特許第6498360号(P6498360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6498360
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】管の製造法ならびに射出成形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/26 20060101AFI20190401BHJP
   B29C 45/17 20060101ALI20190401BHJP
   B29L 23/00 20060101ALN20190401BHJP
【FI】
   B29C45/26
   B29C45/17
   B29L23:00
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-531597(P2018-531597)
(86)(22)【出願日】2016年12月15日
(65)【公表番号】特表2018-537325(P2018-537325A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(86)【国際出願番号】EP2016081264
(87)【国際公開番号】WO2017102987
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2018年8月14日
(31)【優先権主張番号】102015225938.2
(32)【優先日】2015年12月18日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】598001467
【氏名又は名称】カウテックス テクストロン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハートムート ヴォルフ
【審査官】 関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−180812(JP,A)
【文献】 特開2012−131136(JP,A)
【文献】 特開2012−213919(JP,A)
【文献】 特開2012−224083(JP,A)
【文献】 特表2011−518698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/84
B29C 33/00−33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形装置(1)の使用によって熱可塑性の成形材料を射出成形することにより管(4)を製造する方法であって、前記射出成形装置(1)が、前記管(4)の外側輪郭を規定する製品キャビティ(3)と、前記熱可塑性の成形材料で充填された前記製品キャビティ(3)を通して、プロジェクティル(5)を前記成形材料の液状のコアを押し退けながら、移動させるように構成されたインジェクション装置とを備える方法において、該方法が以下の方法ステップ、すなわち、
A)前記製品キャビティ(3)の第1の開口内にプロジェクティル(5)を導入するステップと、
B)前記製品キャビティ(3)の、前記第1の開口から離れて配置された第2の開口を金型コア(7)により閉じるステップであって、該金型コア(7)は、前記製品キャビティ(3)と共に成形中空室を形成し、該成形中空室は、前記成形材料を充填可能な副キャビティを有している、ステップと、
C)前記製品キャビティ(3)および前記成形中空室に熱可塑性の前記成形材料を少なくとも部分的に充填するステップと、
D)前記副キャビティ内に前記成形材料を部分的に押し退けながら、前記第1の開口から前記第2の開口(6)に向かって前記製品キャビティを通って前記プロジェクティル(5)を貫通移動させ、前記プロジェクティル(5)を前記金型コア(7)に対して、または前記金型コア(7)内へと移動させるステップと、
(E)充填された前記副キャビティを有する前記金型コア(7)を引き出し、その際に
押し退けられた前記成形材料を、前記管(4)を形成している前記成形材料から分離させるステップと
を有し、
前記管(4)を形成している前記成形材料と、前記副キャビティ内に押し退けられた前記成形材料との間に、標破断線を形成する、射出成形装置(1)の使用によって熱可塑性の成形材料を射出成形することにより管(4)を製造する方法。
【請求項2】
前記金型コア(7)の前記副キャビティを、前記製品キャビティ(3)の充填中に閉じておく、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記副キャビティを、前記製品キャビティ(3)通って前記プロジェクティル(5)が貫通移動する直前に開く、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記副キャビティを、押し退けられた前記成形材料により形成される溶融材料圧力を利用しながら開く、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
前記金型コア(7)が、運動可能な閉鎖体(10)を有しており、該閉鎖体(10)が前記副キャビティを閉じていて、前記製品キャビティ(3)の充填の直前に、または前記製品キャビティ(3)の充填中に、該閉鎖体(10)を前記副キャビティを開放する開かれた位置へと移動させる、請求項2から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記プロジェクティル(5)を前記副キャビティ内へと追い込み、前記プロジェクティル(5)が、終端位置において前記成形材料を前記副キャビティ内に閉じ込める、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記プロジェクティル(5)を部分的に副キャビティ内に追い込み、前記プロジェクティル(5)の周面を、前記金型コア(7)の圧着エッジに対して当て付け、前記プロジェクティル(5)が、この終端位置において前記成形材料を前記副キャビティ内に閉じ込める、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記プロジェクティル(5)を、部分的に前記副キャビティ内に追い込み、前記プロジェクティル(5)の環状に延びる段部(18)を、前記金型コア(7)の端面に対して当て付け、前記プロジェクティル(5)がこの終端位置で前記成形材料を前記副キャビティ内に閉じ込める、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記プロジェクティル(5)が、中断した周面を有しており、該周面に熱可塑性の前記成形材料が集まることができ、前記成形材料が硬化時に前記プロジェクティル(5)に結合する、請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
前記プロジェクティル(5)の前記周面に、孔(19)が設けられている、請求項9記載の方法。
【請求項11】
特に請求項1から9までのいずれか1項記載の方法を実施するための、管を製造する射出成形装置(1)であって、該射出成形装置(1)が、製品キャビティ(3)を形成する工具(2)と、前記製品キャビティ(3)に熱可塑性の成形材料を充填する手段と、前記製品キャビティ(3)の第1の開口から前記製品キャビティ(3)の第2の開口(6)に向かう方向で、前記製品キャビティ(3)を通って移動すべきプロジェクティルに対して流体を噴射するインジェクション装置と、前記プロジェクティル(5)により押し退けられた前記成形材料を収容するための副キャビティと、前記第2の開口(6)内に挿入可能な金型コア(7)とを備え、前記金型コア(7)が、前記製品キャビティ(3)と共に、前記成形材料を充填可能な成形中空室を形成しており、
前記金型コア(7)が、前記副キャビティを形成する容積部を取り囲んでいて、前記副キャビティの容積部が、前記プロジェクティル(5)の横断面よりも小さいか、またはほぼ同一の横断面を有している射出成形装置において、
前記副キャビティの内側の画定壁が、少なくとも1つの凹部および/または押込み成形部を備えていることを特徴とする、管を製造するための射出成形装置(1)。
【請求項12】
前記副キャビティが、角柱状または円柱状の容積部として形成されている、請求項11記載の射出成形装置(1)。
【請求項13】
前記金型コア(7)が、該金型コア(7)内に位置調節可能に配置された閉鎖体(10)を有しており、該閉鎖体(10)は、第1の位置では前記副キャビティを閉じ、第2の位置では前記副キャビティを開放する、請求項11または12記載の射出成形装置(1)。
【請求項14】
前記金型コア(7)が端面側で、前記副キャビティ内に突出するスクレーパリップ(17)を有している、請求項11から13までのいずれか1項記載の射出成形装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管の外側輪郭を規定する製品キャビティと、熱可塑性の成形材料で充填された製品キャビティを通じて成形材料の液状のコアを押し退けながらプロジェクティルを移動させるように構成されているインジェクション装置とを備える射出成形装置を使用しながら熱可塑性の成形材料を射出成形することによって管を製造する方法に関する。
【0002】
さらに本発明は、管を製造するための射出成形装置であって、製品キャビティを形成する工具と、製品キャビティに熱可塑性の成形材料を充填するための手段と、製品キャビティの第1の開口から製品キャビティの第2の開口に向かう方向で、製品キャビティを通って移動すべきプロジェクティルに対して流体を噴射するインジェクション装置と、プロジェクティルにより押し退けられた成形材料を収容するための副キャビティとを備えた射出成形装置に関する。
【0003】
本発明は特に、たとえば管片、係止結合部等のような接続構造部分を収容する一体的に成形された幾何学形状を有する管、たとえば自動車の燃料容器または付随液体容器のための充填管を製造する方法に関する。
【0004】
先行技術において、熱可塑性のプラスチックから管を製造するために種々の方法が公知である。このような管は、たとえば押出ブロー成形、特にサクションブロー成形または射出成形により製造され得る。種々異なる管軸線に湾曲されている管、いわゆる3次元管は、しばしばサクションブロー成形により製造される。この場合、チューブ状のパリソンが押し出されて、相応するブロー成形工具内に引き込まれる。チューブ状のパリソンが開放した工具内に挿入される押出法も公知である。この場合、パリソンの賦形は、工具内で差圧の利用により行われ、工具は管の外側輪郭を成形する。
【0005】
さらに、いわゆるプロジェクティル・インジェクション技術を用いた射出成形によって管を製造することが公知である。この方法では、インジェクタ上に配置されたプロジェクティルが、充填された工具の製品キャビティを通じて移動させられ、その際に熱可塑性のプラスチックの溶融液状のコアは副キャビティ内へと押し退けられる。この副キャビティは、ポリマの前充填後に、ハイドロリック式に操作可能なスライダを介して開放される。このような管は、規定された内径を有していて、このような規定された一定の内径で比較的再現可能に製造される。
たとえば、特開2012−213919号公報には、インジェクション装置の使用によって熱可塑性の成形材料を射出成形することにより管を製造するための相応する方法が開示されている。
【0006】
特に空調装置用の送風管として、または燃料容器、ウォッシャ液容器または尿素容器用の充填管として自動車に組み込むための管または自動車用の内燃機関における燃焼空気供給部の一部としての管の製造は、上記で説明した方法により行われる。このような管は、拡張された接続スリーブ、ねじ山付き管片および分岐部を備えなければならないが、これらは上述の製造方法により、一体的に成形することが比較的に困難である。たとえば、ウォータ・インジェクション技術またはプロジェクティル・インジェクション技術により製造される射出成形管の端部は、規定された接続幾何学形状を有していない。工具の分割により、管の接続端部に対応するシール幾何学形状を設けることも比較的に困難である。
【0007】
したがって、先行技術では、管を全体的に複数の部分で構成し、たとえば係止コネクタ用の接続幾何学形状を端部側に一体的に溶着することが知られている。
【0008】
規定された接続幾何学形状を製造するために、管の端部を機械的に後加工することも知られている。
【0009】
本発明の根底を成す課題は、熱可塑性の成形材料を射出成形することにより管を製造する方法を改良して、比較的に簡単な作業工程で、管の端部に規定された接続幾何学形状を製造できるようにすることである。
【0010】
本発明の主旨における規定された幾何学形状とは、接続構成部材がぴったりと嵌合して密に導入され得る、たとえばスリーブ等のような接続幾何学形状を再現可能に正確な寸法で製造することであると理解され得る。
【0011】
本発明の根底を成す課題は、方法クレームに記載の特徴により解決される。
【0012】
本発明の課題はさらに特に本発明に係る方法を実施するために設けられている、管を製造するための射出成形装置により解決される。
【0013】
本発明の有利な態様は、各従属請求項に記載されている。
【0014】
本発明の視点によれば、射出成形装置を使用しながら熱可塑性の成形材料を射出成形することにより管を製造する方法が提供される。この場合、射出成形装置は、管の外側輪郭を規定する製品キャビティと、成形材料の液状のコアを押し退けながら、熱可塑性の成形材料が充填された製品キャビティを通ってプロジェクティルを移動させるために構成されているインジェクション装置とを備えており、該方法は以下の方法ステップを有している。すなわち、
(A)製品キャビティの第1の開口内にプロジェクティルを導入するステップと、
(B)製品キャビティの、第1の開口から離れて配置された第2の開口を金型コアにより閉じるステップであって、金型コアは、製品キャビティと共に成形中空室を形成し、成形中空室は、成形材料を充填可能な副キャビティを有している、ステップと、
(C)製品キャビティおよび成形中空室に熱可塑性の成形材料を少なくとも部分的に充填するステップと、
(D)副キャビティ内に成形材料を部分的に押し退けながら、第1の開口から第2の開口に向かって製品キャビティを通ってプロジェクティルを貫通移動させ、プロジェクティルを金型コア対して、または金型コア内へと移動させるステップと、
(E)充填された副キャビティと一緒に金型コアを引き出し、その際に押し退けられた成形材料を、管を形成する成形材料から分離させ、管を形成している成形材料と、副キャビティ内に押し退けられた成形材料との間に、薄い箇所または目標破断線を形成するステップと
を有している。
【0015】
本発明の主旨における熱可塑性の成形材料として、あらゆる任意の熱可塑性のポリマが使用され得る。たとえば、熱可塑性の成形材料として、高密度のポリエチレン、ポリアミド、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリウレタン、ポリカーボネート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリケトン、ポリスチロール、オレフィンベースの熱可塑性エラストマ、オレフィンベースの架橋型熱可塑性エラストマ、ウレタンベースの熱可塑性エラストマ、熱可塑性ポリエステル・エラストマおよび熱可塑性共重合体を含む群から選択された熱可塑性のプラスチックが規定されていてよい。
【0016】
方法の目的のために使用されるプロジェクティルは、自体公知のプラスチックプロジェクティルとして形成されていてよい。
【0017】
本発明に係る射出成形装置は、有利には製品キャビティを形成する1つまたは複数の部分、たとえば型半部を備えた工具ならびに製品キャビティを充填する手段を有している。
【0018】
方法は、有利には熱可塑性のプラスチックから成る、自動車用の燃料容器の充填管としての管の製造に関し、この場合、管は好適にはスリーブ状に拡張された少なくとも1つの端部区分を有している。
【0019】
通常、充填のために設けられている押出装置たとえばスクリュー押出機を用いた製品キャビティへの充填は、部分的にまたな完全に行われてよい。
【0020】
当該方法で使用されるプロジェクティルは、たとえば水を噴射するためのインジェクション装置によって、完全にまたは部分的に充填された製品キャビティを通って貫通移動させられてよい。このためには、インジェクション装置はプロジェクティル支持体を有している。このプロジェクティル支持体は、1つまたは複数の流体通路により貫通されていてよく、プロジェクティルの収容のために形成された端部においてインジェクションノズルを形成する。インジェクションノズルに高圧下にある流体、たとえば水を負荷することにより、流体によってプロジェクティルが製品キャビティを通って移動させられ得る。この場合、製品キャビティ内に収容された熱可塑性の成形材料の溶融液状のコアがプロジェクティルによって副キャビティ内へと押し退けられる。
【0021】
本発明によれば、製品キャビティの一方の端部側の開口に、金型コアを設けることが規定されている。この金型コアは、製品キャビティを端部側で密閉し、たとえば管のスリーブ端部を形成するために、製品キャビティと一緒に、熱可塑性の成形材料で充填可能な成形中空室を形成する。
【0022】
金型コアは、製品キャビティ内で、管の調整された内壁を形成する。この場合、本発明によりさらに、成形材料が金型コアの副キャビティ内に押し退けられ、管の成形後に金型コアの引き抜きにより、プロジェクティルにより押し退けられた成形材料が、管を形成している成形材料から分離されることが規定されている。このような形式により特に副キャビティへの別個のゲート通路は回避される。
【0023】
方法ステップA)〜E)は、有利には列挙された順番で実施される。
【0024】
本発明によれば、管を形成する成形材料と、副キャビティ内に押し退けられた成形材料との間で、金型コアの引抜き前に、薄い箇所または目標破断線が形成されることが規定されている。
【0025】
本発明によれば、金型コアの副キャビティは、製品キャビティの充填中に、たとえば1つまたは複数のスライダにより閉じられることが規定されていてよい。
【0026】
副キャビティは、製品キャビティを通ってプロジェクティルが貫通移動する直前に開かれてよい。
【0027】
このことは、既に述べたように、ハイドロリック式に操作可能な1つまたは複数のスライダにより行われてよい。択一的には、副キャビティは、押し退けられた成形材料により形成される溶融材料圧力を利用して開かれてよい。
【0028】
本発明に係る方法では、まず、製品キャビティおよび金型コアにより形成される成形中空室に完全にまたは部分的に成形材料を充填し、次いで副キャビティを開放し、次いでプロジェクティルを製品キャビティを通して移動させ、その際にプロジェクティルが、成形材料の溶融液状のコアを副キャビティ内へと押し退けることが規定されている。
【0029】
プロジェクティルは、製品キャビティの外径よりも小さな直径を有しているので、多かれ少なかれ規定された管壁が残る。
【0030】
金型コアの閉鎖体は、有利にはまず副キャビティの開口を閉じている。副キャビティは、たとえば製品キャビティの管状の突出部として形成されていてよい。副キャビティを閉じることは、たとえばばね付勢された、またはハイドロリック式に操作された閉鎖体によって行われてよい。閉鎖体は、押し退けられた成形材料の溶融材料圧力で戻るように移動される。上述のように、このことは機械式に相応の制御装置によって実行されてもよい。
【0031】
方法の有利な態様では、金型コアが、可動の閉鎖体を有していて、この閉鎖体が、副キャビティを閉じていて、製品キャビティの充填の直前に、または製品キャビティの充填中に、副キャビティを開放する開かれた位置へと運動させられることが規定されている。
【0032】
本発明に係る方法の有利な形態では、プロジェクティルが、完全に副キャビティ内に追い込まれ、終端位置で副キャビティを閉じることが規定されている。
【0033】
択一的には、プロジェクティルは端に部分的に副キャビティ内に追い込まれ、この場合、プロジェクティルの周面は、金型コアの環状に延びる圧着エッジに対して当て付けられ、プロジェクティルは終端位置で副キャビティを閉じることが規定されている。この場合、プロジェクティルは、金型コアの圧着エッジに対する衝突時に目標破断線を形成する。この目標破断線は、管を形成する成形材料を金型コアの副キャビティ内に押し退けられた金型コアから、金型コアの引抜き時に分離するために働く。
【0034】
同様に、プロジェクティルが、部分的に副キャビティ内に追い込まれ、プロジェクティルの環状に延びる段部が金型コアの端面に当て付けられ、この場合にプロジェクティルは同様にこの終端位置において副キャビティを閉じることが規定されていてよい。
【0035】
このためには、プロジェクティルが中断した周面を有していてよく、この周面に熱可塑性の成形材料が集まることができる。この場合、成形材料は、硬化時にプロジェクティルに結合するので、金型コアはプロジェクティルと一緒に引き出され得る。
【0036】
好適には、プロジェクティルの周面にアンダカットされた盲孔が設けられている。
【0037】
本発明の別の観点は、上述の方法を実施するために形成されている射出成形装置に関する。この観点は、管を製造するための射出形成装置であって、製品キャビティを形成する工具と、この製品キャビティに熱可塑性の成形材料を充填する手段と、製品キャビティの第1の開口から製品キャビティの第2の開口に向かう方向で、製品キャビティを通って移動すべきプロジェクティルに対して流体を噴射するインジェクション装置と、プロジェクティルにより押し退けられた成形材料を収容するための副キャビティと、第2の開口内に挿入可能な金型コアとを備え、金型コアは、製品キャビティと共に、充填可能な成形中空室を形成し、金型コアは、副キャビティを形成する容積部を取り囲んでいて、前記副キャビティの容積部が、前記プロジェクティル(5)の横断面よりも小さいか、またはほぼ同一の横断面を有しており、前記副キャビティの内側の画定壁が、少なくとも1つの凹部および/または押込み成形部を備えている。
【0038】
本特許出願の主旨における工具とは、射出成形装置の、製品キャビティを形成する部分を指す。本発明の主旨における工具は、スライダ、可動の金型コア等のような別の可動の金型部分を有していてよい。
【0039】
製品キャビティを通って移動すべきプロジェクティルに対して流体を噴射するインジェクション装置は、有利にはプロジェクティル支持体を有している。このプロジェクティル支持体は、1つまたは複数の流体通路により貫通されていてよく、プロジェクティルを収容するために形成された端部においてインジェクションノズルを形成する。
【0040】
本発明に係る射出成形装置は、少なくとも1つのゲートを有している。ゲートは、製品キャビティに開口している。基本的に、製品キャビティも、副キャビティも、多角形もしくは角柱状、あるいは円柱状の横断面を有しているか、もしくはそれぞれ多角形または角柱状または円柱状の容積部として形成されていてよい。
【0041】
本発明による射出成形装置の好適な態様では、製品キャビティおよび副キャビティが、円柱状の容積部として形成されていることが規定されている。副キャビティの容積部は、有利には、プロジェクティルにより押し退けられる成形材料の全量を収容することができるように寸法設計されている。
【0042】
金型コアは、有利には心棒として形成されている。この心棒は、たとえば製品キャビティの、端部側でスリーブ状に拡張された輪郭に対して相補的に形成されている輪郭を有していてよい。金型コアは、有利には、製品キャビティ内で、成形材料を充填可能な環状に延びるリングギャップまたはリング室を形成する。金型コアは、有利には調整心棒として、管の接続幾何学形状を形成するために構成されている。
【0043】
金型コアは、ハイドロリック式またはニューマチック式の調節駆動装置により回転式にかつ/または並進的に運動可能であってよい。
【0044】
金型コアが回転式に駆動される場合、つまり回転コアとして形成されている場合、この回転コアは、ねじ山を形成する少なくとも1つの区分を備える周面を有していてよい。
【0045】
金型コアは、第1の位置では製品キャビティを密閉する。引き出された抜き型位置である、金型コアの第2の位置では、金型コアは製品キャビティの第2の開口を開放する。
【0046】
金型コアは、内部で位置調節可能に配置された閉鎖体を有していてよい。この閉鎖体は、第1の位置では、副キャビティを閉じ、第2の位置では副キャビティを開放する。
【0047】
本発明によれば、副キャビティの円柱状の容積部が、プロジェクティルの直径よりも小さいかまたは等しい直径を有していることが規定されている。
【0048】
射出成形装置の或る態様では、プロジェクティルの周面には、アンダカットされた盲孔が設けられている。
【0049】
副キャビティの内側の画定壁には、少なくとも1つの凹部および/または押込み成形部が設けられてい。プロジェクティルが金型コアの副キャビティ内に侵入する場合、金型コアは、副キャビティの内側の画定壁とプロジェクティルとの間で、溶融した成形材料において薄膜を形成する。この薄膜は、場合によってはまだ管を形成する成形材料に結合されている。この薄膜は、金型コアが引き出されると、引きちぎられる。引きちぎりを容易にするために、凹部または押込み成形部内に成形材料が蓄積され、この成形材料は、金型コアの型抜き運動に逆らうので、引っ張り力は、金型コアと、管を形成する成形材料との間に形成された薄い箇所または目標破断箇所に作用させられる。当然ながら、複数の凹部または押込み成形部が、副キャビティの、内側の画定壁の範囲に設けられていてもよい。
【0050】
これに対して択一的には、金型コアが端面側で、副キャビティ内もしくは副キャビティの開口内に突出するスクレーパリップを有していることが規定されていてよい。このスクレーパリップにおいて、プロジェクティルにより連行される成形材料のフィルムが剪断される。
【0051】
本発明を以下に図面に示した実施例に関連して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】第1の実施例による本発明に係る射出成形装置1の部分断面図である。
図2】第2の実施例による本発明に係る射出成形装置の部分断面図である。
図3a】本発明の第3の実施例による本発明に係る射出成形装置の部分断面図である。
図3b】本発明の第3の実施例による本発明に係る射出成形装置の部分断面図である。
【0053】
本発明に係る方法を以下に射出成形装置1の一部を図示した図面に関連して説明する。
【0054】
このためには、まず本発明に係る射出成形装置1の部分断面を示す図1に言及する。射出成形装置1は、工具2を含む。この工具2は、図面では単に暗示されるのみであり、たとえば2つの半割部を含んでいる。これらの半割部は、閉じられた状態で1つの製品キャビティ3を規定する。この製品キャビティ3は、製造すべき管4のネガ形状を形成する。
【0055】
図面は、管4の端部の領域における製品キャビティ3の一端部を示している。特に図面は、成形すべき管4の、スリーブ状に拡張され、かつ接続構成部材を収容するための接続幾何学形状を有する端部を示している。図面では、製品キャビティ3の、ゲート(図示せず)とインジェクション装置を備える第1の開口とから離れて配置されている端部が図示されている。
【0056】
射出成形装置1の工具2は、たとえば、製品キャビティ3を規定する2つの金型半割部を有している。この場合、製品キャビティ3は、空間的に何度も曲げられた管(3次元管)のネガ形状として形成されている。工具は、スライダ等として形成された可動の複数の構成部材を有していてよい。スライダは、図面には示されていない。工具2もしくは製品キャビティ3の図示されていない端部には、製品キャビティ3を通って移動すべきプロジェクティル(押退け体)5に対して流体を噴射するためのインジェクション装置が設けられている。インジェクション装置は、少なくとも1つのインジェクションノズルと、製品キャビティ3内に充填すべき熱可塑性の成形材料に対する押退け体としてのプロジェクティル5用の少なくとも1つのプロジェクティル収容部とを備えるプロジェクティル支持体を含んでいる。
【0057】
製品キャビティ3の、図面に図示された第2の端部では、製品キャビティ3が漏斗形状またはスリーブ形状に拡張されている。この領域では、製品キャビティ3が第2の開口6を形成し、この開口6内には、製品キャビティ3を第2の開口6の領域でシールするように金型コア7が挿入されている。
【0058】
図1では、金型コア7が、製品キャビティ3を密閉する位置で図示されている。この位置から、金型コア7は製品キャビティ3を開放する位置へと抜き出し可能もしくは引き出し可能である。金型コア7のこの位置は、図面には示されていない。
【0059】
金型コア7は、横断面で円形の調整心棒として形成されている。製品キャビティ3の拡張部の領域において、金型コア7は、リング室8として形成されている成形中空室を形成する。管4の、このように形成された接続横断面は、横断面で円形のスリーブとして形成されている。なお、本発明は、管4のこの領域は、工具2のこの領域における製品キャビティ3および金型コア7の構成に応じて、任意の別の形状を有することができると理解することができる。
【0060】
金型コア7は、好適には円柱状の容積部9を取り囲んでいる。この容積部9は、工具2の副キャビティを形成する。金型コア7の容積部9は、以下でさらに詳しく説明するように、プロジェクティル5により押し退けられた成形材料を完全に収容することができるように、寸法設計されている。金型コア7のうち一部分しか図示されていない。サイズ比は、正確でも比例的でもなく、図1は、工具2の一部を端に概略的に図示している。
【0061】
金型コアの、副キャビティとして働く容積部9は好適には円柱状に形成されており、製品キャビティ3の延長部もしくは突出部を形成する。金型コア7の容積部9は、製品キャビティ3に対して同軸的にかつ整合して位置調整されており、図1および図2に図示された実施例では製品キャビティ3の内径およびプロジェクティル5の外径に一致する内径を有している。製品キャビティ3および金型コア7の容積部9が、多角形また角柱形の内側輪郭を有している場合、プロジェクティルの外側輪郭は有利には製品キャビティおよび副キャビティの内側輪郭に一致する。
【0062】
全ての図面において、金型コア7の容積部9は、開かれた状態で図示されている。この状態では、プロジェクティル5は、それぞれその終端位置で図示されている。
【0063】
図1から図3に図示された実施例では、金型コア7が、円柱状で可動の閉鎖体10を有している。この閉鎖体10は、図1図3では、それぞれ開かれた位置で図示されている。この開かれた位置では、閉鎖体10はそれぞれ金型コア7の容積部9を開放する。
【0064】
本発明に係る方法の開始時に、閉鎖体10は、金型コア7の端面11に面一に揃う位置にある。閉鎖体10は、金型コア7の内部で位置調節可能に配置されていて、たとえば閉鎖体10は、図示されていない機構を介してハイドロリック式またはニューマチック式に2つの終端位置の間で位置調節可能である。閉鎖体10が金型コアの容積部9を閉じている、閉鎖体10の図示されていない位置で、製品キャビティ3の図示された端部から離れて配置されているゲートを介して製品キャビティ3への熱可塑性の成形材料の充填が行われる。
【0065】
製品キャビティ3が完全にまたは部分的に充填された後に、成形材料は製品キャビティの全横断面にわたって、かつリング室8内へと延びる。したがって、閉鎖体10は、図1に図示された開かれた位置にもたらされ、この位置では、金型コア7の容積部9が開放されており、したがって充填されていない副キャビティが形成される。
【0066】
次いで、プロジェクティル5に流体、たとえば水が負荷され、製品キャビティ3を通じて貫通移動させられる。その際にプロジェクティルは、製品キャビティ3内に充填された熱可塑性の成形材料の液状のコアを金型コアの容積部9内へと押し退ける。図1は、プロジェクティル5を終端位置で示しており、この終端位置において、プロジェクティル5は金型コア7の容積部9内へと追い込まれている。この場合、熱可塑性の成形材料は、金型コア7の容積部9の開口13の内側で環状に延びるエッジ12において剪断される。この場合、プロジェクティル5は、当該プロジェクティル5と容積部9の内側の包囲壁との間で成形材料において薄膜を形成する。成形材料の一部はこの場合、金型コア7の容積部9の内側の画定壁に設けられた凹部14内に押し退けられる。
【0067】
別の方法ステップにおいて、金型コア7は、矢印15の方向で製品キャビティ3から引き出される。その際に、その合間に少なくとも部分的に硬化されている、凹部14内に押し退けられた成形材料が、金型コア7のこの引出し運動に逆らう。その結果、その合間に硬化された成形材料の、金型コア7の容積部9内に突出している材料フィルムに引っ張り力が作用させられる。その結果、この突出している材料は引きちぎられる。したがって、金型コア7によって、容積部9内に押し退けられた成形材料は、管4を形成する成形材料から分離される。
【0068】
符号16により、別の金型スライダが示されている。この金型スライダ16は、側方で製品キャビティ3内に突入し、金型コア7に対して側方で、管4の、これにより形成されるスリーブ内に窓部を形成する。
【0069】
本発明に係る射出成形装置1の図2に図示された実施例は、射出成形装置1の図1に図示された実施例にほぼ一致する。この場合、同一の構成部材は同一の参照符号で示されている。図2に図示された実施例は、図1に図示された実施例とは、以下のことにより異なっている。すなわち、金型コア7が端面側で、容積部9の開口13内に突出しているスクレーパリップ17を有しており、このスクレーパリップ17において、プロジェクティル5の容積部9内への押し込み時に、プロジェクティル5と容積部9の内側の画定壁との間にある熱可塑性の成形材料を剪断する。
【0070】
図3に図示した実施例は、図1および図2に示した実施例にほぼ一致する。この場合、同一の構成部材には同一の参照符号が設けられている。
【0071】
図3aによる実施例では、プロジェクティル5が中断した周面を有している。この周面において、熱可塑性の成形材料が集まることができる。熱可塑性の成形材料の硬化時に、この成形材料はプロジェクティルに結合するので、金型コア7を引っ張った場合に、突出している材料が引きちぎられる。このためには、プロジェクティル5の周面がたとえば盲孔19を有していてよい。この盲孔19は、硬化する成形材料のアンカ固定を形成するアンダカット部を形成する。
【0072】
さらに、容積部9の開口13は、製品キャビティ3およびプロジェクティル5の最大直径よりも僅かに小さな直径を有しているので、開口13を画定する環状に延びるエッジ12は、圧着エッジを形成する。この圧着エッジに対して、プロジェクティル5が熱可塑性の成形材料を切断する。
【0073】
本発明は、プロジェクティルの特別な構造および容積部9の開口13の構成が互いに対して独立して実現可能な手段であるものとする。
【0074】
射出成形装置の図3bに示された態様は、図3aに示された射出成形装置の態様とは以下のことにより異なっている。すなわち、プロジェクティル5が環状に延びる段部18を有しており、この段部18が金型コア7の端面11に対して当て付けられる。この実施例でも、容積部9の開口13の直径は、製品キャビティ3の直径よりも小さく形成されている。
【符号の説明】
【0075】
1 射出成形装置
2 工具
3 製品キャビティ
4 管
5 プロジェクティル
6 第2の開口
7 金型コア
8 リング室
9 金型コアの容積部
10 閉鎖体
11 端面
12 エッジ
13 容積部の開口
14 容積部の内側の画定壁の凹部
15 矢印
16 金型スライダ
17 スクレーパリップ
18 段部
19 盲孔
図1
図2
図3a
図3b