(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記超音波探触子が、前記第1の方向及び前記第2の方向とは垂直な方向である第3の方向に進行する場合、前記第3の方向に対して、前記超音波探触子の前方に水流を吐出するよう、前記吐出部が、さらに設置される
ことを特徴とする請求項3に記載の超音波検査装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
[これまでの課題]
まず、特許文献1に記載の技術における問題点を詳細に説明する。
発明者らは、特許文献1に記載の手法による気泡の除去過程を観測した結果、以下のことを見出した。まず、噴出用のノズルから噴出した水により水流が生じ、この水流により気泡が吸引用のノズル側に移動する。この際、一部の気泡が水流の左右外側に逃げてしまい、これらの気泡が再び試料台下側部に付着してしまう。すなわち、水流があたる箇所における気泡の一部が移動するだけで、検査範囲から気泡を完全に除去することができない。
【0014】
[透過型超音波検査装置1]
《第1実施形態》
図1は、第1実施形態に係る透過型超音波検査装置1の概念図である。また、
図2は、第1実施形態に係る超音波検査システム200の構成を示す図である。なお、
図1〜
図7では、透過型超音波検査装置1の例を示す。照射用探触子101及び受信用探触子102を合わせて超音波探触子100と適宜称する。
図1に示すように、超音波検査装置の一種である透過型超音波検査装置1は、水槽WT、照射用探触子101、受信用探触子102、試料台104、ノズル(吐出部)103を有する。
そして、
図1及び
図2に示すように、照射用探触子101、受信用探触子102はz軸スキャナ111zに取り付けられた支持部105で保持されている。そして、
図2に示すように、z軸スキャナ111zはx軸スキャナ111xに取り付けられている。さらに、x軸スキャナ111xはy軸スキャナ111yに取り付けられている。
【0015】
図1に示すように、半導体パッケージ等の検査対象物Bは試料台104に載置された状態で、液体媒質(水Wが一般的)に浸漬されている。試料台104は、土台部106に設置されている。液体媒質(水W)は、照射用探触子101から照射された昭音波を伝播させるものである。
図2に示すように、水槽WTはx軸スキャナ111xとy軸スキャナ111yの動作範囲よりも大きい。このようにすることで、水槽WT内の任意の位置に設置された、検査対象物B上で超音波探触子100を走査することが可能となる。超音波探触子100の走査については後記する。超音波探触子100と検査対象物Bの表面との距離はz軸スキャナ111zで任意の高さに調整できる。
【0016】
図2に示すように、照射用探触子101にはパルサ31が接続されている。パルサ31によって、照射用探触子101にパルスが印加されると、照射用探触子101の先端から超音波が発生する。発生した超音波は、照射用探触子101の先端から検査対象物Bに向けて照射される。照射された超音波は検査対象物Bの各界面で反射、もしくは透過をする。照射用探触子101、受信用探触子102の2探触子を用いた
図1のような透過型超音波検査装置1の場合、検査対象物Bを透過した超音波(透過波)が用いられる。透過波は受信用探触子102内部の圧電素子で電気信号に変換される。変換された電気信号はレシーバ32に送られる。その後、透過波が変換された電気信号はA/D変換器41Aでデジタル信号に変換され、さらにパソコン43に接続されているディスプレイ44に表示される。これにより、波高分析されることで透過波の強度に応じたコントラストの画像がディスプレイ44に表示される。
【0017】
なお、制御装置42から送信されたパルス制御信号は、D/A変換器41Bでアナログ信号に変換された後、パルサ31へ送信される。また、制御装置42から送信された水流ポンプ制御信号は、D/A変換器41Bでアナログ信号に変換された後、水流ポンプ11へ送信される。水流ポンプ11については後記する。さらに、前記したように、受信用探触子102で受信され、変換された電気信号(アナログ信号)は、A/D変換器41Aでデジタル信号に変換された後、制御装置42を介して、パソコン43へ入力される。また、制御装置42から送信された走査制御信号は、D/A変換器41Bでアナログ信号に変換された後、z軸スキャナ111z、y軸スキャナ111y、x軸スキャナ111xに送信される。
【0018】
図1に示すように、受信用探触子102の下方に水流を吐出するためのノズル103が設置されている。ノズル103は、受信用探触子102の支持部105と一体に動作するよう設置されていることが望ましい。つまり、受信用探触子102の支持部105は、ノズル103を支持する支持部105でもある。このノズル103から、試料台104下面に向けて水流が吐出されることで、試料台104下面に付着した気泡を飛ばすことができる。
図1に示すように、ノズル103の先端は、試料台104に対して、角度を有している(傾斜している)。このようにすることで、試料台104下面に付着した気泡を効率的に除去することができる。
ノズル103の設置場所、角度、向き、水圧は、適宜調整可能である。例えば、ユーザは、ディスプレイ13に表示されている情報を参照しつつ、水流コントロールパネル12で水流ポンプ11の給水圧等を制御することができる。
【0019】
図1に示すように、水槽WT内の水Wは、水槽WT底面から吸水チューブT1を介して、水流ポンプ(ポンプ)11によって吸引される。そして、吸引された水Wは、吐出チューブT2、ジョイントJ、吐出チューブT3を介してノズル103の先端から吐出される。このようにすることで、検査中、常時ノズル103の先端から水流が吐出可能である。検査中、常時水流が吐出されることにより、検査の間、検査対象物Bに付着した気泡を飛ばし続けることが可能である。
【0020】
図1の例では、試料台104の下方にノズル103が設置されているが、試料台104の上方にもノズル103が設置されてもよい。試料台104の上方のみにノズル103が設置されてもよい。このようにすることで、検査対象物Bの上部表面に付着した気泡も除去することができる。
【0021】
また、
図2に示すように、パソコン43から入力された動作制御データは、制御装置42へ送られる。制御装置42は、送られた動作制御データを基に、x軸スキャナ111x、y軸スキャナ111y、z軸スキャナ111zの動作を制御する。
【0022】
図1に示すように、透過型超音波検査装置1の全体が斜めとなるように(地面に対して角度を有するように、すなわち、傾斜して)設置されている。なお、
図1では、透過型超音波検査装置1の全体が斜めとなるよう設置されているが、少なくとも試料台104、照射用探触子101、受信用探触子102が斜めとなるよう設置されればよい。この角度は、検査対象物Bによって異なってくるが、10°程度である。なお、この角度は、ユーザによって任意に調整可能である。
【0023】
このように、試料台104が斜めになるよう設置されていることで、検査対象物B(試料台104)が斜めになっているため、空気の上昇性により、気泡除去が効率よく行える。つまり、少なくとも試料台104が斜めになるよう設置されていることで、ノズル103から吐出された水流によって除去された気泡は、検査対象物Bの近傍に付着することなく、水面に向かって上昇する。これにより、効率的な気泡除去を実現することができる。
なお、検査対象物Bのサイズが異なった場合でも、この方法であれば効率よく気泡除去が可能である。なお、
図1及び
図2では、透過型超音波検査装置1がy方向に対して傾いているが、x方向に対して傾いてもよい。
【0024】
また、
図1に示すように、ノズル103の先端は、試料台104に対して角度を有するように設置されている。この角度は、透過型超音波検査装置1が傾いている方向に、気泡が移動するような角度である。
このように、ノズル103の先端は、試料台104に対して角度を有するように設置されていることで、試料台104の下面に付着している気泡を透過型超音波検査装置1が傾いている方向に飛ばす(移動させる)ことができる。これにより、効率的に気泡を除去することができる。
【0025】
(走査)
図3は、超音波探触子100及びノズル103の走査を示す図である。
図3に示すように、超音波探触子100(照射用探触子101及び受信用探触子102)は、
図2に示すx軸スキャナ111x、y軸スキャナ111yの動作に従って、x方向、y方向へ動作する。このとき、超音波探触子100は、
図3の矢印のように動作することで、検査対象物Bを走査する。
検査対象範囲において、超音波探触子100が走査されることで、1枚の検査画像を得ることができる。この検査画像により、検査対象物B(半導体パッケージ)におけるクラックや剥離、ボイド等といった検査対象物B内部の欠陥を検出することができる。
【0026】
前記したようにノズル103は、受信用探触子102の支持部105と一体となって動作するよう設置されているため、ノズル103も超音波探触子100と同じ動きをする。つまり、ノズル103も、受信用探触子102及び照射用探触子101に追従して、検査対象物Bの下面を走査するように動く。ちなみに、試料台104及び検査対象物Bは動かない。これにより、ノズル103から吐出される水流によって気泡が、試料台104の下面の別の場所に動いても、さらに動いてきたノズル103から吐出される水流によって除去される。このようにすることで、気泡除去の確実性を向上させることができる。
【0027】
(水流吐出方向)
図4は、水流の吐出方向の例(例1)を示す図である。
図4の例では、水流が検査箇所にあたるようノズル103が設置されている。このようにすることで、検査箇所の気泡が除去されるため、精度の高い検査が可能となる。
【0028】
図5は、水流の吐出方向の例(例2)を示す図である。また、
図6は、
図5の走査例を検査対象物B上面からみた図である。
図5の例では、水流が検査箇所よりも前の箇所にあたるようノズル103が設置されている。ここで、
図6において、破線が超音波探触子100の走査経路を示すものである。そして、
図6において、黒丸は超音波探触子100による検査箇所を示し、白丸は水流があたる箇所を示す。
図5、
図6に示す例では、これから検査が行われる地点へ向けて水流が吐出されている。このようにすることで、超音波が水流によって乱されることがないため、精度の高い検査が可能となる。
【0029】
ここで、
図6における一点鎖線は、
図6における縦方向移動時のノズル103の走査経路である。
図6における横方向へは、ノズル103は超音波探触子100と同じ走査経路(破線)を移動する。
図6の一点鎖線に示すように、
図6における縦方向移動時では、超音波探触子100と、ノズル103との走査経路は異なるものとなる。しかし、水流による気泡除去範囲は広いため、
図6における横方向の走査経路における気泡除去で、破線で示す、超音波探触子100の縦方向の走査経路における気泡も除去される。
【0030】
なお、
図2に示すように、検査対象物Bが斜めになっていることで、検査終了後、検査対象物Bが試料台104ごと上方へ引き上げられた際に、液体媒質(水W)が検査対象物B上に留まることなく水槽WT内に流れ落ちる。つまり、効率的に検査対象物Bの水切りが可能となる。加えて、前記したように、検査対象物Bの排出時において、検査対象物Bが引き上げられた際に、液体媒質(水W)が水槽WT内に流れ落ちる。そのため、水平に設置されている場合と比べて、水槽WTの外に持ち出す液体媒質の量を減らすことが可能となる。
【0031】
(フローチャート)
図7は、第1実施形態で行われる超音波探触子100及びノズル103の走査の処理手順を示すフローチャートである。適宜、
図2を参照する。
まず、制御装置42は、水流ポンプ11を制御して、ノズル103から水Wを所定時間吐出させる(S101)。
次に、制御装置42は、所定時間経過したか否かを判定する(S102)。この所定時間は、吐出された箇所の水流が安定する時間である。
ステップS102の結果、所定時間経過していない場合(S102→No)、制御装置42は、ステップS102へ処理を戻す。
ステップS102の結果、所定時間経過している場合(S102→Yes)、制御装置42は、照射用探触子101から超音波をパルス照射させる(S103)。受信用探触子102は、透過波を受信する。
【0032】
その後、制御装置42は、現在地が検査終了点であるか否かを判定する(S104)。
ステップS104の結果、検査終了点である場合(S104→Yes)、制御装置42は処理を終了する。
ステップS104の結果、検査終了点ではない場合(S104→No)、制御装置42は、超音波探触子100及びノズル103を次の検査箇所へ移動させ(S105)、処理をステップS101へ戻す。
【0033】
図7に示すように、ノズル103から水Wが吐出された後、所定時間経過してから超音波を照射することで、検査箇所の水流が落ち着いてから超音波の照射を行うことができる。このようにすることで、気泡を確実に除去することに加えて、検査の精度を向上させることができる。
【0034】
[吐出チューブT3aと支持部105aとを一体化]
図8は、透過型超音波検査装置1aの別の例を示す図である。
図8において、
図1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示す透過型超音波検査装置1aでは、吐出チューブT3aと、支持部105aとが一体となっている。すなわち、水流ポンプ11から吐出された水Wは、吐出チューブT2内を流れた後、支持部105a内を流れ、吐出口から吐出される。言い換えれば、吐出チューブT3aは、支持部105a内に形成された流路(
図8の破線)となっている。つまり、流路である吐出チューブT3aは支持部105aを兼ねている。
このように、吐出チューブT3aと、支持部105aとを一体形成することで、部品数を少なくすることができ、コストを低下させることができる。
【0035】
《第2実施形態》
図9及び
図10は、第2実施形態におけるノズル103bの例を示す図である。
図9は、ノズル103bの側面図であり、
図10はノズル103bの上面図である。なお、
図9及び
図10において、
図1と同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。さらに、
図9及び
図10は、各部が水平に描画されているが、実際には
図1のように各部が斜めになるよう設置されている。
図9及び
図10に示すように、第2実施形態では、受信用探触子102の両脇にノズル103b1(103b)及びノズル103b2(103b)が設置されている。すなわち、ノズル103b1及びノズル103b2が受信用探触子102を左右からはさむように設置されている。つまり、ノズル103b1及びノズル103b2からは、受信用探触子102を左右から挟むように水流が吐出される。ここで、左右とは、
図2に示すx軸方向である。ノズル103b1及びノズル103b2へ送られる水Wは、ジョイントJの下流に設けられている三又継手Jbにより、2つの吐出チューブT3bに分けられる。
【0036】
図11は、第2実施形態における走査例を示す図である。
図11において、破線Lは超音波探触子100(受信用探触子102)の走査経路を示している。そして、
図11において、黒丸201は超音波探触子100による検査箇所を示し、白丸202A,202Bは水流があたる箇所を示す。ここで白丸202Aは、
図10のノズル103b1から吐出された水流があたる箇所であり、白丸202Bは、ノズル103b2から吐出された水流があたる箇所である。
【0037】
図11に示すように、ノズル103b1及びノズル103b2は、紙面水平方向への進行方向に対し、検査箇所201を挟んで水流があたるよう配置されている。つまり、超音波探触子100が第1の方向(例えば、ラインL1の方向)と、第1の方向とは逆方向の第2の方向(例えば、ラインL2の方向)に進行する場合、第1の方向及び第2の方向において超音波探触子100を挟んで、水Wが吐出されるようノズル103bが設置される。
そして、
図11の紙面左方向へ進むラインL1では、ノズル103b1による水流(白丸202A)が、これから検査される箇所の気泡を前もって除去する。そして、ラインL1とは逆方向に超音波探触子100が進むラインL2では、ノズル103b2による水流(白丸202B)が、これから検査される箇所の気泡を前もって除去する。
【0038】
このように、
図9及び
図10に示す構成によれば、これから検査される箇所の気泡を前もって除去することができる。
なお、
図9〜
図11に示す構造ではなく、ノズル103を超音波探触子100の脇に1つ有し、
図11のラインL1と、ラインL2とではノズル103の位置を変えるようにしてもよい。
【0039】
《第3実施形態》
図12及び
図13は、第3実施形態に係るノズル103b,103cの例を示す図である。なお、
図12及び
図13において、
図1と同様の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。さらに、
図12及び
図13は、各部が水平に描画されているが、実際には
図1のように各部が斜めになるよう設置されている。
図12及び
図13に示すように、第3実施形態では、
図9及び
図10と同様、受信用探触子102の両脇にノズル103b1(103b)及びノズル103b2(103b)が設置される。そして、これらのノズル103bに加えて、ノズル103cが設置されている。
ここで、ノズル103b1,103b2,ノズル103cへ送られる水W(
図1参照)は、ジョイントJの下流に設けられている四又継手Jcにより、2つの吐出チューブT3b及び1つの吐出チューブT3cに分けられる。
なお、
図12に示されるように、ノズル103c及びチューブT3cは、支持部105の上側(検査対象物B側)に設置されている。また、ノズル103cは、受信用探触子102に対して、紙面右側(ジョイントJ側)に設けられている。つまり、ノズル103cは、受信用探触子102に対して水平方向、かつ、ジョイントJ側(つまり、
図2のy軸負方向)に設けられている。また、ノズル103cは、ノズル102b1,102b2に対し、垂直方向上側(つまり、
図2のz軸正方向)に設けられている。
さらに、ノズル103cから吐出される水流は、検査箇所(受信用探触子102)よりも、若干紙面左側(ジョイントJとは反対側)に吐出されるよう、調整されている。
【0040】
図14は、第3実施形態における走査例を示す図である。
図14において、
図11と同様、破線Lは超音波探触子100(受信用探触子102)の走査経路を示している。そして、
図14において、
図11と同様、黒丸201は超音波探触子100による検査箇所を示し、白丸202A〜202Cは水流があたる箇所を示す。ここで白丸202Aは、ノズル103b1から吐出された水流があたる箇所であり、白丸202Bは、ノズル103b2から吐出された水流があたる箇所である。そして、白丸202Cは、ノズル103cから吐出された水流があたる箇所である。
つまり、超音波探触子100が、第1の方向(例えば、ラインL1の方向)及び第2の方向(例えば、ラインL2の方向)とは垂直な方向である第3の方向(ラインL11の方向)に進行する場合、第3の方向における進行方向に対して、超音波探触子100の前方に水流を吐出するよう、ノズル103cが、さらに設置される。
【0041】
ラインL1及びラインL2における気泡の除去は
図11と同様であるため、ここでの説明を省略する。
ラインL1及びラインL2に対し、垂直方向に超音波探触子100が移動するラインL11では、ノズル103cから吐出された水流(白丸202C)が、これから検査される箇所の気泡を前もって除去する。
このように、ノズル103cは、
図14の紙面垂直方向への進行方向(ラインL11)に対し、超音波探触子100より先行する箇所にあたるよう設けられる。
【0042】
《第4実施形態》
[反射型超音波検査装置1b]
図15は、超音波検査装置の一種である反射型超音波検査装置1bを用いた超音波検査システム200bの概念図である。また、
図16は、反射型超音波検査装置1bの概念図である。
図15では、反射型超音波検査装置1bの斜視図を示し、
図16は反射型超音波検査装置1bを横方向からみた概念図を示す。なお、
図15及び
図16において、
図1及び
図2と同様の構成要素に対しては同一の符号を付して、説明を省略する。また、
図16では、
図2に示されている水流ポンプ11、水流コントロールパネル12、ディスプレイ13、パルサ31、レシーバ32、A/D変換器41A、D/A変換器41B、制御装置42、パソコン43、ディスプレイ44が図示省略されている。
【0043】
図15、
図16に示すような超音波検査システム200bにおける反射型超音波検査装置1bは、照射、受信を1つの超音波探触子100bで行っている。つまり、超音波探触子100bから発信された超音波は、検査対象物Bで反射される。検査対象物Bで反射された超音波(反射波)は超音波探触子100bで受信される。受信された反射波は超音波探触子100bの内部の圧電素子(不図示)で電気信号に変換され、
図2に示すレシーバ32、A/D変換器41A、を介してパソコン43に送られる。パソコン43により波高分析され透過波の強度に応じたコントラストの画素が
図2に示すディスプレイ44に表示される。
【0044】
また、
図16に示すように、水流を吐出するノズル103dが、超音波探触子100bの後方に備えられている。ノズル103dは、z軸スキャナ111zに取り付けられている支持部105bに設置されている。なお、
図16の例では、ノズル103dの先端が超音波探触子100bの後方に備えられているが、超音波探触子100bの前方に備えられていてもよい。ノズル103dの先端が超音波探触子100bの前方に備えられるようにすることで、
図5及び
図6に示すような、検査箇所に先立った箇所の気泡除去が可能となる。
【0045】
その他の構成は、
図1及び
図2に示す透過型超音波検査装置1と同様であるので、ここでの説明を省略する。
図15及び
図16に示す反射型超音波検査装置1bでも、検査対象物Bが斜めに設置されるようになっていることで、水流によって飛ばされた気泡は、検査対象物Bの近傍に付着することなく水面へと浮上する。
【0046】
なお、第4実施形態において、ノズル103dが第2実施形態や、第3実施形態のような構成を有してもよい。
【0047】
本実施形態によれば、透過型超音波検査装置1の場合、検査対象物Bの裏面(及び表面)に付着した気泡を容易に、かつ、確実に取り除くことが可能となる。反射型超音波検査装置1bの場合、検査対象物B表面に付着した気泡を容易に、かつ、確実に取り除くことが可能となる。このことから気泡の付着が原因による誤判定、再測定をなくすことが可能となり、効率よく正確な検査画像を得ることができる。
【0048】
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0049】
また、前記した各構成、機能は、それらの一部またはすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、前記した各構成、機能等は、CPU等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、HD(Hard Disk)に格納すること以外に、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【解決手段】超音波の照射及び受信を行う超音波探触子100と、超音波による検査が行われる検査対象物が載置される試料台104と、試料台104が浸漬される液体媒質(水W)が貯留されている水槽WTと、試料台104に対して、液体媒質を吐出するノズル103と、を有し、超音波探触子100は、検査範囲を移動し、ノズル103は、超音波探触子100の移動に追従して移動することを特徴とする。