され得る。主要ラインは、RF電力入力からRF電力出力への信号の大半を与えることができる。結合ラインは、RF電力入力及びRF電力出力間を進行する電力の一部分を抽出するべく使用することができる。
【0097】
図3Aにおいて、第1スイッチネットワーク50及び第1終端インピーダンス素子52は一緒になって、第1調整可能終端インピーダンス回路を実装することができる。第1調整可能終端インピーダンス回路は、選択された終端インピーダンスをRF結合器20aの隔離ポートに与えることができる。第2スイッチネットワーク54及び第2終端インピーダンス素子56は一緒になって、第2調整可能終端インピーダンス回路に実装される。第2調整可能終端インピーダンス回路は、選択された終端インピーダンスをRF結合器20aの結合ポートに与えることができる。これについては、
図4を参照して以下に詳述される。
図3Aの第1調整可能終端インピーダンス回路及び第2調整可能終端インピーダンス回路はそれぞれ、複数のスイッチと、各スイッチに電気的に接続された終端インピーダンスとを含むが、当該第1調整可能終端インピーダンス回路及び/又は第2調整可能終端インピーダンス回路は、任意の適切な調整可能終端インピーダンス回路によって実装することができる。
【0098】
RF結合器20aの隔離ポートは、当該隔離ポートに与えられる終端インピーダンスを調整するべく、一以上のスイッチに電気的に接続することができる。例示のように、第1スイッチネットワーク50は、第1終端インピーダンス素子52の終端インピーダンス71、72及び73それぞれをRF結合器20aの隔離ポートに選択的かつ電気的に結合するインピーダンス選択スイッチ61、62及び63を含む。例示の第1スイッチネットワーク50はまた、モード選択スイッチ64を含む。これは、逆方向RF電力の表示を与えるべくRF結合器20aが使用されているときに、RF結合器20aからの逆方向結合出力を選択的に与えることができる。
【0099】
第1スイッチネットワーク50の各スイッチは、オンになるとノードを電気的に結合し、オフになるとノードを電気的に隔離することができる。第1スイッチネットワーク50は、インピーダンス選択スイッチ61、62及び63及びモード選択スイッチ64を実装するべく、任意の適切なスイッチを含み得る。例えば、第1スイッチングネットワーク50における例示のスイッチそれぞれが、半導体電界効果トランジスタ(FET)を含み得る。そのようなFETは、例えば、線形モードにおいてバイアスを受け得る。FETは、オンになると、当該FETのソース及びドレインを電気的に接続する短絡又は低損失モードとなり得る。FETは、オフになると、当該FETのソース及びドレインを電気的に隔離する開路又は高損失モードとなり得る。他の適切なスイッチを代替的又は追加的に実装してよい。さらに、
図3Aには3つのインピーダンス選択スイッチ61、62及び63が例示されるが、任意の適切な数のインピーダンス選択スイッチを実装することができる。いくつかの例において、一つのみのインピーダンス選択スイッチを実装してよい。いくつかの他の例において、2つのインピーダンス選択されたスイッチを実装することができ、又は3つを超えるインピーダンス選択スイッチを実装することができる。
【0100】
インピーダンス選択スイッチ61、62及び63、並びに終端インピーダンス71、72及び73は、RF結合器20aの所望の指向性を達成するように使用することができる。例えば、異なる終端インピーダンスを、RF結合器20aへのRF信号が、対応する異なる周波数帯域内にあるときに、隔離ポートに選択的かつ電気的に接続することができる。例示される一例として、第1周波数帯域に対しては第1終端インピーダンス71を隔離ポートに電気的に結合し、第2周波数帯域に対しては第2終端インピーダンス72を隔離ポートに電気的に結合し、第3周波数帯域に対しては第3終端インピーダンス73を隔離ポートに電気的に結合することができる。
【0101】
以下の表1には、一実施形態に係る様々な周波数帯域に対するインピーダンス選択スイッチ61、62及び63、並びに対応終端インピーダンスの状態がまとめられる。
図3Aに示されるように、第1インピーダンス選択スイッチ61は、第1終端
インピーダンス71をRF結合器20aの隔離ポートに電気的に接続することができる。これにより、特定の周波数帯域に対する指向性を最適化することができる。
【表1】
【0102】
インピーダンス選択スイッチ61、62及び63は、終端インピーダンス71、72及び/又は73の任意の適切なコンビネーションをRF結合器20aの隔離ポートに与えるように制御することができる。例えば、インピーダンス選択スイッチ61、62及び63は、以下の表2に示される状態の任意のコンビネーション又はサブコンビネーションに構成することができる。さらに、ここに説明される原理及び利点は、任意の適切な数のインピーダンス選択スイッチ及び対応終端インピーダンスにあてはまる。
【表2】
【0103】
代替的又は追加的に、特定の電力動作モードに対し特定の終端インピーダンス、又は終端インピーダンスのコンビネーションを選択することができる。特定の電力モード及び/又は周波数帯域に対する特定のインピーダンスにより、RF結合器20aの指向性を改善することができる。これは、例えば、RF結合器20aに関連づけられた電力測定の精度を改善する支援となり得る。任意の適切なアプリケーションパラメータ、及び/又は動作条件の任意の適切な表示に対し、特定の終端インピーダンス、又は終端インピーダンスのコンビネーションを選択することができる。
【0104】
図3Aの第1終端インピーダンス素子52は、第1スイッチングネットワークの各インピーダンス選択スイッチに電気的に接続された終端インピーダンスを含む。終端インピーダンス71、72及び73は、例えば、所望の終端インピーダンスを達成するべく選択された抵抗性、容量性及び/又は誘導性負荷としてよい。そのような所望の終端インピーダンスは、特定の周波数帯域及び/又は電力モードのために選択することができる。終端インピーダンスの一以上のは、モード選択スイッチ及びグランド電位間に電気的に結合された受動インピーダンス素子としてよい。例えば、終端インピーダンスは、インピーダンス選択スイッチ及びグランド間に電気的に結合された抵抗器によって実装することができる。一以上の終端インピーダンスは、直列及び/又は並列受動インピーダンス素子の任意の適切なコンビネーションを含み得る。例えば、終端インピーダンスは、インピーダンス選択スイッチ及びグランド電位間に直列とされたキャパシタ及び抵抗器によって実装することができる。終端インピーダンス素子の例に関する詳細は、
図6A及び6Bに関して与えられる。
【0105】
制御回路58は、電子システムが順方向RF電力の表示を与える状態にあるときに所望の終端インピーダンスがRF結合器20aの隔離ポートに与えられるように、インピーダンス選択スイッチ61、62及び63を制御することができる。制御回路58は、隔離された端子において所望の終端インピーダンスを達成するべくインピーダンス選択スイッチ61、62、63の一以上を選択的に開閉する任意の適切な回路を含み得る。例えば、制御回路58により、インピーダンス選択スイッチ61、62及び63を、表1及び/又は表2に例示の状態のいずれかに構成することができる。
【0106】
制御回路58は、順方向電力又は逆方向電力のいずれを測定すべきかを示す第1信号と、帯域選択信号のような、動作モードを示す第2信号とを受信し得る。受信信号により制御回路58は、選択された終端インピーダンスをRF結合器20aの隔離ポートに与えるように第1スイッチネットワーク50を制御することができる。選択された終端インピーダンスは、終端インピーダンス71、72、73の任意の適切なコンビネーションによって実装することができる。受信信号により制御回路58は逆方向電力を測定するべく、選択された終端
インピーダンスをRF結合器20aの結合ポートに与えるように第2スイッチネットワーク54を制御することができる。制御回路58は、第1信号の状態に基づいてモード選択スイッチ64及び68を制御することができる。
【0107】
図4及び5に例示の状態のようないくつかの状態において、制御回路58は、第1終端インピーダンス素子52のすべての終端インピーダンスから隔離ポートを結合解除することができる。
【0108】
電子システムが
図3Aに例示の状態にある場合、制御回路58は、第1インピーダンス選択スイッチ61を経由して第1終端インピーダンス71をRF結合器20aの隔離ポートに電気的に接続するようにスイッチネットワーク50を制御する一方、他のインピーダンス選択スイッチ62及び63を使用して他の終端インピーダンスを当該隔離ポートから電気的に隔離する。制御回路58は、インピーダンス選択スイッチ61、62、63を動作させるデコーダのようなデジタルロジックを含み得る。デジタルロジックは、例えば、チャージポンプの出力電圧、又は電池電圧を含む任意の適切な電力供給に基づいて動作することができる。制御回路58はまた、
図3Aに例示の状態において隔離ポートが反射電力出力から結合解除されるように第1スイッチネットワーク50のモード選択スイッチ64を制御することもできる。
図3Aに例示の状態での動作時、制御回路58は、入力信号を第2スイッチネットワーク54に与えることにより、モード選択スイッチ68が結合ポートを順方向電力出力に電気的に接続し、インピーダンス選択スイッチ65、66及び67が当該結合ポートを終端インピーダンス75、76及び77それぞれから電気的に隔離する。
【0109】
図3Bは、
図3Aに例示のように配列されたRF結合器20aの、結合ポートの結合信号と、隔離ポートの信号とを例示するグラフである。
図3Bは、RF結合器20aの隔離ポートに与えられる異なる終端インピーダンスが、対応する異なる周波数の隔離ポートにおける信号の最小量を最適化できることを示す。
【0110】
図3Cは、
図3Bに示される曲線に対応する周波数に対する指向性の関係を例示するグラフである。指向性は、結合信号の電力の測定値から、隔離ポートにおける信号の電力の測定値をマイナスしたものを代表し得る。指向性が高ければ高いほど望ましくなり得る。
図3Cに示されるように、指向性は、特定の終端インピーダンスをRF結合器20aの隔離ポートに与えることにより、選択された周波数において最適化することができる。
【0111】
図4は、逆の方向に進行する無線周波数信号の電力の一部分が抽出される
図3Aとは異なる状態に構成された3Aの電子システムを例示する模式的な図である。電子システムは、
図3Aに示されるように順方向に結合された出力において順方向電力の表示を与える代わりに、
図4に示されるように逆方向に結合された出力において逆方向電力の表示を与えることができる。したがって、RF結合器20aは、
図1及び/又は
図2においてアンテナ30から反射されて戻される電力のような逆方向電力を検出するべく使用することができる。逆方向電力の表示を与えるべく、終端インピーダンスをRF結合器20aの結合ポートに与えることができる。スイッチネットワークをRF結合器20aの結合ポート及び隔離ポートに結合することにより、RF結合器20aを双方向性にすることができる。
【0112】
第2スイッチネットワーク54は、第2終端インピーダンス素子56の選択された終端インピーダンスを、RF結合器20aの結合ポートに電気的に結合することができる。第2スイッチネットワーク54はまた、順方向結合の出力へ/順方向結合の出力から結合ポートを、選択的に結合/結合解除することができる。RF結合器20aの隔離ポートを参照して記載される第1スイッチネットワーク50の特徴の任意のコンビネーションは、RF結合器20aの結合ポートに接続された第2スイッチネットワーク54によって実装することができる。
【0113】
インピーダンス選
択スイッチ65、66及び67は、各動作モードに対応する選択された状態となるように制御することができる。
図4に示される状態において、インピーダンス選択スイッチ66は、終端インピーダンス76をRF結合器20aの結合ポートに電気的に接続し、第2スイッチネットワーク54の他のインピーダンス選択スイッチ65及び67は、各終端インピーダンス75及び77をRF結合器20aの結合ポートから電気的に隔離する。以下の表3は、一実施形態に係る様々な周波数帯域に対するインピーダンス選択スイッチ65、66及び67の状態をまとめる。
【表3】
【0114】
インピーダンス選択スイッチ65、66及び67は、終端インピーダンス75、76及び/又は77の任意の適切なコンビネーションをRF結合器20aの結合ポートに与えるように制御することができる。例えば、インピーダンス選択スイッチ65、66及び67は、以下の表4に示される状態の任意のコンビネーション又はサブコンビネーションに構成することができる。さらに、ここに説明される原理及び利点は、任意の適切な数のインピーダンス選択スイッチ及び対応終端インピーダンスにあてはまる。
【表4】
【0115】
隔離ポートに関して記載される第1終端インピーダンス素子52の特徴の任意のコンビネーションは、結合ポートに接続された第2終端インピーダンス素子56によって実装することができる。いくつかの実施形態において、第2終端インピーダンス素子56は、第1終端インピーダンス素子52とは異なる終端インピーダンスを含む。いくつかの他の実施形態によれば、第2終端インピーダンス素子56は、第1終端インピーダンス素子52と実質的に同じ終端インピーダンスを含む。以下に説明される
図19Aの実施形態のような一定の実施形態において、一以上の終端インピーダンスを、隔離ポートに電気的に結合可能とするとともに、結合ポートにも電気的に結合可能とすることができる。
【0116】
図4に例示のように、インピーダンス選択スイッチ66は、終端インピーダンス76をRF結合器20aの結合ポートに電気的に接続する。これにより、特定の周波数帯域に対する逆方向電力の表示を与えるべく所望の指向性を設定することができる。またも
図4に例示されるように、第2スイッチネットワーク54のモード選択スイッチ68は、結合ポートを順方向結合の出力から電気的に隔離することができ、第1スイッチネットワーク50のモード選択スイッチ64は、隔離ポートを逆方向結合の出力に電気的に接続することができる。制御回路58は、第1スイッチネットワーク50及び第2スイッチネットワーク54のスイッチの状態を変えることにより、電子システムの状態を
図3Aに示される状態から
図4に示される状態へと調整することができる。
【0117】
図5は、
図3Aとは異なる状態に構成された3Aの電子システムを例示する模式的な図である。
図5において、RF結合器20aの結合ラインは、RF結合器20aの主要ラインから結合解除される。
図3Aに示されるように順方向結合の出力において順方向電力の表示を与え、又は
図4に示されるように逆方向結合の出力において逆方向電力の表示を与える代わりに、電子システムは、
図5に示されるように結合解除状態に構成することができる。結合解除状態は低挿入損失モードである。結合解除状態において、RF結合器20aの結合ラインは、
図5のRF結合器20aの主要ラインから結合解除される。したがって、RF結合器20aからの結合損失を、結合解除状態において有意に低減し又はなくすことができる。しかしながら、RF結合器20aの主要ラインからの挿入損失は、依然として存在するはずである。
【0118】
RF結合器の結合ポート及び隔離ポートは双方とも、結合解除状態において終端インピーダンス素子から電気的に隔離され得る。
図5に例示のように、第1スイッチネットワーク50のインピーダンス選択スイッチ61、62、63は、隔離ポートを第1終端インピーダンス素子52から結合解除することができ、第2スイッチネットワーク54のインピーダンス選択スイッチ65、66、67は結合解除状態において、結合ポートを第2終端インピーダンス素子56から結合解除することができる。またも
図5に例示のように、第1スイッチネットワーク50のモード選択スイッチ64は、隔離ポートを逆方向結合の出力から結合解除することができ、第2スイッチネットワーク54のモード選択スイッチ68は結合解除状態において、結合ポートを順方向結合の出力から結合解除することができる。制御回路58は、第1スイッチネットワーク50及び第2スイッチネットワーク54のスイッチの状態を変えることにより、
図5に示される結合解除状態において、結合ラインを主要ラインから結合解除することができる。
【0119】
図6A及び6Bは、
図3A、4及び5の第1終端インピーダンス素子52及び/又は第2終端インピーダンス素子56の機能を実装することができる終端インピーダンス素子の例の模式的な図である。終端インピーダンスはRF結合器において、電力送信を増加させかつ信号反射を低減するインピーダンス整合機能を与えることができる。終端インピーダンスは、結合ポート又は隔離ポートの一方のようなRF結合器のポートと、グランドのような基準電位との間に与えることができる。終端インピーダンスは、任意の適切な受動インピーダンス素子、又は受動インピーダンス素子の任意の適切な直列及び/又は並列結合によって実装することができる。
【0120】
図6Aに示されるように、終端インピーダンス素子は、調整可能抵抗回路、調整可能キャパシタンス回路及び調整可能インダクタンス回路によって実装することができる。スイッチネットワークのスイッチは、これらの素子をRF結合器の結合端子及び/又は隔離端子に選択的かつ電気的に結合することができる。調整可能抵抗回路、調整可能キャパシタンス回路又は調整可能インダクタンス回路の一以上のインピーダンスを調整することにより、RF結合器の所望の指向性を達成することができる。いくつかの他の実施形態において、調整可能抵抗回路、調整可能キャパシタンス回路又は調整可能インダクタンス回路の一つ又は2つが、3つすべての代わりに実装される。
【0121】
図6Bは、
図3A、4及び5の第1終端インピーダンス素子52及び/又は第2終端インピーダンス素子56が、スイッチネットワークのスイッチに電気的に結合された複数の抵抗器を含み得る模式的な図である。各抵抗器が、特定の周波数帯域に対してRF結合器の指向性を最適化するべく選択された抵抗を有し得る。代替的又は追加的に、これらの抵抗器の抵抗のコンビネーションにより、特定の周波数帯域に対してRF結合器の指向性を最適化することができる。
【0122】
上述のように、伝統的なRF結合器は、RF結合器の結合ライン/主要ライン(例えば送信ライン又はインダクタ)の周波数依存性ゆえに結合係数が変動していた。RF結合器の結合係数を周波数に対して調整して結合ライン/主要ラインの周波数依存性を補償するべく、多数セクション結合ラインを有するRF結合器がここに開示される。そのようなRF結合器は、所望のとおりに調整され得る調整可能結合係数を与えることができる。例えば、そのようなRF結合器は、周波数に対し相対的に平坦な結合係数を実装することができる。
【0123】
図7A〜10Cを参照すると、一実施形態及び関連するグラフに係る多数セクション結合ラインを有するRF結合器20bを含む電子システムの異なる状態が記載される。RF結合器20bは、
図1及び/又は2のRF結合器20の実装の他の例である。制御回路は、
図3A、4及び5の制御回路58と同様に、電子システムを
図7A、8A、9A又は10Aに例示の状態にするべくRF結合器20b及びスイッチネットワークを制御することができる。
【0124】
図7Aは、結合ポートに電気的に接続された調整可能長さを備えた結合ラインを有する、一実施形態に係るRF結合器20bの模式的な図である。RF結合器20bは、例えば、
図1及び/又は
図2の電子システムに実装することができる。
図7Aの電子システムは、RF結合器20bと、スイッチ92〜99を含むスイッチネットワークと、終端インピーダンス104〜109を含む終端インピーダンス回路とを含む。一実施形態において、終端インピーダンス104〜109はそれぞれ、終端抵抗器によって実装することができる。
【0125】
図7Aに例示のように、RF結合器20bは、多数セクション主要ライン及び多数セクション結合ラインを有する。主要ライン及び結合ラインのセクションは、導電ライン(例えばマイクロストリップ、ストリップライン、共平面ライン等)及び/又はインダクタによって実装することができる。例示のように、主要ラインはセクション80、82及び84を含み、結合ラインはセクション85、87及び89を含む。3つのセクション結合ラインを有する
図7Aの実施形態が例示を目的として記載されるが、ここに説明される原理及び利点は、2つのセクション結合ラインに、及び/又は3つを超えるセクションを有する結合ラインにあてはまる。
図7Aに示されるRF結合器20bはまた、結合ラインのセクション間に設けられた結合係数スイッチ90及び91を含む。
【0126】
RF結合器20bの結合係数は、RF結合器20bの電力入力ポート及び電力出力ポート間を進行する信号のRF電力の表示を与えるRF結合器20bのポートに電気的に接続された結合ラインのセクションの数を調整することによって調整することができる。例えば、結合係数は、多数セクション結合ラインの異なる数のセクション85、87、89を結合ポートに電気的に接続することによって調整することができる。これにより、結合ポートに電気的に接続される結合ラインの長さを調整することができる。したがって、RF結合器20bは、結合ポートに電気的に接続される結合ラインのセクション85、87、89の数に応じて順方向電力測定のために多数の結合係数を与えることができる。RF結合器20bのポートと終端インピーダンスとの間に電気的に接続される結合ラインの長さが長ければ長いほど、高い結合係数及び高い挿入損失が与えられる。
【0127】
多数セクションRF結合器20bによれば、結合係数は、周波数に対して相対的に平坦な結合係数を達成するように制御することができる。RF結合器20bは、過度の結合を回避することにより、主要ラインにおける過剰な挿入損失を防止することができる。過剰な挿入損失を防止することは、相対的に高い挿入損失がもたらされ得る、結合効果が所望よりも高くなり得る場合に、相対的に高い周波数において特に有利となり得る。
【0128】
結合係数スイッチ90及び91は、終端インピーダンスと、電力入力ポート及び電力出力ポート間を進行する電力の表示を与えるように構成されたRF結合器20bのポートとの間の結合ラインの長さを調整することができる。RF結合器20bの結合ポートに電気的に接続される結合ラインの有効長さは、RF結合器20bの結合係数に寄与する結合ラインの長さとすることができる。例えば、RF結合器20bの終端インピーダンス及び結合ポート間の結合ラインの有効長さは、RF結合器20bの結合ポートに電気的に
接続された結合ラインのセクションの長さとすることができる。
図7Aにおける結合ラインの第1セクション85及び第2セクション87間には、第1結合係数スイッチ90が設けられる。第1結合係数スイッチ90がオンになると、第1セクション85及び第2セクション87は双方とも、RF結合器20bの結合ポートに電気的に接続される。第1結合係数スイッチ90がオフになると、第1結合係数スイッチ90は、第1セクション85及び第2セクション87間の電気的な隔離を与える。第2結合係数スイッチ91は
図7Aにおいて、結合ラインの第2セクション87及び第3セクション89間に設けられる。第2結合係数スイッチ91がオンになると、第2セクション87及び第
3セクション
89は互いに電気的に接続される。第2結合係数スイッチ91がオフになると、第2結合係数スイッチ91は第2セクション87及び第3セクション89の電気的隔離を与える。
【0129】
図7Aに例示の状態において、第1結合係数スイッチ90及び第2結合係数スイッチ91は双方ともオンである。この状態において、セクション85、87及び89はすべてが、RF結合器20bの結合ポートに電気的に接続される。結合ラインのすべてのセクションが結合ポートに電気的に接続されると、RF結合器20bは、結合ラインのセクションのすべてよりも少ないセクションが結合ポートに電気的に接続されている場合と比べて高い結合効果及び高い挿入損失を与えることができる。
【0130】
終端インピーダンススイッチは、
図7Aにおいて、結合ラインの各セクションに電気的に接続される。終端インピーダンススイッチは、結合ラインの各セクションを対応終端インピーダンスに選択的かつ電気的に接続することができる。電力の表示を与えるように構成されたRF結合器20bのポートから最も遠くかつ当該ポートに電気的に接続された結合ラインのセクションに電気的に接続された終端インピーダンススイッチをオンにすることができる。
図7Aに例示のように、終端インピーダンススイッチ96がオンにされ、終端インピーダンス106を結合ラインに電気的に接続する。
【0131】
第1モード選択スイッチ92が、RF結合器20bの結合ポートを順方向結合の出力に選択的かつ電気的に結合することができる。
図7Aに示される状態において、モード選択スイッチ92がオンになると、結合ポートが順方向結合の出力に電気的に接続される。第2モード選択スイッチ93が、RF結合器20bの隔離ポートを逆方向結合の出力に選択的かつ電気的に結合することができる。
図7Aに示される状態において、モード選択スイッチ93がオフになると、隔離ポートが逆方向結合の出力から電気的に隔離される。
【0132】
図7Bは、
図7Aに示される状態における無線周波数結合器20bの挿入損失曲線を例示するグラフである。
図7Cは、
図7Aに示される状態における無線周波数結合器20bの結合係数曲線を例示するグラフである。
【0133】
図8Aは、無線周波数結合器20bが第2状態に構成される
図7Aのシステムの模式的な図である。第2状態において、結合ライン3つのセクションのうち2つが、結合ポートに電気的に接続される。第2状態は、第1状態よりも低い結合係数及び低い挿入損失を与える。第2状態において、第2結合係数スイッチ91は開にされ、第3セクション89はRF結合器20bの結合ポートから電気的に隔離される。これにより、主要ラインとの結合に寄与する結合ラインの有効長さが、
図7Aに示される第1状態よりも低減される。
図8Aに示される第2状態において、
図7Aに示される第1状態とは異なる終端インピーダンススイッチがオンにされる。
図8Aに例示のように、終端インピーダンススイッチ95がオンにされ、終端インピーダンス105が結合ラインの第2セクション87に電気的に接続される。
【0134】
図8Bは、
図8Aに示される状態にある無線周波数結合器20bの挿入損失曲線を例示するグラフである。
図8Cは、
図8Aに示される状態における無線周波数結合器20bの結合係数曲線を例示するグラフである。これらのグラフは、挿入損失及び結合係数が、
図7Aに示される状態に対するものとは異なることを示す。
【0135】
図9Aは、無線周波数結合器20bが第3状態にあるように構成された
図7Aの電子システムの模式的な図である。第3状態において、結合ラインの3つのセクションの一つは、結合ポートに電気的に接続される。第3状態は、第1状態又は第2状態よりも低い結合係数及び低い挿入損失を与える。第3状態において、第1結合係数スイッチ90及び第2結合係数スイッチ91はオフになり、結合ラインの第2セクション87及び第3セクション89は、RF結合器20bの結合ポートから電気的に隔離される。
図9Aに示される第3状態において、
図7Aに示される第1状態及び
図8Aに示される第2状態とは異なる終端インピーダンススイッチがオンにされる。
図9Aに例示のように、終端インピーダンススイッチ94がオンになると、終端インピーダンス104が結合ラインの第1セクション85に電気的に結合される。
【0136】
図9Bは、
図9Aに示される状態にある無線周波数結合器の挿入損失曲線を例示するグラフである。
図9Cは、
図9Aに示される状態にある無線周波数結合器の結合係数曲線を例示するグラフである。これらのグラフは、挿入損失及び結合係数が、
図7A及び
図8Aに示される状態とは異なることを示す。
【0137】
図10Aは、結合ラインが主要ラインから結合解除される第4状態に構成された
図7Aの無線周波数結合器20bの模式的な図である。第4状態において、結合ゆえの結合効果及び挿入損失を、主要ラインから除去することができる。RF結合器20bが、順方向RF電力又は逆方向RF電力を測定するべく使用されているわけではない場合、システムは第4状態に構成することができる。結合係数スイッチ90及び91、並びに終端インピーダンススイッチ94、95、96、97、98及び99がオフになると、結合ラインは主要ラインから結合解除される。加えて、モード選択スイッチ92及び93は、第4状態においてオフとすることができる。
【0138】
図10Bは、
図10Aに示される状態にある無線周波数結合器20bの挿入損失曲線を例示するグラフである。
図10Cは、
図10Aに示される状態にある無線周波数結合器20bの結合係数曲線を例示するグラフである。これらのグラフは、第4状態において、第1、第2及び第3状態よりも低減された挿入損失及び結合係数が存在することを示す。
【0139】
図7A、8A、9A及び10Aに示される電子システムは、反射電力の表示を与える状態に構成することができる。したがって、RF結合器20bは双方向性としてよい。デコーダのような任意の適切な制御回路が、そのような状態を実装するべくスイッチをオン及び/又はオフにすることができる。以下の表5には、一実施形態に係る様々な状態において、例示のスイッチのどれがオン(On)になり、例示のスイッチのどれがオフ(Off)になるかがまとめられる。以下の表6は、これらの状態の簡単な記述を与える。いくつかの実施形態において、付加的な状態及び/又はこれらの状態のサブコンビネーションを実装することができる。
【表5】
【表6】
【0140】
図7A、8A、9A及び10Aに例示の多数セクション結合器は、RF結合器の結合係数を調整する(例えば周波数帯域に対して結合係数を平坦化する)ことができるこれにより、一定の状態における挿入損失を改善することができる。
【0141】
図11Aは、単数セクション結合器の、周波数に対する挿入損失の曲線のグラフである。
図11Bは、多数セクション結合器の、周波数に対する挿入損失の曲線のグラフである。
図12Aは、単数セクション結合器の、周波数に対する結合係数の曲線のグラフである。
図12Bは、多数セクション結合器の、周波数に対する結合係数の曲線のグラフである。とりわけ、これらのグラフには、典型的なRF結合器において周波数が増加すると結合効果が増加し、多数セクションRF結合器が、増加した結合効果を効果的に補償することができ、及び結合効果の低減により挿入損失が改善することが例示される。周波数に対して相対的に平坦な結合係数を実装するべく、多数セクション結合器は、結合係数値に整合する
図12Bに例示の3つの曲線に沿った点が、3つの異なる関心周波数の対応周波数に対して実装され得るように構成することができる。
【0142】
図13Aは、各セクションに結合可能な複数の終端インピーダンスを有する多数セクション無線周波数結合器20bを含む、一実施形態に係る電子システムの模式的な図である。
図13Aの電子システムは、多数終端インピーダンスが、多数セクション結合ラインの各セクションに結合可能である点を除き、
図7A、8A、9A及び10Aに例示の電子システムに類似する。3つのセクション結合ラインを有する実施形態が例示を目的として
図13Aに関して記載されるが、ここに説明される原理及び利点は、2つのセクション結合ラインに、及び/又は3つを超えるセクションを有する結合ラインにあてはまる。
【0143】
図13Aに示されるように、スイッチネットワークの多数のインピーダンス選択スイッチは、結合ラインの各セクションに電気的に接続される。これらのインピーダンス選択スイッチはそれぞれ、電気的に接続される対応終端インピーダンスを有する。選択された終端インピーダンスは、結合ラインの各セクションへと与えることができる。これにより所望の指向性を与えることができる。例えば、特定の周波数帯域及び/又は特定の電力モードに対し、選択された終端インピーダンスを、結合ラインのセクションに与えることができる。
【0144】
図13Aに例示の電子システムは、様々な状態に構成することができる。いくつかの状態において、電子システムは、順方向電力の表示を与えるように構成することができる。いくつかの他の状態によれば、電子システムは、反射電力の表示を与えるように構成することができる。電子システムはまた、
結合ラインが主要ラインから結合解除され
た結合解除状態に構成することができる。デコーダのような任意の適切な制御回路が、そのような状態を実装するべくスイッチをオン及び/又はオフにすることができる。以下の表7には、一実施形態に係る様々な状態において、例示のスイッチのどれがオン(On)になり、例示のスイッチのどれがオフ(Off)になるかがまとめられる。以下の表8は、これらの状態の簡単な記述を与える。いくつかの実施形態において、付加的な状態及び/又はこれらの状態のサブコンビネーションを実装することができる。
【表7】
【表8】
【0145】
図13Bは、終端インピーダンスを伴う
図13Aにおける無線周波数結合器の状態の曲線を例示するグラフである。
図13Aの電子システムは、異なる終端インピーダンスを多数セクション結合ラインの一セクションに電気的に接続することにより、異なる周波数に対して最適化することができる。例えば、
図13Bにおける下側の2つの曲線はそれぞれ、多数セクション結合ラインに電気的に接続される終端インピーダンス106a及び106bに対応する。一つの終端インピーダンスが900MHz付近の周波数帯域に対して最適化され、他の終端インピーダンスが2.5GHz付近の周波数帯域に対して最適化される。
図13Bにおける最上部の曲線は、実質的に互いに重なっているが、結合ポートにおける信号に対応する。
【0146】
図13Cは、多数セクション結合ラインが、各セクションに結合可能な複数の終端インピーダンスを有する、一実施形態に係る無線周波数結合器の模式的な図である。
図13Cに例示のように、RF結合器の主要ラインは、単数の連続導電ライン112によって実装することができる。
図13Cの電子システムは、
図13A及び13Bを参照して説明された特徴の任意の適切なコンビネーションを実装することができる。導電ライン112は、RF結合器の電力入力ポートから当該RF結合器の電力出力ポートまで延びる連続導電構造物とすることができる。導電ライン112は、例えば、マイクロストリップ、ストリップライン、インダクタ等によって実装することができる。導電ライン112は、多数セクション主要ラインを含む開示の実施形態のいずれにおいても、多数セクション主要ラインの代わりに実装することができる。
【0147】
図14は、一実施形態に係る、カスケードセクションを結合ラインに有する無線周波数結合器の模式的な図である。
図14に例示のRF結合器は、2つのセクション結合ラインを有する。例示のように、RF結合器の主要ラインのセクションは、多重積層における送信ラインによって実装することができる。
図14において、結合ラインのセクションはまた、多重積層80及び82における送信ラインによって実装することができる。結合係数スイッチ90は、結合ラインの第1セクション85に電気的に接続された第1端と、結合ラインの第2セクション87に電気的に接続された第2端とを含み得る。結合係数スイッチ90は、アクティブ層に実装することができる。終端インピーダンススイッチは、ここに説明される原理及び利点により、各終端インピーダンスを結合ラインのセクションに選択的かつ電気的に接続することができる。
図14の原理及び利点はいずれも、必要に応じて、開示の実施形態のいずれかとのコンビネーションで実装することができる。
【0148】
図15は、多数結合ラインセクションが同じ主要結合器ラインを共有し得る多数層を有する、一実施形態に係る無線周波数結合器の模式的な図である。
図15に例示のRF結合器は、2つのセクションを有する結合ラインを含む。例示のように、セクション85及び87は、主要ラインの共通セクション115に隣接して設けられる。
図15において、結合ラインのセクション85及び87は、多重積層における送信ラインによって実装することができる。結合係数スイッチ90は、アクティブ層によって実装することができる。
図15の原理及び利点はいずれも、必要に応じて、開示の実施形態のいずれかとのコンビネーションで実装することができる。
【0149】
図16Aは、一実施形態に係る、無線周波数結合器と、調整可能終端インピーダンスを与えるように構成された終端インピーダンス回路と、無線周波数結合
器及び終端インピーダンス回路間に結合された隔離スイッチとの模式的な図である。RF結合器20aは、例えば、
図1及び/又は
図2の電子システムに実装することができる。
図16Aの電子システムは、RF結合器20a、隔離スイッチ120及び122、メモリ125、制御回路58’、終端インピーダンス回路130及び140、並びにモード選択スイッチ64及び68を含む。
図16Aに例示のRF結合器20aは双方向性結合器である。
図16Aの電子システムは、例示よりも多くの素子を含んでよく、及び/又は例示の素子のサブコンビネーションを実装してもよい。さらに、
図16Aの電子システムは、ここに説明される原理及び利点の任意の適切なコンビネーションによって実装することができる。
【0150】
図16Aの終端インピーダンス回路130及び140は、RF結合器20aのポートに所望の終端インピーダンスを与えるようにチューニング可能である。終端インピーダンス回路130は、所望の終端インピーダンスをRF結合器20aの隔離ポートに与えるようにチューニングすることができる。終端インピーダンス回路130は、RF結合器20aの隔離ポートに与えられた抵抗器、キャパシタンス及び/又はインダクタンスをチューニングすることができる。そのようなチューニング可能性は、設計後の構成及び/又は補償及び/又は最適化にとって利点となり得る。
【0151】
終端インピーダンス回路130は、受動インピーダンス素子の直列及び/又は並列結合を与えることにより、隔離ポートに与えられた終端インピーダンスをチューニングすることができる。
図16Aに例示のように、終端インピーダンス回路130は、スイッチ131〜139、並びに受動インピーダンス素子R2a〜R2n、L2a〜L2n及びC2a〜C2nを含む。スイッチ131〜139はそれぞれ、各受動インピーダンス素子を、隔離ポートに与えられた終端インピーダンスに選択的にスイッチインにすることができる。
図16Aに例示される終端インピーダンス回路130において、接続ノードn1及びグランドに終端経路を与えるには、少なくとも3つのスイッチをオンにする必要がある。
【0152】
図16Aに例示される終端インピーダンス回路130のスイッチは、互いに直列にされた、並列スイッチの3つのバンク131〜133、134〜136及び137〜139を含む。第1バンクのスイッチ131〜133は、接続ノードn1と第1中間ノードn2との間に結合される。第2バンクのスイッチ134〜136は、第1中間ノードn2と第2中間ノードn3との間に結合される。第3バンクのスイッチ137〜139は、第2中間ノードn3と、グランドのような基準電位との間に結合される。スイッチのバンクを、並列スイッチの他のバンクと並列にすることにより、終端インピーダンス回路130により得られる可能な終端インピーダンス値の数を増やすことができる。例えば、終端インピーダンス回路130が、互いに直列にされた、3つの並列スイッチの3つのバンクを含み、当該終端インピーダンス回路は、各バンクのスイッチにおいて当該スイッチの一以上をオンにする一方他のスイッチをオフにすることにより、343の異なる終端インピーダンス値を与えることができる。
【0153】
例示の終端インピーダンス回路130は直列回路を含む。これは、受動インピーダンス素子と、他の受動インピーダンス素子及び他のスイッチを含む他の直列回路に並列のスイッチとを含む。例えば、スイッチ131及び抵抗器R2aを含む第1直列回路が、スイッチ
132及び抵抗器R2bを含む第2直列回路に並列とされる。終端インピーダンス回路130は、一以上の抵抗器R2a〜R2nに直列のインダクタL2a〜L2nそれぞれを切り替えるスイッチ134〜136を含む。スイッチ134〜136はまた、互いに並列のインダクタL2a〜L2nの2つ以上を切り替えることができる。終端インピーダンス回路130はまた、一以上の抵抗器
・インダクタ(RL
)回路に直列のキャパシタC2a〜C2nそれぞれを切り替えるスイッチ137〜139を含む。スイッチ137〜139はまた、互いに並列のキャパシタC2a〜C2nの2つ以上を切り替えることができる。
【0154】
図16Aに例示のように、スイッチ132、136、137及び138は、終端インピーダンス回路130の他のスイッチがオフの間、オンとすることができる。これにより、終端インピーダンスを、キャパシタC2a及びC2bの並列結合に直列の、インダクタL2nに直列の抵抗器R2bを含むRF結合器20aの隔離ポートに与えることができる。
【0155】
終端インピーダンス回路130は、任意値、バイナリ重みづけ値、変動を補償する値、特定のアプリケーションに対する値等、又はこれらの任意のコンビネーションを有する受動インピーダンス素子を含み得る。終端インピーダンス回路130がRLC回路を与え得るが、ここに説明される原理及び利点は、所望の終端インピーダンスを与えるべく一以上の抵抗器、一以上のインダクタ、一以上のキャパシタ、一以上のRL回路、一以上のRC回路、一以上のLC回路又は一以上のRLC回路のような回路素子の任意の適切なコンビネーションを与え得る終端インピーダンス回路にもあてはまる。回路素子のそのようなコンビネーションは、任意の適切な直列及び/又は並列結合に配列することができる。
【0156】
スイッチ131〜139は、電界効果トランジスタによって実装することができる。代替的又は追加的に、終端インピーダンス回路130の一以上のスイッチは、MEMSスイッチ、ヒューズ素子(例えばヒューズ又はアンチヒューズ)、又は任意の他の適切なスイッチ素子によって実装することができる。
【0157】
図16Aに例示の終端インピーダンス回路130がスイッチを含むが、チューニング可能終端インピーダンスは、代替的又は追加的に、他の可変インピーダンス回路によって与えることもできる。例えば、終端インピーダンス回路は、インピーダンス素子に与えられる信号の関数として変化するインピーダンスを有するインピーダンス素子を使用して、チューニング可能終端インピーダンスを実装することができる。一例として、線形動作モードで動作する電界効果トランジスタは、そのゲートに与えられる電圧に依存するインピーダンスを与えることができる。他例では、バラクタダイオードは、バラクタダイオードに与えられる電圧の関数として可変のキャパシタンスを与えることができる。
【0158】
例示の終端インピーダンス回路140は、終端インピーダンス回路140が隔離ポートの代わりに結合ポートに終端インピーダンスを与え得る点を除き、例示の終端インピーダンス回路130と実質的に同じ機能を果たすことができる。終端インピーダンス回路130の受動インピーダンス素子のインピーダンスは、終端インピーダンス回路140の対応受動インピーダンス素子と実質的に同じとしてよい。終端インピーダンス回路130の受動インピーダンス素子の一以上は、終端インピーダンス回路140の対応受動インピーダンス素子とは異なるインピーダンス値を有してよい。一定の実施形態において(例示せず)、終端インピーダンス回路130及び終端インピーダンス回路140は、互いに異なる回路トポロジを有してよい。
【0159】
例示の隔離スイッチ120及び122は、RF結合器20aのポートと、終端インピーダンス回路130及び140それぞれとの間に隔離を与えるように機能する役割を果たすことができる。隔離スイッチ120及び122はそれぞれ、各隔離スイッチの制御終端が受信した制御信号に応答して、RF結合器20aのポートを終端インピーダンス回路130又は140それぞれに選択的かつ電気的に接続することができる。例示のように、隔離スイッチ122は、RF結合器20aの結合ポートと終端インピーダンス回路140との間に電気的に接続される。隔離スイッチ122は、
図16Aに例示のように、
結合ポートが順方向RF電力の表示を与えると、オフにすることができる。隔離スイッチ122がオフになると、隔離スイッチ122は、終端インピーダンス回路140の負荷を結合ポートから分離することができる。特に、隔離スイッチ122は、終端インピーダンス回路140の第1バンクの複数スイッチのスイッチ141〜143を、隔離スイッチ122をオフにして結合ポートから隔離することができる。このため、RF結合器20aの結合ポートにおけるスイッチバンクスイッチの負荷を除去することにより、挿入損失を改善することができる。例示の実施形態において、隔離スイッチ122とともに、終端インピーダンス回路140のいずれかの受動インピーダンス素子とRF結合器20aの結合ポートとの間には、直列の2つのスイッチが存在する。
【0160】
図16Aの電子システムが、隔離ポートが逆方向RF電力の表示を与える他の状態(例示せず)にあると、隔離スイッチ122は、終端インピーダンス回路140を結合ポートに電気的に接続するべくオンにすることができる。
【0161】
隔離スイッチ122は、例えば、電界効果トランジスタによって実装することができる。一定の実装において、隔離スイッチ122は、接続ノードn1とRF結合器の結合ポートとの間に直列のスイッチと、接続ノードn1に接続されたシャントスイッチとによって実装することができる。いくつかの実装によれば、隔離スイッチ122は、例えば、
図19B及び19Cに例示される直列・シャント・直列スイッチトポロジによって実装することができる。隔離スイッチ122は、単投スイッチによって実装することができる。隔離スイッチ122は、単極スイッチによって実装することができる。隔離スイッチ122は、例示のように、単極単投スイッチによって実装することができる。
【0162】
図16Aの隔離スイッチ120は、RF結合器20aの隔離ポートと、終端インピーダンス回路130との間に電気的に接続される。隔離スイッチ120は、隔離ポートが逆方向RF電力(例示せず)の表示を与えているときにオフにし、結合ポートが、例示のように順方向RF電力の表示を与えているときにオンにすることができる。スイッチがアクティブにされ及びアクティブ解除されるときの異なる接続及び異なるタイミングを別にすれば、隔離スイッチ120及び122は実質的に同じである。隔離スイッチ120及び122は双方とも、結合解除状態においてオフとすることができる。隔離スイッチ120及び122は、終端インピーダンス回路130を隔離ポートに選択的かつ電気的に結合し、終端インピーダンス回路140を結合ポートに選択的かつ電気的に結合することができるスイッチ回路を実装することができる。
【0163】
メモリ125は、終端インピーダンス回路130及び/又は終端インピーダンス回路140における一以上のスイッチの状態を設定するデータを格納することができる。メモリ125は、ヒューズ素子のような永続性メモリ素子によって実装することができる。いくつかの他の実装において、メモリ125は揮発性メモリ素子を含み得る。メモリ125は、プロセス変動を示すデータを格納することができる。代替的又は追加的に、メモリ125は、アプリケーションパラメータを示すデータを格納することができる。メモリ125は、制御回路58’ 及び/又は終端インピーダンス回路130及び140と同じダイに実装することができる。メモリ125は、RF結合器20aと同じパッケージに含まれてよい。
【0164】
例示の制御回路58’はメモリ125と通信する。制御回路58’は、メモリ125に格納されたデータに少なくとも部分的に基づいて、終端インピーダンス回路130及び140の一以上のスイッチの状態を設定するべく、一以上の制御信号を与えるように構成される。制御回路58’は、ここに説明される制御回路58の特徴の任意のコンビネーションを実装することができる。制御回路58’は、例えば、デコーダとすることができる。
【0165】
図16Aの電子システムが製造された後にメモリ125及び制御回路58’が一緒になって、終端インピーダンス回路130及び/又は140を構成することができる。これにより、プロセス変動を補償するべくRF結合器20aに与えられる終端インピーダンスを構成することができる。例えば、メモリ125はヒューズ素子を含み、制御回路58’はデコーダを含み得る。この例において、プロセス変動が検出された後にメモリ125のヒューズ素子が飛び、これにより、制御回路58’は、終端インピーダンス回路130及び/又は140の一以上のスイッチをオン位置に設定し得る。その結果、特定の受動インピーダンス素子が、プロセス変動を補償するべくRF結合器20aのポートに与えられる終端経路に含まれる。他例では、RF結合器20aに与えられた終端インピーダンスは、特定の周波数帯域での動作のような特定のアプリケーションパラメータに構成することができる。
【0166】
図16Bは、
図16Aに例示の無線周波数結合器の2つの異なる周波数に対して最適化された
結合ポートの結合信号と隔離ポートの信号とを例示するグラフである。
図16Bは、終端インピーダンス回路130及び/又は終端インピーダンス回路140を使用して、特定の周波数に対する終端インピーダンスを最適化することができることを示す。終端インピーダンスは、所望の他のパラメータに対して調整することができる。
【0167】
図17Aは、一実施形態に係る、無線周波数結合器、調整可能終端インピーダンスを与えるように構成された終端インピーダンス回路、並びに無線周波数結合器及び終端インピーダンス回路間の隔離スイッチの模式的な図である。
図17Aの電子システムは、例示よりも多くの素子を含んでよく、及び/又は例示の素子のサブコンビネーションを実装してもよい。さらに、
図17Aの電子システムは、ここに説明される原理及び利点の任意の適切なコンビネーションによって実装することができる。
【0168】
図17Aの電子システムは、
図16Aとは異なる終端インピーダンス回路を含む。
図17Aの終端インピーダンス回路130’及び140’は、RF結合器20aの隔離ポート及び結合ポートそれぞれに、
図16Aの終端インピーダンス回路130及び140とは異なる回路トポロジで与えられる終端インピーダンスを調整することができる。例えば、
図17Aに例示の終端インピーダンス回路130’は、RLC回路とRF結合器のポートとの電気的に接続を選択的に与えるスイッチ155及び156を含む。例示の終端インピーダンス回路130’はまた、RC終端(例えば、スイッチ152及び/又は153がオンかつスイッチ157及び/又は158がオンの場合)又はLC終端(例えば、スイッチ154がオンかつスイッチ157及び/又は158がオンの場合)をRF結合器20aの隔離ポートに与えることができる。例示の終端インピーダンス回路130’において、互いに比率化された異なる受動インピーダンス素子(例えばキャパシタ0.1C及び0.2C;抵抗器0.1R、0.2R及び0.4R;又は比率化インダクタ[
図17Aに例示せず])を選択的に、個別に又は互いに並列にスイッチインにすることができる。そのようなインピーダンス素子は、プロセス変動を補償するべく、又は一定のアプリケーションのための電子システムを構成するべく使用することができる。例えば、プロセス変動を示すデータをメモリ125に格納することができる。制御回路58’は、特定のインピーダンスをスイッチイン又はスイッチアウトにし、ひいてはプロセス変動を補償するべく、スイッチの状態を設定することができる。
【0169】
例示の終端インピーダンス回路140’は、終端インピーダンス回路140’が隔離ポートの代わりに結合ポートに終端インピーダンスを与え得る点を除き、例示の終端インピーダンス回路130’と実質的に同じ機能を果たすことができる。終端インピーダンス回路130’及び140’の受動インピーダンス素子のインピーダンスは実質的に同じとしてよく、又は受動インピーダンス値の一以上が異なるインピーダンス値を有してよい。一定の実施形態において(例示せず)、終端インピーダンス回路130’及び終端インピーダンス回路140’は、異なる回路トポロジを有してよい。
【0170】
図17Bは、
図17Aに例示の無線周波数結合器の2つの異なる周波数に対して最適化された、結合ポートにおける結合信号と、隔離ポートにおける信号とを例示するグラフである。
図17Bは、終端インピーダンス回路130’が与える終端インピーダンスは、特定の周波数に対して最適化できることを示す。特に、RLC回路RLC2aは、900MHz付近を中心とする周波数帯域に対して最適化され、RLC回路RLC2bは、2.5GHz付近を中心とする周波数帯域に対して最適化される。スイッチ155及び156の状態を調整することにより、これらの周波数帯域に対して異なる終端インピーダンスを隔離ポートに与えることができる。終端インピーダンスは、所望の他のパラメータに対して調整することもできる。
【0171】
図18は、一実施形態に係る、終端インピーダンス回路においてスイッチの状態を設定する例示のプロセス170のフロー図である。プロセス170は、調整可能終端インピーダンス回路及び/又はRF結合器を参照してここに説明される原理及び利点のいずれかとのコンビネーションに適用することができる。
【0172】
ブロック172において、無線周波数(RF)結合器の一のポートにおいて所望の終端インピーダンスを示すデータを取得することができる。取得されたデータは、例えば、プロセス変動、温度依存性及び/又はアプリケーションパラメータを示すことができる。RF結合器のポートは、隔離ポート又は結合ポートとしてよい。
【0173】
データは、ブロック174において、物理メモリに格納することができる。これにより、格納されたデータにアクセス可能とし、メモリに格納されたデータに少なくとも部分的に基づいてRF結合器のポートに電気的に接続された終端インピーダンス回路を少なくとも部分的に構成することができる。例えば、データは、終端インピーダンス回路の一以上のスイッチの状態を設定するべくアクセス可能とされ得る。他例では、データは、選択されたインピーダンス値を可変インピーダンス素子に設定するべくアクセス可能とされ得る。さらなる他例として、データは、終端インピーダンス回路
のヒューズ素子を飛ばすべくアクセス可能とされ得る。データは、例えば、
図16A及び/又は17Aのメモリ125に格納することができる。メモリは、ヒューズ素子のような永続性メモリとしてよい。他の実施形態において、メモリは揮発性メモリとしてよい。メモリは、いくつかの実装において、制御回路及び/又は終端インピーダンス回路と同じダイに存在してよい。メモリは、RF結合器と同じパッケージ内に存在してよい。一以上のスイッチは、電界効果トランジスタ、MEMSスイッチ、及び/又は任意の他の適切なスイッチ素子を含んでよい。
【0174】
ブロック176において、終端インピーダンス回路は、メモリに格納されたデータに少なくとも部分的に基づいて構成することができる。例えば、終端インピーダンス回路の一以上のスイッチの状態は、ブロック174においてメモリに格納されたデータに少なくとも部分的に基づいて設定することができる。状態は、オン状態又はオフ状態に設定され得る。スイッチの状態をオン状態に設定すると、特定の受動インピーダンス素子がRF結合器のポートに電気的に結合される。これにより、プロセス変動の補償、温度依存性の補償、特定アプリケーション用の終端インピーダンス回路の構成等を行うことができる。
【0175】
図19Aは、一実施形態に係る無線周波数結合器と、当該無線周波数結合器の隔離ポート又は結合ポートに、スイッチを介して結合可能な終端インピーダンス回路との模式的な図である。
図19AのRF結合器20aは、例えば、
図1及び/又は
図2の電子システムに実装することができる。
図19Aの電子システムは、RF結合器20a、隔離スイッチ180及び182、並びに共有終端インピーダンス回路190を含む。
図19Aに例示のRF結合器20aは、順方向RF電力又は逆方向RF電力の表示を与えることができる双方向性結合器である。
図19Aの電子システムは、例示よりも多くの素子を含んでよく、及び/又は例示の素子のサブコンビネーションを実装してもよい。さらに、
図19Aの電子システムは、ここに説明される原理及び利点の任意の適切なコンビネーションによって実装することができる。
【0176】
図19Aに電子システムにおいて、共有インピーダンス回路190は、第1状態においてRF結合器20aの隔離ポートに電気的に接続し、第2状態においてRF結合器20aの結合ポートに電気的に接続することができる。第1状態において、RF結合器20aは、順方向RF電力の表示を結合ポートに与えることができる。第2状態において、RF結合器20aは、逆方向RF電力の表示を隔離ポートに与えることができる。共通終端インピーダンス回路190は、RF結合器の異なるポートのための別個の終端インピーダンス回路を有することと比べて物理レイアウトを低減することができる。
【0177】
隔離スイッチ180及び182を含むスイッチ回路は、異なる状態において、RF結合器20aの異なるポートを共有終端インピーダンス回路190に選択的かつ電気的に接続することができる。隔離スイッチ180及び182は、
図19Aの共有終端インピーダンス回路190を、RF結合器20aの結合ポート又はRF結合器20aの隔離ポートに選択的かつ電気的に接続することができる。例示のように、隔離スイッチ180及び182は双方とも、共有終端インピーダンス回路190の同じノード(すなわち接続ノードn1)に電気的に接続される。他の実装において(例示せず)、スイッチは、終端インピーダンス回路を結合器の任意の2つのポートに選択的かつ電気的に結合し、又は終端インピーダンス回路をRF結合器の任意の3つ以上のポートに選択的かつ電気的に結合することができる。
【0178】
隔離スイッチ180及び182は、オフ状態において、所望の指向性よりも高い隔離を与えることができる(例えば一定の実装において10dB以上)。これにより、RF結合器20aの結合ポート及び隔離ポート間に、共有終端インピーダンス回路190による所望の指向性の達成に十分な隔離を与えることができる。各隔離スイッチは、所望の指向性のための十分な隔離を与えるべく、電界効果トランジスタ、MEMSスイッチ、又は任意の他の適切なスイッチ素子が実装された直列・シャント・直列回路トポロジを含み得る。
【0179】
図19B及び19Cはそれぞれ、一実施形態に係る
図19Aの隔離スイッチ182及び180の模式的な図である。
図19Bはオフ状態にある隔離スイッチを示し、
図19Cはオン状態にある隔離スイッチを示す。
図19Bに示されるように、隔離スイッチ182は、スイッチ184、186及び188を直列・シャント・直列回路トポロジで含み得る。スイッチ182が
図19Bに例示のオフ状態に入ると、シャントスイッチ188がオンとなって、グランド電位が、双方とも
オフ状態にある直列スイッチ184及び
186間のノードに与えられる。
図19Cに示されるように、隔離スイッチ180は、スイッチ184’、186’及び188’を直列・シャント・直列回路トポロジで含み得る。スイッチ180が
図19Cに例示のオン状態に入ると、シャントスイッチ188’がオフとなって、直列スイッチ184’及び
186’は双方ともオン状態に入る。隔離スイッチ180及び182は双方とも、結合解除状態においてオフにすることができる。
【0180】
共有終端インピーダンス回路190は、同じ又は異なる終端インピーダンスをRF結合器20aの異なるポートに与えることができる。例示のように、第1状態においてRF結合器20aの隔離ポートに与えられる任意の終端インピーダンス値を、第2状態においてRF結合器20aの結合ポートに与えることができる。例示の共有終端インピーダンス回路190は、調整可能インピーダンスを与えるべくチューニング可能である。
図19Aに例示の共有終端インピーダンス回路190は、
図17Aの終端インピーダンス回路130’及び140’と同じ回路トポロジであるが、共有終端インピーダンス回路は、
図3A、4、5、13A及び/又は16Aの終端インピーダンス回路のような、ここに説明される調整可能終端インピーダンス回路の特徴の任意のコンビネーションを実装することができる。さらに、
図19Aを参照して説明される終端インピーダンス回路を共有することの原理及び利点は、固定終端インピーダンス(例えば固定終端抵抗器)にもあてはまる。
【0181】
多数セクション結合ラインを有するRF結合器は、ここに説明される調整可能終端インピーダンス回路のいずれかに関して実装することができる。スイッチネットワークは、調整可能終端インピーダンス回路を多数セクション結合ラインの選択されたセクションに選択的かつ電気的に接続することができる。そのようなスイッチネットワークとともに、一つの調整可能終端インピーダンス回路を、多数セクション結合ラインの複数のセクションの間で共有することができる。代替的又は追加的に、スイッチネットワークは、別個の調整可能終端インピーダンス回路を多数セクション結合ラインの異なるセクションに選択的かつ電気的に結合することができる。いくつかの実施形態において、スイッチネットワークは、結合ポー又は隔離ポートを単数の電力出力ポートに選択的かつ電気的に接続することができる。
【0182】
多数セクション結合ライン、スイッチネットワーク、一以上の調整可能終端インピーダンス回路を有するRF結合器を備えた電子システムの例示の実施形態を、
図20〜25Bを参照して説明する。
図20〜25Aのスイッチネットワークの一つのスイッチネットワークの特徴の任意の適切なコンビネーションは、
図20〜25Aの他のスイッチネットワークの一以上の特徴に関して実装することができる。他の論理的及び/又は機能的に同等なスイッチネットワークを、代替的又は追加的に実装することができる。ここに説明される任意の適切な終端インピーダンス回路、及び/又はここに説明される終端インピーダンス回路の特徴の適切なコンビネーションは、
図20〜25Bの実施形態のいずれかのような、ここに説明される実施形態のいずれかに関して実装することができる。同様に、ここに説明される制御回路及び/又はメモリの原理及び利点のいずれも、
図20〜25Bを参照して説明される原理及び利点とのコンビネーションで実装することができる。
【0183】
図20は、多数セクション結合ライン、終端インピーダンス回路130及び140、並びに終端インピーダンス回路130を多数セクション結合ラインの選択されたセクションに選択的かつ電気的に接続するように構成されたスイッチネットワーク200を有する無線周波数結合器を含む、一実施形態に係る電子システムの模式的な図である。
図20において、RF結合器は、セクション85、87及び89を含む多数セクション結合ラインを含む。結合係数スイッチ90及び91は、例示のように、多数セクション結合ラインの複数セクションを互いに選択的かつ電気的に接続することができる。
図20に例示のRF結合器は、3セクションを有する結合ラインを含むが、
図20とともに説明される原理及び利点は、2セクション結合ライン、及び/又は4つ以上のセクションを有する結合ラインにもあてはまる。
図20のRF結合器の主要ラインは、
図13Cと同様に、単数の導電ライン112を含む。
【0184】
図20の電子システムは、終端インピーダンス回路130、終端インピーダンス回路140、並びに隔離スイッチ120及び122を含む。これらはそれぞれが、
図16Aを参照して記載することができる。一定の実施形態において、
図17Aの終端インピーダンス回路130’は、
図20の電子システムにおいて終端インピーダンス回路130の代わりに実装することができる。いくつかの他の実施形態によれば、
図25Bに例示の終端インピーダンス回路のような、他の適切な終端インピーダンス回路を、
図20の電子システムにおける終端インピーダンス回路130の代わりに実装することができる。一定の実施形態において、
図17Aの終端インピーダンス回路140’を、
図20の電子システムにおける終端インピーダンス回路140の代わりに実装することができる。いくつかの他の実施形態によれば、
図25Bに例示の終端インピーダンス回路のような、他の適切な終端インピーダンス回路を、
図20の電子システムにおける終端インピーダンス回路140の代わりに実装することができる。
【0185】
図20の電子システムはまた、制御回路58’’及びメモリ125を含む。メモリ125は、
図16Aを参照して記載されるようにしてよい。メモリは、
図18を参照して説明される特徴の任意のコンビネーションを実装することができる。制御回路58’’は、ここに説明される制御回路58及び58’の特徴の任意のコンビネーションを実装することができる。制御回路58’’はまた、スイッチネットワーク200のための制御信号を与えることができる。
【0186】
スイッチネットワーク200は、終端インピーダンス回路130を多数セクション結合ラインの選択されたセクションに選択的かつ電気的に接続することができる。例示のように、スイッチネットワーク200はスイッチ202、204及び206を含む。これらのスイッチのそれぞれを、制御回路58’’が与える各制御信号に応答してオンにし及びオフにすることができる。
図20に例示のように、スイッチ204は、終端インピーダンス回路130を多数セクション結合ライン第2セクション87に電気的に接続する。
【0187】
以下の表9には、様々な状態において、例示のスイッチのどれがオン(On)になり、例示のスイッチのどれがオフ(Off)になるかがまとめられる。
図20は、RF結合器が、中間結合係数を伴う順方向電力の表示を与えるように構成される状態2に対応する。以下の表10は、これらの状態の簡単な記述を与える。いくつかの実施形態において、付加的な状態及び/又はこれらの状態のサブコンビネーションを実装することができる。デコーダのような任意の適切な制御回路58’’が、そのような状態を実装するべくスイッチをオン及び/又はオフにすることができる。終端インピーダンス回路130は、所望の終端インピーダンスを与えるべく、以下の表9の状態1〜3のいずれかにおける任意の適切な構成に構成することができる。終端インピーダンス回路140は、所望の終端インピーダンスを与えるべく、以下の表9の状態5〜7のいずれかにおける任意の適切な構成に構成することができる。
【表9】
【表10】
【0188】
図21は、多数セクション結合ライン、終端インピーダンス回路130及び140、並びに、終端インピーダンス回路140を、多数セクション結合ラインの選択されたセクションに選択的かつ電気的に接続するように構成されたスイッチネットワークを有する無線周波数結合器を含む、一実施形態に係る電子システムの模式的な図である。
図21の電子システムは、
図20のスイッチネットワーク200がスイッチネットワーク210によって置き換えられている点を除き、
図20の電子システムに類似する。
【0189】
例示のスイッチネットワーク210は、スイッチ212、214、216及び218を含む。スイッチネットワーク210は、終端インピーダンス回路140を、多数セクション結合ラインの選択されたセクション85、87又は89に選択的かつ電気的に接続することができる。スイッチネットワーク210はまた、多数セクション結合ラインのセクションを終端インピーダンス回路130及び140から電気的に結合解除するように構成される。例えば、スイッチネットワーク210は、セクション89を終端インピーダンス回路
130から電気的に隔離するべくオフにされ得るスイッチ218を含む。
【0190】
図22Aは、多数セクション結合ライン、終端インピーダンス回路130及び140、並びに当該終端インピーダンス回路の選択された終端インピーダンス回路を当該多数セクション結合ラインの選択されたセクションに選択的かつ電気的に接続するように構成されたスイッチを有する無線周波数結合器を含む、一実施形態に係る電子システムの模式的な図である。
図22Aの電子システムは、スイッチネットワーク220がスイッチネットワーク200/210の代わりに実装され、かつ、多数セクション結合ラインの隣接セクション間に直列の付加スイッチが存在する点を除き、
図20及び21の電子システムに類似する。
図20及び21におけるスイッチ90及び91の代わりに、スイッチ90A、90B、91A及び91Bが
図22Aの電子システムに含まれる。
【0191】
例示のスイッチネットワーク220は、スイッチ221、222、223、224、225、226及び227を含む。スイッチネットワーク220は、終端インピーダンス回路130を、多数セクション結合ラインの選択されたセクション85、87又は89に選択的かつ電気的に接続することができる。スイッチネットワーク220はまた、終端インピーダンス回路140を、多数セクション結合ラインの選択されたセクション85、87又は89に選択的かつ電気的に接続することができる。スイッチネットワーク220は、終端インピーダンス回路130及び140を、RF結合器の多数セクション結合ラインの選択されたセクションに選択的かつ電気的に接続するべく、スイッチネットワーク200及び210よりも多くのオプションを与える。スイッチネットワーク200はまた、結合係数スイッチ90A、90B、91A及び91Bと一緒になって、多数セクション結合ラインのセクションをRF結合器の結合ポートに電気的に接続するための追加オプションを与えることもできる。
【0192】
図22Aに例示のように、RF結合器は順方向電力の表示を与えるように構成され、結合ラインの第2セクション87がスイッチインにされる一方、第1セクション85及び第3セクション89はスイッチアウトにされる。
図22Aに例示のように、スイッチネットワーク220は、他の例示のスイッチとともに、第2セクション87の一端を順方向結合出力に電気的に接続し、セクション87の他端を終端インピーダンス回路130に電気的に接続する。
【0193】
以下の表11には、様々な状態において、例示のスイッチのどれがオン(On)になり、例示のスイッチのどれがオフ(Off)になるかがまとめられる。
図22Aは、この表の状態2に対応する。以下の表12は、これらの状態の簡単な記述を与える。いくつかの実施形態において、付加的な状態及び/又はこれらの状態のサブコンビネーションを実装することができる。デコーダのような任意の適切な制御回路58’’が、そのような状態を実装するべくスイッチをオン及び/又はオフにすることができる。終端インピーダンス回路130は、所望の終端インピーダンスを与えるべく、以下の表11の状態1〜7のいずれかにおける任意の適切な状態に構成することができる。終端インピーダンス回路140は、所望の終端インピーダンスを与えるべく、以下の表11の状態9〜15のいずれかにおける任意の適切な状態に構成することができる。
【表11】
【表12】
【0194】
図22Bは、多数セクション結合ライン、終端インピーダンス回路130’及び140’、並びに当該終端インピーダンス回路の選択された終端インピーダンス回路を当該多数セクション結合ラインの選択されたセクションに選択的かつ電気的に接続するように構成されたスイッチを有する無線周波数結合器を含む、一実施形態に係る電子システムの模式的な図である。
図22Bの電子システムは、終端インピーダンス回路130’及び140’が、終端インピーダンス回路130及び140の代わりに実装される点を除き、
図22Aの電子システムに類似する。一実施形態において、
図22Aからの一つの終端インピーダンス回路(例えば終端インピーダンス回路130)を実装し、
図22Bからの一つの終端インピーダンス回路(例えば終端インピーダンス回路140’)を実装することができる。他の適切な終端インピーダンス回路は、様々な実施形態において実装することができる。
【0195】
図22Cは、多数セクション結合ライン、終端インピーダンス回路130及び140、並びに終端インピーダンス回路を多数セクション結合ラインの選択されたセクションに選択的かつ電気的に接続するように構成されたスイッチを有する無線周波数結合器を含む、一実施形態に係る電子システムの模式的な図である。
図22Cの電子システムは、スイッチネットワーク220’がスイッチネットワーク220の代わりに実装され、かつ、多数セクション結合ラインの隣接セクション間に直列のスイッチがいくつか存在する点を除き、
図22Aの電子システムに類似する。特に、
図22Cの電子システムにおいて、スイッチ90、91、222A、222B、223A及び223Bは、
図22Aのスイッチ90A、90B、91A、
91B、222及び223の代わりに実装される。他の適切なスイッチネットワークも、様々な実施形態において実装することができる。
【0196】
図23Aは、2つのセクション結合ライン、終端インピーダンス回路130及び140、並びに当該終端インピーダンス回路の選択された終端インピーダンス回路を当該多数セクション結合ラインの選択されたセクションに選択的かつ電気的に接続するように構成されたスイッチネットワーク230を有する無線周波数結合器を含む、一実施形態に係る電子システムの模式的な図である。例示のように、スイッチネットワーク230は、スイッチ221、222、224、225及び227を含む。スイッチネットワーク230は、セクション85、セクション87、又はセクション85及び87双方をスイッチインにすることができる。スイッチネットワーク230は、終端インピーダンス回路130又は140の一方を、セクション85又はセクション87のいずれかに選択的かつ電気的に接続することができる。スイッチネットワーク230はまた、セクション85及び87を、終端インピーダンス回路130及び140の双方から結合解除することができる。他の適切な終端インピーダンス回路を、スイッチネットワーク230に関して実装することができる。
図23Aに例示のように、スイッチネットワーク230は、第2セクション87の第1端を順方向結合出力に電気的に接続し、第2セクション87の第2端を終端インピーダンス回路130に電気的に接続する。
図23Aに例示の状態において、第1セクション85は、例示のRF結合器の結合係数に有意に寄与してはならない。したがって、第1セクション85の長さは、
図23Aに例示の状態において結合ポートに電気的に接続される結合ラインの有効長さの一部とはみなされない。
【0197】
図23Bは、2つのセクション結合ライン、終端インピーダンス回路130及び140、並びに当該終端インピーダンス回路の選択された終端インピーダンス回路を当該多数セクション結合ラインの選択されたセクションに選択的かつ電気的に接続するように構成されたスイッチネットワーク230を有する無線周波数結合器を含む、一実施形態に係る電子システムの模式的な図である。
図23Bの電子システムは、
図23Bの電子システムがセクション85及び87間に直列のスイッチ90A及び90Bも含む点を除き、
図23Aの電子システムに類似する。
【0198】
図24は、多数セクション結合ライン、共有終端インピーダンス回路190及びスイッチネットワーク220を有する無線周波数結合器を含む、一実施形態に係る電子システムの模式的な図である。スイッチネットワーク220並びに隔離スイッチ180及び182は一緒になって、共有終端インピーダンス回路190を当該多数セクション結合ラインの選択されたセクションに選択的かつ電気的に接続するように構成される。
図24に例示の電子システムは、
図24の電子システムが多数セクション結合ライン及びスイッチネットワーク220を含む点を除き、
図19Aに例示の電子システムに類似する。例示のように、スイッチネットワーク220は、共有終端インピーダンス回路190を当該多数セクション結合ラインの選択されたセクションに選択的かつ電気的に接続することができる。スイッチネットワーク220は、共有終端インピーダンス回路190を、選択されたセクションのいずれかの端に選択的かつ電気的に接続することができる。3つのセクション結合ラインが
図24に例示されるが、
図24の実施形態の原理及び利点は、2つのセクション結合ライン、又は4つ以上のセクションを有する結合ラインにもあてはまる。共有終端インピーダンス回路190が例示を目的として示されるが、ここに説明される終端回路にいずれかの一以上の特徴を有する共有終端インピーダンス回路も代替的に実装することができる。
【0199】
図25Aは、多数セクション結合ライン、複数の終端インピーダンス回路250a〜250d及びスイッチネットワーク240を有する無線周波数結合器を含む、一実施形態に係る電子システムの模式的な図である。
【0200】
図25Aにおいて、スイッチネットワーク240はスイッチ251、252、253、254、255及び256を含む。スイッチネットワーク240は、制御回路58’’からの一以上の制御信号を受信することができるとともに、選択された終端インピーダンス回路250a、250b、250c又は250dを、当該多数セクション結合ラインのセクション85又は87の選択された端に選択的かつ電気的に接続することができる。例えば、スイッチ252は、制御回路58’’が与える制御信号に応答して第1終端インピーダンス回路250aを第1セクション85の第1端に選択的かつ電気的に接続することができる。他例では、スイッチ253は、制御回路58’’が与える制御信号に応答して第2終端インピーダンス回路250bを第1セクション85の第2端に選択的かつ電気的に接続することができる。スイッチネットワーク240は、結合解除状態において終端インピーダンス回路250a、250b、250c及び250dのすべてを第1セクション85及び第2セクション87から電気的に結合解除することができる。
【0201】
スイッチネットワーク240のスイッチ251及び255と、結合係数スイッチ90A及び90Bとは、セクション85又は87の選択された端を電力出力ポート電力出力に電気的に接続することができる。結合係数スイッチ90A及び90Bは、スイッチネットワーク240をも含むスイッチネットワークの一部とみなすことができる。
図25Aにおいて、順方向電力の表示又は逆方向電力の表示のいずれかを与えるべく、単数の電力出力ポートPowerOutが与えられる。単数の出力ポートは、付加スイッチを含めること、及び/又は他の実施形態のスイッチネットワークを修正することにより、ここに説明される他の実施形態のいずれかに関して実装することができる。
【0202】
一定の実施形態において、調整可能終端インピーダンスを有する別個の終端インピーダンス回路は、多数セクション結合ラインの2つ以上のセクションのそれぞれに対して実装することができる。いくつかの実施形態によれば、多数セクション結合ラインの一セクションの各端に対して別個の終端インピーダンス回路を実装することができる。
図25Aに例示のように、第1終端インピーダンス回路250aは、結合ラインの第1セクション85の第1端に電気的に集められ、第2終端インピーダンス回路250bは、当該結合ラインの第1セクション85の第2端に電気的に接続され、第3終端インピーダンス回路250cは、当該結合ラインの第2セクション87の第1端に電気的に集められ、及び第4終端インピーダンス回路250bは、当該結合ラインの第2セクション87の第2端に電気的に集められる。
【0203】
図25Aにおいて、終端インピーダンス回路250a、250b、250c及び250dはそれぞれ、調整可能終端インピーダンスを有するRLC回路を含む。制御回路58’’は、終端インピーダンス回路250a、250b、250c及び/又は250dの終端インピーダンスを調整するべく、一以上の制御信号を与えることができる。終端インピーダンス回路250aの例が、例示を目的として
図25Bを参照して記載されるが、終端インピーダンス回路に関連してここに説明される原理及び利点のいずれも、代替的に実装できることが理解される。さらに、終端インピーダンス回路250b、250c又は250dの一以上は、一定の実施形態において、終端インピーダンス回路250aと実質的に同じとしてよい。いくつかの実施形態によれば、終端インピーダンス回路250b、250c又は250dの一以上は、終端インピーダンス回路250aとは異ならせてよい。
【0204】
図25Bは、一実施形態に係る、
図25Aの終端インピーダンス回路250aの一例を示す。終端インピーダンス回路250aの原理及び利点は、多数セクション結合ラインを有する実施形態、及び連続結合ラインを有する実施形態を含むここに説明される他の実施形態のいずれかに関して実装することができる。例示のように、終端インピーダンス回路250aは調整可能RLC回路である。終端インピーダンス回路250aは、固定インピーダンス部分及び調整可能インピーダンス部分を含み得る。
【0205】
固定インピーダンス部分は、一以上の抵抗器、一以上のキャパシタ、一以上のインダクタ、又はこれらの任意の適切な直列及び/若しくは並列結合を含み得る。例えば、固定インピーダンス部分は並列RC回路を含み得る。固定インピーダンス部分は直列RL回路を含み得る。固定インピーダンス部分は直列LC回路を含み得る。
図25Bに例示のように、終端インピーダンス回路250aの固定インピーダンス部分は、抵抗器R
25がキャパシタC
25と並列にされかつインダクタL
25と直列にされる並列RC回路を含む。
【0206】
調整可能インピーダンス部分は、複数の受動インピーダンス素子及び複数のスイッチを含み得る。代替的又は追加的に、調整可能インピーダンス部分は、バラクタ及び/又は他の可変インピーダンス素子を含み得る。例えば、調整可能インピーダンス部分は、一以上のキャパシタと、各キャパシタのインピーダンスを選択的にスイッチインにし、及び選択的にスイッチアウトにするように構成された一以上の対応スイッチとを含み得る。他例では、調整可能インピーダンス部分は、一以上の抵抗器と、各抵抗器のインピーダンスを選択的にスイッチイン及び選択的にスイッチアウトするように構成された一以上の対応スイッチとを含み得る。
図25Bに例示のように、終端インピーダンス回路250aは、スイッチ257A、257B、258a1、258a2、258a3、258a4、258b1、258b2、258b3及び258b4、キャパシタC
25a1、C
25a2、C
25b1及びC
25b2、並びに抵抗器R
25a1、R
25a2、R
25b1及びR
25b2を含む。例示のスイッチは、
図25Aの制御回路58’’のような制御回路からの信号を受信し、各受動インピーダンス素子を、グランドと多数セクション結合ラインの一セクションとの間に選択的かつ電気的に結合することができる。例示のスイッチのゼロ、1つ又はそれ以上を同時にオンにしてよい。特定のノードへの所望の結合よりも多くのスイッチを有することを回避するべく、スイッチは、一定数を超えないスイッチ(例えば4つが例示される)が特定のノードに直接接続されるように分岐させることができる。例示のように、スイッチ257A及び257Bは、各スイッチバンクをRF結合器の一ポートに選択的かつ電気的に接続することができる。スイッチバンクのスイッチ258a1、258a2、258a3、258a4、258b1、258b2、258b3及び258b4は、キャパシタC
25に並列の抵抗器R25を含む並列RC回路に並列される各受動インピーダンス素子のインピーダンスを、選択的にスイッチイン及び選択的にスイッチアウトにすることができる。例示の調整可能インピーダンス部分の抵抗器及びキャパシタは、特定のアプリケーションに対して任意の適切なインピーダンス値を有し得る。
【0207】
終端インピーダンス回路250は、スイッチ及びグランド間に直列に結合された受動インピーダンス素子を含む。このスイッチは、RF結合器の一ポートと直列受動インピーダンス素子との間に結合される。直列にされた受動インピーダンス素子は、例示のように、インダクタ及び抵抗器、並びにインダクタ及びキャパシタを含み得る。一般には、直列にされた受動インピーダンス素子は、抵抗器及び他の受動タイプのインピーダンス素子、キャパシタ及び他のタイプの受動インピーダンス素子、又は、インダクタ及び他のタイプの受動インピーダンス素子を含み得る。
【0208】
ここに記載される無線周波数結合器は、例えば、スタンドアロンの無線周波数結合器、アンテナスイッチモジュール、無線周波数結合器及びアンテナスイッチを結合するモジュール、インピーダンス整合モジュール、アンテナチューニングモジュール等を含む様々な異なるモジュールに実装することができる。
図26A〜26Cは、ここに説明される無線周波数結合器のいずれかを含み得るモジュールの例を示す。これらのモジュールの例は、無線周波数結合器、終端インピーダンス回路、スイッチネットワーク及び/又はスイッチ回路等に関連づけられた特徴の任意のコンビネーションを含み得る。
【0209】
図26Aは、無線周波数結合器を含むパッケージ状モジュール260のブロック図である。パッケージ状モジュール260は、RF結合器20を包み込むパッケージ262を含む。パッケージ状モジュール260は、RF結合器20の各ポートに対応するピン、ソケット、ボール、ランド等のような接触部を含んでよい。いくつかの実施形態において、パッケージ状モジュール260は、電力入力ポートに対応する第1接触部、電力出力ポートに対応する第2接触部、順方向結合出力に対応する第3接触部、及び逆方向結合出力対応する第4接触部を含んでよい。一実施形態によれば、パッケージ状モジュール260は、パッケージ状モジュール260におけるスイッチの状態に応じて順方向電力又は逆方向電力のいずれかに対応する出力電力のための単数の接触部を含んでよい。ここに説明される原理及び利点のいずれかに係る終端インピーダンス回路及び/又はスイッチは、
図26A〜26Cに例示のモジュールの例のいずれかのパッケージ262の中に含めることができる。
【0210】
図26Bは、無線周波数20結合器及びアンテナスイッチモジュール40を含むパッケージ状モジュール265のブロック図である。
図26Bにおいて、パッケージ262は、RF結合器20及びアンテナスイッチモジュール40の双方を包み込む。
図26Cは、無線周波数結合器20、アンテナスイッチモジュール40及び電力増幅器10を含むパッケージ状モジュール267のブロック図である。パッケージ状モジュール267は、これらの素子を共通パッケージ262の中に含む。
【0211】
図27は、ここに説明される一以上の特徴を有する一以上の無線周波数結合器を含み得る無線デバイス270の例を示す。例えば、無線デバイス270の例は、
図3A、4、5、7A、8A、9A、10A、13A、14、15、16A、17A、19A、又は20〜25AのRF結合器のいずれかを参照して説明された原理及び利点のいずれかに係るRF結合器を含み得る。無線デバイス270の例は、スマートフォンのような携帯電話機としてよい。無線デバイス270の例は、
図27には例示しない素子、及び/又は例示の素子のサブコンビネーションを含み得る。
【0212】
図27に描かれる無線デバイス270の例は、多重帯域/多重モード携帯電話機のように、多数セクション帯域及び/又は多重モードデバイスを代表し得る。例えば、無線デバイス270は、ロングタームエボリューション(LTE)に従う通信が可能である。この例において、無線デバイスは、LTE規格によって画定される一以上の周波数帯域で動作するように構成することができる。無線デバイス270は、代替的又は追加的に、Wi−Fi(登録商標)規格、ブルートゥース(登録商標)規格、3G規格、4G規格又はアドバンストLTE規格の一以上を含むがこれらに限られない一以上の他の通信規格に従って通信するように構成してよい。
【0213】
例示のように、無線デバイス270は、送受信器273、アンテナスイッチモジュール40、RF結合器20、アンテナ30、電力増幅器10、制御部品278、コンピュータ可読記憶媒体279、プロセッサ280及び電池271を含み得る。
【0214】
送受信器273は、アンテナ30を介した送信のためのRF信号を生成することができる。さらに、送受信器273は、アンテナ30から入来するRF信号を受信することができる。理解されることだが、RF信号の送信及び受信に関連づけられる様々な機能は、
図27において集合的に送受信器273として表される一以上の部品によって達成することができる。例えば、単数の部品を、送信及び受信機能の双方を与えるように構成することができる。他の例において、送信及び受信機能は、別個の部品によって与えることができる。
【0215】
図27において、送受信器273からの一以上の出力信号が、一以上の送信経路275を介してアンテナ30に与えられるように描かれる。図示の例において、異なる送信経路275は、異なる周波数帯域(例えば高帯域及び低帯域)及び/又は異なる電力出力に関連づけられた出力経路を代表し得る。送信経路275の一以上を、異なる送信モードに関連づけることができる。例示の送信経路275の一つを、他の送信経路275の一以上が非アクティブの間にアクティブにしてよい。他の送信経路275は、異なる電力モード(例えば高電力モード及び低電力モード)に関連づけることができ、及び/又は異なる送信周波数帯域に関連づけられた経路とすることができる。送信経路275は、RF信号が有する相対的に低い電力を、送信に適した高い電力にブーストする支援となる一以上の電力増幅器10を含み得る。例示のように、電力増幅器10a及び10bは、上述の電力増幅器10を含んでよい。無線デバイス270は、任意の適切な数の送信経路275を含むように適合することができる。
【0216】
図27において、アンテナ30からの一以上の信号は、一以上の受信経路
277を介して送受信器273に与えられるように描かれる。図示の例において、異なる受信経路
277は、異なるシグナリングモード及び/又は異なる受信周波数帯域に関連づけられた経路を代表し得る。無線デバイス270は、任意の適切な数の受信経路
277を含むように適合させることができる。
【0217】
受信及び/又は送信経路間のスイッチングを容易にするべく、アンテナスイッチモジュール40が含められかつ使用され、選択された送信又は受信経路にアンテナ30を選択的かつ電気的に接続することができる。すなわち、アンテナスイッチモジュール40は、無線デバイス270の動作に関連づけられた一定数のスイッチング機能を与えることができる。アンテナスイッチモジュール40は、例えば、異なる帯域間のスイッチング、異なるモード間のスイッチング、送信及び受信モード間のスイッチング、又は任意のコンビネーションに関連づけられた機能を与えるように構成された多投スイッチを含み得る。
【0218】
RF結合器20は、アンテナスイッチモジュール40及びアンテナ30間に設けることができる。RF結合器20は、アンテナ30へと与えられる順方向電力の表示、及び/又はアンテナ30から反射された逆方向電力の表示を与えることができる。順方向及び逆方向電力の表示は、例えば、反射減衰量、反射係数又は電圧定在波比(VSWR)のような反射電力比を計算するべく使用することができる。
図27に例示のRF結合器20には、ここに説明されるRF結合器の原理及び利点のいずれかを実装することができる。
【0219】
図27は、一定の実施形態において、制御部品278が、アンテナスイッチモジュール40及び/又は他の動作部品の動作に関連づけられた様々な制御機能のために与えられることを例示する。例えば、制御部品278は、特定の送信又は受信経路を選択するべく制御信号をアンテナスイッチモジュール40に与えることを支援することができる。他例では、制御部品278は、RF結合器20及び/又は関連終端インピーダンス回路及び/又は関連スイッチネットワークを、ここに説明される原理及び利点のいずれかによって構成する制御信号を与えることができる。
【0220】
一定の実施形態において、プロセッサ280は、無線デバイス270への様々なプロセスの実装を容易にするように構成することができる。プロセッサ280は例えば、汎用プロセッサ又は専用プロセッサとしてよい。一定の実装において、無線デバイス270は、プロセッサ280に与えられかつプロセッサ280が実行することができるコンピュータプログラム命令を格納することができるメモリのような非一時的コンピュータ可読媒体279を含み得る。
【0221】
電池271は、無線デバイス270に使用される任意の適切な電池であってよく、例えばリチウムイオン電池を含む。
【0222】
上述の実施形態のいくつかは、電力増幅器及び/又は携帯型デバイスに関連する例を与えてきた。しかしながら、本実施形態の原理及び利点は、ここに記載される回路のいずれかから利益が得られる任意のアップリンクセルラーデバイスのような任意の他のシステム又は装置のために使用することができる。ここに説明される原理及び利点はいずれも、順方向RF電力及び/又は逆方向RF電力のような、RF信号に関連づけられた電力レベルを検出及び/又は監視する必要がある電子システムに実装することができる。ここに説明されるスイッチネットワーク及び/又はスイッチ回路はいずれも、代替的又は追加的に、任意の他の適切な論理的に同等の及び/又は機能的に同等のスイッチネットワークによって実装することができる。ここの教示は、例えば、多重帯域及び/又は多重モード電力増幅器システムを含む多重電力増幅器を有するシステムを含む様々な電力増幅器システムに適用可能である。ここに説明される電力増幅器トランジスタは、例えば、ガリウムヒ素(GaAs)トランジスタ、相補型金属酸化物半導体(CMOS)又はシリコンゲルマニウム(SiGe)トランジスタとしてよい。さらに、ここに説明される電力増幅器は、電界効果トランジスタ、及び/又はヘテロ接合バイポーラトランジスタのようなバイポーラトランジスタによって実装可能である。
【0223】
本開示の態様は、様々な電子デバイスに実装可能である。電子デバイスの例は、家庭用電子製品、家庭用電子製品の部品、電子試験装置、基地局のようなセルラー通信インフラストラクチャ等を含んでよいが、これらに限られない。電子デバイスの例は、スマートフォンのような携帯電話機、電話機、テレビジョン、コンピュータモニタ、コンピュータ、モデム、ハンドヘルドコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、電子書籍リーダ、スマートウォッチのようなウェアラブルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、MP3プレーヤのようなデジタル音楽プレーヤ、ラジオ、ビデオカメラ、カメラ、デジタルカメラ、携帯型メモリチップ、ヘルスケア監視デバイス、自動車エレクトロニクスシステム又はアビオニクス電子システムのような車両エレクトロニクスシステム、洗濯機、乾燥機、洗濯/乾燥機、周辺機器、腕時計、置き時計等を含んでよいが、これらに限られない。さらに、電子デバイスは、未完成の製品を含んでよい。
【0224】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、文脈上そうでないことが明らかでない限り、「含む」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは反対の包括的意味に、すなわち「〜を含むがこれらに限られない」との意味に解釈すべきである。ここで一般に使用される用語「電気的に結合」は、直接電気的に接続されるか、又は一以上の中間要素を介して電気的に接続されるかのいずれかとなり得る2つ以上の要素を言及する。同様に、ここで一般に使用される用語「接続」は、直接接続されるか又は一以上の中間要素を介して接続されるかのいずれかとなり得る2つ以上の要素を言及する。加えて、用語「ここ」、「上」、「下」及び同様の趣旨の用語は、本願において使用される場合、本願全体を言及し、本願の任意の固有部分を言及するわけではない。文脈が許容する場合、単数又は複数を使用する一定の実施形態の上述の詳細な説明における用語はそれぞれ、複数又は単数をも含み得る。2以上の項目のリストを参照する用語「又は」及び「若しくは」は、文脈が許容する場合、当該用語の以下の解釈のすべてをカバーする。すなわち、当該リストの任意の項目、当該リストのすべての項目、及び当該リストの項目の任意のコンビネーションである。
【0225】
さらに、とりわけ「できる」、「かもしれない」、「してよい」、「し得る」、「例えば」等のような、ここで使用される条件的言語は、特にそうでないことが表明されない限り、又は使用の文脈においてそうでないことが理解されない限り、一般に、一定の特徴、要素及び/又は状態を一定の実施形態が含む一方、他の実施形態が含まないことを伝えるものと解釈される。すなわち、かかる条件的言語は、特徴、要素及び/若しくは状態が任意の態様で一以上の実施形態にとって必要であること、又は一以上の実施形態が必ず、作者の入力若しくは促しあり若しくはなしで、これらの特徴、要素及び/若しくは状態が任意の固有実施形態に含まれ若しくは当該実施形態で行われるか否かを決定するロジックを含むこと、を示唆するものとは一般に意図しない。
【0226】
一定の実施形態が記載されたが、これらの実施形態は、例のみとして提示されており、本開示の範囲を制限することを意図しない。実際のところ、ここに記載される新規な方法、装置及びシステムは、様々な他の形態で具体化することができる。さらに、ここに記載される方法及びシステムの形態における様々な省略、置換及び変更が、本開示の要旨から逸脱することなくなし得る。例えば、ブロックが所与の配列で提示されるが、代替実施形態は、異なる部品及び/又は回路トポロジで同様の機能を果たすことができ、いくつかのブロックは削除、移動、追加、細分化、結合、及び/又は修正することができる。これらのブロックはそれぞれが、様々な異なる態様で実装することができる。上述した様々な実施形態の要素及び工程の任意の適切なコンビネーションを、さらなる実施形態を与えるように組み合わせることもできる。添付の特許請求の範囲及びその均等物が、本開示の範囲及び要旨に収まるかかる形態又は修正をカバーすることが意図される。