特許第6498339号(P6498339)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6498339
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】触感発生装置および触感発生方法
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/04 20060101AFI20190401BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20190401BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20190401BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20190401BHJP
   B60K 37/00 20060101ALI20190401BHJP
【FI】
   B06B1/04 S
   G06F3/041 480
   G06F3/01 560
   B60R16/02 630A
   B60K37/00 Z
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-83836(P2018-83836)
(22)【出願日】2018年4月25日
【審査請求日】2018年11月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大輔
【審査官】 服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−050154(JP,A)
【文献】 特開平10−296187(JP,A)
【文献】 特開2001−300452(JP,A)
【文献】 特開平11−057617(JP,A)
【文献】 特開平03−283999(JP,A)
【文献】 特開昭62−035237(JP,A)
【文献】 実開昭57−152973(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/04
B60K 37/00
B60R 16/02
G06F 3/01
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動部材の裏面側に、振動発生デバイスを設置した触感発生装置において、
前記振動発生デバイスが、前記振動部材に対して近接離反動可能な可動鉄心と、通電によって該可動鉄心を前記振動部材側へ変位させて前記振動部材を押圧変形させると共に、通電の停止によって前記可動鉄心を前記振動部材から離反動させて前記振動部材を弾性復帰力によって振動させるコイルとを有するソレノイドとされことを特徴とする触感発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の触感発生装置であって、
非通電状態の時に、前記可動鉄心を前記振動部材の裏面に当接した状態で待機させる当接手段を備えたことを特徴とする触感発生装置。
【請求項3】
請求項に記載の触感発生装置であって、
前記当接手段は、前記可動鉄心を前記振動部材の裏面へ向けて付勢する弾性当接部材であることを特徴とする触感発生装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の触感発生装置であって、
前記コイルへの通電を停止した時に、前記可動鉄心の前記振動部材に対する離反動を早める戻り助勢手段を備えたことを特徴とする触感発生装置。
【請求項5】
請求項4に記載の触感発生装置であって、
前記戻り助勢手段は、前記可動鉄心を前記振動部材から離反する方向へ付勢する弾性引戻部材であることを特徴とする触感発生装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の触感発生装置であって、
前記振動部材が、車両に設置される内装品に設けられることを特徴とする触感発生装置。
【請求項7】
請求項に記載の触感発生装置であって、
前記振動発生デバイスが、前記内装品に設置されたタッチセンサースイッチの周囲に設けられることを特徴とする触感発生装置。
【請求項8】
振動部材の裏面側に設置した振動発生デバイスを用いて、前記振動部材に振動を発生させることで触感を感じさせるようにした触感発生方法において、
前記振動発生デバイスに、前記振動部材に対して近接離反動可能な可動鉄心と、通電によって該可動鉄心を前記振動部材に押圧させるコイルとを有するソレノイドを用い、
通電によって前記可動鉄心を前記振動部材に押し付けて前記振動部材を押圧変形させた後に、通電の停止によって前記可動鉄心を前記振動部材から離反動させて前記振動部材を形状復帰させることで、前記振動部材に弾性復帰力による振動を発生させることを特徴とする触感発生方法。
【請求項9】
請求項8に記載の触感発生装置であって、
非通電状態の時に、当接手段を用いて前記可動鉄心を前記振動部材の裏面に当接した状態で待機させておくことを特徴とする触感発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、触感発生装置および触感発生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子機器などには、入力部に触感発生装置を備えたものが存在している。触感発生装置は、振動部材の裏面側に振動発生デバイスを設置した装置であり、振動部材などの表面に触った時に、振動部材の裏面側に設置された振動発生デバイスを用いて振動部材に振動を発生させることで、振動を触感として感じさせることができる。これにより、スイッチなどの入力部に触感発生装置を設けることで、入力部への操作に対して実感(操作感)を与えることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−215830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、触感発生装置には、振動発生デバイスで振動部材を直接叩くことで振動を発生させていたので、大きな打突音が発生するなどの問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、
振動部材の裏面側に、振動発生デバイスを設置した触感発生装置において、
前記振動発生デバイスが、前記振動部材に対して近接離反動可能な可動鉄心と、通電によって該可動鉄心を前記振動部材側へ変位させるコイルとを有するソレノイドとされ、
振動発生前に、前記可動鉄心を前記振動部材の裏面に当接配置可能な当接手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、
振動部材の裏面側に、振動発生デバイスを設置した触感発生装置において、
前記振動発生デバイスが、前記振動部材に対して近接離反動可能な可動鉄心と、通電によって該可動鉄心を前記振動部材側へ変位させて前記振動部材を押圧変形させると共に、通電の停止によって前記可動鉄心を前記振動部材から離反動させて前記振動部材を弾性復帰力によって振動させるコイルとを有するソレノイドとされことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例にかかる触感発生装置を適用した車両の内装品の全体斜視図である。
図2図1の部分拡大図である。
図3】触感発生装置の縦断面図である(非通電:待機状態)。
図4】触感発生装置の縦断面図である(通電:作動状態)。
図5】触感発生装置の縦断面図である(非通電:作動状態)。
図6】振動部材を取り外した状態を示す触感発生装置の縦断面図である。
図7】触感発生装置の変形例の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1図7は、この実施の形態を説明するためのものである。
【実施例1】
【0009】
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
【0010】
この実施例にかかる触感発生装置1は、例えば、図1図2に示すような状態で車両の内装品2などに対して適用される。
【0011】
そして、図3(〜図5)に示すように、触感発生装置1を、振動部材3の裏面3a側に、振動発生デバイス4を設置したものとする。
【0012】
ここで、触感発生装置1は、人工的に触感を生じさせる装置のことである。触感発生装置1は、振動部材3の表面3bに指を触れた時に、振動部材3の振動を触感として指に感じさせるものである。
【0013】
振動部材3は、振動によって触感を生じさせるために設けられる部材である。振動部材3は、触れる面(表面3b)が存在するように、所要の面形状を有する部材(面状部材)とするのが好ましい。振動部材3は、それ自体で一つの物品を構成するものとしても良いし、例えば、物品の表面側に取付けられて物品の一部を構成するものとしても良い。振動部材3の裏面3aは、振動発生デバイス4が外部から直接目視できないように隠れた面にするのが好ましい。
【0014】
振動部材3は、振動し易い部材で構成するのが好ましい。また、振動部材3は、振動し易い状態で設置するのが好ましい。そして、振動部材3の振動し易い部位に対して振動発生デバイス4を設置するのが好ましい。例えば、振動部材3は、物品や外部の部材に対する固定点やその周辺が振動し難い部位となり、固定点から離れた位置が振動し易い部位となる。よって、振動発生デバイス4は、振動部材3の上記固定点から離れた位置に設置するのが、振動発生デバイス4によって振動部材3を振動させ易くする上では好ましい。そのために、振動発生デバイス4は、例えば、複数の上記固定点間の中間部などに設置するのが良い。
【0015】
振動発生デバイス4は、振動部材3に振動を発生させるために形成されたアクチュエータである。振動発生デバイス4は、振動部材3における振動を発生させたい部位に対して単数または複数設けるようにする。振動部材3で振動を発生させる部位は、1箇所でも複数箇所でも良い。振動発生デバイス4は、振動部材3の裏面3aに直接固定しても良いし、または、振動部材3が取付けられる物品や外部の部材に固定することで、振動部材3の裏面3aと対向するように設置されても良い。
【0016】
振動発生デバイス4を振動部材3の裏面3aに直接固定した場合には、振動部材3は、振動発生デバイス4を固定した部位が固定点となって振動し難くなるため、振動範囲が狭く限定され、また、得られる振動の振幅も小さくなる。これに対し、振動発生デバイス4を、振動部材3の裏面3aに直接固定せずに、振動部材3が取付けられる物品や外部の部材に固定した場合には、振動部材3は、振動発生デバイス4の周辺部位の振動が妨げられないため、上記よりも振動範囲は広くなり、また、得られる振動の振幅も大きくなる。よって、触感発生装置1の設置目的に合わせて振動発生デバイス4の設置の仕方を選択することで、振動部材3の振動の範囲や振動の仕方を最適に設定・調整できる。この実施例では、振動発生デバイス4を、振動部材3が取付けられる物品や外部の部材に固定することで、広い範囲に大きな振動を生じさせ得るようにしている。
【0017】
上記のような構成に対し、この実施例では、以下のような構成を備えている。
【0018】
(1)振動発生デバイス4が、振動部材3に対して近接離反動可能な可動鉄心21と、通電によって可動鉄心21を振動部材3側へ変位させるコイル22とを有するソレノイド23とされる。
そして、振動発生前に、可動鉄心21を振動部材3の裏面3aに当接配置可能な当接手段24を備えるようにする。
【0019】
ここで、振動部材3は、ソレノイド23を用いて振動を発生させられれば弾性変形しないようなもの(例えば、張力を付与した布状体や索状体のようなもの)であっても良いが、振動を発生させ易くするために、また、ソレノイド23の負担を小さくするために、振動部材3は、弾性変形可能な部材で構成するのが好ましい。ソレノイド23の押圧による振動部材3の変形量は、指で触って明確に感じ取れる程度の振動が得られれば、僅かでも良い。振動部材3は、少なくとも、ソレノイド23を設置した部分が振動すれば良い。
【0020】
そのために、振動部材3は、それ自体で形状を保持可能な形状保持性を有するものとするのが好ましい。また、振動部材3は、ソレノイド23の押圧力によって弾性変形し、押圧力の解除によって形状復帰が可能な程度の可撓性や柔軟性や靭性を有するのが好ましい。そして、振動部材3には、比較的硬質な材質で比較的薄肉のものを用いるのが好ましい。振動部材3は、例えば、硬質樹脂製や金属製や木製などの薄板材またはパネル材とするのが好ましい。
【0021】
近接離反動は、振動部材3に近付く方向への動きと、振動部材3から離れる方向への動きのことである。
【0022】
ソレノイド23は、棒状の可動鉄心21と、可動鉄心21を内部に収容し得るように筒状に巻かれたコイル22とを備えた電磁的なアクチュエータのことである。ソレノイド23は、コイル22に通電することで電磁力が発生されて可動鉄心21がコイル22に対し軸線方向(または長手方向)の一側(振動部材3の側)へ強制的に変位される(突出動)。これにより、振動部材3は、押圧されて変形される。ソレノイド23は、コイル22への通電を停止することで電磁力がなくなって可動鉄心21が他側(振動部材3とは反対側)へ戻される(引込動)。これにより、振動部材3は、形状復帰される。可動鉄心21の移動には可動鉄心21の自重なども利用できる。可動鉄心21は、コイル22の両端部からハミ出し得るように、コイル22よりも軸線方向に長く延ばされており、コイル22に通電している時には、可動鉄心21の一側(突出側)が他側(引込側)よりも大きくコイル22から突出される。
【0023】
ソレノイド23は、筒状のケース25の内部にコイル22を収容した構成を備えており、コイル22は、ケース25に対して同心に配置される。可動鉄心21は、少なくともケース25の一側から外部に突出可能とされる。ソレノイド23は、可動鉄心21を、振動部材3と交差する方向、特に、振動部材3とほぼ面直な方向へ向けた状態で、ケース25一側を振動部材3の裏面3a側へ向けて設置される。
【0024】
ケース25は、振動部材3と反対の側(ケース25の他側)が有底となっている。コイル22の他端部と、ケース25の底面25aとの間には第一のスペース26が形成される。第一のスペース26は、可動鉄心21の他側の端部(他端部)の可動範囲よりも軸線方向に長くなっており、可動鉄心21の他端部は、第一のスペース26の内部に収容された状態で軸線方向へ移動される。
【0025】
ケース25は、振動部材3の側(ケース25の一側)が底面25aとほぼ平行な仕切部25bで仕切られる。コイル22は、ケース25の仕切部25bと底面25aとの間の空間に収容され、コイル22の一端部は仕切部25bの他面側に固定されている。コイル22の他端部は、上記第一のスペース26を画成している。
【0026】
ケース25は、仕切部25bよりも振動部材3の側の部分が、振動部材3のほぼ裏面3aの位置まで延びる延長部25cになっている。延長部25cの端部には、フランジ部25dを設けることができる。フランジ部25dは、振動部材3の裏面3aに当接されても良いし、間隔を有して離間されても良い。
【0027】
フランジ部25dが、振動部材3の裏面3aに当接される場合、フランジ部25dは、振動部材3の裏面3aに固定しても良いし、固定しなくても良い。フランジ部25dを振動部材3の裏面3aに固定しない場合や、フランジ部25dが振動部材3の裏面3aから離間される場合には、ケース25は、振動部材3とは別の部材に取付けられる。フランジ部25dの振動部材3との対向面には、クッション材を設けて振動部材3に対する当たりを和らげ得るようにしても良い。
【0028】
延長部25c(またはフランジ部25d)の内側となる、仕切部25bと振動部材3の裏面3aとの間の部分には、第二のスペース27が形成される。第二のスペース27の軸線方向の寸法は、可動鉄心21の一側の端部(先端部)が最大に突出した時にフランジ部25dの外側へ突出され、最大に引込められた時に、フランジ部25dの内側に収容される長さとされる。
【0029】
触感発生装置1における可動鉄心21の状況について説明すると、可動鉄心21の一側の端部(先端部)は、振動部材3の裏面3aに対して結合・固定されないように振動部材3の裏面3aから切離される。
【0030】
可動鉄心21の先端部は、当接手段24がなければ、(非通電状態の時に)引っ込められて振動部材3の裏面3aから離れた状態になる。当接手段24を設けることで、図6に示すように、可動鉄心21の先端部は、ケース25の一端側から外方へ最大突出位置まで突出するように当接手段24で付勢される。可動鉄心21の先端部は、振動部材3の裏面3aによって押さえられることで、図3に示すように、最大突出位置と最大引込位置との中間位置まで引っ込められて振動部材3の裏面3aに当接した状態で待機されることになる(待機状態)。
【0031】
そして、可動鉄心21の先端部は、待機状態からコイル22に通電することで、図4に示すように、通常時の振動部材3の裏面3aの位置を越えて最大突出位置まで強制的に突出される。この通電による可動鉄心21の突出動によって、振動部材3は、待機状態となっている時の形状に対して、表面側へ突出した形状に押圧変形させられる。なお、この時の可動鉄心21の先端部の位置は、図6の時と同じになる。
【0032】
当接手段24は、待機状態の時に可動鉄心21を振動部材3の裏面3aに当接させ得ればどのようなものを使っても良い。好ましくは、当接手段24は、後述のようにする。
【0033】
(2)当接手段24は、可動鉄心21を振動部材3の裏面3aへ向けて付勢する弾性当接部材31としても良い。
【0034】
ここで、当接手段24(または当接部)には、例えば、ソレノイド23と同様の別のアクチュエータ(駆動手段)を用いることができる。しかし、振動発生デバイス4の構造をシンプルにするためには弾性当接部材31を用いた構成にするのが好ましい。
【0035】
弾性当接部材31は、弾性力を利用して、可動鉄心21を振動部材3の裏面3aに当接させる部材(弾性部材)である。弾性当接部材31は、振動部材3が形状を維持可能な弾性力で可動鉄心21を振動部材3の裏面3aへ向けて付勢するのが好ましい。振動部材3が形状を維持可能な弾性力とは、振動部材3が、待機状態にて弾性当接部材31の弾性力によって当接されている時に、振動部材3の変形が外部から分からない程度に抑えられる程度の弾性力のことである。
【0036】
上記したように、振動発生デバイス4が振動部材3で覆われていない場合には、可動鉄心21は、弾性当接部材31で押されることで、振動部材3の裏面3aの位置を越え最大突出位置まで突出される(図6)。この状態で、振動発生デバイス4の上に振動部材3を設けると、図3に示すように、可動鉄心21は、振動部材3に押え込まれて、可動範囲の中間位置まで引っ込められ、振動部材3の裏面3aに当接した状態になる(待機状態)。この時に、振動部材3には、可動鉄心21を介して弾性当接部材31の弾性力が作用されるが、弾性当接部材31の弾性力を上記のようにすることで、振動部材3は、この弾性当接部材31の弾性力によってほとんど変形されなくなるので、弾性力を加える前とほぼ同じ形状に保たれる。よって、振動部材3の形状に悪影響を与えることがない。
【0037】
弾性当接部材31には、当接用バネや当接用弾性体を使用できる。当接用バネには、コイルスプリングなどのバネ(圧縮バネ)を使用できる。また、当接用弾性体には、ゴムなどの弾性材を使用できる。この場合、弾性当接部材31には振動部材3の形状保持力よりも弾性力が弱い弾性部材を用いる(弾性当接部材31の弾性力<振動部材3の形状保持力)。
【0038】
但し、待機状態にて弾性当接部材31の弾性力によって当接されて変形した時の形状を振動部材3の初期形状に設定しても良い。この場合には、弾性当接部材31は振動部材3の形状保持力よりも弾性力が強い弾性部材を用いることが可能である。
【0039】
弾性当接部材31は、ソレノイド23の引込側(第一のスペース26)や、ソレノイド23の突出側(第二のスペース27)に設置できる。
【0040】
ソレノイド23の引込側に弾性当接部材31を設置する場合、図3に示すように、弾性当接部材31は、ケース25の底部と可動鉄心21の引込側の端部(または端部近傍)に設けた第一のフランジ部35との間に介装する。
【0041】
ソレノイド23の突出側に弾性当接部材31を設置する場合、図7に示すように、弾性当接部材31は、仕切部25bと可動鉄心21の突出側の端部(または端部近傍)に設けた第二のフランジ部36との間に介装する。
【0042】
弾性当接部材31が当接用バネ(コイルスプリング)の場合、当接用バネは可動鉄心21に対して外嵌できる。また、弾性当接部材31がゴムなどの弾性材の場合、弾性材はリング状にすることで可動鉄心21に対して外嵌できる。
【0043】
(3)コイル22への通電を停止した時に、可動鉄心21の振動部材3に対する離反動を早める戻り助勢手段41を備えても良い。
【0044】
ここで、コイル22への通電を停止した時とは、振動部材3に振動を発生させるために可動鉄心21に作用させた電磁力をなくした時のことである。離反動は、可動鉄心21が振動部材3から離間しない場合と、図5に示すように、可動鉄心21が振動部材3から離間する場合との両方を含むことができる。可動鉄心21が振動部材3から離間しない場合は、例えば、可動鉄心21の動きに追従して振動部材3が変形や変位を起こすことで生じ得る。可動鉄心21が振動部材3から離間する場合は、例えば、可動鉄心21の動きに追従せずに振動部材3が変形や変位を起こすことで生じ得る。
【0045】
戻り助勢手段41(または戻り助勢部)は、可動鉄心21の振動部材3に対する離反動の速度を早めることができれば、どのようなものでも良い。好ましくは、戻り助勢手段41は、後述のようにする。
【0046】
(4)戻り助勢手段41は、可動鉄心21を振動部材3から離反する方向へ付勢する弾性引戻部材51としても良い。
【0047】
ここで、戻り助勢手段41には、例えば、ソレノイド23と同様の別のアクチュエータ(駆動手段)を用いることができる。しかし、振動発生デバイス4の構造をシンプルにするためには、戻り助勢手段41に弾性引戻部材51を用いるのが好ましい。
【0048】
弾性引戻部材51は、作動状態で、コイル22へ通電して可動鉄心21を突出させている時に撓められて弾性力を蓄積する。弾性引戻部材51は、また、待機状態の時に弾性当接部材31の弾性力によって撓め得るように弾性当接部材31の弾性力よりもの弾性力が弱い弾性部材で構成しても良い(弾性引戻部材51の弾性力<弾性当接部材31の弾性力)。
【0049】
弾性引戻部材51には、引戻用バネや引戻用弾性体を使用できる。引戻用バネには、コイルスプリングなどのバネ(圧縮バネ)を使用できる。また、引戻用弾性体には、ゴムなどの弾性材を使用できる。
【0050】
弾性引戻部材51は、ソレノイド23の引込側(第一のスペース26)や、ソレノイド23の突出側(第二のスペース27)に設置できる。
【0051】
ソレノイド23の引込側に弾性引戻部材51を設置する場合、図3に示すように、弾性引戻部材51は、コイル22の他端部と可動鉄心21の引込側の端部の途中に設けた第一のフランジ部35との間に介装する。
【0052】
ソレノイド23の突出側に弾性引戻部材51を設置する場合、図7に示すように、弾性引戻部材51は、振動部材3の裏面3aと可動鉄心21の突出側の端部(または端部近傍)との間に設けた第二のフランジ部36との間に介装する。
【0053】
弾性引戻部材51が引戻用バネ(コイルスプリング)の場合、引戻用バネは、可動鉄心21に対して外嵌できる。また、弾性引戻部材51がゴムなどの弾性材の場合、弾性材はリング状にすることで可動鉄心21に対して外嵌できる。
【0054】
(5)図1図2に示すように、振動部材3は、車両61に設置される内装品2に設けられても良い。
【0055】
ここで、振動部材3は、例えば、建物の室内に設置される内装品2などに対して設けることもできるが、車両61の車室内に設置される内装品2に設けても良い。内装品2は、室内や車室内に設けられる機器や物品や装飾品のことである。振動部材3は、内装品2の表面意匠を構成するものに設置しても良いし、または、触感が感じ取れるのであれば、内装品2の内奥部に外から見えないように設置しても良い。
【0056】
車両61(の車室内)に設置される内装品2には、例えば、インストルメントパネルやセンターコンソールなどの各種の内装パネル62(車両用内装パネル)がある。更に、これらの内装品2には、サブパネルやフィニッシャーなどの補助的な内装品2を適宜取付けることができる。インストルメントパネルやセンターコンソールやサブパネルやフィニッシャーなどの内装品2は、デザイン上、複雑な三次元形状を有している。
【0057】
この実施例では、インストルメントパネルやセンターコンソールなどの内装品2、またはこれらの内装品2に取付けられる補助的な内装品2を、振動部材3として用いるようにしている。
【0058】
(6)振動発生デバイス4は、内装品2に設置されたタッチセンサースイッチ65の周囲に設けても良い。
【0059】
一般に、車両61では、内装品2を構成するインストルメントパネルやセンターコンソールの部分に、スイッチパネルを設けたものがある。通常の場合、スイッチパネルは、インストルメントパネルやセンターコンソールなどの内装品2や、サブパネルやフィニッシャーなどの補助的な内装品2とは別部材で構成されており、スイッチパネルの表面には、指で実際に押込むスイッチボタン(実ボタン)が配置されている。
【0060】
これに対し、この実施例では、インストルメントパネルやインストルメントパネルに取付けられるフィニッシャーなどの内装品2の裏面3a側にタッチセンサーによるスイッチ(タッチセンサースイッチ65)を設けることで、インストルメントパネルやフィニッシャー自体をスイッチパネルにしている。タッチセンサーは、振動部材3の表面3bへの接触や近接を検知するセンサーであり、スイッチとして使うことができる。これにより、インストルメントパネルから別部材で構成されたスイッチパネルをなくすことができ、指で実際に押込むスイッチボタンもなくすことができる。この実施例では、タッチセンサースイッチ65は、インストルメントパネルの車幅方向64のほぼ中央部に、空調装置(エアコン)の操作スイッチとして複数設けられている。
【0061】
そして、車両61の内装品2(例えば、インストルメントパネルやフィニッシャーなど)にタッチセンサースイッチ65と共に触感発生装置1を設けて、タッチセンサースイッチ65が反応した時に直ちに触感発生装置1を作動させることで、タッチセンサースイッチ65への入力時に触感が発生するスイッチパネルが得られる。
【0062】
インストルメントパネルやフィニッシャーには、タッチセンサースイッチ65を複数設けることができる。そして、触感発生装置1は、タッチセンサースイッチ65ごとに一対一の割合で設けるか、または、複数のタッチセンサースイッチ65に対して多対一の割合で設けるようにする。この場合、触感発生装置1は、振動部材3上のタッチセンサースイッチ65のいずれかに触れた時に指で振動が感じられる範囲内の位置に適宜設けられる。
【0063】
また、インストルメントパネルやフィニッシャーのタッチセンサースイッチ65を設けた部分を表示部66とする。表示部66は、タッチセンサースイッチ65の操作内容が分かる図柄にする。表示部66は、光が透過しない肉厚を有するフィニッシャーの一部に光を透過可能な薄肉の部分を設けたり、二色成形などによって透明樹脂の部分を埋設したりすることで、インストルメントパネルやフィニッシャーに形成される。タッチセンサースイッチ65を透明電極で構成し、表示部66の裏面3a側に、直接または導光部を介して光源を配置することで、表示部66が透過照明可能になる。
【0064】
但し、車両61において触感発生装置1を設けることができる内装品2は、上記に限るものではなく、例えば、ハンドルやシートのような内装品2とすることができる。触感発生装置1をシートに設ける場合、振動部材3は、例えば、シートの枠組みを構成するシート枠にすることができる。シート枠はクッション材やカバーなどで覆われることによって外部から見えなくなる。触感発生装置1によって発生される振動は、クッション材やカバーを介してシートの表面に伝えられる大きさに設定する。
【0065】
(7)以下、上記触感発生装置1を用いた触感発生方法について説明する。
触感発生方法は、振動部材3の裏面3a側に設置した振動発生デバイス4を用いて、振動部材3に振動を発生させることで触感を感じさせるものである。
振動発生デバイス4に、振動部材3に対して近接離反動可能な可動鉄心21と、通電によって可動鉄心21を振動部材3に押圧させるコイル22とを有するソレノイド23を用いる。
振動発生前に、図3に示すように、当接手段24を用いて可動鉄心21を振動部材3の裏面3aに当接した状態で待機させておく。
そして、図4に示すように、可動鉄心21を振動部材3に押し付けて振動部材3を押圧変形させた後に、図5に示すように、可動鉄心21を振動部材3から離反動させて振動部材3を形状復帰させることで、振動部材3に振動を発生させるようにする。
【0066】
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
【0067】
触感発生装置1は、振動部材3と振動発生デバイス4とを備えて、振動部材3の表面3bに触った時に、振動部材3の裏面3a側に設置された振動発生デバイス4で振動部材3に振動を発生させることにより、振動部材3の振動を触感として感じさせる、または、触感を強調する装置である。これにより、振動部材3の表面3bに触った者に人工的に実感(実際に何かを操作したかのような操作感)を与えることができる。
【0068】
この際、振動部材3には弾性変形可能なものを用いるのが好ましい。これにより、振動発生デバイス4による振動部材3の振動が大きくなって、触感を感じ易くなる。
【0069】
触感発生装置1は、例えば、タッチセンサースイッチ65を用いたタッチセンサースイッチ65などの入力装置と組合せることで、タッチセンサースイッチ65への入力時に触感(操作実感)が得られるように構成できる。また、触感発生装置1は、例えば、単独で設けることで、振動を利用して注意喚起を行わせるのに使うことができる。
【0070】
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0071】
(効果1)振動発生デバイス4を、可動鉄心21とコイル22とを有するソレノイド23で構成した。ソレノイド23は、コイル22に通電することで、可動鉄心21が電磁力で振動部材3に近接動(突出動)されて、振動部材3を裏面3a側から表面3b側へ向けて強制的に押圧変形させる。また、ソレノイド23は、コイル22への通電を停止することで、電磁力がなくなって可動鉄心21が振動部材3から離反動(引込動)されて、振動部材3に対する強制的な押圧変形が瞬時に解除される。このように、可動鉄心21による押圧力が瞬時になくなることで、押圧変形された振動部材3は、振動部材3が持つ弾性力によって急激に形状復帰しようとする。そのため、振動部材3に振動が発生し、この振動部材3の振動によって擬似的な触感が発生される。
【0072】
そして、当接手段24を設けて、振動発生前に、可動鉄心21を振動部材3の裏面3aに当接させた状態で待機させている。このような待機状態にすることで、振動部材3を直接叩かずに、振動部材3に振動を発生させることが可能になる。この際、ソレノイド23は、可動鉄心21が振動部材3の裏面3aを直接叩くことなく作動するので、大きな打突音の発生をなくすことができる。また、振動部材3の振動は、振動部材3の弾性復帰力によって生じるので、振動部材3を叩いて無理に振動を発生させた場合と比べて、より自然な振動や触感が得られる。
【0073】
このように、振動部材3の押圧変形・弾性力による形状復帰を利用して、振動部材3を直接叩かずに振動部材3に振動を発生させる場合には、ソレノイド23のような比較的大型の振動発生デバイス4を用いるのが有効となる。
【0074】
また、振動部材3の裏面3aに振動発生デバイス4を設置する際には、(振動部材3や振動発生デバイス4の)寸法バラ付きの影響を考慮する必要があるが、ソレノイド23は比較的大型の振動発生デバイス4であり、可動鉄心21の可動ストロークが大きいため、振幅が小さい他の小型の振動発生デバイスを用いる場合と比べて、寸法バラ付きの影響を受け難く、振動発生デバイス4の設置が容易となる。また、上記により、振動部材3の裏面3a側に振動発生デバイス4を設置するのに、特別なバラ付き吸収手段を設けなくて済む。よって、ソレノイド23を用いることで、寸法バラ付きの影響がなくなり、安定した作動が得られるので、構造的に有利になる。
【0075】
そして、振動部材3の裏面3aに振動発生デバイス4を設置する際の寸法バラ付きの影響は、待機状態の時に、当接手段24によって可動鉄心21が振動部材3の裏面3aに当接されるようにセットすることで簡単に吸収される。
【0076】
(効果2)当接手段24には、弾性当接部材31を用いても良い。弾性当接部材31の弾性力を利用することで、待機状態の時に、可動鉄心21の先端部を可動範囲の中間位置まで突出させた状態で、振動部材3の裏面3aに軽く押当てさせるようにセットすることが容易且つ確実にできる。また、ソレノイド23によって振動部材3に振動を発生させる時にも、弾性当接部材31が振動の妨げになり難い。
【0077】
この際、当接手段24に、当接用バネや当接用弾性体などの弾性当接部材31を用いることで、例えば、当接手段24として別のアクチュエータを用いて別のアクチュエータを電気的に駆動する場合と比べて、当接手段24の構成を簡略化できる。
【0078】
なお、振動を発生させる作動状態の途中で、通電を停止して可動鉄心21が引込められる時に、可動鉄心21が振動部材3の裏面3aから一時的に離間して、再び振動部材3の裏面3aに当接するような現象が起こり得る。しかし、この現象によって可動鉄心21が振動部材3から離間する距離は僅かであり、離間後に再び可動鉄心21が振動部材3の裏面3aに当接する時も、振動発生デバイス4(による電磁力)ではなく弾性当接部材31の弾性力による当接になる。そのため、可動鉄心21が、振動部材3の裏面3aに対してそれほど強く当たることがないので、この当接による打突音は小さなものとなり、特に気にならない程度に抑えられる。
【0079】
(効果3)振動を発生させる作動状態の途中で、コイル22への通電を停止した時に、可動鉄心21の振動部材3に対する離反動を早める戻り助勢手段41を備えても良い。このように、コイル22への通電を停止して電磁力がなくなった時に、戻り助勢手段41が可動鉄心21の振動部材3から離間する方向への動きを助勢することで、振動部材3に振動が発生するタイミング(振動部材3の応答速度)をより早くできる。
【0080】
(効果4)戻り助勢手段41は、弾性引戻部材51としても良い。弾性引戻部材51は、ソレノイド23の電磁力によって可動鉄心21が最大突出位置まで突出する時に、可動鉄心21の動きと共に撓められて弾性力が蓄積される。なお、弾性引戻部材51は、弾性当接部材31の押圧力によって可動鉄心21が中間位置まで突出する待機状態の時にも、僅かに撓められるように、弾性当接部材31よりも弱い弾性部材としても良い(弾性引戻部材51<弾性当接部材31)。
【0081】
この際、戻り助勢手段41に、引戻用バネや引戻用弾性体などの弾性引戻部材51を用いることで、例えば、戻り助勢手段41として別のアクチュエータを用いて別のアクチュエータを電気的に駆動する場合と比べて、戻り助勢手段41の構成を簡略化できる。
【0082】
具体的には、弾性引戻部材51(戻り助勢手段41)は、待機状態で弾性当接部材31によって可動鉄心21が振動部材3の裏面3aに予め軽く当接されている時には、弾性力がほとんど蓄積されていないか、或いは、弾性当接部材31によって僅かに撓められて弾性力が僅かに蓄積された状態になっている。この時、弾性当接部材31(当接手段24)は、可動鉄心21を振動部材3へ当接させることで蓄積していた弾性力の大部分が使われた状態になる。
【0083】
そして、コイル22への通電によって可動鉄心21が強制的に突出動されると、弾性引戻部材51は撓められて弾性力が最大に蓄積された状態になる。この時、弾性当接部材31(当接手段24)は、可動鉄心21が最大突出位置まで突出することでほぼ自然長またはその近くまで伸ばされて蓄積した弾性力がほとんど残っていない状態になる(または、自然長よりも伸ばされることで反対方向への弾性力が蓄積された状態になるようにしても良い)。
【0084】
次いで、コイル22への通電を停止した時に、振動部材3に形状復帰が生じ、これと共に、弾性引戻部材51に蓄積された弾性力が一気に解放されて可動鉄心21を振動部材3から離反動する方向へ付勢することで、振動部材3自体の復元力や可動鉄心21の自重によって得られる振動部材3の応答速度よりも、弾性引戻部材51の弾性力が加わった分(通電を停止した時の弾性引戻部材51の弾性力と弾性当接部材31の弾性力との差分)だけ、振動部材3の応答速度が高められる(弾性引戻部材51がない場合の応答速度<弾性引戻部材51を設けた場合の応答速度)。この時、弾性当接部材31(当接手段24)には、再び可動鉄心21を振動部材3の裏面3aへ当接させるための弾性力が蓄積される。
【0085】
その後は、弾性当接部材31に蓄積された弾性力によって、可動鉄心21は再び待機状態(振動部材3の裏面3aに軽く当接した状態)に戻される。
【0086】
(効果5)振動部材3は、車両61に設置される内装品2に設けても良い。これにより、車両61の内装品2は触感発生機能を一体に有するものとなり、触感発生機能を備えた内装品2を容易に得ることができる。
【0087】
また、例えば、触感発生装置1を、車両61のハンドルやシートのような内装品2に単独で設けることで、運転中に車両61が検知した警告情報(例えば、歩行者の飛び出しや先行車の急な割込みや先行車の急停車に対する警告情報)を、内装品2を介して乗員の体へ素早く伝えて注意喚起を行わせることができる。警告情報は、例えば、自動運転を行うために車両61に設けた各種のセンサーやカメラからの信号を情報処理することで得たものを使うことができる。
【0088】
(効果6)振動発生デバイス4は、内装品2に設置されたタッチセンサースイッチ65の周囲に設けても良い。これにより、タッチセンサースイッチ65への入力に合せて触感を発生させることができる。しかも、振動部材3の裏面3a側に触感発生装置1とタッチセンサースイッチ65とを組合せて設けることで、内装品2を、(裏面3a側に設置されたタッチセンサースイッチ65によって)見えないスイッチを備えると共に、見えないスイッチが(触感発生装置1によって、指で実際に押込むことができるスイッチボタンと同様の)操作感を有する高機能なスイッチパネルにできる。
【0089】
(効果7)上記触感発生装置1を用いた触感発生方法として、振動発生前に、当接手段24を用いて可動鉄心21を振動部材3の裏面3aに当接した状態で待機させておき、可動鉄心21を振動部材3に押し付けて振動部材3を押圧変形させた後に、可動鉄心21を振動部材3から離反動させて振動部材3を形状復帰させることで、振動部材3に振動を発生させるようにしても良い。このような触感発生方法によれば、上記効果1と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 触感発生装置
2 内装品
3 振動部材
3a 裏面
4 振動発生デバイス
21 可動鉄心
22 コイル
23 ソレノイド
24 当接手段
31 弾性当接部材
41 戻り助勢手段
51 弾性引戻部材
61 車両
65 タッチセンサースイッチ65
【要約】
【課題】主に、大きな打突音の発生をなくし得るようにする。
【解決手段】振動部材3の裏面3a側に、振動発生デバイス4を設置した触感発生装置1に関する。
振動発生デバイス4が、振動部材3に対して近接離反動可能な可動鉄心21と、通電によって可動鉄心21を振動部材3に押圧させるコイル22とを有するソレノイド23とされる。
振動発生前に、可動鉄心21を振動部材3の裏面3aに当接配置可能な当接手段24を備える。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7