(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2傾斜面の前記溝部よりも軸方向の中間部側の部位の前記第2傾斜面に沿った長さが、前記第2傾斜面の前記溝部よりも前記先端部の側の部位の前記第2傾斜面に沿った長さよりも短い請求項1に記載の継手の接続構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の継手では、継手本体の雄型のシート面と、管体の雌型のシート面とが軸方向に対してほぼ同じ傾斜角度を持つ形状に設定されており、ナットの締結力(軸方向の押し付け力)により、内部からの液体の漏洩を抑制している。
【0006】
継手においては、例えば、継手の軸方向に対する傾斜角度が30度の場合、シート面は軸方向に対して30+0度〜30−0.5度、管体のシート面は軸方向に対して30+0.5度〜30−0度に設計されている。これにより、必ずシート面の同周上で両者が線接触(さらに押し付けると帯接触)するように構成されている。
【0007】
しかし、継手が装着される機械や設備は、必ず振動(特に建設機械など)を伴い、使用中にナットのねじ部の緩みが発生する可能性がある。これに対して、例えば、継手と管体の強度を向上させ、締結力を増加させることも考えられるが、強度の向上には限界がある。
【0008】
また、ナットのねじ部の緩みが発生すると、液体の微小リークが発生し、締結部周りに黒ずんだ滲みが確認される可能性がある。これに対して、継手本体における管体との対向部にOリング方式のフランジを設ける構造や、シート面にOリングを付加する構造も考えられるが、コストが上昇すると共に、継手のコンパクト化が困難となる。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、接続部材のねじ締結の緩みを抑制し、流体の漏洩を抑制することができる継手の接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明に係る継手の接続構造は、軸方向先端から中間部側に向かって内径が徐々に縮小された第1傾斜面が形成された管体が接続される継手本体と、前記継手本体の軸方向の先端部に設けられ、前記先端部から軸方向の中間部側に向かって外径が徐々に拡大され、前記第1傾斜面が押圧される第2傾斜面と、前記継手本体の前記先端部の側に回転可能に設けられ、前記管体のねじ部が締結される接続部材と、前記第2傾斜面に周方向に沿って設けられた溝部と、前記管体の前記第1傾斜面に設けられ、前記管体のねじ部が前記接続部材に締結されたときに、前記第2傾斜面の前記溝部よりも軸方向の中間部側の部位に食い込む角部と、を有
し、前記継手本体の前記第2傾斜面よりも軸方向の中間部側に半径方向内側に向かって縦壁部が設けられており、前記継手本体には、前記溝部から前記縦壁部に跨る位置に、軸方向に沿って凹部が形成されている。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、継手本体の軸方向の先端部には、先端部から軸方向の中間部側に向かって外径が徐々に拡大された第2傾斜面が設けられている。継手本体の先端部の側には、接続部材が回転可能に設けられており、管体のねじ部が接続部材に締結される。管体には、軸方向先端から中間部側に向かって内径が徐々に縮小された第1傾斜面が形成されており、管体の第1傾斜面が継手本体の第2傾斜面に押圧される。第2傾斜面には、周方向に沿って溝部が設けられており、管体のねじ部が接続部材に締結されたときに、第2傾斜面の溝部よりも軸方向の先端部側の部位の少なくとも一部に、管体の第1傾斜面の少なくとも一部が圧接される。これと共に、溝部を起点として、第2傾斜面の溝部よりも軸方向の中間部側の部位が、溝部よりも軸方向の先端部側の部位の方向へ倒れ込む。これにより、管体の第1傾斜面に設けられた角部が、第2傾斜面の溝部よりも軸方向の中間部側の部位に食い込む。
【0012】
この構成では、管体の角部が第2傾斜面の溝部よりも軸方向の中間部側の部位に食い込むことで、接続部材に接続される管体のねじ部の緩みが抑制される。このため、管体のねじ部の緩みによる流体の漏洩(微小リーク)を抑制することができる。また、管体の第1傾斜面の少なくとも一部が第2傾斜面の溝部よりも軸方向の先端部側に部位の少なくとも一部に圧接されると共に、管体の角部が第2傾斜面の溝部よりも軸方向の中間部側の部位に食い込むことにより、流体のシール効果を向上させることができる。
さらに、継手本体の第2傾斜面よりも軸方向の中間部側に半径方向内側に向かって縦壁部が設けられており、継手本体には、溝部から縦壁部に跨る位置に、軸方向に沿って凹部が形成されている。このため、第2傾斜面の溝部よりも軸方向の中間部側の部位が、溝部よりも軸方向の先端部側の部位の方向に倒れ込むのを促進させることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の継手の接続構造において、前記第2傾斜面の前記溝部よりも軸方向の中間部側の部位の前記第2傾斜面に沿った長さが、前記第2傾斜面の前記溝部よりも前記先端部の側の部位の前記第2傾斜面に沿った長さよりも短い。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、第2傾斜面の溝部よりも軸方向の中間部側の部位の第2傾斜面に沿った長さが、第2傾斜面の溝部よりも先端部の側の部位の第2傾斜面に沿った長さよりも短い。これにより、第2傾斜面の溝部よりも軸方向の中間部側の部位が、溝部を起点として、溝部よりも軸方向の先端部側の部位の方向へ倒れ込み変形しやすくなる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の継手の接続構造において、前記溝部は、前記継手本体の軸方向に沿った断面視にてU字状に形成されている。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、溝部は、前記継手本体の軸方向に沿った断面視にてU字状に形成されており、第2傾斜面の溝部よりも軸方向の中間部側の部位が溝部の狭まる方向へ変形しやすい。このため、溝部を起点として、第2傾斜面の溝部よりも軸方向の中間部側の部位が、溝部よりも軸方向の先端部側の部位の方向へ倒れ込み変形しやすくなる。また、溝部が断面視にてU字状に形成されていることで、変形時に溝部から継手本体の内部に切り欠きや亀裂などが発生することを回避することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の継手の接続構造において、
前記縦壁部には、前記接続部材の半径方向内側に突出する突起部が係止される。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、継手本体の第2傾斜面よりも軸方向の中間部側に、接続部材の半径方向内側に突出する突起部が係止される縦壁部が設けられており、縦壁部により、接続部材の継手本体からの抜けが阻止される。さらに、継手本体における第2傾斜面の溝部よりも軸方向の中間部側の部位と縦壁部との間の肉厚を薄くすることができる。これにより、溝部を起点として、第2傾斜面の溝部よりも軸方向の中間部側の部位が、溝部よりも軸方向の先端部側の部位の方向へより確実に倒れ込み変形しやすくなる。
【発明の効果】
【0021】
本願発明の継手の接続構造によれば、接続部材のねじ締結の緩みを抑制し、流体の漏洩を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1には、本発明の第1実施形態である継手の接続構造S2が適用される継手10が示されている。
図1に示されるように、継手10は、軸方向の一端部側にホース14の端部内側が挿入される芯部12Aを備えた金属製の継手本体(金具本体)12と、この継手本体12の芯部12Aに沿って延在されると共にホース14の外側に配置された金属製の加締部(締金具)16と、を備えている。継手本体12は、略円筒状に形成されており、内部に流体(例えば液体)が通る流路18が形成されている。
【0025】
継手本体12の芯部12Aよりも軸方向の中間部側の外周面には、半径方向内側に窪んだ凹部12Bが形成されている。加締部16には、軸方向の一端側に半径方向内側に突出した突出部16Aが形成されており、突出部16Aが継手本体12の凹部12Bに係止させることで、加締部16が継手本体12に取り付けられている。この加締部16が外側から加締られることにより、ホース14が継手本体12の芯部12Aに押圧されて固定されている。
【0026】
継手本体12の芯部12Aの軸方向先端、すなわちホース14内への挿入端側は先細り形状とされており、ホース14の内側を芯部12Aへ容易に挿入できるようになっている。ホース14は、芯部12Aと加締部16との間に挿入されたときに、ホース14の先端部14Aが継手本体12の側壁又は加締部16の奥部に接触するまで挿入可能である。
【0027】
芯部12Aの外周面には、断面視にて鋸歯状とされた鋸歯部13が形成されている。鋸歯部13の歯の向きは、芯部12Aの軸方向に対してホース14の挿入方向の傾斜角度よりもホース14の抜け出し方向の傾斜角度が大きくなるように形成されている。すなわち、鋸歯部13の歯の向きは、芯部12Aにホース14の内側が挿入された状態で、ホース14の不用意な抜けに対して抵抗が生じるように設定されている。
【0028】
継手本体12の軸方向の中間部には、半径方向外側に突出する略六角形状の拡径部12Cが設けられている。また、継手本体12の軸方向の先端部12Dの側(芯部12Aと逆方向の他端部側)には、継手本体12に対して回転可能に支持された接続部材としてのナット20が設けられている。
【0029】
ナット20の軸方向の奥側(加締部16側)の端部には、半径方向内側に突出した突起部20Aが形成されている。継手本体12の先端部12Dよりも軸方向の中間部側の外周面(拡径部12Cと先端部12Dとの間)には、半径方向内側に窪んだ窪み部22が形成されており、ナット20の突起部20Aが継手本体12の窪み部22に挿入されている。窪み部22の内部における軸方向の先端部12D側には、略半径方向に沿った縦壁部22Aが形成されている。ナット20の突起部20Aにおける軸方向の中間部側の縦壁が、継手本体12の窪み部22の縦壁部22Aに係止されることで、ナット20の継手本体12からの抜けが阻止されている。ナット20には、軸方向における突起部20Aと反対側に雌ねじ部20Bが形成されている。
【0030】
図2に示されるように、ナット20を回転させることにより、ナット20の雌ねじ部20Bに、後述する管体30の雄ねじ部30Bを締結する(螺合させる)ことで、継手10が管体30と接続されるようになっている。ナット20を回転させて管体30を接続する際に、拡径部12Cにスパナを掛けて継手本体12を固定することで、ナット20の雌ねじ部20Bに管体30の雄ねじ部30Bを容易に螺合させることができる。
【0031】
図1に示されるように、継手本体12の先端部12Dの外周面には、管体30の第1傾斜面としてのシート面34(
図2参照)が押圧される第2傾斜面としてのシート面24が形成されている。シート面24は、継手本体12の先端部12Dから軸方向の中間部側に向かって外径が徐々に拡大された傾斜面(テーパー状の面)とされている。本実施形態では、継手本体12の軸方向に対するシート面(雄シート面)24の角度が、例えば30°に設定されている(30°雄シートタイプ)。なお、継手本体12の軸方向に対するシート面24の角度は変更可能である。
【0032】
図2に示されるように、管体30の軸方向の一端部(先端部)30Aには、ねじ部としての雄ねじ部30Bが形成されている。また、管体30の軸方向の他端部30Cには、他の配管(図示省略)が接続される雄ねじ部30Dが形成されている。管体30の中心部には、流体(例えば液体)が通る流路32が形成されている。管体30の軸方向の中間部には、半径方向外側に突出する略六角形状の拡径部30Eが設けられており、拡径部30Eにスパナを掛けて管体30をナット20等に接続することができるようになっている。
【0033】
管体30の軸方向先端としての先端部30Aには、先端部30Aから軸方向の中間部側に向かって内径が徐々に縮小された第1傾斜面としてのシート面34が形成されている。管体30の軸方向に対するシート面34の角度は、継手本体12の軸方向に対するシート面24の角度とほぼ同じに設定されている。ナット20の雌ねじ部20Bに管体30の雄ねじ部30Bが接続された状態で、管体30のシート面34が継手本体12のシート面24に押圧されるようになっている。本実施形態では、継手本体12の軸方向に対するシート面24の角度は、30+0度〜30−0.5度に設計されており、管体30の軸方向に対するシート面34の角度は、30+0.5度〜30−0度に設計されている。
【0034】
図3及び
図4に示されるように、継手本体12のシート面24には、周方向に沿って溝部26が設けられている。溝部26は、継手本体12の軸方向に沿った断面視にて略U字状に形成されている(
図4参照)。溝部26は、シート面24における半径方向外側の端縁に近い位置に設けられている。言い換えると、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aのシート面24に沿った長さが、シート面24の溝部26よりも軸方向の先端部12D側の部位24Bのシート面24に沿った長さよりも短い。溝部26の位置は、継手本体12のシート面24に隣接する外周面12Eからあまり離れない位置が好ましい。
【0035】
溝部26の寸法は、例えば、ホース14が内径φ12mm(口径1/2)のサイズの場合、幅(軸方向の幅)は1.0mmで、深さは2.0mm程度が好ましい。なお、溝部26の寸法や形状は、変更が可能である。また、継手本体12では、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aの端縁と縦壁部22Aとの間の長さ(外周面12Eの軸方向の長さ)が比較的短く設定されている。
【0036】
これにより、
図5に示されるように、管体30の雄ねじ部30Bがナット20の雌ねじ部20Bに締結されたときに、第1の接触領域40にて圧接され、矢印Bに示すように、溝部26を起点として、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位(径方向外側の部位)24Aが、溝部26よりも軸方向の先端部12D側の部位(径方向内側の部位)24Bの方向へ倒れ込む。すなわち、溝部26がシート面24の周方向に沿って形成されていることで、溝部26の内側面の間隔が狭まるように、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aが、溝部26よりも軸方向の先端部12D側の部位24Bの方向へ倒れ込み変形するようになっている。
【0037】
また、管体30のシート面34の端縁には、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aに軸方向に対向する位置に、角部36が設けられている。本実施形態では、管体30の軸方向に沿った断面視にて、角部36が突形状とされている。これにより、管体30の雄ねじ部30Bがナット20の雌ねじ部20Bに締結されたときに、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aの倒れ込みにより、管体30の角部36が、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aに食い込むようになっている。
【0038】
次に、本実施形態の継手の接続構造S2の作用並びに効果について説明する。
【0039】
図1及び
図2に示されるように、継手10の継手本体12の軸方向の先端部12Dには、先端部12Dから軸方向の中間部側に向かって外径が徐々に拡大されたシート面24が設けられている。シート面24には、周方向に沿って溝部26が設けられている。継手本体12の先端部12Dの側には、ナット20が回転可能に設けられており、管体30の雄ねじ部30Bがナット20の雌ねじ部20Bに締結される(
図2参照)。
図4に示されるように、管体30には、軸方向の先端部30Aから中間部側に向かって内径が徐々に縮小されたシート面34が設けられており、管体30が矢印A方向に締め付けられることで、管体30のシート面34が継手本体12のシート面24に押圧される。
【0040】
ナット20の雌ねじ部20Bを管体30の雄ねじ部30Bにさらに強く締結すると、
図5に示されるように、管体30のシート面34の少なくとも一部が、シート面24の溝部26よりも先端部12D側の部位24Bの少なくとも一部に線状又は帯状の第1の接触領域40にて圧接される。その際、矢印Bに示されるように、継手本体12の溝部26を起点として、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aが、シート面24の溝部26よりも軸方向の先端部12D側の部位24Bの方向へ倒れ込む。これにより、管体30のシート面34の端縁に設けられた角部36が、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aに食い込む。このため、管体30の角部36付近が、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aに第2の接触領域42にて圧接される。
【0041】
このような継手の接続構造S2では、管体30の角部36がシート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aに食い込むことで、継手10の使用時の機械や設備の振動により、ナット20の雌ねじ部20Bに締結された管体30の雄ねじ部30Bが緩むことが抑制される。このため、ナット20の雌ねじ部20Bの緩みによる流体の漏洩(微小リーク)を抑制することができる。
【0042】
また、管体30のシート面34がシート面24の溝部26よりも先端部12D側の部位24Bに線状又は帯状の第1の接触領域40にて圧接されると共に、管体30の角部36がシート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aに食い込む。これにより、管体30の角部36付近がシート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aに第2の接触領域42にて圧接される。すなわち、管体30のシート面34が継手本体12のシート面24に周方向に沿った第1の接触領域40と第2の接触領域42で接触するため、流体のシール効果を向上させることができ、流体の漏洩(微小リーク)をより効果的に抑制することができる。
【0043】
また、継手本体12では、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aのシート面24に沿った長さが、シート面24の溝部26よりも先端部12D側の部位24Bのシート面24に沿った長さよりも短い。これにより、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aが、溝部26を起点として変形しやすくなり、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aが、シート面24の溝部26よりも先端部12D側の部位24Bの方向へ倒れ込み変形しやすくなる。
【0044】
また、溝部26は、継手本体12の軸方向に沿った断面視にて略U字状に形成されているため、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aが、溝部26の狭まる方向へ変形しやすくなる。このため、溝部26を起点として、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aが、シート面24の溝部26よりも先端部12D側の部位24Bの方向へ倒れ込み変形しやすくなる。また、溝部26が断面視にて略U字状に形成されていることで、例えば、溝部が断面視にてV字状に形成されている場合に比べて、継手本体12の変形時に、溝部26から継手本体12の内部に切り欠きや亀裂などが発生することを回避することができる。
【0045】
さらに、継手本体12には、シート面24よりも軸方向の中間部側に、ナット20の半径方向内側に突出する突起部20Aが係止される縦壁部22Aが設けられている。この縦壁部22Aにより、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aと縦壁部22Aとの間の肉厚を薄くすることができる。これにより、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aが、溝部26を起点として変形しやすくなる。このため、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aが、シート面24の溝部26よりも先端部12D側の部位24Bの方向へより確実に倒れ込み変形する。
【0046】
図7には、比較例の継手の接続構造S100における継手のシート面付近が断面図にて示されている。
図7に示されるように、比較例の継手の接続構造S100には、継手102を構成する継手本体104の先端部12Dに、先端部12Dから軸方向の中間部側に向かって外径が徐々に拡大されるシート面(傾斜面)106が設けられている。シート面106には、溝部が設けられていない。
【0047】
この継手の接続構造S100では、管体30の雄ねじ部30Bがナット20の雌ねじ部20Bに締結された際に、管体30のシート面34が継手本体104のシート面106に押圧される。その際、管体30のシート面34の少なくとも一部が、継手本体104のシート面106の先端部12D側の部位に線状又は帯状の接触領域110にて圧接される。その際、ナット20の締め付けにより、管体30のシート面34をシート面106に強く押し付けると、帯状の接触領域110となる。この接触領域110は、継手本体104の中心部寄りとなる。
【0048】
この継手の接続構造S100が適用される継手102が装着される機械や設備は、必ず振動(特に建設機械など)を伴い、使用中にナット20の雌ねじ部20Bの緩みが発生する可能性がある。これに対して、例えば、継手102と管体30の強度を向上させ、締結力を増加させることも考えられるが、強度の向上には限界がある。
【0049】
これに対して、本実施形態の継手の接続構造S2では、継手本体12の溝部26を起点として、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aが、シート面24の溝部26よりも先端部12D側の部位24Bの方向へ倒れ込む。これにより、管体30の角部36がシート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aに食い込むことで、ナット20に接続される管体30の雄ねじ部30Bの緩みを抑制することができる。さらに、管体30のシート面34がシート面24の溝部26よりも先端部12D側の部位24Bに線状又は帯状の第1の接触領域40にて圧接されると共に、管体30の角部36付近がシート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aに第2の接触領域42にて圧接される。これにより、シール効果が向上し、流体の漏洩を抑制することができる。
【0050】
次に、
図6を用いて、本発明の第2実施形態の継手の接続構造について説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0051】
図6には、第2実施形態の継手の接続構造S52に用いられる継手本体54のシート面(第2傾斜面)24付近が斜視図にて示されている。
図6に示されるように、継手本体54のシート面24には、周方向に沿って溝部26が形成されており、溝部26から窪み部22の縦壁部22A(
図3参照)に跨る位置に、軸方向に沿って凹部(割り)56が形成されている。凹部56は、シート面24の軸方向中間部側の部位24Aの外周面を分割するように形成されている。本実施形態では、凹部56は、継手本体54の周方向の3箇所に、すなわち継手本体54の外周面を約120度で分割する位置に設けられている。凹部56は、例えば、周方向の幅が1.0mmで、深さが溝部26の深さ(約2.0mm)とほぼ同じに設定されている。
【0052】
このような継手の接続構造S52では、継手本体54の溝部26から窪み部22の縦壁部22A(
図3参照)に跨る位置に、軸方向に沿って3つの凹部56が形成されている。これにより、ナット20の雌ねじ部20Bを管体30の雄ねじ部30Bに締結したとき(
図2参照)に、溝部26を起点として、シート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aが、シート面24の溝部26よりも先端部12D側の部位24Bの方向へ倒れ込むのを促進させることができる。このため、管体30の角部36(
図5参照)がシート面24の溝部26よりも軸方向中間部側の部位24Aにより確実に食い込み、管体30の雄ねじ部30Bが締結されたナット20の雌ねじ部20B(
図3参照)の緩みを抑制することができる。なお、この継手の接続構造S52では、継手本体54に凹部56を設けることで、第2の接触領域42によるシール部の役割はなくなる。
【0053】
なお、第1及び第2実施形態では、継手本体の軸方向に沿った断面視にて、シート面(第2傾斜面)24に略U字状の溝部26が設けられているが、溝部の形状、位置及び大きさは第1及び第2実施形態の構成に限定されず、変更が可能である。
【0054】
また、第1及び第2実施形態では、継手の接続構造S2、S52に用いられる継手10が記載されているが、本発明は継手10に限定されるものではなく、継手の構成部品は変更可能である。
【0055】
また、第1及び第2実施形態では、継手本体の軸方向に対するシート面(第2傾斜面)24の角度、管体30のシート面34の角度は、約30度であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、継手本体の軸方向に対するシート面(第2傾斜面)の角度及び管体のシート面(第1傾斜面)の角度は、変更可能である。
【0056】
また、第2実施形態では、継手本体54の溝部26から窪み部22の縦壁部22Aに跨る位置に、軸方向に沿って3つの凹部56が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、凹部56の数及び大きさは変更可能である。