【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題は、独立請求項の各構成要件によって解決される。本発明の有利な構成は、各従属請求項の構成要件である。
【0006】
ある態様では、対象物を検出するセンサ装置の動作方法が提供される。このセンサ装置は、センサ装置の周辺を検出する第1の周辺センサと第2の周辺センサとを備えている。この方法は、以下のステップ、即ち、
・第2の周辺センサが非アクティブにされている状態で、第1の周辺センサによってセンサ装置の周辺を検出し、検出された周辺に基づいて第1の周辺データを認識するステップと、
・所定の確率(確からしさ)で、この周辺に対象物が存在しているか否かを提示するのに、第1の周辺データが十分であるか否かを調査するステップと、
・第1の周辺データが十分である場合に、第1の周辺データに基づいてこの周辺に対象物が存在しているか否かを調査するステップと、
・第1の周辺データが不十分である場合に、非アクティブにされている第2の周辺センサをアクティブにするステップと、
・第2の周辺センサによってセンサ装置の周辺を検出し、検出された周辺に基づいて第2の周辺データを認識するステップと、
・第2の周辺データに基づいてこの周辺に対象物が存在しているか否かを調査するステップと、
を含む。
【0007】
さらなる態様では、対象物を検出するセンサ装置が提供される。このセンサ装置は、
・センサ装置の周辺を検出する第1の周辺センサと第2の周辺センサと、
・第2の周辺センサが非アクティブにされている状態で、第1の周辺センサによってセンサ装置の周辺が検出されるように第1の周辺センサを制御するように構成されている、周辺センサを制御する制御装置と、
・検出された周辺に基づいて第1の周辺データを認識するように構成されているプロセッサと、
を備えており、
・プロセッサはさらに、所定の確率でこの周辺に対象物が存在しているか否かを提示するのに、第1の周辺データが十分であるか否かを調査するように構成されており、
・プロセッサは、さらに、第1の周辺データが十分である場合に、第1の周辺データに基づいて、この周辺に対象物が存在しているか否かを調査するように構成されており、
・制御装置は、第1の周辺データが不十分である場合に、非アクティブにされている第2の周辺センサをアクティブにするように構成されており、かつ、第2の周辺センサによって、センサ装置の周辺が検出されるように、アクティブにされた第2の周辺センサを制御するように構成されており、
・プロセッサはさらに、第2の周辺センサによって検出された周辺に基づいて第2の周辺データを認識するように構成されており、かつ、第2の周辺データに基づいて、この周辺に対象物が存在しているか否かを調査するように構成されている。
【0008】
さらに、ある態様では、コンピュータプログラムが提供される。これは、コンピュータ上でこのコンピュータプログラムが実行されたときに、本発明の方法を実施するためのプログラムコードを含んでいる。
【0009】
即ち、本発明は特に、次のような着想を含んでいる。即ち、所定の確率でセンサ装置の周辺に対象物が存在しているか否かを提示するのに第1の周辺センサの測定が不十分である場合にだけ、センサ装置の第2の周辺センサをアクティブにする、という着想を含んでいる。即ち、第2の周辺センサが常に即ち継続的に、センサ装置の周辺を検出するためにアクティブにされているのではない、ということによって、有利にはセンサ装置の電気的なエネルギー消費を低減させることができる。これは、継続的に又は所定の間隔で周辺検出を実行する2つの周辺センサを備えたセンサ装置と比較した場合である。
【0010】
第1の周辺センサの測定が不十分であるということは例えば、以下の状況において生じ得る。即ち、磁界センサが車両を検出するために第1の周辺センサとして使用されており、この磁界センサが地下鉄の駅又は駅舎の近くに配置されている場合に、通過する列車又は通過する地下鉄が、磁界センサの周辺の磁界に影響を与え、これを変化させてしまうことがある。これによって、磁界測定の質が悪化し得る。このようにして、第1の周辺センサの測定が不十分である、不明瞭な状況が生じ得る。このような場合に、第2の周辺センサがアクティブにされる。
【0011】
さらに、これによって、有利には、バッテリー容量によって制限された寿命が最長化される。これは、センサ装置が、このようなバッテリーを、電気的なエネルギー供給のために備えている場合である。従って、有利には、センサ装置は、エネルギー供給のために有線の電流網を備えていない周辺環境においても使用可能である。従って、センサ装置の設置時のコストを低減させることができる。
【0012】
ある実施形態では、第1の周辺センサ及び/又は第2の周辺センサは、以下の周辺センサのうちの1つである。即ち、超音波センサ、レーダセンサ、ライダセンサ、レーザセンサ、赤外線センサ、ビデオセンサ、磁界センサ、振動センサ及びマイクのうちの1つである。
【0013】
ある実施形態では、第1の周辺センサ及び/又は第2の周辺センサは、周辺の相当する検出の後に、非アクティブにされる。これによって、特に、センサ装置のエネルギー消費がさらに低減可能であるという技術的な利点が生じる。なぜなら、第1乃至第2の周辺センサの非アクティブ化によって、有利には、対応する周辺センサの電気的なエネルギー消費がさらに低減されるからである。
【0014】
即ち、特に、第1の周辺センサによる周辺の検出後に、第1の周辺センサが非アクティブにされる。
【0015】
即ち、特に、第2の周辺センサによる周辺の検出後に、第2の周辺センサが非アクティブにされる。
【0016】
本発明での非アクティブ化とは、特に、周辺センサが、スタンバイモード又は準備モードに移行されることを含んでいる。特に、本発明での非アクティブ化は、次のことを含んでいる。即ち、周辺センサ(即ち、第1の周辺センサ及び/又は第2の周辺センサ)に対する電流供給又は一般的に電気的なエネルギー供給が中断されることを含んでいる。即ち、特に、非アクティブ化は、対応する周辺センサが完全に、電気的なエネルギー供給部から切り離されることを含み得る。
【0017】
本発明でのアクティブ化とは、特に、第1乃至第2の周辺センサが、スリープ状態又はスタンバイ状態又は準備状態から起動されることを含んでいる。特に、アクティブ化は、第1乃至第2の周辺センサが、以前に切り離された電気的なエネルギー供給部に再び接続されることを含んでいる。
【0018】
表現「乃至」は、本発明では、特に、表現「及び/又は」を含んでいる。
【0019】
ある実施形態では、周辺に対象物が存在しているか否かの調査の現在の結果が、時間的に先行して行われた、周辺に対象物が存在しているか否かの調査の先行する結果と比較される。ここでは、現在の結果と先行する結果との間に差異がある場合にのみ、現在の結果が、通信ネットワークを介して送信される。
【0020】
これによって、特に、センサ装置の電気的なエネルギー消費をさらに低減させることができるという技術的な利点が生じる。なぜなら、現在の結果と先行する結果との間に差異が認められた場合にのみ、現在の結果が、通信ネットワークを介して送信されるからである。特にこれによって、有利には、存在するデータ帯域幅を効率良く利用することが可能になる。
【0021】
本発明での結果とは、特に、対象物が検出されたということ、即ち、対象物が周辺に位置している、即ち、周辺に存在しているということを含む。結果は特に、対象物が検出されなかったということ、即ち、対象物が周辺に存在していないということを含む。
【0022】
先行する結果は、現在の結果と同様に、本発明の方法に対応して、乃至、本発明のセンサ装置に対応して、特定されたものである。即ち、周辺に対象物が存在しているか否かを調査するために、時間的に先行する時点で、センサ装置の周辺が検出されている。
【0023】
別の実施形態では、第2の周辺センサのアクティブ化及び非アクティブ化は、スイッチを用いて実行される。このスイッチは、第2の周辺センサと電気的なエネルギー供給部との間に接続されている。これによって、特に、効率の良いアクティブ化と非アクティブ化とが可能であるという技術的な利点が生じる。特に、このスイッチによって、有利には、電気的なエネルギー供給部から、周辺センサを完全に切り離すことが可能になる。このスイッチは、有利には、制御装置によって制御される、即ち、特に開閉される。
【0024】
ある実施形態では、このスイッチは電子的なスイッチである。例えば、このスイッチはトランジスタ、特に電界効果トランジスタである。
【0025】
ある実施形態では、このスイッチは機械式のスイッチである。
【0026】
スイッチによるアクティブ化は、特に、スイッチが閉成される、乃至、電子スイッチが、導電性になるように、(即ち、例えば、制御装置によって)駆動制御されることを含んでいる。特に、スイッチによる非アクティブ化は、スイッチが開放される、乃至、電子スイッチが、非導電性になるように、駆動制御されることを含んでいる。
【0027】
別の実施形態では、第1の周辺センサのアクティブ化及び非アクティブ化は、第1の周辺センサと電気的なエネルギー供給部との間に接続されているスイッチを用いて実行される。スイッチに関して第2の周辺センサと関連づけられた、対応する実施形態は、同様に、電気的なエネルギー供給部と第1の周辺センサとの間に接続されているスイッチに対しても当てはまる。このスイッチは例えば、第1のスイッチと称され得る。第2の周辺センサと電気的なエネルギー供給部との間に接続されているスイッチは例えば、第2のスイッチと称され得る。第1のスイッチも例えば、制御装置によって、第2のスイッチと同様に制御可能である。
【0028】
別の実施形態では、第1の周辺センサは磁界センサであり、第2の周辺センサはレーダセンサである。又は、第1の周辺センサは磁界センサであり、第2の周辺センサは超音波センサである。又は、第1の周辺センサは磁界センサであり、第2の周辺センサは赤外線センサである。
【0029】
磁界センサを第1の周辺センサとして設けることによって、特に、容易に、かつ、電流を節約した、センサ装置の周辺の、センサによる検出を行うことができるという技術的な利点が生じる。通常は、磁界センサを用いたセンサによる検出で十分に、周辺にある対象物を検出することができる。従って、既に、通常は、この磁界センサによって確実に、周辺に対象物が存在しているか否かを確かめることができる。
【0030】
超音波又は電磁ビームを送出する乃至検出することができるセンサ(レーダセンサ、赤外線センサ)を第2の周辺センサとして用いることによって、特に、このような場合に特に確実に、第2の周辺センサによる相応する周辺測定に基づいて、対象物が周辺に存在しているか否かを確かめることができるという技術的な利点が生じる。特にレーダセンサの使用は、種々の周辺条件下で確実な対象物検出を確実に行うことができるという利点を有している。例えば、レーダセンサは、例えば赤外線センサ又は超音波センサがもはやそれを確実に行うことができない場合にも、周辺を確実に検出することができる。例えば、周辺センサ上に、雪又は汚物等が堆積すると、赤外線センサ乃至超音波センサの検出感度は弱まる。
【0031】
別の実施形態では、第1の周辺センサは磁界センサであり、第2の周辺センサはレーダセンサであり、ここでプロセッサは、時間領域(タイムドメイン)においてレーダセンサRawデータを処理するように構成されている。これによって、第2の周辺データを、この処理に基づいて認識することができる。これによって特に、迅速かつ効率の良い信号処理が可能になるという技術的な利点が生じる。なぜなら、時間領域における処理は、周波数領域(周波数ドメイン)における処理と比較して、より少ない手間で、かつ、より迅速に行われるからである。周波数領域における処理は、そのほかの場合、レーダセンサに関連して、一般に行われているものである。即ち、ここでは、本発明に対応して、技術的な慣例からの離反が意図されている。従って、レーダセンサのRawデータは、特に、時間領域において、より少ない手間で処理可能である。なぜならこれは直接的に、レーダセンサから到来し、レーダセンサのアナログ測定信号のデジタルサンプリングに相当するからである。これによって処理が容易になる。周波数領域における処理は特に、Rawデータのフーリエ変換を含んでいる。これには手間がかかる。時間領域における処理は、対象物が周辺に存在しているか否かを提示するのに十分である。対象物までの正確な距離データは、通常、不要である。
【0032】
別の実施形態では、対象物は、駐車ポジション上に停車されている車両又は道路を走行している車両又はコンテナ置場に置かれているコンテナである。即ち、特に、駐車ポジションの占有状態を確定又は検出するために、このセンサ装置を使用することができる。即ち、駐車ポジション上に車両が検出されると、これは、この駐車ポジションが占有されていることを意味する。車両が検出されない限りは、これは、この駐車ポジションが空いている、即ち、占有されていないことを意味する。周辺検出の結果は、ここでは特に、駐車ポジションが占有されている、又は、空いている、即ち、占有されていない、ということである。
【0033】
センサ装置は、この場合には、特に、駐車ポジションの占有状態を検出するセンサ装置と称され得る。
【0034】
即ち、対象物が道路を走行している車両である限りは、このセンサ装置によって、交通の流れ及び/又は交通密度が検出乃至監視される。このようなセンサ装置はこの場合には、特に、交通密度乃至交通量を監視乃至測定するためのセンサ装置と称され得る。
【0035】
即ち、特に、対象物がコンテナである場合には、例えばセンサ装置は、コンテナ場所の占有状態を検出することもできる。
【0036】
ある実施形態では、制御装置は、第1の周辺センサ及び/又は第2の周辺センサを、周辺の相当する検出の後に非アクティブにするように構成されている。
【0037】
さらに、ある実施形態では、プロセッサは、周辺に対象物が存在しているか否かの調査の現在の結果を、時間的に先行して行われた、周辺に対象物が存在しているか否かの調査の先行する結果と比較するように構成されている。ここでは、通信インタフェースが設けられており、これは、現在の結果と先行する結果との間に差異がある場合に、現在の結果を、通信ネットワークを介して送信するように構成されている。
【0038】
ある実施形態では、電気的なエネルギー供給部とスイッチとが設けられている。ここでこのスイッチは、第2の周辺センサと電気的なエネルギー供給部との間に接続されている。従って、第2の周辺センサのアクティブ化及び非アクティブ化を、このスイッチを用いて行うことができる。このアクティブ化は、ここで特に、スイッチの閉成乃至電子スイッチを、電流が流れるようにする又は導電性にする、電子スイッチの駆動制御を含む。非アクティブ化は特に、スイッチの開放乃至電子スイッチを非導電性即ち絶縁性にする、電子スイッチの駆動制御を含む。
【0039】
ある実施形態では、電気的なエネルギー供給部とスイッチとが設けられている。このスイッチは、第1の周辺センサと電気的なエネルギー供給部との間に接続されている。従って、第1の周辺センサのアクティブ化及び非アクティブ化は、このスイッチを用いて実行可能である。
【0040】
上述した実施形態と同様に、このようなスイッチは、第1のスイッチとも称され得る。第2の周辺センサと電気的なエネルギー供給部との間に接続されているスイッチを、特に、第2のスイッチと称することができる。
【0041】
装置の特徴は同様に、対応する方法の特徴から得られ、また、方法の特徴は同様に、対応する装置の特徴から得られる。即ち、特に、センサ装置に関する特徴、技術的な利点及び構成が、同様に、方法の対応する構成、特徴及び利点から得られ、また、方法に関する特徴、技術的な利点及び構成が、同様に、センサ装置の対応する構成、特徴及び利点から得られる。即ち、特に、方法の技術的な機能性が装置から得られ、また、装置の技術的な機能性が方法から得られる。
【0042】
ある実施形態では、センサ装置は、本発明の方法を実行するように設けられている、又は、構成されている。
【0043】
ある実施形態では、本発明の方法は本発明の装置を動作させる。
【0044】
ある実施形態では、電気的なエネルギー供給部は、1つ又は複数のバッテリー、及び/又は、1つ又は複数の蓄電池を含んでいる。
【0045】
ある実施形態では、通信インタフェースが設けられている。この通信インタフェースは、周辺に対象物が存在しているか否かの調査の結果を、通信ネットワークを介して送出するように構成されている。サーバ装置は、例えば、通信インタフェースを含んでいる。
【0046】
ある実施形態では、通信ネットワークは、WLANネットワーク及び/又は移動無線網を含んでいる。
【0047】
ある実施形態では、通信は、通信ネットワークを介して暗号化されている、乃至、暗号化される。
【0048】
ある実施形態では、プロセッサ及び制御装置は、マイクロコントローラに含まれている。
【0049】
ある実施形態では、プロセッサ乃至制御装置乃至通信インタフェース乃至マイクロコントローラは、測定後に、静止モード又は静止状態又はスタンバイ状態に切り替えられる。
【0050】
本発明を以降で、有利な実施例に基づいて詳細に説明する。