特許第6498336号(P6498336)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6498336
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】順番管理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20190401BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20190401BHJP
【FI】
   G06Q10/02
   G06Q50/10
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-60152(P2018-60152)
(22)【出願日】2018年3月27日
【審査請求日】2019年1月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518135412
【氏名又は名称】株式会社リクルート
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】渡瀬 丈弘
(72)【発明者】
【氏名】新谷 哲功
【審査官】 牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−26956(JP,A)
【文献】 特開2000−341389(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/170813(WO,A1)
【文献】 特開2001−7901(JP,A)
【文献】 特開2017−183807(JP,A)
【文献】 特開2005−50002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G16H 10/00 − 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設における順番待ちを管理する順番管理システムであって、
前記施設において順番待ちを登録した順番待ち組の順番待ち状況の情報を保持する順番待ちリストを記憶する順番待ちリスト記憶部と、
利用者の電話機からの発信を受信し、発信元の電話番号が順番待ちリストに登録されているか否かを判定する発信元番号判定部と、
前記発信元の電話番号が順番待ちリストに登録されていない場合には受付登録処理を実行する登録受付部と、
前記発信元の電話番号が順番待ちリストに登録されている場合には、当該利用者の現在の順番待ち状況を音声で伝える順番待ち状況通知部と、
順番が到来した際、当該利用者の電話機に、呼出電話を発信する呼出通知部と、を備えた順番管理システム。
【請求項2】
前記登録受付部は、
一定期間内は、同じ発信元の電話番号からの受付登録は行えないように制御する、請求項1に記載の順番管理システム。
【請求項3】
前記呼出通知部は、
呼出電話を発信した際に、発信先の電話機が応答しない場合には、代替手段による呼出通知を行う、請求項1または2に記載の順番管理システム。
【請求項4】
前記呼出通知部は、
前記呼出電話に応答しない電話番号をブラックリストに登録し、
前記前記登録受付部は、
前記ブラックリストに登録されている電話番号からの受付登録は行えないように制御する、請求項3に記載の順番管理システム。
【請求項5】
前記登録受付部は、
前記順番待ちリストに登録されている順番待ち組数が一定数以上の場合には、電話による受付登録は行えないように制御する、請求項1から4のいずれか1項に記載の順番管理システム。
【請求項6】
コンピュータを、
施設において順番待ちを登録した順番待ち組の順番待ち状況の情報を保持する順番待ちリストを記憶する順番待ちリスト記憶部と、
利用者の電話機からの発信を受信し、発信元の電話番号が順番待ちリストに登録されているか否かを判定する発信元番号判定部と、
前記発信元の電話番号が順番待ちリストに登録されていない場合には受付登録処理を実行する登録受付部と、
前記発信元の電話番号が順番待ちリストに登録されている場合には、当該利用者の現在の順番待ち状況を音声で伝える順番待ち状況通知部と、
順番が到来した際、当該利用者の電話機に、呼出電話を発信する呼出通知部と、して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、順番管理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レストランや店舗、病院、銀行、役所等においては、そのサービスを待つ顧客の順番待ちを管理するために、種々の順番管理システムが採用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、順番待ちのできる複数の施設に対して同時に予約管理サービスを提供する予約管理システムが記載されており、ユーザは、Webや、電話や、店頭端末から、施設の混雑状況の確認や、順番待ち予約の申し込みをできることが記載されている。また、案内の順番が近づいたら電話やメールで通知することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−50002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシステムは、オンライン予約については、主に端末操作に慣れた利用者による利用を想定しており、端末操作に不慣れな利用者が、電話の簡単な操作のみで全てのサービスを利用できるようにはなっていなかった。
【0006】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、端末操作に不慣れな利用者が、電話の簡単な操作のみで、順番管理システムのサービスを利用できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る順番管理システムは、施設における順番待ちを管理する順番管理システムであって、
前記施設において順番待ちを登録した順番待ち組の順番待ち状況の情報を保持する順番待ちリストを記憶する順番待ちリスト記憶部と、
利用者の電話機からの発信を受信し、発信元の電話番号が順番待ちリストに登録されているか否かを判定する発信元番号判定部と、
前記発信元の電話番号が順番待ちリストに登録されていない場合には受付登録処理を実行する登録受付部と、
前記発信元の電話番号が順番待ちリストに登録されている場合には、当該利用者の現在の順番待ち状況を音声で伝える順番待ち状況通知部と、
順番が到来した際、当該利用者の電話機に、呼出電話を発信する呼出通知部と、を備えたものである。
【0008】
また、前記登録受付部は、一定期間内は、同じ発信元の電話番号からの受付登録は行えないように制御するようにしてもよい。
【0009】
また、前記呼出通知部は、呼出電話を発信した際に、発信先の電話機が応答しない場合には、代替手段による呼出通知を行うようにしてもよい。
【0010】
また、前記呼出通知部は、前記呼出電話に応答しない電話番号をブラックリストに登録し、前記前記登録受付部は、前記ブラックリストに登録されている電話番号からの受付登録は行えないように制御するようにしてもよい。
【0011】
また、前記登録受付部は、前記順番待ちリストに登録されている順番待ち組数が一定数以上の場合には、電話による受付登録は行えないように制御するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、端末操作に不慣れな利用者が、電話の簡単な操作のみで、順番管理システムのサービスを利用できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る順番管理システム1000の概略構成を示す図。
図2】本発明の実施形態に係る順番管理端末200の主要構成を示すブロック図。
図3】本発明の実施形態に係る順番管理システム1000における順番待ちの受付登録処理のフローチャート。
図4】本発明の実施形態に係る順番管理システム1000における呼出電話の発信処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
本実施形態では、レストランAにおける順番待ち管理の例について説明するが、その他、アミューズメント施設、デパート、ショッピングモール、イベント会場、フードコート、病院、銀行、役所、大型量販店など、施設利用者の順番待ちの管理を行うあらゆる施設に適用できる。
【0016】
図1は、本実施形態に係る順番管理システム1000の概略構成を示す図である。図1に示すように順番管理システム1000は、管理センター等に設置された順番管理サーバ100と、施設毎に設けられた順番管理端末200、施設の利用者が所持するユーザ端末(電話機)300を含んでいる。順番管理サーバ100は、順番管理端末200およびユーザ端末300と通信ネットワークNを介して接続されている。
【0017】
順番管理サーバ100は、順番管理端末200やユーザ端末300を介して登録される順番待ちを施設毎に管理する。図1の例では、1つの施設の順番管理端末200のみが図示されているが、順番管理サーバ100は、実際には複数の施設に設置されている順番管理端末200と通信ネットワークNで接続され、各施設の順番待ちを管理している。順番管理端末200は、施設内の各所に設置されていてもよいし、施設の従業者が携帯する携帯端末に実装されていてもよい。
【0018】
順番管理サーバ100は、汎用的なコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現する。順番管理サーバ100を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。
【0019】
順番管理サーバ100は、施設ごとに順番管理端末200を管理するための管理データベース(順番待ちリスト記憶部)110と、プロセッサ(発信元番号判定部、登録受付部、順番待ち状況通知部、呼出通知部)120と、を備えている。管理データベース110は、クライアント管理テーブルTA1と、ステータス管理テーブルTA2を備えている。
【0020】
クライアント管理テーブルTA1には、施設毎に、順番管理端末200に対して付与されている固有のIDとパスコード(アカウント)が登録されている。クライアント管理テーブルTA1の1レコードには、例えば「レストランA」のレコードとして、「ID:A1・・・」、「パスコード:AA2・・・」等が設定されている。これらの情報は、例えば、システム導入の際に各施設で順番待ちの管理を行う管理者(例えば、施設のオーナーなど)によって設定される。なお、1施設で複数の順番管理端末200を利用する場合には、同一のIDとパスコードを利用してもよいが、例えば所定の条件に従い、複数のIDとパスワードを使い分けるようにしてもよい。
【0021】
ステータス管理テーブルTA2には、各施設での順番待ちリストが登録されている。この順番待ちリストは、順番待ちをしている者(順番待ち組)の一覧と、各々の順番待ち組の待ち状況をあらわす情報(ステータス情報)が含まれる。順番待ちリストの1レコードには、受付番号「1234」、受付日時「2018/03/30/12:30」、ステータス「呼出中」、受付電話番号「080xxxx1234」等の情報が含まれている。その他、連絡先のメールアドレスなどの情報も含むことができる。
【0022】
ステータスには、順番到来前の状態である「待ち中」、順番が来たことを知らせた状態である「呼出中」、順番が来た者を対応窓口に案内した状態である「案内済」、さらに順番待ちをキャンセルした状態である「取消済」等が含まれる。ステータスとしてどのような項目を設定するかは各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。
【0023】
受付電話番号は、電話による受付登録の際の発信元の電話番号である。また、ここでは電話による受付登録の場合には、電話番号の下4桁を受付番号として設定しているが、受付番号の決め方はこれに限られない。
【0024】
なお、順番待ちリストに含める情報は、各施設の管理者等が適宜設定および変更可能となっている。順番待ちリストの内容は、順番管理端末200から送信される順番待ちリストへの新規登録情報、またはステータスの更新情報(詳細は後述)に基づいて更新される。
【0025】
プロセッサ120は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、ROM等の記憶手段に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理サーバ100の各部を中枢的に制御する。また、プロセッサ120は、順番管理端末200と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)も実行する。また、電話による順番待ちの登録や順番待ち状況の問い合わせに対応する自動音声応答(IVR:Interactive Voice Response)も実行する。
【0026】
通信ネットワークNは、順番管理サーバ100と順番管理端末200との間などで、相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0027】
順番管理端末200は、タブレット端末や、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100とデータの授受が可能なあらゆる端末装置を利用することができる。なお、順番管理端末200は、1施設で複数台利用することもできる。
【0028】
図2は、順番管理端末200の主要構成を示すブロック図である。順番管理端末200は、プロセッサ210と、入力装置215と、表示装置216と、通信インタフェース220と、記憶資源230を備える。順番管理端末200は、施設に来た利用者や、施設の従業者がタッチパネルなどの入力装置215を操作することで、順番待ちリストへの登録や更新等の入力を受け付ける。
【0029】
プロセッサ210は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、記憶資源230に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理端末200の各部を中枢的に制御する。各種レジスタは、例えば、プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等である。
【0030】
入力装置215は、順番待ちリストへの受付や順番待ちリストからの消込み等の入力を受け付けるための各種操作ボタンやタッチパネル215aを備えている。
【0031】
表示装置216は、順番待ちリストや、受付画面やステータス管理画面を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。
【0032】
通信インタフェース220は、通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークNを介して他の装置と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース220は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0033】
記憶資源230は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶資源230は、複数の物理デバイスを1つの論理デバイスにマッピングして構築してもよいし、1つの物理デバイスを複数の論理デバイスにマッピングして構築してもよい。
【0034】
記憶資源230には、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。ドライバプログラムとしては、例えば、通信インタフェース220を制御するための通信インタフェースドライバプログラム等がある。また、記憶資源230には、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサ210が実行することにより、順番管理サーバ100と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)AP1が記憶されている。
【0035】
ユーザ端末300は、施設の利用者が所有する、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、ウェアラブルデバイスなどの端末や、固定電話機などである。ユーザ端末300は、プロセッサ310、各種操作ボタンやタッチパネルなどの入力装置320、液晶ディスプレイなどの表示装置330、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェース340、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶資源350を備えていてもよい。また、ユーザ端末300は、表示装置330や通信インタフェース340を有していない固定電話機であってもよい。記憶資源350には、各種プログラムや各種データのほか、順番管理サーバ100と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(専用アプリ)等が記憶されていてもよい。利用者は、ユーザ端末300にインストールされている専用アプリやウェブブラウザを介して、各施設への順番待ちを登録したり、順番待ち状況を確認したりすることができる。
【0036】
(順番待ちの受付登録)
次に、順番管理システム1000による順番待ちの受付登録処理について図3のフローチャートを用いて説明する。ここでは、利用者が、自身のユーザ端末300から所定の電話番号に電話をかけることにより、受付登録を行う場合を例に説明する。なお、利用者は、ユーザ端末300を操作して専用アプリやウェブサイトを介して受付登録を行ってもよいし、施設(ここでは、レストランA)に来訪して、順番管理端末200を用いて登録することもできる。
【0037】
利用者が、ユーザ端末300からレストランAの順番待ち管理用の電話番号に電話をかけると(ステップS101)、電話を受信した順番管理サーバ100は、発信元の電話番号から、既に順番待ちの受付をしていないかどうかを確認する(ステップS102)。具体的には、レストランAの順番待ちリストのレコードのうち、ステータスが「待ち中」のレコードの受付番号の中に、発信元の電話番号の下4桁と一致するものがあるかどうかを判定する。あるいは、順番待ちリストの受付電話番号の中に、発信元の電話番号と一致するものがあるかどうかを判定するようにしてもよい。
【0038】
ステータスが「待ち中」のレコードの中に、発信元の電話番号が存在しない場合(ステップS102:NO)、順番管理サーバ100は、順番待ちリストに登録されている全てのレコードを参照し、一定期間以内に、発信元の電話番号から受付登録を行ったレコードが存在しないか否かを判定する(ステップS103)。具体的には、レコードの受付日時が、当日から一定期間以内(例えば、3日以内)で受付番号が発信元の電話番号と一致するものがないかどうか判定する。
【0039】
一定期間以内に、発信元の電話番号から受付登録を行ったレコードが存在しない場合には(ステップS103:NO)、順番管理サーバ100は、受付登録処理を実行する(ステップS104)。具体的には、自動音声応答機能により、現在の順番待ち状況(待ち組数と予想待ち時間)を伝えるメッセージを流し、受付を行う場合には所定の操作(指定されたプッシュボタンの操作や、音声での回答)を行うように促すメッセージを流す。
【0040】
利用者のユーザ端末300から、受付を指示する操作を受け付けたら(ステップS105:YES)、順番管理サーバ100は、順番待ちを1組新たに追加する処理を行い、ステータス管理テーブルTA2を更新する(ステップS106)。また、自動音声応答機能により、受付が完了したことと、現在の予想待ち時間を伝えるメッセージを流して通話を終了する(ステップS107)。
【0041】
ステップS102において、ステータスが「待ち中」のレコードの中に、発信元の電話番号が存在している場合(ステップS102:YES)、順番管理サーバ100は、当該利用者の現在の順番待ち状況(残りの待ち組数と予想待ち時間)を伝えるメッセージを流す(ステップS108)。
【0042】
また、ステップS103において、一定期間以内に、発信元の電話番号から受付登録を行ったレコードが存在した場合(ステップS103:YES)、順番管理サーバ100は、順番待ちの受付ができないことを伝えるメッセージ(「お客様の電話番号からは、現在順番待ちの登録を行うことができません。」等)を流す(ステップS109)。このように、一定期間以内は同じ電話番号からの順番待ちの受付は行わないようにすることにより、いたずら電話などへの対策を取ることができる。
【0043】
さらに、待ち組数が一定数以上の場合や予想待ち時間が一定以上になる場合には、順番待ちの受付は行わず、順番待ちの受付ができないことを伝えるメッセージ(「現在大変混雑していますので、しばらくしてからお電話ください。」等)を流すようにしてもよい。
【0044】
また、上記の例では、利用者はレストランAの順番待ち管理用の電話番号に電話をかけているが、全施設共通の電話番号にかけた後、自動音声応答の案内にしたがって、順番待ちを登録する施設(レストランA)を選択するようにしてもよい。
【0045】
(順番待ちリストの更新)
各施設の順番待ちリストの各レコードの内容は、施設の従業者が順番管理端末200を用いて「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」等の操作を行った際に更新される。「取消」は、順番待ちをキャンセルすることを意味し、「変更」は、いったん入力された順番待ちの内容を変更することを意味する。また、「呼出」は、順番が来た組を口頭で呼出したり、電話や呼出メールなどで知らせた状態であることを意味し、「案内」は、順番が来た組に対して実際に対応を開始した状態であることを意味する。
【0046】
従業者は、順番管理端末200に表示された順番待ちリストの中から、更新対象の順番待ち組を選択し、選択した順番待ち組に対して「呼出」、「取消」、「変更」のいずれかの更新操作を行う。更新対象の順番待ち組を特定する情報(例えば受付番号「1」)と更新操作の情報(例えば「呼出」)は、順番管理端末200から通信ネットワークNを介して順番管理サーバ100にアップロードされる。順番管理サーバ100は、受信した情報に基づき、当該施設の順番待ちリストを更新する。例えば、受付番号「1」に対して「呼出」操作を行った場合には、受付番号「1」の順番待ち組のステータスが「呼出中」に更新される。
【0047】
(呼出電話の自動発信)
次に、順番管理システム1000による呼出電話の発信処理について図4のフローチャートを用いて説明する。
【0048】
電話による受付登録を行った順番待ち組の順番が到来すると(ステップS201:YES)、当該順番待ち組のステータスが「呼出中」に更新されると共に、順番管理サーバ100から当該順番待ち組の受付電話番号に呼出電話が発信される(ステップS202)。
【0049】
利用者がユーザ端末300で呼出電話に出ると(ステップS203:YES)、順番管理サーバ100は、順番が来たことを知らせるメッセージ(「準備ができましたので受付までお越しください。」等)を流す(ステップS204)。
【0050】
一方、利用者が呼出電話に出ない場合(ステップS203:NO)、順番管理サーバ100は、ショートメッセージサービス(SMS)や留守番電話などの代替手段による呼出通知を行う(ステップS205)。
【0051】
さらに、順番管理サーバ100は、呼出電話に出ない利用者の電話番号をブラックリストに登録する(ステップS206)。ブラックリストに登録されている電話番号については、当該電話番号からの順番待ちの登録を受け付けないようにしてもよい。
【0052】
呼出を行った利用者が店舗に来たら、順番待ちリストのステータスを「案内済」に更新し、利用者を座席へ案内する。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、利用者からの電話を受信した際、当該電話番号が順番待ちリストに順番待ち組として登録されていない場合には、自動音声応答による順番待ちの受付登録を行い、当該電話番号が順番待ち組として登録されていない場合には、当該順番待ち組の順番待ち状況を音声で伝えるようにした。また、順番が到来したら、呼出電話を発信するようにした。これにより、スマートフォンなどの端末操作に不慣れな利用者が、電話の簡単な操作のみで、受付登録から順番待ち状況の確認、呼出の受信まで、順番管理システムのサービスを利用することができる。
【0054】
また、一定期間以内は同じ電話番号からの順番待ちの受付は行わないようにすることにより、いたずら電話などへの対策を取ることができる。また、順番待ち組数が一定数以上の場合や予想待ち時間が一定以上になる場合には、電話番号からの順番待ちの受付は行わないようにしてもよい。これにより、混雑時には実際に店舗に来た利用者による順番待ちの登録を中心に受け付けるようにすることができる。
【0055】
また、呼出電話を発信した際に、発信先の電話機が応答しない場合には、SMSなどの代替手段による呼出通知を行うようにしたので、電話に出ない利用者に対しても確実に呼出を行うことができる。
【0056】
また、呼出電話に応答しない電話番号を登録したブラックリストを保持し、ブラックリストに登録されている電話番号からの受付登録は行わないようにすることにより、実際に店舗に来ない利用者の登録が増えることを防止することができる。
【0057】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0058】
1000…順番管理システム
100…順番管理サーバ
110…管理データベース
120…プロセッサ
200…順番管理端末
210…プロセッサ
215…入力装置
215a…タッチパネル
216…表示装置
220…通信インタフェース
230…記憶資源
300…ユーザ端末
310…プロセッサ
320…入力装置
330…表示装置
340…通信インタフェース
350…記憶資源
TA1…クライアント管理テーブル
TA2…ステータス管理テーブル
N…通信ネットワーク
AP1…順番管理アプリケーション
【要約】
【課題】端末操作に不慣れな利用者が、電話の簡単な操作のみで、順番管理システムのサービスを利用できるようにする。
【解決手段】施設における順番待ちを管理する順番管理システムであって、施設において順番待ちを登録した順番待ち組の順番待ち状況の情報を保持する順番待ちリストを記憶する順番待ちリスト記憶部と、利用者の電話機からの発信を受信し、発信元の電話番号が順番待ちリストに登録されているか否かを判定する発信元番号判定部と、発信元の電話番号が順番待ちリストに登録されていない場合には受付登録処理を実行する登録受付部と、発信元の電話番号が順番待ちリストに登録されている場合には、当該利用者の現在の順番待ち状況を音声で伝える順番待ち状況通知部と、順番が到来した際、当該利用者の電話機に、呼出電話を発信する呼出通知部とを備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4