(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記残量がゼロまで減った時に、前記指針部が前記非目盛り部まで徐々に移動するように、前記制御部は、前記指針駆動本体部を制御することを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の車両用指針式残量計器。
前記残量がゼロまで減った時に、前記指針部が前記非目盛り部まで即座に移動するように、前記制御部は、前記指針駆動本体部を制御することを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の車両用指針式残量計器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、特許文献2等に開示される指針式計器で車両用指針式残量計器を構成する時に、本発明者らは、目盛りを把握し難い状況を認識した。具体的には、指針が残量の空を示す時に、言い換えれば、指針がゼロを表す目盛りを指す時に、運転者が指針の照明部の点灯がゼロでない残量を認識してしまう可能性がある。従って、指針が残量の空を示す時に、運転者が車両の運転を継続してしまう可能性がある。
【0006】
本発明の1つの目的は、残量がゼロ(空)であることを容易に認識可能な車両用指針式残量計器を提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
【0008】
第1の態様において、車両用指針式残量計器は、
残量を運転者に認識させるための目盛り部と前記目盛り部と異なる非目盛り部とを有する表示板と、
前記表示板の背後に配置される指針部と、
実空間内での前記指針部の移動を実施するための指針駆動本体部と、
前記残量に応じて前記指針部が前記目盛り部の計量領域を示すように、前記指針駆動本体部を制御する制御部と、
を備え、
前記残量がゼロまで減った時に、ゼロに対応する前記計量領域からゼロよりも大きい値に対応する前記計量領域の側と反対側に向かって、前記指針部が前記非目盛り部まで移動するように、前記制御部は、前記指針駆動本体部を制御する。
【0009】
第1の態様では、残量がゼロまで減った時に、指針部がゼロを示し続けるのではなく、指針部は、ゼロを更に下回る方向に移動する。これにより、残量が実際にはゼロである状態で、運転者は、残量がゼロでないと錯覚してしまうことを防ぐことができる。加えて、運転者は、残量がゼロ(空)であることを容易に認識することができる。
【0010】
第1の態様に従属する第2の態様において、
前記指針部は、照明部を形成する指針を含んでもよく、車両用指針式残量計器は、
前記照明部の光源部を
更に備えてもよい。
【0011】
第2の態様では、指針が照明部を形成するので、照明部(指針の明るい部分)がゼロを示す時に、運転者は、残量がゼロでないと錯覚する可能性がある。このような可能性を減少させるために、第2の態様では、照明部(指針の明るい部分)は、ゼロを更に下回る方向に移動することができる。
【0012】
第2の態様に従属する第3の態様において、
前記目盛り部は、前記照明部からの光を透過可能な透過部材を含んでもよく、
前記非目盛り部は、前記照明部からの光を遮蔽可能な遮蔽部材を含んでもよく、
前記残量がゼロまで減った時に、前記指針を前記運転者に認識させないように、前記指針は、前記透過部材の背後の配置位置から前記遮蔽部材の背後の配置位置まで移動してもよい。
【0013】
第3の態様では、残量がゼロまで減った時に、照明部(指針の明るい部分)は、遮蔽部材の背後の配置位置まで移動する。これにより、運転者は、照明部を認識することができず、従って、運転者の錯覚を回避することができる。
【0014】
第2又は第3の態様に従属する第4の態様において、
前記残量がゼロでない時に、前記照明部が点灯するように、前記制御部は、前記光源部を制御してもよく、
前記残量がゼロまで減った時に、前記照明部が消灯するように、前記制御部は、前記光源部を制御してもよい。
【0015】
第4の態様では、残量がゼロまで減った時に、照明部(指針の明るい部分)は、消灯する。運転者は、照明部を認識し難くなり、従って、運転者が錯覚してしまう可能性をより一層減少させることができる。
【0016】
第4の態様に従属する第5の態様において、
前記残量がゼロまで減った時に、前記指針部の移動が完了した後に、前記制御部は、前記照明部を消灯させてもよい。
【0017】
第5の態様では、残量がゼロになった瞬間に照明部(指針の明るい部分)が消灯するのではなく、照明部の移動の完了を待って、照明部は、消灯することができる。言い換えれば、運転者は、照明部の移動を認識してもよく、これにより、運転者は、残量がゼロであることをより一層容易に認識することができる。
【0018】
第3乃至第5の何れか1つの態様に従属する第6の態様において、
前記指針は、横長の指針本体と前記指針本体隣接する指針本体拡張部とを有してもよく、
前記指針本体及び前記指針本体拡張部は、前記照明部を形成してもよく、
前記残量がゼロまで減る直前に、前記指針本体及び前記指針本体拡張部は、前記運転者によって認識されてもよく、その後、前記残量がゼロまで減った時に、前記指針本体及び前記指針本体拡張部を前記運転者に認識させないように、前記指針部が前記非目盛り部まで移動してもよい。
【0019】
第6の態様では、指針は、指針本体だけでなく、指針本体拡張部を有し、残量がゼロまで減った時に、照明部(指針本体の明るい部分及び指針本体拡張部の明るい部分)は、ゼロを更に下回る方向に移動する。これにより、残量が実際にはゼロである状態で、運転者は、照明部を介して、残量がゼロでないと錯覚してしまうことを防ぐことができる。
【0020】
第2乃至第6の何れか1つの態様に従属する第7の態様において、
前記残量がゼロまで減った時に、前記指針部が前記非目盛り部まで徐々に移動するように、前記制御部は、前記指針駆動本体部を制御してもよい。
【0021】
第7の態様では、残量がゼロまで減った時に、指針部は、ゼロを更に下回る方向に徐々に移動することができる。
【0022】
第2乃至第6の何れか1つの態様に従属する第8の態様において、
前記残量がゼロまで減った時に、前記指針部が前記非目盛り部まで即座に移動するように、前記制御部は、前記指針駆動本体部を制御してもよい。
【0023】
第8の態様では、残量がゼロまで減った時に、指針部は、ゼロを更に下回る方向に即座に移動することができる。
【0024】
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0027】
図1(A)及び
図1(B)の各々は、本発明に従う車両用指針式残量計器の表示板及び指針部の具体的な構成例(正面図)を示す。
図1(A)において、表示板4は、目盛り部d0,d1,d2,d3,d4,d5,d6,d7,d8,d10,d11,d12,d13,d14を有し、その目盛り部d0〜d14は、車両に関する残量(例えば燃料残量、バッテリ残量等)の最大値と最小値との間を分割している。表示板4は、好ましくは、例えばゼロである残量値を表す残量値部f0及び満タンである残量値を表す残量値部f1を更に含み、目盛り部d0〜d14及び残量値部f0,f1は、表示板4の指標部を形成することができる。
【0028】
図1(A)において、指針部は、少なくとも指針を有し、指針は、例えば指針本体nb及び指針本体拡張部neを含み、指針の中心軸n0(回転軸)に設けられた基部ncを更に含んでいる。
図1(A)の指針本体nb及び指針本体拡張部neは、それぞれ、例えば細長い形状及び例えば扇状の形状を有している。
図1(A)の指針は、例えば特許文献2に開示される指針と同様の構成を有し、
図1(A)の指針は、表示板4の背後に配置されている。加えて、
図1(A)の指針は、例えば特許文献2に開示される指針と同様に、中心軸n0を基準として、例えば回転可能である。
【0029】
図1(A)において、指針本体nbは、例えば残量の最大値と最小値との間のほぼ中央値に対応する計量領域d6を示している。また、指針本体拡張部neは、計量領域d6よりも下側の例えば計量領域d5,d4,d3を示している。
【0030】
図1(B)の指針本体拡張部neの領域は、
図1(A)の指針本体拡張部neの領域よりも大きい。従って、指針本体nbが例えば計量領域d6を示す時に、
図1(B)の指針本体拡張部neは、例えば計量領域d5,d4,d3だけでなく、例えば計量領域d2,d1,d0も示すことができる。加えて、
図1(B)において、表示板4は、残量の種別(燃料)を表す意匠部diを更に含むことができる。
【0031】
図2は、本発明に従う車両用指針式残量計器の概略的な構成例(ブロック図)を示す。
図2に示されるように、車両用指針式残量計器10は、表示板4及び指針部3を備え、
図2の表示板4及び指針部3は、1例として、例えば
図1(A)又は
図1(B)の具体的な構成例を採用することができる。もちろん、
図2の表示板4及び指針部3は、例えば
図1(A)又は
図1(B)の構成例に限定されず、例えば、指針部3は、指針本体拡張部neを含まなくてもよく、表示板4は、残量値部f0,f1(及び意匠部di)を含まなくてもよい。或いは、表示板4は、より多くの計量領域又はより少ない計量領域で目盛り部を構成してもよい。
【0032】
図2において、車両用指針式残量計器10は、指針駆動本体部2及び制御部1を更に備えている。指針駆動本体部2は、例えば電動モータであり、制御部1は、例えばCAN等の車載ネットワークLANを介して、残量を表すデータ(例えば抵抗値)を入力し、そのデータから残量を算出し、算出された残量に応じて、電動モータ等の指針駆動本体部2を制御することができる。なお、制御部1は、残量センサと直接に接続されてもよく、言い換えれば、残量センサからの出力(例えば抵抗値)は、車載ネットワークLANを経由しないで、制御部1に入力されてもよい。
【0033】
例えば電動モータが残量に応じて回転することによって、例えば
図1(A)の指針本体nb及び指針本体拡張部neは、中心軸n0を基準として回転可能である。このように、電動モータ等の指針駆動本体部2は、実空間内での指針部3の移動を残量に応じて実施することができる。
【0034】
図1(A)又は
図1(B)において、指針本体nb及び指針本体拡張部neは、例えば特許文献2に開示される指針と同様に、例えばLED等の光源5−1からの光で、照明部(指針の明るい部分)を形成することができる。
図2において、制御部1は、指針本体nb及び指針本体拡張部neの照明部の照度又は輝度が所定値に到達する例えばLEDの電流値を算出又は決定し、その電流値だけの電流がLEDに流れるように、制御部1は、LEDドライバ等の光源駆動回路4−1を制御することができる。
図2の例えば反射面の光学系6−1は、光源5−1からの光を指針本体nb及び指針本体拡張部neに導くことができる。
【0035】
図1(A)又は
図1(B)において、表示板4の目盛り部d0〜d14は、光源5−1からの光から光学系6−1を介して指針本体nb及び指針本体拡張部neに導かれた光を透過可能な透過部材で構成され、目盛り部d0〜d14のうちの例えば計量領域d6,d5,d4,d3だけが明るい(
図1(A)の斜線領域参照)。同様に、目盛り部d0〜d14のうちの例えば計量領域d6,d5,d4,d3,d2,d1,d0だけが明るい(
図1(B)の斜線領域参照)。なお、
図1(B)の意匠部diは、例えば指針本体拡張部neに導かれた光を透過可能な透過部材で構成され、意匠部diも明るい(
図1(B)の斜線領域参照)。
【0036】
図1(A)又は
図1(B)において、表示板4の残量値部f0,f1は、
図2のもう1つの光源5−2からの光から光学系6−2(例えばLED)に導かれた光を透過可能な透過部材で構成され、残量値部f0,f1は、明るくなっている(
図1(A)又は
図1(B)の斜線領域参照)。
図2の制御部1は、残量値部f0,f1の照明部(もう1つの照明部)の照度又は輝度が所定値に到達する例えばLEDの電流値を算出又は決定し、その電流値だけの電流がLEDに流れるように、制御部1は、LEDドライバ等の光源駆動回路4−2を制御することができる。
【0037】
なお、
図2において、車両用指針式残量計器10は、例えば光源5−1及び/又は光源5−2を備えなくてもよい。言い換えれば、指針部3の指針の照明部及び/又は表示板4の残量値部f0,f1の照明部(もう1つの照明部)は、例えば蛍光インク等の蛍光部材で形成又は印刷されてもよい。
【0038】
図1(A)又は
図1(B)において、表示板4は、目盛り部d0〜d14及び残量値部f0,f1(及び意匠部di)以外の非目盛り部を有し、非目盛り部は、光を遮蔽可能な遮蔽部材で構成される。具体的には、表示板4の全体は、例えば透過部材で構成され、透過部材のうちの非目盛り部は、例えば黒色インク等の遮蔽部材で形成又は透過部材(表示板4)上に印刷されている。
【0039】
図3(A)及び
図3(B)は、
図1(A)の指針部3(指針本体nb)の動作説明図(正面図)を示し、
図3(C)、
図3(D)及び
図3(E)は、
図1(B)の指針部3(指針本体nb及び指針本体拡張部ne)の動作説明図(正面図)を示す。
図1(A)において、残量は例えば半分であるが、その残量を消費する時に、残量がゼロ(空)まで減ってしまう(
図3(A)参照)。この時に、指針本体nbが例えば計量領域d0を示している。
【0040】
ところで、例えば特許文献1の速度計器(指針式速度計器)は、法規によって常に速度を表示する必要があり、従って、車速がゼロまで下がった時に、その指針式速度計器は、ゼロであるその車速を運転者に認識させる必要がある。従来の指針式速度計器と同様に、
図3(A)の指針本体nbは、残量がゼロであることを表す計量領域d0を示し続けてもよい。
【0041】
しかしながら、車両用指針式残量計器10において、指針本体nbが計量領域d0を示し続ける時に、運転者が、計量領域d0を示す指針本体nbがゼロでない残量を認識してしまう可能性がある。特に、指針本体nbが照明部(指針の明るい部分)である時に、運転者は、照明部の点灯(計量領域d0の点灯)がゼロでない残量を認識してしまう可能性が高くなってしまう。本発明者らは、車両用指針式残量計器10の表示が法規によって制限されないことを認識し、従って、指針本体nbがゼロを更に下回る方向に移動するように、
図2の制御部1を改良した。
【0042】
具体的には、残量がゼロまで減った時に、ゼロ(残量値部f0)に対応する計量領域d0からゼロよりも大きい値に対応する計量領域d1の側と反対側に向かって(
図3(A)の矢印T0参照)、指針本体nbが非目盛り部4hまで移動するように、制御部1は、指針駆動本体部2を制御する(
図3(B)参照)。
図3(B)に示されるように、指針本体nbが非目盛り部4h(遮蔽部材)の背後に回転移動するので、指針本体nbが照明部(指針の明るい部分)である時に、計量領域d0が消灯し、従って、運転者は、残量がゼロ(空)であることを容易に認識することができる。
【0043】
図1(B)において、表示板4は、ゼロ(残量値部f0)に対応する計量領域d0の下側に、言い換えれば、ゼロ(残量値部f0)に対応する計量領域d0からゼロよりも大きい値に対応する計量領域d1の側と反対側に、残量の種別(燃料)を表す意匠部diを更に含むことができる。
図1(B)において、残量は例えば半分であるが、その残量を消費する時に、残量がゼロ(空)まで減ってしまう(
図3(C)参照)。この時に、指針本体nbが例えば計量領域d0を示している。指針本体拡張部neは、指針本体nbに隣接しているので、指針本体nb及び指針本体拡張部neが照明部(指針の明るい部分)である時に、計量領域d0が点灯するとともに、意匠部diも点灯している(
図3(C)の斜線領域参照)。
【0044】
残量がゼロまで減った時に、指針本体nbの点灯を介した計量領域d0の点灯によって、運転者は、計量領域d0を示す指針本体nbがゼロでない残量を認識してしまう可能性がある。従って、指針本体nbがゼロを更に下回る方向に移動するように、
図2の制御部1は、指針本体nbを制御することができる。具体的には、指針本体nb(及び指針本体拡張部ne)がゼロを下回り、且つ例えば意匠部diの下部を示す時に、計量領域d0が消灯するとともに、意匠部diの下部だけが点灯している(
図3(D)の斜線領域参照)。言い換えれば、指針本体nbが目盛り部d0,d1,・・・,d14以外の非目盛り部4hの背後に配置されるので、運転者は、残量がゼロ(空)であることを容易に認識することができる。
【0045】
しかしながら、意匠部diの一部が点灯しているので、制御部1は、針本体nbの制御を継続してもよく、具体的には、指針本体nb(及び指針本体拡張部ne)が目盛り部d0(ゼロ)及び意匠部diを下回るように、言い換えれば、目盛り部d0〜d14及びその下に位置する意匠部diが消灯するように、
図2の制御部1は、指針部3を制御することができる(
図3(E)の参照)。これにより、運転者は、残量がゼロ(空)であることをより一層容易に認識することができる。
【0046】
なお、
図3(B)又は
図3(E)において、
図2の制御部1は、指針本体nb(及び指針本体拡張部ne)の移動の完了を待って、その後に、光源部5−1を制御して、指針本体nb(及び指針本体拡張部ne)を消灯してもよい。代替的に、指針部3の移動が完了した後に、指針本体nb(及び指針本体拡張部ne)の点灯は、継続されてもよい。
【0047】
図3(B)又は
図3(E)において、
図2の制御部1は、例えば指針本体nb及び指針本体拡張部neを含む指針部3の移動の有無と無関係に、残量値部f0,f1の点灯は、継続している。しかしながら、指針部3の移動が完了した後に、残量値部f0,f1は、消灯してもよい。
【0048】
図4は、
図2の車両用指針式残量計器10の動作例(フローチャート図)を示す。車両の例えばイグニッションキー(図示せず)がOn(オン)される時に、車両用指針式残量計器10は、起動し、現在のモードが通常モードであるか否かを判定する(
図4のステップST01参照)。ここで、通常モードは、車両の燃料残量がゼロ(空)でない時のモードであり、通常モードにおいて、車両は、走行可能である。車両は、典型的には、例えばガソリン等の燃料を使用する内燃機関(ガソリンエンジン)を有しているが、車両は、走行用バッテリを使用する走行用電動モータを有するEV車両又はHEV車両であってもよい。
【0049】
イグニッションキー、パワーボタン(図示せず)等の操作によって、車両が起動する時に、典型的には、燃料残量、走行用バッテリ残量等の残量は、ゼロではなく、車両用指針式残量計器10の制御部1は、例えば残量フラグを「1」に設定することができる。残量フラグが「1」である時に、制御部1は、残量を表すデータを取り込む。車両が例えばガソリンエンジンを有する時に、ガソリン残量を表すデータは、典型的には、抵抗値であり、例えばガソリンが満タンである時に、抵抗値は、例えば48[Ω]を示す。一方、例えばガソリンが空である時に、抵抗値は、例えば760[Ω]を示す。制御部1は、残量を表すデータ(例えば抵抗値)から残量(現在の残量)を算出し(
図4のステップST02参照)、算出した残量に応じて指針部3の回転角度を決定し、その回転角度を実現するために、指針駆動本体部2(例えば指針用電動モータ)は、制御部1によって制御される(
図4のステップST03参照)。
【0050】
その後、制御部1は、算出した残量(現在の残量)がゼロであるか否かを判定し、残量がゼロになるまでステップST02〜ST04の実行を繰り返す。残量がゼロまで減った時に、制御部1は、例えば残量フラグを「0」に設定することができる(
図4のステップST05参照)。残量フラグが「0」である時に、通常モードは、ゼロモードに移行し、言い換えれば、指針部3は、残量に応じて移動するのではなく、ゼロモード(非通常モード)に従って移動する(
図4のステップST06参照)。
【0051】
図2の指針部3及び表示板4が例えば
図1(A)の指針本体nb及び目盛り部d0〜d14を採用する時に、
図4のステップST06において、制御部1は、計量領域d0を示す指針本体nbを例えば反時計回り方向(
図3(A)の矢印T0参照)に回転移動させ、これにより、指針本体nbの先端は、計量領域d0を示さないで、計量領域d0よりも下側の非目盛り部4hの領域まで移動する(
図3(B)参照)。
【0052】
図3(B)において、指針本体nbが計量領域d0の背後に配置されず、従って、計量領域d0は、消灯している。言い換えれば、
図3(B)において、運転者は、非目盛り部4hの背後に配置される指針本体nbを認識することができない。この時に、
図2の制御部1は、指針本体nbに対応する光源5−1を消灯しなくてもよく、即ち、例えばLEDに流れる電流をゼロに設定しなくてもよい。しかしながら、指針本体nbの照度又は輝度及び非目盛り部4hの遮蔽率又は透過率に依存して、運転者が非目盛り部4hの背後に配置される指針本体nbを認識する可能性がある。また、運転者の座高が高い時に、又は運転者が車両用指針式残量計器10を覗き込む時に、運転者が非目盛り部4hの背後に配置される指針本体nbを認識する可能性がある。このような状況において、
図2の制御部1は、光源5−1を消灯することができる(
図4のステップST06参照)。
【0053】
次に、
図2の指針部3及び表示板4が例えば
図1(B)の指針本体nb、目盛り部d0〜d14及び意匠部diを採用する時に、
図4のステップST06において、制御部1は、計量領域d0を示す指針本体nbを例えば反時計回り方向(
図3(C)及び
図3(D)の矢印T0参照)に回転移動させ、これにより、指針本体nbの先端は、計量領域d0及び意匠部diを示さないで、計量領域d0及び意匠部diよりも下側の非目盛り部4hの領域まで移動する(
図3(E)参照)。
【0054】
もちろん、
図3(B)と同様に、指針本体nbの先端は、計量領域d0よりも下側の非目盛り部4hの領域(計量領域d0と意匠部diとの間の領域)まで移動し、且つ指針本体拡張部neは、意匠部diを示し又は照らしてもよい(図示せず)。
【0055】
図3(E)において、運転者は、非目盛り部4hの背後に配置される指針本体nbを認識することができない。この時に、
図2の制御部1は、指針本体nbに対応する光源5−1を消灯しなくてもよい。しかしながら、指針本体nbの照度又は輝度及び非目盛り部4hの遮蔽率又は透過率に依存して、運転者が非目盛り部4hの背後に配置される指針本体nbを認識する可能性がある。また、運転者の座高が高い時に、又は運転者が車両用指針式残量計器10を覗き込む時に、運転者が非目盛り部4hの背後に配置される指針本体nbを認識する可能性がある。このような状況において、
図2の制御部1は、光源5−1を消灯することができる(
図4のステップST06参照)。
【0056】
指針本体nbの先端が計量領域d0から意匠部diよりも下側の非目盛り部4hの領域まで移動する時に、
図2の制御部1は、例えば指針本体nb及び指針本体拡張部neを含む指針部3を徐々に移動させてもよく、或いは、指針部3を即座に移動させてもよい。指針部3の移動が完了し、且つ光源5−1が消灯する時に、
図2の制御部1は、指針部3を徐々に移動させるとともに、光源5−1の光量又は電流値を徐々に減少させることができる(
図4のステップST06参照)。
【0057】
図4のステップST06において、指針部3の移動(及び光源5−1の制御)が完了した後、ステップST01において、現在のモードがゼロモードであるので、制御部1は、ステップST11〜ステップST12を繰り返し、例えばガソリンが給油されたか否かを判定することができる。具体的には、運転者は、給油のために車両の例えばイグニッションキーをOff(オフ)し、給油が完了した後に、イグニッションキーは、再びOnされる。その後、現在のモードがゼロモードであるので、制御部1は、残量(現在の残量)を算出し、算出した残量がゼロよりも多いか否かを判定することができる(ステップST11〜ステップST12)。給油が完了している時には、制御部1は、例えば残量フラグを「1」に設定することができる(
図4のステップST13参照)。
【0058】
残量フラグが「1」である時に、ゼロモードは、通常モードに移行し、言い換えれば、指針部3は、残量に応じて移動する(
図4のステップST03参照)。
【0059】
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。