特許第6498577号(P6498577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6498577
(24)【登録日】2019年3月22日
(45)【発行日】2019年4月10日
(54)【発明の名称】インバータ放熱装置及びインバータ
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20190401BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20190401BHJP
【FI】
   H02M7/48 Z
   H05K7/20 H
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-188301(P2015-188301)
(22)【出願日】2015年9月25日
(65)【公開番号】特開2016-73201(P2016-73201A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2015年9月25日
【審判番号】不服2017-11505(P2017-11505/J1)
【審判請求日】2017年8月2日
(31)【優先権主張番号】201410508020.X
(32)【優先日】2014年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515249628
【氏名又は名称】サングロー パワー サプライ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】ヨウ ルゥ
(72)【発明者】
【氏名】ジェ ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】ノンフェイ ワン
(72)【発明者】
【氏名】グォホン リー
【合議体】
【審判長】 酒井 朋広
【審判官】 國分 直樹
【審判官】 山澤 宏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0165566(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/172650(WO,A1)
【文献】 特開2013−26547(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3175870(JP,U)
【文献】 特開2011−188671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M7/42-7/98
H05K7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠心ファン、第1放熱器、第2放熱器、及び空気流路を含むインバータ放熱装置であって、
第1空気出口が前記空気流路の一端に配置されるとともに、第2空気出口が前記空気流路の他端に配置されており、
前記第1放熱器は、前記空気流路内に配置されるとともに、前記第1空気出口と連通しており、
前記第2放熱器は、前記空気流路内に配置されるとともに、前記第2空気出口と連通しており、
前記遠心ファンは、前記空気流路内に配置されるとともに、前記第1放熱器と前記第2放熱器との間に配置されており、
サイズが前記遠心ファンの開口に一致する空気入口が、前記空気流路上に配置されており、
第1開口部が前記空気流路に配置されており、前記インバータ放熱装置を備えるインバータの第1発熱要素が、前記第1開口部を介して前記第1放熱器に組み付けられており、
第2開口部が前記空気流路に配置されており、前記インバータ放熱装置を備えるインバータの第2発熱要素が、前記第2開口部を介して前記第2放熱器に組み付けられ
前記インバータ放熱装置は、さらに、第3空気出口及び第4空気出口を備え、
前記第3空気出口は、前記空気流路の第1側面に配置され且つ前記遠心ファンに対向し、
前記第4空気出口は、前記空気流路における前記第1側面の反対側の第2側面に配置され且つ前記遠心ファンに対向しているインバータ放熱装置。
【請求項2】
前記空気流路は、空気流路背板及びU字状溝を備えており、前記空気流路背板は、前記U字状溝に組み付けられている請求項1に記載のインバータ放熱装置。
【請求項3】
前記第1放熱器及び前記第2放熱器は、前記空気流路背板上の異なる部位に固定的に組み付けられており、
前記遠心ファンは、前記U字状溝に固定的に組み付けられている請求項2に記載のインバータ放熱装置。
【請求項4】
第1発熱要素と、第2発熱要素と、請求項1〜の何れか一項に記載のインバータ放熱装置とを備えるインバータであって、
前記第1発熱要素は、前記インバータ放熱装置の前記空気流路に配置された前記第1開口部を介して、前記インバータ放熱装置の前記第1放熱器に組み付けられており、
前記第2発熱要素は、前記インバータ放熱装置の前記空気流路に配置された前記第2開口部を介して、前記インバータ放熱装置の前記第2放熱器に組み付けられているインバータ。
【請求項5】
前記第1発熱要素は、前記インバータ放熱装置の前記空気流路に配置された前記第1開口部を介して第1放熱基板に組み付けられており、前記第1放熱基板は前記第1放熱器の放熱基板であり、
前記第2発熱要素は、前記インバータ放熱装置の前記空気流路に配置された前記第2開口部を介して第2放熱基板に組み付けられており、前記第2放熱基板は前記第2放熱器の放熱基板である請求項に記載のインバータ。
【請求項6】
熱伝導シリコーンが、前記第1発熱要素と前記第1放熱基板との接触面にコーティングされており、
熱伝導シリコーンが、前記第2発熱要素と前記第2放熱基板との接触面にコーティングされている請求項に記載のインバータ。
【請求項7】
さらに、第3発熱要素及び第4発熱要素を備え、
前記第3発熱要素は、前記インバータ放熱装置の前記第3空気出口の上方に配置されており、
前記第4発熱要素は、前記インバータ放熱装置の前記第4空気出口の下方に配置されており、
前記第3空気出口は、前記空気流路の前記第1側面の前記遠心ファンに対応する位置に配置され、
前記第4空気出口は、前記空気流路における前記第1側面の反対側の第2側面の前記遠心ファンに対応する位置に配置されている請求項に記載のインバータ。
【請求項8】
さらに、前記第3発熱要素に対向する通気孔の第1列と、
前記第4発熱要素に対向する通気孔の第2列と、
を備える請求項に記載のインバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータの技術分野に関し、特にインバータ放熱装置及びインバータに関する。
【背景技術】
【0002】
空冷インバータは、一般に、図1に示すように、一端に空気入口及び他端に空気出口を有する単方向の直線的な空気流路を介して放熱する。軸流ファンは、空気流路の空気入口に配置されている。低温空気は、軸流ファンにより空気流路内に送風され、熱交換を行うために第一放熱器及び第二放熱器を通って流れる。熱交換の後、高温空気は、空気流路の空気出口を通って流出し、それによって「引き込み空冷」を実現する。具体的には、「吸い込み空冷」を実現するために、軸流ファンは空気流路の空気出口に配置される可能性がある。
【0003】
少なくとも2つの放熱器は単方向の直線的な空気流路内に設けられているので、単方向の直線的な空気流路(空気入口から空気出口までの距離)の長さが長く、それは単方向の直線的な空気流路の間に大きな圧力損失をもたらすとともに、ファンに大きな負荷をもたらし、それによってファンの耐用年数が減少する。
【0004】
単方向の直線的な空気流路内の放熱器は、空気流れ方向における上流側及び下流側に配置されている。上流側放熱器を流れる空気は低温空気であり、下流側放熱器を流れる空気の大部分は上流側放熱器から排出される高温空気である。このように、下流側放熱器は十分に放熱しない。高温空気が連続的に下流側放熱器を流れると、下流側放熱器の放熱効果はますます悪化し、下流側放熱器自体の温度はますます高くなり、それによって下流側放熱器と上流側放熱器との間に大きな温度差が生じ、放熱器を含むインバータの性能を低下させる。
【発明の概要】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、インバータ放熱装置及びインバータは、遠心ファンの耐用年数を延長するため、放熱器(ヒートラジエータ)を流れる高温空気流れに起因する放熱器の悪い放熱効果の問題を解決するため、及び放熱器を含むインバータの性能を向上させるための本開示の実施形態によって、提供される。
【0006】
遠心ファン、第1放熱器、第1放熱器、及び空気流路を含むインバータ放熱装置であって、第1空気出口が前記空気流路の一端に配置されるとともに、第2空気出口が前記空気流路の他端に配置されており、前記第1放熱器は、前記空気流路内に配置されるとともに、前記第1空気出口と連通しており、前記第2放熱器は、前記空気流路内に配置されるとともに、前記第2空気出口と連通しており、前記遠心ファンは、前記空気流路内に配置されるとともに、前記第1放熱器と前記第2放熱器との間に配置されており、空気入口が前記空気流路上の前記遠心ファンに対応する位置に配置されており、第1開口部が前記空気流路に配置されており、前記インバータ放熱装置を備えるインバータの第1発熱要素(第1発熱体)が、前記第1開口部を介して前記第1放熱器に組み付けられており、第2開口部が前記空気流路に配置されており、前記インバータ放熱装置を備えるインバータの第2発熱要素(第2発熱体)が、前記第2開口部を介して前記第2放熱器に組み付けられているインバータ放熱装置、が提供される。
【0007】
好ましくは、前記空気流路は、空気流路背板及びU字状溝を含んでいてもよく、前記空気流路背板は、前記U字状溝に組み付けられていてもよい。
【0008】
好ましくは、前記第1放熱器及び前記第2放熱器は、前記空気流路背板上の異なる部位に固定的に組み付けられていてもよく、前記遠心ファンは、前記U字状溝に固定的に組み付けられていてもよい。
【0009】
好ましくは、インバータ放熱装置は、第3空気出口及び第4空気出口を含んでいてもよく、前記第3空気出口は、前記空気流路の第1側面の前記遠心ファンに対応する位置に配置され、前記第4空気出口は、前記空気流路における前記第1側面の反対側の第2側面の前記遠心ファンに対応する位置に配置されてもよい。
【0010】
第1発熱要素と、第2発熱要素と、上記のインバータ放熱装置とを含むインバータであって、
前記第1発熱要素は、前記インバータ放熱装置の前記空気流路に配置された前記第1開口部を介して、前記インバータ放熱装置の前記第1放熱器に組み付けられており、
前記第2発熱要素は、前記インバータ放熱装置の前記空気流路に配置された前記第2開口部を介して、前記インバータ放熱装置の前記第2放熱器に組み付けられているインバータが提供される。
【0011】
好ましくは、前記第1発熱要素は、前記インバータ放熱装置の前記空気流路に配置された前記第1開口部を介して第1放熱基板に組み付けられていてもよく、前記第1放熱基板は前記第1放熱器の放熱基板であってもよく、
前記第2発熱要素は、前記インバータ放熱装置の前記空気流路に配置された前記第2開口部を介して第2放熱基板に組み付けられていてもよく、前記第2放熱基板は前記第2放熱器の放熱基板であってもよい。
【0012】
好ましくは、熱伝導シリコーンが、前記第1発熱要素と前記第1放熱基板との接触面にコーティングされていてもよく、
熱伝導シリコーンが、前記第2発熱要素と前記第2放熱基板との接触面にコーティングされていてもよい。
【0013】
好ましくは、インバータは、さらに、第3発熱要素(第3発熱体)及び第4発熱要素(第4発熱体)を含んでいてもよく、
前記第3発熱要素は、前記インバータ放熱装置の前記第3空気出口の上方に配置されていてもよく、
前記第4発熱要素は、前記インバータ放熱装置の前記第4空気出口の下方に配置されていてもよい。
【0014】
好ましくは、インバータは、さらに、前記第3発熱要素に対向する通気孔の第1列と、
前記第4発熱要素に対向する通気孔の第2列とを含んでいてもよい。
【0015】
従来技術と比較して、本開示は、以下の有利な効果を有している。
【0016】
本開示では、遠心ファンは2つの放熱器の間に配置され、第1放熱器は第1空気出口と連通しており、第2放熱器は第2空気出口と連通しており、そして、空気が空気流路の中央部に吸い込まれ、空気流路の両端から流出される。従って、空気流路の長さ(すなわち、空気入口から空気出口までの距離)が短くなる、そして、空気が空気流路の2つの空気出口を同時に通って流れるため、空気流路の幅が増大し、これにより、空気流路の圧力損失を低減し、遠心ファンの負荷を軽減し、遠心ファンの耐用年数を延長する。
【0017】
空気は、空気流路の中央部に吸い込まれ、空気流路の両端から流出しているので、空気流路内の2つの放熱器のそれぞれを通って流れる空気は低温空気であり、放熱器を流れる高温空気に起因する放熱器の悪い放熱効果の問題が解決される。放熱器自体の温度が高すぎる問題、及び、空気流路内の放熱器を継続的に流れる高温空気に起因してますます悪化する放熱効果の問題は、解決され、従って空気流路内の2つの放熱器の温度差はあまり重要ではなく、これにより放熱器を含むインバータの性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
実施形態の説明に用いられる添付の図面は、次のように簡単に説明され、そのため、本開示の実施形態による技術的解決手段は明らかになるであろう。以下の説明における添付の図面は、単に本開示のいくつかの実施形態を例示することは明白である。当業者にとって、他の図面は、いかなる創作的な活動なしに、これらの添付図面に従って得ることができるだろう。
【0019】
図1図1は、従来技術に係る単方向の直線的な空気流路の概略構成図である。
図2図2は、本開示に係るインバータ放熱装置の概略構成図である。
図3図3は、本開示に係るインバータ放熱装置の別の概略構成図である。
図4図4は、本開示に係るインバータ放熱装置のさらに別の概略構成図である。
図5図5は、本開示に係るインバータの概略断面図である。
図6図6は、本開示に係るインバータの概略構成図である。
図7図7は、本開示に係るインバータの別の概略構成図です。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施形態による技術的解決手段は、添付の図面と併せて以下のように明確かつ完全に説明されるだろう。明白に、記載された実施形態は、本発明に係る実施形態の全てではなくほんの一部である。本発明における実施の形態に基づいて、任意の創作的活動なく当業者によって得られる他の実施形態は、本発明の保護の範囲内に含まれる。
【0021】
第1実施形態
【0022】
本開示に係るインバータ放熱装置の概略構成図を示す図2が参照される。インバータ放熱装置は、遠心ファン11、第1放熱器12、第2放熱器13、及び空気流路14を含んでいる。
【0023】
第1空気出口141が空気流路14の一端に配置され、第2空気出口142が空気流路14の他端に配置されている。
【0024】
第1放熱器12は、空気流路14内に配置され、第1空気出口141と連通している。
【0025】
第2放熱器13は、空気流路14内に配置され、第2空気出口142と連通している。
【0026】
遠心ファン11は、空気流路14内に配置されるとともに、第1放熱器12と第2放熱器13との間に配置されている。
【0027】
サイズが遠心ファン11の開口と一致する空気入口143が、空気流路14に配置されている。
【0028】
第1開口部が空気流路14に配置されており、インバータ放熱装置を含むインバータの第1発熱要素が、第1開口部を介して第1放熱器12に組み付けられている。
【0029】
第2開口部が空気流路14に配置されており、インバータ放熱装置を含むインバータの第2発熱要素が、第2開口部を介して第2放熱器13に組み付けられている。
【0030】
一実施形態では、遠心ファン11は、空気流路14内に配置されるとともに、第1放熱器12と第2放熱器13との間に配置されている。第1放熱器12は、空気流路14の一端に配置され、第2放熱器13は、空気流路14の他端に配置されている。遠心ファン11によって空気流路14内に引き込まれた後、低温空気は、第1放熱器12及び第2放熱器13をそれぞれ通って左右に流れ、次いで、空気出口141及び空気出口142を介して空気流路から流出する。
【0031】
本開示では、遠心ファンは2つの放熱器の間に配置され、第1放熱器は第1空気出口と連通しており、第2放熱器は第2空気出口と連通している、そして、空気が空気流路の中央部に吸い込まれ、空気流路の両端から流出する。従って、空気流路の長さ(すなわち、空気入口から空気出口までの距離)が短くなる、そして、空気が空気流路の2つの空気出口を同時に通って流れるため、空気流路の幅が増大し、これにより、空気流路の圧力損失を低減し、遠心ファンの負荷を軽減し、遠心ファンの耐用年数を延長する。
【0032】
空気は、空気流路の中央部に吸い込まれ、空気流路の両端から流出しているので、空気流路内の2つの放熱器のそれぞれを通って流れる空気は低温空気であり、放熱器を流れる高温空気に起因する放熱器の悪い放熱効果の問題が解決される。放熱器自体の温度が高すぎる問題、及び、空気流路内の放熱器を継続的に流れる高温空気に起因してますます悪化する放熱効果の問題は、解決される、従って空気流路内の2つの放熱器の温度差はあまり重要ではなく、これにより放熱器を含むインバータの性能を向上させることができる。
【0033】
さらに、本発明に係るインバータ放熱装置では、空気流路の圧力損失が低減され、遠心ファン11の構成への要求が低減され、従ってコストパフォーマンスのより良い遠心ファン11を選択することができ、これにより遠心ファン11のコストを低減することができる。
【0034】
一実施形態では、空気流路14は、空気流路背板144とU字状溝145とを含んでいる。
【0035】
空気流路背板144は、U字状溝145に組み付けられている。
【0036】
空気流路14が空気流路背板144及びU字状溝145で構成されている場合、遠心ファン11、第1放熱器12、及び第2放熱器13は、図2に示すインバータ放熱装置において、次のように配置されている。
【0037】
図3に示すように、第1放熱器12及び第2放熱器13は、空気流路背板144上の異なる部位に固定的に組み付けられており、遠心ファン11は、U字状溝145に固定的に組み付けられている。
【0038】
一実施形態では、図4に示すように、インバータ放熱装置は、さらに、第3空気出口15と第4空気出口16とを含んでいる。
【0039】
第3空気出口15は、空気流路14の第1側面に配置される。
【0040】
第4空気出口16は、空気流路14における第1側面の反対側の第2側面に配置される。
【0041】
インバータ放熱装置がインバータに組み付けられている場合、第3空気出口15及び第4空気出口16は、第1発熱要素及び第2発熱要素以外の発熱要素(発熱体)をブローして(空気流で)冷却するように構成されている。
【0042】
第2実施形態
【0043】
本発明の実施の形態では、インバータが設けられている。本開示に係るインバータの概略断面図を示す図5が参照される。インバータは、第1発熱要素51、第2発熱要素52、及びインバータ放熱装置53を含んでいる。
【0044】
インバータ放熱装置53は、ここでは説明されていないが、第1実施形態で説明したインバータ放熱装置である。
【0045】
第1発熱要素51は、インバータ放熱装置53の空気流路14に配置された第1開口部を介して、インバータ放熱装置53の第1放熱器12に組み付けられている。
【0046】
第2発熱要素52は、インバータ放熱装置53の空気流路14に配置された第2開口部を介して、インバータ放熱装置53の第2放熱器13に組み付けられている。
【0047】
一実施形態では、第1発熱要素51は、インバータ放熱装置53の空気流路14に配置された第1開口部を介して第1放熱基板に組み付けられており、そして第1放熱基板は、第1放熱器12の放熱基板である。
【0048】
第2発熱要素52は、インバータ放熱装置53の空気流路14に配置された第2開口部を介して第2放熱基板に組み付けられており、そして第2放熱基板は、第2放熱器13の放熱基板である。
【0049】
さらに、熱伝導シリコーンが、第1発熱要素51と第1放熱基板との接触面にコーティングされており、そして熱伝導シリコーンが、第2発熱要素52と第2放熱基板との接触面にコーティングされている。
【0050】
一実施形態では、図6又は図7に示すように、インバータの前後ボックス仕切23が空気流路背板144としての機能を果たしてもよい。
【0051】
インバータの前後ボックス仕切23が空気流路背板144としての機能を果たす場合、図2に示されているインバータ放熱装置における遠心ファン11、第1放熱器12、及び第2放熱器13は、次のように配置される。
【0052】
第1放熱器12及び第2放熱器13は、前後ボックス仕切23上の異なる部位に固定的に組み付けられており、遠心ファン11は、U字状溝145に固定的に組み付けられている。
【0053】
第1放熱器12は、前後ボックス仕切23に取り付けられるとともにシールされており、そして第2放熱器13は、前後ボックス仕切23に取り付けられるとともにシールされており、これにより、フロントボックスが高いIP等級(IP65より高いか等しい)でのシール性能を有することを確実にする。
【0054】
一実施形態では、第1放熱器12に第1発熱要素51を組み付けるとともに、第2放熱器13に第2発熱要素52を組み付けるため、それぞれのサイズの開口部が前後ボックス仕切23に配置されている。
【0055】
第1発熱要素51及び第2発熱要素52は、フロントボックス21内に配置されており、インバータ放熱装置53は、バックボックス22内に配置されている。
【0056】
バックボックス22は開放箱であり、インバータ放熱装置53以外の素子及び部材、例えばインダクタ、変圧器、ファン及びペグボード等の電気的な素子及び部材が、バックボックス22に配置されていてもよい。このようなインダクタや変圧器などの電気素子は、大気環境に露出させるためのIP等級の要件を満たすように、他の方法で充填し、密封し又は処理する必要があることに留意する。
【0057】
図7に示すように、本発明に係るインバータは、第3発熱要素71及び第4発熱要素72を含むことができる。
【0058】
第3発熱要素71は、インバータ放熱装置における第3空気出口15の上方に配置されている。
【0059】
第4発熱要素72は、インバータ放熱装置における第4空気出口16の下方に配置されている。
【0060】
第3発熱要素71の数が1以上であってもよい。
【0061】
第4発熱要素72の数が1以上であってもよい。
【0062】
従って、インバータは、第3発熱要素71に対向する通気孔73の第1列と、第4発熱要素に対向する通気孔74の第2列とをさらに含んでいてもよい。
【0063】
第3発熱要素71及び第4発熱要素72は、放熱器なしで、その表面を介して放熱する。第3発熱要素71は、熱風を排出して、第3空気出口15を介して放熱し、また第4発熱要素72は、熱風を排出して、第4空気出口16を介して放熱する。第3発熱要素71の放熱により発生した熱風は、通気孔73の第1列を介して外部の大気環境に排出され、また第4発熱要素72の放熱により発生した熱風は、通気孔74の第2列を介して外部の大気環境に排出される。
【0064】
本明細書において、実施形態は、進歩的な方法で記載されていることに留意すべきである。各実施形態は、主に、他の実施形態の態様の違いに着目し、これらの実施形態の中で同様の部分を参照することができる。実施形態に開示された装置は、実施形態に開示された方法に対応し、比較的簡単に説明されている。当該装置の詳細については、当該方法の関連する説明を参照することができる。
【0065】
最後に、例えば、「第1」、「第2」等のような関係の用語は、実際の関係や順序が構成要素又は操作の間に存在することを必要とする又は示唆するのではなく、別の構成要素又は操作を区別するためだけに本明細書中で使用されていることを、さらに留意すべきである。さらに、「含む」、「備える」の用語又は他のいかなる変形は、非排他的であることが意図されている。したがって、複数の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、当該要素だけでなく、列挙されていない他の要素をも含んでいる、又は、プロセス、方法、物品又は装置の固有の要素をも含んでいる。明示的に限定されない限り、「〜を含む(備える)」という文は、他の同様の要素がプロセス、方法、物品又は装置に存在する可能性がある場合を排除するものではない。
【0066】
本発明に係るインバータ放熱装置及びインバータは、上記に詳細に説明されている。原理及び手段は、本明細書の特定の実施形態を使用して明らかにされている。実施形態の上記説明は、本開示の方法及びそれらの重要な概念を理解するのを助けることのみを意図している。また、変更は、本開示の概念に基づいて、当業者によって、特定の実施形態及び適用範囲に対して行うことができる。要約すると、明細書は、本開示に限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7