特許第6498310号(P6498310)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6498310センサ装置の動作方法及びセンサ装置並びに当該方法を実施するためのコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6498310
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】センサ装置の動作方法及びセンサ装置並びに当該方法を実施するためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20190401BHJP
【FI】
   G08G1/16 C
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-543734(P2017-543734)
(86)(22)【出願日】2016年1月27日
(65)【公表番号】特表2018-507481(P2018-507481A)
(43)【公表日】2018年3月15日
(86)【国際出願番号】EP2016051633
(87)【国際公開番号】WO2016131619
(87)【国際公開日】20160825
【審査請求日】2017年8月17日
(31)【優先権主張番号】102015202782.1
(32)【優先日】2015年2月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ファン ノゲイラ−ニーネ
【審査官】 岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−127717(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/069002(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を検出するセンサ装置(201,301)の動作方法であって、当該センサ装置は、当該センサ装置(201,301)の周辺を検出する第1の周辺センサ(203,303)と第2の周辺センサ(205,305)とを備えている、方法において、
・前記第2の周辺センサ(205,305)が非アクティブにされている状態で、前記第1の周辺センサ(203,303)によって前記センサ装置(201,301)の周辺を検出し、検出された前記周辺に基づ第1の周辺データを認識するステップ(101)と、
・所定の確率で前記周辺に対象物が存在しているか否かを提示するのに、前記第1の周辺データが十分であるか否かを調査するステップ(103)と、
・前記第1の周辺データが十分である場合に、前記第1の周辺データに基づいて前記周辺に対象物が存在しているか否かを調査するステップ(105)と、
・前記第1の周辺データが不十分である場合に、非アクティブにされている前記第2の周辺センサ(205,305)をアクティブにするステップ(107)と、
・前記第2の周辺センサ(205,305)によって前記センサ装置(201,301)の前記周辺を検出し、検出された前記周辺に基づ第2の周辺データを認識するステップ(109)と、
・前記第2の周辺データに基づいて前記周辺に対象物が存在しているか否かを調査するステップ(111)と、
を含み、
前記周辺に対象物が存在しているか否かの前記調査の現在の結果を、時間的に先行して行われた、前記周辺に対象物が存在しているか否かの調査の先行する結果と比較し、前記現在の結果と前記先行する結果との間に差異がある場合にのみ、前記現在の結果を、通信ネットワークを介して送信する、
ことを特徴とする、対象物を検出するセンサ装置(201,301)の動作方法。
【請求項2】
前記第1の周辺センサ(203,303)及び/又は前記第2の周辺センサ(205,305)を、前記周辺の対応する検出の後に非アクティブにする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の周辺センサ(205,305)のアクティブ化及び非アクティブ化を、スイッチ(315)を用いて実行し、当該スイッチ(315)は、前記第2の周辺センサ(205,305)と電気的なエネルギー供給部(311)との間に接続されている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の周辺センサ(203,303)は磁界センサであり、前記第2の周辺センサ(205,305)はレーダセンサである、又は、
前記第1の周辺センサ(203,303)は磁界センサであり、前記第2の周辺センサ(205,305)は超音波センサである、又は、
前記第1の周辺センサ(203,303)は磁界センサであり、前記第2の周辺センサ(205,305)は赤外線センサである、
請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の周辺センサ(203,303)は磁界センサであり、前記第2の周辺センサ(205,305)はレーダセンサであり、前記第2の周辺データの認識は、時間領域におけるレーダセンサRawデータの処理を含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記対象物は、駐車ポジション上に停車されている車両である、又は、道路を走行している車両である、又は、コンテナ置場に置かれているコンテナである、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
対象物を検出するセンサ装置(201,301)であって、当該センサ装置は、
・当該センサ装置(201,301)の周辺を検出する第1の周辺センサ(203,303)及び第2の周辺センサ(205,305)と、
・前記第2の周辺センサ(205,305)が非アクティブにされている状態で、前記第1の周辺センサ(203,303)によって前記センサ装置(201,301)の周辺が検出されるように前記第1の周辺センサ(203,303)を制御するように構成されている、各前記周辺センサを制御する制御装置(207,307)と、
・検出された周辺に基づ第1の周辺データを認識するように構成されているプロセッサ(209,309)と、
を備えており、
・前記プロセッサ(209,309)は、さらに、所定の確率で前記周辺に対象物が存在しているか否かを提示するのに、前記第1の周辺データが十分であるか否かを調査するように構成されており、
・前記プロセッサ(209,309)は、さらに、前記第1の周辺データが十分である場合に、前記第1の周辺データに基づいて、前記周辺に対象物が存在しているか否かを調査するように構成されており、
・前記制御装置(207,307)は、前記第1の周辺データが不十分である場合に、非アクティブにされている前記第2の周辺センサ(205,305)をアクティブにするように構成されており、かつ、前記第2の周辺センサ(205,305)によって、前記センサ装置(201,301)の周辺が検出されるように、アクティブにされた前記第2の周辺センサ(205,305)を制御するように構成されており、
・前記プロセッサ(209,309)は、さらに、前記第2の周辺センサ(205,305)によって検出された前記周辺に基づ第2の周辺データを認識するように構成されており、かつ、前記第2の周辺データに基づいて、前記周辺に対象物が存在しているか否かを調査するように構成されており、
前記プロセッサ(209,309)は、前記周辺に対象物が存在しているか否かの前記調査の現在の結果を、時間的に先行して行われた、前記周辺に対象物が存在しているか否かの調査の先行する結果と比較するように構成されており、
前記センサ装置(201,301)には、さらに、通信インタフェース(317)が設けられており、当該通信インタフェース(317)は、前記現在の結果と前記先行する結果との間に差異がある場合に、前記現在の結果を、通信ネットワークを介して送信するように構成されている、
ことを特徴とする、対象物を検出するセンサ装置(201,301)。
【請求項8】
前記制御装置(207,307)は、前記第1の周辺センサ(203,303)及び/又は前記第2の周辺センサ(205,305)を、前記周辺の対応する調査の後に非アクティブにするように構成されている、請求項に記載のセンサ装置(201,301)。
【請求項9】
電気的なエネルギー供給部(311)と、
前記第2の周辺センサ(205,305)と前記電気的なエネルギー供給部(311)との間に接続されているスイッチと、
を備えており、
前記第2の周辺センサ(205,305)のアクティブ化及び非アクティブ化を、当該スイッチを用いて実行可能である、
請求項7又は8に記載のセンサ装置(201,301)。
【請求項10】
前記第1の周辺センサ(203,303)は磁界センサであり、前記第2の周辺センサ(205,305)はレーダセンサである、又は、
前記第1の周辺センサ(203,303)は磁界センサであり、前記第2の周辺センサ(205,305)は超音波センサである、又は、
前記第1の周辺センサ(203,303)は磁界センサであり、前記第2の周辺センサ(205,305)は赤外線センサである、
請求項7から9までのいずれか1項に記載のセンサ装置(201,301)。
【請求項11】
前記第1の周辺センサ(203,303)は磁界センサであり、前記第2の周辺センサ(205,305)はレーダセンサであり、前記プロセッサ(209,309)は、時間領域においてレーダセンサRawデータを処理するように構成されており、これによって前記第2の周辺データを前記処理に基づいて認識する、請求項10に記載のセンサ装置(201,301)。
【請求項12】
前記対象物は、駐車ポジション上に停車されている車両である、又は、道路を走行している車両である、又は、コンテナ置場に置かれているコンテナである、請求項7から11までのいずれか1項に記載のセンサ装置(201,301)。
【請求項13】
コンピュータプログラムであって、
コンピュータ上で当該コンピュータプログラムが実行されたときに、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法を実施するためのプログラムコードを含む、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を検出するセンサ装置の動作方法に関する。本発明はさらに、対象物を検出するセンサ装置に関する。本発明はさらに、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
立体駐車場及びコインパーキングの利用率の特定は、その経営及び街の交通制御にとって極めて重要である。従って、駐車場の状況をコントロールセンターに伝達する、駐車場を監視するセンサが利用される。状況の検出は、通常、磁界センサ、カメラ又は放射式センサ、例えば超音波センサ又はレーダセンサによって行われる。
【0003】
システムに応じて、センサは、電流網又はデータ網と固定接続されている。これは、設置時の高いコストを意味する。又は、センサは、バッテリー動作式であり、線を用いずに、無線通信を介して、コントロールセンターと通信する。無線システムでの試みは、特に、バッテリー容量によって制限されている寿命を最長化することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の開示
従って、本発明の課題は、センサ装置の電気的なエネルギー消費を低減させることが可能な、効率の良いコンセプトを提供することであるとし得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題は、独立請求項の各構成要件によって解決される。本発明の有利な構成は、各従属請求項の構成要件である。
【0006】
ある態様では、対象物を検出するセンサ装置の動作方法が提供される。このセンサ装置は、センサ装置の周辺を検出する第1の周辺センサと第2の周辺センサとを備えている。この方法は、以下のステップ、即ち、
・第2の周辺センサが非アクティブにされている状態で、第1の周辺センサによってセンサ装置の周辺を検出し、検出された周辺に基づいて第1の周辺データを認識するステップと、
・所定の確率(確からしさ)で、この周辺に対象物が存在しているか否かを提示するのに、第1の周辺データが十分であるか否かを調査するステップと、
・第1の周辺データが十分である場合に、第1の周辺データに基づいてこの周辺に対象物が存在しているか否かを調査するステップと、
・第1の周辺データが不十分である場合に、非アクティブにされている第2の周辺センサをアクティブにするステップと、
・第2の周辺センサによってセンサ装置の周辺を検出し、検出された周辺に基づいて第2の周辺データを認識するステップと、
・第2の周辺データに基づいてこの周辺に対象物が存在しているか否かを調査するステップと、
を含む。
【0007】
さらなる態様では、対象物を検出するセンサ装置が提供される。このセンサ装置は、
・センサ装置の周辺を検出する第1の周辺センサと第2の周辺センサと、
・第2の周辺センサが非アクティブにされている状態で、第1の周辺センサによってセンサ装置の周辺が検出されるように第1の周辺センサを制御するように構成されている、周辺センサを制御する制御装置と、
・検出された周辺に基づいて第1の周辺データを認識するように構成されているプロセッサと、
を備えており、
・プロセッサはさらに、所定の確率でこの周辺に対象物が存在しているか否かを提示するのに、第1の周辺データが十分であるか否かを調査するように構成されており、
・プロセッサは、さらに、第1の周辺データが十分である場合に、第1の周辺データに基づいて、この周辺に対象物が存在しているか否かを調査するように構成されており、
・制御装置は、第1の周辺データが不十分である場合に、非アクティブにされている第2の周辺センサをアクティブにするように構成されており、かつ、第2の周辺センサによって、センサ装置の周辺が検出されるように、アクティブにされた第2の周辺センサを制御するように構成されており、
・プロセッサはさらに、第2の周辺センサによって検出された周辺に基づいて第2の周辺データを認識するように構成されており、かつ、第2の周辺データに基づいて、この周辺に対象物が存在しているか否かを調査するように構成されている。
【0008】
さらに、ある態様では、コンピュータプログラムが提供される。これは、コンピュータ上でこのコンピュータプログラムが実行されたときに、本発明の方法を実施するためのプログラムコードを含んでいる。
【0009】
即ち、本発明は特に、次のような着想を含んでいる。即ち、所定の確率でセンサ装置の周辺に対象物が存在しているか否かを提示するのに第1の周辺センサの測定が不十分である場合にだけ、センサ装置の第2の周辺センサをアクティブにする、という着想を含んでいる。即ち、第2の周辺センサが常に即ち継続的に、センサ装置の周辺を検出するためにアクティブにされているのではない、ということによって、有利にはセンサ装置の電気的なエネルギー消費を低減させることができる。これは、継続的に又は所定の間隔で周辺検出を実行する2つの周辺センサを備えたセンサ装置と比較した場合である。
【0010】
第1の周辺センサの測定が不十分であるということは例えば、以下の状況において生じ得る。即ち、磁界センサが車両を検出するために第1の周辺センサとして使用されており、この磁界センサが地下鉄の駅又は駅舎の近くに配置されている場合に、通過する列車又は通過する地下鉄が、磁界センサの周辺の磁界に影響を与え、これを変化させてしまうことがある。これによって、磁界測定の質が悪化し得る。このようにして、第1の周辺センサの測定が不十分である、不明瞭な状況が生じ得る。このような場合に、第2の周辺センサがアクティブにされる。
【0011】
さらに、これによって、有利には、バッテリー容量によって制限された寿命が最長化される。これは、センサ装置が、このようなバッテリーを、電気的なエネルギー供給のために備えている場合である。従って、有利には、センサ装置は、エネルギー供給のために有線の電流網を備えていない周辺環境においても使用可能である。従って、センサ装置の設置時のコストを低減させることができる。
【0012】
ある実施形態では、第1の周辺センサ及び/又は第2の周辺センサは、以下の周辺センサのうちの1つである。即ち、超音波センサ、レーダセンサ、ライダセンサ、レーザセンサ、赤外線センサ、ビデオセンサ、磁界センサ、振動センサ及びマイクのうちの1つである。
【0013】
ある実施形態では、第1の周辺センサ及び/又は第2の周辺センサは、周辺の相当する検出の後に、非アクティブにされる。これによって、特に、センサ装置のエネルギー消費がさらに低減可能であるという技術的な利点が生じる。なぜなら、第1乃至第2の周辺センサの非アクティブ化によって、有利には、対応する周辺センサの電気的なエネルギー消費がさらに低減されるからである。
【0014】
即ち、特に、第1の周辺センサによる周辺の検出後に、第1の周辺センサが非アクティブにされる。
【0015】
即ち、特に、第2の周辺センサによる周辺の検出後に、第2の周辺センサが非アクティブにされる。
【0016】
本発明での非アクティブ化とは、特に、周辺センサが、スタンバイモード又は準備モードに移行されることを含んでいる。特に、本発明での非アクティブ化は、次のことを含んでいる。即ち、周辺センサ(即ち、第1の周辺センサ及び/又は第2の周辺センサ)に対する電流供給又は一般的に電気的なエネルギー供給が中断されることを含んでいる。即ち、特に、非アクティブ化は、対応する周辺センサが完全に、電気的なエネルギー供給部から切り離されることを含み得る。
【0017】
本発明でのアクティブ化とは、特に、第1乃至第2の周辺センサが、スリープ状態又はスタンバイ状態又は準備状態から起動されることを含んでいる。特に、アクティブ化は、第1乃至第2の周辺センサが、以前に切り離された電気的なエネルギー供給部に再び接続されることを含んでいる。
【0018】
表現「乃至」は、本発明では、特に、表現「及び/又は」を含んでいる。
【0019】
ある実施形態では、周辺に対象物が存在しているか否かの調査の現在の結果が、時間的に先行して行われた、周辺に対象物が存在しているか否かの調査の先行する結果と比較される。ここでは、現在の結果と先行する結果との間に差異がある場合にのみ、現在の結果が、通信ネットワークを介して送信される。
【0020】
これによって、特に、センサ装置の電気的なエネルギー消費をさらに低減させることができるという技術的な利点が生じる。なぜなら、現在の結果と先行する結果との間に差異が認められた場合にのみ、現在の結果が、通信ネットワークを介して送信されるからである。特にこれによって、有利には、存在するデータ帯域幅を効率良く利用することが可能になる。
【0021】
本発明での結果とは、特に、対象物が検出されたということ、即ち、対象物が周辺に位置している、即ち、周辺に存在しているということを含む。結果は特に、対象物が検出されなかったということ、即ち、対象物が周辺に存在していないということを含む。
【0022】
先行する結果は、現在の結果と同様に、本発明の方法に対応して、乃至、本発明のセンサ装置に対応して、特定されたものである。即ち、周辺に対象物が存在しているか否かを調査するために、時間的に先行する時点で、センサ装置の周辺が検出されている。
【0023】
別の実施形態では、第2の周辺センサのアクティブ化及び非アクティブ化は、スイッチを用いて実行される。このスイッチは、第2の周辺センサと電気的なエネルギー供給部との間に接続されている。これによって、特に、効率の良いアクティブ化と非アクティブ化とが可能であるという技術的な利点が生じる。特に、このスイッチによって、有利には、電気的なエネルギー供給部から、周辺センサを完全に切り離すことが可能になる。このスイッチは、有利には、制御装置によって制御される、即ち、特に開閉される。
【0024】
ある実施形態では、このスイッチは電子的なスイッチである。例えば、このスイッチはトランジスタ、特に電界効果トランジスタである。
【0025】
ある実施形態では、このスイッチは機械式のスイッチである。
【0026】
スイッチによるアクティブ化は、特に、スイッチが閉成される、乃至、電子スイッチが、導電性になるように、(即ち、例えば、制御装置によって)駆動制御されることを含んでいる。特に、スイッチによる非アクティブ化は、スイッチが開放される、乃至、電子スイッチが、非導電性になるように、駆動制御されることを含んでいる。
【0027】
別の実施形態では、第1の周辺センサのアクティブ化及び非アクティブ化は、第1の周辺センサと電気的なエネルギー供給部との間に接続されているスイッチを用いて実行される。スイッチに関して第2の周辺センサと関連づけられた、対応する実施形態は、同様に、電気的なエネルギー供給部と第1の周辺センサとの間に接続されているスイッチに対しても当てはまる。このスイッチは例えば、第1のスイッチと称され得る。第2の周辺センサと電気的なエネルギー供給部との間に接続されているスイッチは例えば、第2のスイッチと称され得る。第1のスイッチも例えば、制御装置によって、第2のスイッチと同様に制御可能である。
【0028】
別の実施形態では、第1の周辺センサは磁界センサであり、第2の周辺センサはレーダセンサである。又は、第1の周辺センサは磁界センサであり、第2の周辺センサは超音波センサである。又は、第1の周辺センサは磁界センサであり、第2の周辺センサは赤外線センサである。
【0029】
磁界センサを第1の周辺センサとして設けることによって、特に、容易に、かつ、電流を節約した、センサ装置の周辺の、センサによる検出を行うことができるという技術的な利点が生じる。通常は、磁界センサを用いたセンサによる検出で十分に、周辺にある対象物を検出することができる。従って、既に、通常は、この磁界センサによって確実に、周辺に対象物が存在しているか否かを確かめることができる。
【0030】
超音波又は電磁ビームを送出する乃至検出することができるセンサ(レーダセンサ、赤外線センサ)を第2の周辺センサとして用いることによって、特に、このような場合に特に確実に、第2の周辺センサによる相応する周辺測定に基づいて、対象物が周辺に存在しているか否かを確かめることができるという技術的な利点が生じる。特にレーダセンサの使用は、種々の周辺条件下で確実な対象物検出を確実に行うことができるという利点を有している。例えば、レーダセンサは、例えば赤外線センサ又は超音波センサがもはやそれを確実に行うことができない場合にも、周辺を確実に検出することができる。例えば、周辺センサ上に、雪又は汚物等が堆積すると、赤外線センサ乃至超音波センサの検出感度は弱まる。
【0031】
別の実施形態では、第1の周辺センサは磁界センサであり、第2の周辺センサはレーダセンサであり、ここでプロセッサは、時間領域(タイムドメイン)においてレーダセンサRawデータを処理するように構成されている。これによって、第2の周辺データを、この処理に基づいて認識することができる。これによって特に、迅速かつ効率の良い信号処理が可能になるという技術的な利点が生じる。なぜなら、時間領域における処理は、周波数領域(周波数ドメイン)における処理と比較して、より少ない手間で、かつ、より迅速に行われるからである。周波数領域における処理は、そのほかの場合、レーダセンサに関連して、一般に行われているものである。即ち、ここでは、本発明に対応して、技術的な慣例からの離反が意図されている。従って、レーダセンサのRawデータは、特に、時間領域において、より少ない手間で処理可能である。なぜならこれは直接的に、レーダセンサから到来し、レーダセンサのアナログ測定信号のデジタルサンプリングに相当するからである。これによって処理が容易になる。周波数領域における処理は特に、Rawデータのフーリエ変換を含んでいる。これには手間がかかる。時間領域における処理は、対象物が周辺に存在しているか否かを提示するのに十分である。対象物までの正確な距離データは、通常、不要である。
【0032】
別の実施形態では、対象物は、駐車ポジション上に停車されている車両又は道路を走行している車両又はコンテナ置場に置かれているコンテナである。即ち、特に、駐車ポジションの占有状態を確定又は検出するために、このセンサ装置を使用することができる。即ち、駐車ポジション上に車両が検出されると、これは、この駐車ポジションが占有されていることを意味する。車両が検出されない限りは、これは、この駐車ポジションが空いている、即ち、占有されていないことを意味する。周辺検出の結果は、ここでは特に、駐車ポジションが占有されている、又は、空いている、即ち、占有されていない、ということである。
【0033】
センサ装置は、この場合には、特に、駐車ポジションの占有状態を検出するセンサ装置と称され得る。
【0034】
即ち、対象物が道路を走行している車両である限りは、このセンサ装置によって、交通の流れ及び/又は交通密度が検出乃至監視される。このようなセンサ装置はこの場合には、特に、交通密度乃至交通量を監視乃至測定するためのセンサ装置と称され得る。
【0035】
即ち、特に、対象物がコンテナである場合には、例えばセンサ装置は、コンテナ場所の占有状態を検出することもできる。
【0036】
ある実施形態では、制御装置は、第1の周辺センサ及び/又は第2の周辺センサを、周辺の相当する検出の後に非アクティブにするように構成されている。
【0037】
さらに、ある実施形態では、プロセッサは、周辺に対象物が存在しているか否かの調査の現在の結果を、時間的に先行して行われた、周辺に対象物が存在しているか否かの調査の先行する結果と比較するように構成されている。ここでは、通信インタフェースが設けられており、これは、現在の結果と先行する結果との間に差異がある場合に、現在の結果を、通信ネットワークを介して送信するように構成されている。
【0038】
ある実施形態では、電気的なエネルギー供給部とスイッチとが設けられている。ここでこのスイッチは、第2の周辺センサと電気的なエネルギー供給部との間に接続されている。従って、第2の周辺センサのアクティブ化及び非アクティブ化を、このスイッチを用いて行うことができる。このアクティブ化は、ここで特に、スイッチの閉成乃至電子スイッチを、電流が流れるようにする又は導電性にする、電子スイッチの駆動制御を含む。非アクティブ化は特に、スイッチの開放乃至電子スイッチを非導電性即ち絶縁性にする、電子スイッチの駆動制御を含む。
【0039】
ある実施形態では、電気的なエネルギー供給部とスイッチとが設けられている。このスイッチは、第1の周辺センサと電気的なエネルギー供給部との間に接続されている。従って、第1の周辺センサのアクティブ化及び非アクティブ化は、このスイッチを用いて実行可能である。
【0040】
上述した実施形態と同様に、このようなスイッチは、第1のスイッチとも称され得る。第2の周辺センサと電気的なエネルギー供給部との間に接続されているスイッチを、特に、第2のスイッチと称することができる。
【0041】
装置の特徴は同様に、対応する方法の特徴から得られ、また、方法の特徴は同様に、対応する装置の特徴から得られる。即ち、特に、センサ装置に関する特徴、技術的な利点及び構成が、同様に、方法の対応する構成、特徴及び利点から得られ、また、方法に関する特徴、技術的な利点及び構成が、同様に、センサ装置の対応する構成、特徴及び利点から得られる。即ち、特に、方法の技術的な機能性が装置から得られ、また、装置の技術的な機能性が方法から得られる。
【0042】
ある実施形態では、センサ装置は、本発明の方法を実行するように設けられている、又は、構成されている。
【0043】
ある実施形態では、本発明の方法は本発明の装置を動作させる。
【0044】
ある実施形態では、電気的なエネルギー供給部は、1つ又は複数のバッテリー、及び/又は、1つ又は複数の蓄電池を含んでいる。
【0045】
ある実施形態では、通信インタフェースが設けられている。この通信インタフェースは、周辺に対象物が存在しているか否かの調査の結果を、通信ネットワークを介して送出するように構成されている。サーバ装置は、例えば、通信インタフェースを含んでいる。
【0046】
ある実施形態では、通信ネットワークは、WLANネットワーク及び/又は移動無線網を含んでいる。
【0047】
ある実施形態では、通信は、通信ネットワークを介して暗号化されている、乃至、暗号化される。
【0048】
ある実施形態では、プロセッサ及び制御装置は、マイクロコントローラに含まれている。
【0049】
ある実施形態では、プロセッサ乃至制御装置乃至通信インタフェース乃至マイクロコントローラは、測定後に、静止モード又は静止状態又はスタンバイ状態に切り替えられる。
【0050】
本発明を以降で、有利な実施例に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】センサ装置の動作方法のフローチャート。
図2】センサ装置。
図3】別のセンサ装置。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、対象物を検出するセンサ装置の動作方法のフローチャートを示している。このセンサ装置は、センサ装置の周辺を検出する第1の周辺センサと第2の周辺センサとを備えている。
【0053】
この方法は、以下のステップ、即ち、
・第2の周辺センサが非アクティブにされている状態で、第1の周辺センサによってセンサ装置の周辺を検出し、検出されたこの周辺に基づいて第1の周辺データを認識するステップ101と、
・所定の確率でこの周辺に対象物が存在しているか否かを提示するのに、第1の周辺データが十分であるか否かを調査するステップ103と、
・第1の周辺データが十分である場合に、第1の周辺データに基づいてこの周辺に対象物が存在しているか否かを調査するステップ105と、
・第1の周辺データが不十分である場合に、非アクティブにされている第2の周辺センサをアクティブにするステップ107と、
・第2の周辺センサによってセンサ装置の周辺を検出し、検出されたこの周辺に基づいて第2の周辺データを認識するステップ109と、
・第2の周辺データに基づいてこの周辺に対象物が存在しているか否かを調査するステップ111と、
を含んでいる。
【0054】
図示されていない実施形態では、第1の周辺センサを用いた周辺の検出後に、第1の周辺センサが非アクティブにされる。
【0055】
図示されていない実施形態では、第2の周辺センサを用いた、センサ装置の周辺の検出後に、第2の周辺センサが非アクティブにされる。
【0056】
図2は、対象物を検出するセンサ装置201を示している。
【0057】
このセンサ装置201は、
・センサ装置201の周辺を検出する第1の周辺センサ203と第2の周辺センサ205と、
・第2の周辺センサ205が非アクティブにされている状態で、第1の周辺センサ203によってセンサ装置201の周辺が検出されるように第1の周辺センサ203を制御するように構成されている、周辺センサ203、205を制御する制御装置207と、
・検出された周辺に基づいて第1の周辺データを認識するように構成されているプロセッサ209と、
を備えており、
・プロセッサ209はさらに、所定の確率でこの周辺に対象物が存在しているか否かを提示するのに、第1の周辺データが十分であるか否かを調査するように構成されており、
・プロセッサ209はさらに、第1の周辺データが十分である場合に、第1の周辺データに基づいて、この周辺に対象物が存在しているか否かを調査するように構成されており、
・制御装置207は、第1の周辺データが不十分である場合に、非アクティブにされている第2の周辺センサ205をアクティブにするように構成されており、かつ、第2の周辺センサ205によって、センサ装置201の周辺が検出されるように、アクティブにされた第2の周辺センサ205を制御するように構成されており、
・プロセッサ209はさらに、第2の周辺センサ205によって検出された周辺に基づいて第2の周辺データを認識するように構成されており、かつ、第2の周辺データに基づいて、周辺に対象物が存在しているか否かを調査するように構成されている。
【0058】
図3は、別のセンサ装置301を示している。
【0059】
センサ装置301は、第1の周辺センサ303と第2の周辺センサ305とを含んでいる。センサ装置301はさらに、マイクロコントローラ307を含んでいる。これは、図示されていないプロセッサと、周辺センサ303、305を制御する、図示されていない制御装置とを含んでいる。マイクロコントローラ307は、データ線路及び制御線路309によって、2つの周辺センサ303、305と接続されている。
【0060】
センサ装置301はさらに、電気的なエネルギー供給部311を含んでいる。電気的なエネルギー供給部311は電流線路313を介して、マイクロコントローラ307と接続されている。即ち、電気的なエネルギー供給部311は、電流線路313を用いて、マイクロコントローラ307に電気的なエネルギーを供給することができる。さらに、電気的なエネルギー供給部311は、第1の周辺センサ303に、電流線路313によって、同様に、電気エネルギーを供給する。ここでは、第1の周辺センサ303は、直接的に、電流線路313によって、電気的なエネルギー供給部311と接続されている。即ち、第1の周辺センサ303と電気的なエネルギー供給部311との間に、スイッチは接続されていない。
【0061】
電気的なエネルギー供給部311は、例えば、1つ又は複数のバッテリーを含んでいる。
【0062】
電気的なエネルギー供給部311は、例えば、ここには詳細に示されていない電源回路を含んでいる。
【0063】
第2の周辺センサ305には、同様に、電気的なエネルギー供給部311によって、電気エネルギーが供給される。しかし、ここでは、スイッチ315が、電気的なエネルギー供給部311と第2の周辺センサ305との間に接続されている。即ち、電流線路313が、電気的なエネルギー供給部311からスイッチ315へと続き、スイッチ315から、別の電流線路313が第2の周辺センサ305へと続く。即ち、これは特に、次のことを意味する。即ち、スイッチ315によって、第2の周辺センサを完全に電気的なエネルギー供給部311から切り離すことが可能であることを意味する。電気的なエネルギー供給部から完全に切り離すことが可能であることによって、第2の周辺センサ305の電気的なエネルギー消費を低減させることができる。スイッチ315は、マイクロコントローラ307によって制御される。即ち、特に開閉される。
【0064】
センサ装置301はさらに、通信インタフェース317を含んでいる。これは、無線通信インタフェースとして構成されている。電流線路313は、通信インタフェース317を電気的なエネルギー供給部311と接続する。データ線路及び制御線路309が、2つの周辺センサ303、305から、無線通信インタフェース317へと続いている。無線通信インタフェース317を用いて、センサデータに基づいて、即ち、一般的に周辺データに基づいて認識されたセンサデータ乃至結果を伝送することが可能であり、かつ、これが予定され、例えば、このデータ乃至結果が、通信ネットワークを介して送出される。
【0065】
センサ装置301によって、例えば、本発明の方法の以下の実施形態が実行可能である。
【0066】
マイクロコントローラ307上で実行されるアルゴリズムは、第1の周辺センサ303を規則的な時点でアクティブにし、例えば、相応する物理的なパラメータの種々の測定を実行する。測定された値及びこの測定方法に固有のパラメータ、例えば、信号雑音比(SNR)、フィルタパラメータ、実行される測定毎の例の数、標準モード及び長さ、量子化誤差、帯域幅、サンプリング周波数が、マイクロコントローラ307に伝達され、上述したアルゴリズムの入力量として用いられる。受信したデータ内に含まれている情報に基づいて、アルゴリズムは、駐車スペース(一般的に駐車ポジション)の占拠状態(一般的に占有状態)に関して確実な判断をするのに、このような情報が明白に十分であるか否かを判断する。
【0067】
第1の周辺センサ303の測定結果が明白に十分であって、かつ、駐車スペースの占拠状態が変化している場合、このような状況変化が、無線通信インタフェース317を介して、離隔した場所にある計算器又はサーバ(図示されていない)に伝達され、第1の周辺センサ303とマイクロコントローラ307は再び、静止モードに移行する。そうでない場合、即ち、測定結果が明白に十分であるが、駐車スペースの占拠状態が、無線通信インタフェース317による最後のデータ伝送から変化していない場合には、第1の周辺センサ303もマイクロコントローラ307も迅速に静止モードに移行する。
【0068】
不必要なエネルギー消費を回避するために、第2の周辺センサ305は、極めて少ない損失電流の場合には、この第2の周辺センサ305が使用されていないのであれば、完全に、一般的に例えば電源スイッチとして構成可能なスイッチ315によってオフされる。スイッチ315は、マイクロコントローラ307によって、特に、ある実施形態では、サンプリングアルゴリズムによってデジタルに制御される。
【0069】
第1の周辺センサ303の測定結果が、この周辺センサ303に対して、駐車スペースの占拠状態に関して明瞭かつ確実な判断をするのに明白に十分でなかった場合には、アルゴリズムは、以降の例示的なステップに従って、第2の周辺センサ305をアクティブにする。
1.第2の周辺センサ305を、スイッチ315のアクティブ化又は駆動制御によってオンにするステップ
2.例えば、エネルギー消費が低い場合に第2の周辺センサ305を正確に動作させるように特有の調整がなされている測定を第2の周辺センサ305を用いて実行するステップ
3.スイッチ315のアクティブ化又は駆動制御によって、第2の周辺センサ305をオフする又は非アクティブにするステップ
【0070】
第2の周辺センサ305の測定結果が、駐車スペースの占拠状態が変化したということを示すと、このような状況変化が、無線通信インタフェース317を介して、例えば、システムゲートウェイに伝達され、最終的に、離隔した場所にある計算器に伝達され、マイクロコントローラ307は静止モードに移行する。しかし、駐車スペースの占拠状態が無線通信インタフェース317による最後のデータ伝送から変化していないということを測定結果が示した場合、マイクロコントローラ307は迅速に静止モードへと移行する。
【0071】
ある実施形態では、第1の周辺センサ303は、磁気センサ(磁界センサ)であり、第2の周辺センサはレーダベースのセンサ要素、理想的には、超広帯域(UWB)及び周波数ステップ状連続波(frequenzgestufter Continuous Wave(FSCW))レーダ受信器である。極めて低いエネルギー消費のこのコンセプトを実行するために、ある実施形態では、測定方法において使用される周波数の数が低減され、これによって、測定時間が制限される。さらに、ある実施形態では、レーダシグナル方法が最低に低減される。これは、レーダユニットによって提供されたRawデータの処理がタイムドメイン(時間領域)において実行され、通常のように、周波数ドメイン(周波数領域)において実行されないことによって行われる。信号処理は、マイクロコントローラ307において実行され、タイム−周波数−ドメイン信号分析の実行及び処理は、高い計算リソースを必要とする。通常は、レーダセンサから車両までの実際の距離(例えばcmで)を、センサを介して特定する必要はなく、車両がそこにあるか否かのYES/NOの判断だけが必要である。従って、信号処理のコストをさらに低減させることが可能である。ある実施形態では、2.4GHz ISM(Industrial, Scientific and Medical Band:産業化学医療用バンド)の周波数帯が、世界的な利用のために選択されるべきである。
【0072】
別の実施形態では、第1の周辺センサ303は磁気センサ(磁界センサ)であり、第2の周辺センサ305は超音波センサである。極めて低いエネルギー消費のコンセプトは、この実施形態において、超音波センサが必要とする極めて短い測定時間で利益を得る。さらに、信号処理が、同様に、最低に保持される。なぜなら、センサ上に駐車されている車両の実際の距離(例えばcmで)を特定することは通常不必要であり、車両がそこに存在しているか否かに関するYES/NOの判断を確定することだけが必要だからである。
【0073】
さらに別の実施形態では、第1の周辺センサ303は磁気センサ(磁界センサ)であり、第2の周辺センサ305は赤外線センサである。ここでも、極めて低いエネルギー消費のコンセプトは、この実施形態において、赤外線センサが必要とする極めて短い測定時間及びこのセンサの、他の2つの、記載した実施形態と比較して少ない電流消費で利益を得る。さらに、信号処理が、同様に、最低に保持される。なぜなら、センサ上に駐車されている車両の実際の距離(例えばcmで)を特定することは通常不必要であり、車両がそこに存在しているか否かに関するYES/NOの判断を確定することだけが必要だからである。
【0074】
全ての3つの先行する例示的な実施形態は、特に、エネルギー消費が低減可能である、という利点を有している。従って、これは、センサ装置の寿命を長くすることができる。さらに、全ての3つのセンサ組み合わせは、これらが、変化に対して敏感でないという利点を提供する。これは、環境の変化(特に、レーダが用いられている第1の実施形態の場合には、雪、雨、氷等)による、サンプリングされた磁界における一時的な又は継続的な変化であろうが、電磁的な外乱を生じさせる、車両の電気的な構成部分であろうが、車両に含まれている金属の量であろうが、センサが戸外に置かれている場合の、通過する列車、電気バス又は路面電車によって生起される(一時的な)電磁的な外乱であろうが、同じである。
【0075】
レーダセンサが用いられる実施形態は、他の2つの、上述したセンサの組み合わせでは得られない、さらなる利点を提供する。即ち、
1.赤外線センサが用いられる実施形態も、超音波センサが用いられる実施形態も、駐車スペースのセンサ装置上に雪が堆積している場合には、戸外で機能しない、又は、少なくとも、制限されてしか機能しない。
2.赤外線センサが用いられる実施形態は、通常、赤外線センサに対して必要な透明な表面上に汚れが堆積している場合にも、機能しない、又は、少なくとも、制限されてしか機能しない。
3.超音波センサが用いられる実施形態の場合には、通常、超音波センサによって生成された圧力波を伝播させることができる柔軟な表面が必要である。従って、駐車スペースのセンサ装置は、車が、スパイク(タイヤの輪郭における鋲)が付いたタイヤを冬季に使用する地域においては使用不可能である。
【0076】
さらなる利点は、特に、以下のようなものである。即ち、2つのセンサを組み合わせることによって、極めて頑強な、故障しにくいセンサシステムが実現される、ということである。さらに、単一の要素(センサ装置)におけるコストの低い動作及び僅かなメンテナンスが、可能である。さらに、センサ装置を容易に開発及び設置することができる。
図1
図2
図3