(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今日、断熱性を備えた壁や床は、種々の板状構造体等により容易に組み立てや構築が行えるようになっているも、冷熱や温熱を放出する温度調整可能とされた壁や床は施工が困難となることが多かった。
【0006】
また、壁や床による冷房を行う場合、壁面等に結露が生じることがあり、この結露対策も温度調整可能な壁面等の施工を困難とする要因でもあった。
【0007】
本発明は、この様な欠点を排し、施工が容易であって、暑さを和らげて自然な涼しさを感じさせる、又は、寒さを和らげて暖かさを感じさせることができる、石の表面とした壁や床などを構築することを容易に可能とした平板状の積層構造体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る石張り構造体は、断熱材による断熱材層と板状のパネル受下地とを一体とし、前記パネル受下地
とする建材用合板に冷温熱媒配管を有する放熱パネルを張り付け、
前記放熱パネルは、前記冷温熱媒配管として外径が10mm程度の合成樹脂チューブを埋設した厚さを15mm程度とするゴムチップのパネルであり、前記放熱パネル
の前記冷温熱媒配管を埋設した面に
厚さ15〜20mmの大谷石の石板が張り付けられることにより、表面に前記石板を有する積層体とされるものである。
【0009】
そして、前記パネル受下地と
した建材用合板
は、厚さを9〜15mmとすることがある。
【0010】
また、前記
断熱材層の厚さは30mm乃至60mmとすることがある。
【0012】
そして、前記断熱材層の一方の面に、前記パネル受下地、前記放熱パネル、前記石板を有し、前記断熱材層の他方の面に仕上げ材を有するようにすることがある。
【0013】
更に、前記仕上げ材としては、化粧合板を用いることがある。
【0014】
また、前記断熱材層の両面に、夫々前記パネル受下地、前記放熱パネル、前記石板を有することがある。
【0015】
そして、前記断熱材層は、軸組材の間隙にウレタンフォーム又は発泡ポリスチレンを充填して形成されることがある。
【0016】
また、前記断熱材層は、根太材の間隙にウレタンフォーム又は発泡ポリスチレンを充填して形成されることがある。
【0017】
更に、前記石板の上に床仕上げ用束又は根太を有し、更に床仕上げ用下地材及び表面仕上げ材を設けることがある。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る石張り構造体は、表面を
厚さが15〜20mmの大谷石の石板と
し、断熱材層とパネル受下地と
厚さが15mm程度の放熱パネルと石板とによる積層構造とされるものであるから、放熱パネルの
外径を10mm程度とした冷温熱媒配管に低温の冷媒や温暖な熱媒を流すことにより、表面の石板から冷熱や温熱を放出させることができ、
一般的な建材、木材、硝子、金属板、コンクリート材などでは冷熱を流した場合には通常の室内環境では表面に結露が生じるが、表面を
大谷石の石板とすることにより、冷熱の放出時に構造体表面に結露が生じることを防止できる。
【0019】
また、パネル受下地として建材用合板を用いることにより、表面の石板と合わせて当該構造体の平板形状を容易に維持させることができる。
【0020】
そして、放熱パネルとして合成樹脂チューブを埋設した
厚さが15mm程度とされるゴムチップのパネルとすることにより、所定の形状とした
外径が10mm程度の冷温熱媒配管を全面に配設した放熱パネルを容易に形成して、所定の大きさ及び形状を有する構造体とすることができる。
【0022】
そして、断熱材層の一方の面に、パネル受下地、放熱パネル、石板を有し、他方の面に仕上げ材を有する構造体は、表面から冷熱や温熱を放出しつつ、裏面は断熱層により断熱し、且つ、仕上げ材により美麗な板状体とすることができる。
【0023】
更に、仕上げ材としては、化粧合板を用いれば、容易且つ確実に美麗な裏面とすることができる。
【0024】
また、断熱材層の両面に、パネル受下地、放熱パネル、石板を有する構造体は、表裏両面から冷熱や温熱を放出させることができる。
【0025】
そして、断熱材層を軸組材の間隙にウレタンフォーム又は発泡ポリスチレンを充填して形成するものとすれば、軸組材により強固な構造体として容易に建物などの壁面を形成することができる。
【0026】
また、断熱材層を根太材の間隙にウレタンフォーム又は発泡ポリスチレンを充填して形成するものとすれば、根太材により構造体を支持して容易に建物などの床面を形成することができる。
【0027】
更に、床仕上げ用束又は根太を用いて表面仕上げ材を備える構造体とすれば、設置場所に合わせた適宜の床表面を容易に形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係る石張り構造体は、石板を表面に備えて主に建物の壁や床を形成する積層構造体であって、熱媒を循環させる冷温熱媒配管を内蔵するものである。
【0030】
この石張り構造体は、内蔵する冷温熱媒配管に7℃乃至18℃程度の地下水や適宜の冷水(ブライン)を流し、表面の石板を10℃程度として輻射熱等により涼しさを感じさせ、また、25℃乃至40℃程度の温水(ブライン)を流し、表面の石板を二十数℃乃至三十℃程度として輻射熱等により温かさを感じさせるものである。
【0031】
この涼しさや温かさは、石板からの輻射熱や石板に触れることによる直接的な熱伝導等により感じさせることができるものであり、自然な感覚に近い涼しさや温かさを、石壁の近くで又は石床の上で感じさせることができることになるものである。
【0032】
例えば、
図1に示す様に、奥壁61と右側壁63及び左側壁65とする壁面体11による高さが約2.5m、奥行き及び幅を約2mとする体感空間モデル60を構築し、十数℃の冷水を冷熱媒配管に流したとき、気温が30℃前後の暑さであっても、右側壁63及び左側壁65の間に入ると、奥壁61や右側壁63及び左側壁65とした石壁からの冷気により、洞窟に入った時の感覚に似た涼しさを感じることができる。
【0033】
尚、奥壁61の上端面や右側壁63及び左側壁65の上端面、前端面等の端面部は、金属板製の端部保護カバー69を取り付けて壁面体11の端面を保護しているものである。
【0034】
また、奥壁61の下部に設けた座椅子ブロック67は、後述するベンチ90と略同様のものであり、座ると大腿部等に冷たさを感じ、涼しさを一層感じさせることができるものである。
【0035】
この奥壁61と右側壁63及び左側壁65とする壁面体11を構成する石張り構造体10は、断熱材層と板状のパネル受下地である建材用合板と、ゴムチップによる放熱パネルと、による積層板に石板41を張り付けたものであり、ゴムチップパネルの放熱パネルには樹脂ホース等のチューブを埋設して石板41の裏面側に冷温熱媒配管として配設しているものである。
【0036】
尚、この体感空間モデル60を形成する石張り構造体10は、剛性を有する板状体であるパネル受下地と表面の石板41とにより壁面を維持する強度を持たせているも、建屋の壁面又は壁面の一部に石の壁面を形成する場合、
図2に示す様に、建屋の軸組材23を利用して断熱材層21を形成して壁面体11の剛性を確保することもできるものである。
【0037】
即ち、この建屋の壁面体11を構築する場合の石張り構造体10としては、建屋の軸組材23の間隙にウレタンフォームを充填するようにして断熱材層21を形成し、この軸組材23を含む断熱材層21の一方の面に耐水性合板などの合板をパネル受下地31として軸組材23に固定することにより断熱材層21とパネル受下地31とを一体とし、このパネル受下地31とした合板にゴムチップパネルを放熱パネル35として張り付け、ゴムチップパネルの表面には蛇行させた溝をゴムチップパネルの全面に亘って形成し、冷温熱媒配管37とするポリエチレンチューブを蛇行溝に埋設し、このポリエチレンチューブの冷温熱媒配管37と接するように石板41をゴムチップパネルに張り付けるものである。
【0038】
尚、断熱材層21の他方の面には、建屋の壁とする適宜の仕上げ材45を軸組材23に取り付けるものである。
【0039】
また、
図3に示す様に、軸組材23の間隙にウレタンフォームを充填した断熱材層21の両面にパネル受下地31としての合板を取り付け、このパネル受下地31の外表面に冷温熱媒配管37としてのポリエチレンチューブを埋設するゴムチップの放熱パネル35を張り付け、更に石板41を張り付けるようにして両面が石板41による石面とされた壁面体11とすることもある。
【0040】
尚、断熱材としては、ウレタンフォームに限るものでなく、押し出し発泡ポリスチレンボードなどの発泡ポリスチレンやグラスウール等を用い、軸組材23の太さに合わせた厚み、又は30mm乃至60mm程度の適宜の厚みとし、断熱材により一定の厚みを有する平面状の断熱材層21を形成しているものである。
【0041】
また、パネル受下地31とする合板は、厚さが9〜15mm、幅が900〜910mm、長さが1800〜1820mmの建材用合板の複数枚を突き合わせるように並べて壁面体11の基礎を形成するものである。
【0042】
そして、放熱パネル35は、厚さを15mm程度とする適宜の大きさのゴムチップパネルを突き合わせて所要の壁面とした壁面体11の全面に張り付け、この放熱パネル35の全面に亘って略均等に蛇行する深さ及び幅を10mm程度とする溝を形成し、この溝に外径が10mm程度のポリエチレンチューブ等の樹脂製ホースやチューブを冷温熱媒配管37として埋め込むことにより、放熱パネル35の表面に冷温熱媒配管37を埋設するものである。
【0043】
また、石板41は凝灰石である大谷石の石板41であって、厚さが15〜20mmの石板41の所要枚数を用い、冷温熱媒配管37としたポリエチレンチューブを石板41によりゴムチップパネルの溝に押し込むようにして、冷温熱媒配管37に石板41の裏面を接触させつつゴムチップパネルの全面に石板41を張り付け、壁面体11の表面に石材を配置するようにした積層体としているものである。
【0044】
この様に、パネル受下地31とする建材用合板の一方の面に断熱材による断熱材層21を形成し、他方の面には冷温熱媒配管37を備える放熱パネル35を張り付け、この放熱パネル35の表面に石板41を張り付けた石張り構造体10は、容易に石壁を構築することができ、石板41及び放熱パネル35の裏側に断熱材層21を備える故、冷温熱媒配管37を循環させる冷熱媒又は温熱媒の熱を効率良く石板41から放出させることができる。
【0045】
そして、当該石張り構造体10の表面に張り付ける凝灰石は、冷温熱媒配管37に低温の熱媒を循環させて冷房を行うに際し、石張り構造体10の表面に結露が生じ難く、結露対策を必要とすることなく冷熱や温熱を放出する壁面とすることができるものである。
【0046】
更に、大谷石は、石壁等に多く使用される凝灰石であって、構築物への加工が容易であり、見慣れた壁面体11や床面体13とすることができ、自然な涼しさや温かさを近くで感じさせることができるものである。
【0047】
また、放熱パネル35は、厚さを15mm程度としたゴムチップパネルを用いているため、幅及び深さを10mm程度とする溝を容易に放熱パネル35の全面に形成することができ、冷温熱媒配管37としてポリエチレンチューブ等の樹脂ホースやチューブを用いるため、蛇行させた溝に合わせてこの溝に容易に嵌め込んで石張り構造体10の内部において石張り構造体10の全面に冷温熱媒配管37を配設することが容易に可能となるものである。
【0048】
尚、放熱パネル35の表面に石板41を張り付けるに際し、放熱パネル35の表面にメタルラス等のラスを張り付けてから石板41を張り付けることもある。
【0049】
そして、この石張り構造体10により床面を構築して床面体13とするときは、
図4に示す様に、根太材25の間隙にウレタンフォーム等を充填して断熱材層21を形成し、断熱材層21の上にパネル受下地31とする合板を施設して固定し、放熱パネル35とするゴムチップパネルを張り、冷温熱媒配管37を配設して石板41を敷詰めて石畳の床面体13とするものである。
【0050】
尚、断熱材層21の下面は、現場に合わせて適宜の仕上げ材45を張り付けるものである。
【0051】
また、断熱材層21は、根太材25の間隙に充填して形成する場合に限るものでなく、在来の床面の上に、又は基礎コンクリート等の上に、ウレタンフォームや発泡ポリスチレンボード等の断熱材を敷詰めて断熱材層21とし、この断熱材層21の上にパネル受下地31、放熱パネル35、石板41を配置して石畳床の床面体13とすることもある。
【0052】
更に、
図5に示す様に、断熱材層21の下面は仕上げ材45とし、断熱材層21、パネル受下地31、放熱パネル35、石板41による石張り構造体10の上面に、床仕上げ用束51又は床仕上げ用根太を組み、床仕上げ用下地材53及び表面仕上げ板55を敷詰めた床面を構築し、現場に合わせた適宜の床表面に仕上げることもある。
【0053】
また、
図6に示す様に、石張り構造体10による床面体13の上にすのこ57を敷いて石張り構造体10による床の表面を保護するようにすることもある。
【0054】
そして、この様な壁面体11や床面体13を形成する石張り構造体10は、住居等の建屋内の閉鎖的空間に近い空間を形成する壁や床を構築する場合に限るものでなく、比較的開放的空間とされる公会堂や病院、ホテル、駅舎などのロビーやホールの壁面、柱壁、又は床、更には解放空間である公園における壁や石畳を構築する場合に用いることもある。
【0055】
更に、
図7に示す様に、農業用ハウス70の内側に沿ってハウス内の周囲を囲む側面壁85として当該石張り構造体10を用いることもある。
【0056】
この農業用ハウス70は、地面71を掘り下げてハウス内のハウス床83を地面71よりも低くし、周囲に土留め壁81を有して骨組みパイプ75により農業用ハウス70を組み立ててカバーシート77を張り、ハウスの外周に排水溝73を設けた半地下型の農業用ハウス70であって、ハウス内の栽培植物87の高さ程度の高さの側面壁85を形成するように石張り構造体10をハウス内の周縁に沿って配置するものである。
【0057】
尚、この場合、側面壁85の外側はアクリル板などの適宜の仕上げ材45とし、断熱材層21、パネル受下地31、放熱パネル35を挟んで内側面を石板41による壁面とするものである。
【0058】
そして、側面壁85の上端部にも石板41を載せるように固定し、石張り構造体10の端面部を保護するようにしているものである。尚、側面壁85とした石張り構造体10の端面部は、石板41でなく金属板等による端部保護カバー69により覆うようにすることもある。
【0059】
この様に農業ハウス内で栽培する栽培植物87の高さ程度以上の高さを有する側面壁85を石張り構造体10で構築すれば、夏場等に低温の熱媒を冷温熱媒配管37に流すことにより、ハウス内の植物周辺の空気温度を栽培に適した温度に調整すると共に、農作業従事者に適温を感じさせることが容易に可能となる。
【0060】
尚、農業用ハウス70としては、
図7に示したように半地下型の農業用ハウス70に限ることなく、地上に組み立てた通常の農業用ビニールハウスであっても栽培植物87と同程度の高さの側面壁85により栽培植物87の全体を囲う様にハウス内周縁に設けることにより、育成を最適に行うと共に、農作業従事者に適温を感じさせることができる。
【0061】
また、半地下型の農業用ハウス70の場合、
図7に示したハウスでは土留め壁81の内側に当該石張り構造体10による側面壁85を形成しているも、石張り構造体10により土留め壁81を構築して半地下型の農業用ハウス70とすることもある。
【0062】
更に、この石張り構造体10は、建屋内の壁面体11や床面体13とする場合のみでなく、ベンチ90等の座板91や背板97とすることもある。
【0063】
即ち、
図8に示す様に、化粧合板である仕上げ材45の上に断熱材層21、パネル受下地31としての合板、放熱パネル35、大谷石の石板41を積層した石張り構造体10により座板91を形成し、この座板91の四隅には脚93を設けるものとし、例えば前後幅45cm程度、横幅180cm程度のベンチ90とすることがある。
【0064】
尚、座板91とした石張り構造体10の周囲端面は、適宜の端部保護カバー69を取り付けることも可能であるが、座板91の下に延びる4本の脚93の間の周囲に沿って石板41を固定し、
図1に示した座椅子ブロック67の様に高さ40cm程度にして前後幅45cm程度、横幅180cm程度の石の直方体ブロックに見せるようにして、座板91の周囲端面も石板41により覆い隠すことが好ましい。
【0065】
また、放熱パネル35に埋設した冷温熱媒配管37の端部は、当該ベンチ90を配置する床や地面に埋設した配管により低温の冷熱媒供給装置や中温の温熱媒供給装置に接続するものである。
【0066】
更に、当該石張り構造体10により座板91を形成する場合のみでなく、背板を有する長椅子であっても、
図9に示す様に、座板91と共に背板97を石張り構造体10とした長椅子95とすることもできる。
【0067】
尚、背板97とする石張り構造体10の背面は、仕上げ材45としてアクリルボードや適宜の化粧合板を用いることもできるが、石製の長椅子95に見せるため、背板97の背面も石板41を用いることが好ましい。
【0068】
また、
図9に示した長椅子95における背板97の端面は、金属板製等の端部保護カバー69を使用しているも、適宜の形状及び大きさとした石板41を用いて石張り構造体10の端面を覆うようにすることもできる。
【0069】
そして、ベンチ90や長椅子95の座板91に当該石張り構造体10を用いる場合、座板91の強度をパネル受下地31とする合板や石板41で保つようにする場合のみでなく、断熱材層21に鉄パイプ等の鋼材を組み込み、座板91の強度を確保するようにすることもある。
【0070】
また、ベンチ90は前後幅が数十cm、横幅長さが数m程度のものに限ることなく、競技場等の観戦スタンドに設けるベンチの様に、長さが10m程度とされるベンチ等の場合にも当該石張り構造体10を用いることもできる。
【0071】
更には、
図10に示す様に、種々の施設の通路107等に設けた手摺101に取り付けて防護柵100とすることもできる。
【0072】
この場合は、手摺101の支柱103に取付け具105を用いて仕上げ材45としての化粧合板を固定し、断熱材層21、パネル受下地31、放熱パネル35、石板41による石張り構造体10を防護柵100とするものであって、この防護柵100とした石張り構造体10の端面は、適宜、端部保護カバー69により保護するものである。
【0073】
尚、冷温熱媒配管37を循環させる低温の冷熱媒は、地下水を用いる場合の他、適宜の冷却装置により7℃乃至18℃とするブラインを用いるものであり、中温の熱媒としては、適宜の加温装置により25℃乃至40℃程度としたブラインを用いるものである。
【0074】
この様に、本実施の形態に係る石張り構造体10は、パネル受下地31や石板41等により平板状体とされて表面を石板41とし、パネル受下地31と石板41との間に冷温熱媒配管37を有する放熱パネル35を有し、パネル受下地31の逆の面には断熱材層21を有する積層体であるから、冷温熱媒配管37を循環させる冷媒又は温熱媒の冷熱又は温熱を表面の石板41から放出させ、穏やかな冷気又は温熱気によって自然な感じに近い涼しさや温かさを石張り構造体10の近くの人に感じさせることができ、石板41を凝灰石の石板として低温の熱媒を循環させるときも結露が生じないようにすることができるものである。
【0075】
また、大谷石等の凝灰石を用いれば、表面温度を低温としながら結露しない状態を保持することができ、直接に石板41に触れても濡れることがなく低温を感じさせることができ、輻射熱だけでなく、直接的な熱伝導をも実感させ、身体の一部を直接冷やすこともできる。
【0076】
このため、少ない熱エネルギーで低温熱を効果的に伝えることができ、温熱に関しても同様に輻射熱及び熱伝導により効率良く温かさを感じさせることができるものである。
【課題】 施工が容易であって、暑さを和らげて自然な涼しさを感じさせる、又は、寒さを和らげて暖かさを感じさせることができる、石の表面とした壁や床などを容易に構築することのできる板状の積層構造体を提供する。
【解決手段】 本発明に係る石張り構造体は、断熱材による断熱材層21と板状のパネル受下地31とを一体とし、前記パネル受下地31に冷温熱媒配管37を有する放熱パネル35を張り付け、前記放熱パネル35に凝灰石の石板41が張り付けられることにより、表面に前記石板41を有する積層体とするものである。